JP3042147B2 - 紙幣識別機 - Google Patents

紙幣識別機

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JP3042147B2
JP3042147B2 JP4060468A JP6046892A JP3042147B2 JP 3042147 B2 JP3042147 B2 JP 3042147B2 JP 4060468 A JP4060468 A JP 4060468A JP 6046892 A JP6046892 A JP 6046892A JP 3042147 B2 JP3042147 B2 JP 3042147B2
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  • Control Of Vending Devices And Auxiliary Devices For Vending Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は両替機や自動販売機など
の内部に設けられている紙幣識別機に関し、特に、電源
の停止状態からの復帰時における紙幣の収納返却制御機
構に関する。
【0002】
【従来の技術】両替機や自動販売機などの内部には、投
入された紙幣の金種や真偽などを識別する紙幣識別機が
設けられており、顧客の指示に基づく所定の金種の払出
動作や物品の販売動作の可否を判断可能になっている。
たとえば、図6に示す両替機100においては、投入さ
れた紙幣の真偽を識別して、識別結果に対応する紙幣識
別信号、たとえば、真券信号110aを発する紙幣識別
機構などが収納された紙幣識別機101と、紙幣識別機
101の側から送出された紙幣の識別結果と顧客の指示
とに基づいて、支払動作の可否を判断すると共に、紙幣
識別機101の側での紙幣の返却動作または収納動作に
対応する禁止信号111aを発する制御部102とを有
する。また、紙幣識別機101と制御部102との間に
は、紙幣識別機101の側に異常が発生した場合に、紙
幣識別機101から制御部102に異常信号112aを
送出することも可能になっている。なお、113は24
v系の電源配線、114はアース線である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
両替機100においては、紙幣識別機101および制御
部102のいずれの側にもバッテリーなどのバックアッ
プ機構が設けられていないため、停電などが発生した場
合には、紙幣の収納動作や両替用硬貨の払出動作などが
中断するだけではなく、停電時に行われていた動作の状
態に対応する情報までがクリアされるので、たとえば、
投入された紙幣が真券であると識別された直後で、か
つ、その真券であるとの信号を送出する直前に停電した
場合には、両替機100が立ち上げされても、再度、紙
幣の識別が行われないので、両替動作が行われることな
く、そのまま紙幣が収納されてしまうという異常動作
(只取り、飲み込み)が起こるという問題点があった。
これに対して、両替機100の動作全体をバックアップ
可能なバッテリーを搭載することは、現実的にはスペー
ス的な制限があって不可能である。
【0004】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
電源の復帰時に、紙幣が機内にあるか否かを検知し、そ
の検知結果に基づいて、紙幣の返却および収納を行うよ
うにして、誤動作が発生することなく、停電状態から確
実に復帰可能な紙幣識別機,両替機および自動販売機を
実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る紙幣識別機は、投入された紙幣を正逆
搬送可能な紙幣搬送手段と、紙幣搬送手段により紙幣を
正搬送してその搬送途中で紙幣の真偽を識別し、真券と
識別した紙幣が真券信号を送出すべき所定位置にまで搬
送されたときに真券信号を制御部に送出すると共に紙幣
搬送手段による搬送を停止して当該真券と識別した紙幣
を当該所定位置に一時保留する紙幣識別手段と、制御部
からの確認信号を受けて所定位置に一時保留された紙幣
を収納部に収納する紙幣収納手段と、真券信号を送出す
べき上記所定位置に紙幣が存在するか否かを電源が立ち
上げられたときに検知し、紙幣があることを検知したと
きに異常信号を制御部に送出する異常信号発生手段と、
上記異常信号の送出に基づいて制御部から入力される上
記確認信号の入力有無を判別し、その判別結果に応じて
紙幣搬送手段の逆搬送による返却および紙幣収納手段に
よる収納のいずれかの処理を行う返却収納制御手段とを
備えることを特徴とする。
【0006】このような構成の紙幣識別機を備える両替
機または自動販売機には、上記真券信号を受けて行う両
替処理又は販売処理の経過状態に対応する情報を停電中
も一時記憶しておく一時記憶手段と、電源が立ち上げさ
れたときに上記異常信号の入力有無を判別し、異常信号
の入力を判別したときに上記一時記憶手段の記憶情報に
基づいて確認信号を紙幣識別機に送出する指令手段とを
上記制御部に備えることが好ましい。
【0007】
【作用】本発明に係る紙幣識別機において、通常時は、
紙幣搬送手段により正搬送された紙幣は、紙幣識別手段
によってその真偽が識別され、そのうち、真券のみが収
納部に収納される。紙幣識別手段は、搬送途中で紙幣の
真偽を識別してもその際に真券信号を制御部に即送出す
るのではなく、真券と識別した紙幣が所定位置まで搬送
されたときに真券信号を制御部に送出すると共に搬送を
停止して当該真券と識別した紙幣を当該所定位置に一時
保留するものであるから、真券と識別された紙幣の搬送
が所定位置に至らないまでに停電が起こった場合は、真
券と識別された紙幣の搬送が停止して真券信号の送出が
行われないものの、その後、電源が立ち上げられたとき
は真券と識別された紙幣が所定位置まで搬送されて真券
信号が制御部へ送出されので、制御部からの確認信号を
待って、真券と識別された紙幣の紙幣収納手段による収
納部への収納又は場合によって返却が行われる
【0008】また、真券と識別された紙幣が所定位置に
一時保留されている最中に停電が起こった場合、その
後、電源が立ち上げられた際、異常信号発生手段がその
紙幣の保留を検知して異常信号を制御部へ送出するた
め、返却収納制御手段が制御部からの両替・販売などの
処理中の有無等の確認信号を判別し、その判別結果に応
じて紙幣の返却又は収納を行うことができるので、両替
・販売等の処理前に停電したときは、所謂只取りを無く
すための紙幣の返却を実現でき、また両替・販売等の処
理中に停電したときは、停電復旧後に引き続き残処理を
行うことができる
【0009】
【実施例】つぎに、図面に基づいて、本発明の一実施例
について説明する。
【0010】図1は本例の紙幣識別機の概略構成図であ
り、この紙幣識別機は両替機に搭載されている。
【0011】図において、両替機1は、紙幣識別機11
と制御部12とを有し、制御部12は両替機の硬貨両替
動作をも制御している。また、紙幣識別機11の制御回
路10と制御部12との間においては、投入された紙幣
の真偽を識別して、識別結果に対応する紙幣識別信号、
たとえば真券信号110,紙幣識別機11の側での紙幣
の返却動作または収納動作に対応する禁止信号111,
紙幣識別機11の側に異常が発生した場合に制御部12
に送出される異常信号112が入出力可能になってい
る。なお、113は24v系の電源配線、114はアー
ス線である。ここで、紙幣識別機11は、その前面側上
部から下方端部にまで貫通する紙幣搬送路13を有し、
その上流側から下流側に向かって、紙幣が挿入される紙
幣ガイド口14と、この紙幣ガイド口14から紙幣が挿
入されたことを検知する挿入検知センサ15と、投入さ
れた紙幣の金種および真偽を紙幣識別センサ16よりの
信号により識別して、その識別結果を制御部12に対し
て紙幣識別信号として送出する紙幣識別手段と、他の部
位の動作が連動するように紙幣搬送路13における紙幣
の通過時期を検知するタイミング光センサ17と、そこ
を通過した紙幣が外部から引き抜かれることを機構的に
防止すると共に、その通過を検知して真券信号110を
出力するための引抜き防止センサ18と、紙幣搬送路1
3の途中位置13aにおいて紙幣が保留されているか否
かを検知可能な保留紙幣検知センサ19とが配置されて
いる。また、紙幣識別機11は、紙幣搬送路13の途中
位置13aから下流側で紙幣搬送路13の一方面を構成
する搬送ベルト(図示せず)およびこの搬送ベルトを回
転駆動して紙幣を紙幣ガイド口14の側(逆回転)また
は下流側(正回転)に向けて搬送させる搬送モータ20
aおよびローラ(図示せず)などを有する紙幣搬送機構
と、プッシャを紙幣面と直交する方向に往復させること
により紙幣を紙幣収納部21の内部に収納するための収
納モータ21aとを有する。ここで、紙幣搬送機構は、
真偽が識別された紙幣のうち、真券と判断された紙幣を
さらに下流側に搬送する一方、搬送された紙幣の後端が
引抜き防止センサ18の配置位置を通過した直後に、紙
幣識別機11は真券信号110を制御部12の側に送出
するようになっている。このため、投入された紙幣が真
券と判断され、紙幣の後端が引抜き防止センサ18を通
過した直後に、電源が停電し、その後に復帰したときに
は、図2に示すように、紙幣の後端が引抜き防止センサ
18の配置位置と保留紙幣検知センサ19の配置位置と
の間に位置しているため、紙幣識別センサ16は紙幣が
真券であると識別したが、この紙幣に対応する真券信号
110を制御部12の側に送出していない状態となる。
このような状態から、電源が復帰した場合には、そのま
ま、紙幣が収納され、両替されない異常動作が生じるこ
とになるため、本例の紙幣識別機11では、保留紙幣検
知センサ19を設け、電源が復帰したときに、紙幣搬送
路13の途中位置13aに紙幣が保留されているか否か
を検知し、紙幣が保留されていることを検知したときに
は、制御部12に対して異常信号112を送出して、制
御部12が適正な指令信号を送出可能になっている。
【0012】一方、制御部12はマイクロコンピュータ
を備え、通常時に、紙幣識別機11から紙幣が真券であ
るとの真券信号110を入力された場合には、紙幣識別
機11に対して、新たな紙幣の挿入を禁止するようにと
ONレベルの禁止信号111を発し、この禁止信号11
1がONレベルになった場合には、紙幣識別機11の側
では紙幣を収納する動作が行われる。ここで、制御部1
2は、電源が停電状態から立ち上げされたときには、そ
の基本動作として、保留紙幣検知センサ19からの異常
信号112に基づいて保留状態にある紙幣を紙幣ガイド
口14に向けて返却するように指令するが、制御部12
には、電源が停電状態となる前に投入されて真券と判断
された紙幣に基づく両替処理の経過状態に対応する情報
を停電中も一時記憶しておく一時記憶部31と、電源が
立ち上げされたときに、保留紙幣検知センサ19により
異常信号112を発していても、一時記憶部31に記憶
されている情報から、保留されている紙幣に対する両替
動作が中断状態にあると判断したときには、この紙幣に
対する処理を中断した状態から引き続いて行うように指
令する継続指令部32とを有する。ここで、一時記憶部
31に記憶される紙幣に対する処理の経過状態に対応す
る情報としては、紙幣識別機11から送出された真券信
号110に基づいて両替動作が開始されるときにセット
され、両替動作が終了したときにオフとされる両替動作
フラグを利用している。すなわち、制御部12は、真券
信号110が入力されると、新たな紙幣の挿入を禁止す
るための禁止信号111を発した後に、両替機本体で行
われる両替動作が開始されるときに両替動作フラグをセ
ットし、その収納動作が終了した時点で両替動作フラグ
をクリアする。このため、両替動作フラグがセットされ
ている状態は、真券信号110が送出された後に、両替
動作が途中で中断した状態にあることを意味する。これ
に対して、両替動作フラグがクリアされている状態は、
その前に投入された紙幣に対する両替動作が完結してい
ることを意味し、本例においては、保留紙幣検知センサ
19により異常信号112を発していても、両替動作フ
ラグがセットされていれば、所定のタイミングで禁止信
号111がONレベルからOFFレベルとなり、紙幣を
収納する。逆に、両替動作フラグがクリアされている場
合には、保留紙幣検知センサ19の出力に基づいて異常
信号112を発し、かつ、禁止信号111はONレベル
に保持されているとして、紙幣を返却するように動作す
る。ここで、制御部12では、停電しても、メモリバッ
クアップされて、一時記憶部31に記憶されている両替
動作フラグはクリアされない。
【0013】つぎに、本例の紙幣識別機11および制御
部12の各動作を説明するが、その前に、紙幣識別機1
1および制御部12から送出される各信号の送出タイミ
ングについて、図5に基づいて説明しておく。この図に
は、真券信号110を送出した後に、紙幣が保留された
状態で紙幣識別機11の電源の立ち上げ以降、紙幣識別
機11から送出される紙幣識別信号(真券信号110)
の波形,制御部12から送出される禁止信号111の波
形および保留紙幣検知センサ19の出力に基づいて送出
される異常信号112の波形を示してある。なお、本例
においては、制御部12から送出されて、新たな紙幣の
挿入を禁止するようにとの禁止信号111を、紙幣の収
納可否に対応する確認信号として利用している。
【0014】この図において、実線41で示すように、
電源が立ち上げられると、実線42で示すとおり、保留
紙幣検知センサ19が紙幣の保留を検知した場合に、そ
れから約1秒間、OFFレベルの信号を送出した後、紙
幣搬送路13の途中位置13aに紙幣が保留されている
として、10msのパルス幅でON/OFFする異常信
号112を期間T3 (70ms)送出する。また、紙幣
は紙幣識別センサ16の設置位置を通過し終えているた
め、実線43で示すように、真券信号110はOFFレ
ベルである。一方、制御部12の側で、電源が立ち上げ
られると、真券信号110が入力されなくとも(OFF
レベルであっても)、両替動作フラグがセットされてい
る場合には、異常信号112の送出開始時期から期間T
2 (30ms)遅れて、期間T1 (20ms以上、40
ms以下)をもって、OFFレベルの禁止信号111
(確認信号)が送出され、紙幣識別機11の側で紙幣の
収納動作が行われる。ここで、電源が復帰以降、禁止信
号111がONレベルのままである場合には、期間T1
が経過した後に紙幣は返却される。なお、通常の動作に
おいて、紙幣識別機11が真券信号110を送出した場
合には、禁止信号111がOFFレベルからONレベル
となって、紙幣識別機11の側で紙幣の収納動作が行わ
れるつぎに、本例の両替機1における動作のうち、ま
ず、紙幣識別機11の側の動作を図3に示すフローチャ
ートに基づいて説明する。
【0015】まず、ステップST1で、電源が停電状態
から復帰すると、紙幣識別機11の側のマイクロコンピ
ュータのメモリがクリアされると共に、初期状態に設定
される(ステップST2)。
【0016】つぎに、ステップST3で、収納部21が
開放状態にあるか否かが判断され、収納部21が閉鎖状
態にある場合には、1秒間待機する(ステップST
4)。
【0017】ステップST5で、保留紙幣検知センサ1
9が作動しているか否かが判断され、保留紙幣検知セン
サ19がオフの場合、すなわち紙幣搬送路13の途中位
置13aに紙幣が保留されていない場合には、通常の動
作として、ステップST6でその他のセンサの動作状態
を確認した後に、待機状態となる(ステップST7)。
続いて、ステップST8で挿入検知センサ15が紙幣が
挿入されたことを検知すると、ステップST9で紙幣の
真偽が識別される。そして、偽券である場合および禁止
信号111が入力されている場合には(ステップST1
0)、搬送モータ20aを逆回転駆動して紙幣を返却す
る(ステップST11)。これに対して、ステップST
9で紙幣識別センサ16よりの信号によって紙幣が真券
であると識別され、制御部12から禁止信号111(確
認信号)が入力されていない場合には(ステップST1
0)、紙幣をさらに収納方向に搬送し、紙幣の後端が引
抜き防止センサ18の設置位置を通過し終えたときに、
真券信号110を送出する(ステップST12)。この
真券信号110に基づいて、制御部12から禁止信号1
11が送出されてきたときに、収納モータ20bを作動
して、紙幣を紙幣収納部21に収納する。これと対応し
て、必要な硬貨、たとえば千円紙幣に対して10枚の1
00円硬貨を払い出す両替動作は、制御部12にて制御
する。なお、ステップST8で、紙幣が挿入されていな
い場合には、挿入検知センサ15の状態をチェックし
(ステップST13)、正常の場合には待機状態となる
一方、異常がある場合にはセンサが異常との信号を送出
する(ステップST14)。
【0018】一方、ステップST5で保留紙幣検知セン
サ19がオン、すなわち紙幣搬送路13の途中位置13
aに紙幣が保留されている場合には、ステップST15
で保留紙幣検知センサ19が、異常信号112を送出
し、10msのパルス幅で異常信号112をON/OF
Fする。ここで、10msのパルスが3回発せられた時
点で、制御部12から、新たな紙幣の投入を禁止して紙
幣を収金すべきとの禁止信号111(確認信号)が発せ
られている場合には(ステップST16)、紙幣収金動
作として、保留紙幣検知センサ19に検知されなくなる
まで正搬送した後、収納モータ20bを作動して紙幣を
紙幣収納部21に収納する(ステップST17)が、こ
の時点で、紙幣を収納せよとの禁止信号111(確認信
号)が発せられていない場合には、ソレノイド等により
引抜き防止センサ18を紙幣搬送路13から退出させた
後、搬送モータ20aを逆回転して紙幣を紙幣ガイド口
14に向けて返却する(ステップST18)。
【0019】このような動作を行う紙幣識別機11の側
に紙幣を収金すべきか否かとの指令信号を発する制御部
12の制御動作を、図4に示すフローチャートに基づい
て説明する。
【0020】まず、ステップST21で停電状態から復
帰すると、制御部12の側のマイクロコンピュータのメ
モリのうち、一時記憶部31の両替動作フラグを除いて
クリアされると共に、初期状態に設定される(ステップ
ST22)。
【0021】この状態から、ステップST23で紙幣識
別機11から紙幣が真券であるとの真券信号110が送
出されると、ステップST24で新たな紙幣の投入を禁
止して紙幣を収金すべきとのONレベルの禁止信号11
1を発すると共に、ステップST25で、まず両替動作
フラグをセットし、紙幣の両替動作を行わせ、この動作
が終了した場合には両替動作フラグをクリアし、ステッ
プST23に戻る(通常動作)。この動作に伴って、紙
幣識別機11の側では、紙幣が収納される。
【0022】一方、ステップST23で紙幣識別機11
から紙幣が真券であるとの識別信号が送出されていない
場合には、まず、ステップST26で保留紙幣検知セン
サ19の検知信号に基づく異常信号112が発せられて
いるか否か、すなわち紙幣搬送路13の途中置13aに
紙幣が保留されているか否かが判断される。ここで、そ
の異常信号112が発せられていない場合には、ステッ
プST27で禁止信号111をOFFレベルにして、新
たな紙幣の挿入が可能の状態とする。
【0023】これに対して、たとえば、図2に示すよう
に、紙幣の後端が引抜き防止センサ18を通過した直後
に、停電した場合には、紙幣搬送路13の途中位置13
aに紙幣の後端が位置しており、保留紙幣検知センサ1
9により検知されて、異常信号112が発せられるの
で、ステップST28で制御部12はまずONレベルの
禁止信号111を発する。つぎに、ステップST29で
10msのON/OFFパルス信号を検知し、それを検
知したときは、ステップST30で一時記憶部31に両
替動作フラグがセットされているか否かを判別し、セッ
トされていない場合には、禁止信号111はONレベル
に保持されて、OFFレベルの禁止信号111(確認信
号)が送出されないので、図5に示すタイミングチャー
トの説明で述べたとおり、電源が復帰以降、禁止信号1
11がONレベルのままであるため、期間T1 が経過し
た後に紙幣は返却され、ステップST23に戻る。
【0024】一方、ステップST30で一時記憶部31
に両替動作フラグがセットされている場合には、紙幣搬
送路13の途中位置13aに真券が保留され、その紙幣
に対する両替動作が停電によって中断した状態にあるこ
とを意味しているため、ステップST31では、まず、
OFFレベルの禁止信号111を送出して、両替動作を
行わせ、この動作が終了した場合には、両替動作フラグ
をクリアして、ステップST23に戻る。これに従っ
て、この紙幣は収納される。なお、ステップST29で
10msのON/OFFパルスが発せられていない場合
には、センサなど他の異常が発生していると判断し、所
定の表示を行って(ステップST32)、稼働を中止
し、復帰を待つ(ステップST33)。
【0025】このように、真券信号110が送出される
べき位置に紙幣があることを電源投入時に検出し、停電
前に制御部12が真券信号110を受け取ったか否かに
応じ、また、受け取ったことによる処理の進行状況に応
じ、その紙幣を返却するか収納するかを判別しているの
で、只取りを防止できる。なお、電源投入時に、引抜き
センサ18により紙幣が検知された場合には、その位置
は真券信号110を送出すべき位置ではないので、保留
紙幣検知センサ19の検知には関係なく、逆搬送して返
却する。
【0026】以上の実施例においては、電源が停電状態
となる前に真券信号に対応する情報として両替動作フラ
グを停電中も一時記憶部に記憶しておいたが、これに限
らず、真券との識別結果に基づいて行なわれるものであ
るならば、自動販売機の商品搬出動作など、いずれの処
理の経過状態に対応する情報であってもよい。
【0027】
【発明の効果】 紙幣識別手段は、真券と識別した紙
幣が所定位置までに搬送されたときに真券信号を制御部
に送出すると共に搬送を停止させるものであるから、停
電の際、一旦真券と識別された紙幣が所定位置に至らな
い紙幣についても確認することができる
【0028】 また、真券と識別された紙幣が所定位
置に一時保留されている最中に停電が起こった場合、両
替・販売等の処理前に停電したときは、所謂只取りを無
くすための紙幣の返却を実現でき、また両替・販売等の
処理中に停電したときは、停電復旧後に引き続き残処理
を行うことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る両替機の概略構成図であ
る。
【図2】図1に示す紙幣識別機の内部に紙幣が保留され
た状態を示す説明図である。
【図3】図1に示す紙幣識別機の動作を示すフローチャ
ート図である。
【図4】図1に示す制御部の動作を示すフローチャート
図である。
【図5】図1に示す両替機における各信号の送出時期を
示すタイミングチャート図である。
【図6】従来の紙幣識別機の概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・両替機 10・・・制御回路 11・・・紙幣識別機 12・・・制御部 13・・・紙幣搬送路 16・・・紙幣識別センサ 19・・・保留紙幣検知センサ 21・・・収納部31・・・一時記憶部 32・・・継続指令部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投入された紙幣を正逆搬送可能な紙幣搬
    送手段と、該紙幣搬送手段により前記紙幣を正搬送して
    その搬送途中で前記紙幣の真偽を識別し、真券と識別し
    た紙幣が真券信号を送出すべき所定位置にまで搬送され
    たときに真券信号を制御部に送出すると共に前記紙幣搬
    送手段による搬送を停止して当該真券と識別した紙幣を
    当該所定位置に一時保留する紙幣識別手段と、前記制御
    部からの確認信号を受けて前記所定位置に一時保留され
    紙幣を収納部に収納する紙幣収納手段と、真券信号を
    送出すべき前記所定位置に紙幣が存在するか否かを電源
    が立ち上げられたときに検知し、紙幣があることを検知
    したときに異常信号を前記制御部に送出する異常信号発
    生手段と、前記異常信号の送出に基づいて前記制御部か
    ら入力される前記確認信号の入力有無を判別し、その判
    別結果に応じて前記紙幣搬送手段の逆搬送による返却お
    よび前記紙幣収納手段による収納のいずれかの処理を行
    う返却収納制御手段とを備えることを特徴とする紙幣識
    別機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の紙幣識別機を備える両替
    機において、前記真券信号を受けて行う両替処理の経過
    状態に対応する情報を停電中も一時記憶しておく一時記
    憶手段と、電源が立ち上げされたときに前記異常信号の
    入力有無を判別し、異常信号の入力を判別したときに前
    記一時記憶手段の記憶情報に基づいて前記確認信号を前
    記紙幣識別機に送出する指令手段とを前記制御部に備え
    ことを特徴とする両替機。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の紙幣識別機を備える自動
    販売機において、前記真券信号を受けて行う販売処理の
    経過状態に対応する情報を停電中も一時記憶しておく一
    時記憶手段と、電源が立ち上げされたときに前記異常信
    号の入力有無を判別し、異常信号の入力を判別したとき
    に前記一時記憶手段の記憶情報に基づいて前記確認信号
    を前記紙幣識別機に送出する指令手段とを前記制御部に
    備えることを特徴とする自動販売機。
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