JP3048831U - 多機能収納箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 日本式家屋において玄関の框部での上り下り
を容易とするとともに、フルフラット構造の住宅の玄関
での靴の履いたり脱いだりする作業を負担を軽減するこ
とができるようにする。 【解決手段】 その内部に物を収納する機能の他にその
他の機能が付加された多機能収納箱１において、全体と
して箱状に形成されているとともに、前面パネル１Ｂが
開閉自在とし、上面パネル１１上に着座用クッション４
を取り付けた。好ましくは、上記前面パネル１Ｂを開放
した状態において外部に臨む空間５を、複数の空間５
Ａ，５ａ，５ｂに区画する。また、上記上面パネル１１
を開閉自在としてもよい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本願考案は、玄関などにおいて靴などを収納するために使用されるとともに、 その他の機能を有する多機能収納箱に関する。

【０００２】

【技術背景および考案が解決しようとする課題】

一般的な日本式家屋では、玄関に靴を履き替える土間があり、框部分を介して この土間よりも一段高くなって居間が連続している。このような玄関では、靴を 履いたり、脱いだりする作業は、框部分に腰を掛けて比較的楽な姿勢で行えると いった利点がある。ところが、土間と框部分とは段差が大きいため、幼児や高齢 者などにとってはその上り下りが危険かつ苦痛であり、車椅子使用者にとっては 室内に入るために一旦車椅子から降りなければならず不便である。

【０００３】 このため、最近のマンションなどでは、高齢者や車椅子使用者などのことを考 慮して、玄関、通路、室内フロアなどの仕切りに段差を設けない、いわゆるフル フラット構造が採用されている。このような構造の玄関では、日本式家屋におけ る土間と框部分との段差のようなものがないため、高齢者などにとっては框部分 を上り下りする必要がなく、また、車椅子使用者にとっては車椅子から降りずに そのまま屋内に入ることができるといった利点がある。ところが、フルフラット 構造の住宅の玄関では、靴を履いたり、脱いだりする作業をフラットな床面に腰 を落として行わなければならない。このような腰を落として行われる作業は、足 腰が弱ってきた高齢者などにとっては極めて苦痛な作業である。また、靴を脱ぎ 履きが終わった場合には、大きく腰を落とした姿勢から腰を上げなければならず 、高齢者などにとっては玄関での靴の脱ぎ履き作業が重労働となってしまう。

【０００４】 本願考案は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、日本式家屋に おいて玄関の框部での上り下りを容易とするとともに、フルフラット構造の住宅 の玄関での靴の履いたり脱いだりする作業の負担を軽減することができるように することをその課題としている。

【０００５】

【考案の開示】

上記の課題を解決するため、本願考案では、次の技術的手段を講じている。

【０００６】 すなわち、本願考案の第１の側面によれば、全体として箱状に形成されている とともに、前面パネルが開放自在とされており、上面パネル上に着座用クッショ ンが取り付けられていることを特徴とする、多機能収納箱が提供される。

【０００７】 上記多機能収納箱は、主として玄関において使用されるものであるが、たとえ ば腰掛けとして使用することができる。すなわち、箱状とされた多機能収納箱は 、その上面パネルに着座用クッションが取り付けられており、このクッション上 に腰を掛けることができるようになされている。このため、上記多機能収納箱に 腰を掛けて靴を履いたり脱いだりすることができ、いわゆるフルフラット構造の 住宅の玄関においても床面に大きく腰を落として靴の履き脱ぎ作業を行う必要は なく、比較的楽な姿勢でこのような作業を行うことができる。また、床面に大き く腰を落とした姿勢から立ち上がる場合と比べれば、上記多機能収納箱に腰を掛 けた姿勢から立ち上がることは容易であり、このような点からも高齢者などにと っては靴の履き脱ぎ作業の負担が軽減される。

【０００８】 加えて、上記多機能収納箱は、全体として箱状に形成されているとともに前面 パネルが開閉自在とされているので、上記前面パネルを開放した状態では、その 内部空間が外部に臨むこととなる。このため、上記多機能収納箱の内部には、適 宜所望物、たとえば靴などを収納することができる。このように、本願考案では 、その内部に靴など所望物を収納できるとともに、腰掛けとして使用することが できるように構成されている。なお、上記多機能収納箱は、腰掛けとしても使用 されるため、所定の荷重に耐えうるように木材、金属あるいは硬質プラスチック などを用いて強固に形成される。

【０００９】 好ましい実施の形態においては、上記前面パネルを開放した状態において外部 に臨む空間が、複数の空間に区画されている。

【００１０】 上記構成のように、上記多機能収納箱の内部空間を複数の空間に区画、たとえ ば比較的大きな空間と１または複数の比較的小さな空間とに区画すれば、大きな 空間内に靴などの比較的大きな物を収納できるばかりでなく、小さな空間内に靴 墨や靴用ブラシなどの比較的小さな物を収納することができるようになり、便利 である。

【００１１】 本願考案の第２の側面によれば、全体として箱状に形成されているとともに、 上面パネルが開放自在とされており、上記上面パネルが開放した状態において外 部に臨む空間が複数の空間に区画されているとともに、上記上面パネル上に着座 用クッションが取り付けられていることを特徴とする、多機能収納箱が提供され る。

【００１２】 本願考案の第３の側面によれば、全体として箱状に形成されているとともに、 それぞれ開放自在とされた２つ前面パネルを備え、かつ、上記各前面パネルをそ れぞれ開放した状態において外部に臨む空間が、複数の空間に区画されていると ともに、上面パネル上に着座用クッションが取り付けられていることを特徴とす る、多機能収納箱が提供される。

【００１３】 上記した第２および第３の側面に記載されたいずれの多機能収納箱も、その内 部空間が複数の空間に区画されており、上面パネルに着座用クッションが取り付 けられているので、上述した第１の側面に記載された多機能収容箱の効果を享受 することができる。すなわち、上記構成の多機能収納箱は、フルフラット構造の 住宅の玄関において靴の履き脱ぎするための腰掛けとして使用することができ靴 の履き脱ぎ作業の負担の軽減を図ることができるとともに、靴などの比較的大き な物から靴墨や靴用ブラシなどの比較的小さな物をも収納できて便利である。

【００１４】 本願考案の第４の側面によれば、全体として箱状に形成されているとともに、 上面パネルが開放自在とされており、上記上面パネルが開放した状態において外 部に臨む空間が複数の空間に区画されており、上記上面パネルによって上記空間 が閉塞された状態においては踏み台として使用されることを特徴とする、多機能 収納箱が提供される。

【００１５】 上記多機能収納箱も主として玄関において使用されるが、全体として箱状に形 成されて上記上面パネルが開閉自在とされているので、上述した第１から第３の 側面に記載された多機能収納箱と同様にその内部に適宜所望物、たとえば靴など を収納することができる。加えて、その内部空間が複数の空間に区画されている ので、比較的大きな物ばかりでなく、靴墨や靴用ブラシなどの比較的小さな物を も収納することができるといった利点をも享有することができる。

【００１６】 また、上記多機能収納箱は、たとえば日本式家屋の玄関のように、框部分が土 間よりも高くなされている場合には、上記多機能収納箱を框部分に隣接させて配 置すれば框部分と土間との間の大きな段差を低減させて小さな段差が連続する階 段状とすることができる。すなわち、上記多機能収納箱を配置することにより、 框部分と土間との間の段差を一度に上り下りするのではなく、上記多機能収納箱 を介して２段の階段を上り下りするような恰好とすることができる。このため、 框部分に隣接して上記多機能収納箱を配置することにより、幼児や高齢者の框部 分の上り下りの負担の軽減を図ることができる。

【００１７】 本願考案のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な 説明によって、より明らかとなろう。

【００１８】

【考案の実施の形態】

以下、本願考案の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。

【００１９】 図１は、本願考案の第１の実施形態に係る多機能収納箱の全体斜視図であり、 図２は、図１のII−II線に沿う断面図である。

【００２０】 図１に示すように、上記多機能収納箱１は、前部が開口しているとともに箱状 とされた箱本体１Ａと、この箱本体１Ａの前部開口を閉塞可能な前面パネル１ａ とを備えている。

【００２１】 図１および図２に示すように、箱本体１Ａは、互いに対向する２つの側面パネ ル１０，１０と、これらの側面パネル１０，１０の上端部１０ａ，１０ａの間を 連続する上面パネル１１と、上面パネル１１と対向するとともに上記各側面パネ ル１０，１０の下端部１０ｂ，１０ｂの間を連続する底面パネル１２と、これら のパネル１０，１０，１１，１２によって形成される後部開口を閉塞する後面パ ネル１３とを備えている。

【００２２】 図１に良く表れているように、上記前面パネル１ａは、その一側面が蝶番３， ３を介して１つの側面パネル１０の側端部１０ｃに取り付けられている。これに より、上記前面パネル１ａが開閉自在とされて上記前部開口の閉塞状態と開放状 態とを選択することができる。そして、上記前面パネル１ａの適部には、把手２ が取り付けられて上記前面パネル１ａの開閉の便宜が図られている。なお、上記 各パネル１ａ，１０，１０，１１，１２，１３は、たとえば木材、金属あるいは 硬質プラスチックなどを加工することによって板状に形成されている。

【００２３】 図１および図２に示すように、上記上面パネル１１上には、たとえば円盤状と された着座用クッション４が取り付けられている。この着座用クッション４とし ては、公知のもの、たとえば布やビニールなどで形成された袋体の内部にスポン ジや綿などが収容されたものが採用される。

【００２４】 図２に良く表れているように、上記箱本体１Ａの内部空間５は、仕切板５０に よって左右に２つの空間５Ａ，５Ｂに区画されており、右側の空間５Ｂは仕切板 ５５によって上下に２つの空間５ａ，５ｂに区画されている。すなわち、１つの 比較的大きな空間５Ａおよび２つの比較的小さな空間５ａ，５ｂの計３つの空間 に区画されている。なお、上記箱本体１Ａの内部空間５の区画の仕方は、上記し た区画例には限定されず適宜設計変更可能である。

【００２５】 上記多機能収納箱１は、主として玄関において使用されるものであるが、たと えば腰掛けとしても使用することができる。すなわち、上記上面パネル１１に着 座用クッション４が取り付けられており、このクッション４上に腰を掛けること ができるようになされている。このため、上記多機能収納箱１に腰を掛けて靴を 履いたり脱いだりすることができ、いわゆるフルフラット構造の住宅の玄関にお いても床面に大きく腰を落として靴の履き脱ぎ作業を行う必要はなく、比較的楽 な姿勢でこのような作業を行うことができる。また、床面に大きく腰を落とした 姿勢から立ち上がる場合と比べれば、上記多機能収納箱１に腰を掛けた姿勢から 立ち上がることは容易であり、このような点からも高齢者などにとっては靴の履 き脱ぎ作業の負担が軽減される。

【００２６】 さらに、上記多機能収納箱１は、上記前面パネル１Ｂが開閉自在とされている ので、上記前面パネル１Ｂを開放した状態では、上述したようにその内部空間５ が外部に臨むこととなる。このため、上記多機能収納箱１の内部には、適宜所望 物、たとえば靴などを収納することができる。また、上記構成のように、上記多 機能収納箱の内部空間５は比較的大きな空間５Ａと２つの比較的小さな空間５ａ ，５ｂとに区画されているので、大きな空間５Ａ内に靴などの比較的大きな物を 収納できるばかりでなく、小さな空間５ａ，５ｂ内に靴墨や靴用ブラシなどの比 較的小さな物を収納することができるようになり、便利である。

【００２７】 なお、上記実施形態では、前面パネル１Ｂが開閉自在とされていたが、上面パ ネル１１を開閉自在としてもよいのはいうまでもなく、また、図３に示すように 、２枚の前面パネル１ａ，１ｂを備え、それぞれが開閉自在なように構成されて いるものも本願考案の適用範囲である。すなわち、上記各前面パネル１ａ，１ｂ がそれぞれ異なる側面パネル１０，１０に蝶番３，３などの適宜の手段によって 取り付けられており、前面パネル１ａ，１ｂが両開きとされた多機能収納箱１も 本願考案の適用範囲である。

【００２８】 また、上記前面パネル１Ｂ（１ａ，１ｂ）を上記側面パネル１０（１０，１０ ）に取り付ける手段は蝶番３，３に限らず、その他の公知の手段を適宜採用でき るのはいうまでもない。

【００２９】 図４は、本願考案の第２の実施形態に係る多機能収納箱の全体斜視図であり、 図５は、上記多機能収納箱の上面パネルを開閉自在とするための手段を説明する ための要部断面図であり、図６は、上記多機能収納箱の使用状態を表す図である 。

【００３０】 図４に示すように、上記多機能収納箱１は、２つの側面パネル１０，１０、底 面パネル１２、前面パネル１Ｂ、および後面パネル１３によって上部が開口した 箱状とされた箱本体１Ａと、この箱本体１Ａの前部開口を閉塞可能な上面パネル １１とを備えている。

【００３１】 図５に良く表れているように、上記上面パネル１１は、上記各側面パネル１０ ，１０の上端後側部位置において、たとえば円柱状のピン６を介して開閉自在に 取り付けられている。具体的には、上記上面パネル１１のコーナー部１１ａの近 傍の側面に形成された穴１１ｂに上記ピン６の一端部６ａが密嵌合されて一体化 されているとともに、上記ピン６の径よりも大径に設定された穴１０ｄ内に上記 ピン６の他端部６ｂが遊嵌されてた構成とされている。なお、上記ピン６ａは、 中央に貫通孔６０ａが形成されたリング状部材６０の貫通孔６０ａに挿通され、 上記リング状部材６０は上記上面パネル１１と上記各側面パネル１０との間に配 置された恰好とされている。このため、上記上面パネル１１の開閉時の上記上面 パネル１１と上記各側面パネル１０との間の摩擦抵抗を低減させて上面パネル１ １の開閉がスムースに行えるようになされている。

【００３２】 このように構成された多機能収納箱１も主として玄関において使用されるが、 上記上面パネル１１が開閉自在とされているので、上述した第１の実施形態に記 載された多機能収納箱１と同様にその内部空間５に適宜所望物、たとえば靴５５ などを収納することができる。加えて、その内部空間５が複数の空間５ａ，５ｂ に区画されているので、比較的大きな物ばかりでなく、靴墨や靴用ブラシなどの 比較的小さな物をも収納することができるといった利点をも享有することができ る。

【００３３】 また、図６に良く表れているように、上記多機能収納箱１は、たとえば日本式 家屋の玄関のように、框部分６５が玄関フロア５５よりも高くなされている場合 には、上記多機能収納箱１を框部分６５に隣接させて配置すれば框部分６５と玄 関フロア５５との間の大きな段差を低減させて小さな段差が連続する階段状とす ることができる。すなわち、上記多機能収納箱１を配置することにより、框部分 ６５と玄関フロア５５との間の段差を一度に上り下りするのではなく、上記多機 能収納箱１を介して２段の階段を上り下りするような恰好されている。このため 、框部分６５に隣接して上記多機能収納箱１を配置することにより、幼児や高齢 者の框部分６５の上り下りの負担の軽減を図ることができる。

【００３４】 なお、上記箱本体１Ａの内部空間５の区画の仕方は、上記した区画例には限定 されず適宜設計変更可能であり、また、上記上面パネル１１を上記各側面パネル １０，１０に取り付ける手段は、その他の公知の手段を適宜採用できるのはいう までもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の第１の実施形態に係る多機能収納箱
の全体斜視図である。

【図２】図１のII−II線に沿う断面図である。

【図３】上記多機能収納箱の変形例を表す全体斜視図で
ある。

【図４】本願考案の第２の実施形態に係る多機能収納箱
の全体斜視図である。

【図５】上記多機能収納箱の上面パネルを開閉自在とす
るための手段を説明するための要部断面図である。

【図６】上記多機能収納箱の使用状態を表す図である。

【符号の説明】

１ 多機能収納箱 １Ｂ 前面パネル（第１の実施形態の） １ａ，１ｂ 前面パネル（第１の実施形態の変形例の） ４ 着座用クッション ５ 内部空間 １１ 上面パネル

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 全体として箱状に形成されているととも
   に、前面パネルが開閉自在とされており、上面パネル上
   に着座用クッションが取り付けられていることを特徴と
   する、多機能収納箱。
2. 【請求項２】 上記前面パネルを開放した状態において
   外部に臨む空間が、複数の空間に区画されている、請求
   項１に記載の多機能収納箱。
3. 【請求項３】 全体として箱状に形成されているととも
   に、上面パネルが開閉自在とされており、上記上面パネ
   ルが開放した状態において外部に臨む空間が複数の空間
   に区画されているとともに、上記上面パネル上に着座用
   クッションが取り付けられていることを特徴とする、多
   機能収納箱。
4. 【請求項４】 全体として箱状に形成されているととも
   に、それぞれ開閉自在とされた２つ前面パネルを備え、
   かつ、上記各前面パネルをそれぞれ開放した状態におい
   て外部に臨む空間が、複数の空間に区画されているとと
   もに、上面パネル上に着座用クッションが取り付けられ
   ていることを特徴とする、多機能収納箱。
5. 【請求項５】 全体として箱状に形成されているととも
   に、上面パネルが開閉自在とされており、上記上面パネ
   ルが開放した状態において外部に臨む空間が複数の空間
   に区画されており、上記上面パネルによって上記空間が
   閉塞された状態においては踏み台として使用されること
   を特徴とする、多機能収納箱。