JP3120158B2 - 米飯の保存方法 - Google Patents

米飯の保存方法

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JP3120158B2 JP03258849A JP25884991A JP3120158B2 JP 3120158 B2 JP3120158 B2 JP 3120158B2 JP 03258849 A JP03258849 A JP 03258849A JP 25884991 A JP25884991 A JP 25884991A JP 3120158 B2 JP3120158 B2 JP 3120158B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米飯の保存方法に関す
る。
【0002】
【従来技術とその課題】米飯は、古来から日本人の主食
とされてきたものであり、通常その食形態としては家庭
や飲食店でその日のうちに食べる分だけを炊飯し、その
他は生米として保存するのがほとんどである。また、米
飯は炊飯後すぐに食べるのが最も美味しく、時間が経つ
につれて旨みは低下し、品質的にもせいぜい1日の日持
ちしかなく、それ以上経過すると酢えたような異臭を放
ち、風味が劣化して到底食することができなくなる。
【0003】ところが近年ではコンビニエンスストアー
等の一般家庭以外でも米飯が弁当やおにぎりとして販売
されるようになり、必ずしも米飯が炊飯後にすぐに食さ
れるとは限らなくなっている。つまり、販売用の米飯は
流通過程にのるために当然ながら炊飯されてから食され
るまでの時間が長くなり、それ故に米飯を長持ちさせる
ことが必要とされている。ここで従来より米飯の旨みと
品質を保つための代表的な方法として食酢を用いてすし
飯とする方法があるが、これはあくまでもすし飯であっ
て通常のおにぎりや弁当としての使用には適していな
い。
【0004】これに対し、米飯としての品質を保つ方法
の従来技術としては、特公昭59−30386号公報に
記載された方法がある。しかし、この方法では米飯のp
Hを3.5〜4.0と低く抑え過ぎるために生米に対し
0.68重量%ものグルコノデルタラクトンを使用せね
ばならず、結果として炊飯米に異味が感じられるように
なり、特に冷えたときには味覚への不快感が強くなる。
また上記グルコノデルタラクトンは可食性有機酸の中で
も特に高価なものであり、更には上記方法ではマイクロ
波を使用するのでコスト的に不利である。
【0005】また、特開昭59−74958号公報には
卵白リゾチームを主体とし、これに有機酸、重合リン酸
塩及びチアミンラウリル硫酸塩の必須3種を併用して添
加する方法が記載されている。しかしながら、上記方法
で使用する卵白リゾチーム及びチアミンラウリル硫酸塩
は、その価格が1kg当たり数万円と非常に高価な薬品で
あり、しかも卵白リゾチームは酵素である故に熱に弱
く、炊飯米等の保存には好適なものとはいえない。
【0006】特公昭60−17497号公報に記載され
た発明では、L−アスコルビン酸、イノシン酸ソーダ、
グルタミン酸ソーダ、有機酸及び砂糖を使用した米飯改
良剤に係るものであるが、有機酸は保存剤としてではな
く、L−アスコルビン酸を補う補助成分として用いら
れ、他の成分と共に調味効果の役割を果たすものであ
り、多量配合される場合の飯はすし飯等として用い、通
常の米飯として保存することはできない。さらにL−ア
スコルビン酸は高価であり、経済的に不利である。
【0007】特開昭62−220162号公報には有機
酸と有機酸塩及び硫酸塩又は塩酸塩との3成分を併用使
用することを特徴とする米飯用食感改良剤が記されてい
る。この中で有機酸は生米1kgに対して0.5〜500
mg(対生米 0.00005〜0.05重量%)、好ましくは1〜1
00mg(対生米0.0001〜0.01重量%)を添加する旨記載
されているが、この程度の添加量では米飯の食感改良剤
としては有効であっても、実質的な保存効果はなく、ま
た多量に添加すると酸味が残るので有効な保存方法とは
言い難い。
【0008】以上のような見地から上記のような問題点
が改善された優れた米飯保存方法の開発が要望されてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、米飯本来の味
覚や風味を損なうことなく、保存性、安全性、経済性等
に優れた米飯の保存方法を提供することを目的とする。
【0010】即ち、本発明はクエン酸を炊飯前に生米に
対し0.1〜0.3重量%添加することを特徴とする米
飯の保存方法に係るものである。
【0011】クエン酸は一般にリンゴ、ミカン、レモン
等の酸味を有する天然果実に含まれているものであり、
これらの果実の酸味の大部分はクエン酸に由来する。そ
れ故にクエン酸は多くの食用有機酸の中でも最も安全性
の高い有機酸の一つであり、酸味料として食品分野で数
多く利用されている。しかし、現在に至るまで、食品の
保存を目的として単独でクエン酸を添加された例はな
く、また単独添加では有効な保存効果は得られないとす
るのが当業者間での常識であった。そこで本発明者は、
斯かるクエン酸のもつ性質に着目しつつ、従来技術の問
題を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、クエン酸単独で
あってもある一定量を米飯の炊飯前に直接添加した場合
には予想外にも優れた保存効果を発現し、上記目的を達
成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】本発明で使用するクエン酸は、市販されて
いるもの等の公知のクエン酸が使用でき、粉末状或いは
溶液の状態でどちらで添加しても良い。またクエン酸の
添加量は生米に対し0.1〜0.3重量%とする。この
添加量が0.1重量%未満の場合には実質的な保存効果
が得られず、0.3重量%を上回る場合には酸味が感じ
られるようになるので好ましくない。
【0013】また、本発明では炊飯前に上記クエン酸を
添加することを必須とする。炊飯前の添加方法としては
特に炊飯する水に添加するのが効果的である。一方、炊
飯後に添加した場合には保存効果が不充分となるので好
ましくない。また炊飯後では添加混合が困難であり、し
かも酸味が残り易いという欠点もある。
【0014】尚、本発明ではクエン酸単独でも充分に保
存効果を達成できるが、米飯の風味を損なわない範囲内
においてその他一般の保存剤或いはその他の食品添加剤
を併用しても良い。この場合に併用できる保存剤として
可食性の有機酸及びその塩が挙げられ、上記有機酸とし
てはアジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、コハ
ク酸、フマル酸、乳酸、酢酸、アスコルビン酸、エリソ
ルビン酸、リン酸、フィチン酸等が例示できる。また、
米飯の保湿・風味向上等のためにコラーゲン、ゼラチ
ン、寒天等の増粘安定剤を添加することもできる。
【0015】
【発明の効果】本発明の米飯の保存方法によれば、米飯
本来の味覚や風味を損なうことなく、優れた米飯保存効
果を達成でき、しかも有機酸としてクエン酸を使用する
ので安全性及び経済性にも優れている。また、炊飯前に
添加すれば良いので操作も容易に行なうことができる。
【0016】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明瞭にする。
【0017】実施例1 米320gを水で3回といだ後、クエン酸0.48g
(生米に対し0.15重量%)を水400mlに溶かし、
これを上記米に添加し、約40分放置後、電気釜にて炊
飯した。
【0018】15分熟成後、容器に入れ30分間室内に
て開放したまま放置し、その後ふたをして30℃の恒温
室中で保存した。
【0019】次いで、保存中の味覚、カビ、腐敗臭及び
腐敗の進行状態を観察した。その結果を表1に示す。
尚、表1中の記号「−」はカビ又は腐敗臭が全く認めら
れなかったもの、記号「+」はカビ又は腐敗臭が認めら
たものを示し、記号の数が多いほどカビ又は腐敗臭の度
合いが大きくなっていくことを示す。また、保存開始後
3日目、5日目及び7日目に一般生菌数を測定した。そ
の結果を表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】実施例2 クエン酸の添加量を0.64g(生米に対し0.20重
量%)とした以外は、実施例1と同様にして行なった。
その結果を表1に示す。また、保存開始後3日目、5日
目及び7日目に一般生菌数を測定した。その結果を表2
に示す。
【0023】比較例1 クエン酸を使用しない以外は実施例1と同様にして行な
った。その結果を表1に示す。また、保存開始後3日
目、5日目及び7日目に一般生菌数を測定した。その結
果を表2に示す。
【0024】比較例2 クエン酸0.16g(生米に対し0.05重量%)を添
加した以外は実施例1と同様にして行なった。その結果
を表1に示す。
【0025】比較例3 クエン酸1.23g(生米に対し0.4重量%)を添加
した以外は実施例1と同様にして行なった。その結果を
表1に示す。
【0026】以上の結果より、本発明の米飯の保存方法
が優れた効果を発揮していることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クエン酸を炊飯前の生米に対し0.1〜
    0.2重量%添加することを特徴とする米飯の保存方
    法。
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KR19990037752A (ko) * 1999-01-13 1999-05-25 변봉화 무균실살균이요구되지않는보존성이개선된즉석포장밥의제조방법
JP2013034398A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Karufa Chemical Kk 炊飯改質剤及びこれを用いた古米の呈味改良炊飯方法

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