JP3046900B2 - 熱交換器とその製造方法 - Google Patents

熱交換器とその製造方法

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JP3046900B2
JP3046900B2 JP5262154A JP26215493A JP3046900B2 JP 3046900 B2 JP3046900 B2 JP 3046900B2 JP 5262154 A JP5262154 A JP 5262154A JP 26215493 A JP26215493 A JP 26215493A JP 3046900 B2 JP3046900 B2 JP 3046900B2
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宣茂 室伏
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス,石油などを燃料
として給湯器等の燃焼機器における熱交換器及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガス,石油等を使用する給湯器等
の熱交換器の製作は、吸熱管とフインとを組付け、これ
らを溶接する等の各工程を経て得られるものであり、図
12は、組付工程を終了した要部の構成、図13は、溶
接工程を終えた溶接の概要を示す図面である。すなわ
ち、組付工程において、先ず、所定の数の吸熱管2と、
吸熱管2に取付けられる吸熱管挿入孔6aと溶接棒を支
持する溶接棒挿入孔6bとを形成した吸熱管2の管周壁
に配置される所定数のフイン6と、吸熱管2とフイン6
とを溶接するための溶接棒挿入孔6bに挿入される溶接
棒7と、吸熱管2とフイン6とを収容するケーシング3
と、最も外側のフインとケーシング3との間に配置され
る溶接材阻止部材4等が用意される。
【0003】そして、各吸熱管2の周りには、吸熱管挿
入孔6aを介して所定ピッチでフイン6が圧入固定され
ると共に、フイン6の挿入孔6aの近傍に設けられた溶
接棒挿入孔6bには、溶接棒7が挿入される。次いで、
吸熱管に取付けられたフインの外側位置の吸熱管2の周
りには、溶接阻止部材4が圧入されると共に、ケーシン
グ3が配置される。
【0004】この溶接阻止部材4は、組付工程が終わっ
た後、炉内における溶接工程において、溶接棒7によっ
て吸熱管2の管周壁にフイン6を固定する際、溶材が外
側に配置されるケーシング3に流れることを阻止する役
割を果たしている。組付工程後、次に述べる溶接工程を
終え、吸熱管2は、ケーシング3から外側に突出する端
部2aに、ベント1や適宜の配管が人手を介して溶接さ
れている。
【0005】組付工程後の溶接工程としては、組付けを
終えた熱交換器の部分は、800℃程度の温度に加熱さ
れた炉内に挿入配置され、約50分〜60分の間焼成さ
せられる。この際、フイン6の挿入孔6bに挿入支持さ
れた溶接棒7は溶かされ、吸熱管2を挿入する挿入孔6
aの廻りに溶け落ちて、吸熱管2と挿入孔6aとの間に
溶け込み、フイン6の挿入孔6aに熱交換器2は強固に
固定される。
【0006】銅パイプからなる吸熱管2と銅製材質から
なるケーシング3とは、バーナの熱による熱膨張の相違
から、ケーシング3に吸熱管2が固定されることによっ
て、バーナの熱による応力により吸熱管2またはケーシ
ング3の亀裂の発生等の不都合が生じており、この不都
合を解消するため、吸熱管2はケーシング3に遊嵌され
ると共に、溶接阻止部材4がケーシング3側への溶材の
流れを阻止し、吸熱管2とケーシング3とが溶接される
ことを防止している。
【0007】炉から取り出されたケーシングからなる熱
交換器の部分は、吸熱管2の端部2aにベンド1や配管
を取付け、その取付けの接合部が溶接されることによ
り、熱交換器は完成する。尚、吸熱管2、フイン6、溶
接阻止部材4の材質としては、銅が用いられており、溶
接棒としては、この銅との接続が良好な溶材が使用され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱交換器の製造
に際して、吸熱管に対するフイン、溶接阻止部材の装着
は、圧入によって取付けることが、フインのピッチのば
らつきを無くし、熱的応力の局部的発生を解消し、耐久
性能に良い影響を与えるものと考えられてきた。しかし
ながら、前記利点があるものの、圧入の際に、吸熱管の
周壁に細かい傷が発生し、炉内での焼成の際、前記傷に
よる隙間が吸熱管と溶接阻止部材との間に生じ、溶材が
ケーシング側に流れるという欠点を生じている。
【0009】また、前述した炉内処理とは別に、吸熱管
の端部にベントや配管を溶接する必要があり、このた
め、ケーシング側に溶材が付着しないように、ケーシン
グ面から吸熱管の端部の寸法Lを大きく設定する必要が
あり、この結果、熱交換器の大型化を招くという不都合
を生じていた。
【0010】本発明は、簡単な手段により溶材がケーシ
ング側に流れることを防止する手段を提供し、炉内での
処理の後のベントや配管の溶接処理を省き、且つ装置の
小型化を達成し、そして、溶接材阻止部材としての機能
に適する特定な材料を提供し、しかもコストを安価にで
きる熱交換器及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、ケーシングの内部において吸熱管の外周
に多数のフインを溶着によって取付け、且つケーシング
の外側で、吸熱管の端部にベントを溶着する構成の熱交
換器において、ケーシングと外側フインとの間に配置さ
れる溶接材阻止部材には、吸熱管の外周と当接し、ケー
シングを通って延びる所定長さのカラー部が形成され、
該カラー部上にケーシングの端部が挿通配置されること
を特徴とするものである。
【0012】本発明は、また、ケーシングの内部におい
て吸熱管の外周に多数のフインを溶着によって取付け、
且つケーシングの外側で、吸熱管の端部にベントを溶着
する構成の熱交換器において、該ケーシングの吸熱管挿
通孔の位置には、前記ケーシングの端縁を折り返して覆
う形状の溶接材阻止部材が設けられ、該溶接材阻止部材
を介して吸熱管上にケーシングが挿通配置されることを
特徴とするものである。
【0013】本発明は、請求項1又は2記載の熱交換器
において、前記ケーシングと吸熱管との間に向かう溶材
の流れを阻止する前記溶接材阻止部材の材質として、2
0〜28%のCrを含有するステンレス鋼を用いること
を特徴とするものである。
【0014】本発明は、請求項1、2又は3記載の熱交
換器において、前記吸熱管と多数のフインとを溶着する
溶接棒の溶融と、前記吸熱管の端部とベントとを溶着さ
せる溶接環の溶融とを同時に行うことを特徴とするもの
である。
【0015】
【作用】本発明において、ケーシングとの関連において
溶接材阻止部材の形状を特定の構成とし、また、溶接材
阻止部材の材質を特定のものを選定することによって、
組付作業の後における炉内の焼成工程において、フイン
を吸熱管に溶接するための溶材はケーシングと吸熱管と
の間を溶接することがなく、しかも、前記炉内の焼成
程に際し、ケーシングの外側に位置する吸熱管の端部と
ベントとを溶着させる溶接環の溶融をも同時に行うこと
を可能にしたため、熱交換器の製造工程を短縮すること
ができ、ケーシングから突出する吸熱管の端部の長さを
短縮することができ、全体として熱交換器を小型化にす
ることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図3には、本発明の第1の実施例を示して
おり、図3は本発明の対象とする熱交換器の概要を斜視
図で示し、図1及び図2では、図3に示された熱交換器
のうち2本の吸熱管、フイン、ケーシング、ベント等と
の関連構成を断面図で示し、図1は、各構成を組付けを
終わり、炉内の焼成工程前の状態を示し、図2は、炉内
焼成工程後の状態を示している。
【0017】吸熱管2は、外径16mmの銅管により形
成され、所定の長さの寸法を有する銅管が複数本,図3
の実施例では8本用意される。フイン6は、厚さ0.3
mmの銅板からなり、このフイン6には、所定本数の吸
熱管2を挿通する挿入孔6aと、該挿入孔6aと対して
平行且つ近傍に溶接棒7を挿入できる溶接棒挿入孔6b
とが、プレス等により打抜き、各挿入孔6aの周囲に
は、カラー部分6cが形成される。
【0018】吸熱管2の外周には、所定の間隔を有して
フイン6が順次挿入孔6aを介して圧入配置される。他
の吸熱管も、同様にフイン6に形成された挿入孔6aに
順次挿通配置される。引続き、溶接棒7が、溶接棒挿入
孔6bに挿通される。次いでフイン6を多数圧入した吸
熱管2の両端部には、後述するケーシング3の下端に位
置するカラー部4aを形成した溶接材阻止部材4が圧入
される。よって、溶接棒7はフイン6の中に閉じ込めら
れた状態となる。
【0019】溶接材阻止部材4のカラー部4aは、厚さ
は0.3〜0.5mm程度の銅板をプレス等の打抜き手
段により打抜くことにより形成され、そのカラー部4a
の幅は約3mmである。ケーシング3には、カラー部4
aの外径に対応した大きさの穴を形成することにより、
ケーシング3は溶接材阻止部材4のカラー部4aの上に
取付けられる。したがって、前記カラー部4aにより、
溶接棒7の溶材は溶接材阻止部材4の外側に移動するこ
とがなく、万一、移動したとしても、カラー部4aにケ
ーシング3が位置するため、ケーシング3と吸熱管2と
の間に、溶材が介在することはない。
【0020】この実施例では、ケーシング3から外側に
突出する吸熱管2の寸法Lは、約5mmであり、この吸
熱管2の端部には、溶接環8を取付けたベント1を嵌め
込み、この嵌め込み接合部の位置に、溶接環8が配置さ
れるように調節して熱交換器の組立が終了する。
【0021】組立られたこの熱交換器は、炉内に入れら
れて800℃程度の温度に加熱され、この状態で約50
分〜60分間維持される。この結果、図2に示されるよ
うに、溶接棒7は完全に溶け、溶けた溶材7aは、吸熱
管2上のフイン6のカラー部6bの間の隙間や、フイン
6と吸熱管2との間に隙間に入り込む。よって、吸熱管
2に対してフイン6は溶接される。
【0022】ケーシング3は、溶接材阻止部材4のカラ
ー部4aを介して吸熱管2に支持されており、ケーシン
グ3と吸熱管2との間に溶材が流れ込むことはなく、溶
接させずに遊嵌状態を維持している。吸熱管2とベント
1との間に配置された溶接環8も、炉内の温度により、
同様に溶ける。溶けた溶材は、吸熱管2とベント1とを
溶接すると共に、ケーシング3側に流れていく。このケ
ーシング3側に流れた溶材8aは、溶接材阻止部材4の
カラー部4aの端部に到達し、吸熱管2と前記カラー部
4aとを溶接するが、ケーシング3は吸熱管2と溶材8
aにより接合されることなく、遊嵌状態を維持すること
ができる。
【0023】次に、図4〜図7によって、本発明の溶接
材阻止部材についての第2の実施例を示している。前記
実施例と相違する点は、溶接材阻止部材の形状、溶接材
阻止部材とケーシングとの関連構成が異なる以外、吸熱
管とフイン、吸熱管とベント、溶接棒,溶接環の取付配
置等は同じである。よって、前記実施例と本質的に相違
する点に関してのみ説明する。
【0024】この実施例において、特定の形状をした銅
材からなる溶接材阻止部材4Aが、吸熱管2とケーシン
グ3との間に配置される。すなわち、吸熱管2にフイン
6を圧入配置した後、吸熱管2の両端位置に取付けられ
たフインの両側には、ケーシング3が配置される。この
ケーシング3と吸熱管2との間に溶接材阻止部材4A
が、図4(焼成工程前の状態)又は図5(焼成工程後の
状態)のように配置される。
【0025】このため、図6に示すように、ケーシング
3には、吸熱管2の挿入孔3aが複数個形成されてお
り、その挿入孔3aには、ケーシング3の裏側から、中
空円筒状の銅パイプ部分4bとその一端に銅パイプ部分
から直交する方向に開いた環状部分4cとからなる溶接
材阻止部材4Aが挿入される。
【0026】この挿入された溶接材阻止部材4Aの挿入
側の中空円筒状部分4bの端部を外側に開くように、中
央部が小径で、外側に向かうに従って径が大きくなるプ
レス手段10が、中空円筒状部分4bの端部に押し付け
られ、該端部は外側に押し広げられる(図7)。よっ
て、押し広げられた開拡部分4dと環状部分4cとの間
に、ケーシング3の挿入孔3aの縁部分が覆われること
になる。すなわち、この実施例の溶接材阻止部材4Aは
ケーシング3の挿入孔3aの縁部分を緩やかに覆う構成
となる。
【0027】そして、ケーシング3の挿入孔3aに溶接
材阻止部材4Aを取付けた後、各フイン6を圧入した吸
熱管2の端部を、ケーシング3の挿入孔3aに圧入す
る。その他、吸熱管2の端部とベント1との間の接合部
を嵌合し、この接合部に溶接環8を取付けた状態の図1
に示される熱交換器は、前述の実施例と同様、炉内に配
置して焼成される。
【0028】前記焼成により、溶接棒7の溶材7aは、
吸熱管2と各フイン6との接合部分に溶けて流れ込み、
且つ吸熱管2とケーシング3の内側に位置する溶接材阻
止部材4Aの内側部分との接合部分に同様流れ込み、こ
れらの接合部分を正確に溶接する。ケーシング3の外側
においても、溶接環8の溶材8aは、吸熱管2の端部と
ベント1との間の接合部分と、吸熱管2と溶接材阻止部
材4Aの外側部分との接合部分に流れ込み、これらの接
合部分を正確に溶接する。
【0029】この実施例では、ケーシング3の挿入孔3
aの縁部分は、溶接材阻止部材4Aに緩やかに覆われて
いるため、溶接材阻止部材4Aが吸熱管2上に溶接され
るとしても、吸熱管2は、吸熱管上に位置する溶材を介
してケーシング3と接続されることは全くない。
【0030】次に、本発明において使用される溶接材阻
止部材の材料について、言及する。前述の各実施例にお
いて、溶接材阻止部材の材料として、吸熱管やフインと
同様に、銅が使用され、且つ溶材として、銅と溶接され
易い材料が使用されている。そして、ステンレスは、銅
と電極電位の電位差が大きく、銅とステンレスの接合
部、特にステンレスが電食されるという問題があること
から、従来、ステンレスを溶接材阻止部材として使用さ
れなかった。
【0031】本発明では、溶接材阻止部材の材料とし
て、Crの含有量が20〜28%のステンレス鋼を使用
することを特徴とするものである。ステンレス鋼は、空
気中において高温状態で酸化すると、ステンレス鋼表面
にFe2 3 、FeO・Cr2 3 、Cr2 3 、Si
2 の4層の酸化物が形成され、特に、焼成炉の雰囲気
中の酸素濃度が低くなると、Fe2 3 の層はなくな
り、酸化被膜の最上層は、FeO・Cr2 3 となる。
この酸化被膜は銅と接触しても、電食を防止することが
できる。
【0032】このFeO・Cr2 3 の酸化被膜層は、
ステンレス鋼に含まれるCrの量が多くなる程、低温度
で生成される。溶材の焼成温度である800℃以下にお
いて、前記酸化被膜層を生成させることを考えれば、C
rの量は、20〜28重量%含有していると、500℃
程度の低温から800℃までの温度範囲の還元雰囲気中
において、FeO・Cr2 3 の酸化被膜層が、良好に
生成される。この状態においては、熱交換器の電食を防
止することができる。還元雰囲気は、水素等の気体が充
填されていてもよく、また、酸素濃度を低くするため、
ボイラー等の排気を導入しても良い。
【0033】溶接材阻止部材4の材料として、オーステ
ナイト系のCrの量が25%のSUS310Sを使用し
た熱交換器の実施例を、図8(焼成工程前の状態)、図
9(焼成工程後の状態)に示している。前記第1の実施
例と相違する点は、溶接材阻止部材の材料が異なる以
外、吸熱管とフイン、吸熱管とベント、溶接棒,溶接環
の取付配置等は同じである。よって、前記実施例と本質
的に相違する点に関してのみ説明する。
【0034】図8に示す組付工程を終えた熱交換器にお
いて、各部の溶接に際し、800℃の還元雰囲気中に入
れられ、50〜60分の間焼成された結果は、溶接材阻
止部材4の表面には、FeO・Cr2 3 の酸化被膜層
が良好に形成され、ステンレス鋼の電食を防止すること
ができた。
【0035】そして、図9に示されるように、溶かされ
た溶接棒7及び溶接環8の溶材は、吸熱管2とフイン6
との間、吸熱管2と溶接材阻止部材4との間、吸熱管2
とベント1との間を溶接し、溶接材阻止部材4は吸熱管
2に溶接されることなく、ケーシング3と共に自由な変
位を可能とし、材質の相違に起因する亀裂の発生を阻止
することができる。
【0036】図10(焼成工程前の状態)、図11(
工程後の状態)には、溶接材阻止部材4の材料とし
て、オーステナイト系のCrの量が25%のSUS31
0Sを使用した熱交換器の他の実施例を示している。こ
の実施例としては、溶接材阻止部材4Bの形状として、
前述した図4、図5の実施例の溶接材阻止部材4Aがケ
ーシング3の挿入孔3aの縁部分を緩やかに覆う構成と
しているのに対して、ケーシング3の挿入孔3aの縁部
分を両側より挟持圧着する構成としている。この実施例
は、前記構成以外は、図4、図5の実施例と全く同様で
ある。
【0037】溶接材阻止部材4Bの形状として、ケーシ
ング3の挿通孔3aの縁部を両側より挟持圧着する構成
4e、4fとし、その材料として、同様のステンレス鋼
を使用したことにより、焼成工程において、その溶接材
阻止部材4の表面に、FeO・Cr2 3 の酸化被膜層
が形成され、良好に電食を防止することができる。そし
て、溶接材阻止部材4Bは、吸熱管2と溶接されること
がなく、ケーシング3と一体化されているため、吸熱管
2に対してケーシング3と共に上下左右に自由に移動す
ることができ、亀裂を生じることなく、ケーシング3を
良好に保護し、工程数も少なく、コストを安価とするこ
とができる。
【0038】
【発明の効果】本発明の構成により、吸熱管とフイン及
び吸熱管とベントとを同時に溶接可能としたことで、熱
交換器の製造工程を短縮することを可能とし、ケーシン
グを吸熱管に対して遊嵌状態に維持できるため、ケーシ
ング又は吸熱管にストレスを懸けることがなく、しか
も、熱交換器をコンパクトに構成できるという効果を有
している。また、溶接材阻止部材として、特定のステン
レス鋼の使用を可能とし、その使用により、銅材との電
食を防止し、溶材を排除する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であり、図3に示された
熱交換器の要部について、組付けを終わり、炉内の焼成
工程前の状態を示す断面図である。
【図2】図1の熱交換器の要部について、炉内の焼成
程後の状態を示す断面図である。
【図3】本発明の対象とする熱交換器の概要を斜視図で
示す。
【図4】本発明の第2の実施例であり、図3に示された
熱交換器の要部について、組付けを終わり、炉内の焼成
工程前の状態を示す断面図である。
【図5】図4の熱交換器の要部について、炉内の焼成
程後の状態を示す断面図である。
【図6】ケーシングに対して本発明の第2の実施例の溶
接材阻止部材の組付け状態を示す斜視図である。
【図7】図6の組付け後、ケーシングに取付けられる溶
接材阻止部材の組付状態を示す斜視図である。
【図8】溶接材阻止部材としてステンレス鋼を使用した
場合における本発明の実施例であり、図3に示された熱
交換器の要部について、組付けを終わり、炉内の焼成
程前の状態を示す断面図である。
【図9】図8の熱交換器の要部について、炉内の焼成
程後の状態を示す断面図である。
【図10】溶接材阻止部材としてステンレス鋼を使用し
た場合における本発明の他の実施例であり、図3に示さ
れた熱交換器の要部について、組付けを終わり、炉内の
焼成工程前の状態を示す断面図である。
【図11】図10の熱交換器の要部について、炉内の
工程後の状態を示す断面図である。
【図12】従来の熱交換器の製作過程のうち、組付工程
を終了した要部の説明図である。
【図13】図12の組付工程の熱交換器を溶接した後の
溶接の状態を示す要部説明図である。
【符号の説明】
1 ベント 2 吸熱管 3 ケーシング 3a 挿入孔 4 溶接材阻止部材 4a カラー部 4A 溶接材阻止部材 4b 中空円筒状部分 4c 環状部分 4d 開拡部分 6 フイン 6a 吸熱管挿入孔 6b 溶接棒挿入孔 6c 吸熱管挿入孔部分のカラー部 7 溶接棒 8 溶接環
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−137792(JP,A) 実開 昭59−29586(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28F 9/00 - 9/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングの内部において吸熱管の外周
    に多数のフインを溶着によって取付け、且つケーシング
    の外側で、吸熱管の端部にベントを溶着する構成の熱交
    換器において、ケーシングと外側フインとの間に配置さ
    れる溶接材阻止部材には、吸熱管の外周と当接し、ケー
    シングを通って延びる所定長さのカラー部が形成され、
    該カラー部上にケーシングの端部が挿通配置されること
    を特徴とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 ケーシングの内部において吸熱管の外周
    に多数のフインを溶着によって取付け、且つケーシング
    の外側で、吸熱管の端部にベントを溶着する構成の熱交
    換器において、該ケーシングの吸熱管挿通孔の位置に
    は、前記ケーシングの端縁を折り返して覆う形状の溶接
    材阻止部材が設けられ、該溶接材阻止部材を介して吸熱
    管上にケーシングが挿通配置されることを特徴とする熱
    交換器。
  3. 【請求項3】 前記ケーシングと吸熱管との間に向かう
    溶材の流れを阻止する前記溶接材阻止部材の材質とし
    て、20〜28%のCrを含有するステンレス鋼を用い
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換器。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の熱交換器を製
    造する方法であって、前記吸熱管と多数のフインとを溶
    着する溶接棒の溶融と、前記吸熱管の端部とベントとを
    溶着させる溶接環の溶融とを同時に行うことを特徴とす
    る熱交換器の製造方法。
JP5262154A 1993-10-20 1993-10-20 熱交換器とその製造方法 Expired - Lifetime JP3046900B2 (ja)

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