JP3044596U - 杖 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】長さを調節固定するさい、空転すること無く固
定が常時安定した状態で、且つ強固に行われる杖を提供
する。 【解決手段】内管１の上端に固着した固定金具６にねじ
軸３を植設固定し、該ねじ軸３には長さ調節部材９６下
端裾部１２が嵌合された偏心円盤５が、回動自在な状態
で取り付けられ、この長さ調節部材９６は、中心部にね
じ軸３挿通用の穴が貫設されテーパー面１３と長手方向
に突出部７ｂを備えていて、該突出部７ｂが拡開弾性を
有する制動筒体８の長手方向に設けられた切り欠部１１
に嵌合し、この制動筒体８の上下内周面にはテーパー面
１０を有し、該筒体８切り欠部１１の上方には別体の長
さ調節部材９ａ長手方向に設けられた突出部７ｂが嵌合
され、この部材９ａののテーパー面１３と前記筒体８の
テーパー面１０とが対向する形で該部材９ａはねじ軸３
に螺合され、この部材９ａの上方、ねじ軸の最上部には
ストッパー４が取り付けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、長さをワンタッチで無段階に調節できるようにした杖の調節装置に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

杖の長さ調節装置としては、プッシュボタン式のものや実用新案登録第３０１ ４４４９１号のようにパイプ及び中棒の側部に複数の鋸歯状の切り欠部を設け、 該部に止め具をくいこませて固定するものがある。 さらには実用新案登録第１９４８３２２号や実開昭６３−１２０９１６及び特 公平７−４９００４に見られるように、管内の制動部材に円錐面を嵌挿して制 動部材を押し広げ、この制動部材を管内面に押接して固定し長さを調節するもの がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、こうように構成されている従来の各固定方法はそれぞれが課題 を有している。例えば、プッシュボタン式のものや鋸歯状部に止め具をくいこま せて固定するものは固定部が弱く登山等に使用する杖に採用するには不安があっ た。 又、前記考案・発明にみられる管内の制動部材を押し広げ管内面に押接して固 定するものは、前記の固定方法に比べ簡便で使い易いとう点が評価され、今日杖 の固定方法は該方法を大方採用している。が、しかし管を回動して制動部材を押 し広げるとき、空転してしまいしっかり固定されなかったり固定が中途半端に終 わってしまうということがしばしば発生するという課題があった。 したがって本考案は、制動部材を管内で押し広げるさい空転することが無く、 固定が常時安定した状態で強固に行われ、登山等のハードな使用にも耐え得る杖 を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため本考案は、外管に内管を摺動自在に嵌挿した杖におい て、内管１の上端に固定金具６を一的に固着し、この固定金具６にねじ軸３を植 設固定し、 該ねじ軸３には長さ調節部材９ｂ下端裾部１２が嵌合された偏心円盤５が、前記 部材９ｂとともにそれぞれが回動自在な状態で取り付けられ、 この長さ調節部材９ｂは、中心部にねじ軸３挿通用の穴が貫設されテーパー且つ 面１３ｂと長手方向に突出部７ｂを備えていて、この突出部７ｂが拡開弾性を有 する制動筒体８の長手方向に設けられた切り欠部１１に嵌合する形で取り付けら れ、 この制動筒体８の上下内周面にはテーパー面１０をそれぞれ有し、該筒体８切り 欠部１１の上方には別体の長さ調節部材９ａ長手方向に設けられた突出部７ａ が嵌合され、この部材９ａのテーパー面１３ａと前記筒体８の内上面テーパー面 １０と対向する形で該部材９ａはねじ軸３に螺合され、 この部材９ａの上方、ねじ軸の最上部にはストッパー４を取り付けられて構成し ている。

【０００５】

【作 用】

外管を握って内管を回すと、内管と一緒にねじ軸が回転しこの回転とともに上 部の長さ調節部材が下降して、この調節部材のテーパー面が制動部材内面のテー パー面に接して、該制動部材を外側に拡開して外管内面に押接密着して係止固定 するとともに、徐々にこの制動部材が下降するにしたがって、制動部材の下方に 位置している別体の長さ調節部材へと進み、この別体の長さ調節部材のテーパー 面が制動筒体内面のテーパー面と接し、上下で制動部材を拡開することとなる。

【０００６】 このとき、制動部材の長手方向に設けられている切り欠部の上下それぞれに、 長さ調節部材に設けられた突出部が嵌合されていて、長さ調節装置の空転を防止 している。 また、長さ調節部材の下端裾部が嵌挿されねじ軸にフリーの状態で取り付けら れた偏心円盤は前記管を回転しねじ軸を回動させる固定作動によって、外周の一 面が外管内面に接触してより固定を強固なものにしている。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明すると、図１は本考案に係る杖 の要部断面図で、杖は内管１と外管２との固定装置によってその長さを調節する もので、上端にグリッブを取り付けた（図示省略）外管に内管を摺動自在に嵌挿 して形成されている。内管の上端には中央部にねじ軸用の穴が貫設されている固 定金具６が一体的に固着され、この穴にねじ軸３が固定植設される。

【０００８】 以下ねじ軸３に取り付けられる各部材について順に説明すると、偏心円盤５は 前記固定金具６とほぼ同径に作られ、偏心位置に設けられた透穴には長さ調節 部材９ｂの下端裾部１２が回動自在に嵌合される。つまり該部材９ｂと偏心円盤 ５はそれぞれがねじ軸に対し回動自在な全くフリーの状態で取り付けられる。 前記部材９ｂの外周面には突出部７ｂが長手方向に突条設されていて、この突 出部を除けば頂部が切断されたような円錐形に形成されていて周面はテーパー面 １３ｂを呈し、中央部には前記ねじ軸嵌挿用の穴が貫設されている。

【０００９】 次にこの部材９ｂの上部に取り付けられるのは、上端から下端にかけた長手方 向に切り欠部１１が設けられている合成樹脂で作られた制動筒体８で、この筒体 ８の内周面上下にはテーパー面１０が設けられていて、ねじ軸３には前記部材９ ｂ同様回動自在なフリー状態で嵌挿される。 さらにこの筒体８の上部に取り付けられるのは、図４に示した長さ調節部材９ ａで、テーパー面１３ａ、長手方向に突出部７ａを有していること中央部に穴が 設けられていること等々前記長さ調節部材９ｂと同一に形成されているが、前記 長さ調節部材９ｂとの相違点は中央部に貫設された穴にあり、該部材９ａの穴は ねじ軸３と螺着するためねじ溝１４が周設されている。 つまりこの部材９ａはねじ軸３の回転によって下方制動筒体８に下降し、テーパ ー面１３ａが筒体８上方内面のテーパ１０に接し制動筒体を徐々に外方に拡開す る作用を行うものである。 そして本考案杖の長さ調節装置のねじ軸３最端上部に一体的に取り付けられる 部材はストッパー４で、これまで説明した各部材がねじ軸３から離脱しないよう にする役目を果たすものである。

【００１０】 図２は偏心円盤で、図３は外方向に拡開弾性を有する制動筒体でである。図４ 及び図５は前記図３の制動筒体の上下から嵌挿して筒体を拡開する役目を果たす 長さ調節部材で、図４の部材９ａはねじ軸上部に螺着されるもので、図５の部材 ９ｂはねじ軸下方に回動自在に取り付けられるものであり、図６は図１の各部材 をねじ軸に組み込み順に斜視図示したものである。

【００１１】 本考案実施例杖の長さ調節装置の制動筒体８には上端から下端にかけ長手方向 に切り欠部１１が設けられていて、この切り欠部１１に長さ調節部材９ａの突出 部７ａが上方から下方向に向かい嵌合され、且つ該切り欠部１１の下方から上方 に向かっては部材９ｂの突出部７ｂが嵌合されていて空転を防止し、高率良く且 つ確実に固定を行うことに役立っている。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明のように、本考案の杖に係る長さ調節装置は、下部の内管を回すだけ の操作によって長さを自由に且つ無段階に調節することができ、しかもその装置 は全て管内に納められているので外面からは何等の違和感も無いばかりでなく、 製作が簡単であることからコストの軽減が計れられる。その上長さを調節固定す るとき、管が空転することが無く強固に固定するので、登山のときにでも使用す することが出来る杖を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る杖の要部断面図である。

【図２】偏心円盤の斜視図である。

【図３】制動筒体の斜視図である。

【図４】調節装置の上部に取り付けられる長さ調節部材
の斜視図である。

【図５】調節装置の下部に取り付けられる長さ調節部材
の正面図である。

【図６】ねじ軸に取り付けられる本考案を構成する部材
の説明斜視図である。

【符号の説明】

１内管 ２外管 ３ねじ軸 ４ストッパー
５偏心円盤 ６固定金具 ７ａ，７ｂ突出部 ８制動体 ９
ａ，９ｂ長さ調節部材 １０テーパー面 １１切り欠部 １２下端裾部 １３ａ，１３ｂテーパー面 １４ねじ穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項 １】外管に内管を摺動自在に嵌挿した杖にお
   いて、内管１の上端に固定金具６を一的に固着し、この
   固定金具６にねじ軸３を植設固定し、該ねじ軸３には長
   さ調節部材９ｂ下端裾部１２が嵌合された偏心円盤５
   が、前記部材９ｂとともにそれぞれが回動自在な状態で
   取り付けられ、この長さ調節部材９ｂは、中心部にねじ
   軸３挿通用の穴が貫設され且つテーパー面１３ｂと長手
   方向に突出部７ｂを備えていて、この突出部７ｂが拡開
   弾性を有する制動筒体８の長手方向に設けられた切り欠
   部１１に嵌合する形で取り付けられ、該制動筒体８の上
   下内周面にはテーパー面１０をそれぞれ有し、この筒体
   ８切欠部１１の上方には別体の長さ調節部材９ａ長手方
   向に設けられた突出部７ａが嵌合され、該部材９ａのテ
   ーパー面１３ａと前記筒体８のテーパー面１０とが対向
   する形で該部材９ａはねじ軸３に螺合され、この部材９
   ａの上方、ねじ軸の最上部にはストッパー４が取り付け
   られて構成したことを特徴とする杖。