JP3057166U - 組立式整理ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分解収納時にかさばらない組立整理ケースを
提供する。 【解決手段】 矩形枠体と、前記矩形枠体の各角部から
起立する支柱群と、前記支柱群に囲まれた収納空間部
と、前記収納空間部に横方向から収納する引出容器部
と、を含む ケースユニットを複数個積み重ねて構成す
る組立式整理ケースの前記矩形枠体の一辺と、この一辺
と対向する他辺とに、前記収納空間部に向かって凹む凹
部を形成し、前記矩形枠体同士を前記一辺の長さ方向に
ずらして積み重ねたときに、下段に位置する前記矩形枠
体の支柱が上段に位置する前記矩形枠体の凹部を介して
上方に突き出させられるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、衣類や小物等を収納整理するための組立式整理ケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】

これまでの組立式整理ケース（以下、「従来のケース」は、図５に示すように 、矩形枠体１０１，１０１とこの矩形枠体１０１の各角部から起立する４本の支 柱群１０３，．．．と、この支柱群１０３に囲まれた収納空間部１０５と、この 収納空間部１０５に支柱群１０３と交差する方向から収納する引出容器部１０７ と、を含むケースユニット１０９を複数個積み重ねて構成するようになっている 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のケースの矩形枠体５１は、各角部から起立する４本の支 柱群５３が邪魔をして矩形枠体同士を積み重ねることが難しかった。どうしても ずらして積み重ねたい場合は、矩形枠体の対角線方向、すなわち、斜め方向にず らすしか方法がなかった。斜め方向にずらして積み重ねると、横幅方向にも奥行 き方向にも占有面積が拡がり、かさばってしまう。このかさばりを改善して、矩 形枠体の積み重ねを少しでもコンパクトにすることが、本考案が解決しようとす る第１の課題である。

【０００４】 一方、矩形枠体５３同士を積み重ねると、両者が接触することによりその部分 が傷ついてしまうことが考えられる。たとえば、運搬する際に、積み重ねた矩形 枠体５３同士が揺さぶられ、これにより接触部分が擦れて傷つきの原因になる。 このような傷つきを未然に防ぐために、積み重ねた矩形枠体５３同士を擦らせな いようにすること。これが、本考案が解決しようとする第２の課題である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 前述した課題を解決するために考案者は、積み重ねた場合に、下段に位置する 矩形枠体の支柱を、何らかの方法によって上段に位置する矩形枠体に邪魔されず に上方に突き出せるような構造を矩形枠体に持たせた。また、そのような構造を 利用して積み重ねた矩形枠体同士が擦れないように、矩形枠体同士を固定する方 策を講じた。それらの詳しい内容は、項を改めて説明する。

【０００６】 請求項１に記載した考案の構成 請求項１に記載した考案に係る組立式整理ケース（以下、「請求項１のケース 」という）は、矩形枠体と、前記矩形枠体の各角部から起立する支柱群と、 前記支柱群に囲まれた収納空間部と、前記収納空間部に横方向から収納する引 出容器部と、を含むケースユニットを複数個積み重ねて構成する点において、従 来のケースと基本的に同じである。ケースユニットは複数であるから、２個でも ３個以上でもよい。

【０００７】 請求項１のケースの構成上の特徴は、前記矩形枠体の一辺と、この一辺と対向 する他辺とに、前記収納空間部に向かって凹む凹部を形成し、前記矩形枠体同士 を前記一辺の長さ方向にずらして積み重ねたときに、下段に位置する前記矩形枠 体の支柱が上段に位置する前記矩形枠体の凹部を介して上方に突き出させられる ように構成したことにある。凹部の形態は、下段に位置する矩形枠体の支柱を上 方に突き出させられるのであれば何らの制限もなく、支柱の形態にぴったり合わ せた形態でもよいし、支柱の形態を包含するような形態でもよい。

【０００８】 請求項１に記載した考案の作用効果 請求項１のケースは、ケースユニットを複数個積み重ね、各収納空間部に横方 向から引出容器部を収納することにより、完成する。矩形枠体は、その各角部か ら起立する支柱群によって、その上に積み重ねる矩形枠体を支える。各引出容器 部と周の空間部から取り出し、矩形枠体同士を分解した後、この各矩形枠体を積 み重ねるに当たって、矩形枠体の一辺の長さ方向にずらし、下段に位置する矩形 枠体の支柱を上段に位置する矩形枠体の凹部を介して上方に突き出させる。つま り、下段に位置する矩形枠体の支柱を上段に位置する矩形枠体の凹部によって逃 がすことによって、コンパクトな積み重ねを実現する。

【０００９】 請求項２に記載した考案の構成 請求項２に記載した考案に係る組立式整理ケース（以下、「請求項２のケース 」という）は、請求項１のケースの構成に限定が加わり、前記矩形枠体は、その 上面に位置決め突起を有し、前記矩形枠体同士を前記一辺の長さ方向にずらして 積み重ねたときに、下段に位置する前記矩形枠体の位置決め突起が上段に位置す る前記矩形枠体の底面と係合して位置決めがなされるように構成したことを特徴 とする。位置決め突起の形態は、矩形枠体の底面の形態に合わせて設定する。

【００１０】 請求項２に記載した考案の作用効果 請求項２のケースは、請求項１のケースの作用効果に加え、位置決め突起と矩 形枠体底面の働きによって、積み重ねた矩形枠体同士の擦れを少なくすることが でき、これにより、接触部分の傷つきを防ぐことができる、という作用効果を生 じる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

次に、各図を参照しながら、本考案の実施の形態（以下、「本実施形態」とい う）について説明する。図１は本実施形態に係る組立式整理ケース（以下、単に 「整理ケース」という）の分解斜視図であり、図２は分解した整理ケースの各部 材を積み重ねた状態を示す斜視図である。図３は位置決め突起の部分破断図であ り、図４は矩形枠体の平面図である。

【００１２】 整理ケースの基本構成 図１及び２に示すように、整理ケース１は、二段に積み重ねたケースユニット ３、．．と、上段のケースユニット３の上端にはめ込んだ上蓋５とから構成され ている。ケースユニット３は、矩形枠体７と引出容器部９とから構成されている 。

【００１３】 矩形枠体 矩形枠体７は、合成樹脂を射出成形した矩形の枠体であって、カタカナの「ロ 」の字の形状をしている。ロの字状に形成してその中央部を開口させたのは、材 料の削減や軽量を図るためである。ロの字状にせずに、一枚板によって矩形枠体 ７を構成してもよい。矩形枠体７の底面７１には、図３に示す補強用のリブ７１ ｒ，．．．を形成し、充分な強度を保つようにしている。図１に示すように矩形 枠体７の各角部すなわち四隅には、矩形枠体７と一体に成形した４本の支柱７３ が起立している。各支柱７３の上端部７３ａは、他の矩形枠体７を上に積み重ね た際に、その底面７１と係合するように構成されている。４本の支柱群７１によ って囲まれた部分に収納空間部７５が形成され、この収納空間部７５は、引出容 器部９を自由に引き出せる状態で収納できるようになっている。

【００１４】 凹部 図４に示すように、矩形枠体７の一辺７ａと、この一辺７ａと対向する他辺７ ｂには、収納空間部７５に向かって凹む凹部７７，７７が形成されている。本実 施形態の凹部７７は、一辺７ａ（他辺７ｂ）の全域に渡って形成されていて、こ の凹部７７を挟んで支柱７３，７３が起立している。凹部７７の奥行き寸法は、 支柱７３の奥行き寸法とほぼ等しく設定されており、後述するように、矩形枠体 ７同士を積み重ねた際に、支柱７３が凹部７７からはみ出ないようになっている 。なお、矩形枠体７の一辺７ａ（７ｂ）を凹ませる代わりに矩形枠体７の外周に 支柱７３，．．．を配することにより、支柱７３間に凹部７７を形成するように してもよい。

【００１５】 位置決め突起 矩形枠体７の上面７９には、図４に示すように、一辺７ａ（他辺７ｂ）と平行 に延びる細長い突起７９ａが形成されている。突起７９ａは、引出容器部９を入 れたり出したりする際のガイド部材である。突起７９ａの手前側（引出容器部９ を収納する側）はカタカナの「ハ」の字状に広がっていて、引出容器部９を入れ るときに入れやすいようになっている。このハの字部分は、上述したように引出 容器部９を入れやすいようにする働きと、分解した矩形枠体７同士を積み重ねた 際に矩形枠体７同士の擦れあいを防ぐための位置決めの働きとをかねている。本 明細書では、このハの字部分を位置決め突起７９ｐとして、以下の説明を続ける 。

【００１６】 位置決め突起７９ｐは、図３に示すように、矩形枠体７同士を積み重ねた際に 、上段に位置する矩形枠体７の底面７１に形成された補強リブ７１ｒとの間で係 合構造を構成し、この係合構造の働きによって矩形枠体７同士がズレないように なっている。ズレを防いで矩形枠体７が傷つかないようにするためである。

【００１７】 整理ケースの組立と分解 図１及び２を参照しながら、整理ケース１の組立と分解について説明する。整 理ケース１の組立は、矩形枠体７の積み重ねから始める。矩形枠体７の積み重ね は、最下段の矩形枠体７の上に中段の矩形枠体７を載せ、前者の支柱７３，．． ．の上端部７３ａ．．．を後者の底面７１に係合させる。さらに、最上段の矩形 枠体７を中段の矩形枠体７の上に載せ、先と同じようにして中段の矩形枠体７と 最上段の矩形枠体７とを係合させる。次いで、上蓋５を最上段の矩形枠体７の支 柱７３，．．．の上端部７３ａ，．．．にはめ込んで整理ケース１の外観を完成 させる。最後に、引出容器部９，．．を格段の収納空間部７５，．．に収納して 組立を完了する。

【００１８】 一方、整理ケース１の分解は、上述した組立と逆の手順で行う。分解した各部 材は、次のようにまとめる。まず、引出容器部９，．．を積み重ねてひとまとめ にしてから、最上段の引出容器部９の上に上蓋３を載せる。矩形枠体同７同士は 、図３に示すように、一辺７ａ（他辺７ｂ）の長さ方向にずらして凹部７７から 下段の矩形枠体７の支柱７３，７３を突き出させ、かさばらないようにする。こ のようにして上中下段の矩形枠体７，．．を積み重ねたら、各矩形枠体７の位置 決め突起７９ｐが積み重ねられた矩形枠体７の底面７１の補強リブ７１ｒと係合 しているかどうかを確かめる。矩形枠体７同士を積み重ねたら、先にまとめてお いた引出容器部９，．．を上蓋３とともに最上段の矩形枠体７の容器収納部９内 に上方から収納する。これで、整理ケース１をかさばらずに収納できる状態にな る。

【００１９】

【考案の効果】

各請求項に記載した考案によれば、分解収納時の整理ケースがかさばらなくな る。また、積み重ねた矩形枠体が傷つくのを未然に防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本実施形態に係る組立式整理ケースの分解斜
視図である。

【図２】 分解した整理ケースの各部材を積み重ねた状
態を示す斜視図である。

【図３】 位置決め突起の部分破断図である。

【図４】 矩形枠体の平面図である。

【図５】 従来の矩形枠体を積み重ねた状態を示す概略
斜視図である。

【符号の説明】

１ 組立式整理ケース ３ ケースユニット ５ 上蓋 ７ 矩形枠体 ９ 引出容器部 ７１ 底面 ７１ｒ 補強リブ ７３ 支柱 ７５ 収納空間部 ７７ 凹部 ７９ｐ 位置決め突起

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 矩形枠体と、 前記矩形枠体の各角部から起立する支柱群と、 前記支柱群に囲まれた収納空間部と、 前記収納空間部に横方向から収納する引出容器部と、を
   含む ケースユニットを複数個積み重ねて構成する組立
   式整理ケースにおいて、 前記矩形枠体の一辺と、この一辺と対向する他辺とに、
   前記収納空間部に向かって凹む凹部を形成し、 前記矩形枠体同士を前記一辺の長さ方向にずらして積み
   重ねたときに、下段に位置する前記矩形枠体の支柱が上
   段に位置する前記矩形枠体の凹部を介して上方に突き出
   させられるように構成したことを特徴とする組立式整理
   ケース。
2. 【請求項２】 前記矩形枠体は、その上面に位置決め突
   起を有し、 前記矩形枠体同士を前記一辺の長さ方向にずらして積み
   重ねたときに、下段に位置する前記矩形枠体の位置決め
   突起が上段に位置する前記矩形枠体の底面と係合して位
   置決めがなされるように構成したことを特徴とする請求
   項１に記載した組立式整理ケース。