JP3753346B2 - アルミニウム安定化超電導線 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱的および電気的安定性に優れ、かつマグネットなどに使用したときに発生する電磁力に対する充分な機械的強度を有するアルミニウム安定化超電導線に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超電導マグネットなどの導体には、銅マトリックス中にNb−Tiなどの超電導フィラメントを埋込んだ超電導線が用いられている。
このような超電導線は、例えば、銅パイプ内にNb−Ti合金棒材を挿入して複合ビレットとし、この複合ビレットを熱間押出しして、銅パイプとNb−Ti合金棒材とを一体化し、次いで圧延、伸線などの伸延加工を施し、その多数本を銅または銅合金パイプ内に充填して複合ビレットとし、これを前述と同様に加工して多芯超電導線としたり、さらに多芯超電導線の多数本を撚合わせて多芯超電導撚線としたりして用いられる。
【0003】
ところで、アルミニウム安定化超電導線は、前述の超電導線または多芯超電導撚線などに、残留抵抗比(300Kにおける電気抵抗値と10Kにおける電気抵抗値との比)が銅より遥かに大きい高純度アルミニウムを安定化材として被覆したものである。アルミニウム安定化超電導線は、銅のみを安定化材として被覆した従来の銅安定化超電導線などに較べて熱的および電気的安定性に優れている。しかも、アルミニウムの比重は銅の比重の1/3であるため、この超電導線をマグネットに用いた場合にマグネットの軽量化が可能になる。さらにアルミニウムは銅より素粒子透過性に優れるため、高エネルギー物理学分野で多用されている素粒子検出用マグネットに有利に用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アルミニウム安定化超電導線は、安定化材となる高純度アルミニウムの機械的強度が低いため、大型マグネット用導体として使用した場合に電磁力により変形してしまうという問題がある。
このようなことから、本発明者等は鋭意研究を重ね、アルミニウムの導電性を低下させずに機械的強度を向上させる合金元素としてSbとNiを見いだし、さらに研究を進めて本発明を完成させるに至った。
本発明は、熱的および電気的安定性に優れ、かつマグネットなどに使用したときに発生する電磁力に対して充分な機械的強度を有するアルミニウム安定化超電導線の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、銅マトリクス中に超電導フィラメントが埋設された超電導線材の外周にアルミニウム安定化材が被覆されたアルミニウム安定化超電導線において、前記アルミニウム安定化材の極低温における0.2%耐力が45MPa以上、残留抵抗比が250以上であり、前記アルミニウム安定化材が100〜30000ppmのSbを含有するAl−Sb合金、または100〜30000ppmのSbと30〜5000ppmのNiを含有するAl−Sb−Ni合金からなり、前記両アルミニウム合金は減面率3〜60%の冷間加工が施された、または前記加工に相当する加工歪みが付加されたアルミニウム合金からなることを特徴とするアルミニウム安定化超電導線である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、安定化材となるアルミニウム合金の極低温における0.2%耐力を45MPa以上に限定した理由は、45MPa未満では得られるアルミニウム安定化超電導線を大型マグネット用導体として使用する場合、アルミニウム安定化超電導線が電磁力により変形するためである。また極低温における残留抵抗比を250以上に限定した理由は、250未満では熱的および電気的に充分な安定性が得られないためである。
【0007】
本発明のアルミニウム安定化超電導線は、アルミニウム安定化材として極低温における0.2%耐力が45MPa以上の高強度のアルミニウム合金を用いるので、大型マグネット用導体として使用しても電磁力による変形が抑制される。また前記アルミニウム合金の極低温における残留抵抗比を従来の銅安定化材に相当する250かそれ以上に限定しているので熱的および電気的に充分安定する。
なお、従来の銅安定化材の残留抵抗比は通常150程度(10Kにおける比抵抗値が1.1×10−10Ωm)になるように設計されている。
アルミニウムの場合10Kにおける比抵抗値1.1×10−10Ωmに相当する残留抵抗比は250である。従って、本発明のアルミニウム安定化超電導線の熱的および電気的安定性は従来の銅安定化超電導線に較べて同等以上のものとなる。
【0008】
本発明において、前記の0.2%耐力および残留抵抗比を満足するアルミニウム合金は、(1)Sbを100〜30000ppm含有し減面率3〜60%の冷間加工を施した、または前記加工に相当する加工歪みを付加したAl−Sb系合金、(2)Sbを100〜30000ppm、Niを30〜5000ppm含有し減面率3〜60%の冷間加工を施した、または前記加工に相当する加工歪みを付加したAl−Sb−Ni系合金である。
前記合金元素の含有量と減面率(加工歪量)の限定理由は、合金組成と減面率(加工歪量)のいずれが下限値未満でも45MPa以上の0.2%耐力が得られず、いずれが上限値を超えても250以上の残留抵抗比が得られないためである。
【0009】
本発明では、前記Sb又はSbとNiの他に、結晶粒径の調整、電位の調整、成形加工性の向上などを目的として、Alに対する比抵抗増加率が小さいAg、As、Bi、Ca、Cd、Ce、Cu、Ga、Ge、Mg、Pb、Si、Sn、Znの中から選ばれる1〜数元素を、残留抵抗比を大きく低減させない範囲で微量添加しても良い。この際、添加量は機械的強度と残留抵抗比のバランスが良好に保持されるよう制御する必要がある。
本発明において、超電導線または多芯超電導撚線などにアルミニウム合金を複合する場合、アルミニウム合金に加えて銅もしくは銅合金を複合しても良い。
【0010】
ところで、超電導マグネットでは、使用中の電磁力で線材が動かないようにマグネットにエポキシ樹脂などを含浸させたり、線材に絶縁材として半硬化させたエポキシ樹脂を巻いたりし、その後100〜150℃で10〜30時間熱処理して樹脂を硬化させて用いる場合がある。通常の高純度アルミニウム安定化材はこの熱処理で軟化して機械的強度が急激に低下するが、本発明のアルミニウム安定化材はSbまたはSbとNiを適量含有するアルミニウム合金なので軟化温度が高く、前記熱処理による機械的強度の低下が抑えられる。Sbでは300ppm、Niでは100ppm以上の添加でその効果が特に顕著となる。
【0011】
本発明のアルミニウム安定化超電導線の製造は、たとえば、次のようにして行われる。
(1)超電導線または超電導撚線にアルミニウム合金を一様に被覆した熱間押出材に減面率3〜60%の冷間加工を施す。(2)超電導線または超電導撚線にアルミニウム合金を一体に被覆した熱間押出材を所定形状に伸延加工し、これを焼鈍して安定化材を再結晶させたのち、減面率3〜60%の冷間加工を施す。(3)超電導線または多芯超電導撚線などにアルミニウム合金を一体に熱間押出ししただけでも製造できるが、この際、アルミニウム合金被覆材に減面率3〜60%の冷間加工に相当する歪みが残留するように押出す。この他(4)減面率3〜60%の冷間加工を付加したアルミニウム合金材や減面率3〜60%に相当する加工歪みを付加したアルミニウム合金材を超電導線または多芯超電導撚線などに複合する方法も適用できる。
前記冷間加工には圧延、引抜き、スエジャーなどの常法が適用できる。
【0012】
前記(4)の加工歪を付加したアルミニウム合金材を複合するには、軟ロウ付けや機械的接合などの任意の複合法が適用できる。
例えば図1(A)に示すアルミニウム安定化超電導線は、多芯のCu/NbTi超電導線11にアルミニウム安定化材12を半田付けして複合したものである。
図1(B)に示すアルミニウム安定化超電導線は、Cu/NbTi超電導線の撚線13にアルミニウム安定化材12を半田付けして複合し、さらにこれを断面が略コの字状の銅安定化材14内に配置して半田付けし、露出したアルミニウム安定化材12上に板状の銅安定化材15を半田付けして取付けたものである。
図1(C)に示すアルミニウム安定化超電導線は、断面円形のCu/NbTi超電導線の撚線16に断面半円形状の溝を有する2つのアルミニウム安定化材17を前記溝に撚線をはめ込むようにして半田付けし、さらにこれに断面略コの字状の2つの銅安定化材14を被せて半田付けしたものである。
図1(D) に示すアルミニウム安定化超電導線は、銅安定化材18で外周を被覆したCu/Nb3Sn超電導線19を溝を有するアルミニウム安定化材20の溝に入れて半田付けしたものである。
図1(E) に示すアルミニウム安定化超電導線は、断面矩形の多芯のCu/NbTi超電導線11に断面矩形の溝を有する2つのアルミニウム安定化材12を前記超電導線11が溝に嵌まるように配置して全体を圧延圧着したものである。
【0013】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
外径220mm、内径200mmの無酸素銅製パイプ内に、銅マトリクス中にNbTi合金線材を埋め込んだ単芯超電導線を313本充填して複合ビレットとし、次いでこの複合ビレットに熱間押出加工を施して複合押出材を作製し、更にこの複合押出材に伸線および中間熱処理を施して外径1. 1mmのCu/NbTi多芯超電導線材を作製した。これに純度99.9993%のアルミニウムにSb元素を含有させたアルミニウム2元合金を安定化材として熱間押出しにより被覆して外径4.0mmのアルミニウム被覆棒材とし、次いでこれら各々の棒材を伸線加工して外径2.1mmの伸線材とした。次にこの伸線材を300℃で1時間焼鈍してアルミニウム安定化材のアルミニウム合金を再結晶させて焼鈍線材とし、次いでこれを伸線加工して外径2.0mmのアルミニウム安定化超電導線(No.1〜6)を作製した。なお、2元系アルミニウム合金のSb量は100〜30000ppmの規定値内で種々に変化させた。
【0014】
(比較例1)
安定化材の2元アルミニウム合金の合金元素量を本発明の規定値外、すなわちSbの量を100ppm未満または30000ppmを超える量とした他は、実施例1と同じ方法によりアルミニウム安定化超電導線(No.7〜9) を作製した。
【0015】
このようにして得られた各々のアルミニウム安定化超電導線 (No.1〜9) について、臨界電流値(以下Icと略記する)、マグネット特性としてクエンチ電流および最大発生磁界、4.2Kにおける0.2%耐力並びに残留抵抗比を調べた。結果を表1に示す。
なお、Icは得られたアルミニウム安定化超電導線を長さ1mの短尺線とし、これに液体He中(4.2K)にて5Tの磁場をかけた状態で電流を流し、電流を除々に増加させて抵抗が10−13Ωmに達した時の電流値をもって表した。またクエンチ電流および最大発生磁界は、得られたアルミニウム安定化超電導線を内径20mm、外径150mmのコイルに巻いてマグネットを作製し、クエンチ電流はマグネットの超電導状態が破れた時の電流とし、最大発生磁界は中心に置いたホール素子により測定した。ただし、マグネットは276A通電した時に5Tの磁界が発生するように設計した。
【0016】
【表1】
【0017】
表1より明らかなように、本発明のアルミニウム安定化超電導線(No.1〜6)は、マグネット特性で最大発生磁界が5Tを超え、またクエンチ電流も276A以上の高い値を示した。これに対し比較例品のNo.7は、アルミニウム安定化材に用いたアルミニウム合金の合金元素含有量が少ないため、また比較例品のNo.9は高純度アルミニウムのため、いずれも機械的強度が低く、その結果マグネットの発生磁場が3.8〜4.5Tのところで変形し、その際の発熱により所定の電流値に達する前にクエンチしてしまった。また比較例品のNo.8はアルミニウム安定化材に用いたアルミニウム合金の合金元素含有量が多すぎたため、残留抵抗比が低い値となり、導体としての熱的および電気的安定性が低下してマグネット特性が低いものとなった。
【0018】
(実施例2)
外径0.76mmのCu/Nb−Ti超電導線(Nb−Tiフィラメント径20μm、フィラメント数720本、Cu/Nb−Ti比1)10本を撚り合わせると同時に圧縮成形を行い成形撚線を形成し、これに安定化材としてAl−Sb合金を熱間で押出被覆して断面4. 0mm×23mmの焼鈍線材とし、次いでこれを半角3度のダイスを通して冷間で伸線加工して、図2に示す超電導撚線21の外周にアルミニウム安定化材22を被覆した構造のアルミニウム安定化超電導線23(No.10 〜 13,17,18) を製造した。Al−Sb合金には99. 9993%の高純度アルミニウムにSbを1000ppm添加したアルミニウム合金を用いた。また、伸線加工での減面率は本発明の規定値内で種々に変化させた。
一方外径1.7mmのCu/Nb−Ti超電導線(Nb−Tiフィラメント径68μm、フィラメント数313本、Cu/Nb−Ti比1)に安定化材としてAl−Sb合金を熱間で押出被覆して外径4.0mmの押出素材とし、次いでこれを伸線加工して外径2.5mmの線材とし、次いでこの線材を300℃で1時間焼鈍して焼鈍線材とし、次いでこのアルミニウム被覆線材を冷間で伸線加工して、図3に示す超電導線31の外周にアルミニウム安定化材32を被覆した構造のアルミニウム安定化超電導線33(No.14 〜 16 、 19,20)を製造した。Al−Sb合金には99.9993%の高純度アルミニウムにSbを20000ppm添加したアルミニウム合金を用いた。また、伸線加工での減面率は本発明の規定値内で種々に変化させた。
【0019】
(比較例2)
伸線加工での減面率を本発明の規定値外とした他は、実施例1と同じ方法により、アルミニウム安定化超電導線を製造した。
【0020】
このようにして製造した各々のアルミニウム安定化超電導線(No.10 〜 20) について、アルミニウム安定化材の4.2Kにおける0.2%耐力および残留抵抗比を実施例1と同様にして測定した。結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
表2より明らかなように、本発明のアルミニウム安定化超電導線(No.10 〜 16)はアルミニウム安定化材の極低温における0.2%耐力が45MPa以上、残留抵抗比が250以上であった。このアルミニウム安定化超電導線を用いてマグネットを組立てたところ、設計通りの発生磁界が得られたことが確認された。これに対し、比較例品のNo.17,19はアルミニウム安定化材の減面加工率が低すぎて0.2%耐力が低下し強度的に劣り、またNo.18,20はアルミニウム安定化材の減面加工率が高すぎて残留抵抗比が低下して熱的および電気的安定性に劣り、いずれもマグネットとして不適当なものであった。
【0023】
(実施例3)
断面寸法1mm×2mmのCu/Nb−Ti超電導平角線(Nb−Tiフィラメント径20μm、フィラメント数3180本、Cu/Nb−Ti比1)に断面寸法2mm×8mmのアルミニウム安定化材を半田付けして図1(A)に示す形状のアルミニウム安定化超電導線(No.21 〜 27) を製造した。前記アルミニウム安定化材には、Al−Sb合金またはAl−Sb−Ni合金を種々の加工率で冷間加工して調整したアルミニウム合金材を用いた。前記アルミニウム合金の組成および冷間加工での減面率は本発明の規定値内で種々に変化させた。
【0024】
(比較例3)
前記アルミニウム合金の組成および冷間加工での減面率は本発明の規定値外とした他は、実施例3と同じ方法によりアルミニウム安定化超電導線を製造した。
【0025】
このようにして製造した各々のアルミニウム安定化超電導線について、アルミニウム安定化材の4.2Kにおける0.2%耐力および残留抵抗比、並びにマグネットの最大発生磁界を実施例1と同様にして測定した。比較のため、安定化材に99.9993%の高純度アルミニウム材を用いたアルミニウム安定化超電導線についても同様の測定を行った。結果を表3に示す。表3には合金組成および減面加工率を併記した。
【0026】
【表3】
【0027】
表3より明らかなように、本発明のアルミニウム安定化超電導線(No.21 〜 27)はいずれも最大発生磁界が設計値の5Tを超えるものであった。これに対し、比較例品のNo.28は減面加工率が低いため、比較例品のNo.30はアルミニウム安定化材に用いたアルミニウム合金材の合金元素含有量が少ないため、比較例品のNo.32は高純度アルミニウムを用いたために、いずれも機械的強度が低く、マグネットに使用した場合に電磁力により変形し、その際の発熱により所定の電流値に達する前にクエンチが起きた。また、比較例品のNo.29は減面加工率が大きすぎたため、比較例品のNo.31はアルミニウム安定化材に用いたアルミニウム合金材の合金元素含有量が多いために、いずれも残留抵抗比が低い値となり、導体の熱的・電気的安定性が低下してクエンチを起こし、マグネット特性が低下した。
【0028】
(実施例4)
アルミニウム安定化材の組成を表4に示す本発明の規定値内とし、300℃で1時間焼鈍後の伸線加工率を15%とし、外径2.0mm伸線後に130℃で15時間の加熱処理を施した他は、実施例1と同じ方法によりアルミニウム安定化超電導線を製造した。
【0029】
(比較例4)
アルミニウム安定化材の組成を表4に示す本発明の規定値外とした他は、実施例4と同じ方法によりアルミニウム安定化超電導線を製造した。
【0030】
このようにして製造した各々のアルミニウム安定化超電導線について、アルミニウム安定化材の4.2Kにおける0.2%耐力および残留抵抗比、並びにマグネットの最大発生磁界を実施例1と同様にして測定した。結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】
表4より明らかなように、本発明のアルミニウム安定化超電導線(No.33 〜 36)はいずれも最大発生磁界が設計値の5Tを超えるものであった。これにより、本発明のアルミニウム安定化超電導線は、マグネットにエポキシ樹脂などで固定しても樹脂硬化のために必要な熱履歴による性能低下がないことが確認された。これに対し、比較例品のNo.37,39はアルミニウム安定化材のSbが、少ないか、含有されていないため、いずれも機械的強度が低く、マグネットに使用した場合に電磁力により変形し、その際の発熱により所定の電流値に達する前にクエンチが起きた。No.38はアルミニウム安定化材のSbが多いため、いずれも残留抵抗比が低下し、導体の熱的、電気的安定性が低下してクエンチを起こし、マグネット特性が低下した。
【0033】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明のアルミニウム安定化超電導線は、アルミニウム安定化材が、導電性を低下させずに機械的強度を向上させるSbまたはSbとNiを適量含有し、所定の加工歪みが付加され、極低温における0.2%耐力および残留抵抗比を所定値以上に規定したものなので、マグネット用導体などに用いたとき電磁力による変形が少なく高い発生磁界が得られる。依って、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(E)は本発明のアルミニウム安定化超電導線の第1〜第5の態様を示す横断面図である。
【図2】本発明のアルミニウム安定化超電導線の第6の態様を示す横断面図である。
【図3】本発明のアルミニウム安定化超電導線の第7の態様を示す横断面図である。
【符号の説明】
11 Cu/NbTi超電導線
12,17,20,22,32 アルミニウム安定化材
13,16 Cu/NbTi超電導撚線
14,15,18 銅安定化材
19 Cu/Nb3Sn超電導線
21 超電導撚線
23,33 アルミニウム安定化超電導線
31 超電導線
Claims (1)
- 銅マトリクス中に超電導フィラメントが埋設された超電導線材の外周にアルミニウム安定化材が被覆されたアルミニウム安定化超電導線において、前記アルミニウム安定化材の極低温における0.2%耐力が45MPa以上、残留抵抗比が250以上であり、前記アルミニウム安定化材が100〜30000ppmのSbを含有するAl−Sb合金、または100〜30000ppmのSbと30〜5000ppmのNiを含有するAl−Sb−Ni合金からなり、前記両アルミニウム合金は減面率3〜60%の冷間加工が施された、または前記加工に相当する加工歪みが付加されたアルミニウム合金からなることを特徴とするアルミニウム安定化超電導線。
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