JPH10321059A - アルミニウム安定化超電導線 - Google Patents

アルミニウム安定化超電導線

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JPH10321059A
JPH10321059A JP9133465A JP13346597A JPH10321059A JP H10321059 A JPH10321059 A JP H10321059A JP 9133465 A JP9133465 A JP 9133465A JP 13346597 A JP13346597 A JP 13346597A JP H10321059 A JPH10321059 A JP H10321059A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱的および電気的安定性に優れ、かつマグネ
ットなどに使用したときに発生する電磁力に対する充分
な機械的強度を有するAl安定化超電導線を提供する。 【解決手段】 銅マトリクス中に超電導フィラメントが
埋設された超電導線材の外周にAl安定化材が被覆され
たAl安定化超電導線において、Al安定化材の極低温
における0.2%耐力が45MPa 以上、残留抵抗比が 250以上
であり、Al安定化材が 100〜30000ppmのSb、30〜50
00ppm のNiの少なくとも1つを含有し、減面率3〜60
%の冷間加工が施さたAl合金からなるAl安定化超電
導線。 【効果】 Al安定化材が、導電性を低下させずに機械
的強度を向上させるSb、Ni、またはSbとNiを含
有し、所定の加工歪みが付加され、極低温における0.2%
耐力および残留抵抗比を所定値以上に規定したものなの
で、マグネット用導体などに用いたとき電磁力による変
形が少なく高い発生磁界が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱的および電気的
安定性に優れ、かつマグネットなどに使用したときに発
生する電磁力に対する充分な機械的強度を有するアルミ
ニウム安定化超電導線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超電導マグネットなどの導体に
は、銅マトリックス中にNb−Tiなどの超電導フィラ
メントを埋込んだ超電導線が用いられている。このよう
な超電導線は、例えば、銅パイプ内にNb−Ti合金棒
材を挿入して複合ビレットとし、この複合ビレットを熱
間押出しして、銅パイプとNb−Ti合金棒材とを一体
化し、次いで圧延、伸線などの伸延加工を施し、その多
数本を銅または銅合金パイプ内に充填して複合ビレット
とし、これを前述と同様に加工して多芯超電導線とした
り、さらに多芯超電導線の多数本を撚合わせて多芯超電
導撚線としたりして用いられる。
【0003】ところで、アルミニウム安定化超電導線
は、前述の超電導線または多芯超電導撚線などに、残留
抵抗比(300Kにおける電気抵抗値と10Kにおける
電気抵抗値との比)が銅より遥かに大きい高純度アルミ
ニウムを安定化材として被覆したものである。アルミニ
ウム安定化超電導線は、銅のみを安定化材として被覆し
た従来の銅安定化超電導線などに較べて熱的および電気
的安定性に優れている。しかも、アルミニウムの比重は
銅の比重の1/3であるため、この超電導線をマグネッ
トに用いた場合にマグネットの軽量化が可能になる。さ
らにアルミニウムは銅より素粒子透過性に優れるため、
高エネルギー物理学分野で多用されている素粒子検出用
マグネットに有利に用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウム安定化超電導線は、安定化材となる高純度アルミ
ニウムの機械的強度が低いため、大型マグネット用導体
として使用した場合に電磁力により変形してしまうとい
う問題がある。このようなことから、本発明者等は鋭意
研究を重ね、アルミニウムの導電性を低下させずに機械
的強度を向上させる合金元素としてSbとNiを見いだ
し、さらに研究を進めて本発明を完成させるに至った。
本発明は、熱的および電気的安定性に優れ、かつマグネ
ットなどに使用したときに発生する電磁力に対して充分
な機械的強度を有するアルミニウム安定化超電導線の提
供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、銅マトリクス
中に超電導フィラメントが埋設された超電導線材の外周
にアルミニウム安定化材が被覆されたアルミニウム安定
化超電導線において、前記アルミニウム安定化材の極低
温における0.2%耐力が45MPa以上、残留抵抗比が2
50以上であり、前記アルミニウム安定化材が100〜
30000ppmのSb、30〜5000ppmのNi
の少なくとも1つを含有し、減面率3〜60%の冷間加
工が施された、または前記加工に相当する加工歪みが付
加されたアルミニウム合金からなることを特徴とするア
ルミニウム安定化超電導線である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、安定化材となる
アルミニウム合金の極低温における0.2%耐力を45MP
a以上に限定した理由は、45MPa未満では得られる
アルミニウム安定化超電導線を大型マグネット用導体と
して使用する場合、アルミニウム安定化超電導線が電磁
力により変形するためである。また極低温における残留
抵抗比を250以上に限定した理由は、250未満では
熱的および電気的に充分な安定性が得られないためであ
る。
【0007】本発明のアルミニウム安定化超電導線は、
アルミニウム安定化材として極低温における0.2%耐力が
45MPa以上の高強度のアルミニウム合金を用いるの
で、大型マグネット用導体として使用しても電磁力によ
る変形が抑制される。また前記アルミニウム合金の極低
温における残留抵抗比を従来の銅安定化材に相当する2
50かそれ以上に限定しているので熱的および電気的に
充分安定する。なお、従来の銅安定化材の残留抵抗比は
通常150程度(10Kにおける比抵抗値が1.1×1
-10 Ωm)になるように設計されている。アルミニウ
ムの場合10Kにおける比抵抗値1.1×10-10 Ωm
に相当する残留抵抗比は250である。従って、本発明
のアルミニウム安定化超電導線の熱的および電気的安定
性は従来の銅安定化超電導線に較べて同等以上のものと
なる。
【0008】本発明において、前記の0.2%耐力および残
留抵抗比を満足するアルミニウム合金は、Sbを10
0〜30000ppm含有し減面率3〜60%の冷間加
工を施した、または前記加工に相当する加工歪みを付加
したAl−Sb系合金、Niを30〜5000ppm
含有し減面率3〜60%の冷間加工を施した、または前
記加工に相当する加工歪みを付加したAl−Ni系合
金、またはSb、Niの両方を上記含有量で含有し減
面率3〜60%の冷間加工を施した、または前記加工に
相当する加工歪みを付加したAl−Sb−Ni系合金で
ある。前記合金元素の含有量と減面率(加工歪量)の限
定理由は、合金組成と減面率(加工歪量)のいずれが下
限値未満でも45MPa以上の0.2%耐力が得られず、い
ずれが上限値を超えても250以上の残留抵抗比が得ら
れないためである。
【0009】本発明では、前記Sb又はNiの他に、結
晶粒径の調整、電位の調整、成形加工性の向上などを目
的として、Alに対する比抵抗増加率が小さいAg、A
s、Bi、Ca、Cd、Ce、Cu、Ga、Ge、M
g、Pb、Si、Sn、Znの中から選ばれる1〜数元
素を、残留抵抗比を大きく低減させない範囲で微量添加
しても良い。この際、添加量は機械的強度と残留抵抗比
のバランスが良好に保持されるよう制御する必要があ
る。本発明において、超電導線または多芯超電導撚線な
どにアルミニウム合金を複合する場合、アルミニウム合
金に加えて銅もしくは銅合金を複合しても良い。
【0010】ところで、超電導マグネットでは、使用中
の電磁力で線材が動かないようにマグネットにエポキシ
樹脂などを含浸させたり、線材に絶縁材として半硬化さ
せたエポキシ樹脂を巻いたりし、その後100〜150
℃で10〜30時間熱処理して樹脂を硬化させて用いる
場合がある。通常の高純度アルミニウム安定化材はこの
熱処理で軟化して機械的強度が急激に低下するが、本発
明のアルミニウム安定化材はSbまたは/およびNiを
適量含有するアルミニウム合金なので軟化温度が高く、
前記熱処理による機械的強度の低下が抑えられる。Sb
では300ppm、Niでは100ppm以上の添加で
その効果が特に顕著となる。
【0011】本発明のアルミニウム安定化超電導線の製
造は、たとえば、次のようにして行われる。超電導線
または超電導撚線にアルミニウム合金を一様に被覆した
熱間押出材に減面率3〜60%の冷間加工を施す。超
電導線または超電導撚線にアルミニウム合金を一体に被
覆した熱間押出材を所定形状に伸延加工し、これを焼鈍
して安定化材を再結晶させたのち、減面率3〜60%の
冷間加工を施す。超電導線または多芯超電導撚線など
にアルミニウム合金を一体に熱間押出ししただけでも製
造できるが、この際、アルミニウム合金被覆材に減面率
3〜60%の冷間加工に相当する歪みが残留するように
押出す。この他減面率3〜60%の冷間加工を付加し
たアルミニウム合金材や減面率3〜60%に相当する加
工歪みを付加したアルミニウム合金材を超電導線または
多芯超電導撚線などに複合する方法も適用できる。前記
冷間加工には圧延、引抜き、スエジャーなどの常法が適
用できる。
【0012】前記の加工歪を付加したアルミニウム合
金材を複合するには、軟ロウ付けや機械的接合などの任
意の複合法が適用できる。例えば図1(A)に示すアル
ミニウム安定化超電導線は、多芯のCu/NbTi超電
導線11にアルミニウム安定化材12を半田付けして複合し
たものである。図1(B)に示すアルミニウム安定化超
電導線は、Cu/NbTi超電導線の撚線13にアルミニ
ウム安定化材12を半田付けして複合し、さらにこれを断
面が略コの字状の銅安定化材14内に配置して半田付け
し、露出したアルミニウム安定化材12上に板状の銅安定
化材15を半田付けして取付けたものである。図1(C)
に示すアルミニウム安定化超電導線は、断面円形のCu
/NbTi超電導線の撚線16に断面半円形状の溝を有す
る2つのアルミニウム安定化材17を前記溝に撚線をはめ
込むようにして半田付けし、さらにこれに断面略コの字
状の2つの銅安定化材14を被せて半田付けしたものであ
る。図1(D) に示すアルミニウム安定化超電導線は、
銅安定化材18で外周を被覆したCu/Nb3 Sn超電導
線19を溝を有するアルミニウム安定化材20の溝に入れて
半田付けしたものである。図1(E) に示すアルミニウ
ム安定化超電導線は、断面矩形の多芯のCu/NbTi
超電導線11に断面矩形の溝を有する2つのアルミニウム
安定化材12を前記超電導線11が溝に嵌まるように配置し
て全体を圧延圧着したものである。
【0013】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)外径220mm、内径200mmの無酸素
銅製パイプ内に、銅マトリクス中にNbTi合金線材を
埋め込んだ単芯超電導線を313本充填して複合ビレッ
トとし、次いでこの複合ビレットに熱間押出加工を施し
て複合押出材を作製し、更にこの複合押出材に伸線およ
び中間熱処理を施して外径1. 1mmのCu/NbTi
多芯超電導線材を作製した。これに純度99. 9993
%のアルミニウムにSbまたはNiのいずれかの元素を
含有させたアルミニウム2元合金を安定化材としてそれ
ぞれ熱間押出しにより被覆して外径4. 0mmのアルミ
ニウム被覆棒材とし、次いでこれら各々の棒材を伸線加
工して外径2. 1mmの伸線材とした。次にこの伸線材
を300℃で1時間焼鈍してアルミニウム安定化材のア
ルミニウム合金を再結晶させて焼鈍線材とし、次いでこ
れを伸線加工して外径2. 0mmのアルミニウム安定化
超電導線(No.1〜11)を作製した。なお、2元系アルミ
ニウム合金の合金元素量は、Sbは100〜30000
ppm、Niは30〜5000ppmの規定値内で種々
に変化させた。
【0014】(比較例1)安定化材の2元アルミニウム
合金の合金元素量を本発明の規定値外、すなわちSbは
100ppm未満または30000ppmを超える量、
Niは30ppm未満または5000ppmを超える量
とした他は、実施例1と同じ方法によりアルミニウム安
定化超電導線(No.12〜16) を作製した。
【0015】このようにして得られた各々のアルミニウ
ム安定化超電導線 (No.1〜16) について、臨界電流値
(以下Icと略記する)、マグネット特性としてクエン
チ電流および最大発生磁界、4. 2Kにおける0.2%耐力
並びに残留抵抗比を調べた。結果を表1に示す。なお、
Icは得られたアルミニウム安定化超電導線を長さ1m
の短尺線とし、これに液体He中(4.2 K)にて5Tの
磁場をかけた状態で電流を流し、電流を除々に増加させ
て抵抗が10-13 Ωmに達した時の電流値をもって表し
た。またクエンチ電流および最大発生磁界は、得られた
アルミニウム安定化超電導線を内径20mm、外径15
0mmのコイルに巻いてマグネットを作製し、クエンチ
電流はマグネットの超電導状態が破れた時の電流とし、
最大発生磁界は中心に置いたホール素子により測定し
た。ただし、マグネットは276A通電した時に5Tの
磁界が発生するように設計した。
【0016】
【表1】
【0017】表1より明らかなように、本発明のアルミ
ニウム安定化超電導線(No.1〜11)は、マグネット特性
で最大発生磁界が5Tを超え、またクエンチ電流も27
6A以上の高い値を示した。これに対し比較例品のNo.1
2,14は、アルミニウム安定化材に用いたアルミニウム合
金の合金元素含有量が少ないため、また比較例品のNo.1
6 は高純度アルミニウムのため、いずれも機械的強度が
低く、その結果マグネットの発生磁場が3.8〜4. 5
Tのところで変形し、その際の発熱により所定の電流値
に達する前にクエンチしてしまった。また比較例品のN
o.13,15はアルミニウム安定化材に用いたアルミニウム
合金の合金元素含有量が多すぎたため、残留抵抗比が低
い値となり、導体としての熱的および電気的安定性が低
下してマグネット特性が低いものとなった。
【0018】(実施例2)外径0. 76mmのCu/N
b−Ti超電導線(Nb−Tiフィラメント径20μ
m、フィラメント数720本、Cu/Nb−Ti比1)
10本を撚り合わせると同時に圧縮成形を行い成形撚線
を形成し、これに安定化材としてAl−Sb合金を熱間
で押出被覆して断面4. 0mm×23mmの焼鈍線材と
し、次いでこれを半角3度のダイスを通して冷間で伸線
加工して、図2に示す超電導撚線21の外周にアルミニ
ウム安定化材22を被覆した構造のアルミニウム安定化
超電導線23(No.17〜20,24,25) を製造した。Al−S
b合金には99. 9993%の高純度アルミニウムにS
bを1000ppm添加したアルミニウム合金を用い
た。また、伸線加工での減面率は本発明の規定値内で種
々に変化させた。一方外径1. 7mmのCu/Nb−T
i超電導線(Nb−Tiフィラメント径68μm、フィ
ラメント数313本、Cu/Nb−Ti比1)に安定化
材としてAl−Sb合金を熱間で押出被覆して外径4.
0mmの押出素材とし、次いでこれを伸線加工して外径
2. 5mmの線材とし、次いでこの線材を300℃で1
時間焼鈍して焼鈍線材とし、次いでこのアルミニウム被
覆線材を冷間で伸線加工して、図3に示す超電導線31の
外周にアルミニウム安定化材32を被覆した構造のアルミ
ニウム安定化超電導線33(No.21〜23、26,27)を製造し
た。Al−Sb合金には99. 9993%の高純度アル
ミニウムにSbを20000ppm添加したアルミニウ
ム合金を用いた。また、伸線加工での減面率は本発明の
規定値内で種々に変化させた。
【0019】(比較例2)伸線加工での減面率を本発明
の規定値外とした他は、実施例1と同じ方法により、ア
ルミニウム安定化超電導線を製造した。
【0020】このようにして製造した各々のアルミニウ
ム安定化超電導線(No.17〜27) について、アルミニウム
安定化材の4. 2Kにおける0.2%耐力および残留抵抗比
を実施例1と同様にして測定した。結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2より明らかなように、本発明のアルミ
ニウム安定化超電導線(No.17〜23)はアルミニウム安定
化材の極低温における0.2%耐力が45MPa以上、残留
抵抗比が250以上であった。このアルミニウム安定化
超電導線を用いてマグネットを組立てたところ、設計通
りの発生磁界が得られたことが確認された。これに対
し、比較例品のNo.24,26はアルミニウム安定化材の減面
加工率が低すぎて0.2%耐力が低下し強度的に劣り、また
No.25,27はアルミニウム安定化材の減面加工率が高すぎ
て残留抵抗比が低下して熱的および電気的安定性に劣
り、いずれもマグネットとして不適当なものであった。
【0023】(実施例3)断面寸法1mm×2mmのC
u/Nb−Ti超電導平角線(Nb−Tiフィラメント
径20μm、フィラメント数3180本、Cu/Nb−
Ti比1)に断面寸法2mm×8mmのアルミニウム安
定化材を半田付けして図1(A)に示す形状のアルミニ
ウム安定化超電導線(No.28〜39) を製造した。前記アル
ミニウム安定化材には、Sb、Niの合金元素のうちの
少なくとも1種を含有するアルミニウム合金を種々の加
工率で冷間加工して調整したアルミニウム合金材を用い
た。前記アルミニウム合金の組成および冷間加工での減
面率は本発明の規定値内で種々に変化させた。
【0024】(比較例3)前記アルミニウム合金の組成
および冷間加工での減面率は本発明の規定値外とした他
は、実施例3と同じ方法によりアルミニウム安定化超電
導線を製造した。
【0025】このようにして製造した各々のアルミニウ
ム安定化超電導線について、アルミニウム安定化材の
4. 2Kにおける0.2%耐力および残留抵抗比、並びにマ
グネットの最大発生磁界を実施例1と同様にして測定し
た。比較のため、安定化材に99. 9993%の高純度
アルミニウム材を用いたアルミニウム安定化超電導線に
ついても同様の測定を行った。結果を表3に示す。表3
には合金組成および減面加工率を併記した。
【0026】
【表3】
【0027】表3より明らかなように、本発明のアルミ
ニウム安定化超電導線(No.28〜39)はいずれも最大発生
磁界が設計値の5Tを超えるものであった。これに対
し、比較例品のNo.40,44は減面加工率が低いため、比較
例品のNo.42,46はアルミニウム安定化材に用いたアルミ
ニウム合金材の合金元素含有量が少ないため、比較例品
のNo.48 は高純度アルミニウムを用いたために、いずれ
も機械的強度が低く、マグネットに使用した場合に電磁
力により変形し、その際の発熱により所定の電流値に達
する前にクエンチが起きた。また、比較例品のNo.41,45
は減面加工率が大きすぎたため、比較例品のNo.43,47は
アルミニウム安定化材に用いたアルミニウム合金材の合
金元素含有量が多いために、いずれも残留抵抗比が低い
値となり、導体の熱的・電気的安定性が低下してクエン
チを起こし、マグネット特性が低下した。
【0028】(実施例4)アルミニウム安定化材の組成
を表4に示す本発明の規定値内とし、300℃で1時間
焼鈍後の伸線加工率を15%とし、外径2.0mm伸線
後に130℃で15時間の加熱処理を施した他は、実施
例1と同じ方法によりアルミニウム安定化超電導線を製
造した。
【0029】(比較例4)アルミニウム安定化材の組成
を表4に示す本発明の規定値外とした他は、実施例4と
同じ方法によりアルミニウム安定化超電導線を製造し
た。
【0030】このようにして製造した各々のアルミニウ
ム安定化超電導線について、アルミニウム安定化材の
4. 2Kにおける0.2%耐力および残留抵抗比、並びにマ
グネットの最大発生磁界を実施例1と同様にして測定し
た。結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】表4より明らかなように、本発明のアルミ
ニウム安定化超電導線(No.49〜55)はいずれも最大発生
磁界が設計値の5Tを超えるものであった。これによ
り、本発明のアルミニウム安定化超電導線は、マグネッ
トにエポキシ樹脂などで固定しても樹脂硬化のために必
要な熱履歴による性能低下がないことが確認された。こ
れに対し、比較例品のNo.56,57,60 はアルミニウム安定
化材のSbまたはNiが、少ないか、含有されていない
ため、いずれも機械的強度が低く、マグネットに使用し
た場合に電磁力により変形し、その際の発熱により所定
の電流値に達する前にクエンチが起きた。No. 58,59 は
アルミニウム安定化材のSbまたはNiが多いため、い
ずれも残留抵抗比が低下し、導体の熱的、電気的安定性
が低下してクエンチを起こし、マグネット特性が低下し
た。
【0033】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明のアルミニ
ウム安定化超電導線は、アルミニウム安定化材が、導電
性を低下させずに機械的強度を向上させるSb、Ni、
またはSbとNiを適量含有し、所定の加工歪みが付加
され、極低温における0.2%耐力および残留抵抗比を所定
値以上に規定したものなので、マグネット用導体などに
用いたとき電磁力による変形が少なく高い発生磁界が得
られる。依って、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(E)は本発明のアルミニウム安定化
超電導線の第1〜第5の態様を示す横断面図である。
【図2】本発明のアルミニウム安定化超電導線の第6の
態様を示す横断面図である。
【図3】本発明のアルミニウム安定化超電導線の第7の
態様を示す横断面図である。
【符号の説明】
11 Cu/NbTi超電導線 12,17,20,22,32 アルミニウム安定化材 13,16 Cu/NbTi超電導撚線 14,15,18 銅安定化材 19 Cu/Nb3 Sn超電導線 21 超電導撚線 23,33 アルミニウム安定化超電導線 31 超電導線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅マトリクス中に超電導フィラメントが
    埋設された超電導線材の外周にアルミニウム安定化材が
    被覆されたアルミニウム安定化超電導線において、前記
    アルミニウム安定化材の極低温における0.2%耐力が45
    MPa以上、残留抵抗比が250以上であり、前記アル
    ミニウム安定化材が100〜30000ppmのSb、
    30〜5000ppmのNiの少なくとも1つを含有
    し、減面率3〜60%の冷間加工が施された、または前
    記加工に相当する加工歪みが付加されたアルミニウム合
    金からなることを特徴とするアルミニウム安定化超電導
    線。
JP13346597A 1997-05-23 1997-05-23 アルミニウム安定化超電導線 Expired - Fee Related JP3753346B2 (ja)

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