JP2003169624A - 酸性粘性調味液 - Google Patents

酸性粘性調味液

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸性度が強く、付着性に優れ、粘性が高くて
垂れにくく、かつ粘性が長期間に渡り安定で、例えば寿
司ネタに塗って調味するのに適した酸性粘性調味液を提
供することを目的とする。 【解決手段】 2〜4.5重量%の架橋澱粉、0.1〜
1重量%のキサンタンガム及び0.1〜1重量%の高メ
トキシルペクチンを含有してなり、pH3〜4で、粘度
が2000〜20000mPa・sであることを特徴と
する、酸性粘性調味液を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸性粘性調味液に関
し、さらに詳しくは酸性度が高く、かつ食材に塗った際
に付着性が良くて垂れ流れにくく、しかも粘性が長期に
渡り安定で、例えば寿司ネタなどに塗って調味するのに
適した酸性粘性調味液に関する。
【0002】
【従来の技術】寿司ネタは生で未調味のものが多く使わ
れており、寿司を食する際に醤油などをつけて調味して
食されるのが一般的である。しかし、中にはカツオ、マ
グロなどのタタキや、ホタテ、海老、平目の縁側などの
ように、直火で炙るなど、一旦加熱処理した、いわゆる
炙り寿司用の寿司ネタなどがあり、これらの寿司ネタ
は、スダチ、ユズや梅などの酸味果実の果汁を調味料と
して予め塗布したり、かけたりして調味されて使用する
場合があった。
【0003】このような場合の酸味果実の果汁の働きと
しては、果汁の酸味が、加熱調理などによって溶出した
ネタの脂肪分による脂っこさを緩和したり、魚介類特有
の生臭みを抑えたり、また、果汁特有の香りによって寿
司ネタにさわやかさを与えたりできることが挙げられ
る。
【0004】しかし、これら従来の酸味果汁系の調味液
は、寿司ネタへの付着性が悪く、寿司ネタに充分の調味
が行えないばかりか、粘度が低く、流動性が高いもので
あるために寿司ネタから流れ落ちてしまい、垂れ流れた
酸味果汁がごはん(シャリ)や海苔に浸透して寿司の食
感や呈味を低下させてしまうなどの問題があった。
【0005】そこで、酸味果汁などを含有する酸性(p
H3〜4程度)の調味液に粘性を付与するなどして、寿
司ネタなどに付けた際に、付着性がよく、垂れ流れにく
いものを開発することが望まれていた。
【0006】一方、酸性の調味液に粘性を与えて、かつ
その粘性を安定に維持させる方法については、従来から
種々の検討がなされており、例えば特開平4−1211
60号公報には、酸性(pH3〜5)の調味液に化工澱
粉と、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェラ
ンガム又はタマリンド種子ガムの1種以上とを併用添加
する方法が開示されている。しかし、このような方法に
よって本発明のようなpH4以下の強い酸性の調味液を
調製した場合でも、調製直後は目的とする付着性や垂れ
流れにくさは達成できるものの、調製後の流通期間を考
慮した長期間に渡って、その粘性を安定的に維持するこ
とは難しいことが判明した。
【0007】すなわち、強い酸性(pH3〜4程度)
で、付着性に優れ、粘性が高くて垂れ流れにくく、かつ
その粘性を長期に渡り安定に保持することができて、寿
司ネタなどに塗り付けるのに適した酸性粘性調味液の開
発が強く望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
要望に応え、強い酸性(pH3〜4程度)で、付着性に
優れ、粘性が高くて垂れ流れにくく、かつその粘性を長
期に渡り安定に保持することができて、寿司ネタなどに
塗り付けるのに適した酸性粘性調味液を開発し、提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、化工澱粉の中でも特に
架橋澱粉を使用し、かつキサンタンガムを併用した上
で、さらにペクチンの中でも特に高メトキシルペクチン
を含有させることにより、酸性の強い調味液において
も、充分な付着性と垂れ流れにくさを達成し、かつその
粘性を長期間に渡り安定に維持できることを見出し、こ
の知見に基いて本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、請求項1に係る発明は、2〜
4.5重量%の架橋澱粉、0.1〜1重量%のキサンタ
ンガム及び0.1〜1重量%の高メトキシルペクチンを
含有してなり、pH3〜4で、粘度が2000〜200
00mPa・sであることを特徴とする、酸性粘性調味
液を提供するものである。
【0011】また、請求項2に係る発明は、2〜4.5
重量%の架橋澱粉、0.1〜1重量%のキサンタンガム
及び0.1〜1重量%の高メトキシルペクチンを含有し
てなり、pH3〜4で、粘度が2000〜20000m
Pa・sであることを特徴とする、炙り寿司用の酸性粘
性調味液を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。なお、本発明において、各成分の最適濃度など
は、後記した試験1〜3の結果から決定されたものであ
る。本発明の酸性粘性調味液は、果汁や食酢などの酸性
調味料などを用いて、そのpHを3〜4の範囲に調整さ
れる。ここでpH3未満では、酸味が強くなり過ぎてし
まい嗜好的に好ましくなく、また、寿司ネタの変色など
も起きる場合があることなどから好ましくない。一方、
pH4を超えると、さわやかな調味性が低下してしまっ
たり、生臭みなどを消去する能力が低下するなどの欠点
が生じるため好ましくない。
【0013】さらに、本発明の酸性粘性調味液の粘度
は、2000〜20000mPa・sの範囲に調製され
る必要がある。粘度が2000mPa・sを下回ると、
寿司ネタなどに塗ったときに垂れ流れやすくなるので好
ましくない。一方、20000mPa・sを上回ると、
粘性が強くなり過ぎて寿司ネタなどに塗りにくくなり、
また、食感としても粘り気の残存感が強くなるので好ま
しくない。
【0014】本発明の酸性粘性調味液においては、2〜
4.5重量%の架橋澱粉を含有していることが必要であ
る。ここで架橋澱粉とは、架橋化処理を施された澱粉を
指す。この架橋澱粉の原料となる澱粉としては、コーン
スターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカなどがある
が、中でもワキシーコーンスターチを原料としたものが
より好ましい。なお、澱粉の化工方法としては、酢酸エ
ステル化やリン酸エステル化などのエステル化処理、ヒ
ドロキシプロピルエーテル化などのエーテル化処理、及
び燐酸架橋化やアジピン酸架橋化などの架橋化処理など
があるが、本発明の酸性粘性調味液においては、これら
の中でも少なくとも架橋化処理を施されたものが用いら
れ、特に架橋化処理にエステル化処理やエーテル化処理
などを組み合わせたものがより好ましい。さらに、架橋
澱粉の内で最も本発明に適したものとしては、ワキシー
コーンスターチを原料として、ヒドロキシプロピルエー
テル化とアジピン酸架橋化を組み合わせた化工処理によ
って製造されたヒドロキシプロピル化アジピン酸架橋澱
粉が挙げられる。
【0015】このような架橋澱粉の含有量としては、2
〜4.5重量%であることが必要である。架橋澱粉の含
有量が2重量%未満では、寿司ネタなどへの付着性が低
下し、また粘性も低下するので、必要量を寿司ネタに付
着させることが難しくなり、垂れ流れてしまって、ネタ
の下に存在するシャリや周囲の海苔にまで調味液が付着
してしまい、寿司の食感や味が悪くなってしまうので好
ましくない。一方、4.5重量%を超えると、流動性が
低下し寿司ネタに塗りにくくなるため好ましくない。
【0016】さらに、本発明の酸性粘性調味液には、上
記架橋澱粉と共に、増粘安定剤としてキサンタンガムが
併用される。食品に用いられる増粘安定剤としては、グ
アーガム、カラギーナンなど各種のものが知られている
が、本発明のようにpH3〜4のような強い酸性条件下
で増粘安定作用を発揮できるものとしてはキサンタンガ
ムが最も好ましい。キサンタンガム以外の他の増粘安定
剤では、充分な粘性が維持できなかったり、ゲル化が起
きたりするため使用することができない。なお、キサン
タンガムの種類としては、通常市販されているものであ
れば特に限定はない。
【0017】また、キサンタンガムの含有量としては
0.1〜1重量%であることが必要である。キサンタン
ガムの含有量が0.1重量%未満では該調味液製造後
に、比較的短時間で離水現象が生じ、粘性が急激に低下
してしまうので好ましくない。一方、キサンタンガムの
含有量が1重量%を超えると、ゲル状になってしまい、
寿司ネタなどへの付着性を弱めてしまうので好ましくな
い。
【0018】さらに、本発明の酸性粘性調味液には、該
調味液を製造後の流通期間を通じて、粘度を長期間安定
に維持させるために、特に高メトキシルペクチンが使用
される。すなわち、本発明において使用されるペクチン
としては、エステル化度が高くてメトキシル基が50%
以上のペクチン、つまり高メトキシルペクチン(以下、
HMペクチンと称する。)が良く、メトキシル基が50
%未満のペクチン、つまり低メトキシルペクチン(以
下、LMペクチンと称する。)では粘度安定化に効果が
ない。なお、HMペクチンは、その性質上、調味液中の
糖濃度が40%以上と高くなるとゲル化してしまう性質
を有しているため、該調味液の糖濃度は40%以下とす
るのが好ましい。
【0019】HMペクチンとしては、精製加工されたH
Mペクチンを使用するのが好ましいが、HMペクチンを
比較的高い比率で含有する梅、柑橘類等の天然物そのも
のを摩砕するなどの加工処理をした後、適量使用しても
良い。HMペクチンの含有量としては、0.1〜1重量
%であることが必要である。HMペクチンの含有量が
0.1重量%未満では充分な粘度維持効果が得られない
ため、好ましくない。一方、HMペクチンの含有量が1
重量%を超すと逆に付着性が低下するので好ましくな
い。
【0020】請求項1に係る本発明の酸性粘性調味液は
以上の如きものであり、所定量の架橋澱粉、キサンタン
ガム及びHMペクチンを用い、さらに果汁や酸味料を使
用して、pH3〜4で、粘度が2000〜20000m
Pa・sとなるように調製され、その後、85〜95℃
程度の殺菌処理の後、瓶などの容器に充填することによ
り製造することができる。
【0021】なお、該調味液には、風味や調味性を向上
させる等の多様化を図るために、柑橘類や梅などを主体
とする各種果汁や果肉、醤油、味噌、みりんなどの調味
料、砂糖などの甘味料や食塩などの各種の調味成分を必
要に応じて添加しても差し支えない。
【0022】以上の如き請求項1に係る本発明の酸性粘
性調味液は、寿司ネタ用、特に請求項2に記載したよう
に、炙ったり焼いたりなどの加熱調理を施した寿司ネタ
用、つまり炙り寿司用の酸性粘性調味液として有用であ
る。本発明の酸性粘性調味液を寿司ネタなどに使用する
には、生のままのものや、必要に応じて、煮る、焼く、
炙るなどし、必要サイズに切り分けたネタに、刷毛など
を用いて塗ったり、ネタの上からかけたりして用いるこ
とができる。なお、本発明の酸性粘性調味液の特徴をさ
らに生かすことができるのは、カツオ、マグロなどのタ
タキや、ホタテ、海老、平目の縁側などのように直火で
炙って加熱した炙り寿司ネタなどに用いた場合である。
【0023】本発明において、各成分の最適濃度を決定
すべく、以下、各種の試験を実施した。
【0024】〔試験1〕架橋澱粉濃度の決定 架橋澱粉の必要含有量を決定すべく、以下の試験を実施
した。まず、表1に示す組成の調味液を調製した。な
お、ここで用いたスダチ果汁はスダチ果実を圧搾した搾
汁を冷凍保存したものであり、解凍後使用した。また、
クエン酸は無水クエン酸を使用し、醤油及び砂糖はそれ
ぞれ市販の濃口醤油及び上白糖を使用した。
【0025】さらに、表1中の架橋澱粉とキサンタンガ
ムについては、表2に示すような濃度(重量%)で含有
させ、その後90℃で加熱殺菌し、壜詰して酸性粘性調
味液とした。なお、架橋澱粉としては松谷化学製ファリ
ネックスW50(ヒドロキシプロピル化アジピン酸架橋
澱粉)を用い、またキサンタンガムとしては大日本製薬
社製モナートガムGSを用いた。なお、pHは全て3.
5に調整した。
【0026】
【表1】
【0027】そして、架橋澱粉の各含有量における各調
味液の調製直後の、粘度、付着性(付着率)、塗り易
さ、食味評価を比較検討した。なお、粘度は東京計器B
型粘度計を用い、20℃、30rpmの条件で測定し
た。また、付着性については、マグロのタタキの寿司ネ
タに約1g程度ずつの各酸性調味液を載置し、10分後
に該寿司ネタに付着している量を計測し、以下の計算式
で求められる付着率を測定し、その結果を評価して表し
た。 付着率(%)=(10分後の付着量/最初の載置量)×
100
【0028】また、塗り易さについても、マグロのタタ
キの寿司ネタを用い、これに刷毛で1g程度づつ各調味
液を塗り、その時の塗りやすさの程度を評価した。さら
に、このようにして各酸性粘性調味液を塗ったマグロの
寿司ネタを官能検査員20名で食して食味評価を実施し
た。さらに、離水性については、各調味液を調製後、2
日間静置保存後に壜内の各調味液の分離状態を肉眼的に
観察して確認した。付着性、塗り易さ、食味評価、離水
性の評価結果は、×:好ましくない、△:どちらとも言
えない、○:好ましいの三段階で評価した。以上の結果
を、表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】表2に示した結果から、粘性酸性調味液に
付着性を付与するためには架橋澱粉(ヒドロキシプロピ
ル化アジピン酸架橋澱粉)の使用が必須であり、かつそ
の含有量は2重量%以上であることが判明した。しか
し、架橋澱粉の添加濃度を高め過ぎて、5重量%以上に
すると、粘性が強くなり過ぎて、刷毛で塗りにくくな
り、また食感もベタツキが認められて食味評価が良くな
いことが判明した。以上の結果、架橋澱粉の含有量は2
〜4.5重量%であることが必要であると判明した。ま
た、粘性酸性調味液の粘度は、2000〜20000m
Pa・s程度が適切であることが確認された。
【0031】〔試験2〕キサンタンガム濃度の決定 次いで、キサンタンガムの最適濃度を決定すべく、以下
の試験を実施した。すなわち、表1に示した調味液を用
い、試験1と同様にして表3に示した濃度(重量%)で
架橋澱粉とキサンタンガムを添加して酸性粘性調味液を
調製し、以下、試験1と同様にして粘度、付着性(付着
率)、塗り易さ、食味評価、離水性の評価を実施した。
なお、各酸性粘性調味液の粘度は5000mPa・s前
後に統一して調製した。結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】表3の結果から、キサンタンガムは、調製
直後の酸性粘性調味液にとっては不必要であるが、数日
の保存後に発生する酸性粘性調味液の離水防止の為に必
須であり、またその必要な含有量は0.1重量%以上で
あることが確認された。しかし、キサンタンガムの含有
量を高めていくと次第に付着性の低下が認められ、ま
た、食味評価上も後味をひくため、キサンタンガムの添
加濃度は1重量%以下にする必要があることが判明し
た。
【0034】〔試験3〕ペクチンの種類と濃度の決定 試験1及び試験2の結果から、架橋澱粉を2〜4.5重
量%、キサンタンガムを0.1〜1重量%使用すること
が、酸性粘性調味液を開発する上で必須であることが確
認されたが、このようにして製造された酸性粘調味液を
さらに長期間保存しておくと、粘性が次第に低下し、寿
司ネタへの付着性が低下してしまうことが判明した。そ
こで長期間保存しても、粘性の低下を起こりにくくする
ために、ペクチンを併用することを考え、以下ペクチン
の種類と最適濃度を決めるべく、試験した。
【0035】試験は、表1の調味液を用い、試験1及び
試験2と同様にして酸性粘性調味液を調製し、その際に
架橋澱粉とキサンタンガムに加えて、ペクチンを各種濃
度で添加し含有させた(含有量:重量%)。なお、架橋
澱粉及びキサンタンガムは試験1及び試験2と同様のも
のを用い、それぞれの添加濃度(含有量)は架橋澱粉が
3.3重量%であり、またキサンタンガムは0.3重量
%であった。また、ペクチンは大日本製薬製のクラシッ
クAF−701(LMペクチン)及びクラシックCM−
201(HMペクチン)を用い、表4に示した様な各添
加濃度(重量%)で添加して、各酸性粘性調味液を調製
した。なお、pHは全て3.5とした。
【0036】このようにして調製された各酸性粘性調味
液の調製直後の粘度を試験1及び試験2と同様の方法で
測定し、さらに各々を40℃で1ヶ月間保存した後に再
び粘度を測定して、粘度低下の程度を比較した。また、
各酸性粘性調味液の食味表かも、試験1及び試験2と同
様にして実施した。以上の結果を表4に示した。
【0037】
【表4】
【0038】HMペクチンを添加したものではペクチン
無添加の対照と比べて、長期間保存後に粘度が低下する
のを防止する効果が高かったが、LMペクチンでは対照
と同程度であり、粘度低下を防止する能力はなかった。
なお、HMペクチンの添加濃度(含有量)を高めると、
調味液が次第にゲル状化して、寿司ネタへの付着性が低
下し、さらに食感が悪くなって、食味評価が悪くなるこ
とが分かった。従って、ペクチンとしては、HMペクチ
ンの添加が好ましく、その好適な添加濃度(含有量)は
0.1〜1重量%であることが判明した。以上の結果か
ら、pH3〜4の酸性粘性調味液を調製するには、化工
澱粉として架橋澱粉を2〜4.5重量%使用し、同時に
キサンタンガムを0.1〜1重量%使用し、かつHMペ
クチンを0.1〜1重量%で併用し、粘度を2000〜
20000mPa・s程度の範囲とするのが好ましいこ
とが確認された。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明は以
下の実施例に限定されるものではない。
【0040】実施例1(ユズ風味調味液の製造) 以下の表5に示したような組成で各原料を配合し、均一
攪拌後、90℃で加熱殺菌後、55℃で300ml容の
プラスチック容器に熱詰充填し、ユズ風味を有する酸性
粘性調味液を調製した。なお、砂糖、ユズ果汁、食塩、
架橋澱粉、クエン酸、HMペクチンなどは、これまでの
試験1〜3で用いられたと同様のものを使用し、昆布だ
し、醸造酢、魚介エキスについては業務用市販品を用い
た。得られた調味液は、pHが3.5であり、その粘度
は4520mPa・sであって、寿司ネタに塗って調味
した際に、ユズ風味を強く有し、また付着性が良く、美
味しい調味が可能であった。また、この容器詰めの酸性
粘性調味液は、5ヶ月の室温保存後も、殆ど粘度が低下
せず、安定な品質であることが確認された。
【0041】
【表5】
【0042】実施例2(梅風味調味液の調製) 以下の表6に示したような組成で各原料を配合し、実施
例1と同様にして容器詰めにして、梅風味を有する酸性
粘性調味液を調製した。なお、用いた原料の内、梅肉は
塩漬けした青梅を摩砕してペースト状に加工したもので
あり、しそは市販品の赤じそを用いた。ケチャップは、
他の原料と同様に市販のものを用いた。得られた調味液
は、pHが3.5であり、その粘度は4490mPa・
sであって、HMペクチン含有量は0.15重量%であ
った。本調味液を寿司ネタに塗って調味した際は、梅風
味を強く有し、また付着性が良く、美味しい調味が可能
であった。また、この容器詰めの酸性粘性調味液は、約
5ヶ月の室温保存後も、殆ど粘度が低下せず、安定な品
質であることが確認された。
【0043】
【表6】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、酸性度が強く、寿司ネ
タなどへのさわやかな調味を可能とし、かつ寿司ネタな
どへの付着性が良くて均一に調味可能で、また、粘性が
あって垂れ流れせず、そして長期間の保存後でも粘度低
下が防止された酸性粘性調味液を提供することができ
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2〜4.5重量%の架橋澱粉、0.1〜
    1重量%のキサンタンガム及び0.1〜1重量%の高メ
    トキシルペクチンを含有してなり、pH3〜4で、粘度
    が2000〜20000mPa・sであることを特徴と
    する、酸性粘性調味液。
  2. 【請求項2】 2〜4.5重量%の架橋澱粉、0.1〜
    1重量%のキサンタンガム及び0.1〜1重量%の高メ
    トキシルペクチンを含有してなり、pH3〜4で、粘度
    が2000〜20000mPa・sであることを特徴と
    する、炙り寿司用の酸性粘性調味液。
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