JP3047540B2 - 高い残留抵抗比を有する超電導安定化材用高純度Ｃｕ合金 - Google Patents
高い残留抵抗比を有する超電導安定化材用高純度Ｃｕ合金Info
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- JP3047540B2 JP3047540B2 JP3206548A JP20654891A JP3047540B2 JP 3047540 B2 JP3047540 B2 JP 3047540B2 JP 3206548 A JP3206548 A JP 3206548A JP 20654891 A JP20654891 A JP 20654891A JP 3047540 B2 JP3047540 B2 JP 3047540B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、高い残留抵抗比を有
し、特にこの特性が要求される超電導線の安定化材とし
て用いた場合にすぐれた性能を発揮する高純度Ｃｕ合金
に関するものである。
し、特にこの特性が要求される超電導線の安定化材とし
て用いた場合にすぐれた性能を発揮する高純度Ｃｕ合金
に関するものである。
【０００２】従来、例えば粒子加速器やリニアモーター
力、さらに電力貯蔵装置などの分野で、Ｎｂ−Ｔｉ合金
などからなる多数本のフィラメント状芯線を高純度銅か
らなる安定化材を介在させて束ねてなる多芯構造の超電
導線が用いられている。
力、さらに電力貯蔵装置などの分野で、Ｎｂ−Ｔｉ合金
などからなる多数本のフィラメント状芯線を高純度銅か
らなる安定化材を介在させて束ねてなる多芯構造の超電
導線が用いられている。
【０００３】上記超電導線の安定化材は、線の一部で何
らかの外的要因などにより超電導状態が破れた場合、そ
の部分が常電導に転移し、これに伴ないジュール熱が発
生するようになるが、この熱を吸収すると共に、周囲の
液体ヘリウムによって冷却して再び超電導状態に復帰さ
せる作用をもつほか、発熱部の芯線に流れるはずの電流
のバイパス機能をもつものである。
らかの外的要因などにより超電導状態が破れた場合、そ
の部分が常電導に転移し、これに伴ないジュール熱が発
生するようになるが、この熱を吸収すると共に、周囲の
液体ヘリウムによって冷却して再び超電導状態に復帰さ
せる作用をもつほか、発熱部の芯線に流れるはずの電流
のバイパス機能をもつものである。
【０００４】また、上記安定化材が、常温の電気比抵抗
をρ273k、液体ヘリウム温度での電気比抵抗をρ4.2kと
した場合、これら両者の比であるρ273k／ρ4.2k（この
比を残留抵抗比という）によって評価され、この残留抵
抗比が高いほど安定化材としてすぐれた性能を発揮する
ことも知られている。
をρ273k、液体ヘリウム温度での電気比抵抗をρ4.2kと
した場合、これら両者の比であるρ273k／ρ4.2k（この
比を残留抵抗比という）によって評価され、この残留抵
抗比が高いほど安定化材としてすぐれた性能を発揮する
ことも知られている。
【０００５】さらに、上記超電導線の安定化材として、
例えば特開平２−１２２０３７号公報に記載される通
り、酸素含有量が１〜５０ｐｐｍ以下にして、９９．９
９５％以上の純度を有する高純度銅が用いられているこ
とも知られている。
例えば特開平２−１２２０３７号公報に記載される通
り、酸素含有量が１〜５０ｐｐｍ以下にして、９９．９
９５％以上の純度を有する高純度銅が用いられているこ
とも知られている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の上記各種
機械装置の高性能化、高出力化、および高容量化はめざ
ましく、これに伴ない超電導線にも高い性能が要求さ
れ、したがってこれを構成する安定化材にも高い残留抵
抗比が求められているのが現状である。
機械装置の高性能化、高出力化、および高容量化はめざ
ましく、これに伴ない超電導線にも高い性能が要求さ
れ、したがってこれを構成する安定化材にも高い残留抵
抗比が求められているのが現状である。
【０００７】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
述のような観点から、高い残留抵抗比を有する材料を開
発すべく研究を行なった結果、酸素含有量が１ｐｐｍ以
下にして、９９．９９８％以上の純度を有する高純度銅
に、合金成分として１〜１５ｐｐｍのＺｒを含有させて
なる高純度Ｃｕ合金は、合金成分としてのＺｒの含有に
よって、これを含有しない高純度銅に比して一段と高い
残留抵抗比をもつようになり、超電導線の安定化材とし
て用いた場合にすぐれた性能を発揮するという研究結果
を得たのである。
述のような観点から、高い残留抵抗比を有する材料を開
発すべく研究を行なった結果、酸素含有量が１ｐｐｍ以
下にして、９９．９９８％以上の純度を有する高純度銅
に、合金成分として１〜１５ｐｐｍのＺｒを含有させて
なる高純度Ｃｕ合金は、合金成分としてのＺｒの含有に
よって、これを含有しない高純度銅に比して一段と高い
残留抵抗比をもつようになり、超電導線の安定化材とし
て用いた場合にすぐれた性能を発揮するという研究結果
を得たのである。
【０００８】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、酸素含有量が１ｐｐｍ以下にし
て、９９．９９８％以上の純度を有する高純度銅に、合
金成分として１〜１５ｐｐｍのＺｒを含有させてなる、
高い残留抵抗比を有する超電導線安定化材用高純度Ｃｕ
合金に特徴を有するものである。
なされたものであって、酸素含有量が１ｐｐｍ以下にし
て、９９．９９８％以上の純度を有する高純度銅に、合
金成分として１〜１５ｐｐｍのＺｒを含有させてなる、
高い残留抵抗比を有する超電導線安定化材用高純度Ｃｕ
合金に特徴を有するものである。
【０００９】なお、この発明の高純度Ｃｕ合金におい
て、酸素およびＺｒの含有量、並びにＺｒ成分を除いた
純度を上記の通りに限定したのは、酸素含有量が１ｐｐ
ｍを越えても、また純度が９９．９９８％未満になって
も、さらにＺｒ含有量が１ｐｐｍ未満であったり、１５
ｐｐｍを越えたりすると、所望の高い残留抵抗比が得ら
れないという理由によるものである。
て、酸素およびＺｒの含有量、並びにＺｒ成分を除いた
純度を上記の通りに限定したのは、酸素含有量が１ｐｐ
ｍを越えても、また純度が９９．９９８％未満になって
も、さらにＺｒ含有量が１ｐｐｍ未満であったり、１５
ｐｐｍを越えたりすると、所望の高い残留抵抗比が得ら
れないという理由によるものである。
【００１０】つぎに、この発明の高純度Ｃｕ合金を実施
例により具体的に説明する。電気炉を用い、Ｎ2 ＋ＣＯ
の還元性ガス雰囲気中で高純度銅を溶解し、この高純度
銅の酸素含有量および純度を前記雰囲気で調製した状態
で、合金成分として所定量のＺｒを添加含有させ、つい
で直径：７０ｍｍ×長さ：１５０ｍｍのインゴットに鋳
造し、これより断面寸法：２５ｍｍ×２５ｍｍの角材を
切出し、これに８５０℃で熱間圧延を施して直径：８ｍ
ｍの熱延線材とし、この熱延線材から冷間圧延により直
径：０．５ｍｍの細線を成形し、これに５００℃に１時
間保持の歪取り焼鈍を施すことにより、それぞれ表１に
示される純度、酸素およびＺｒ含有量の本発明高純度Ｃ
ｕ合金線材１〜７、および比較線材１〜５をそれぞれ製
造した。
例により具体的に説明する。電気炉を用い、Ｎ2 ＋ＣＯ
の還元性ガス雰囲気中で高純度銅を溶解し、この高純度
銅の酸素含有量および純度を前記雰囲気で調製した状態
で、合金成分として所定量のＺｒを添加含有させ、つい
で直径：７０ｍｍ×長さ：１５０ｍｍのインゴットに鋳
造し、これより断面寸法：２５ｍｍ×２５ｍｍの角材を
切出し、これに８５０℃で熱間圧延を施して直径：８ｍ
ｍの熱延線材とし、この熱延線材から冷間圧延により直
径：０．５ｍｍの細線を成形し、これに５００℃に１時
間保持の歪取り焼鈍を施すことにより、それぞれ表１に
示される純度、酸素およびＺｒ含有量の本発明高純度Ｃ
ｕ合金線材１〜７、および比較線材１〜５をそれぞれ製
造した。
【００１１】
【表１】
【００１２】なお、比較線材１〜５は、純度、酸素含有
量、およびＺｒ含有量のうちの少なくともいずれかがこ
の発明の範囲から外れたものである。また、表１の純度
の欄における括弧内の数字はＺｒを除いた場合の純度を
示す。
量、およびＺｒ含有量のうちの少なくともいずれかがこ
の発明の範囲から外れたものである。また、表１の純度
の欄における括弧内の数字はＺｒを除いた場合の純度を
示す。
【００１３】つぎに、この結果得られた本発明高純度Ｃ
ｕ合金線材１〜７および比較線材１〜５について、四端
子法にて、常温電気比抵抗（ρ273k）および液体ヘリウ
ム温度での電気比抵抗（ρ4.2k）を測定し、残留抵抗比
を算出した。この測定結果を表１に示した。
ｕ合金線材１〜７および比較線材１〜５について、四端
子法にて、常温電気比抵抗（ρ273k）および液体ヘリウ
ム温度での電気比抵抗（ρ4.2k）を測定し、残留抵抗比
を算出した。この測定結果を表１に示した。
【００１４】
【発明の効果】表１に示される結果から、本発明高純度
Ｃｕ合金線材１〜７は、いずれも上記の従来高純度銅に
相当する組成を有する比較線材１に比して一段と高い残
留抵抗比を有することが明らかであり、一方比較線材２
〜５に見られるように、純度、酸素含有量、およびＺｒ
含有量のうちのいずれかでもこの発明の範囲から外れる
と、特にρ4.2kが高くなり、所望の高い残留抵抗比を示
さなくなることが明らかである。
Ｃｕ合金線材１〜７は、いずれも上記の従来高純度銅に
相当する組成を有する比較線材１に比して一段と高い残
留抵抗比を有することが明らかであり、一方比較線材２
〜５に見られるように、純度、酸素含有量、およびＺｒ
含有量のうちのいずれかでもこの発明の範囲から外れる
と、特にρ4.2kが高くなり、所望の高い残留抵抗比を示
さなくなることが明らかである。
【００１５】上述のように、この発明の高純度Ｃｕ合金
は、合金成分として含有させたＺｒによって高い残留抵
抗比を具備するようになるので、これを超電導線の安定
化材として用いた場合、超電導線の性能向上に一段と寄
与するようになるなど工業上有用な特性を有するのであ
る。
は、合金成分として含有させたＺｒによって高い残留抵
抗比を具備するようになるので、これを超電導線の安定
化材として用いた場合、超電導線の性能向上に一段と寄
与するようになるなど工業上有用な特性を有するのであ
る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C22C 9/00 - 9/10
Claims (1)
- 【請求項１】 酸素含有量が１ｐｐｍ以下にして、９
９．９９８％以上の純度を有する高純度銅に、合金成分
として１〜１５ｐｐｍのＺｒを含有させてなる、高い残
留抵抗比を有する超電導安定化材用高純度Ｃｕ合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3206548A JP3047540B2 (ja) | 1991-07-23 | 1991-07-23 | 高い残留抵抗比を有する超電導安定化材用高純度Ｃｕ合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3206548A JP3047540B2 (ja) | 1991-07-23 | 1991-07-23 | 高い残留抵抗比を有する超電導安定化材用高純度Ｃｕ合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0525565A JPH0525565A (ja) | 1993-02-02 |
| JP3047540B2 true JP3047540B2 (ja) | 2000-05-29 |
Family
ID=16525211
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3206548A Expired - Lifetime JP3047540B2 (ja) | 1991-07-23 | 1991-07-23 | 高い残留抵抗比を有する超電導安定化材用高純度Ｃｕ合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3047540B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CA2305646A1 (en) * | 1997-10-01 | 1999-04-08 | Edward J. Siegal | Substrates with improved oxidation resistance |
| JP5655269B2 (ja) * | 2009-01-30 | 2015-01-21 | 三菱マテリアル株式会社 | 無酸素銅巻線及び無酸素銅巻線の製造方法 |
| JP6056876B2 (ja) * | 2015-01-07 | 2017-01-11 | 三菱マテリアル株式会社 | 超伝導安定化材 |
| JP6056877B2 (ja) * | 2015-01-07 | 2017-01-11 | 三菱マテリアル株式会社 | 超伝導線、及び、超伝導コイル |
| JP6299803B2 (ja) | 2016-04-06 | 2018-03-28 | 三菱マテリアル株式会社 | 超伝導線、及び、超伝導コイル |
| JP6299802B2 (ja) | 2016-04-06 | 2018-03-28 | 三菱マテリアル株式会社 | 超伝導安定化材、超伝導線及び超伝導コイル |
| JP6299804B2 (ja) * | 2016-04-06 | 2018-03-28 | 三菱マテリアル株式会社 | 超伝導安定化材、超伝導線及び超伝導コイル |
| JP6642763B2 (ja) | 2017-10-30 | 2020-02-12 | 三菱マテリアル株式会社 | 超伝導安定化材、超伝導線及び超伝導コイル |
-
1991
- 1991-07-23 JP JP3206548A patent/JP3047540B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0525565A (ja) | 1993-02-02 |
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