JP3044932U - 包装容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装容器の周縁部最外周による切創事故を防
止することを課題とする。 【解決手段】 熱可塑性合成樹脂からなる薄板をシート
フォーミングにより成形して打抜いた包装容器におい
て、この容器１０の最外周にその切断面が側面視略波形
状に褶曲する褶曲部１２が形成されていることを特徴と
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は熱可塑性合成樹脂シート材をシートフォーミングにより形成される包 装容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から各種用途に供される包装容器として、図６にその一例を示すように熱 可塑性合成樹脂からなる薄板をシートフォーミング加工によって所定の形状大き さの包装容器１とするものが広く使用されている。

【０００３】 この種の包装容器１は、その開口周縁部（フランジ部）２の最外周２ａは切断 されるため側面視において直線状になっており、かつ上記周縁部２の厚さはシー トフォーミング前の厚さより薄くなっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかして上記従来のシートフォーミング加工によって得られた包装容器１の周 縁部２の最外周２ａは直線状で薄く、鋭利な状態となっているため、容器を取扱 う際に指先などを切ってしまう事故が後を絶たない。

【０００５】 特に容器１に食品類を詰めて包装する業務においては、包装容器１によって受 けた傷が化膿して黄色ブドウ球菌のような食中毒の原因になる菌が食品に混入す ることがないよう、細心の注意を払わなければならなかった。

【０００６】 一方、包装容器１による切創事故を防ぐために、鋭利な最外周２ａを容器の中 心側に折り返して丸みを付けるようにした対策もとられているが、これには一度 成型加工したのち別工程で専用の加工機械を用いて折り返し加工を施さなければ ならず、勢いコストが嵩むものとなることをはじめ、折り返し加工も熱収縮性素 材や平面視円形以外の形状のものには適さないなどの問題点があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、シートフォーミングにより得られる包装容器の最外周を折り返し加 工を施すことなく切創事故を防ぐことができる包装容器を安価に提供することを 課題としてなされたものである。

【０００８】 上記課題を解決するため、本考案は、熱可塑性合成樹脂からなる薄板をシート フォーミングにより成形して打抜いた包装容器において、この容器の最外周にそ の切断面が側面視略波形状に褶曲する褶曲部を形成したことにある。

【０００９】 こうしたことにより、包装容器の取扱い時や内容物の詰納時にその最外周に手 指が当っても、その最外周の切断面が直線状でなく略波形状に褶曲していること により鋭利さがなく、手指を切るような不具合いが解消される。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を図面に示す実施の形態を参照して説明する。

【００１１】 図１は本考案による包装容器１０の一例の外観を示し、図２はその一部を拡大 して示すもので、熱可塑性合成樹脂からなる薄板をシートフォーミングにより器 状に成形され、その開口部周縁には所要幅のフランジ状の周縁部１１が水平方向 に張出すようにシートフォーミング時に打抜かれて形成されている。

【００１２】 上記周縁部１１の最外周には、シートフォーミング時にその切断面が側面より みて略波形状に褶曲する褶曲部１２が形成されている。

【００１３】 上記褶曲部１２の側面視形状は、図１、図２および図３（Ａ）、（Ｂ）にみら れるように所定の間隔をおいて下方に弧状に凹曲する凹部１３，１３…を周縁部 １２の最外周１１ａから所要長さにわたり形成した略波形状のものが最も一般的 であるが、このほか図４（Ａ）、（Ｂ）に示すように側面視波形状のもの、図５ （Ａ）、（Ｂ）に示すような三角形状のものなど適宜な褶曲形状とすることがで きる。

【００１４】 上記褶曲部１２の成形については、例えば成形時に包装容器１０の周縁部１１ の最外周全周に該当する箇所の金型に０．２〜２．０mm程度の高低差を有する凹 または凸の型をその高低差の１５倍以内の間隔をおいて形成し、この凹凸の型に より周縁部１１の最外周１１ａに褶曲部１２を再現させたのち切断して図１のよ うな包装容器１０とされる。

【００１５】 上記の構成により包装容器１０の周縁部１１の最外周１１ａ部分は略波形状に 褶曲する褶曲部１２が存在することによって、その高低差から最外周１１ａの切 断面は見掛け上の厚さが大きく、これにより取扱い時の切創事故を防ぐことがで きる。上記波形状凹凸の高低差を大きくするほど、また凹凸間隔を小さくするほ ど切創事故をより一層防止することができる。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、熱可塑性合成樹脂からなる薄板をシートフォー ミングにより成形して打抜いた包装容器において、この容器の最外周にその切断 面が側面視略波形状に褶曲する褶曲部を形成したので、包装容器の周縁部の最外 周を折り返すような特別な二次加工を施すことなく取扱い時の手指の切創事故を 防ぐことができ、安価で安全な包装容器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による包装容器の一実施形態を示す斜視
図。

【図２】図１の周縁部の一部の拡大斜視図。

【図３】（Ａ）は図２の側面視図、（Ｂ）は平面視図。

【図４】（Ａ）、（Ｂ）は褶曲部形状の他の例を示す側
面視および平面視図。

【図５】（Ａ）、（Ｂ）はさらに他の例を示す図４
（Ａ）、（Ｂ）相当図。

【図６】従来の包装容器を示す斜視図。

【符号の説明】

１、１０ 包装容器 ２、１１ 周縁部 １２ 褶曲部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱可塑性合成樹脂からなる薄板をシートフ
   ォーミングにより成形して打抜いた包装容器において、
   この容器の最外周にその切断面が側面視略波形状に褶曲
   する褶曲部が形成されていることを特徴とする包装容
   器。