JP3046748B2 - 軸受装置及びその製造方法 - Google Patents

軸受装置及びその製造方法

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    • Y10T29/497—Pre-usage process, e.g., preloading, aligning

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はコンピュータ機器やその
周辺機器の回転部分に使用する軸受装置及びその製造方
法に関する。
【０００２】
【従来の技術】コンピュータ機器やその周辺機器におけ
る回転部の軸に取り付ける軸受装置の２個の玉軸受を使
用する従来のものでは、図２に示すように、部品として
２個の玉軸受Ａ、Ｂのほかに筒状スペーサＣをそれぞれ
個々別々に製作し、これら部品をユーザに納品し、ユー
ザにおいてこれらの部品を軸Ｄに組み付けている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従来の軸受装置は上述
のようにユーザが２個の玉軸受をスペーサを介して軸へ
組み付けねばならないが、次のような問題点がある。
【０００４】(a) 軸は玉軸受の内輪の内径寸法に合わせ
て製作せねばならず、また、軸剛性の制約を受ける。 (b) スペーサは２個の玉軸受とは別部品なので、組み合
わせる玉軸受の寸法等に合わせてスペーサの両端面の平
行度および平面度を高精度に仕上げる加工が必要とな
る。 (c) スペーサは２個の玉軸受の外輪間に挟まれているだ
けなので、ユーザが組み付けをする際、スリーブと軸と
が同芯になるように高精度の組み付けをしなければなら
ない。
【０００５】本発明はこのような問題点が解決され、ユ
ーザにおいて各種回転機器の回転部にそのまま使用でき
る軸受装置を提供できるようにした。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明に係る軸受装置
は、大径部と小径部を有する二段軸の大径部外周に内周
転動溝を形成し、この内周転動溝と大径部側の外輪の内
周面に形成した外周転動溝との間にボールを充填し、内
輪と外輪の間にボールを充填した玉軸受の外輪と前記大
径部側の外輪との間に、内径及び外径がそれぞれ前記玉
軸受の外輪の内径及び外径に略等しく、それぞれ前記大
径部側の外輪と前記玉軸受の外輪の各内側に嵌入する小
径突出部が両端部に形成された筒状のスペーサを設け、
前記小径突出部の外径が前記大径部側の外輪と前記玉軸
受の外輪の各内径に略等しく形成され、しかも前記筒状
スペーサの両端面が前記玉軸受の外輪の平行度及び平坦
度とそれぞれ同程度の高精度に仕上げ加工され、前記玉
軸受に予圧を付与した状態で玉軸受の内輪を前記二段軸
の小径部に嵌めて固定した完成品としてある。
【０００７】また、本発明に係る軸受装置の製造方法
は、大径部と小径部を有する二段軸の大径部外周に内周
転動溝を形成し、この内周転動溝と大径部側の外輪の内
周面に形成した外周転動溝との間にボールを充填し、内
輪と外輪の間にボールを充填した玉軸受の外輪と前記大
径部側の外輪との間に、内径及び外径がそれぞれ前記玉
軸受の外輪の内径及び外径に略等しく、それぞれ前記大
径部側の外輪と前記玉軸受の外輪の各内側に嵌入する小
径突出部が両端部に形成された筒状のスペーサを設け、
前記小径突出部の外径が前記大径部側の外輪と前記玉軸
受の外輪の各内径に略等しく形成され、しかも前記筒状
スペーサの両端面が前記玉軸受の外輪の平行度及び平坦
度とそれぞれ同程度の高精度に仕上げ加工され、前記玉
軸受に予圧を付与した状態で玉軸受の内輪を前記二段軸
の小径部にスライド可能に嵌め、この玉軸受の内輪もし
くは外輪のいずれかの外端部に適正予圧を付与し、この
予圧の付与された状態で内輪を二段軸の小径部に固定せ
しめて完成品とする構成としてある。
【０００８】またその実施態様は、玉軸受の内輪の外径
を二段軸の外径と同径にし、また、玉軸受の外輪はその
外径及び内径を大径部側の外輪の外径、内径とそれぞれ
同径とすることによりボールはすべて同径のものとして
ある。
【０００９】
【実施例】図１は本発明に係る軸受装置の実施例を示
す。同図において符号１は大径部１ａと小径部１ｂを有
する二段軸を示し、大径部の外周には内周転動溝２ａを
形成してある。
【００１０】３は大径部側の外輪で、その内周面に形成
した外周転動溝２ｂと大径軸の前記内周転動溝２ａとの
間にボール４を充填して大径軸部に組み付けてある。二
段軸１の小径部１ｂには、内輪５ａと外輪５ｂとよりな
り、かつ内外輪間にボール６を充填した玉軸受５の内輪
５ａを嵌合固着せしめてある。
【００１１】７は二段軸を囲む筒状のスペーサで、この
スペーサ７の両端部には小径突出部７ａ、７ｂを形成し
てあって、各小径突出部７ａ、７ｂの外径はそれぞれ外
輪３、５ｂの内径と同じ径にしてあり、各小径突出部７
ａ、７ｂを前記片側列用の外輪３と玉軸受５の外輪５ｂ
の内側にそれぞれ嵌め込んでスペーサを固定してある。
しかしてスペーサ７の両端面は、前述した
【０００４】(b) の要求事項を満足せしめ得るよう前記
大径部側の外輪３及び前記小径部側の玉軸受外輪５ｂと
それぞれ同程度の高精度に仕上げ加工されている。
【００１２】また、玉軸受５の内輪５ａの外径を二段軸
１の大径部１ｂの外径と同径にし、また、玉軸受５の外
輪５ｂはその外径及び内径を大径部側の外輪３の外径、
内径とそれぞれ同径とすることによりボールはすべて同
径のものとしてある。なお、図中の符号８ａ及び８ｂは
玉軸受内外輪の各転動溝、９はボールリテーナを示す。
【００１３】この実施例のものでは、玉軸受５の内輪５
ａを二段軸の小径部１ｂにスライド可能に嵌め、次いで
内輪に外端面（図１では右端面）から適正な予圧（プリ
ロード）を付与し、この予圧の付与された状態で内輪５
ａを接着剤などで二段軸１の小径部１ｂに固定せしめ、
外輪、スペーサ及び内輪を二段軸に組み付ける。
【００１４】上述した実施例ではボールを全て同径のも
のとしてあるが、大径部側と小径部側とでは異なる径の
ボールを使用することもある。
【００１５】
【本発明の作用、効果】本発明に係る軸受装置は上述し
た構成のものとしてあるので、次ぎの作用、効果があ
る。
【００１６】(a) 本発明の軸受装置は内輪、外輪、スペ
ーサ及びボールが軸に対して組み付けられているので、
ユーザーはこれらの部品を組み付ける必要がなく、対応
機器へ、その回転体の筒部内へ挿入・固着することによ
り容易に取り付けることができる。 (b) 本発明のものでは、二段軸の大径部外周に直接内周
転動溝を形成してあるので、従来の内輪が不要であり、
したがってその分だけ軸は一部大径のものにして二段軸
にでき、軸剛性を大ならしめることができる。 (c) 軸は大径部を備える剛性の大なるものにできるの
で、本装置を組み込んだＯＡ機器用等のスピンドルモー
ターにおいてはレゾナンス（共振点）が高くなり、機器
内の他の部材との共振を防止でき、機器の信頼性を向上
できる。 (d) スペーサは軸受製作メーカーで玉軸受の寸法等に合
った精度の高いものに製作してあるので、スペーサと軸
との同芯精度が向上させられ、振動やぶれ を低減させら
れる軸受装置として、ユーザーは何ら加工を施すことな
くコン ピュータやその周辺機器の回転箇所にそのまま使
用できる。 (e) 従来の玉軸受は１個ですみ、したがって内輪は１個
でよく、部品点数を少なくできる。(f) スペーサは弾性材である必要がないので、玉軸受の
内輪もしくは外輪への 予圧付与による二段軸小径部への
玉軸受の位置設定を的確に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る軸受装置の実施例を示す縦断面
図。
【図２】従来の軸受の構成を示し、(a) は組み付け前の
玉軸受及びスペーサを示す縦断面図、(b) は玉軸受及び
スペーサを軸へ組み付けた状態を示す縦断面図。
【符号の説明】
１ 二段軸 ２ａ 内周転動溝 ２ｂ 外周転動溝 ３ 外輪 ４ ボール ５ 玉軸受 ５ａ 内輪 ５ｂ 外輪 ６ ボール ７ スペーサ ７ａ、７ｂ スペーサの小径突出部 ８ａ、８ｂ 転動溝 ９ ボールリテーナ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】大径部と小径部を有する二段軸の大径部外
    周に内周転動溝を形成し、この内周転動溝と大径部側の
    外輪の内周面に形成した外周転動溝との間にボールを充
    填し、内輪と外輪の間にボールを充填した玉軸受の外輪
    と前記大径部側の外輪との間に、内径及び外径がそれぞ
    れ前記玉軸受の外輪の内径及び外径に略等しく、それぞ
    れ前記大径部側の外輪と前記玉軸受の外輪の各内側に嵌
    入する小径突出部が両端部に形成された筒状のスペーサ
    を設け、前記小径突出部の外径が前記大径部側の外輪と
    前記玉軸受の外輪の各内径に略等しく形成され、しかも
    前記筒状スペーサの両端面が前記玉軸受の外輪の平行度
    及び平坦度とそれぞれ同程度の高精度に仕上げ加工さ
    れ、前記玉軸受に予圧を付与した状態で玉軸受の内輪を
    前記二段軸の小径部に嵌めて固定した完成品である軸受
    装置。
  2. 【請求項２】大径部と小径部を有する二段軸の大径部外
    周に内周転動溝を形成し、この内周転動溝と大径部側の
    外輪の内周面に形成した外周転動溝との間にボールを充
    填し、内輪と外輪の間にボールを充填した玉軸受の外輪
    と前記大径部側の外輪との間に、内径及び外径がそれぞ
    れ前記玉軸受の外輪の内径及び外径に略等しく、それぞ
    れ前記大径部側の外輪と前記玉軸受の外輪の各内側に嵌
    入する小径突出部が両端部に形成された筒状のスペーサ
    を設け、前記小径突出部の外径が前記大径部側の外輪と
    前記玉軸受の外輪の各内径に略等しく形成され、しかも
    前記筒状スペーサの両端面が前記玉軸受の外輪の平行度
    及び平坦度とそれぞれ同程度の高精度に仕上げ加工さ
    れ、前記玉軸受に予圧を付与した状態で玉軸受の内輪を
    前記二段軸の小径部にスライド可能に嵌め、この玉軸受
    の内輪もしくは外輪のいずれかの外端部に適正予圧を付
    与し、この予圧の付与された状態で内輪を二段軸の小径
    部に固定せしめて完成品とする軸受装置の製造方法。
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