JP3052361B2 - アクティブマトリクス液晶表示装置とその製造方法 - Google Patents

アクティブマトリクス液晶表示装置とその製造方法

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JP3052361B2
JP3052361B2 JP25953190A JP25953190A JP3052361B2 JP 3052361 B2 JP3052361 B2 JP 3052361B2 JP 25953190 A JP25953190 A JP 25953190A JP 25953190 A JP25953190 A JP 25953190A JP 3052361 B2 JP3052361 B2 JP 3052361B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、非線形抵抗素子を用いた薄膜二端子素子型
アクティブマトリクス液晶表示装置およびその製造方法
に関する。特に、製造工程の簡略化に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
近年ツイステッド・ネマチック型(TN型)を中心とし
た液晶表示装置(LCD)の応用が発展し、腕時計や電卓
の分野で大量に用いられている。それに加え、近年、文
字図形等の任意の表示が可能なマトリクス型も使われ始
めている。このマトリクス型LCDの応用分野を広げるた
めには、表示容量の増大が必要である。しかし、従来の
LCDの電圧−透過率変化特性の立ち上がりはあまり急峻
ではないので、表示容量を増加させるためにマルチプレ
ックス駆動の操作本数を増加させると、選択画素と非選
択画素との各々にかかる実効電圧比は低下し、選択画素
の透過率低下と非選択画素の透過率増加というクロスト
ークが生じる(偏光板をパラレルに配置したノーマリブ
ラックの場合)。その結果、表示コントラストが著しく
低下し、ある程度のコントラストが得られる視野角も狭
くなり、従来のLCDでは、走査本数は60本ぐらいが高画
質の限界である。最近、スーパー・ツイステッド・ネマ
チック型(STN型)といわれるものがあるが、コントラ
ストはTN型よりも優れているものの応答が遅いという大
きな欠点がある。
マトリクス型LCDの表示容量を大幅に増加させるため
に、LCDの各画素にスイッチング素子を直列に配置した
アクティブマトリクスLCDが考案されている。これまで
に発表されたアクティブマトリクスLCDの試作品のスイ
ッチング素子には、アモルファスSiやポリSiを半導体材
料とした薄膜トランジスタ素子(TFT)が多く用いられ
ている。また一方では、製造及び構造が比較的簡単であ
るため、製造工程が簡略化でき、高歩留まり,低コスト
化が期待される薄膜二端子素子(以下TFDと略す)を用
いたアクティブマトリクスLCDも注目されている。このT
FDは回路的には非線形抵抗素子である。
このような薄膜二端子素子型アクティブマトリクスLC
D(以下TFD−LCDと略す)において、一番実用化に近い
と考えられているLCDは、TFDに金属−絶縁体−金属素子
(以下MIM素子またはMIMと略す)を用いたLCD(以下MIM
−LCDと略す)である。MIMのようなTFDを液晶と直列に
接続することにより、TFDの電圧−電流特性の高非線形
性により、TFD液晶素子の電圧−透過率変化特性の立ち
上がりは急峻になり、液晶表示装置の走査本数を大幅に
増やすことが可能になる。データ信号線11,非線形抵抗
素子12,液晶素子13,走査信号線14より成る等価回路を第
6図に示す。
このようにMIM素子の絶縁体層は、完全な絶縁体では
なく、非線形抵抗層とでも呼ぶべきものである。
TFD素子において、最も重要な材料は非線形抵抗層の
材料である。最も知られている絶縁体材料としては酸化
タンタルが知られている。このようなTFDを用いたLCDの
従来例は、論文では、例えば、ディ・アールバラフ他著
(ジ・オプチマイゼイション・オブ・メタル・インシュ
レータ・メタル・ノンリニア・デバイシズ・フォア・ユ
ース・イン・マルチプレクスド・リキッド・クリスタル
・ディスプレイズ),アイ・イー・イー・イー・トラン
ザクション・オン・エレクトロン・デバイシズ,28巻,6
号,頁736−739,1981年発行)(D.R.Baraff,et al.,“T
he Optimization of Metal−Insulator−Metal Non−l
inear Devices for Use in Multiplexed Liquid Crysta
l Displays"IEEE Trans.Electron Devices,vol.ED−28,
pp.736〜739(1981))、及び、両角伸治他著(250×24
0画素のラテラルMIM−LCD テレビジョン学会技術報告
(IPD83−8),pp.39〜44,1983年12月発行)に代表的に
示されている。
このようなTFD素子を大容量のディスプレイに適用す
るときに要求される特性は、素子を流れる電流(I)と
印加電圧(V)をI=A・Vaと表したときの非線形係数
aが大きいこと、電流電圧特性が印加電圧の極性に無関
係に正負対称であること、及びTFD素子の容量が小さい
ことである。ところが、酸化タンタルを用いたTFD素子
は対称性はよいが非線形係数が5〜6とそれほど大きく
なく、また誘電率も大きいため素子容量が大きい等の欠
点を有している。
そこで、誘電率の小さい窒化シリコンが、TFD素子用
非線形抵抗材料として、開発されている。例えばエム
スズキ他(ア ニュー アクティブダイオード マトリ
クス エルシーディー ユージング オフ ストイキオ
メトリック SiNxレイヤー,プロシーディングス オブ
ザ エスアイディー 28巻101〜104頁,1987年発行)
(M.Suzuki et al.,“A New Active Diode MatrixLCD u
sing Off−stoichiometric SiNx Layer"Proceedings of
the SID,vol.28 p101〜104,1987)に記載されている。
非線形抵抗材料としては、以上の材料の他に、シリコ
ンカーバイド等、種々の酸化物,窒化物,炭化物の材料
が用いられる。
これらの文献に示された従来型のTFD−LCDパネルの構
造のうちのいくつかを、次に示す。窒化シリコン系TFD
素子を用いた構造の断面図を第7図に示し、酸化タンタ
ル系TFD素子を用いた構造のうち、TFD素子が形成されて
いる基板の平面図を第8図に示し、TFD−LCDパネルの一
部の透視構造平面図を第9図に示す。
第7図は、下部ガラス基板1,画素電極2,リード電極3,
画素接続電極4,非線形抵抗層6,上部ガラス基板7,対向ス
トライプ電極8,液晶層9から成り、非線形抵抗層6に窒
化シリコンを用いた例であり、窒化シリコンは成膜後、
エッチングにより所定の形にパターン化してある。第8
図に示すように、陽極酸化による酸化タンタルを用いた
場合は、非線形抵抗層6はリード電極3を覆う形にな
る。なお、10は上部電極である。第9図に示すように、
リード電極3は液晶セルの外まで引き出され、駆動回路
に接続される。対向透明電極8は、リード電極3と直交
し、画素電極2にほぼ対応する幅でストライプ状にパタ
ーン化され、駆動回路に接続される。リード電極3は第
6図に示すデータ電極11または走査電極14のいずれか一
方に対応し、対向透明電極8はデータ電極11または走査
電極14の他方に対応する。詳細は上記の文献に記載され
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の分野である薄膜二端子素子(TFD)を用いた
アクティブマトリクスLCDの製造及び構造が比較的簡単
であるため、製造工程が簡略化でき、低コスト化が期待
されるものと注目されている。
本発明の目的は、TFD素子を用いたLCD(TFD−LCD)の
構造、及び、製造工程を更に簡略化し、低コスト化を実
現することにある。
〔課題を解決するための手段〕
第1の発明は、非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用
いたアクティブマトリクス液晶表示装置において、 互いに対向して配しているリード電極の突起部と透明
電導膜から成る画素電極の突起部とが、透明電導膜と金
属膜との2層膜より成り、前記リード電極の突起部と画
素電極の突起部とが、上部に形成される非線形抵抗層に
よって、上部と側部を包囲されていて、且つ前記非線形
抵抗層の上部に、金属膜から成る素子接続電極を有し、
前記非線形抵抗層との前記素子接続電極と接続面の形状
が、同一であることを特徴とする。
第2の発明は、非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用
いたアクティブマトリクス液晶表示装置の製造方法にお
いて、 素子基板上に透明電導膜と金属膜とを連続成膜し次い
で、リード電極の突起部及び画素電極の突起部のパター
ンマスクで、連続して前記金属膜と前記透明導電膜とを
エッチングし、次いで、非線形抵抗層と金属膜を連続成
膜後、下地の前記リード電極の突起部及び画素電極の突
起部を覆う部位に相当するレジストを形成し、前記レジ
ストをマスクに金属膜と非線形抵抗層とを連続してエッ
チングし、次に非線形抵抗層で被覆されていない透明電
導膜上の金属膜をエッチングすることを特徴とする。
第3の発明は、非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用
いたアクティブマトリクス液晶表示装置において、 互いに対向して配するリード電極の突起部と透明電導
膜から成る画素電極の突起部とが、透明電導膜と金属膜
との2層膜より成り、前記リード電極の突起部と画素電
極の突起部とが、上部に形成される非線形抵抗層によっ
て、上部と側部を覆われて、且つ前記非線形抵抗層の上
部に、金属膜から成る素子接続電極を有し、前記非線形
抵抗層と前記素子接続電極との接続面の大きさが、異な
ることを特徴とする。
第4の発明は、非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用
いたアクティブマトリクス液晶表示装置の製造方法にお
いて、 素子基板上に透明電導膜と金属膜とを連続成膜し、そ
れをリード電極及び画素電極のパターンの同一マスクで
金属膜,透明電導膜の順でエッチングし、その上に非線
形抵抗層を成膜しリード電極と画素電極の一部を覆う形
でエッチングし、更にその上に金属膜を形成し素子接続
電極のパターンでエッチングし、そのエッチング時、同
時に非線形抵抗層で被覆されていない透明電導膜上の金
属膜をエッチングすることを特徴とする。
第5の発明は、非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用
いたアクティブマトリクス液晶表示装置の製造方法にお
いて、 素子基板上に透明電導膜と金属膜とを連続成膜し、そ
れをリード電極及び画素電極のパターンの同一マスクで
金属膜,透明電導膜の順でエッチングし、その上に非線
形抵抗層と金属膜を連続成膜し、この金属膜を素子接続
電極のパターンでエッチングし、次にリード電極と画素
電極の一部を覆う形で非線形抵抗層をエッチングし、次
に非線形抵抗層で被覆されていない透明電導膜上の金属
膜をエッチングすることを特徴とする。
また、非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用いたアク
ティブマトリクス液晶表示装置において、 透明電導膜と金属膜との2層膜より成る素子接続電極
と、透明電極より成る画素電極とに、素子接続電極を覆
う形で非線形抵抗層を形成し、金属膜の画素接続電極で
非線形抵抗層と透明電導膜から成る画素電極とを接続
し、リード電極の突起部を非線形抵抗層に接続し、リー
ド電極は端子に接続されていることを特徴とする。
第6の発明は、非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用
いたアクティブマトリクス液晶表示装置の製造方法にお
いて、 素子基板上に透明電導膜と金属膜とを連続成膜し、そ
れを素子接続電極及び画素電極のパターンの同一マスク
を用いて金属膜,透明電導膜の順でエッチングし、その
上に非線形抵抗層を成膜し素子接続電極を被覆する形で
エッチングし、更にその上に金属膜を形成し、この金属
膜を介して非線形抵抗層と画素電極とを結ぶ画素接続電
極と非線形抵抗層と結ぶリード電極の突起部のパターン
でエッチングし、そのエッチング時、同時に非線形抵抗
層で被覆されていない画素電極上の金属膜をエッチング
することを特徴とする。
〔作用〕 本発明によるTFD−LCDの製造方法では、使用するフォ
トマスクは、2枚または3枚のみである。従来例では、
フォトマスクは4枚必要である。従って、露光工程が著
しく簡略になる。
また、本発明によるTFD−LCDでは、SiNxは金属膜で挟
まれているので、外部からの光の影響を受けることが殆
ど無い。
本発明における金属膜による材料は、クロム,アルミ
ニウム,モリブデン,タングステン等の通常の金属は当
然として、配線に用いることができるモリブデン・タン
グステンのシリサイドのような種々の材料を用いること
ができる。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を示す。
(実施例1) 第1の発明の実施例により得られる薄膜二端子素子
(以下TFD素子を略す)を用いたアクティブマトリクスL
CDの1画素の製造方法を第2図(a)〜(d)の断面図
を用いて示す。
本実施例の非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用いた
アクティブマトリクス液晶表示装置は、互いに対向して
配するリード電極の突起部3bと透明電導膜から成る画素
電極の突起部2bとが、透明電導膜17と金属膜18との2層
膜より成り、このリード電極の突起部3bと画素電極の突
起部2bとが、上部に形成される非線形抵抗層6によっ
て、上部と側部を覆われて、且つこの非線形抵抗層6の
上部に、金属膜18から成る素子接続電極16を設けてい
る。また、この非線形抵抗層6と素子接続電極16との接
続面の形状が同一である。
次に、本実施例の製造方法を説明する。
下部ガラス基板1をSiO2等のガラス保護層で被覆する
ことも多いが、不可欠なものではないので被覆を省略す
ることもでき、本実施例では省略している。
酸化インジウム−スズ(通常ITOと呼ばれている)の
透明電導膜17とクロムの金属膜18(100nm前後)とをス
パッタ法で連続形成する。それを画素電極の突起部2bと
リード電極の突起部3bのマスクパターンで金属薄膜,透
明電導薄膜の順でエッチングする(第2図(a))。
次に、第2図(b)に示すように、非線形抵抗層6と
素子接続電極16になるクロムの金属膜18(100nm前後)
を連続成膜した。非線形抵抗層6は、シランガスと窒素
ガスのグロー放電分解法によりガラス基板状に窒化シリ
コン層を150nm形成して作成した。このときの窒化シリ
コン層を形成するときのガス混合比SiH4/N2は0.08であ
った。
次に、レジスト15より成る同一マスクにより金属膜,
非線形抵抗層の順でエッチングした。
更にクロムのエッチングにより、第2図(a)に示し
た金属膜18もエッチングし、素子基板を完成した(第2
図(c))。
ここで、第9図に示された従来例と同じく、リード電
極3は外部に引き出されて、同時に形成された端子部に
接続される。
上部ガラス基板7上にITO膜を形成、パターン化し、
対向透明電極8とした。これは第9図に示した従来例の
TFD−LCDパネルと同様であり、また通常の単純マルチプ
レックスLCDとも殆ど同一である。下部ガラス基板1と
上部ガラス基板7とは配向処理を施したのち、ガラスフ
ァイバ等のスペーサを介して張り合わされ、通常のエポ
キシ系接着剤によりシールした。セル厚は5μmとし
た。その後TN形液晶を注入し液晶層9とした。これを封
止してTFD−LCDを完成した(第2図(d))。
本実施例を用いて形成された640×400素子のTFD−LCD
パネルの画像評価を行ったところ、コントラスト30:1以
上あったが、駆動電圧は、25Vであった。
以上の実施例では、TFDとしてSiNx系だけについて述
べたが、他のTFD材料にも、本実施例は用いることがで
きる。
実施例1により得られたTFD−LCDの製造方法では、使
用するフォトマスクは、2枚のみである。従来例では、
フォトマスクは4枚必要である。従って、露光工程が著
しく簡略になる。
また、実施例1によるTFD−LCDでは、SiNxは、金属電
極で挟まれているので、外部からの光の影響を受けるこ
とが殆ど無い。
また、I−V特性が電圧極性に関して対称になり、フ
リッカ,焼付等が無くなった。
(実施例2) 第3の発明の実施例により得られるTFD素子を用いた
アクティブマトリクスLCDの1画素の平面図を第1に示
し、また、その製造方法を第3図(a)〜(d)の断面
図を用いて示す。
本実施例の非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用いた
アクティブマトリクス液晶表示装置において、互いに対
向して配するリード電極の突起部3bと透明電導膜から成
る画素電極の突起部2bとが、透明電導膜17と金属膜18と
の2層膜より成り、このリード電極の突起部3bと画素電
極の突起部2bとが、上部に形成される非線形抵抗層6に
よって、上部と側部を覆われて、且つこの非線形抵抗層
6の上部に、金属膜18から成る素子接続電極16を設けて
いる。また、この非線形抵抗層6と素子接続電極16との
接続面の大きさが異なる。
次に、本実施例の製造方法を説明する。
下部ガラス基板1をSiO2等のガラス保護層で被覆する
ことも多いが、不可欠なものではないので被覆を省略す
ることもでき、本実施例では省略している。
ITOの透明電導膜17とクロムの金属膜18(100nm前後)
とをスパッタ法で連続形成する。それを画素電極2aの突
起部2bとリード電極3aの突起部3bのマスクパターンで金
属薄膜,透明電導薄膜の順でエッチングする(第3図
(a))。
その上に、シランガスと窒素ガスのグロー放電分解法
によりガラス基板状窒化シリコン層を150nm形成し非線
形抵抗層6を成膜した。このときの窒化シリコン層を形
成するときのガス混合比SiH4/N2は0.08であった。この
非線形抵抗層6を、リード電極3aの突起部3bと画素電極
2bの突起部2aを覆う形でエッチングし、クロムの金属膜
18(100nm前後)をスパッタで成膜し、素子接続電極16
の形にレジスト15をパターン化した(第3図(b))。
更にクロムをエッチングし、素子基板を完成した(第
3図(c))。この際、第3図(a)に示した金属膜18
もエッチングされる。
ここで、第9図に示された従来例と同じく、リード電
極3は外部に引き出されて、同時に形成された端子部に
接続される。
上部ガラス基板7上にITO膜を形成、パターン化し、
対向透明電極8とした。これは第9図に示した従来例の
TFD−LCDパネルと同様であり、また通常の単純マルチプ
レックスLCDとも殆ど同一である。下部ガラス基板1と
上部ガラス基板7とは配向処理を施したのち、ガラスフ
ァイバ等のスペーサを介して張り合わされ、通常のエポ
キシ系接着剤によりシールした。セル厚は5μmとし
た。その後TN形液晶を注入し液晶層9とした。これを封
止してTFD−LCDを完成した(第3図(d))。
本実施例を用いて形成された640×400素子のTFD−LCD
パネルの画像評価を行ったところ、コントラスト30:1以
上あったが、駆動電圧は、25Vであった。
(実施例3) 本実施例により得られるTFD素子を用いたアクティブ
マトリクスLCDの1画素の平面図を第1図に示し、ま
た、その製造方法を第4図(a)〜(d)の断面図を用
いて示す。本実施例によって得られるTFD−LCDの構造
は、実施例2の構造と同一である。製造方法において、
第4図(b)に示すように、非線形抵抗層6と素子接続
電極16になる金属膜18を連続成膜し、金属膜,非線形抵
抗層の順でエッチングする点が実施例2と異なる。
本実施例を用いて形成された640×400素子のTFD−LCD
パネルの画像評価を行ったところコントラスト30:1以上
あったが、駆動電圧は、25Vであった。
以上の実施例2及び実施例3では、TFDとしてSiNx系
だけについて述べたが、他のTFD材料にも、本実施例は
用いることができる。
実施例2および実施例3により得られたTFD−LCDの製
造方法では、使用するフォトマスクは、3枚のみであ
る。従来例では、フォトマスクは4枚必要である。従っ
て、露光工程が著しく簡略になる。
また、実施例2および実施例3によるTFD−LCDでは、
SiNxは、金属電極で挟まれているので、外部からの光の
影響を受けることが殆ど無い。
また、I−V特性が電圧極性に関して対称になり、フ
リッカ,焼付等が無くなった。
(実施例4) 第6の発明の実施例により得られるTFD素子を用いた
アクティブマトリクスLCDの1画素の製造方法を第5図
(a)〜(d)の断面図を用いて示す。
本実施例の非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用いた
アクティブマトリクス液晶表示装置には、素子接続電極
16が透明電極膜17と金属膜18との2層膜であり、画素電
極2aが透明電導膜17から成る透明電極である。また、こ
の素子接続電極16を覆う形で形成されている非線形抵抗
層6上に、金属膜から成る画素接続電極19とリード電極
の突起部3bとが、非線形抵抗層を覆うようにしてそれぞ
れが形成され、画素接続電極19は画素電極2aと、リード
電極3aは端子と各々接続される。
次に、本実施例の製造方法を説明する。
下部ガラス基板1をSiO2等のガラス保護層で被覆する
ことも多いが、不可欠なものではないので被覆を省略す
ることもでき、本実施例では省略している。
ITOの透明電導膜17とクロムの金属膜18(100nm前後)
とをスパッタ法で連続形成する。それを画素電極2aと素
子接続電極16のマスクパターンで金属薄膜,透明電導薄
膜の順でエッチングする(第5図(a))。
第5図(b)に示すように、シランガスと窒素ガスの
グロー放電分解法によりガラス基板状に窒化シリコン層
を150nm形成し非線形抵抗層6を成膜した。このときの
窒化シリコン層を形成するときのガス混合比SiH4/N2
0.08であった。続いて、この非線形抵抗層6をエッチン
グした。
この上にクロム膜(100nm前後)を成膜し、リード電
極の突起部3bと画素接続電極19のマスクパターンでエッ
チングした。この際、第5図(a)に示した金属膜18も
エッチングされ、素子基板を完成した(第5図
(c))。
ここで、第9図に示された従来例と同じく、リード電
極3は外部に引き出されて、同時に形成された端子部に
接続される。
上分ガラス基板7上にITO膜を形成、パターン化し、
対向透明電極8とした。これは第9図に示した従来例の
TFD−LCDパネルと同様であり、また通常の単純マルチプ
レックスLCDとも殆ど同一である。下部ガラス基板1と
上部ガラス基板7とは配向処理を施したのちガラスファ
イバ等のスペーサを介して張り合わされ、通常のエポキ
シ系接着剤によりシールした。セル厚は5μmとした。
その後TN形液晶を注入し液晶層9とした。これを封止し
てTFD−LCDを完成した(第5図(d))。
本実施例を用いて形成された640×400素子のTFD−LCD
パネルの画像評価を行ったところ、コントラスト30:1以
上あったが、駆動電圧は、25Vであった。
以上の実施例では、TFDとしてSiNx系だけについて述
べたが、他のTFD材料にも、本実施例は用いることがで
きる。
第4の実施例により得られたTFD−LCDの製造方法で
は、使用するフォトマスクは、2枚のみである。従来例
では、フォトマスクは4枚必要である。従って、露光工
程が著しく簡略になる。
また、本実施例によるTFD−LCDでは、SiNxは、金属電
極で挟まれているので、外部からの光の影響を受けるこ
とが殆ど無い。
また、I−V特性が電圧極性に関して対称になり、フ
リッカ,焼付等が無くなった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、TFD素子を用いた液晶表示装置の構
造及び製造工程を簡略化し、低コスト化を実現すること
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による実施例2及び3による1画素の
平面図、 第2図は、実施例1のTFD−LCDの断面図、 第3図は、実施例2のTFD−LCDの断面図、 第4図は、実施例3のTFD−LCDの断面図、 第5図は、実施例4のTFD−LCDの断面図、 第6図は、TFD−LCDの一般的な等価回路を示す図、 第7図〜第9図は、従来のTFD−LCDの例、特にTFD−LCD
の例を示した図であり、窒化シリコン系TFD素子を用い
た構造の断面図を第7図に示し、酸化タンタル系TFD素
子を用いた構造のうち、TFD素子が形成されている基板
の平面図を第8図に示し、TFD−LCDパネルの一部の透視
構造平面図を第9図に示す。 1……下部ガラス基板 2a,2b……それぞれ画素電極,画素電極の突起部 3a,3b……それぞれリード電極、リード電極の突起部 4……画素接続電極 5……端子部 6……非線形抵抗層 7……上部ガラス基板 8……対向透明電極 9……液晶層 10……上部電極 11……データ信号線 12……非線形抵抗素子 13……液晶素子 14……走査信号線 15……レジスト 16……素子接続電極 17……透明電導膜 18……金属膜 19……画素接続電極

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用いた
    アクティブマトリクス液晶表示装置において、 透明電極膜と金属膜との2層膜より成るリード電極と、
    透明電極より成る画素電極とを有し、 素子基板上に、前記リード電極の突起部と前記画素電極
    の突起部とが、1画素電極ごとの一隅に、互いに対向し
    て配され、 前記リード電極の突起部と前記画素電極の突起部とが、
    その上部に形成される非線形抵抗層によって、上部と側
    部を覆われていて、 且つ前記非線形抵抗層の上部に、金属膜から成る素子接
    続電極を有し、 前記非線形抵抗層と前記素子接続電極との接続面の形状
    が、同一であることを特徴とするアクティブマトリクス
    液晶表示装置。
  2. 【請求項2】非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用いた
    アクティブマトリクス液晶表示装置の製造方法におい
    て、 素子基板上に透明導電膜と金属膜とを連続成膜し、次い
    で、リード電極の突起部及び画素電極の突起部であるパ
    ターンマスクで、前記金属膜と前記透明導電膜を連続し
    てエッチングし、その上に非線形抵抗層と金属膜を連続
    成膜し、下地膜の前記リード電極の突起部及び画素電極
    の突起部を覆う形の相当部位上にレジストを形成し、 前記レジストをマスクに金属膜と非線形抵抗層とを連続
    してエッチングし、次に非線形抵抗層で被覆されていな
    い透明電導膜上の金属膜をエッチングして画素電極を形
    成することを特徴とするアクティブマトリクス液晶表示
    装置の製造方法。
  3. 【請求項3】非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用いた
    アクティブマトリクス液晶表示装置において、 透明電極膜と金属膜との2層膜より成るリード電極と、
    透明電極より成る画素電極とを有し、 素子基板上に、前記リード電極の突起部と前記透明電極
    の突起部とが、1画素電極ごとの一隅に、互いに対向し
    て配され、 前記リード電極の突起部と前記画素電極の突起部とが、
    その上部に形成される非線形抵抗層によって、上部と側
    部を覆われていて、 且つ前記非線形抵抗層の上部に、金属膜から成る素子接
    続電極を有し、 前記非線形抵抗層と前記素子接続電極との接続面の大き
    さが、異なることを特徴とするアクティブマトリクス液
    晶表示装置。
  4. 【請求項4】非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用いた
    アクティブマトリクス液晶表示装置の製造方法におい
    て、 素子基板上に透明導電膜と金属膜とを連続成膜し、それ
    をリード電極の突起部及び画素電極の突起部のパターン
    の同一マスクで前記金属膜、前記透明導電膜の順でエッ
    チングし、その上に非線形抵抗層を成膜し前記リード電
    極の突起部と前記画素電極の突起部を覆う形でエッチン
    グし、更にその上に金属膜を形成し素子接続電極のパタ
    ーンでエッチングし、そのエッチング時、同時に前記非
    線形抵抗層で被覆されていない透明導電膜上の金属膜を
    エッチングすることを特徴とするアクティブマトリクス
    液晶表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用いた
    アクティブマトリクス液晶表示装置の製造方法におい
    て、 素子基板上に透明導電膜と金属膜とを連続成膜し、それ
    をリード電極の突起部及び画素電極の突起部のパターン
    の同一マスクで前記金属膜、前記透明導電膜の順でをエ
    ッチングし、その上に非線形抵抗層と金属膜を連続成膜
    し、この金属膜を素子接続電極のパターンでエッチング
    し、次に前記リード電極の突起部と前記画素電極の突起
    部を覆う形で前記非線形抵抗層をエッチングし、次に前
    記非線形抵抗層で被覆されていない透明電導膜上の金属
    膜をエッチングすることを特徴とするアクティブマトリ
    クス液晶表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】非線形抵抗を示す薄膜二端子素子を用いた
    アクティブマトリクス液晶表示装置の製造方法におい
    て、 素子基板上に透明導電膜と金属膜とを連続成膜し、それ
    を素子接続電極及び画素電極のパターンの同一マスクを
    用いて前記金属膜、前記透明導電膜の順でエッチング
    し、その上に非線形抵抗層を成膜し前記素子接続電極を
    被覆する形でエッチングし、更にその上に金属膜を形成
    し、この金属膜を介して前記非線形抵抗層と画素電極と
    を結ぶ画素接続電極と前記非線形抵抗層と結ぶリード電
    極の突起部のパターンでエッチングし、そのエッチング
    時、同時に前記非線形抵抗層で被覆されていない前記画
    素電極上の金属膜をエッチングすることを特徴とするア
    クティブマトリクス液晶表示装置の製造方法。
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