JP2945421B2 - 電気音響変換器用振動板とその製造方法 - Google Patents

電気音響変換器用振動板とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高耐湿熱性、耐水性を有し、かつ高弾性、
高損失を有するマイクロホンやスピーカ等に用いられる
電気音響変換器用振動板およびその製造方法に関する。
(従来の技術) 従来、高弾性繊維から成る織布または不織布を基材と
したものは、その結合樹脂にエポキシ、フェノール、不
飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を用いたも
の、あるいはアクリル、ポリプロピレンなどの熱可塑性
樹脂を用いたものがあるが、これらは高能率化のため、
軽量化が必要となり、その手段として振動板材厚を薄く
しなければならなかった。
その結果、振動板として面剛性が失なわれ、振動板の
分割共振点が低くなりピストンモーション領域まで悪影
響を及ぼしていた。また、結合樹脂が少なく、振動板と
しての内部損失が小さくなり分割振動領域において歪の
増加が著しかった。
一方、面剛性を得るため、結合樹脂を多くしたり制動
材や補強材を付帯させているが、重量増加が著しく、能
率面で不利であり、また、過渡特性をも悪くしていた。
このように高弾性繊維を用いた織布や不織布の基材であ
っても基材そのものを活かしきれていないという状況で
あった。
しかして、上記の欠点を解決するものとして、 金属や樹脂を発泡させたもの マイカ粉末を基材としてポパール(PVAL)などを結合
樹脂とした発泡マイカ振動板、等が存在する。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のように金属を用いる場合、任
意の形状にしにくかったり、それ単体では外観上商品価
値が劣っていたり、通気性があるため、その対策として
異質の材料から成るスキン層を設ける必要が生じ、重量
増加が著しく高能率化は困難であり、コスト的にも高く
なってしまうという課題があった。
一方、樹脂では単体発泡であったため剛性に劣り、そ
の補強を目的に、また、外観を改良するため、金属同様
異質の材料から成るスキン材に挟み込む方法があるが、
これも金属と同様に重量増加が著しく高能率化には至ら
ず、加えてコスト的にも高いという課題があった。
また、上記のものにおいては、溶液に分散抄紙する
という行程を経るため、製造コストが高くなる上、設備
も大がかりとなる。また、結合樹脂が耐熱性に劣る。基
材が鱗片状微粉末から成っているため、面剛性を得るた
めに厚みを著しくとらなければならないなどの課題があ
った。
本発明は上記の課題を解決するために提案されたもの
で、その目的とするところは、耐湿熱性、耐水性などに
優れ、面剛性を有し、安価で高弾性高損失の電気音響変
換器用振動板およびその製造方法を提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明の振動板は、ガラス、炭素、アルミナ、炭化ケ
イ素などの無機物の、もしくはアラミド、液晶ポリマ
ー、フェノールなどの有機高分子物の繊維の単体もしく
は複合されて成る織布または不織布を強化基材とし、結
合樹脂が5〜30倍の範囲で任意の倍率を選択調整して発
泡可能で、かつ気泡が独立気泡となるフェノール樹脂か
ら成り、上記基材をコアとし、発泡フェノール樹脂が結
合材および表面スキン材としたことに特徴を有してい
る。
また、製造にあっては、ガラス、炭素、アルミナ、炭
化ケイ素などの無機物の、もしくはアラミド、液晶ポリ
マー、フェノールなどの有機高分子物の繊維の単体もし
くは複合されて成る織布または不織布の強化基材の面
に、予め粉末固体発泡剤を所定量混合したフェノール樹
脂粉末を均一にコートさせ金型によって成形することに
特徴を有している。
(作 用) 本発明では上記のように構成し、織布または不織布を
基材とし、その結合樹脂として発泡可能なフェノール樹
脂を用いており、結合樹脂は発泡しているため、軽量と
なり、基材そのものの性質を十分活かすことができ、比
弾性率、曲げ剛性および内部損失などを向上させること
ができる。よって、周波数帯域が拡大し、かつ歪が少さ
い優れた周波数特性を得ることができる。
また、フェノール樹脂を用いているため、高耐湿熱性
や耐水性に優れている。
さらに、製造にあたり分散抄紙行程を何等必要とせ
ず、また、結合樹脂が表面スキン材を兼ねるので、表面
スキン材を設ける必要もなく、製造を容易とし、ひいて
はコストダウンを図ることができる。
次に、本発明の実施例を説明する。なお、実施例は一
つの例示であって、本発明の精神を逸脱しない範囲で種
々の変更あるいは改良を行なうことは言うまでもない。
〔実施例1〕 ノボラック型フェノール樹脂をベースに硬化剤として
ヘキサメチレンテトラミンを用い、かつ粉末状固体発泡
剤としてニトロソ系のジニトロペンタンメチレンテトラ
ミンを発泡倍率が26倍程度になるよう予め混合させたも
の(群栄化学工業株式会社によって製造・販売された商
品名PGA−4404)を、強化基材として150g/m2のフェノー
ル繊維から成る不織布(上記同社製、商品名カイノール
フエルトS157)の片面に200g/m2をコーティングさせ、
所定の形状の金型を用い、150℃でもって3分間、型圧
力600kgの条件にて加熱成形して振動板径180mmのコーテ
ィン形振動板を得た。
この場合、内部に生じる気泡形態は連続でなく、独立
しているので、加圧、加熱成形の際、発泡ガスの移動が
なく、所望の形状に容易に成形できる。
また、結合樹脂は単に結合材としてのみならず、表面
スキン材をも兼用しているため、表面に別途スキン材を
設ける必要がなく、その分、軽量であり、また、製造も
容易である。
第1図は上記本発明にかかる振動板の断面図で、
(1)は高弾性不織布、(2)は発泡フェノール樹脂で
ある。また、第2図はかかる振動板を有するコーン形ス
ピーカと、同一形状のカーボン繊維クロスを基材とした
エボキシ樹脂を結合樹脂とした振動板を有するスピーカ
との音圧周波数特性を比較したもので、曲線1は前者、
曲線2は後者であり、本発明によるものは特性が向上し
ていることがわかる。
なお、粉末状固体発泡剤はニトロソ系のみならず、ア
ゾ系、ヒドラジド系のものを用いても良い。また、強化
基材としては上記フェノール繊維以外にガラス、炭素、
アルミナ、炭化ケイ素などの無機物の、もしくはアラミ
ド、液晶ポリマーなどの有機高分子繊維の単体または複
合されて成る織布または不織布を用いても良い。また、
強化繊維の片面のみならず両面に発泡可能な結合樹脂を
コーティング、しても良い。さらに、発泡倍率は5〜30
倍の範囲を選択し得る。
〔実施例2〕 上記実施例1と同様結合樹脂として商品名PGA−4404
を用い、それを発泡倍率が14倍程度になるように調合し
た発泡フェノール樹脂を強化基材として芳香族ポリアミ
ド繊維(商品名:Kevler−49と称す)からなる800g/m2
織布の片面に100g/m2を均一にコーティングさせ、実施
例1と同条件にて加熱成形して振動板を得た。第3図は
その振動板の断面図であり、発泡密度が実施例1のもの
に比べ低くなっている。
また、第4図において曲線1は本実施例により作成し
た振動板径30mmのドーム形スピーカの音圧周波数特性
で、曲線2は同一形状のアラミド繊維クロスを基材と
し、フェノール樹脂含浸後、加熱成形して形状をなさせ
繊維間の隙間をアクリル樹脂で充填した振動板の音圧周
波数特性を示すもので、本実施例においては高域特性に
優れていることがわかる。
〔実施例3〕 実施例2と同様に調合された粉末状の発泡フェノール
樹脂と強化基材として、商品名Kevler−49から成る80g/
m2の織布に予めフェノール樹脂(商品名:住友ベークラ
イト社製PR50420と称す)10wt%を含浸せしめ風乾後、
所定の金型にて、220℃、30秒、型圧力1,000kgにて加熱
成形した織布とを所定の金型に、別々に投入して、略同
じ条件にて加熱成形して振動板を得た。
第5図において、曲線1は本実施例により作成した振
動板径30mmのドーム形スピーカの音圧周波数特性で、曲
線2は実施例2でも示した従来品の音圧周波数特性を示
すもので、本実施例においても、高域特性に優れている
ことがわかる。
なお、上記各実施例において発泡倍率を変えることに
より、内部損失のコントロールが可能である。
また、上記各実施例はフェノール繊維または芳香族ポ
リアミド繊維から成る基材と調合された発泡フェノール
樹脂をコーティングして成形したものについて説明した
が、高弾性繊維に限らず、その他にシート状などの基材
を用いたり、基材に実施例3に示した以外の他の樹脂を
用いて予め形状を成さしめたものも用いることができ
る。さらに、その表面に改質または外観向上のための塗
装やコーティングなどの加工をすることもできる。
(発明の効果) 以上のように結合樹脂として発泡可能なフェノール樹
脂から成る結合樹脂を用いた本発明の振動板によれば、 (イ)高比弾性率、高内部損失を有し、音圧周波数特性
において高域共振点を高めピークを平坦化できる。
(ロ)耐高温高湿試験(70℃、95%RH,1500時間)によ
っても何等変化することのない耐湿熱性、耐水性を有す
る。
(ハ)製造が容易でコストダウンを図ることができる。
等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の振動板の概略断面図、第
2図はこの実施例と従来例とを比較した音圧周波数特性
図、第3図は本発明の第2及び第3の実施例の振動板の
概略断面図、第4図は第2実施例と従来例とを比較し
た、また第5図は第3実施例と従来とを比較した音圧周
波数特性である。 1……高弾性不織布繊維 1′……高弾性織布繊維 2……発泡フェノール樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−67636(JP,A) 特開 昭61−87500(JP,A) 特開 昭54−109422(JP,A) 実開 昭57−128288(JP,U) 特公 昭47−29724(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04R 7/02 H04R 31/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス、炭素、アルミナ、炭化ケイ素など
    の無機物の、もしくはアラミド、液晶ポリマー、フェノ
    ールなどの有機高分子物の繊維の単体もしくは複合され
    て成る織布または不織布を強化基材とし、 結合樹脂が5〜30倍の範囲で任意の倍率を選択調整して
    発泡可能で、かつ気泡が独立気泡となるフェノール樹脂
    から成り、上記基材をコアとし、 発泡フェノール樹脂が結合材および表面スキン材となる
    ことを特徴とした電気音響変換器用振動板。
  2. 【請求項2】ガラス、炭素、アルミナ、炭化ケイ素など
    の無機物の、もしくはアラミド、液晶ポリマー、フェノ
    ールなどの有機高分子物の繊維の単体もしくは複合され
    て成る織布または不織布の強化基材の面に、 予め粉末固体発泡剤を所定量混合したフェノール樹脂粉
    末を均一にコートさせ金型によって成形することを特徴
    とした電気音響変換器用振動板の製造方法。
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