JP3046138B2 - 電気音響変換器用振動板の製造方法 - Google Patents

電気音響変換器用振動板の製造方法

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JP3046138B2
JP3046138B2 JP4106000A JP10600092A JP3046138B2 JP 3046138 B2 JP3046138 B2 JP 3046138B2 JP 4106000 A JP4106000 A JP 4106000A JP 10600092 A JP10600092 A JP 10600092A JP 3046138 B2 JP3046138 B2 JP 3046138B2
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秀一 市川
秋太郎 酒井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気音響変換器用振動
板の製造方法に係り、薄型,軽量でかつヤング率および
内部損失の大きな振動板を得るための電気音響変換器用
振動板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気音響変換器用振動板として、音速が
速く、軽量でヤング率および内部損失が大きく、かつ耐
久性のあるものが要望されている。
【0003】この種の電気音響変換器用振動板の製造方
法としては、従来次のような技術がある。
【0004】(1) 基材として紙,金属,セラミック
スを用いて製造する方法。 (2) 各種合成樹脂を用いて製造する方法。 (3) 液晶ポリマを用いて製造する方法。 (4) 高弾性織布を基材とし、熱硬化性樹脂をマトリ
ックス樹脂として用いて製造する方法。 (5) 綿布にフェノール樹脂を含浸,塗布し、加熱,
加圧して製造する方法。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記(1)
の製造方法、つまり紙,金属,セラミックスを用いて作
製する製造方法において、紙は適度の内部損失を有する
が、ヤング率が小さい問題があり、水分の影響を受けや
すい問題がある。また、金属とセラミックスは、ヤング
率は大きいが、内部損失が小さい問題があり、重いとい
う問題がある。
【0006】前記(2)の製造方法、すなわち合成樹脂
にて振動板を作製する場合、ポリエステルフィルム等の
熱可塑性樹脂フィルムを加熱し成形することができる
が、ヤング率が小さい問題がある。
【0007】前記(3)の製造方法、すなわち液晶ポリ
マを射出し成形する方法は、ヤング率が大きく、内部損
失の大きな振動板を得ることができるが、振動板を薄く
することが困難であるという問題があり、重くなるとい
う問題もある。
【0008】前記(4)の製造方法、すなわち高弾性織
布を基材とし、熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂として
振動板を製造する方法では、マトリックス樹脂として一
般にプリプレグ(半硬化樹脂)を使用するが、プリプレ
グは振動板としての物性以外に保存安定性,流動性およ
び離型性等の製造上の問題がある。
【0009】前記(5)の製造方法、つまり織布にフェ
ノール樹脂を含浸,塗布し、加熱,加圧して振動板を成
形する方法は、高ヤング率と適当な内部損失を有する振
動板を得ることができる点で使用されているが、次のよ
うな問題がある。すなわち、流動状態(A状態)にある
フェノール樹脂は分子量が小さいため、この状態で加
熱,加圧して成形すると、フェノール樹脂が金型内で大
きく流動し、均一な振動板を得ることができない。した
がって、フェノール樹脂を用いて振動板を作製するため
には、半硬化(B状態)させ、フェノール樹脂の流動性
をコントロールし、ホットプレスにて完全硬化(C状
態)させる必要がある。この場合の欠点としては、フェ
ノール樹脂の流動性のコントロールを温度と時間により
実施する必要があり、管理上の問題がある。また、B状
態では未反応部分が存在するため、振動板と金型が接着
しやすく、振動板を金型より剥離することが困難であ
る。一般的には、金型に離型剤を塗布することにより、
容易に剥離することができるが、この場合離型剤が振動
板に付着し、成形された振動板に接着する部材、例えば
ボイスコイルとの接着性が劣化する。これらの点で、こ
の(5)の製造方法ではコストアップとなる問題があっ
た。
【0010】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、薄型,軽量で、かつヤ
ング率および内部損失の大きな振動板を安価に製造し得
る電気音響変換器用振動板の製造方法を提供しようとす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は天然繊維で形成された織布と不織布のいず
れかの基材と、フェノール樹脂,熱可塑性樹脂,ポリエ
チレングリコールおよびワックスを主成分とした混合物
であるマトリックス樹脂とを用いてプリプレグを作製
し、ついで加熱,加圧して振動板を成形するようにした
ものである。
【0012】さらに、好ましくは前記マトリックス樹脂
に、フェノール樹脂の硬化を促進するために、硬化剤と
して例えばヘキサメチレンテトラミンを添加する。
【0013】
【作用】本発明では、ヤング率と内部損失の大きい天然
繊維製の織布または不織布を基材として用いている。
【0014】また、本発明では前記天然繊維製の織布ま
たは不織布と、物性および離型性を考慮した下記構成の
マトリックス樹脂とによりプリプレグを作製し、そのプ
リプレグを加熱,加圧して振動板を成形するようにして
いる。
【0015】上記マトリックス樹脂の構成は、 (1) 基材樹脂として、弾性率の優れた熱硬化性樹脂
であるフェノール樹脂(レゾール型,ノボラック型)を
用いた。 (2) ヤング率および内部損失ならびに加熱,加圧時
のフェノール樹脂の流動性をコントロールするために、
熱可塑性樹脂を添加した。 (3) ヤング率をコントロールするために、ポリエチ
レングリコールを添加した。 (4) 金型からの成形品(振動板)の剥離を容易にす
るために、ワックスを添加した。
【0016】その結果、本発明方法によれば、薄型,軽
量で、かつヤング率および内部損失の大きな振動板を得
ることができ、しかも所期の振動板を安価に製造するこ
とができる。
【0017】なお、マトリックス樹脂に例えばヘキサメ
チレンテトラミン等の硬化剤を添加することにより、基
材樹脂であるフェノール樹脂の硬化を促進でき、成形能
率を高めることができる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。綿糸80番手の平織織布(クロス重量50g/m
2 )に、表1に示す配合のマトリックス樹脂溶液を塗布
し、80℃の熱風により20分間乾燥し、プリプレグを
作製した。溶剤を除去したプリプレグは仕上がり重量で
120g/m2 ,レジンフローは150〜200mmであ
った。この場合のレジンフローは、試験片をポリエステ
ルフィルムではさみ、160℃で7kg/cm2 の荷重を加
え、10分間保持した場合のマトリックス樹脂の流出し
た量を示す。
【0019】
【表1】
【0020】以上のようにして作製されたプリプレグを
200〜220℃に加熱した金型セットして加圧し、口
径=32mm,重さ=0.10g,厚さ=60μの振動板
を成形した。このようにして成形された振動板を用いた
電気音響変換器の周波数特性の一例を図1に示す。
【0021】さらに、前記振動板に口径=13mmのボイ
スコイルを接着した。両者の接着強度は、5〜7kgであ
り、十分な強度のものが得られた。
【0022】ところで、本発明では前記実施例に限ら
ず、次のような材料,および添加量としてもよい。
【0023】前記基材は、綿糸の織布に限らず、天然繊
維の織布または不織布を用いることができる。
【0024】また、マトリックス樹脂のフロー抑制剤と
しては、高分子の熱可塑性樹脂であればいずれも使用可
能であり、その添加量はフェノール樹脂に対して0.5
部添加したときからその効果が認められた。そして、前
記熱可塑性樹脂の添加量の好ましい範囲は1〜200部
であり、添加量はフロー抑制効果と、振動板のヤング率
および内部損失との関係で決定される。
【0025】マトリックス樹脂の柔軟剤は、振動板のヤ
ング率と内部損失をコントロールするために添加するも
ので、フェノール樹脂に対して0.1部以上添加する
と、その効果が十分認められた。
【0026】マトリックス樹脂の離型剤としてワックス
を使用しているが、その効果は配合樹脂の固形分に対し
て0.5%添加したときから有効性が認められたが、好
ましい範囲は配合樹脂の固形分に対して1〜20%であ
る。
【0027】さらに、マトリックス樹脂にフェノール樹
脂の硬化剤として、ヘキサメチレンテトラミンをフェノ
ール樹脂100部に対して10部添加した。これによ
り、ヘキサメチレンテトラミンを添加しない場合に比較
して約3分、硬化時間を短縮することができた。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では天然繊
維で形成された織布と不織布のいずれかの基材と、フェ
ノール樹脂,熱可塑性樹脂,ポリエチレングリコールお
よびワックスを主成分とした混合物であるマトリックス
樹脂とを用いてプリプレグを作製し、ついで加熱,加圧
して振動板を成形するようにしているので、各使用材料
の特性を活かして薄型,軽量で、かつヤング率および内
部損失の大きな振動板を安価に製造し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法によって得られた振動板を用いた電
気音響変換器の周波数特性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−57596(JP,A) 特開 昭57−87695(JP,A) 特開 平1−270490(JP,A) 特開 平4−213996(JP,A) 実開 平3−44997(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 7/02 H04R 31/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然繊維で形成された織布と不織布のい
    ずれかの基材と、フェノール樹脂,熱可塑性樹脂,ポリ
    エチレングリコールおよびワックスを主成分とした混合
    物であるマトリックス樹脂とを用いてプリプレグを作製
    し、ついで加熱,加圧して振動板を成形することを特徴
    とする電気音響変換器用振動板の製造方法。
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