JP3056790B2 - シクロヘキサンの直接酸化及び触媒の再循環によるアジピン酸の調製方法 - Google Patents

シクロヘキサンの直接酸化及び触媒の再循環によるアジピン酸の調製方法

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JP3056790B2 JP8505510A JP50551095A JP3056790B2 JP 3056790 B2 JP3056790 B2 JP 3056790B2 JP 8505510 A JP8505510 A JP 8505510A JP 50551095 A JP50551095 A JP 50551095A JP 3056790 B2 JP3056790 B2 JP 3056790B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、酸素含有ガスを用い、液相で、且つコバル
ト含有触媒の存在で、シクロヘキサンをアジピン酸に1
段法酸化させる分野に関する。
シクロヘキサンをアジピン酸に直接酸化させること
は、特に、1段法でしかも硝酸の如きオキシダントを用
いずに、シクロヘキサンをアジピン酸に転化させる際、
この化合物が、いかなる汚染をも避けるために後で処理
せねばならない窒素酸化物を発生するという明らかな利
点のために長い間実施されてきた方法である。
かくして、1940年12月に発行された米国特許US−A−
2,223,493は、一般に酢酸を含有する液相中、少なくと
も60℃の温度で、酸素含有ガスを用い、且つコバルト化
合物の如き酸化触媒の存在で、環状炭化水素を、対応す
るジ酸に酸化させることを記述している。この特許は、
結晶化により形成されたアジピン酸を分離するための備
えをしているが、新たな酸化操作で触媒を再循環させる
態様については何も教示しておらず、まして、一回以上
再循環させた触媒が有する活性については何も教示して
いない。
特許出願WO−A−94/07833も同様の方法を記述してい
るが、溶剤は環状炭化水素1モル当たり1.5モル未満に
相当すること、該溶剤は第一もしくは第二水素原子のみ
を有する有機酸よりなること、そして反応は反応混合物
1000グラム当たりコバルトベース触媒少なくとも0.002
モルの存在で実施されることを明記している。反応の終
わりに、形成されたジ酸は単離される。
上記特許出願と同日出願された特許出願WO−A−94/0
7834も亦、同じ方法を記述しているが、最終反応混合物
の処理段階を発展させている。この処理はは、形成され
たジ酸を、該ジ酸の沈殿を生じるために反応混合物を冷
却させることにより分離し、またジ酸を2液相から濾過
することにより分離するにある。而して、液相のうち非
極性のものは再循環され、また極性のものも、随意的加
水分解及び付加的量のジ酸分離後、再循環される。
これら種々の特許は、工業上受容される選択性を伴っ
た、シクロヘキサンの、アジピン酸への1段法酸化を許
容する解決策を提示しているが、しかしそれらは、再循
環時の触媒の漸進的で且つ比較的迅速な失活という特定
問題を扱っていない。
実際、アジピン酸のいくらかを結晶化させるためにシ
クロヘキサン酸化反応から得られた反応混合物を冷却さ
せ、次いでこの沈殿したアジピン酸を分別するために濾
過するとき、かくして得られた濾液は、触媒、残留アジ
ピン酸、反応副生物(特にグルタル酸、コハク酸、シク
ロヘキサノール、シクロヘキサノン、ビドロキシカプロ
ン酸及びシクロヘキシルエステル類)、未反応シクロヘ
キサン、酢酸溶剤及び形成水を含有する。
これら種々の化合物の或るものは確かに触媒の失活に
影響を及ぼす。特許出願WO−A−94/07834に記載の方法
において、これら種々の化合物の大半は、随意、更なる
量のシクロヘキサン添加後、また随意、混合物中に残留
する追量のアジピン酸分離後、酸化反応に再循環され
る。結局、触媒及び種々の副生物が新たな酸化反応に再
循環されるとき、触媒の比較的迅速な失活が観察される
と判明する。かくして、WO−A−94/07834の種々の例に
は、触媒の4サイクルの後アジピン酸の形成速度が26〜
43%まで低下したことが示されている。
かくして、本発明の主題の一つは、失活がほとんども
しくは全くなしでコバルト触媒の再循環を許容すること
である。
この目的を達成するために、本発明の方法は、アジピ
ン酸へのシクロヘキサンの直接酸化の間得られる反応混
合物の処理段階にして、反応の際形成されるグルタル酸
及びコハク酸の少なくともいくらかを抽出することから
なる処理段階を包含する。
本発明の最初の主題は先ず、第一もしくは第二水素原
子のみを有する脂肪族カルボン酸少なくとも1種よりな
る溶剤中、酸素含有ガスによる、アジピン酸へのシクロ
ヘキサンの直接酸化のための反応において、コバルト含
有触媒を再循環させる方法よりなり、而して該再循環プ
ロセスは、 − アジピン酸へのシクロヘキサンの酸化のための先行
操作から誘導された反応混合物が、より揮発性の高い化
合物を除去するために、随意、それに含有されるアジピ
ン酸の少なくともいくらかを結晶化し且つ分離した後処
理されること、 − 得られた残分が、ケトン、アルコール、エステル、
これらの種々の混合物または炭化水素とカルボン酸との
混合物から選ばれる溶剤を用いて抽出され、而してこの
溶剤は該残分に含有されるジ酸のすべてないし大部分を
溶解することができること、 − かくして得られる、コバルト触媒の大半を含有する
抽出残分が、シクロヘキサン、カルボン酸及び、更にふ
さわしければ、コバルト触媒、の必要な補充の後、アジ
ピン酸へのシクロヘキサンの酸化のための新たな操作で
用いられること を特徴とする。
本明細書中、用語「大部分」は、考慮される化合物ま
たは化合物類の総量の少なくとも50重量%を意味する。
反応混合物は、特に、未反応シクロヘキサン、酸化反
応で溶剤として役立つカルボン酸、形成される水、及び
シクロヘキサノール及びシクロヘキサノンの如き特定の
中間体化合物である、より揮発性の高い化合物の、大気
圧もしくは減圧での蒸留によって好都合に処理すること
ができる。既述の如く、この処理は、反応混合物の冷却
を介しての、アジピン酸のいくらかもしくは全部の結晶
化及び、例えば濾過または遠心分離を介してのその分離
によって先行されうる。
得られた残分から触媒を抽出するのに用いることので
きるケトンは特に、アセトン、メチルエチルケトン及び
シクロヘキサノンであるが、シクロヘキサノンが好まし
い。なぜなら、それは、所要時、本方法の他の工程で再
使用され得、例えば、それを酸化反応に再循環させるこ
とができるからである。
得られた残分から触媒を抽出するのに用いることので
きるアルコールは、特に、1−プロパノール、2−プロ
パノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタ
ノール及びシクロヘキサノールであるが、シクロヘキサ
ノールが好ましい。なぜなら、それは、所要時、本方法
の他の工程で再使用され得、例えば、それを酸化反応に
再循環させることができるからである。
得られた残分から触媒を抽出するのに用いることので
きるエステルは、特に、シクロヘキサン酸化反応で用い
られる如き第一もしくは第二水素原子のみを有する脂肪
族カルボン酸と共に上記のアルコールから誘導されるエ
ステルである。
むろん、これら抽出溶剤のいくつかの混合物を用いる
ことができ、特にシクロヘキサノールとシクロヘキサノ
ン(時折オロンと呼称)の混合物を用いることができ
る。他の溶剤混合物、例えば、脂肪族ないし脂環式炭化
水素及びカルボン酸の混合物も亦適合しうる。これらに
ついては、後で定義する。
本発明の第二主題も亦、酸素含有ガスによる、アジピ
ン酸へのシクロヘキサンの直接酸化のための反応におい
て、コバルト含有触媒を再循環させる方法よりなり、而
して該再循環プロセスは、 − アジピン酸へのシクロヘキサンの酸化のための先行
操作から得られる反応混合物にして、該混合物から、特
にシクロヘキサノール及びシクロヘキサノンの如き、少
なくともいくらかの中間体酸化生成物、いくらかのカル
ボン酸溶剤及び水が分離されており且つ該混合物から、
形成された、少なくともいくらかのアジピン酸が結晶化
により回収されている、上記反応混合物が、少なくとも
1種の助触媒を用い或は助触媒とカルボン酸からなる混
合物を用いた少なくとも一回の抽出に付されること、 − 一方で、少なくともいくらかのコバルト触媒、いく
らかのカルボン酸及び見込まれる残留量の他の化合物を
含有する混合物と、他方で、補助溶剤及び、酸化反応で
形成される、少なくともいくらかのグルタル酸及びコハ
ク酸並びにいくらかのカルボン酸を含有する溶液とが分
離されること、そして − 少なくともいくらかのコバルト触媒を含有する溶液
が、随意、余分なコバルト触媒の添加後、アジピン酸へ
のシクロヘキサンの酸化のための新たな操作で用いられ
ること を特徴とする。
この本発明の第二主題に従った方法で用いることので
きる補助溶剤は、一般に、炭化水素、特に脂肪族ないし
脂環式炭化水素、ケトン及びアルコールから選ばれる。
炭化水素のうち、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノ
ナン、デカン、ウンデカン、ドデカン及びシクロヘキサ
ンを挙げることができる。
ケトンのうち、本発明の最初の主題に従った方法で残
分の抽出に関し列挙したものを用いることができるが、
シクロヘキサノンが好ましい。
アルコールのうち、本発明の最初の主題に従った方法
で残分の抽出に関し列挙したものを用いることができる
が、シクロヘキサノールが好ましい。
本発明の第二主題に従った方法で補助溶剤としてシク
ロヘキサンを用いることは好ましい。なぜなら、それに
よって、本方法の間得られる種々の溶液の処理及びそれ
らの、酸化反応での可能な再循環が促進されるからであ
る。
特定の分離操作後本発明の方法で用いられる粗反応混
合物は、カルボン酸からなる液体媒体中、コバルト含有
触媒の存在で、酸素含有ガスにより、シクロヘキサン
の、それ自体知られた酸化から得られる。
この粗反応混合物の調製に関して、従来法、特に前述
したUS−A−2,223,493に記載の方法を参照することが
できる。かくして、初期シクロヘキサン/カルボン酸重
量比は、例えば0.1〜1〜10/1範囲であり得、好ましく
は0.5/1〜3/1範囲でありうる。コバルト触媒は、好まし
くは、反応媒体に可溶のコバルト化合物からなり、例え
ば、カルボン酸コバルト好ましくは酢酸コバルト四水和
物、塩化コバルト、臭化コバルト及び硝酸コバルトから
選ばれる。
反応混合物に対するコバルトの重量%として表わされ
る触媒の量は、一般に0.01%〜5%、好ましくは0.05%
〜2%であるが、これらの値は臨界的でない。しかしな
がら、それは、後で最終反応混合物から分離し且つ再循
環せねばならない過剰量の触媒を用いずに十分な活性を
有するかどうかの問題である。
コバルトに加えて、触媒は、マンガン及び(または)
銅及び(または)セリウム及び(または)バナジウムの
如き金属をベースとした他の化合物を含有することもで
きる。
また、酸化反応に、例えばケトンまたはアルデヒドの
如き開始剤化合物を用いることが有利である。特に、反
応中間体であるシクロヘキサノンが挙げられる。開始剤
は一般に、用いられる反応混合物の重量の0.01〜20重量
%に相当するが、これらの割合は臨界値を有さない。開
始剤は特に、酸化の開始時、またシクロヘキサンを120
℃以下の温度で酸化させるときに有用である。それは反
応開始時に導入することができる。
シクロヘキサン酸化反応で溶剤として作用するカルボ
ン酸は特に、2〜9個の炭素原子及び第一もしくは第二
水素原子のみを有する飽和脂肪族カルボンサンである。
酢酸は、好ましくは、シクロヘキサン酸化反応の溶剤
として使用される。本記載の残り部分で、酢酸は、便宜
上、本方法の種々の段階で用いられるカルボン酸として
言及される。
酸化はまた、本方法の初期段階で導入される水の存在
で実施することができる。
シクロヘキサン酸化反応は、一般に60〜180℃、好ま
しくは70〜120℃の温度で実施しうる。
圧力は反応の臨界的パラメーターではないが、一般に
10kPa(1.1バール)〜10,000kPa(100バール)範囲であ
る。
本発明に従う抽出操作を行う前に、シクロヘキサンの
酸化から得られた粗反応混合物は、その構成成分のいく
らかを分離すべく種々の操作に付される。
本発明の第二主題に従った方法の第1変法に依れば、
粗反応混合物は先ず、例えば温度16〜30℃への冷却に付
すことができ、それによって、形成されるアジピン酸の
少なくともいくらかが結晶化される。かくして、本質上
アジピン酸よりなる固相と、本質上未反応シクロヘキサ
ンを含有する、上部のシクロヘキサン液相と、そして本
質上、酢酸、形成水、アジピン酸、シクロヘキサノー
ル、シクロヘキサノン及びヒドロキシカプロン酸の如き
シクロヘキサン酸化中間体、グルタル酸及びコハク酸の
如き副生物並びにコバルト触媒を含有する、下部の酢酸
液相からなる三相媒体が得られる。反応混合物を冷却す
ることにより得られる媒体は、ふさわしければ、二相媒
体でありうる。すなわち、該媒体は、酸化時のシクロヘ
キサンの転化が完全ないしほぼ完全であるなら、沈殿ア
ジピン酸と酢酸相のみを含有する。
固体の濾過または遠心分離の後、濾液または遠心分離
液を構成する液相を沈降によって分離し、必要あれば、
少量のシクロヘキサン酸化生成物を含有するシクロヘキ
サン相を新たな酸化反応において再循環させることがで
きる。
アジピン酸結晶化操作に先立って反応混合物を濃縮す
ることも亦有利でありうる。次いで、アジピン酸の沈殿
時、単一酢酸液相を見出すことができる。
本発明の第二主題に従った方法の第2変法に依れば、
最終粗反応混合物は、例えば、75℃にまで上げうる温度
での熱時、除去することができる。次いで、反応混合物
は沈降により、本質上未反応シクロヘキサンを含有する
上部シクロヘキサン相と、本質上、酢酸、アジピン酸、
形成水、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン及びヒ
ドロキシカプロン酸の如きシクロヘキサン酸化中間体、
グルタル酸及びコハク酸の如き副生物並びにコバルト触
媒を含有する下部酢酸液相との2液相に分離する。
第1変法における如く、2液相は沈降により分離さ
れ、少量のシクロヘキサン酸化生成物を含有するシクロ
ヘキサン相は、新たな酸化反応において再循環させるこ
とができる。
第1変法に関する上記注解は他の変法にも妥当であ
る。すなわち、酸化に用いたシクロヘキサンが事実上す
べて転化するなら、そこに2液相はあり得ず、単一酢酸
相があるのみである。
可能な濃縮の後、酢酸相は次いで、例えば16℃〜30℃
の温度に冷却され、それにより、形成されたアジピン酸
の少なくともいくらかが結晶化せしめられ、次いで濾過
または遠心分離によって分離される。このアジピン酸
は、有利には酢酸または水でありうる適当な溶剤からの
再結晶によって精製することができる。酢酸を再結晶溶
剤として用いるとき、次いで、それは上で得られた酢酸
相に添加することができる。
本発明の第二主題に従った方法の第3変法に依れば、
酸化反応の間水/シクロヘキサン共沸混合物を留去する
ことができ、また沈降によるこの混合物の分離後、所望
なら、シクロヘキサンを反応器に再導入することができ
る。これは、水の少なくともいくらかを反応混合物から
除去せしめる。次いで、最終粗反応混合物を上に記述し
た第1変法に従って、すなわちアジピン酸を沈降させる
ための冷却、濾過または遠心分離により処理することが
できる。水を除去することの重要性は、沈降で液体部分
が二つの別個の相に分離する可能性を避けることであ
る。得られた単一液相は次いで、酢酸相と同じ態様で処
理される。
これらの三つの変法の一つで或は他で得られた酢酸相
は、最終粗反応混合物の処理のために、沈降による分離
後得られた状態のまま(特に水がすでに除去されている
場合)か或は、好ましくは、減圧で30℃〜80℃の温度に
加熱することにより濃縮された後、シクロヘキサンによ
り抽出に付される。この濃縮は、酢酸のいくらか、水の
少なくとも大部分及び、存在しうる、シクロヘキサン、
シクロヘキサノールもしくはシクロヘキサノンの如き軽
質化合物の少なくともいくらかを除去することを可能に
する。かくして酢酸相から分離された化合物類は、全体
として或は、それらが含有する水の少なくともいくらか
を分離後、シクロヘキサン酸化段階において再循環させ
ることができる。一般に、濃縮は、酢酸相を、その初期
容積の80%〜10%に相当する容積に低下させるが、これ
らの値は単に例として示されるに過ぎない。一つの変法
は、酢酸相を濃縮乾固させるにあり、換言すれば該相に
含まれる酢酸すべてを除去することにある。
酢酸相の部分的濃縮も、その後、アジピン酸の結晶化
で上述した条件下での冷却が行われるなら、付加的量の
アジピン酸を沈降せしめうる。
濃縮済みの或は未濃縮の酢酸相は、シクロヘキサン単
独により或はシクロヘキサン/酢酸混合物により抽出さ
れる。しかしながら、本質的要点は、抽出に付される酢
酸相とシクロヘキサンからなる混合物が1/1〜50/1好ま
しくは2/1〜15/1範囲の全シクロヘキサン/酢酸重量比
を有すべきということである。これは、上記した反応混
合物の種々の処理後に得られた酢酸相の組成に依り、か
くして画成される組成物をシクロヘキサン/酢酸混合物
で抽出するのに要求される酢酸が部分的ないし全体的
に、酢酸相に含まれる酢酸からなり、或は上記酢酸相の
酢酸が除去されている場合シクロヘキサンとともに導入
されることを意味する。
抽出は、通常の工業的技術によって一度若しくはそれ
以上で又は連続法で実施することができる。これは、使
用する溶剤の沸点までの範囲にわたる温度において実施
することができる。抽出は、一般には10〜80℃そして好
ましくは50〜80℃で行われる。
抽出操作は、一方において、分離することが望まれる
グルタル酸及びコハク酸のうちの少なくともいくらか、
並びにラクトン、エステル及び過酸化生成物の如きなお
残留する可能性がある他の副生物を残留量で含有する液
体、そして他方において、本質的にコバルトを含有する
混合物をもたらす。この混合物は、一般には、沈降によ
って分離される。
かくして分離されたコバルト触媒は、新規なシクロヘ
キサン酸化反応に再循環され、そして随意として、シク
ロヘキサン酸化から得られる反応混合物の種々の処理間
にこうむる損失を補うための更なる添加の後に再循環さ
れる。
この触媒は、最初のシクロヘキサン酸化操作に使用さ
れた新しい触媒と同じ活性のままであり、かくして酢酸
を形成するためのその活性及び反応選択性を大きく低下
させることなく多数回再循環させることができる。
本発明の第三の主題は、カルボン酸を溶剤として含む
液状媒体中、且つ少なくともコバルトを含有する触媒の
存在において、酸素含有ガスを用いてシクロヘキサンを
アジピン酸に酸化する連続方法であって、下記の工程: a)シクロヘキサンをアジピン酸に事実上酸化させ、 b)アジピン酸へのシクロヘキサンの酸化反応から誘導
される反応混合物を、随意、該反応混合物に含まれるア
ジピン酸の少なくともいくらかを晶出させて分離した
後、揮発性化合物を除くために処理し、 c)得られた残分を、ケトン、アルコール、エステル、
これらの種々の混合物又は炭化水素とカルボン酸との混
合物から選ばれる溶剤を使用して抽出し、この溶剤は該
残分中に含有されるジ酸の全部又は大部分を溶解するこ
とができるものであり、 d)かくして得られる、コバルト触媒の大部分を含有す
る抽出残分を新規なシクロヘキサン酸化操作a)におい
て使用する を含むことを特徴とする連続方法よりなる。
この連続法の各工程は先に概略を説明したので、本法
の特定の具体例についてはこの説明を参照されたい。
本発明の第四の主題は、酢酸を溶剤として含む液状媒
体中、且つ少なくともコバルトを含有する触媒の存在に
おいて、酸素含有ガスを用いてシクロヘキサンをアジピ
ン酸に酸化する連続方法であって、下記の工程: a)シクロヘキサンをアジピン酸に事実上酸化し、 b)下記のいずれか: b1)粗製の最終反応混合物を、随意濃縮後、アジピン
酸の少なくともいくらかを晶出させるために冷却し、該
アジピン酸を濾過又は遠心分離によって分離し、次い
で、必要ならば得られた濾液又は遠心分離液を沈降させ
てシクロヘキサン相及び酢酸相にすることによって分離
させ、または b2)粗製の最終反応混合物を熱い間に取り出し、該反応
混合物は2相又は単相になり、沈降させてシクロヘキサ
ン相及び酢酸相にすることによって分離し、沈降により
分離されている酢酸相、又は適する場合には、単一の酢
酸相を、アジピン酸の少なくともいくらかを晶出させる
ように冷却し、及び濾過又は遠心分離によって該アジピ
ン酸及び酢酸相を分離することが可能であり、または b3)酸化工程a)の間に反応混合物から水を、シクロヘ
キサン/水共沸混合物を蒸留することによって除去し、
蒸留されたシクロヘキサンを必要に応じて反応装置中に
再導入した後、粗製の最終反応混合物を変法b1)に従っ
て処理し、該処理は単一の酢酸相をもたらし、 c)変法b3)において行っていなければ、酢酸相から水
の少なくとも大部分を除去するために、酢酸相を濃縮
し、 d)酢酸相を、シクロヘキサン又はシクロヘキサン/酢
酸混合物をシクロヘキサン/酢酸相混合物において、総
括のシクロヘキサン/酢酸重量比が1/1〜50/1、好まし
くは2/1〜15/1になるような量で使用して抽出し、 e)一方で、グルタル酸及びコハク酸の少なくともいく
らかを含有するシクロヘキサン溶液と、他方で、本質的
にコバルト触媒を含有する混合物とを分離し、 f)コバルト触媒を含有する混合物を新規な酸化反応
a)において循環させる を含むことを特徴とするシクロヘキサンをアジピン酸に
酸化する連続方法よりなる。
この連続法の各工程は先に概略を説明したので、本法
の特定の具体例についてはこの説明を参照されたい。
次の実施例は、本発明を例示するものである。
例1〜5 六枚刃ダブルタービン、並びに反応剤及び流体の導入
用又は反応生成物及び流体の取出用の各開口を備えそし
て窒素で予備パージされたチタン製スリーブ付き1.5
オートクレーブに、下記の化合物、 ・酢酸コバルト四水和物: 4.0g(16ミリモル) ・酢酸: 359g(5.98モル) ・シクロヘキサン: 289.7g(3.45モル) ・アセトアルデヒド: 1.2g(27.3ミリモル) を室温で仕込む。
オートクレーブを閉じた後に、窒素圧を20バールに
し、撹拌を800回転/分で開始しそして温度を29分にわ
たって102℃にする。次いで、窒素を20バールの減損空
気(5.85%酸素)によって置換する。流出ガスの流量を
250/hrに設定する。
約10分の誘導(この間に酸素の消費は全くない)後、
温度は突然に106℃に上昇しそして酸素が消費され始め
る。オートクレーブ流出口における空気中の酸素含量が
1%に達したときに、5.85%の酸素含量にある減損空気
の供給は、11.35%の酸素含量にある空気の供給によっ
て置き換えられる。反応器の出口における酸素含量は、
試験を通して1%よりも下にとどまる。オートクレーブ
における平均温度は106〜107℃に維持される。
50の酸素が消費されたときに、出口バルブ及び空気
供給口を閉じる。同時に、オートクレーブの温度を徐々
に75℃にする。
次いで、浸漬管に連結された取出バルブを使用して反
応混合物を回収し、次いで約20℃に急速に冷却する。
沈殿した粗アジピン酸(49g)、酢酸相(451.4g)及
びシクロヘキサン相(143.2g)よりなる三相媒質が得ら
れる。オートクレーブを酢酸で濯ぎそしてこの濯ぎ液を
酢酸相に加える。凝縮器の後に置かれたトラップの内容
物(5.5g)をシクロヘキサン相に加える。
酢酸からの再結晶時に、294.5ミリモルの再結晶アジ
ピン酸、並びに38、5ミリモルのアジピン酸、1.6ミリ
モルのグルタル酸及び1.2ミリモルのコハク酸(これら
は溶解されている)が得られる。アジピン酸の結晶によ
って捕捉された約5%の触媒が再結晶からの酢酸中に回
収されるが、この酢酸溶液を酢酸相に加える。
酢酸相及びシクロヘキサン相をガスクロマトグラフィ
ーによって分析する。
例1並びに次の比較試験又は例の結果は、次の方法で
表されている。
・シクロヘキサンの転換度(DC):最終反応混合物の各
化合物に転換されたシクロヘキサンのモル% ・生成物Pに対する選択率(RT):生成物Pのモル数×
100/転換されたシクロヘキサンモル数 ・生成したジ酸の直線度(Lyt):生成したアジピン酸
のモル数×100/生成したアジピン酸、グルタル酸及びコ
ハク酸のモル数の合計 酢酸相は、形成された酸及びラクトンの実質上全部、
形成されたシクロヘキサノール、シクロヘキサノン及び
酢酸シクロヘキシルの大多数、並びに水及び触媒の実質
上全部を含有する。
水、並びに酢酸、シクロヘキサン、シクロヘキサノー
ル及びシクロヘキサノンのいくらかを除去するために、
酢酸相を、110gの酢酸及び35gの生成物(本質的には、
ジ酸及びコバルト触媒)を含有する溶液が得られるまで
減圧(4kPa)で50℃に加熱することによって濃縮させ
る。
この濃縮された酢酸相を1300gのシクロヘキサンで70
℃において処理する。赤色の沈殿及び無色の上澄み液が
生じるが、この液を熱い(60℃)間に除去する。
上澄み液は酸化生成物(ジ酸、シクロヘキサノール、
シクロヘキサノン、エステル及びラクトン)の大部分を
含有するのに対して、沈殿は、最初の試験に関して先に
記載した割合を回復するのに必要な余分のコバルト、シ
クロヘキサン及び酢酸と共に反応に戻されたコバルトの
95%以上(試料に対して分析によって測定された量)を
含有する。
触媒は、続けて4回再循環される(例2〜5)。
例1〜5で得られた結果を下記の表1に記載する。
この表では、次の略語が使用される。
・酢酸に対して“AdOH" ・シクロヘキサノール/シクロヘキサノン混合物に対し
て“olone" ・/時間単位で消費される酸素の最大量に対して“O
2"(この値は酸化の最大速度を表す) ・g/.h単位で表される生成したアジピン酸の生産効率
に対して“AdOHのPeff" 触媒活性、アジピン酸に対する選択性、olone(アジ
ピン酸生成性化合物の混合物)に対する選択性及び直線
度が5回の連続酸化にわたって保たれることが認められ
る。
比較試験a〜e 最初の酸化試験は、例1と同じ量の反応剤及び触媒並
びに同じ操作条件で実施されるが、しかし最終反応混合
物の処理が異なる。
例1におけるように、酢酸相は、生成した酸及びラク
トンのほとんど全部、そして生成したシクロヘキサノー
ル、シクロヘキサノン及び酢酸シクロヘキシルの大多数
を含有し、そして水及びアジピン酸の沈殿によって連行
された触媒の実質上全部(触媒の約5%)がアジピン酸
の再結晶化に使用した酢酸中に回収されるが、この酢酸
溶液を酢酸相に添加する。
水、並びに酢酸、シクロヘキサン、シクロヘキサノー
ル及びシクロヘキサノンのいくらかを除去するために、
酢酸相を、110gの酢酸及び35gの生成物(本質的には、
ジ酸及びコバルト触媒)を含有する溶液が得られるまで
減圧(4kPa)で50℃に加熱することによって濃縮させ
る。
この濃縮された酢酸溶液は、最初の試験aに関して先
に記載した割合を回復するのに必要な余分のコバルト、
シクロヘキサン及び酢酸と共に反応器に送られる。
触媒は、続けて4回再循環される(比較試験b、c、
d及びe)。
例a〜eで得られた結果を下記の表2に記載する。
アジピン酸及びoloneに対する全選択性並びに直線性
は、5回の連続酸化にわたって保持されることが認めら
れる。他方、触媒の最初の再循環間に活性が保持される
場合には、触媒の漸進的失活が観察される。
加えて、最終反応混合物の冷却間に沈殿する粗アジピ
ン酸は、他の酸化生成物(この濃度は再循環が続くにつ
れて上昇する)によって益々汚染されるが、この沈殿さ
れたアジピン酸は益々多くのコバルトを連行する。
例6 120gの酢酸、3.7gのコハク酸(31.6ミリモル)、7.3g
のグルタル酸(55.3ミリモル)、29.2gのアジピン酸(2
00ミリモル)及び4gの酢酸コバルト四水和物(16ミリモ
ル)を含有しそして100℃で均質な溶液を徐々に室温に
冷却する。
過によって21gのアジピン酸を含有する固体を分離
し、そして116gの酢酸、3.0gのコハク酸(25.4ミリモ
ル)、7.0gのグルタル酸(53ミリモル)、8.2gのアジピ
ン酸(53ミリモル)及び4gの酢酸コバルト四水和物(16
ミリモル)よりなる液を回収する。
この液を濃縮乾固し、次いで50mlの熱い(56℃)ア
セトンで二回処理する。
アセトンエキストラクトと残留する固体残渣との間の
化合物の分布を以下の表3に記載する。
例7 例6と同じ組成の溶液を同じ態様で処理し、そして結
晶化及び過によってアジピン酸の大部分を分離した。
得られた液は、115gの酢酸、3.7gのコハク酸(31ミ
リモル)、7.3gのグルタル酸(55ミリモル)、8.8gのア
ジピン酸(60ミリモル)及び4gの酢酸コバルト四水和物
(16ミリモル)よりなる。
この液を濃縮乾固し、次いで100mlの熱い(70℃)
シクロヘキサノン/酢酸混液(82/18重量/重量)で五
回処理する。
溶剤混液のエキストラクトと残留する固体残渣との間
の化合物の分布を以下の表4に記載する。
例8 120gの酢酸、3.7gのコハク酸、6.3gのグルタル酸、2
9.9gのアジピン酸及び4.1gの酢酸コバルト四水和物を含
有しそして100℃で均質な溶液を徐々に室温に冷却す
る。
過によって21.2gのアジピン酸を含有する固体を分
離し、そして116gの酢酸、3.2gのコハク酸(27.1ミリモ
ル)、6.2gのグルタル酸(47ミリモル)、8.7gのアジピ
ン酸(60ミリモル)及び4.1gの酢酸コバルト四水和物
(16.4ミリモル)よりなる液を回収する。
この液を一部分濃縮して約52gの熱溶液を得る。こ
の熱い濃縮溶液中に168.5gのアセトンを入れることによ
ってこの熱濃縮溶液を処理する。この混合物の温度は60
℃に安定化する。混合物は固体及び上澄み液からなり、
そしてこれらは熱い間に分離される。
上澄み液と分離された固体残渣との間の化合物の分布
を以下の表5に記載する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 51/48 C07C 51/48 55/14 55/14 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 ニベール,ダニエル フランス国 エフ38200 セスュエル, レ オー ド セスュエル,7 (56)参考文献 特開 昭50−8790(JP,A) 特開 昭49−100022(JP,A) 特公 昭47−42244(JP,B1) 特公 昭49−2097(JP,B1) 特公 昭47−28967(JP,B1) 特公 昭48−30256(JP,B1) 特公 昭47−49043(JP,B1) 国際公開94/7834(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/215 C07C 51/48 C07C 55/14 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種の脂肪族カルボン酸を含む
    溶剤中、且つ少なくともコバルトを含有する触媒の存在
    下にシクロヘキサンをアジピン酸に直接酸化する方法に
    おいて、下記の工程: a)シクロヘキサンをアジピン酸に事実上酸化し、 b)下記のいずれか: b1)粗製の最終反応混合物を、随意濃縮後、アジピン酸
    の少なくともいくらかを晶出させるために冷却し、該ア
    ジピン酸をろ過又は遠心分離によって分離し、次いで、
    必要ならば得られたろ過又は遠心分離液を沈降させてシ
    クロヘキサン相及び酸性相にすることによって分離さ
    せ、または b2)粗製の最終反応混合物を熱い間に取り出し、該反応
    混合物は2相又は単相混合物になり、沈降させてシクロ
    ヘキサン相及び酸性相にすることによって随意分離し、
    沈降により分離されている酸性相、又は適する場合に
    は、単一の酸性相を、アジピン酸の少なくともいくらか
    を晶出させるように冷却し、及びろ過又は遠心分離によ
    って該アジピン酸及び酸性相を分離し、または b3)酸化工程a)の間に反応混合物から水を、シクロヘ
    キサン/水共沸混合物を蒸留することによって除去し、
    蒸留されたシクロヘキサンを反応装置中に随意再導入し
    た後、粗製の最終反応混合物を変法b1)に従って処理
    し、該処理は単一の酸性相をもたらし、 c)下記のいずれか: c1)変法b3)において行っていなければ、酸性相から水
    の少なくとも大部分を除去するために酸性相を濃縮し、
    そしてケトン、アルコール、エステル若しくはそれらの
    混合物、又は炭化水素とカルボン酸との混合物から選択
    される溶剤を使用して酸性相から酸化反応で形成された
    グルタル酸及びコハク酸のうちの少なくともいくらかを
    抽出し、または c2)酸性相を蒸留して固体残留物を得、そして少なくと
    もカルボン酸とケトン、アルコール、エステル、炭化水
    素又はこれらの混合物から選択される溶剤との混合物を
    使用して酸化反応で形成されたグルタル酸及びコハク酸
    のうちのすくなくともいくらかを一回抽出し、 d)一方で、グルタル酸及びコハク酸の少なくともいく
    らかを含有する相と、他方で、本質的にコバルト触媒を
    含有する相とを分離し、 e)コバルト触媒を含有する相を新規な酸化反応に、随
    意余分のコバルト触媒の添加後に循環させる、 ことを含むことを特徴とするシクロヘキサンをアジピン
    酸に直接酸化する方法。
  2. 【請求項2】反応混合物がアジピン酸晶出操作に先立っ
    て濃縮されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】最終粗反応混合物が特に75℃までになりう
    る温度において熱い間に取り出され、このとき該反応混
    合物は二相又は単相混合物であり、2つの液相即ち上部
    のシクロヘキサン相及び下部の酸性液相が必要ならば沈
    降後に分離され、そして該下部の酸性相又は単酸性相が
    16〜30℃の温度に冷却されて形成されたアジピン酸のう
    ちの少なくともいくらかの晶出を生じさせ、次いでこれ
    が酸性相のろ過又は遠心分離によって分離されることを
    特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】反応混合物が、特に、未反応シクロヘキサ
    ン、酸化反応において溶剤として役立つカルボン酸、形
    成される水、及びシクロヘキサノール及びシクロヘキサ
    ノンの如き特定の中間体化合物である、より揮発性の高
    い化合物の、大気圧もしくは減圧での蒸留によって処理
    されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】得られた残分から触媒を抽出するのに役立
    つ溶剤が、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
    サノン、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブ
    タノール、2−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘ
    キサノール、前記アルコールと第一もしくは第二水素原
    子のみを有する脂肪族カルボン酸とから誘導されるエス
    テル、例えばシクロヘキサン酸化反応で使用されるも
    の、これらの抽出溶剤のいくつかの混合物、及び脂肪族
    ないし脂環式炭化水素とカルボン酸との混合物から選ば
    れることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】用いられる脂肪族カルボン酸が酢酸である
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】粗最終反応混合物に冷却を施して温度16゜
    〜30℃にして形成されたアジピン酸の少なくともいくら
    かの晶出を生じさせ、こうして本質的にアジピン酸から
    なる固相、上部のシクロヘキサン液相及び下部の酸性液
    相を含む3相媒体か或は本質的にアジピン酸からなる固
    相及び酸性相を含む2相媒体のいずれかをもたらした後
    に、必要ならば固体を濾過又は遠心分離した後に、沈降
    後2つの液相を分離することを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  8. 【請求項8】反応混合物が、アジピン酸晶出操作に先立
    って濃縮されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】最終粗反応混合物が熱い間に取り出され、
    このとき該反応混合物は2相又は単相になり、必要なら
    ば、上部のシクロヘキサン液相と下部の酢酸液相との2
    つの液相を沈降後分離し、該下部の酢酸相又は単一の酢
    酸相を温度16゜〜30℃に冷却して形成されたアジピン酸
    の少なくともいくらかの晶出を生じさせ、これを次いで
    酢酸相のろ過又は遠心分離によって分離することを特徴
    とする請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】アジピン酸が、酢酸又は水の如き適当な
    溶剤から再晶出させることによって精製され、次いでそ
    れが随意、上で得られた酸性相に加えられることを特徴
    とする請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】酸性相を濃縮させる間にそれから分離さ
    れる化合物が、シクロヘキサン酸化工程において、全体
    としてか又はそれらが含有する水の少なくともいくらか
    を分離した後のいずれかで循環されることを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】濃縮された又は非濃縮の酢酸相が、シク
    ロヘキサン単独でか又はシクロヘキサン/酢酸混合物の
    いずれかによって抽出され、それで抽出に付した酢酸相
    /シクロヘキサンの混合物が、1/1〜50/1、好ましくは2
    /1〜15/1の全シクロヘキサン/酢酸重量比を有するよう
    にすることを特徴とする請求項1記載の方法。
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