JP3054953B2 - 自動二輪車のチェンジペダル取付構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、自動二輪車のチェンジペダル取付構造に
係り、詳しくは、車体フレームに取付けたフートレスト
の前方にエンジンのチェンジ軸を配置した自動二輪車の
チェンジペダル取付構造に関する。

［従来の技術］ 自動二輪車では、例えば特願昭60−74497号に開示さ
れるように、メインフレームの後端部に接続したリヤア
ームブラケットに後方に延びる取付ブラケットを取付
け、この取付ブラケットにフートレストを支持すると共
に、チェンジペダルを回動可能に支持し、このチェンジ
ペダルをリンク機構を介してエンジンのチェンジ軸と連
結するものがある。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、自動二輪車では例えばエンジンの配置をコ
ンパクトにする等の理由で、エンジンのチェンジ軸がチ
ェンジペダルの支持軸に近づき、チェンジペダルのレバ
ー比の設定自由度が制限される場合がある。

また、チェンジペダルとチェンジ軸とを連結するリン
ク機構がリヤアームブラケットの外側方を跨いでおり、
その分車体幅が増加すると共に、例えば石等の障害物と
接触するおそれがある。

この発明はかかるこのような実情に鑑みてなされたも
ので、車体幅を広げることなく、レバー比の設定自由度
を確保し、さらに障害物との接触を防止する自動二輪車
のチェンジペダル取付構造を提供することを目的として
いる。

［課題を解決するための手段］ 前記課題を解決するために、この発明の自動二輪車の
チェンジペダル取付構造は、車体フレームに取付けたフ
ートレストの前方にエンジンのチェンジ軸を配置し、こ
のエンジンの前方に支持軸を配置し、この支持軸に回動
可能に設けたチェンジペダルを車両の後方で且つフート
レスト方向へ向け、このチェンジペダルと前記チェジ軸
とをリンク機構で連結し、このリンク機構は、前記チェ
ンジ軸から下方へ延びる第１のリンクと、前記チェンジ
ペダルに固定され、前記支持軸から上方へ延びる第２の
リンクと、前記２つの第１及び第２のリンクの揺動端同
士を連結し、側面視で前記チェンジペダルと交差すると
共にチェンジペダルの車幅方向内側を通るロッドで構成
したことを特徴としている。

［作用］ この発明では、車体フレームに取付けたフートレスト
の前方にエンジンのチェンジ軸が配置されており、エン
ジンの前方に配置した支持軸に設けたチェンジペダルの
操作で、リンク機構を介してチェッジ軸が回動されて、
エンジンのシフト操作が行なわれる。

このチェンジペダルのリンク軸とフートレストとは、
支持軸をエンジンの前方へ配置することで所定の距離が
あり、これによりチェンジペダルのレバー比の設定自由
度が確保される。

また、チェンジペダルとチェンジ軸とを連結するリン
ク機構は、車体フレームの外側方を跨ぐことがなく、車
体幅内に配置することができコンパクトになると共に、
障害物との接触を防止することができる。

さらに、チェンジペダルの車両の後方へ向けて延びる
ことで、特にオフロードを走行する自動二輪車では、走
行時にエンジンとチェンジペダルとの間に草がからみ込
むことが防止される。

また、チェンジペダルは車両の後方へ向けて延びる
が、リンク機構をチェンジ軸から下方へ延びる第１のリ
ンクと、チェンジペダルに固定され、支持軸から上方へ
延びる第２のリンクと、２つの第１及び第２のリンクの
揺動端同士を連結し、側面視でチェンジペダルと交差す
ると共にチェンジペダルの車幅方向内側を通るロッドで
構成したことで、チェンジ軸の回動方向は、車両の前方
へ向け延びるチェンジペダルをリンクを介さず直接チェ
ンジ軸に取付けた場合と同じとなるため、エンジン内部
のチェンジ機構の共用化が可能である。

［実施例］ 次に、添付図面と共に、この発明の実施例を詳細に説
明する。

第１図はこの発明を適用した自動二輪車の左側面図、
第２図は車体の正面図、第３図は車体の左側面図、第４
図は車体の右側面図である。

図中符号１は自動二輪車で、その車体フレーム２を構
成するヘッドパイプ３にはフロントフォーク４が支持さ
れ、このフロントフォーク４の下端部には前輪５が設け
られている。

ヘッドパイプ３からは後方下向きに左右一対のメイン
フレーム６が延び、このメインフレーム６の後端部には
リヤアームブラケット７が設けられている。この左右一
対のリヤアームブラケット７にはそれぞれ独立にリヤア
ームピボット８が設けられ、このリヤアームピボット８
に後方へ延びるリヤアーム９の前端部を軸支し、リヤア
ーム９には後軸10が支持されている。

リヤアーム９はリンク機構11を介してリヤアームブラ
ケット７に連結され、このリンク機構11にリヤクッショ
ン12の下端部12aが軸支され、リヤクッション12の上端
部12bはメインフレーム６の後端部に設けられた取付ブ
ラケット13に軸支されている。

メインフレーム６の前側にはダウンチューブ14が接続
され、このダウンチューブ14及びリヤアームブラケット
７にエンジン15が支持され、このエンジン15は単気筒２
サイクルエンジンが用いられている。このエンジン15の
気筒が前側へ傾斜して配置され、この気筒の後側にはキ
ャブレター16が接続され、キャブレター16にはエアクリ
ーナ17が接続され、さらに気筒の後側には排気管18が接
続されている。

エンジン15のドライブ軸19はリヤアームピボット８と
同軸上の位置に配置され、このドライブ軸19に設けられ
たスプロケット21と、後輪10のスプロケット22にはチェ
ーン23が掛渡されている。

ダウンチューブ14の上端部とメインフレーム６の前側
間にラジエータ24が支持され、またダウンチューブ14の
下端とリヤアームブラケット７との間にはエンジンガー
ド25が設けられている。このエンジンガード25の上方に
は、エンジン15の気筒の前側から両側方を囲むように燃
料タンク26が配置され、この燃料タンク26はダウンチュ
ーブ14及びメインフレーム６に支持されている。ラジエ
ータ24及び燃料タンク26の両側はフロントカバー27で覆
われ、走行風をラジエータ24側に導く。

右側のダウンチューブ14の内側には取付ブラケット28
が固定され、この取付ブラケット28に後輪10のブレーキ
装置のマスタシリンダ29が支持されている。このマスタ
シリンダ29のロッド30は支持軸31に固定したリンク32が
支持ピン33で連結され、支持軸31はダウンチューブ14の
下端部に軸支されている。また、支持軸31にはブレーキ
ペダル34が固定され、このブレーキペダル34は後方へ延
びフートスレスト35方向を向いている。フートレスト35
は取付ブラケット36を介して右側のリヤアームブラケッ
ト７に支持されており、ライダーは右足をフートレスト
35に載せた状態で、ブレーキペダル34のペダル部34aを
作動してブレーキ操作を行なう。

左側のリヤアームブラケット７にもフートレスト37が
取付ブラケット38を介して取付けられ、このフートレス
ト37の前方にエンジン15のチェンジ軸39が配置されてい
る。チェンジ軸39には第１のリンク40が固定され、この
第１のリンク40はチェンジ軸39から下方へ延びている。

第１のリンク40にはロッド41の一端部41aが支持ピン4
2を介して連結され、このロッド41の他端部41bは支持ピ
ン43を介して第２のリンク44に連結されている。このリ
ンク44はチェンジペダル45に固定され、このチェンジペ
ダル45は左側のダウンチューブ14の下端部に支持軸46を
介して軸支され、このチェンジペダル45は後方へ延びフ
ートレスト37方向へ向いており、このようにチェンジペ
ダル45とチェンジ軸39とがリンク機構47で連結されてい
る。

ライダーは左足をフートレスト37に載せて、チェンジ
ペダル45のペダル部45aを操作すると、リンク機構47を
介してチェンジ軸39が回動され、これによりエンジン15
のシフト操作が行なわれる。

このエンジン15ではドライブ軸19がリヤアームピボッ
ト８と同軸上に配置されているため、エンジン15のチェ
ンジ軸39がリヤアームブラケット７に取付けたフートレ
スト37の前方で、フートレスト37に近接して配置されて
いるが、エンジン15の前方に支持軸46を配置し、このリ
ンク軸46に設けたチェンジペダル45をリンク機構47を介
してチェンジ軸39に連結している。

従って、例えばエンジン15の配置をコンパクトにする
等の理由で、ドライブ軸19が後輪10を支持するリヤアー
ム９のリヤアームピボット８と同軸に位置し、チェンジ
ペダル45のリンク軸46とフトレスト37とは所定の距離に
あり、チェンジ軸39がチェンジペダル45の支持軸46に近
づくことがなく、チェンジペダル45のレバー比の設定自
由度が確保される。

また、チェンジペダル45とチェンジ軸39とを連結する
リンク機構47は、第２図に示す車体幅Ｌ内に配置するこ
とができ、さらに車体の側方にはみ出すことがなく、障
害物との接触を防止することができる。

さらに、このチェンジペダル45やリンク機構47の前方
はエンジンガード25で覆われており、走行中前方からの
石等に打たれることが防止される。

また、チェンジペダル45は車両の後方へ向けて延びる
ことで、特にオフロードを走行する自動二輪車では、走
行時にエンジン15とチェンジペダル45との間に草がかみ
込むことが防止される。

また、チェンジペダル45は車両の後方へ向けて延びる
が、前記したリンク機構47の構成によりチェンジ軸39の
回動方向は、車両の前方へ向け延びるチェンジペダルを
リンクを介さず直接チェンジ軸に取付けた場合と同じと
なるため、エンジン内部のチェンジ機構の共用化が可能
である。

［発明の効果］ 前記のように、この発明では、支持軸に回動可能に設
けたチェンジペダルを車両の後方で且つフートレスト方
向へ向け、このチェンジペダルとチェンジ軸とをリンク
機構で連結したから、フートレストとチェンジ軸とが近
接して配置されても、チェンジペダルの支持軸とフート
レストとは所定の距離にすることができ、チェンジペダ
ルのレバー比の設定自由度が確保される。

また、チェンジペダルとチェンジ軸とを連結するリン
ク機構は、車体フレームの外側方を跨ぐことがなく、車
体幅内に配置することができ、さらに車体の側方にはみ
出すことがなくなり、障害物との接触を防止することが
できる。

さらに、チェンジペダルは車両の後方へ向けて延びる
ことで、特にオフロードを走行する自動二輪車では、走
行時にエンジンとチェンジペダルとの間に草がかみ込む
ことが防止される。

また、チェンジペダルは車両の後方へ向けて延びる
が、リンク機構の構成によりチェンジ軸の回動方向は、
車両の前方へ向け延びるチェンジペダルをリンクを介さ
ず直接チェンジ軸に取付けた場合と同じとなるため、エ
ンジン内部のチェンジ機構の共用化が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を適用した自動二輪車の左側面図、第
２図は車体の正面図、第３図は車体の左側面図、第４図
は車体の右側面図である。 図面中、符号１は自動二輪車、２は車体フレーム、３は
ヘッドパイプ、６はメインフレーム、７はリヤアームブ
ラケット、14はダウンチューブ、15はエンジン、37はフ
ートレスト、39はチェンジ軸、45はチェンジペダル、46
は支持軸、47はリンク機構である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車体フレームに取付けたフートレストの前
   方にエンジンのチェンジ軸を配置し、このエンジンの前
   方に支持軸を配置し、この支持軸に回動可能に設けたチ
   ェンジペダルを車両の後方で且つフートレスト方向へ向
   け、このチェンジペダルと前記チェンジ軸とをリンク機
   構で連結し、このリンク機構は、前記チェンジ軸から下
   方へ延びる第１のリンクと、前記チェンジペダルに固定
   され、前記支持軸から上方へ延びる第２のリンクと、前
   記２つの第１及び第２のリンクの揺動端同士を連結し、
   側面視で前記チェンジペダルと交差すると共にチェンジ
   ペダルの車幅方向内側を通るロッドで構成したことを特
   徴とする自動二輪車のチェンジペダル取付構造。