JP3045141U - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録再生装置において、電源部のシール
ド板を省く。 【構成】 本考案に係る磁気記録再生装置において、電
源回路はギャップ４１０ａが形成されたコアを有したト
ランス４００を備え、そのコアのギャップ４１０ａから
の漏れ磁束４５０によるＳ極とＮ極とを結ぶ方向と、磁
気ヘッド３１０が設けられたシリンダ３００の中心部と
コアのギャップ４１０ａの中心部とを結ぶ方向とが略垂
直となるように前記トランス４００を配置させ、且つ前
記シリンダ３００と前記トランス４００とは、前記磁気
ヘッド３１０による読み取り信号が前記漏れ磁束４５０
による影響を殆ど受けない程度の距離を開けて配置させ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、磁気記録再生装置、特にビデオテープレコーダおよびビデオテープ レコーダ付テレビ等に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の磁気記録再生装置、特にビデオテープレコーダにおいて、電源回路と、 それ以外の回路つまりビデオ回路とは、別のプリント配線基板に実装し、電気ノ イズや電源用パルストランスの磁界や熱の影響を避けるため、距離をおいて配置 した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、電源回路とビデオ回路とは、多少距離を開けて配置したとして も限られたスペースの中では、電源用パルストランスの磁界の影響を避けにくく 、電源回路にシールド板を被せる必要があった。よってコスト高となっていた。 また、電源回路を実装したプリント配線基板と、ビデオ回路を実装したプリン ト配線基板との間には、多数本の接続配線を施す必要があり、作業性が悪く、更 に、これらの配線は電気ノイズが乗りやすかった。

【０００４】 本考案の目的は、低コスト化の図れる構造を有した磁気記録再生装置を提供す ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る磁気記録再生装置では、電源回路はギャップが形成されたコアを 有したトランスを備え、そのコアのギャップからの漏れ磁束によるＳ極とＮ極と を結ぶ方向と、磁気ヘッドが設けられたシリンダの中心部と前記トランスのギャ ップの中心部とを結ぶ方向とが、略垂直となるように前記トランスを配置させ、 且つ前記シリンダと前記トランスとは、前記磁気ヘッドによる読み取り信号が前 記漏れ磁束による影響を殆ど受けない程度の距離を開けて配置させる。

【０００６】 したがって、トランスから漏れ出ている磁束は、磁気ヘッドの方向に殆ど出て こない。また、磁気ヘッドが設けられたシリンダと前記トランスとは、前記磁気 ヘッドによる読み取り信号が前記漏れ磁束による影響を殆ど受けない程度の距離 を開けて配置させたので、磁気ヘッドが漏れ磁束による悪影響を殆ど受けない。

【０００７】 また、本考案に係る磁気記録再生装置では、電源回路の電子部品が１枚のプリ ント配線基板の１所定領域である電源領域に実装され、前記電源回路の電子部品 以外の磁気ヘッドを始めとした記録再生用電子部品が前記プリント配線基板の電 源領域以外の領域である記録再生用回路領域に取り付けられた前記プリント配線 基板を備える。また、前記電源領域の電源回路はギャップが形成されたコアを有 したトランスを備え、そのコアのギャップからの漏れ磁束によるＳ極とＮ極とを 結ぶ方向と、磁気ヘッドが設けられたシリンダの中心部と前記トランスのギャッ プの中心部とを結ぶ方向とが、略垂直となるように前記トランスを配置させ、且 つ前記シリンダと前記トランスとは、前記磁気ヘッドによる読み取り信号が前記 漏れ磁束による影響を殆ど受けない程度の距離を開けて配置させてもよい。

【０００８】 この場合は、トランスの漏れ磁束は、磁気ヘッドの方向に殆ど出てこない。ま た、磁気ヘッドが設けられたシリンダと前記トランスとは、前記磁気ヘッドによ る読み取り信号が前記漏れ磁束による影響を殆ど受けない程度の距離を開けて配 置させたので、磁気ヘッドが漏れ磁束による悪影響を殆ど受けない。更に、電源 回路の電子部品と、前記電源回路の電子部品以外の磁気ヘッドを始めとした記録 再生用電子部品とは、プリント配線基板上において別々の領域に分けて配置する ことにより、１枚のプリント配線基板上に配置される。

【０００９】 また、本考案に係る磁気記録再生装置では、前記トランスがパルストランスの ように比較的漏れ磁束の大きいトランスであっても、上記のように実施できる。 尚、磁気記録再生装置には、磁気再生専用装置を含むとする。

【００１０】

【考案の実施の形態】

本考案に係る磁気記録再生装置の実施の形態を図１〜図３を参照しつつ説明す る。 図１は本考案に係る磁気記録再生装置におけるプリント配線基板とシリンダ上 の磁気ヘッドとパルストランスとの位置関係と、パルストランスの漏れ磁束の状 態を示す概略図的平面図、図２は本考案に係る磁気記録再生装置におけるパルス トランスを示す概略的側面図、図３はパルストランスのコア部を示す平面図であ る。

【００１１】 本考案に係る磁気記録再生装置は、図１に示されるように、プリント配線基板 １００と、プリント配線基板１００の上部に配置されたビデオ機構部品搭載用シ ャーシ２００と、ビデオ機構部品搭載用シャーシ２００上に配置されたシリンダ ３００と、プリント配線基板１００の上部であって前記ビデオ機構部品搭載用シ ャーシ２００の設けられていない領域に設置された電源回路部のパルストランス ４００とを有している。

【００１２】 プリント配線基板１００は、電源領域１１０と、電源領域１１０以外の記録再 生用回路領域１２０とからなる。 記録再生用回路領域１２０には、図示しない記録再生用電子部品のメイン部品 が実装されており、このメイン部品の上部側を覆うようにシャーシ２００が配設 されている。 シリンダ３００には、磁気ヘッド３１０が設けられている。

【００１３】 パルストランス４００は、図２に示されるように、分割巻タイプであるが、そ のコイルの巻方向が、通常の分割巻タイプと９０°異なる、つまり、通常の分割 巻タイプを横に寝かせて取り付けるタイプである。 パルストランス４００は、コア部４１０と、ベース巻線４２０と、１次巻線４ ２１、４２３と、２次巻線４２２と、これらの巻線を隔離するセクション壁４３ ０、４３１、４３２、４３３、４３４とを有している。

【００１４】 コア部４１０は、図３に示されるように、ＥとＥを組み合わせたＥ−Ｅ型のフ ェライトコアである。 コア部４１０は、中心にギャップ４１０ａを有している。

【００１５】 セクション壁４３０、４３１、４３２、４３３、４３４のそれぞれ下端側４３ ０ａ、４３１ａ、４３２ａ、４３３ａ、４３４ａは、プリント配線基板１００の 図示しない透孔部に挿入され、半田固定される基板端子部となっている。 尚、基板端子部４３０ａには、ベース巻線４２０の一端部４２０ａと、図２に おいて奥側に位置されているベース巻線４２０の他端部とが接続されている。基 板端子部４３１ａには、１次巻線４２１の一端部４２１ａと、図２において奥側 に位置されている１次巻線４２１の他端部とが接続されている。基板端子部４３ ２ａは、ＮＣである。基板端子部４３３ａには、２次巻線４２２の一端部４２２ ａと、図２において奥側に位置されている２次巻線４２２の他端部とが接続され ている。基板端子部４３４ａには、１次巻線４２３の一端部４２３ａと、図２に おいて奥側に位置されている１次巻線４２３の他端部とが接続されている。

【００１６】 パルストランス４００には、高周波電流が流される。よって交番磁界であるた め、磁極の方向は、図２において、Ｓ極が右側の時、Ｎ極が左側となり、逆にＮ 極が右側の時、Ｓ極が左側となる。コア部４１０のギャップ４１０ａからは、こ の磁極の方向に従った漏れ磁束４５０（図１参照）が発生する。 この漏れ磁束４５０は、磁極の方向に縦長に発生している。

【００１７】 このパルストランス４００は、コア４１０のギャップ４１０ａからの漏れ磁束 ４５０によるＳ極とＮ極とを結ぶ方向と、磁気ヘッド３１０が設けられたシリン ダ３００の中心部とコア４１０のギャップ４１０ａの中心部とを結ぶ方向とが、 略垂直となるようにプリント配線基板１００の電源領域１１０に配置されている 。 この電源領域１１０は、シリンダ３００からは最も遠い領域に設けられている 。 パルストランス４００は、高周波電流を流すと熱を持つため、放熱させる必要 から、例えば図１に示されるように、電源領域１１０の中心付近に配置するのが 好ましい。

【００１８】 したがって、上述のように構成された本考案に係る磁気記録再生装置では、シ リンダ３００に設けられている磁気ヘッド３１０に対して、パルストランス４０ ０からの漏れ磁束４５０が影響しないように、パルストランス４００が配置され ている。よって、本考案に係る磁気記録再生装置は、パルストランス４００に被 せるシールド板を必要としないため、低コスト化が図れる。

【００１９】 また、プリント配線基板１００は、電源領域１１０と、電源領域１１０以外の 記録再生用回路領域１２０とからなる１枚の基板であるので、従来のように２枚 以上のプリント配線基板に分けてある時のように、電源回路を実装したプリント 配線基板と、ビデオ回路を実装したプリント配線基板との間に、多数本の接続配 線を施す必要がない。よって、プリント配線基板間の接続配線を施すために必要 だった余計な作業時間を省くことができる。更に、プリント配線基板間の接続配 線がないため、電気ノイズが乗りにくい回路構成となっている。

【００２０】 尚、以上の構成において、パルストランス４００の構造としては、巻線の方向 と、プリント配線基板に挿入される端子部との位置関係以外（例えば、コアの形 状、巻線の数、巻線間の位置関係）は、上述に限定しないことは言うまでもない 。 また、パルストランス４００は、漏れ磁束の方向が上述と同じになる構造を有 した電気的に同等の機能を果たす別種類のトランスと置き換えてもよい。

【００２１】 上述においては、本考案に係る磁気記録再生装置としてビデオテープレコーダ を代表として説明したが、ビデオテープレコーダ付テレビ、テープレコーダ、そ の他の磁気記録再生装置においても上述と同じように、磁気ヘッドと電源用トラ ンスとを配置すれば同等の効果を得ることは明らかであるのでその説明は省略す る。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の請求項１に係る磁気記録再生装置では、電源回 路はギャップが形成されたコアを有したトランスを備え、そのコアのギャップか らの漏れ磁束によるＳ極とＮ極とを結ぶ方向と、磁気ヘッドが設けられたシリン ダの中心部と前記トランスのギャップの中心部とを結ぶ方向とが、略垂直となる ように前記トランスを配置させ、且つ前記シリンダと前記トランスとは、前記磁 気ヘッドによる読み取り信号が前記漏れ磁束による影響を殆ど受けない程度の距 離を開けて配置させる。

【００２３】 したがって、トランスから漏れ出ている磁束は、磁気ヘッドの方向に殆ど出て こない。また、磁気ヘッドが設けられたシリンダと前記トランスとは、前記磁気 ヘッドによる読み取り信号が前記漏れ磁束による影響を殆ど受けない程度の距離 を開けて配置させたので、磁気ヘッドが漏れ磁束による悪影響を殆ど受けない。 よって、従来のように電源回路全体を覆うシールド板を備える必要がなく、低 コスト化が図れる。

【００２４】 また、本考案の請求項２に係る磁気記録再生装置では、電源回路の電子部品が １枚のプリント配線基板の１所定領域である電源領域に実装され、前記電源回路 の電子部品以外の磁気ヘッドを始めとした記録再生用電子部品が前記プリント配 線基板の電源領域以外の領域である記録再生用回路領域に取り付けられた前記プ リント配線基板を備える。また、前記電源領域の電源回路はギャップが形成され たコアを有したトランスを備え、そのコアのギャップからの漏れ磁束によるＳ極 とＮ極とを結ぶ方向と、磁気ヘッドが設けられたシリンダの中心部と前記トラン スのギャップの中心部とを結ぶ方向とが、略垂直となるように前記トランスを配 置させ、且つ前記シリンダと前記トランスとは、前記磁気ヘッドによる読み取り 信号が前記漏れ磁束による影響を殆ど受けない程度の距離を開けて配置させても よい。

【００２５】 この場合は、トランスの漏れ磁束は、磁気ヘッドの方向に殆ど出てこない。ま た、磁気ヘッドが設けられたシリンダと前記トランスとは、前記磁気ヘッドによ る読み取り信号が前記漏れ磁束による影響を殆ど受けない程度の距離を開けて配 置させたので、磁気ヘッドが漏れ磁束による悪影響を殆ど受けない。よって、従 来のように電源回路全体を覆うシールド板を備える必要がなく、低コスト化が図 れる。

【００２６】 更に、電源回路の電子部品と、前記電源回路の電子部品以外の磁気ヘッドを始 めとした記録再生用電子部品とは、プリント配線基板上において別々の領域に分 けて配置することにより、１枚のプリント配線基板上に配置される。したがって 、従来２枚以上のプリント配線基板に分けてある時のように、電源回路を実装し たプリント配線基板と、ビデオ回路を実装したプリント配線基板との間に、多数 本の接続配線を施す必要がない。よって、プリント配線基板間の接続配線を施す ために必要だった余計な作業時間を省くことができる。よって低コスト化が図れ る。また、プリント配線基板間の接続配線がないため、電気ノイズが乗りにくい 構造となっている。

【００２７】 また、本考案の請求項３に係る磁気記録再生装置では、前記トランスがパルス トランスのように比較的漏れ磁束の大きいトランスであっても、上記のように実 施できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る磁気記録再生装置におけるプリン
ト配線基板とシリンダ上の磁気ヘッドとパルストランス
との位置関係と、パルストランスの漏れ磁束の状態を示
す概略図的平面図である。

【図２】本考案に係る磁気記録再生装置におけるパルス
トランスを示す概略的側面図である。

【図３】パルストランスのコア部を示す平面図である。

【符号の説明】

１００ プリント配線基板 １１０ 電源領域 １２０ 記録再生用回路領域 ２００ シャーシ ３００ シリンダ ３１０ 磁気ヘッド ４００ パルストランス ４１０ａ ギャップ ４５０ 漏れ磁束

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電源回路はギャップが形成されたコアを
   有したトランスを備え、そのコアのギャップからの漏れ
   磁束によるＳ極とＮ極とを結ぶ方向と、磁気ヘッドが設
   けられたシリンダの中心部と前記トランスのギャップの
   中心部とを結ぶ方向とが、略垂直となるように前記トラ
   ンスを配置させ、且つ前記シリンダと前記トランスと
   は、前記磁気ヘッドによる読み取り信号が前記漏れ磁束
   による影響を殆ど受けない程度の距離を開けて配置させ
   たことを特徴とする磁気記録再生装置。
2. 【請求項２】 電源回路の電子部品が１枚のプリント配
   線基板の１所定領域である電源領域に実装され、前記電
   源回路の電子部品以外の磁気ヘッドを始めとした記録再
   生用電子部品が前記プリント配線基板の電源領域以外の
   領域である記録再生用回路領域に取り付けられた前記プ
   リント配線基板を具備し、 前記電源領域の電源回路はギャップが形成されたコアを
   有したトランスを備え、そのコアのギャップからの漏れ
   磁束によるＳ極とＮ極とを結ぶ方向と、磁気ヘッドが設
   けられたシリンダの中心部と前記トランスのギャップの
   中心部とを結ぶ方向とが、略垂直となるように前記トラ
   ンスを配置させ、且つ前記シリンダと前記トランスと
   は、前記磁気ヘッドによる読み取り信号が前記漏れ磁束
   による影響を殆ど受けない程度の距離を開けて配置させ
   たことを特徴とする磁気記録再生装置。
3. 【請求項３】 前記トランスがパルストランスであるこ
   とを特徴とする請求項１または２記載の磁気記録再生装
   置。