JPH0953644A - 内輪を外嵌固定した軸 - Google Patents

内輪を外嵌固定した軸

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JPH0953644A
JPH0953644A JP21069995A JP21069995A JPH0953644A JP H0953644 A JPH0953644 A JP H0953644A JP 21069995 A JP21069995 A JP 21069995A JP 21069995 A JP21069995 A JP 21069995A JP H0953644 A JPH0953644 A JP H0953644A
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JP
Japan
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shaft
inner ring
peripheral surface
ring
outer peripheral
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JP21069995A
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Inventor
Seizo Miyazaki
晴三 宮崎
Koichi Kawakami
耕一 川上
Fumikatsu Takagi
文勝 高木
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸2や内輪11a、11aが歪む事を防止し
て、高速回転時に有害な振動が発生する事を防止する。 【構成】 軸2の一部外周面で内輪11a、11aの内
周面が対向する部分に小径部19、19を設ける。そし
て、各小径部19、19部分にラジアル隙間20、20
を介在させる。ラジアル隙間20、20分、軸2及び内
輪11a、11a内の残留応力を減少させて、これら軸
2及び内輪11a、11aが歪む事を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばビデオテープ
レコーダ(VTR)用、ハードディスクドライブ(HD
D)用、ビデオテープレコーダ(VTR)用、レーザビ
ームプリンタ(LBP)用のスピンドルモータ、ロータ
リアクチュエータ、ロータリエンコーダ等、各種精密回
転部分に組み込んでこの回転部分を支承する、内輪を外
嵌固定した軸の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】VTRやHDDのスピンドルを、振れ回
り運動(軸と直角な方向の運動)及び軸方向の振れを防
止しつつ回転自在に支持する為、玉軸受を使用している
が、従来は互いに独立した1対の玉軸受(深溝型或はア
ンギュラ型)を使用していた。又、回転支持部分への玉
軸受の組立作業の効率化を図る為、複列の玉軸受を使用
する事も考えられていた。
【0003】複列の玉軸受は、図6(A)に示す様に、
外周面に1対の深溝型の内輪軌道1、1を有する軸2
と、同図(B)に示す様に、内周面に1対の深溝型の外
輪軌道3、3を有する外輪4とを、同図(C)に示す様
に同心に組み合わせると共に、上記各内輪軌道1、1と
外輪軌道3、3との間にそれぞれ複数の玉5、5を、転
動自在に装着する事で構成される。尚、図6(C)の
6、6は、上記玉5、5を円周方向等間隔に保持してお
く為の保持器、7、7は、玉5、5装着部への塵芥等の
進入防止を図る為のシールである。
【0004】この図6(C)に示す様な複列深溝型玉軸
受は、従来から知られている構造であるが、上記VTR
やHDDのスピンドルを支持できる様なものは、従来は
製造が難しかった。これは、次の様な理由による。VT
RやHDDのスピンドルを支持する為の玉軸受は、振れ
回り運動及び軸方向の振れを防止する為、極めて高精度
なものとしなければならない。この為、上記スピンドル
支持用の玉軸受は、アキシャル方向の予圧を付与した状
態で使用する。一方、深溝型の玉軸受を組み立てる為、
内輪軌道1と外輪軌道3との間に玉5、5を装着する場
合には、図7に示す様に、上記内輪軌道1と外輪軌道3
とを偏心させて、これら両軌道1、3の間の円周方向に
亙る隙間8を一部で大きくする。そして、この隙間8の
大きくなった部分から上記内輪軌道1と外輪軌道3との
間に、所定数の玉5、5を挿入する。その後、上記内輪
軌道1と外輪軌道3とを同心にすると共に、上記所定数
の玉5、5を、円周方向等間隔に配置する。
【0005】この様に、円周方向一部にまとまって挿入
された複数の玉5、5を、円周方向等間隔に配置し直す
際には、各玉5、5を上記内輪軌道1及び外輪軌道3に
対して滑らせなければならない。この際、上記内輪軌道
1及び外輪軌道3が各玉5、5を強く押圧する状態(予
圧を付与した状態)にあると、上記内輪軌道1、外輪軌
道3、各玉5、5の転動面に傷が付き易い。そして、傷
が付いた場合には、回転時に振動を生じたり、或は耐久
性が損なわれる等の問題を生じる。
【0006】予圧を付与された玉軸受としては、他にも
従来から種々の構造のものが知られているが、部品点数
が多く小型化が難しかったり、或は組立作業が面倒であ
ったり、更には十分な回転精度を得られない等の問題が
あり、HDD用等の精密回転部分に組み込んで十分な性
能を得られるものではなかった。
【0007】これに対して、特開平6−221326号
公報、同6−344233号公報には、上述の様な不都
合を解消する構造として、図8に示す様な玉軸受が記載
されている。この玉軸受を構成する軸9は、図8(A)
に示す様に、小径部9aと大径部9bとを段部9cで連
続させており、大径部9bの外周面に深溝型の第一の内
輪軌道10を形成している。又、内輪11は、外周面に
深溝型の第二の内輪軌道12を形成している。
【0008】この様な軸9と内輪11とを含む玉軸受を
造る場合、先ず、第一工程として、図8(B)に示す様
に、上記軸9の小径部9aに上記内輪11を、十分な嵌
合強度(予圧付与の反力でずれ動かない強度)を持たせ
て外嵌する。従って、自由状態に於ける上記内輪11の
内径寸法R11は、同じく自由状態に於ける上記小径部9
aの外径寸法D9aよりも僅かに小さい(R11<D9a)。
上述の様に小径部9aに内輪11を外嵌した状態で、上
記大径部9b外周面の第一の内輪軌道10と内輪11外
周面の第二の内輪軌道12とのピッチP1 を、完成後の
玉軸受に所定の予圧を付与する為に必要なピッチp1
(図8(D))よりも長く(P1 >p1 )しておく。次
いで、第二工程として、上記第一工程により組み合わさ
れた軸9及び内輪11を、円筒形の外輪13の内側に挿
入する。この外輪13の内周面には、1対の深溝型の外
輪軌道14、14を形成している。この第二工程では、
この1対の外輪軌道14、14と前記第一、第二の内輪
軌道10、12とを対向させる。次に、第三工程とし
て、上記軸9及び内輪11と外輪13とを偏心させ、前
記図7に示す様に、上記1対の外輪軌道14、14と第
一、第二の内輪軌道10、12との間の円周方向に亙る
隙間8を一部で大きくする。そして、この隙間8の大き
くなった部分から、上記隙間8内に、所定数の玉5、5
を挿入する。次に、第四工程として、上記1対の外輪軌
道14、14と第一、第二の内輪軌道10、12との間
の隙間8内に挿入された所定数の玉5、5を円周方向に
移動させつつ、上記軸9及び内輪11と外輪13とを同
心にして、各玉5、5を円周方向等間隔に配置する。こ
れと共に、図8(C)に示す様に、各玉列部分に保持器
6、6を装着して、各玉5、5が円周方向等間隔位置に
留まる様にする。又、必要に応じて、外輪13の両端部
内周面にシール7、7を装着する。この状態では、未だ
各玉5、5に予圧は付与されていない。そして、最後に
第五工程として、上記内輪11を段部9cに向け、軸9
の外周面で軸方向(図8の左方)に変位させる事によ
り、上記第一、第二の内輪軌道10、12のピッチを短
くして、図8(D)に示す様に、前記所定の予圧を付与
する為に必要なピッチp1 とする。この状態で、上記複
数の玉5、5に所定の予圧が付与され、予圧を付与され
た玉軸受として完成する。完成時にも、上記段部9cと
内輪11の端面との間には隙間が存在する。
【0009】この様にして得られた予圧を付与された玉
軸受では、内輪11の内周面と小径部9aの外周面との
間に、締まり嵌めの摩擦力に基づいて、上記予圧に見合
う軸方向荷重よりも大きな制止力が作用する。従って、
軸9と内輪11との間に接着剤を塗布しなくても、上記
内輪11がずれ動かず、付与された予圧が消滅する事が
なく、一体の玉軸受として取り扱える。この為、VTR
やHDDのスピンドルの軸受部を構成する作業が容易と
なる。又、アキシャル方向に亙って予圧が付与されてい
る為、上記スピンドルの回転支持を高精度に行なえる。
【0010】尚、上述した従来構造の第2例の場合、第
一の内輪軌道10を軸9の外周面に直接形成していた
が、図9に示した第3例の様に、それ自体は内輪軌道を
有しない軸2に、1対の内輪11、11aを外嵌する事
もできる。この様に、内輪11、11aを1対設ける場
合には、予圧付与時に、一方又は双方の内輪11、11
aを変位させる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図8〜9に示す様な構
造を有する予圧を付与された玉軸受の場合には、適正な
予圧付与の面からは問題ないが、軸9を高速回転させた
場合に振動を発生するものが存在する事が分ってきた。
この様な振動が発生する原因に就いて本発明者が研究し
たところ、軸9と内輪11との一方又は双方が歪んでい
る事が分った。そして、この様な歪みの原因に就いて本
発明者が考察したところ、次の様な原因が考えられた。
【0012】軸9の小径部9aに内輪11を締まりばめ
で圧入する(小径部9aに対して内輪11を変位させ
る)際に、これら小径部9aの外周面と内輪11の内周
面とが軸方向に亙って強く摩擦し合う。この摩擦に伴っ
て上記軸9及び内輪11に応力が加わる。図8〜9に示
した従来構造の場合には、内輪11が軸9、2の周囲
に、締まりばめにより外嵌固定されているので、上記応
力は、組立完了後に於いても、上記内輪11、軸9、2
内に残留応力として残る。上記圧入の際、上記外周面と
内周面との間に作用する摩擦力が円周方向に亙って均一
であれば良いが、不可避的な寸法或は形状の誤差、或は
上記両周面同士の間に存在する油量の差等に起因して、
上記摩擦力が円周方向に亙って不均一になる事がある。
そして、この不均一の程度が大きくなると、上記軸9、
2と内輪11、11aとの一方又は双方の歪みが、上記
振動を発生する程度に大きくなる。特に、外径が4mm以
下の軸9、2に内輪11、11aを外嵌固定する様な、
ミニアチュア玉軸受の場合には、上記歪みに基づく振動
が問題となり易い。
【0013】尚、この様な問題は、図10に示した様
な、1対の玉軸受15、15を構成する内輪11a、1
1aを軸2に外嵌し、1対の外輪16、16の間にばね
17を設ける事で上記各玉軸受15、15に予圧付与を
行なう構造でも生じ得る。即ち、この様な構造では、上
記ばね17の弾力により上記各内輪11a、11aが軸
2に対して動かない様に、これら各内輪11a、11a
を軸2に対して、締まりばめで外嵌する。従って、図8
〜9に示した構造の場合と同様に、軸2と内輪11a、
11aとの一方又は双方に歪みが発生する可能性があ
る。本発明の内輪を外嵌固定した軸は、上述の様な原因
で発生する歪みを抑え、歪みに基づく振動の発生を防止
すべく発明したものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の内輪を外嵌固定
した軸は、前述した従来構造の場合と同様に、自由状態
で所定の内径寸法を有する内輪と、自由状態でこの内径
寸法よりも僅かに大きな外径寸法を有する軸とを備え
る。そして、この軸の外周面に上記内輪を、締まりばめ
により外嵌固定して成る。
【0015】特に、本発明の内輪を外嵌固定した軸に於
いては、上記軸の一部外周面には、上記内径寸法よりも
小さな第二の外径寸法を有する小径部が形成されてい
る。そして、上記内輪を上記軸に外嵌固定した状態で、
この内輪の一部内周面が上記小径部の外周面にラジアル
隙間を介して対向している。
【0016】
【作用】上述の様に構成される本発明の内輪を外嵌固定
した軸の場合には、内輪の一部内周面と小径部の外周面
との間に存在するラジアル隙間の分、内輪の内周面と軸
の外周面とが締まりばめにより強く当接し合う部分の面
積が狭くなる。この為、内輪を軸に対して締まりばめに
より外嵌固定する事に伴い、これら内輪及び軸に残留す
る応力が少なくなって、これら内輪及び軸の歪みが少な
くなる。この為、これら内輪及び軸を高速で回転させた
場合にも、実用上問題となる様な振動が発生しなくな
る。尚、内輪の内周面のうちで上記ラジアル隙間に対向
する部分の割合は、軸方向長さで1/2〜3/4程度が
適当である。1/2未満の場合には、残留応力の減少効
果が不十分となり、3/4を越えた場合には、軸と内輪
とを同心にする作業が難しくなる。
【0017】
【実施例】図1は本発明の第一実施例を示している。本
実施例は、前述した従来構造のうちの図9に示した構造
に、本発明を実施したものである。尚、構成各部材の組
立方法及び各玉5、5に予圧付与を行なう方法は、前述
した従来構造の場合と同様であるから、重複する説明を
省略し、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0018】それぞれの外周面に内輪軌道18、18を
有する1対の内輪11a、11aは、自由状態で所定の
内径寸法を有する。又、これら各内輪11a、11aを
外嵌固定する軸2は、自由状態でこの内径寸法よりも僅
かに大きな外径寸法を有する。本発明の内輪を外嵌固定
した軸は、この軸2の外周面で軸方向に離隔した2個所
位置に、上記内輪11a、11aを、それぞれ締まりば
めにより外嵌固定して成る。
【0019】上記軸2の一部外周面で、上記各内輪11
a、11aの軸方向両端部内周面が対向する部分には、
各内輪11a、11a毎に2個所ずつ、合計4個所の小
径部19、19を形成している。これら各小径部19、
19は、上記各内輪11a、11aの内径寸法よりも小
さな、第二の外径寸法を有する。又、各内輪11a、1
1a毎に2個所ずつ設けられた小径部19、19の反対
端縁同士の距離L19は、上記各内輪11a、11aの長
さL11a よりも少し大きく(L19>L11a )している。
又、各玉5、5に所望の予圧を付与した状態では、上記
各内輪11a、11aの内周面のほぼ中央部が、隣接す
る小径部19、19に挟まれた間部分21、21に、締
まりばめを持って外嵌される。従って、図1に示す様に
上記各内輪11a、11aを上記軸2の外周面2個所位
置に外嵌固定した状態では、これら各内輪11a、11
aの軸方向両端部内周面がこれら各小径部19、19の
外周面に、それぞれラジアル隙間20、20を介して対
向する。
【0020】上述の様に構成される本発明の内輪を外嵌
固定した軸の場合には、上記各内輪11a、11aの両
端部内周面と上記各小径部19、19の外周面との間に
存在するラジアル隙間20、20の分、内輪11a、1
1aの内周面と軸2の外周面とが締まりばめにより強く
当接し合う部分の面積が狭くなる。この為、上記各内輪
11a、11aを軸2に対して締まりばめにより外嵌固
定する事に伴い、これら内輪11a、11a及び軸2に
残留する応力が少なくなる。
【0021】即ち、上記各内輪11a、11aを軸2の
端部からこの軸2の中央部に向けて外嵌する際、これら
各内輪11a、11aの内周面と軸2の外周面とが強く
摩擦し合う結果、これら各内輪11a、11aと軸2と
に内部応力が発生する。従来構造の場合には、内輪を外
嵌固定した軸の組立完了時点で、上記両周面同士が全面
に亙って摩擦し合ったままとなる為、上記内部応力がそ
のまま残留応力として残る。これに対して本発明の場合
には、内輪を外嵌固定した軸の組立完了時点では、上記
両周面同士の摩擦面積が、上記ラジアル隙間20、20
分だけ少なくなる。そして、上記各内輪11a、11a
の内周面と軸2の外周面とのうちで、上記ラジアル隙間
20、20に対向する部分は、自由状態となって、組立
時に発生した内部応力は消滅する。従って、これら軸2
及び内輪11a、11a内の残留応力が少なくなって、
これら軸2及び内輪11a、11aの歪みが少なくな
る。
【0022】この為、これら各内輪11a、11a及び
軸2を高速で回転させた場合にも、実用上問題となる様
な振動が発生しなくなる。尚、前記小径部19、19を
設けた事により、上記各内輪11a、11aの内周面と
軸2の外周面との摩擦面積が狭くなるが、その分、前記
間部分21、21の外周面と上記各内輪11a、11a
の内周面との接触面圧が大きくなる。但し、接触面圧の
上昇に基づく応力は、上記両周面に対して垂直に作用
し、これら内輪11a、11a及び軸2を歪ませる方向
には作用しない。従って、接触面圧の上昇によりこれら
内輪11a、11a及び軸2が歪む事はない。又、接触
面圧の上昇は、上記内輪11a、11aの保持力向上に
つながる為、上記接触面積が減少しても、これら各内輪
11a、11aが軸2に対して不用意にずれ動く事はな
い。
【0023】上述の様な本発明の内輪を外嵌固定した軸
は、更にそれぞれが保持器6、6により転動自在に保持
された複数の玉5、5及び外輪4と組み合わされて、予
圧を付与された玉軸受を構成する。更に、この様な予圧
を付与された玉軸受を構成する外輪4の外周面には、必
要に応じて図2に示す様に、保持環22を外嵌固定す
る。VTRやHDDのスピンドル装置を構成する際に
は、この保持環22に他の部品等を固定する。本発明者
は、この図2に示す様な構造を複数個、実際に組み立
て、軸2を高速で回転させたが、有害な振動を発生する
ものは皆無であった。尚、図1に示した予圧を付与され
た玉軸受と図2に示した予圧を付与された玉軸受とは、
内輪軌道18、18の形成位置やシール7、7の装着位
置等、若干相違するが、基本的には同じ構造である。
【0024】次に、図3は本発明の第二実施例を示して
いる。本実施例の場合には、軸2の外周面で軸方向に離
隔した2個所位置に、それぞれ小径部19、19を1個
ずつ形成している。そして、上記軸2に外嵌固定した内
輪11a、11aの内周面を、各内輪11a、11aの
外端部(軸2の端面寄り端部)を除いて、上記各小径部
19、19に、ラジアル隙間20、20を介して対向さ
せている。小径部19、19の数を少なくし、上記軸2
と上記各内輪11a、11aとの嵌合部並びに上記各ラ
ジアル隙間20、20の位置を変えた以外の構成及び作
用は、上述した第一実施例と同様である。
【0025】次に、図4は本発明の第三実施例を示して
いる。本実施例は、前述の図9に示した従来構造の第3
例に本発明を適用したものである。即ち、本実施例の場
合には、1対の玉軸受15、15を構成する内輪11
a、11aを軸2に外嵌し、1対の外輪16、16の間
にばね17を設ける事により、上記各玉軸受15、15
に予圧付与を行なっている。予圧付与の為の構造以外
は、前述した第一実施例と同様である。更に、図5に示
した第四実施例の様に、1対の外輪16、16の間にス
ペーサ23を挟持した構造にも、本発明を適用できる。
勿論、前記図8に示した構造に、本発明を適用する事も
できる。
【0026】
【発明の効果】本発明の内輪を外嵌固定した軸は、以上
に述べた通り構成され作用して、締まりばめにより内輪
及びこの内輪を外嵌固定した軸の歪みを無視できる程度
に抑え、これら内輪及び軸を高速回転させた場合にも、
有害な振動が発生する事を防止できる。この為、VTR
やHDDのスピンドル等の高性能化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す断面図。
【図2】第一実施例の構造を組み込んだスピンドル装置
の断面図。
【図3】本発明の第二実施例の断面図。
【図4】同第三実施例の断面図。
【図5】同第四実施例の断面図。
【図6】従来の玉軸受の第1例の部品と完成品とを示す
断面図。
【図7】玉を挿入する為、外輪軌道と内輪軌道とを偏心
させた状態を示す図。
【図8】従来の玉軸受の第2例を製造工程順に示す断面
図。
【図9】同第3例を製造工程順に示す半部断面図。
【図10】従来の玉軸受の第3例を示す断面図。
【符号の説明】
1 内輪軌道 2 軸 3 外輪軌道 4 外輪 5 玉 6 保持器 7 シール 8 隙間 9 軸 9a 小径部 9b 大径部 9c 段部 10 第一の内輪軌道 11、11a 内輪 12 第二の内輪軌道 13 外輪 14 外輪軌道 15 玉軸受 16 外輪 17 ばね 18 内輪軌道 19 小径部 20 ラジアル隙間 21 間部分 22 保持環 23 スペーサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由状態で所定の内径寸法を有する内輪
    と、自由状態でこの内径寸法よりも僅かに大きな外径寸
    法を有する軸とを備え、この軸の外周面に上記内輪を締
    まりばめにより外嵌固定して成る内輪を外嵌固定した軸
    に於いて、上記軸の一部外周面には、上記内径寸法より
    も小さな第二の外径寸法を有する小径部が形成されてお
    り、上記内輪を上記軸に外嵌固定した状態で、この内輪
    の一部内周面が上記小径部の外周面にラジアル隙間を介
    して対向している事を特徴とする内輪を外嵌固定した
    軸。
JP21069995A 1995-08-18 1995-08-18 内輪を外嵌固定した軸 Pending JPH0953644A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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