JPH0133432Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） この考案は、自転車をこぐ際に足で踏むペダル
のうち、足を乗せるペダル本体をクランク端部に
固定したペダル軸に回転自在に支承するためのボ
ールベアリングを抑える玉押部の改良に関する。

（背景技術） 自転車をこぐ際に足を乗せるペダルは、クラン
クの端部に固定したペダル軸に、足を乗せるため
のペダル本体を回転自在に支承して構成してい
る。第１図はこのようなペダルの１例を示してお
り、一端に雄ねじ部１を有し、この雄ねじ部１を
クランクの端部に設けたねじ孔に螺合し緊締する
ことによりこのクランクの端部に固定されるペダ
ル軸２には、ペダル本体３の中央部に位置する筒
部４が外嵌している。この筒部４と上記ペダル軸
２との間にはこのペダル軸２の両端部の２個所に
於いてボールベアリングによる軸受部を設け、ペ
ダル本体３をペダル軸２の周囲で回転自在として
いる。このような軸受部を構成するボールベアリ
ングを押圧する玉押のうち、雄ねじ部１寄りの玉
押はペダル軸２と一体に形成するが、ペダル軸２
の反対端に設ける玉押は、後からこのペダル軸２
に固定する。

第２図は、従来のこのような玉押部の第１例を
示しており、ペダル軸２の端部に形成した雄ねじ
部５に螺合した玉押６と、ペダル本体の筒部４に
内嵌した玉受７との間にボールベアリング８を挾
持している。雄ねじ部５には、更にこの雄ねじ部
側面に形成した溝９と係合する突部１０を有し、
雄ねじ部５に回転不能に外嵌する座金１１と、ロ
ツクナツト１２とを設けている。ところが、この
ような玉押部の構造では、玉押６の緩み止めが完
全とは言えず、ペダルを長期間使用すると玉押６
が緩み、ペダル本体３がペダル軸２に対してがた
つくようになる。

このため、従来も第３図に示すように、ペダル
軸２の端部に形成した小径部２ａに玉押６を外嵌
した後、玉押６から突出したこの小径部２ａの端
部を圧潰し、上記玉押６をペダル軸２の端部にか
しめ固定することが行なわれている。ところが、
従来は断面円形の小径部２ａに円孔１３を形成し
た玉押６を外嵌し、かしめ固定していたため、か
しめ不良や経時的なかしめ部の緩み等によつて玉
押６がペダル軸２に対して回転し易く、玉押６が
回転した場合、この玉押６とペダル軸２との摺動
面が次第に摩耗して玉押部にがたつきを生じ易
い。

（本考案の目的） 本考案は上述のような不都合を解消し、長期間
使用した場合でもがたつきを生じることがなく、
安定した性能を得られる自転車用ペダルの玉押部
を提供することを目的としている。

（本考案の構成） 本考案の自転車用玉押部は、ペダル軸端部の小
径部に外嵌してこの小径部にかしめ固定する玉押
の中心部に設ける孔を、上記小径部にがたつきが
なく外嵌できる円孔部と、この円孔部に連続して
次第に断面積の広がる断面形が非円形で摺鉢状の
傾斜面部とで構成し、上記ペダル軸端部の小径部
を、このような玉押の孔に円孔部の側から挿入す
るとともにこの小径部を傾斜面部に合せてかしめ
広げて、ペダル軸端部に玉押を固定している。

（本考案の実施例） 次に、図示の実施例を説明しつつ本考案を更に
詳しく説明する。

第４図は本考案の自転車用ペダルの玉押部を示
している。ペダル軸２の端部の小径部２ａにかし
め固定された玉押６の中心に設けた孔１４は、断
面円形の小径部２ａに密に外嵌できる円孔部１４
ａと、この円孔部１４ａに連続し断面が次第に広
くなる摺鉢体の傾斜面部１４ｂとから成つてい
る。この傾斜面部１４ｂの断面形は円形以外と
し、例えば第５図に示す楕円形、第６図に示す六
角形、第７図に示す菊形の他、第８図に示すよう
に円形部分に溝１５，１５を形成したもの等が考
えられる。

ペダル軸２の端部に形成した小径部２ａは、こ
のような玉押６の中心部の孔１４に、円孔部１４
ａの側から挿入し、先端を圧潰してその外周面を
傾斜面部１４ｂの内周面に密接させている。この
ように小径部２ａを圧潰し、傾斜面部１４ｂに密
接させることにより、玉押６はペダル軸２の端部
にがたつきなく固定される。また、傾斜面部１４
ｂの断面形状は非円形となつているため、玉押６
がペダル軸２に対して回動することがなく、長期
間＝使用後に於いても玉押６の装着部に魔耗によ
るがたつきを生じることがない。

（本考案の効果） 本考案の自転車用ペダルの玉押部は、以上に述
べた通り構成されるので、長期間の使用によつて
もがたつきを生じることがなく、性能の安定した
自転車用ペダルを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自転車用ペダルの１例を示す斜視図、
第２図は従来の玉押部の第１例、第３図は同第２
例を示すそれぞれ第１図のＡ−Ａ断面図、第４図
は本考案の玉押部の実施例を示す第２〜３図同様
の図、第５図Ａ，Ｂは玉押の第１例を示してお
り、同図Ａは正面図、同図Ｂはこの半部縦断面
図、第６図Ａ，Ｂは第２例、第７図Ａ，Ｂは第３
例、第８図Ａ，Ｂは第４例を示すそれぞれ第５図
Ａ，Ｂ同様の図である。 １……雄ねじ部、２……ペダル軸、２ａ……小
径部、３……ペダル本体、４……筒部、５……雄
ねじ部、６……玉押、７……玉受、８……ボール
ベアリング、９……溝、１０……突部、１１……
座金、１２……ロツクナツト、１３……円孔、１
４……孔、１４ａ……円孔部、１４ｂ……傾斜面
部、１５……溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ペダル本体の筒部を回転自在に支承するペダル
   軸の端部に形成した断面円形の小径部をがたつき
   なく挿通できる円孔部とこの円孔部に連続し次第
   に断面積の広がる断面が非円形の傾斜面部とから
   成る孔を中心に有する玉押の孔に、円孔部の側か
   ら挿入した上記小径部を圧潰して上記傾斜面部の
   内周面に密接させた自転車用ペダルの玉押部。