JP3046959B1 - 電磁誘導式の位置検出器 - Google Patents

電磁誘導式の位置検出器

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JP3046959B1 JP10352572A JP35257298A JP3046959B1 JP 3046959 B1 JP3046959 B1 JP 3046959B1 JP 10352572 A JP10352572 A JP 10352572A JP 35257298 A JP35257298 A JP 35257298A JP 3046959 B1 JP3046959 B1 JP 3046959B1
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Abstract

【要約】 【課題】 クロック周波数を上げることなく、また分解
能を低下させることなく応答速度を向上させることがで
きる電磁誘導式の位置検出器を提供する。 【解決手段】 一次側のコイル11a、11bに供給す
る励磁電流の振幅を制御することにより二次側のコイル
11cに誘起される誘起電圧が零になるように制御して
この間に発生するパルス数を計数することにより、コイ
ル11a、11bとコイル11cとの相対的な位置関係
を検出する電磁誘導式の位置検出器において、前記誘起
電圧の処理系統を2系統設け、各系統において処理する
信号の周波数を変え、高周波数の信号を処理する系統の
ディジタルデータをスケーリングして低周波数の信号を
処理する系統のディジタルデータに加算するようにした
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電磁誘導式の位置検
出器に関し、特に一次側のコイルと二次側のコイルとの
相対的な位置関係に基づき二次側に誘起される誘起電圧
に基づくパルス数をディジタル的にカウントすることに
より位置を検出する電磁誘導式の位置検出器、例えばイ
ンダクトシン(商品名)に適用して有用なものである。 【0002】 【従来の技術】一次側のコイルと二次側のコイルとの相
対的な位置関係により一次側のコイルと二次側のコイル
との電磁的な結合度が変化することを利用して可動部の
位置を検出する電磁誘導式の位置検出器としてインダク
トシンが知られている。このインダクトシンは、図2に
示すように、2つの導体を微小なギャップを隔てて平行
に対向させ、一方に交流電流を供給すると電磁誘導作用
により他方には交流電圧が誘起されることを利用し、こ
の誘起電圧の変化を取り出して位置検出を行うものであ
る。 【0003】この種のインダクトシンには、リニアイン
ダクトシンとロータリインダクトシンとがある。直線的
な位置を検出するリニアインダクトシンの場合、一方の
導体(コイル)をスケール、他方の導体(コイル)をス
ライダと呼んでいる(角度を検出するロータリインダク
トシンの場合には、ロータ、ステータと呼ぶ。)。スケ
ールにおける誘起電圧の大きさは、スケール及びスライ
ダ間の電磁結合度によって変化する。 【0004】図3にスケール及びスライダの相対位置と
電磁結合度との関係を示す。同図に示すように、電磁結
合度(誘起電圧)は、スライダ位置がA、B、C、D、
Eと順に1/4ピッチづつずれることによりその位置に
固有の値となり、1サイクル毎に同様の状態を繰り返
す。すなわち、電磁結合度(誘起電圧)は、スライダの
位置に応じて連続的に変化してきれいなsin曲線を描
く。かかる現象を式で表すと次のようになる。 V=KI0 coskX・sinωt ・・・・・・・・(1) ここで、V;誘起電圧、K;ギャップに依存する係数、
0 ;励磁電流の振幅、k;2π/1パターンの周期、
X;変位、ω;励磁電流の角周波数、t;時間である。 【0005】上記式(1)を参照すれば明らかな通り、
誘起電圧Vの変化はスライダの変位Xによるものか、ギ
ャップの変動によるものか、励磁電流I0 が変化したた
めかの区別がつかない。 【0006】そこで、ギャップの変動及び励磁電流I0
の影響を排除するため、インダクトシンのスライダに
は、図4に示すような1/4ピッチずれた2つのコイル
を組み合わせて用いており、このときの変位だけを取り
出す方法として、位相差として取り出す位相方式と、振
幅として取り出す振幅方式が提案されている。これらの
うち、振幅方式は2つのコイルA、Bに流す励磁電流の
位相を同じにして振幅を変化させる方式である。具体的
には、コイルA、Bに振幅をそれぞれ−I0 cosk
α、I0 sinkαとした交流電流を流す。この結果ス
ケールには次式(2)で表される誘起電圧Vが誘起され
る。 V=−KI0 sinkα・coskX・sinωt +KI0 coskα・sinkX・sinωt =KI0 sink(X−α)・sinωt ・・・・・・(2) 【0007】式(2)よりα=Xとなるように励磁電流
の振幅を調整すればスケールに誘起される誘起電圧は零
となり、その時のαの値から係数KI0 に関係なく変位
Xが測定できる。 【0008】図5は従来技術に係る振幅方式のインダク
トシンの一例を示すブロック線図である。同図に示すよ
うに、スケール部1は、2個のコイル1a、1bを有す
るスライダ(一次側)と、各コイル1a、1bに相対向
して配設されたコイル1cを有するスケール(二次側)
とからなる。2個のコイル1a、1bはディジタル三角
関数波発生器2が出力する2種類の三角関数波の励磁電
流でそれぞれ励振される。この励磁電流の振幅は一方が
−I0 coskαで、他方がI0 sinkαであり、同
位相の正弦波(sinωt)である。したがって、この
場合に二次側のコイル1cに誘起される誘起電圧Vは上
式(2)で与えられる。 【0009】コイル1cに誘起された誘起電圧に基づく
交流電流信号はフィルター3で基本波成分を抽出され増
幅器4を介してA/D変換器5に入力される。交流信号
はA/D変換器5において所定のサンプリング信号でサ
ンプリングすることによりディジタル信号に変換され、
その後同期検波回路6でディジタル三角関数波発生器2
が供給する同期整流信号を参照して同期検波される。パ
ルス化回路7は同期検波されたディジタル信号を入力し
てその大きさに応じた数のパルス列信号を形成し、この
パルス列信号をディジタル三角関数波発生器2に供給す
る。ディジタル三角関数波発生器2は、このときのパル
ス列信号のパルス数に応じて基本周波数の正弦波(si
nωt)に対応するディジタル正弦波(sinωt)の
パルス幅を制御することによりこのディジタル正弦波の
振幅を制御する。具体的には、例えば1パルス発生した
場合に、当該装置のクロック信号の1クロック分、ディ
ジタル正弦波の振幅が狭く(広く)なるように制御して
いる。かくして、ディジタル三角関数波発生器2の出力
信号であるディジタル正弦波はその振幅がパルス列信号
のパルス数を反映した励磁電流としてスケール部1の2
個のコイル1a、1bにフィードバックされる。このと
き、ディジタル正弦波のパルス幅は、コイル1cに誘起
される誘起電圧が零になるように制御される。すなわ
ち、上式(2)においてα=Xとなるようにディジタル
正弦波の振幅を調整する。かくして、コイル1cの誘起
電圧が零になるまでにパルス化回路7が出力したパルス
数を計数回路8で計数することによりコイル1a、1b
とコイル1cとの間の相対的な位置関係を検出すること
ができる。 【0010】図6は20,000パルスで1周期の場合
において、パルス化回路7から出力されるパルス数に応
じてディジタル正弦波の振幅を変化させる様子を示した
ものである。同図において「パルス0」が原点位置であ
り、このときには上式(2)の誘起電圧Vを与える2種
類の励磁電流の振幅(−I0 coskα、I0 sink
α)の一方のcoskαが「1」となり、他方のsin
kαが「0」となることを表しており、各パルス数に応
じて一意に定まる固有の振幅となることを表している。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】上述の如きインダクト
シンの分解能は、コイル1a、1bを励振する励磁電流
であるディジタル正弦波(sinωt)の基本周波数
(ωt)と、装置のクロック周波数との比によって決定
される。すなわち、基本周波数が14kHzで、クロッ
ク周波数が14MHzの場合には1/1,000にな
る。すなわちこの比が小さい程、高い分解能を得ること
ができる。 【0012】一方、応答速度は上記励磁電流の基本周波
数に比例する。すなわち、基本周波数が高ければ高い
程、応答速度は速い。ところが、クロック周波数をその
ままにして高速の応答速度を得るべく基本周波数を高く
すると、その分分解能は低下する。すなわち、基本周波
数をn倍にすると、分解能は1/nに低下する。この場
合、同時にクロック周波数も高くすれば良いのである
が、これを高くするためには電子回路の動作速度等に起
因する制限があり、あまり高くすることはできない。し
たがって、分解能を向上させるための要件と、応答速度
を向上させるための要件とは事実上背反する要件となっ
てしまっている。 【0013】本願発明は、上記従来技術に鑑み、クロッ
ク周波数を上げることなく、また分解能を低下させるこ
となく応答速度を向上させることができる電磁誘導式の
位置検出器を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は次の点を特徴とする。 【0015】1) 一次側のコイルと二次側のコイルと
の相対的な位置関係で一次側のコイルに供給する励磁電
流に基づき二次側のコイルに誘起される誘起電圧のレベ
ルが変化するように構成したスケール部を有し、このス
ケール部の二次側の誘起電圧のレベルに応じたパルス列
信号を形成してこのパルス列信号のパルス数を計数する
一方、このパルス列信号に基づき前記誘起電圧が零にな
るように前記励磁電流の振幅又は位相を制御するととも
に、当該誘起電圧が零になるまでに計数したパルス数に
基づき一次側のコイルと二次側のコイルとの相対的な位
置関係を検出するようになっている電磁誘導式の位置検
出器において、相対的に低周波数の交流電流と相対的に
高周波数の交流電流とを重畳して励磁電流を形成し、こ
の励磁電流を前記一次側のコイルに供給することにより
前記二次側のコイルに誘起される誘起電圧に基づく信号
をフィルタで前記低周波数の信号と前記高周波数の信号
とに弁別し、このようにして弁別した信号を前記低周波
数のパルス列信号を形成して計数する第1の信号処理系
統と前記高周波数のパルス列信号を形成して計数する第
2の信号処理系統とで並列に処理するとともに、前記両
交流電流の周波数の比を考慮したスケーリング処理をし
た第2の信号処理系統のディジタルデータを第1の信号
処理系統のディジタルデータに加算するように構成した
こと。 【0016】本発明によれば、第1の信号処理系統にお
いても実質的に高周波数に準じたデータの処理を行うと
同時に、分解能は低周波数に準じたものとなる。 【0017】2) 上記1)に記載する電磁誘導式の位
置検出器において、スケーリング処理は、第2の信号処
理系統のディジタルデータに、励磁電流を形成する両交
流電流の周波数の比を考慮した重み付けをするスケーリ
ング回路と、このスケーリング回路の出力信号が急激に
第1の信号処理系統に加算されないようにフィルタリン
グするディジタルフィルタと、このディジタルフィルタ
の出力信号を第1の信号処理系統のディジタルデータに
加算する加算器とで実現するように構成したこと。 【0018】本発明によれば、第2の信号処理系統のデ
ィジタルデータに所定の重み付け処理がなされ、同時に
第1の信号処理系統のディジタルデータを急変させるこ
となく第2の信号処理系統のディジタルデータを第1の
信号処理系統のディジタルデータに加算することができ
る。 【0019】3) 上記2)に記載する電磁誘導式の位
置検出器において、ディジタルデータをパルス列信号で
形成したこと。 【0020】本発明によれば、上記2)に記載する処理
をディジタル的に行うことができる。 【0021】4) 上記1)に記載する電磁誘導式の位
置検出器において、低周波数の信号の周波数と高周波数
の信号の周波数の比を、1:10としたこと。 【0022】本発明によれば、第1の信号処理系統にお
いても実質的に当該処理系統の10倍のデータの処理を
行うと同時に、分解能は第1の信号処理系統における低
周波数に準じたものとなる。 【0023】5) 一次側のコイルと二次側のコイルと
の相対的な位置関係で一次側のコイルに供給する励磁電
流に基づき二次側のコイルに誘起される誘起電圧のレベ
ルが変化することを利用して前記二次側の誘起電圧のレ
ベルに応じたパルス列信号を形成し、このパルス列信号
のパルス数を計数する一方、このパルス列信号に基づき
前記誘起電圧が零になるように前記励磁電流の振幅又は
位相を制御する一方、当該誘起電圧が零になるまでに計
数したパルス数に基づき一次側のコイルと二次側のコイ
ルとの相対的な位置関係を検出する電磁誘導式の位置検
出方法において、 相対的に低周波数の交流電流と相対
的に高周波数の交流電流とを重畳して励磁電流を形成
し、この励磁電流を前記一次側のコイルに供給すること
により前記二次側のコイルに誘起される誘起電圧に基づ
く信号をフィルタで前記低周波数の信号と前記高周波数
の信号とに弁別し、このようにして弁別した各信号をそ
れぞれパルス列信号を形成して並列処理するとともに、
前記両交流電流の周波数の比を考慮したスケーリング処
理をした前記高周波数の信号に基づくディジタルデータ
を前記低周波数の信号に基づくディジタルデータに加算
すること。 【0024】本発明によれば、実質的に高周波数に準じ
た高速度でデータの処理を行うと同時に、分解能は低周
波数に準じた高分解能となる。 【0025】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【0026】図1は本発明の実施の形態を示すブロック
線図である。同図に示すように本形態に係る電磁誘導式
の位置検出器は、図5に示す従来技術に係るインダクト
シンの信号処理系統を2系統並列に設けたものである。
したがって、当該電磁誘導式の位置検出器は振幅方式の
検出器であり、スケール部11は、従来技術のものと全
く同一に構成してある。すなわち、2個のコイル11
a、11bを有するスライダ(一次側)と、各コイル1
1a、11bに相対向して配設されたコイル11cを有
するスケール(二次側)とからなる。2個のコイル11
a、11bはディジタル三角関数波発生器12、22が
出力するそれぞれ2種類の三角関数波の励磁電流でそれ
ぞれ励振される。このときディジタル三角関数波発生器
22が発生する正弦波の周波数f2 はディジタル三角関
数波発生器12が発生する正弦波の周波数f1 の10倍
に選定してある。かくしてディジタル三角関数波発生器
12はパルス化回路17が出力するパルス列信号のパル
ス数に応じて振幅を制御された基本周波数がf1 の同位
相の2種類の正弦波信号を送出し、ディジタル三角関数
波発生器22はパルス化回路27が出力するパルス列信
号のパルス数に応じて振幅を制御された基本周波数がf
2 の同位相の2種類の矩形波信号である正弦波信号を送
出する。このときの矩形波信号を図中に、の符号を
付して示している。 【0027】ディジタル三角関数波発生器12、22が
発生する正弦波信号はフィルタ19、20、31、32
により基本波成分を抽出して加算器31、32でそれぞ
れ加算される。このときフィルタ19、29は振幅がI
0 sinkαで変化する信号の基本波を抽出し、フィル
タ20、30は振幅が−I0 coskαで変化する信号
の基本波を抽出する。そしてフィルタ19、29で抽出
した正弦波が加算器31で、またフィルタ20、30で
抽出した正弦波が加算器32でそれぞれ加算される。フ
ィルタ19、20で抽出した基本波の波形を、フィル
タ29、30で抽出した基本波の波形をの符号を付し
てそれぞれ図中に示している。かくしてコイル11aに
はフィルタ19の出力信号とフィルタ29の出力信号と
を重畳した信号が供給され、コイル11bにはフィルタ
20の出力信号とフィルタ39の出力信号とを重畳した
信号が供給される。このときの重畳信号を図中にの符
号を付して示している。 【0028】この結果、コイル11cにはディジタル三
角関数波発生器12の出力信号に基づく周波数がf1
誘起電圧とディジタル三角関数波発生器22の出力電圧
に基づく周波数がf2 の誘起電圧とを重畳した信号が得
られる。かかる重畳誘起電圧信号を図中にの符号を付
して示している。フィルタ13、23は重畳誘起電圧信
号からそれぞれ周波数がf1 、f2 の信号を抽出するも
のである。これらの各フィルタ13、23で抽出される
信号を図中に、の符号を付して図中に示している。
フィルタ13、23で抽出された誘起電圧信号は、従来
と同様に処理される。すなわち図5の増幅器4に本形態
(図1)の増幅器14、24が機能的に対応しており、
以下同様にA/D変換器5にA/D変換器15、25
が、同期検波回路6に同期検波回路16、26が、パル
ス化回路7にパルス化回路17、27がそれぞれ対応し
ており、2系統の各信号処理系統においてコイル1cの
誘起電圧が零になるようにディジタル三角関数波発生器
12、22の出力信号の幅を制御するようになってい
る。すなわち、基本周波数がf1 の信号を処理する第1
の信号処理系統(フィルタ13からフィルタ19、20
に至る系統)と基本周波数がf2 の信号を処理する第2
の信号処理系統(フィルタ23からフィルタ29、30
に至る系統)は処理信号の周波数が異なるだけで、同様
の信号処理を行う。かかる2系統の信号処理系統ではク
ロック発生器(図示せず。)が発生する共通のクロック
信号でディジタル的な信号の処理が行われる。したがっ
て、第1の信号処理系統の応答速度は第2の信号処理系
統のそれの1/10となる一方、分解能は10倍とな
る。クロック周波数が同一の場合、応答速度はディジタ
ル三角関数波発生器12、22が発生する基本正弦波の
周波数に比例する一方、分解能は同周波数に反比例する
からである。 【0029】上述の如く、本形態においては第1の信号
処理系統と第2の信号処理系統とにおける位置検出のた
めの正弦波の周波数f1 、f2 が異なるため、コイル1
cの誘起電圧レベルをディジタル化した場合のパルスの
1個当たりの重みが違う。したがって、かかる重みの違
いを両信号処理系統間で調節してやる必要がある。この
ため本形態ではスケーリング回路33及びディジタルフ
ィルタ34を有している。スケーリング回路33は同期
検波した後のディジタルデータの重みを周波数f2 と周
波数f1 との比に応じて第1の信号処理系統に合わせる
ためのものである。また、ディジタルフィルタ34はス
ケーリング回路33でスケーリングした信号が第1の信
号処理系統に急激に加算されないようにフィルターをか
けるためのものである。かくして第2の信号処理系統で
同期検波されたディジタルデータはディジタルフィルタ
34を介して加算器35で、第1の信号処理系統で同期
検波されたディジタルデータに加算される。 【0030】かかる本形態においては高応答速度の系統
である第2の信号処理系統の処理データを第1の信号処
理系統の処理データに加算しているので、第1の信号処
理系統においても実質的に周波数f2 に準じたデータの
処理がなされる。一方、分解能は周波数f1 とクロック
周波数の比で与えられる、すなわち周波数f1 に準じた
ものとなる。したがって、電磁誘導式の位置検出器とし
ては高応答速度及び高分解能を同時に実現し得る。 【0031】なお、上記実施の形態においてはスケーリ
ングを同期検波回路26による同期検波の直後のデータ
を用いて行うようにしたが、これはパルス化回路27に
よるパルス化後のデータを用いて行っても良い。要は、
ディジタル三角関数波発生器12に入力するデータがス
ケーリング処理されていれば良い。また、第1の信号処
理系統と第2の信号処理系統とにおけるディジタル三角
関数波発生器12、22の基本周波数の比(f1
2 )は1:10としたが、これに限るものではない。
ただ、この比が小さ過ぎるとフィルタ13、23に急峻
な周波数特性を持たせる必要がある等、フィルタの弁別
能力上の制限が発生し、大き過ぎるとスケーリングの困
難性に起因する制限が発生する。したがって、フィルタ
13、23の弁別能力及びスケーリングの困難性を考慮
してこの比を決定することが肝要である。 【0032】上記実施の形態は振幅方式の検出器として
実現したが、位相方式でも勿論、同様に実現し得る。二
次側の誘起電圧が零になる迄のパルス数を計数すること
により位置を検出するものであればそれ以外の制限はな
い。位相方式の場合には同期検波回路16、26の代わ
りに基準位相を表す信号を参照信号とする位相検出回路
を設ければ良い。すなわち、既存の位相方式の信号処理
系統をそのまま利用し、相対的に低周波数と相対的に高
周波数の2種類の信号をそれぞれ基準とする信号処理系
統を2系統形成すれば良い。 【0033】 【発明の効果】以上実施の形態とともに詳細に説明した
通り、〔請求項1〕に記載する発明は、一次側のコイル
と二次側のコイルとの相対的な位置関係で一次側のコイ
ルに供給する励磁電流に基づき二次側のコイルに誘起さ
れる誘起電圧のレベルが変化するように構成したスケー
ル部を有し、このスケール部の二次側の誘起電圧のレベ
ルに応じたパルス列信号を形成してこのパルス列信号の
パルス数を計数する一方、このパルス列信号に基づき前
記誘起電圧が零になるように前記励磁電流の振幅又は位
相を制御するとともに、当該誘起電圧が零になるまでに
計数したパルス数に基づき一次側のコイルと二次側のコ
イルとの相対的な位置関係を検出するようになっている
電磁誘導式の位置検出器において、相対的に低周波数の
交流電流と相対的に高周波数の交流電流とを重畳して励
磁電流を形成し、この励磁電流を前記一次側のコイルに
供給することにより前記二次側のコイルに誘起される誘
起電圧に基づく信号をフィルタで前記低周波数の信号と
前記高周波数の信号とに弁別し、このようにして弁別し
た信号を前記低周波数のパルス列信号を形成して計数す
る第1の信号処理系統と前記高周波数のパルス列信号を
形成して計数する第2の信号処理系統とで並列に処理す
るとともに、前記両交流電流の周波数の比を考慮したス
ケーリング処理をした第2の信号処理系統のディジタル
データを第1の信号処理系統のディジタルデータに加算
するように構成したので、第1の信号処理系統において
も実質的に高周波数に準じたデータの処理を行うと同時
に、分解能は低周波数周波数に準じたものとなる。 【0034】装置のクロック周波数を固定するという条
件の下では、応答速度が相対的に高周波数の第2の信号
処理系統の信号の周波数に準じて決定されるので、本発
明によればこれを向上させることができ、分解能は相対
的に低周波数の第1の信号処理系統の信号の周波数に準
じて決定されるので、これも向上させることができる。
すなわち、クロック周波数が決まっている場合には背反
する要件となってしまう応答速度を向上させるための要
件と、分解能を向上させるための要件との調和をとり、
応答速度及び分解能を両方同時に向上させることができ
るという効果を奏する。 【0035】〔請求項2〕に記載する発明は、〔請求項
1〕に記載する電磁誘導式の位置検出器において、スケ
ーリング処理は、第2の信号処理系統のディジタルデー
タに、励磁電流を形成する両交流電流の周波数の比を考
慮した重み付けをするスケーリング回路と、このスケー
リング回路の出力信号が急激に第1の信号処理系統に加
算されないようにフィルタリングするディジタルフィル
タと、このディジタルフィルタの出力信号を第1の信号
処理系統のディジタルデータに加算する加算器とで実現
するように構成したので、確実にスケーリングを採るこ
とができ、第1の信号処理系統における円滑な信号処理
を実現し得る。 【0036】〔請求項3〕に記載する発明は、〔請求項
2〕に記載する電磁誘導式の位置検出器において、ディ
ジタルデータをパルス列信号で形成したので、〔請求項
2〕に記載する発明のディジタルデータの処理をディジ
タル的に行うことができる。 【0037】〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項
1〕に記載する電磁誘導式の位置検出器において、低周
波数の信号の周波数と高周波数の信号の周波数の比を、
1:10としたので、第1の信号処理系統においても実
質的に当該処理系統の10倍のデータの処理を行うと同
時に、分解能は第1の信号処理系統における低周波数に
準じたものとなる。 【0038】〔請求項5〕に記載する発明は、一次側の
コイルと二次側のコイルとの相対的な位置関係で一次側
のコイルに供給する励磁電流に基づき二次側のコイルに
誘起される誘起電圧のレベルが変化することを利用して
前記二次側の誘起電圧のレベルに応じたパルス列信号を
形成し、このパルス列信号のパルス数を計数する一方、
このパルス列信号に基づき前記誘起電圧が零になるよう
に前記励磁電流の振幅又は位相を制御する一方、当該誘
起電圧が零になるまでに計数したパルス数に基づき一次
側のコイルと二次側のコイルとの相対的な位置関係を検
出する電磁誘導式の位置検出方法において、相対的に低
周波数の交流電流と相対的に高周波数の交流電流とを重
畳して励磁電流を形成し、この励磁電流を前記一次側の
コイルに供給することにより前記二次側のコイルに誘起
される誘起電圧に基づく信号をフィルタで前記低周波数
の信号と前記高周波数の信号とに弁別し、このようにし
て弁別した各信号をそれぞれパルス列信号を形成して並
列処理するとともに、前記両交流電流の周波数の比を考
慮したスケーリング処理をした前記高周波数の信号に基
づくディジタルデータを前記低周波数の信号に基づくデ
ィジタルデータに加算するようにしたので、〔請求項
1〕に記載する発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態を示すブロック線図であ
る。 【図2】インダクトシンの原理を説明するための説明図
である。 【図3】インダクトシンにおけるスケール及びスライダ
の相対位置と電磁結合度との関係を示す説明図である。 【図4】インダクトシンのスライダとスケールとを概念
的に示す説明図である。 【図5】従来技術に係る振幅方式のインダクトシンの一
例を示すブロック線図である。 【図6】パルス化回路から出力されるパルス数に応じて
ディジタル正弦波の振幅を変化させる様子を示した説明
図である。 【符号の説明】 11 スケール部 11a、11b、11c コイル 13、23 フィルタ 17、27 ディジタル三角関数波発生器 19、20、29、30 フィルタ 31、32 加算器 33 スケーリング回路 34 ディジタルフィルタ 35 加算器

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一次側のコイルと二次側のコイルとの
    相対的な位置関係で一次側のコイルに供給する励磁電流
    に基づき二次側のコイルに誘起される誘起電圧のレベル
    が変化するように構成したスケール部を有し、このスケ
    ール部の二次側の誘起電圧のレベルに応じたパルス列信
    号を形成してこのパルス列信号のパルス数を計数する一
    方、このパルス列信号に基づき前記誘起電圧が零になる
    ように前記励磁電流の振幅又は位相を制御するととも
    に、当該誘起電圧が零になるまでに計数したパルス数に
    基づき一次側のコイルと二次側のコイルとの相対的な位
    置関係を検出するようになっている電磁誘導式の位置検
    出器において、 相対的に低周波数の交流電流と相対的に高周波数の交流
    電流とを重畳して励磁電流を形成し、この励磁電流を前
    記一次側のコイルに供給することにより前記二次側のコ
    イルに誘起される誘起電圧に基づく信号をフィルタで前
    記低周波数の信号と前記高周波数の信号とに弁別し、こ
    のようにして弁別した信号を前記低周波数のパルス列信
    号を形成して計数する第1の信号処理系統と前記高周波
    数のパルス列信号を形成して計数する第2の信号処理系
    統とで並列に処理するとともに、前記両交流電流の周波
    数の比を考慮したスケーリング処理をした第2の信号処
    理系統のディジタルデータを第1の信号処理系統のディ
    ジタルデータに加算するように構成したことを特徴とす
    る電磁誘導式の位置検出器。 【請求項2】 〔請求項1〕に記載する電磁誘導式の位
    置検出器において、スケーリング処理は、第2の信号処
    理系統のディジタルデータに、励磁電流を形成する両交
    流電流の周波数の比を考慮した重み付けをするスケーリ
    ング回路と、このスケーリング回路の出力信号が急激に
    第1の信号処理系統に加算されないようにフィルタリン
    グするディジタルフィルタと、このディジタルフィルタ
    の出力信号を第1の信号処理系統のディジタルデータに
    加算する加算器とで実現するように構成したことを特徴
    とする電磁誘導式の位置検出器。 【請求項3】 〔請求項2〕に記載する電磁誘導式の位
    置検出器において、ディジタルデータをパルス列信号で
    形成したことを特徴とする電磁誘導式の位置検出器。 【請求項4】 〔請求項1〕に記載する電磁誘導式の位
    置検出器において、低周波数の信号の周波数と高周波数
    の信号の周波数の比を、1:10としたことを特徴とす
    る電磁誘導式の位置検出器。 【請求項5】 一次側のコイルと二次側のコイルとの相
    対的な位置関係で一次側のコイルに供給する励磁電流に
    基づき二次側のコイルに誘起される誘起電圧のレベルが
    変化することを利用して前記二次側の誘起電圧のレベル
    に応じたパルス列信号を形成し、このパルス列信号のパ
    ルス数を計数する一方、このパルス列信号に基づき前記
    誘起電圧が零になるように前記励磁電流の振幅又は位相
    を制御する一方、当該誘起電圧が零になるまでに計数し
    たパルス数に基づき一次側のコイルと二次側のコイルと
    の相対的な位置関係を検出する電磁誘導式の位置検出方
    法において、 相対的に低周波数の交流電流と相対的に高周波数の交流
    電流とを重畳して励磁電流を形成し、この励磁電流を前
    記一次側のコイルに供給することにより前記二次側のコ
    イルに誘起される誘起電圧に基づく信号をフィルタで前
    記低周波数の信号と前記高周波数の信号とに弁別し、こ
    のようにして弁別した各信号をそれぞれパルス列信号を
    形成して並列処理するとともに、前記両交流電流の周波
    数の比を考慮したスケーリング処理をした前記高周波数
    の信号に基づくディジタルデータを前記低周波数の信号
    に基づくディジタルデータに加算することを特徴とする
    電磁誘導式の位置検出方法。
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