JP3047222U - 車椅子昇降移動機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い面積のスラロープ部を必要とせず、車椅
子を、階段下から階段上のフロアまで又は反対に小高の
ヘッドで迅速に昇降移動させる機構を提供する。 【解決手段】 油圧シリンダを抱持して固定板部を支持
する前脚部及び後脚部が、固定板部を支持し、基台部及
び固定板部の各側溝を滑動し折畳む構造とし、固定板部
の底部とＧＬとの高さを限りなく零に近くとるように設
計できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、車椅子を階段下から階段上のフロア部に、又はこの反対に、安全か つ確実に昇降又は移動させるための車椅子昇降移動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、車椅子使用者のために、車椅子を階段下から階段上のフロア部に昇降移 動させるための種々の提案がなされている。しかし、従来のものは大掛りな設備 を必要とし、取付け経費も大となり、さらに、全体を大規模なスラロープ部で形 成することは、広大な面積を必要とするため適当ではなかった。 本考案は、特に、車椅子を載置する底板部の底部の高さを極力小ならしめさら に渡し板部を設けて通常スラロープ部を設けない構成としたものである。さらに 、ピット部を掘開する必要もなく車椅子を容易に昇降移動させることができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、かかる実状に鑑みてなされたもので、設備が過大になることを防止 し、車椅子が載置する床板部の厚みを可及的小ならしめ、また、油圧シリンダを 含め前脚部及び後脚部を基台部の内溝部内に収納し、所謂パンダ式を形成して、 更に床板部の位置を低下せしめ、スラローム式は渡し板等の設備を節約して車椅 子昇降の利便性を増大することを目的に構成したものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、 （ｉ）車椅子を床板部Ａに載置し、最下階段底面部Ｂと最上階段フロア部Ｃと の間に昇降移動せしめる車椅子昇降移動機構において、 （ii）後脚部３とＸ状に交差し油圧シリンダ１を抱持し、その上端部を固定板 部６に軸支する前脚部２と、 (iii) 最下階段下側部Ｂ近傍に、後脚部３の下端部を軸支５し、かつ該後脚部 ３の上端部を固定板部６の断面凹型な側溝部１２内に滑動せしめ、さらに、前脚 部２の下端部を、断面凹型の内溝部７底面上に滑動させる基台部８と、 （iv）固定板部６に重畳して床板部Ａを形成し、固定板部６上面を滑動し、そ の先端部でフロア部Ｃに連設する渡し板１５を併有する可動板部９と、 （ｖ）車椅子使用者が後記手摺部材１１に側設する作動スイッチ１３により可 動板部９を移動させる電動又は油圧シリンダ１０と、 （vi）可動板部９に、車椅子使用者を介助するために側設される手摺部材１１ とを有して構成される車椅子昇降移動機構をその要旨とするものである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

図１は、本考案に係る車椅子昇降移動機構の全体的説明図、図２は本装置の両 脚部及び床板部の収納状態の断面的説明図である。

【０００６】

【実施例】

本考案は、床板部Ａに載置し、最下階段底面部Ｂと最上階段フロア部Ｃとの間 を、車椅子（図示せず）を昇降移動せしめる機構に関する。

【０００７】 床板部Ａを支持するのは、前脚部２と後脚部３である。前脚部２は後脚部３と Ｘ状に交差し油圧シリンダ１を抱持している。前脚部２の上端部は固定板部６に 軸支４され、下端部は基台部８の内溝部底面上に滑動する。また、後脚部３の下 端部は基台部８の最下階段下近傍に軸支５され、その上端部は固定板部６の断面 凹型の側溝部１２内に滑動せしめられる。

【０００８】 図２には、前脚部２、後脚部３が倒伏状態で基台部８の内溝部７内に収納され る状態が示されている。前脚部２及び後脚部３の上側部は、固定板部６に軸支結 合され、その側溝部１２内に収納される。後述するが、固定板部６には、可動板 部９が重畳する。本考案の特徴部分はＧＬと固定板部６の底面との間隔ｄが限り なく零に近く如く設計実施され、従って渡し板１５の傾斜を少ならしめて、車椅 子の固定板部への進入が、限りなく容易になることである。

【０００９】 前述の如く、固定板部６の上面を滑動する可動板部９は、該可動板部の両側の 手摺部材１１に取付けられ、車椅子使用者が車椅子に乗車した状態で作動できる スイッチ１３により、フロント部Ｃ方向に移動させ、渡し板１４を通ってフロン ト部に進入できる。車椅子を降下する場合もスイッチ１３を操作し可動板部９を 逆走させる。左側の渡し板１４は、車椅子載置後、起立して車椅子の転落止めの 役目をする。

【００１０】 さらに、本考案では、車椅子使用者の介助を十分ならしめ、両側方向への転落 等不時の危険を回避するため手摺部材１１を設ける。符号１０は、可動板部９の フロア部Ｃ方向に移動又は反対方向にターンバックする電動又は油圧シリンダを 示す。

【００１１】

【考案の効果】

本考案では、基台部８、床板部Ａにおける固定板部６と可動板部９との平面的 重畳の構造が、車椅子載置・卸下におけるスラロープの軽減に寄与している。基 台部８は断面凹型の内溝部７内に、前脚部２、後脚部３の下端部を折畳み時にす べてを収容でき、また、前脚部２、後脚部３の上端部は、固定板部の側溝部１２ 内にすべてを収容できるようになっている。従って、図２における固定板部６と ＧＬとの高さは、更に可及的減少することになり、車椅子の床板部への載置は極 めて容易になり、従来のこの種の車椅子昇降移動機構に比較して優れたものとい いうる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車椅子昇降移動の全体的説明図で
ある。

【図２】本考案に係る両脚部及び床板部の収納状態を示
す断面的説明図である。

【符号の説明】

Ａ 床板部 Ｂ 最下階段底面部 Ｃ 最上階段フロア部 １ 油圧シリンダ ２ 前脚部 ３ 後脚部 ４ 前脚部と固定板部との軸支 ５ 後脚部と基台部との軸支 ６ 固定板部 ７ 基台部の内溝部 ８ 基台部 ９ 可動板部 １０ 電動又は油圧シリンダ １１ 手摺部材 １２ 固定板部の側溝 １３ （電動又は油圧シリンダの）スイッチ １４ 渡し板（左側は車椅子転落止め）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車椅子を床板部に載置し、最下階段底面
   部と最上階段フロア部との間に昇降移動せしめる車椅子
   昇降移動機構において、 ａ．後脚部とＸ状に交差し油圧シリンダを抱持し、その
   上端部を固定板部に軸支する前脚部と、 ｂ．最下階段下側部近傍に前記後脚部の下端部を軸支
   し、かつ該後脚部の上端部を固定板部の断面凹型の側溝
   部内に滑動せしめ、さらに、前記前脚部の下端部を、断
   面凹型の内溝部底面上に滑動せしめる基台部と、 ｃ．固定板部に重畳して床板部を形成し、その先端部が
   フロア部前端近傍でフロア部に連設する渡し板部を併有
   する可動板部と、 ｄ．車椅子使用者が後記手摺部材に側設する作動スイッ
   チにより可動板部を移動させる電動又は油圧シリンダ
   と、 ｅ．可動板部に、車椅子使用者を介助するために側設さ
   れる手摺部材とを有して構成される車椅子昇降移動機
   構。