JP3044016B2 - 容器詰め卵粥または卵雑炊 - Google Patents

容器詰め卵粥または卵雑炊

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JP3044016B2
JP3044016B2 JP10233917A JP23391798A JP3044016B2 JP 3044016 B2 JP3044016 B2 JP 3044016B2 JP 10233917 A JP10233917 A JP 10233917A JP 23391798 A JP23391798 A JP 23391798A JP 3044016 B2 JP3044016 B2 JP 3044016B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外観に優れ、しか
も好ましい風味を有する容器詰め卵粥または卵雑炊に関
する。
【0002】
【従来の技術】常温流通可能な容器詰め卵粥または卵雑
炊は、通常レトルト処理を施されている。しかしなが
ら、レトルト処理を施すと卵部分(卵白のみは除く)
黒変を起こす傾向にあった。そのため、卵部分(卵白の
みは除く)の黒変を抑える目的で卵粥または卵雑炊にポ
リリン酸を添加することが従来より行われている。
【0003】しかしながら、ポリリン酸を添加した卵粥
または卵雑炊は、卵の黒変は抑えることができるもの
の、ポリリン酸の添加によりpHが上昇するためか、粥
自体の褐変を十分に抑えることが出来ず外観上好ましい
ものとは言い難く、また、硫化水素臭や耐熱性容器由来
の臭いが強く感じられ風味に劣る傾向にあった。さら
に、ポリリン酸はその構造において多数のリンを含有し
ているため、リンの過剰摂取によるカルシウムやミネラ
ルの吸収阻害が懸念されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、外観に優れ、しかも好ましい風味を有する容器詰め
卵粥または卵雑炊を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、卵液(卵白のみは除
く)の凝固物を含有しレトルト処理してなる容器詰め卵
粥または卵雑炊において、醸造酢、柑橘果汁および醗酵
乳酸の1種または2種以上を、全体量に対し有機酸とし
て0.005〜0.5%添加してなる容器詰め卵粥また
は卵雑炊を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。な
お、本発明において%とは、特に規定している場合を除
き、すべて重量%である。本発明において容器詰め卵粥
または卵雑炊とは、アルミパウチ、缶などの耐熱性容器
に充填・密封し、100℃以上のレトルト処理を施した
常温流通可能な製品をいう。
【0007】本発明において有機酸とは、少なくとも1
個以上のカルボキシル基を有する有機化合物をいい、1
個のカルボキシル基を有する有機酸としては、例えば、
酢酸、乳酸、プロピオン酸、グルコン酸などが挙げら
れ、また、2個以上のカルボキシル基を有する有機酸と
しては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フ
マル酸、酒石酸、コハク酸などが挙げられる。また、本
発明では、これらの有機酸を直接用いてもよいが、有機
酸を含有した有機酸含有物であるリンゴ酢、ワインビネ
ガー、モルトビネガー、米酢、粕酢などの醸造酢、レモ
ン、かぼすなどの柑橘果汁、および発酵乳酸の1種また
は2種以上を用いたほうが、後述で示すようにより風味
に優れており好ましい。また、有機酸の添加量として
は、好ましくは0.005〜0.5%であり、さらに好
ましくは0.005〜0.1%である。添加量が0.0
05%より少ないと、卵部分(卵白のみは除く)の黒変
および粥部分の褐変を十分に抑えることができず外観に
優れた卵粥または卵雑炊が得られない。一方、添加量が
0.5%より多いと、酸味が強くなり好ましくない。
【0008】本発明の容器詰め卵粥または卵雑炊は、如
何なる理由により外観に優れ、しかも好ましい風味を有
するかは定かではないが、有機酸を添加することで、ポ
リリン酸を添加した場合、あるいは有機酸を添加しない
場合よりpHが低下することから、レトルト処理による
卵中のイオウ成分の遊離が抑えられ、これにより卵部分
(卵白のみは除く)の黒変の原因である硫化鉄の発生が
抑えられると共に卵(卵白のみは除く)の凝固物に卵本
来の風味を保持できたのではないかと推察される。ま
た、pHを低下させることにより、レトルト処理で起こ
り易い糖とアミノ酸のメイラード反応も抑えられ、これ
により粥部分の褐変を抑えられたのではないかと推察さ
れる。
【0009】以下に、本発明の代表的な製造方法を説明
するが、特に、この製造方法に限定するものではない。
清水に所定量の有機酸と食塩、醤油、グルタミン酸ナト
リウム、核酸などの調味料、清酒、ミリンなどの風味付
与材、香辛料、エキス材を適宜選択し、その適量を添加
し、ニーダーなどの攪拌機で90℃以上に加熱混合して
調味液を調製する。この加熱した調味液を2〜10rp
m程度の低速回転で攪拌させながら、卵粥または卵雑炊
に通常配合されている卵液(卵白のみは除く)の量、つ
まり調味液に対し5〜10%程度の卵液(卵白のみは除
く)を徐々に添加し、卵液(卵白のみは除く)を薄肉偏
平状の小片に凝固させ、調味液中に卵液(卵白のみは除
く)の凝固物を分散させる。次に、原料米と前記卵液の
凝固物を分散させた調味液および必要に応じ具材をアル
ミパウチなどの耐熱性容器に充填・密封した後、100
〜130℃で10〜60分程度レトルト処理を施して容
器詰め卵粥または卵雑炊を製する。なお、前記原料米の
充填量としては、卵粥または卵雑炊に通常配合されてい
る充填量、つまり生米換算で全充填量の5〜10%とな
るように充填するばよく、また、用いる原料米として
は、特に限定するものではないが、例えば、生米を洗浄
した洗浄米、さらに水浸漬処理した浸漬米などが挙げら
れる。
【0010】次に、本発明を実施例・試験例に基づき、
さらに詳細に説明する。
【実施例】実施例1(卵粥) ニーダーに清酒5kgを投入し、加熱を行いアルコール
分を蒸発させた。その後、清水367kg、L−グルタ
ミン酸ナトリウム1kg、食塩2kgおよびリンゴ酢
(酢酸含量:約5%)1kgを投入し、加熱混合を行い
調味液を調製した。次に、調味液が約95℃に達温した
後、攪拌しながら液全卵30kgを徐々に添加し、卵液
(卵白のみは除く)の凝固物である薄肉偏平状の小片物
が分散された調味液約400kgを得た。
【0011】次に、常法により洗浄し約60分間浸漬処
理した精白米18gと前記卵液(卵白のみは除く)の凝
固物を分散させた調味液232gずつを250ml容量
のアルミスタンドパウチに充填し密封後、121℃で2
0分間レトルト処理を施し、容器詰め卵粥を得た。
【0012】実施例2(卵雑炊) ニーダーにみりん10kg、鰹エキス15kg、昆布エ
キス5kg、食塩3kg、醤油5kg、L−グルタミン
酸ナトリウム1kg、リンゴ酢(酢酸含量:約5%)1
kgおよび清水340kgを投入し、加熱混合を行い調
味液を調製した。次に、調味液が約95℃に達温した
後、攪拌しながら液全卵20kgを徐々に添加し、卵液
(卵白のみは除く)の凝固物である薄肉偏平状の小片物
が分散された調味液約400kgを得た。
【0013】次に、細切りにカットした人参5g、椎茸
5gおよび竹の子5gと常法により洗浄し約60分間浸
漬処理した精白米30gと前記卵液(卵白のみは除く)
の凝固物を分散させた調味液255gずつを300ml
容量のアルミスタンドパウチに充填し密封後、120℃
で25分間レトルト処理を施し、容器詰め卵雑炊を得
た。なお、前記細切りにカットした人参および竹の子
は、カットした後、5分程度ボイルし水冷したものを用
いた。得られた卵雑炊は、卵部分(卵白のみは除く)
黒変および雑炊(ご飯)部分の褐変も観察されず、ま
た、容器由来の臭いも殆どせず、好ましい卵風味を有し
ていた。
【0014】
【試験例】試験例1 本発明品として実施例1の卵粥および実施例1のリンゴ
酢の替わりに表1の有機酸あるいは有機酸含有物を添加
して製した卵粥を、比較品として実施例1のリンゴ酢の
替わりにポリリン酸を添加して製した卵粥あるいは有機
酸を添加しない卵粥をそれぞれ調製し、得られた卵粥の
外観を目視により、また風味については、温めた後、試
食し評価した。なお、有機酸、有機酸含有物およびポリ
リン酸の添加量は、実施例1のリンゴ酢中の有機酸であ
る酢酸の含有量に合わせて添加した。
【0015】
【表1】
【0016】表1より、有機酸あるいは有機酸含有物を
添加した本発明品は、有機酸を添加していない比較品に
比べ、卵部分(卵白のみは除く)の黒変および粥部分の
褐変が抑えられ、しかも容器由来の臭いも殆どせず、好
ましい卵風味を有していた。また、ポリリン酸を添加し
た比較品に比べても、粥部分の褐変が抑えられ、しかも
容器由来の臭いも殆どせず、好ましい卵風味を有してい
た。これより、有機酸あるいは有機酸含有物を添加した
本発明品は、外観に優れ、しかも好ましい風味を有する
ことが理解される。特に、有機酸含有物である醸造酢、
柑橘果汁、発酵乳酸を添加したものは、非常に好ましい
卵風味を有していた。
【0017】試験例2 実施例1において、リンゴ酢の添加量を表2に示すリン
ゴ酢中の有機酸である酢酸の相当量に変えて卵粥を製
し、得られた卵粥の外観および酸味を試験例1と同様な
方法で評価した。
【0018】
【表2】
【0019】表2より、酢酸添加量が0.005%より
少ないと、得られた卵粥は卵部分(卵白のみは除く)
黒変し、かつ粥部分も褐変していた。一方、酢酸添加量
が0.5%より多いと、得られた卵粥は酸味を強く感じ
た。これより、外観に優れ、しかも好ましい風味を有す
る卵粥を得るには有機酸の添加量が0.005〜0.5
%であることが好ましいことが理解される。特に、有機
酸の添加量が0.005〜0.1%のものは、卵部分
(卵白のみは除く)の黒変および粥部分の褐変も抑えら
れ、酸味も感じなかった。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の容器詰め卵
粥または卵雑炊は、従来品に比べ外観に優れ、しかも好
ましい風味を有していることから、卵粥または卵雑炊の
需要の拡大が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】卵液(卵白のみは除く)の凝固物を含有し
    レトルト処理してなる容器詰め卵粥または卵雑炊におい
    て、醸造酢、柑橘果汁および醗酵乳酸の1種または2種
    以上を、全体量に対し有機酸として0.005〜0.5
    %添加してなる容器詰め卵粥または卵雑炊。
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