JP2517867B2 - V3 Si超電導極細多芯線材の製造法 - Google Patents

V3 Si超電導極細多芯線材の製造法

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    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、V3 Si超電導極細
多芯線材の製造法に関するものである。さらに詳しく
は、この発明は、交流用の超電導線材として温度マージ
ングが大きく低交流損失で高安定性を有する強磁界特性
の優れたV3 Si超電導極細多芯線材の高性能、効率的
な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】現在、実用化されている交流
用超電導線材はNbTi合金極細多芯線が唯一である。
この通常のNbTi合金極細多芯線では、安定性を十分
確保するためにマトリックス材に純銅を使用している
が、交流磁界中ではフィラメント(NbTi)が電気的
に結合し、フィラメント間に起電力が生じて銅マトリッ
クスに電流が流れ、ジュール損失(結合損失)が発生す
る。これを低減するために、通常は、マトリックスの横
方向電気抵抗率を高めることが有効で、そのため純銅に
替えて高電気抵抗材料をマトリックスとして使用する。
ただし、交流損失のもう一つの原因である磁束線のピン
止めに伴う損失(ヒステリシス損失)は超電導フィラメ
ントが細くなるほど小さくなる。そのためフィラメント
径が1μm以下になるまで伸線加工する必要があること
から、マトリックスの高電気抵抗材料としては、加工性
にも優れたキュプロニッケル等の銅合金に限定されてい
る。
【0003】しかしながら、マトリックスが高電気抵抗
材料である場合には熱伝導率も低くなるので通電中に常
電導の芽が一旦発生してしまうと回復することは不可能
で、安定性が損なわれてしまうことになる。ただ、横方
向の電気抵抗は高いが長手方向の電気抵抗は低いマトリ
ックス材料がもし存在すれば、低交流損失と高安定性を
同時に実現することができる。そのような理想的なマト
リックス材料を得るために、現実には、純銅と高電気抵
抗材料を適当に配置した混合マトリックス材料を用い
る。しかし、交流用多芯線としては極めて高度な複合加
工技術を必要とする。そして、さらに、NbTi自身の
臨界磁界(4.2K)が11.5Tと低いので8T以上
の交流磁界を発生することは不可能であり、また、臨界
温度も9.5Kと低いので超電導発電機など使用温度が
5Kを越える交流機器には温度マージンが小さ過ぎると
いう欠点があった。
【0004】一方、直流用に開発されてきたブロンズ法
Nb3 Sn極細多芯線は、臨界温度が17K以上でまた
臨界磁界が23Tを越えることから、温度マージンが大
きい強磁界交流用超電導線材としても注目されている。
しかし、このブロンズ法には、伸線工程で焼鈍(約60
0℃で1時間)しなければならないという欠点があっ
た。それと言うのもブロンズの加工硬化が顕著であるか
らであった。しかし、中間焼鈍で生成する微量のNb3
Sn化合物は芯径が細くなるほど複合加工性を劣化させ
る。そのため、Nb芯径を1μm以下まで細くしなけれ
ばならない交流用多芯線では、伸線途中で破断しやすく
なる欠点があった。また、overall JC を大きくするた
めには、フィラメント間距離は無制限に大きくできな
い。そのため、伸線終了後の比較的高温での熱処理(約
700℃で100時間)で、各Nbフィラメントの廻り
に生成するNb3 Snが部分的に合体してフィラメント
間が物理的に結合するブリッジングが避けられない。こ
のようなブリッジングが生じると有効超電導芯径が大き
くなってヒステリシス損失を増大させる欠点があり、さ
らに、Nb3 Snの生成後のCu−Sn合金は、結合損
失を軽減するには電気抵抗が低すぎ、また、安定性を向
上させるほどには電気抵抗が高すぎるという中途半端な
ものであった。
【0005】また、V3 Si化合物も臨界温度が16K
以上で、また臨界磁界(4.2K)が20Tを越すた
め、温度マージンが大きい強磁界交流用超電導線材とし
て期待できる。しかし、ブロンズ法を適用したこのV3
Si化合物の製造法では、Cu−Si合金中のSi濃度
が高いとV5 Si3 層が優先的に厚く生成し、V3 Si
層はV5 Si3 層と未反応のVとの界面に薄く生成する
ので、overall JC は小さかった(K. Tachikawa et a
l., J. Mater, Sci.,(1972),1154−11
60,M. Suenaga et al., “1972 Applied Supe
rconductivity Conference”,IEEE,New York, 1
972,p481−485.)。一方、Cu−Si合金
中のSi濃度を下げるとV5 Si3 層厚に対するV3
i層厚の割合が増加し、Si濃度が1at%以下になる
とV3 Si層だけが生成する(J. Livingston, J. Mate
r, Sci.,12(1977),1759−1763)。こ
の場合、厚くV3 Siを生成させるためにはVに対する
Cu−Si合金の体積率をかなり大きくする必要があ
り、やはりoverall JC の改善は困難であった。なお、
Livingstonは、Siに対するVの組成比(V原子数/S
i原子数)をできるだけ大きく調整すれば、Si濃度の
高いCu−Si合金を出発材料に用いても熱処理でのC
u−Si合金中のSi濃度の減少にともない、初期に生
成したV5 Si3 が最終的にV3 Siに変態する可能性
を指摘した。しかし、Suenaga らは、VのSiに対する
組成比が十分大きい試料(V/Si〜3.5)を用いた
が、V3 Siを厚く生成させようとすると高温で長時間
の熱処理が必要であり、そのようにして生成したV3
iは結晶粒が粗大化し、磁束線のピン止め中心である結
晶粒界密度が減少するので、結局大きなoverall JC
得られないことを報告している。Suenaga らの試料では
V芯径が30μm以上で太かった。
【0006】なお、これまでV3 Si線材を交流用超電
導線材として着目した研究報告例は知られていない。こ
の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであ
り、従来方法の欠点を解消し、温度マージングが大きく
低交流損失で高安定性を有する強磁界特性の優れた交流
用超電導極細多芯線材を製造することができる新しい方
法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するものとして、Cu−Si合金マトリックスとV
芯から構成される複合体において、Cu−Si合金の組
成ならびにCu−Si合金マトリックス/芯の体積比を
調整してVとSiの組成比(V原子数/Si原子数)を
1.7以上に制御し、この複合体を中間焼鈍と冷間加工
によりV芯径が10μm以下になるまで線状に加工した
のち、V芯の廻りにCu−Si合金側からV5 Si3
およびV3 Si層を拡散生成させる熱処理を行い、生成
したV5Si3 層をV3 Siフィラメント間の物理的及
び電気的結合を切る高電気抵抗層とし、またSi濃度が
低減したブロンズ合金を安定化材とする低交流損失・高
安定の交流用超電導V3 Si極細多芯線材の製造方法を
提供する。
【0008】さらに詳しくは、この発明の製造方法にお
いて、全てのSiがVと反応したときに、Vが全てV5
Si3 に変化しない(未反応VまたはV3 Siが残る)
ようにする。このため、Cu−Si合金に含まれるSi
の総量をV原子数/Si原子数で1.7以上になるよう
に、Cu−Si合金中のSi濃度およびCu−Si合金
のVに対する体積比を制御する。
【0009】Cu−Si合金中のSi濃度は、Cu−S
i合金の体積率を小さくしてoverall JC を大きくする
ため、また硬度を上げてVとの良好な複合加工性を確保
するために、4原子%、好ましくは7原子%以上、ま
た、Cu−Si合金の良好な冷間加工性を保持する上か
ら11原子%、好ましくは9原子%以下とする。中間焼
鈍温度は、Cu−Si合金のSi濃度に応じて変化させ
る必要があるが、Cu−Si合金を十分焼鈍するために
は300℃、好ましくは480℃以上、またVとSiが
化合物を生成してその後の伸線加工性を劣化させないた
めには570℃、好ましくは540℃以下とする。
【0010】最終的なV芯径は、Siとの拡散反応が比
較的低温で短時間で終了させて結晶粒の粗大化を抑制す
るため及びヒステリシス損失を低減化するために、10
μm、好ましくは1μm以下とする。化合物生成のため
の最終熱処理温度は、V3 SiのV5 Si3 に対する割
合を実用的な熱処理時間以内(200時間)で大きくす
るために600℃、好ましくは650℃以上、また、V
3 Siの結晶粒を粗大化させないために950℃、好ま
しくは900℃以下とする。
【0011】VとSiの組成比と最終的なV芯径を確保
するために、Cu−Si合金中のSiとの反応性が無視
できるほど小さくCu−Si合金との複合加工性に優れ
たTa、Nb、これらの合金等の材料をスタック用シー
ス材や拡散バリア材として複合体中に含んでも良い。添
付した図1は、この発明の製造方法によって得られる極
細多芯線材の部分構成を例示した断面図である。
【0012】たとえばこの図1に示したように、V芯線
(1)の周囲には、V3 Si層(2)、V5 Si3
(3)、そしてSi濃度の低下したCU−Si合金層
(4)が形成されることになる。V5 Si3 層(3)
は、V3 Si層(2)フィラメント間の高電気抵抗層と
して働き、Cu−Si合金層(4)は安定化材として働
くことになる。
【0013】次ぎに実施例を示してさらに詳しくこの発
明について説明する。もちろん、この発明は以下の実施
例によって限定されるものではない。とくにV/Si比
を1.7以上に確保してV芯径を10μm以下の複合多
芯線を作製することが本発明の骨子なので、実施例と違
って多芯線を出発材料としてスタック工程を省略する場
合や、また多芯線を出発材料にして1回のスタック工程
で完了する場合も、この発明の請求範囲に含まれる。さ
らに、スタック用シース材とSiの拡散バリア材を兼ね
て実施例ではTaを用いているが、Cu−Si合金中の
Siとの反応性が低くまたCu−Si合金との複合加工
性が優れていれば、スタック用シース材や拡散バリア材
としてTa以外の材料でも構わない。
【0014】
【実施例】電子ビーム溶解により溶製したVインゴット
を1100℃で1時間の中間焼鈍と溝ロール圧延・スウ
ェージングによる冷間加工を交互に繰り返し、直径3.
9mmφの丸棒に加工したのち2次再結晶が生じないよ
うに比較的低温の900℃で1時間での真空焼鈍を行っ
て芯材とした。一方マトリックス材は、アーク溶解炉で
溶製したCu−16wt.%Si母合金と純銅を原材料
にしてタンマン炉でCu−8.5at.%Si合金に溶
製し、溝ロール圧延・スウェージング・ドリル加工によ
り管状(7.9/4.0mmφ)に加工して作製した。
両者を複合後、520℃で1時間の中間焼鈍と50%の
冷間加工(溝ロール圧延・カセットローラダイスによる
伸線加工)を交互に繰り返して、0.7mmφ(V芯
径:350μm)の単芯線に加工した。単芯線に於ける
V/Si組成比は3.2である。ついで、Cu−8.5
at%Siシース管(10.5/7.5mmφ)とTa
シース管(10/7.5mmφ)に上記単芯線を80本
束ねて挿入し、それぞれ上記と同様の中間焼鈍を加えな
がら再び0.7mmφまで伸線加工し、2種類の1次ス
タック線とした。このうちCu−8.5at%Si/C
u−8.5at%Si/V線については10.5/7.
4mmφのCu−8.5at%Siシース管に再び80
本を束ねて挿入して2次スタック線とした。また、Ta
/Cu−8.5at%Si/V線については12.3/
9mmφのCu−8.5at%Siシース管に134本
束ねて挿入し2次スタック線とした。2種類の2次スタ
ック線は共に粒径が0.315mmまで破断することな
く伸線加工できた。なお、Taを用いた2次スタック線
ではTaがSiの拡散バリアになっているのでVとの反
応に寄与するSiは単芯線部分のCu−Si合金に含ま
れるだけであり、V/Si組成比は単芯線の場合と同様
に3.2である。また、Taを用いない場合はシース材
のCu−Si合金も反応に寄与するので、V/Si組成
比は1次スタック線で1.4、2次スタック線で0.8
1となる。
【0015】このようにして得られた極細多芯線を70
0〜850℃で熱処理し、超電導特性を測定した結果を
表1に示す。また、観察した微視的組織を表2に示し
た。Taをスタック用シース材に用いていない比較例1
〜11においては、Vに対するSiの割合は大きく、熱
処理初期にV5 Si3 と未反応Vとの界面似一旦V3
iが薄く生成するが、その後の熱処理によってさらにS
iが供給され続けるため最終的にV5 Si3 に変化し、
超電導性を示さなくなる。V/Siの比率が大きい3.
2の場合には、V芯径が10μm以上であると(表1比
較例12〜15、表2比較例19〜23)、同じV芯径
でSiの供給量が多い場合(表1比較例8〜11、表2
比較例18)と比較して、短時間の熱処理で臨界温度の
高いV3 Siが厚く生成し、高磁界でのoverall JC
大きくなる。しかし、V芯径が10μm以下のもの(表
1実施例1〜11、表2実施例12)を比較するとover
all JC は1桁ほど小さい。Si濃度が十分低下してC
u−Si合金が安定化材として利用できるまでに要する
時間は、V芯径が10μm以上の場合には、きわめて長
い。そのためV3 Siの結晶粒が粗大化し、結局overal
l JC が低下したと解釈される。なお、V芯径が細い場
合(表1実施例1〜7)でも長時間熱処理を行うとover
all JC が若干劣化する。しかし、最適熱処理条件が低
温で短時間側にシフトするために、overall JC の絶対
値はV芯径が10μm以上のものと比較すると遙かに大
きい。850℃で熱処理した場合にこれまで得られてい
る超電導特性を比較すると(表1比較例16〜17およ
び実施例8〜11)、V芯径を細くすると最適熱処理時
間が短時間側にシフトしていることが判る。
【0016】また、表1の実施例8の試料について磁化
測定により超電導有効芯径を求めた。超電導有効芯径は
熱処理前のV芯径とほぼ一致しており、V5 Si3 層が
超電導フィラメント同士の直接的な物理的結合を阻害す
るのに有効に作用していたことが明らかにされた。ま
た、生成したV5 Si3 の電気抵抗率は4.2Kで約5
×10-7Ωmであった。この値は、従来から高電気抵抗
材料として用いられているキュプロニッケルの値3.5
×10-7Ωmと比較しても大きく、結合損失を低減させ
るのに十分な高電気抵抗材料であることが確認された。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】この発明の製造法の場合には、従来のV
3 Si化合物の製法と違って、比較的低温で短時間の熱
処理で結晶粒が微細なV3 Si層をV5 Si3 層に比べ
て厚く生成できるので、大きなoverall JC が得られ
る。また、このV5 Si3 層を必要な厚さだけ残すこと
が可能でマトリックス横電気抵抗率を高めるのに利用で
きる。そのうえ熱処理後Cu−Si合金中のSi濃度が
1at%以下まで減少し電気抵抗が十分低下するので、
この純銅化したCu−Si合金を安定化材として利用で
きる。したがって、従来の交流用超電導線材の製法と違
って、純銅と高電気抵抗材との混合マトリックス材料を
別途被覆することなく、結合損失が小さくそのうえ安定
性にも優れた交流用超電導線材を製造できる。
【0020】また、中間焼鈍温度は570℃以下と低い
ので、ブロンズ法Nb3 Sn極細多芯線材と違って、中
間焼鈍による化合物生成及びそれに伴う複合加工性の劣
化はほとんどない。したがって、V芯径を1μm以下に
伸線加工するのは容易で、そのためヒステリシス損失を
小さくできる。さらに、最終熱処理でフィラメント間の
ブリッジングが仮に生じても、常電導化合物のV5 Si
3 同士が結合するだけで、超電導化合物のV3 Siの物
理的な結合は原理的には生じない。そのため、超電導有
効芯径の増加に伴うヒステリシス損失の増大はないと思
われる。
【0021】耐歪特性に関しても、一般的にA15型化
合物では負荷歪に対して非可逆的にJC が劣化し始める
歪量εirrav がフィラメント径が小さくなるほど大きく
なるので、1μm以下のフィラメント径を有する本発明
のV3 Si極細多芯線材も比較的大きな歪量εirrav
有するものと期待される。さらに、この発明は、特殊な
装置を必要とせずに従来のブロンズ法Nb3 Sn極細多
芯線の場合と同様の溶解、伸線加工、熱処理装置をその
まま利用できる利点を有し、そのうえ、キュプロニッケ
ル等の高電気抵抗材や純銅などの安定化材を別途導入す
る必要がないので、線材の製造工程が簡略化され製造コ
ストを下げることが可能である。また、交流損失が多少
あっても臨界温度が16K以上で高いため余裕をもった
設計が可能となる。そのため、マグネットの小型化を図
ることができ、冷却コストの節減につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法によって製造される線材の部分
断面を示したものである。
【符号の説明】
1 V芯線 2 V3 Si層 3 V5 Si3 層 4 Si温度低下Cu−Si合金層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu−Si合金マトリックスとV芯から
    構成される複合体において、Cu−Si合金の組成なら
    びにこの合金マトリックス/芯の体積比を調整してVと
    Siの組成比(V原子数/Si原子数)を1.7以上に
    制御し、この複合体を中間焼鈍と冷間加工によってV芯
    径が10μm以下になるまで線状に加工したのち、V芯
    の廻りにCu−Si合金側からV5 Si3 層およびV3
    Si層を拡散生成させる熱処理を行い、生成したV5
    3 層をV3 Siフィラメント間の物理的及び電気的結
    合を切る高電気抵抗層とし、またSi濃度が低減したC
    u−Si合金を安定化材とする強磁界特性の優れた交流
    用のV3 Si超電導極細多芯線材の製造方法。
  2. 【請求項2】 Cu−Si合金中のSi濃度が4原子%
    〜11原子%の範囲で、中間焼鈍温度が300℃〜57
    0℃の範囲にある請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 真空、不活性ガス雰囲気で600℃〜9
    50℃の範囲でV5Si3 層およびV3 Si層を拡散生
    成・熱処理する請求項1または2の製造方法。
  4. 【請求項4】 V5 Si3 およびV3 Siの拡散生成に
    寄与するSi量を制御し、さらに10μm以下までV芯
    径を伸線加工するために、Cu−Si合金中のSiとの
    反応性が低く、またCu−Si合金との複合加工性に優
    れた材料を拡散バリア材またはスタック用シース材とし
    て複合体に含む請求項1、2または3の製造方法。
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