JP3043745U - 締固め機用燃料タンクのブリーザー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料タンクの注入口を気密性キャップにより
完全に閉塞し、作業時には燃料タンクの下端に設けたコ
ックを開いて、外気をブリーザーから燃料タンク内へ導
入でき、非作業時にはコックを閉じることで、機体を横
倒しの姿勢にしてもタンク内の燃料が気化器方向及びブ
リーザーからタンク外へ漏れ出すことがないようにす
る。 【解決手段】 燃料注入口２を気密性キャップ３により
閉塞した燃料タンク１の下端に、燃料供給路Ａと空気流
路Ｂとを同時に開閉するコック４を設けると共に、燃料
タンク１上方には該タンク内上部にブリーザー弁１５が
配置されるブリーザー弁ホルダー１２を取付け、前記コ
ック４の燃料供給路側ポートと燃料タンク内とをフィル
タ付流路１１により接続し、前記コック４の空気流路側
ポートと燃料タンク内上部の前記ブリーザー弁ホルダー
１２とをブリーザーチューブ１３により接続する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、タンピングランマー、プレートコンパクター等の各種路面締固め 機における燃料タンクのブリーザー装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の締固め機における動力源としてのエンジンでは、キャブレターの種類 としてフロート型とダイヤフラム型とがあり、ダイヤフラム型は燃料を吸引する ポンプを必要とし、機構が複雑となるため、一般的には構造が簡単なフロート型 が広く利用されている。

【０００３】 フロート型キャブレターでは燃料の吸引装置がないため、燃料のキャブレター への供給は、燃料タンクの位置とキャブレターの位置との落差によっているが、 燃料の消費に伴って、燃料タンク内の負圧が大きくなり燃料が流れにくくなる。 そのため従来では、燃料タンク内の圧力を外気と同じ圧力にするため、燃料タン クの注入口に小径の通気孔を開けたキャップを取付けることや、この通気孔の下 端にタンク内が負圧になるに従って外気をタンク内に導入するが、タンク内の燃 料は外部に流出させないようなゴム製の嘴形ブリーザ弁を設けることが広く行わ れている。

【０００４】

【考案が解決すべき課題】

しかし、この種の締固め機は機体の振動が激しく、特にタンピングランマーの 場合はジャンピングストロークも大きいので、燃料がタンク内で激しく揺動し、 燃料タンクの注入口キャップに小径の通気孔を開けただけであると、燃料が通気 孔を通ってタンク外へ吹き出すという問題がある。

【０００５】 また、この種の締固め機は、主として野外での作業に使用されるため、燃料タ ンクのキャップに吸気用の通気孔が開設されていると、この通気孔から雨水や、 機体を洗浄するときの水がタンク内に侵入し、例えキャップの裏側に前記のよう なブリーザー弁が設けられていたとしても、通気孔外から侵入した水がブリーザ ー弁を押し開いてタンク内へ侵入したり、あるいは通気孔内にゴミが詰まって空 気の導入を阻害するという問題を有している。

【０００６】 更に、この種の締固め機のうち、タンピングランマーの場合は、機体の重心が 上にあって非作業時における安定性が悪いため、機体を格納したりトラックの荷 台に載せて運搬移動する際に、機体を横倒しの姿勢にすることが多く、このよう に機体を横倒しの姿勢とすると、例えキャップにブリーザー弁が設けられていて も、燃料がキャップの通気孔を通してタンク内から漏れ出し、これが原因で火災 が発生するというような危険性を有している。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、従来における上記のような締固め機用燃料タンクのブリーザー装置 における問題点を解決するために、燃料タンクの注入口を気密性キャップにより 完全に閉塞し、作業時には燃料タンクの下端に設けたコックを開いて、外気をブ リーザーから燃料タンク内へ導入でき、非作業時にはコックを閉じることで、機 体を横倒しの姿勢にしてもタンク内の燃料が気化器方向及びブリーザーからタン ク外へ漏れ出すことがないようにした燃料タンクブリーザー装置の提供を目的と したものである。

【０００８】 本考案のブリーザー装置は、そのための具体的手段として、燃料注入口を気密 性キャップにより閉塞した燃料タンクの下端に燃料供給路と空気流路とを同時に 開閉するコックを設けると共に、燃料タンク上方には該タンク内上部にブリーザ ー弁が配置されるブリーザー弁ホルダーを取付け、前記コックの燃料供給路側ポ ートと燃料タンク内とをフィルタ付流路により接続し、前記コックの空気流路側 ポートと燃料タンク内上部の前記ブリーザー弁ホルダーとをブリーザーチューブ により接続したことを特徴とする。

【０００９】 タンク内のブリーザー弁とタンク下端のコックとを連結する手段としては、ブ リーザー弁ホルダーを、ブリーザー弁が該ブリーザー弁ホルダーの下端開口部か らタンク内上部に下向きに臨むようにして燃料タンク上方に支持し、該ブリーザ ー弁ホルダーのタンク外突出端と前記コックの空気流路側ポートとをタンクの外 側に設けたブリーザーチューブにより接続する構造が好ましい。

【００１０】 また、タンク内のブリーザー弁とタンク下端のコックとを連結する別の手段と しては、ブリーザー弁ホルダーを、ブリーザー弁が該ブリーザー弁ホルダーの中 間に開設した通気孔からタンク内上部に上向きに臨むようにして燃料タンク内上 方に吊下げ支持し、該ブリーザー弁ホルダーの下端と前記コックの空気流路側ポ ートとをタンクの内側に設けたブリーザーチューブにより接続してもよい。

【００１１】

【考案の実施の形態】 【実施例】

本考案に係る燃料タンクブリーザ装置を図面に示す実施例により説明すると、 このブリーザー装置は、図１に示すように、燃料タンク１の燃料注入口２が通気 孔の設けられていない気密性キャップ３により閉塞されていると共に、該燃料タ ンク１の下端には燃料供給路Ａと空気流路Ｂとを同時に開閉するコック４が設け られている。

【００１２】 前記コック４は、ケース４ａの両側に互いに連通する夫々一対のポート７ａ， ７ｂ及び８ａ，８ｂと、レバー５により回動する軸６に軸方向と直交する向きで 設けられた前記ポート７ａ，７ｂ及び８ａ，８ｂを開閉する２つの流孔９，１０ とを有しており、前記ポート７ａには燃料タンク１の下端との間にフィルタ付流 路１１を接続して、ポート７ｂを図示外の気化器と接続することで前記燃料供給 路Ａが形成され、また、前記ポート８ａには燃料タンク１の上端に設けられたブ リーザー弁ホルダー１２との間にブリーザーチューブ１３を接続して、ポート８ ｂを空気流入口１４とすることで前記空気流路Ｂが形成されている。

【００１３】 前記燃料タンク１における燃料注入口２が設けられた部分以外の上端部の一部 には、該タンク１内上部にブリーザー弁１５を配置するための前記ブリーザー弁 ホルダー１２が外側から嵌め込まれるようにして取付けられている。このブリー ザー弁ホルダー１２は、タンク１内に挿入された下端開口部１２ａからブリーザ ー弁１５がタンク１内上部に下向きに臨むようにして取付けられていて、タンク １外に突出したホルダー接続端１２ｂと前記コック４の空気流路Ｂ側ポート８ａ との間がタンク１の外側に配置した前記ブリーザーチューブ１３により接続され ている。

【００１４】 図３は、別の実施態様を示すものであり、この場合はブリーザー弁ホルダー１ ２を、燃料タンク１の燃料注入口２における近傍上端部に、タンク１内から上端 １２ｃを外側へ突出してナット１６で固定するように吊下げ支持した構成になっ ている。このブリーザー弁ホルダー１２は、ブリーザー弁１５がホルダー１２の 中間に開設した通気孔１７からタンク１内上部に上向きに臨むように設けられて いて、ホルダー１２の下端１２ｄと前記コック４の空気流路Ｂ側ポート８ａとの 間をタンク１の内側に配置した前記ブリーザーチューブ１３により接続した構成 となっている。

【００１５】 図１及び図３に示すように、エンジンの始動に際しては、燃料タンク１の下端 における前記コック４のレバー５を下向きに回動して、軸６の流孔９，１０をポ ート７ａ，７ｂ及び８ａ，８ｂと連通させると、外気が、ポート８ｂの空気流入 口１４から流孔１０，ポート８ａ及びブリーザーチューブ１３からなる空気流路 Ｂを経てブリーザー弁１５よりタンク１内上部へ供給され、タンク１内が常に外 気と同圧となる。従って、タンク１内の燃料はポート７ａ，流孔９，ポート７ｂ からなる前記燃料供給路Ａを経て図示外の気化器方向に逐次供給される。

【００１６】 また、作業の終了に伴ってエンジンを停止した時には、図２及び図４に示すよ うに、コック４のレバー５を上向きに回動して、軸６の流孔９，１０をポート７ ａ，７ｂ及び８ａ，８ｂに対し遮断すると、前記空気流路Ｂ及び燃料供給路Ａが 同時に遮断され、外気がタンク１内へ送られなくなると共に、タンク１内から気 化器方向への燃料の供給も停止し、燃料は完全にタンク１内に密封される。

【００１７】

【考案の効果】

本考案のブリーザー装置では、燃料タンク１の下方に、燃料タンク１と気化器 とを接続する燃料供給路Ａと、燃料タンク１の上部に設けたブリーザー弁ホルダ ー１２へ通ずる空気流路Ｂとを同時に開閉するコック４を設けたので、エンジン の始動時に該コック４を開けば、タンク１内の燃料を燃料供給路Ａから気化器方 向へ供給できると共に、外気を空気流路Ｂを通してタンク１の下側からタンク内 上部へ供給できるので、タンク上面の燃料注入口２を通気孔の開設されていない 気密性キャップ３により密閉して、燃料タンク内への雨水の侵入を防止しつつエ ンジンを円滑に駆動することができる。

【００１８】 また、エンジンの停止時には、コック４を閉じれば、燃料供給路Ａによる気化 器方向への燃料供給の遮断と同時に、空気流路Ｂによるタンク内上部への外気供 給を遮断できるので、燃料注入口２に対する気密性キャップ３の併用と相俟って 燃料タンク１内を外部に対し完全に密閉することができ、従って、ランマーのよ うな機体の直立状態が不安定な装置を車両により移動運搬する際とか、倉庫内に 収納保管する際に機体を横向きの姿勢に倒したとしても、燃料タンク内からの燃 料の漏出を確実に防止して火災の発生を予防でき、また、機体の洗浄のために機 体に水を流しかけても、洗浄水の燃料タンク内への侵入を確実に防止することが できるなど、この種の作業機の取扱を便利にし、かつ安全性を向上することがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る燃料タンクブリーザー装置のコッ
ク開放時の状態を示す断面図。

【図２】図１の装置のコックを閉じた状態を示す断面
図。

【図３】別の実施例におけるブリーザー装置のコック開
放時の状態を示す断面図。

【図４】図３の装置のコックを閉じた状態を示す断面
図。

【符号の説明】

１：タンク ２：燃料注入口 ３：気密性キャップ ４：コック ５：レバー ６：軸 ７ａ，７ｂ：ポート ８ａ，８ｂ：ポート ９，１０：流孔 １１：フィルタ付流路 １２：ブリーザー弁ホルダー １３：ブリーザーチューブ １４：空気流入口 １５：ブリーザー弁 １６：ナット １７：通気孔

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料注入口を気密性キャップにより閉塞
   した燃料タンクの下端に燃料供給路と空気流路とを同時
   に開閉するコックを設けると共に、燃料タンク上方には
   該タンク内上部にブリーザー弁が配置されるブリーザー
   弁ホルダーを取付け、前記コックの燃料供給路側ポート
   と燃料タンク内とをフィルタ付流路により接続し、前記
   コックの空気流路側ポートと燃料タンク内上部の前記ブ
   リーザー弁ホルダーとをブリーザーチューブにより接続
   したことを特徴とする締固め機用燃料タンクのブリーザ
   ー装置。
2. 【請求項２】 ブリーザー弁ホルダーを、ブリーザー弁
   が該ブリーザー弁ホルダーの下端開口部からタンク内上
   部に下向きに臨むようにして燃料タンク上方に支持し、
   該ブリーザー弁ホルダーのタンク外突出端と前記コック
   の空気流路側ポートとをタンクの外側に設けたブリーザ
   チューブにより接続した請求項１の締固め機用燃料タン
   クのブリーザー装置。
3. 【請求項３】 ブリーザー弁ホルダーを、ブリーザー弁
   が該ブリーザー弁ホルダーの中間に開設した通気孔から
   タンク内上部に上向きに臨むようにして燃料タンク内上
   方に吊下げ支持し、該ブリーザー弁ホルダーの下端と前
   記コックの空気流路側ポートとをタンクの内側に設けた
   ブリーザチューブにより接続した請求項１の締固め機用
   燃料タンクのブリーザー装置。