JP2997121B2 - アルミニウム安定化超電導線 - Google Patents

アルミニウム安定化超電導線

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JP2997121B2 JP4032282A JP3228292A JP2997121B2 JP 2997121 B2 JP2997121 B2 JP 2997121B2 JP 4032282 A JP4032282 A JP 4032282A JP 3228292 A JP3228292 A JP 3228292A JP 2997121 B2 JP2997121 B2 JP 2997121B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的強度並びに熱的
および電気的安定性に優れた、マグネット用導体等に好
適なアルミニウム安定化超電導線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超電導マグネット等の導体には、
銅マトリックス中にNb−Ti等の超電導フィラメント
を埋め込んだ超電導線が用いられている。
【0003】このような超電導線は、例えば次のように
して製造される。まず、銅製のパイプ内にNb−Ti合
金棒材を挿入して複合ビレットとなし、これを熱間で押
出して一体化し、次いで圧延、伸線等の伸延加工を施
す。また、多芯超電導線は、上記のようにして得られた
超電導線の多数本を銅もしくは銅合金製のパイプ内に充
填して複合ビレットとなし、これに前述と同様の加工・
処理を施して製造される。また、上記の超電導線または
多芯超電導線を、それぞれ所要数撚合わせることにより
超電導撚線を製造することができる。
【0004】ところで、アルミニウム安定化超電導線
は、前述の超電導線または超電導撚線に、残留抵抗比
(300Kにおける電気抵抗値と10Kにおける電気抵
抗値との比)が銅よりはるかに大きい高純度アルミニウ
ムを安定化材として被覆せしめたものある。アルミニウ
ム安定化超電導線は、銅のみを安定化材として被覆した
従来の銅安定化超電導線に較べて熱的電気的安定性に優
れている。しかも、アルミニウムの比重は銅の比重の1
/3であるため、この超電導線をマグネットに用いた場
合にマグネットの軽量化、小型化が可能となる。さら
に、アルミニウムの質量は銅の質量より小さく、これに
より素粒子透過性に優れるため、アルミニウム安定化超
電導線を用いた素粒子検出用マグネットへの応用が高エ
ネルギー物理学分野で検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウム安定化超電導線は、安定化材となす高純度アルミ
ニウムの機械的強度が低いため、大型マグネット用導体
として使用した場合に、電磁力により変形してしまうと
いう問題がある。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、熱的・電気的安定性に優れ、かつマグネットに使
用した場合に、発生する電磁力に対する充分な機械的強
度を有するアルミニウム安定化超電導線を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高エネル
ギー物理学研究所殿からの開発依頼により研究を重ねた
結果、アルミニウムの導電性を低下させずに機械的強度
を向上させる合金元素としてZn、Si、Ag、Cu、
Ceを見出だし、本発明をするに至った。
【0008】本発明は、銅マトリクス中に超電導フィラ
メントを埋設してなる超電導線材と、超電導線材の外周
に被覆されたアルミニウム安定化部材とを有し、アルミ
ニウム安定化部材が極低温における0.2%耐力が4kg
/mm2 以上、残留抵抗比が250以上であり、50〜1
000ppm のZn、50〜150ppm のSi、50〜4
00ppm のAg、50〜300ppm のCu、および30
〜2000ppm のCeからなる群より選ばれた少なくと
も1つを含有し、残部がAlと不可避的不純物であるア
ルミニウム合金からなることを特徴とするアルミニウム
安定化超電導線を提供する。
【0009】本発明において、超電導線または超電導撚
線に被覆するアルミニウム安定化材に用いるアルミニウ
ム合金の極低温における0.2%耐力を4kg/mm2 以上
に限定した理由は、極低温における0.2%耐力が4kg
/mm2 未満では、得られたアルミニウム安定化超電導線
を大型マグネット用導体として使用した場合、アルミニ
ウム安定化超電導線が電磁力により変形してしまうため
である。
【0010】また、アルミニウム安定化材に用いたアル
ミニウム合金の残留抵抗比を250以上に限定した理由
は、残留抵抗比が250未満では熱的・電気的に充分な
安定性が得られないためである。なお、従来の銅安定化
超電導線は、安定化材である銅の残留抵抗比は、通常1
50、すなわち10Kにおける比抵抗値1.1×10-8
Ω・cmに設計されている。アルミニウムの場合には、1
0Kにおける比抵抗値1.1×10-8Ω・cmに相当する
残留抵抗比が250である。したがって、本発明のアル
ミニウム安定化超電導線の熱的・電気的安定性は、従来
の銅安定化超電導線に較べて同等以上のものとなる。
【0011】本発明において規定される0.2%耐力お
よび残留抵抗比を満足するアルミニウム合金としては、
例えば、Znを50〜1000ppm 含有し、残部がAl
からなるAl−Zn合金、Siを50〜150ppm 含有
し残部がAlからなるAl−Si合金、Agを50〜4
00ppm 含有し残部がAlからなるAl−Ag合金、C
uを50〜300ppm 含有し残部がAlからなるAl−
Cu合金、Ceを30〜2000ppm 含有し残部がAl
からなるAl−Ce合金等の二元系合金、並びにZn、
Si、Ag、Cu、Ceの少なくとも2つを上記含有量
で含有した多元系合金が挙げられる。すなわち、本発明
においては、極低温における0.2%耐力が4kg/m
m2 、残留抵抗比が250以上であるアルミニウム合金
であればいずれのものでもよい。上記各合金における添
加元素量の限定理由は、下限未満では充分な機械的強度
が得られず、上限を超えると残留抵抗比が低下するため
である。また、超電導線をマグネットに加工した後、マ
グネットにより生じる電磁力に対して線材が動かないよ
うに、マグネットにエポキシ樹脂等の樹脂を含浸させた
り、またはエポキシ樹脂を半硬化させて絶縁材として導
体に巻いて電気絶縁層とし、熱処理によりこれを硬化さ
せて使用する場合がある。このような場合は、Zn50
〜1000ppm およびAg50〜400ppm の少なく共
一つ、並びにSi10〜50ppm 、Cu10〜50ppm
、またはSi+Cu10〜50ppm を含有し、残部が
Alからなるアルミニウム合金が好ましい。この場合、
樹脂を硬化させるために100〜150℃で10〜30
時間加熱する。この加熱処理によりマグネットが軟化し
て0.2%耐力等の機械的強度が低下する。上記のよう
に合金元素としてZnおよび/またはAgの他にSi1
0〜50ppm 、Cu10〜50ppm 、またはSi+Cu
10〜50ppm を含有させることにより、マグネットの
軟化温度が向上する。この場合、Si、Cuの添加量が
下限未満であると軟化温度向上の効果が不充分であり、
上限を超えると残留抵抗比が低下する。なお、これらの
アルミニウム合金は、いずれも合金元素がアルミニウム
マトリクス中に固溶した状態の合金である。
【0012】また、本発明のアルミニウム安定化超電導
線は、超電導線または超電導撚線にアルミニウム合金を
一体に熱間押出して被覆して焼鈍線材となし、あるいは
前記のアルミニウム被覆押出材を所定形状に伸延加工し
た後、これを再結晶温度以上の温度で焼鈍して焼鈍線材
となし、この焼鈍線材に減面率3〜60%の冷間加工を
施して製造される。また、アルミニウム合金に減面率3
〜60%の冷間加工を施したアルミニウム合金材を超電
導線または超電導撚線に複合してもよい。冷間加工また
は伸延加工には、圧延、引抜き、スエージャー等の任意
の加工法が適用される。
【0013】前記冷間加工したアルミニウム合金材を超
電導線または超電導撚線に複合する方法としては、軟ろ
う付けや機械的接合等の任意の複合法が適用される。例
えば、図1(A)に示すアルミニウム安定化超電導線
は、多芯のCu/NbTi超電導線11にアルミニウム
安定化材12を半田付けして複合したものである。図1
(B)に示すアルミニウム安定化超電導線は、Cu/N
bTi超電導線の撚線13にアルミニウム安定化材12
を半田付けして複合し、さらに、これを断面略コの字形
状の銅安定化材14内に載置して半田付けし、露出した
アルミニウム安定化材12上に板状体の銅安定化材15
を半田付けして取り付けたものである。図1(C)に示
すアルミニウム安定化超電導線は、断面が円形であるC
u/NbTi超電導線の撚線16に断面半円状の溝を有
する2つのアルミニウム安定化材17を、溝に撚線を嵌
め込むようにして半田付けし、さらに、これに断面略コ
の字形状の2つの銅安定化材14を被せて半田付けした
ものである。図1(D)に示すアルミニウム安定化超電
導線は、銅安定化材18で外周を被覆したCu/Nb3
Sn超電導線19を溝を有するアルミニウム安定化材2
0の溝内に入れて半田付けしたものである。図1(E)
に示すアルミニウム安定化超電導線は、断面矩形の多芯
のCu/NbTi超電導線11に断面矩形の溝を有する
2つのアルミニウム安定化材12を、Cu/NbTi超
電導線11が溝に嵌合するようにして載置して全体を圧
延圧着したものである。
【0014】本発明において、超電導線または超電導撚
線にアルミニウム合金を複合する場合、アルミニウム合
金に加えて銅もしくは銅合金を複合してもよい。
【0015】上記において、焼鈍線材に施す冷間加工の
減面率を3〜60%に限定した理由は、3%未満では4
kg/mm2 以上の0.2%耐力が得られず、強磁場下でア
ルミニウム安定化超電導線に変形が生じ、また60%を
超えると残留抵抗比が250未満に低下してアルミニウ
ム安定化超電導線の熱的・電気的安定性が低下するため
である。
【0016】
【作用】本発明のアルミニウム安定化超電導線は、アル
ミニウム安定化材として極低温における0.2%耐力が
4kg/mm2 以上の高い機械的強度を有するアルミニウム
合金を用いるので、大型マグネット用導体として使用し
ても電磁力により変形したりすることがない。また、ア
ルミニウム合金の残留抵抗比を、従来の銅安定化材の極
低温における比抵抗に相当する250かまたはそれ以上
の値に限定しているので、得られるアルミニウム安定化
超電導線は熱的にも電気的にも安定する。さらに、上記
のような合金元素を微量含有するアルミニウム合金を用
い、これに所定の冷間加工を施すことにより、容易にア
ルミニウム安定化材を製造することができる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0018】実施例1 外径240mmφ、内径200mmφの無酸素銅製パイプ内
に、銅マトリクス中にNb−Ti合金線材を埋め込んだ
単芯超電導線を1200本充填して複合ビレットとな
し、次いで、この複合ビレットに熱間押出加工を施して
複合押出材を作製し、次いで、この複合押出材に圧延お
よび引抜き加工を施して外径12mmφの多芯Nb−Ti
超電導線材を作製した。次いで、この多芯Nb−Ti超
電導線材に伸線加工および時効熱処理を施して3.2mm
φのストランドとなし、これに純度99.9993%の
アルミニウムにCu、Si、Ag、ZnまたはCeのい
ずれかの元素を微量含有させたアルミニウム二元合金を
安定化材としてそれぞれ熱間で押出し被覆して外径25
mmφのアルミニウム被覆棒材となし、次いで、この各々
の棒材に圧延および伸線加工を施して外径2.1mmφの
伸線材となした。次に、この伸線材を300℃×1時間
焼鈍してアルミニウム安定化材のアルミニウム合金を再
結晶させて焼鈍線材となし、次いで、これに伸線加工を
施して外径2.0mmφのアルミニウム安定化超電導線
(No. 1〜15)を製造した。
【0019】なお、二元アルミニウム合金の合金元素含
有量は、Cuは50〜300ppm 、Siは50〜150
ppm 、Agは50〜400ppm 、Znは50〜1000
ppm、Ceは30〜2000ppm の範囲内で種々に変化
させた。
【0020】比較例1 安定化材となす二元アルミニウム合金の合金元素含有量
を本発明の範囲外、すなわちCuは50ppm 未満または
300ppm を超える量、Siは50ppm 未満または15
0ppm を超える量、Agは50ppm 未満または400pp
m を超える量、Znは50ppm 未満または1000ppm
を超える量、Ceは30ppm 未満または2000ppm を
超える量とした他は、実施例1と同じ方法によりアルミ
ニウム安定化超電導線(No. 16〜25)を製造した。
【0021】比較例2 安定化材に99.9993%純度の高純度アルミニウム
を用いた他は、実施例1と同じ方法によりアルミニウム
安定化超電導線(No. 26)を製造した。
【0022】このようにして製造した各々のアルミニウ
ム安定化超電導線(No. 1〜26)について、臨界電流
値(以下、Icと省略する)、マグネット特性としてク
エンチ電流および最大発生磁界、4.2Kにおける0.
2%耐力、並びに残留抵抗比を調べた。その結果を下記
表1および表2に示す。なお、Icは、得られたアルミ
ニウム安定化超電導線を長さ1mの短尺材とし、これに
液体He中(4.2K)にて5Tの磁場をかけた状態で
電流を通電し、電流を徐々に増加させて抵抗が10-11
Ω・cmに達した時の電流値をもって表わした。また、ク
エンチ電流および最大発生磁界は、得られたアルミニウ
ム安定化超電導線を内径20mm、外径70mmのコイルに
巻いてマグネットを作製し、クエンチ電流はマグネット
の超電導状態が破れた時の電流とし、最大発生磁界は中
心においたホール素子により測定した。ただし、マグネ
ットは、276A通電した時に8Tの磁界を発生するよ
うに設計した。
【0023】
【表1】
【表2】 表1および表2より明らかなように、本発明のアルミニ
ウム安定化超電導線(No. 1〜15)については、Ic
は比較例品(No. 16〜26)と同等であったが、マグ
ネット特性は最大発生磁界が8Tを超え、またクエンチ
電流も270A以上であり高い値を示した。
【0024】これに対し、比較例品No. 16,18,2
0,22,24は、アルミニウム安定化材に用いたアル
ミニウム合金の合金元素含有量が少ないため、またNo.
26は高純度アルミニウムのため、いずれも機械的強度
が低く、その結果マグネットの発生磁場が6〜7Tのと
ころで変形を起こし、その際の発熱により所定の電流値
に達する前にクエンチしてしまった。また、比較例のN
o. 17,19,21,23,25は、アルミニウム安
定化材に用いたアルミニウム合金の合金元素含有量が多
すぎたため、残留抵抗比が低い値となり、導体としての
熱的・電気的安定性が低下してマグネット特性が低下し
たものとなった。
【0025】実施例2 0.76mmφのCu/Nb−Ti超電導線(24μmφ
Nb−Ti500芯、Cu/Nb−Ti比1)10本を
撚り合わせて撚線を形成し、これに安定化材としてAl
−Zn合金を熱間で押出被覆して断面寸法2.9mm×3
2mmの焼鈍線材となし、次いで、これを半角3度のダイ
スを通して冷間で引抜き加工を施して、図2に示す超電
導撚線21の外周にアルミニウム安定化材22を被覆し
た構造のアルミニウム安定化超電導線23(No. 27〜
30、34,35)を製造した。Al−Zn合金には9
9.9996%の高純度アルミニウムにZnを200pp
m含有したアルミニウム合金を用いた。また、引抜き加
工率は種々に変化させた。
【0026】一方、1.2mmφのCu/Nb−Ti超電
導線(15μmφNb−Ti3000芯、Cu/Nb−
Ti比1)に安定化材としてAl−Zn合金を熱間で押
出被覆して外径8mmφの押出素材となし、次いで、これ
に伸線加工を施して外径2.5mmφの線材となし、次い
で、この線材を300℃×1時間焼鈍して焼鈍線材とな
し、次いで、このアルミニウム被覆線材を冷間で伸線加
工して、図3に示す超電導線31の外周にアルミニウム
安定化材32を被覆した構造のアルミニウム安定化超電
導線33(No. 31〜33、36,37)を製造した。
Al−Zn合金には99.9996%の高純度アルミニ
ウムにZnを800ppm 含有した合金を用いた。また、
伸線加工率は種々に変化させた。
【0027】このようにして製造した各々のアルミニウ
ム安定化超電導線(No. 27〜37)について、アルミ
ニウム安定化材の4.2Kにおける0.2%耐力、およ
び残留抵抗比を実施例1と同様にして測定した。その結
果を表3に示す。
【0028】
【表3】 表3より明らかなように、本発明のアルミニウム安定化
超電導線(No. 27〜33)は、アルミニウム安定化材
の極低温における0.2%耐力が4kg/mm2 以上、残
留抵抗比が250以上であった。このアルミニウム安定
化超電導線を用いてマグネットを組み立てたところ、設
計通りの発生磁界が得られたことが確認された。
【0029】これに対し、比較例品のNo. 34,36は
アルミニウム安定化材の減面加工率が低すぎて0.2%
耐力が低下し強度的に劣り、またNo. 35,37はアル
ミニウム安定化材の減面加工率が高すぎて残留抵抗比が
低下して熱的・電気的安定性に劣り、いずれもマグネッ
ト用導体等として不適当なものであった。
【0030】実施例3 Cuマトリクス中に20μmφのNbTiフィラメント
を1200芯埋め込んだ断面寸法が1×2mmの多芯Cu
/NbTi超電導線(Cu比1)に、断面寸法が2×8
mmのアルミニウム安定化材を半田付けして図1(A)に
示す形状を有するアルミニウム安定化超電導線(No. 3
8〜82)を製造した。このアルミニウム安定化材に
は、Zn、Cu、Si、Agの合金元素のうちの少なく
とも1種を微量含有するアルミニウム合金を種々の加工
率で冷間加工して調製したアルミニウム合金材を用い
た。なお、比較のため、99.999%の高純度アルミ
ニウム材も用いた。
【0031】このようにして製造した各々のアルミニウ
ム安定化超電導線について、アルミニウム安定化材の
4.2Kにおける0.2%耐力、および残留抵抗比、並
びにマグネットの最大発生磁界を実施例1と同様にして
測定した。その結果を下記表4および表5に示す。
【0032】
【表4】
【表5】 表4および表5より明らかなように、本発明のアルミニ
ウム安定化超電導線(No. 38〜65)は、いずれも最
大発生磁界が規格値の8Tを超えるものであった。
【0033】これに対して、比較例品(No. 66,7
0,74,78)は減面加工率が低いため、比較例品
(No. 68,72,76,80)はアルミニウム安定化
材に用いたアルミニウム合金材の合金元素含有量が少な
いため、比較例品(No. 82)は高純度アルミニウムを
用いたために、いずれも機械的強度が低く、マグネット
に使用した場合に発生磁場が6〜7Tで変形し、その際
の発熱により所定の電流値に達する前にクエンチが起き
た。また、比較例品(No. 67,71,75,79)は
減面加工率が大きすぎたため、比較例品(No. 69,7
3,77,81)はアルミニウム安定化材に用いたアル
ミニウム合金材の合金元素含有量が多いために、いずれ
も残留抵抗比が低い値となり、導体の熱的・電気的安定
性が低下してクエンチを起こし、マグネット特性が低く
なった。
【0034】実施例4 アルミニウム安定化材に用いたアルミニウム合金材の合
金元素含有量を下記表6に示すように設定すること、1
30℃×15時間の加熱処理を加えること、および減面
加工率を15%とすること以外は実施例1と同様にし
て、アルミニウム安定化超電導線(No. 83〜100)
を製造した。
【0035】このようにして製造した各々のアルミニウ
ム安定化超電導線について、アルミニウム安定化材の
4.2Kにおける0.2%耐力、および残留抵抗比、並
びにマグネットの最大発生磁界を実施例1と同様にして
測定した。その結果を下記表6に示す。
【0036】
【表6】 表6から明らかなように、本発明のアルミニウム安定化
超電導線(No. 83〜92)は、いずれも最大発生磁界
が規格値の8Tを超えるものであった。
【0037】これに対して、比較例品(No. 93,9
5,97,99)はアルミニウム安定化材に用いたアル
ミニウム合金材の合金元素含有量が少ないために、いず
れも機械的強度が低く、マグネットに使用した場合に発
生磁場が6〜7Tで変形し、その際の発熱により所定の
電流値に達する前にクエンチが起きた。また、比較例品
(No. 94,96,98,100)はアルミニウム安定
化材に用いたアルミニウム合金材の合金元素含有量が多
いために、いずれも残留抵抗比が低い値となり、導体の
熱的・電気的安定性が低下してクエンチを起こし、マグ
ネット特性が低くなった。
【0038】
【発明の効果】以上説明した如く本発明のアルミニウム
安定化超電導線は、アルミニウム安定化材が機械的強度
並びに熱的および電気的安定性に優れるため、マグネッ
ト用導体等に用いることにより電磁力により変形するこ
と無く、高い発生磁界が得られる。また、このアルミニ
ウム安定化材は、Zn、Si,Ag,Cu,Ce等の合
金元素を微量含有したアルミニウム合金に所定の冷間加
工を施すことにより容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(E)は本発明のアルミニウム安定化
超電導線の例を示す横断面図。
【図2】本発明のアルミニウム安定化超電導線の他の態
様例を示す横断面図。
【図3】本発明のアルミニウム安定化超電導線の他の態
様例を示す横断面図。
【符号の説明】
11…Cu/NbTi超電導線、12,17,20,2
2,32…アルミニウム安定化材、13,16…Cu/
NbTi超電導線撚線、14,15,18…銅安定化
材、19…Cu/Nb3 Sn超電導線、21…超電導撚
線、23,33…アルミニウム安定化超電導線、31…
超電導線。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22F 1/00 660 C22F 1/00 660Z 661 661A H01B 13/00 561 H01B 13/00 561D (31)優先権主張番号 特願平3−181921 (32)優先日 平成3年6月26日(1991.6.26) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 鈴木 卓哉 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−1707(JP,A) 特開 平3−291809(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 12/10 C22C 21/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅マトリクス中に超電導フィラメントを
    埋設してなる超電導線材と、超電導線材の外周に被覆さ
    れたアルミニウム安定化部材とを有し、アルミニウム安
    定化部材が極低温における0.2%耐力が4kg/mm2
    上、残留抵抗比が250以上であり、50〜1000pp
    m のZn、50〜150ppm のSi、50〜400ppm
    のAg、50〜300ppm のCu、および30〜200
    0ppmのCeからなる群より選ばれた少なくとも1つを
    含有し、残部がAlと不可避的不純物であるアルミニウ
    ム合金からなることを特徴とするアルミニウム安定化超
    電導線。
  2. 【請求項2】銅マトリクス中に超電導フィラメントを埋
    設してなる超電導線材と、超電導線材の外周に被覆され
    たアルミニウム安定化部材とを有し、アルミニウム安定
    化部材が極低温における0.2%耐力が4kg/mm2
    上、残留抵抗比が250以上であり、Zn50〜100
    0ppm およびAg50〜400ppm の少なく共一つ、並
    びにSi10〜50ppm、Cu10〜50ppm 、および
    Si+Cu10〜50ppm からなる群より選ばれた一つ
    を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物であるアル
    ミニウム合金からなることを特徴とするアルミニウム安
    定化超電導線。
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