JP3040502U - 桟 瓦 - Google Patents

桟 瓦

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JP3040502U
JP3040502U JP1997001237U JP123797U JP3040502U JP 3040502 U JP3040502 U JP 3040502U JP 1997001237 U JP1997001237 U JP 1997001237U JP 123797 U JP123797 U JP 123797U JP 3040502 U JP3040502 U JP 3040502U
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勝晴 鈴木
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株式会社高セラマシン研究所
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 桟瓦10の屋根葺きにおける有効活用面積の
向上化を図ることのほか、強風時の雨水が尻や衿を越え
て野地材側に浸入すること確実に抑制し、さらに確実な
妄動抑制と屋根葺時の効率的な位置決めを図ることであ
る。 【構成】 頭と衿によって形成される隅部に外側隅部を
欠落させた差込片28が桟瓦10の裏面寄りに設けら
れ、他方、尻と桟によって形成される隅部に外側隅部を
欠落させた被覆片40が桟瓦10の表面寄りに設けら
れ、桟瓦本体30の表面に尻縁と平行な18突条と衿縁
と平行な突条23が設けられてなるものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、桟瓦に関する。 さらに詳しくいえば、桟瓦1枚当たりの有効活用面積を広くし、併せて雨水の 漏水の抑制を可能とする桟瓦に関する。
【0002】
【従来の技術】
屋根に使用される数多い種類の瓦の中でも桟瓦はとりわけ使用数が多い。 したがって、瓦屋根の総重量は桟瓦により大きく影響を受けることはいうまで もない。
【0003】 瓦屋根の機能を損なうことなく、瓦屋根の総重量を軽減することは予てこの業 界に要請されているものの、伝統的な桟瓦による重量軽減については未だ問題が 少なくない。
【0004】 また、頭側の切り込みと尻側の切り込みの嵌合部からとりわけ風雨の激しい場 合に雨水が浸入し、桟瓦の下方に敷設された野地材などを損傷させることが少な くないという問題があった。
【0005】 この種の一般的な従来例を図10ないし図13を参照して具体的に説明する。 和形桟瓦W(日本工業規格A5208〔平成8年11月改正前〕では「和形 桟がわら」と称されているが、この明細書では以下単に「桟瓦」と称し、断りの ない限り単に符号を「W」と表示する)は、図11に示されるように山と谷が設 けられ、断面が略波形状に形成されている。
【0006】 そして、桟瓦Wは一般的に、山側の端寄りが桟、谷側の端寄りが衿または差込 み、また屋根に葺いた際の軒側に位置する端寄りが頭、棟側の端寄りが尻と称さ れているから、以下これらの用語に基づいて従来例およびこの考案の桟瓦Wを説 明する。 また、この明細書において、用語「頭縁」、「尻縁」、「桟縁」および「衿縁 」とは、それぞれの端を観念するものであり、断りのない限り前記した観念で使 用する。
【0007】 桟瓦Wを屋根に葺く際に、隣接する瓦Wを相互に連結するため、頭と衿によっ て形成される隅部と尻と桟とによって形成される隅部にそれぞれ方形状の頭側の 切り込みXと尻側の切り込みYが形成されることは知られるとおりである(図1 0および図11を参照)。
【0008】 そして、頭側の切り込みXが設けられることにより、頭側の切り込みXの内側 には、桟瓦Wの長さ方向(頭側から尻側に至る方向をいう)に縦辺Xvが、幅方 向(桟側から衿側に至る方向をいう)に幅辺Xhが形成される(図11を参照) 。 また、尻側の切り込みYの内側には、桟瓦Wの長さ方向に縦辺Yvが、幅方向 に幅片Yhが形成される(図11を参照)。
【0009】 そして、これらの桟瓦Wは図12に示されるように、少なくとも4枚が葺かれ ることにより、最小1単位の瓦屋根が構成されることも知られるとおりである。
【0010】 そこで、4枚1単位とする桟瓦Wによる屋根葺きについて説明すると、第1の 桟瓦Waの衿側に、第2の桟瓦Wbの桟側が重ねられ、第1の桟瓦Waの尻側に 第3の桟瓦Wcの頭側が重ねられるとともに、第2の桟瓦Wbの尻側の切り込み Ybと第3の桟瓦Wcの頭側の切り込みXcが両切り込みYb、Xc間に間隙を 生ずることのないように互いに嵌合され、第4の桟瓦Wdの桟側が第3の桟瓦W cの衿側に重ねられるとともに、第4の桟瓦Wdの頭側が第2の桟瓦Wbの尻側 に重ねられることにより伝統的な屋根葺きが行われている(図12を参照)。
【0011】 かくして、第1の桟瓦Waの衿側と第2の桟瓦Wbの桟側の重なりにより、桟 と衿とによる重ね部Smが形成される。 この重ね部Smの幅は前記した幅辺Xhまたは幅辺Yhに相当し、また重ね部 Smの長さは桟瓦Wの長さから前記した縦辺Xvに縦辺Yvを加算した長さを差 し引いた長さに相当し、第3の桟瓦Wcと第4の桟瓦Wdとの桟と衿によっても 同じように重ね部Smが形成される(図12を参照)。
【0012】 他方、第1の桟瓦Waの尻側と第3の桟瓦Wcの頭側の重なりにより、頭と尻 による重ね部Snが形成される。 この重ね部Snの幅は桟瓦Wの幅と同一であり、また重ね部Snの長さは両者 の切り込みXc、Ybが互いに噛み合うことにより形成されるから、縦辺Xvと Yvを加算した長さに相当し、この重ね部Snの面積は、桟瓦Wの幅と縦辺Xv とYvを加算した長さから算出される(図12を参照)。
【0013】 この場合、第3の桟瓦Wcの頭側の切り込みXcと第2の桟瓦Wbの尻側の切 り込みYbは互いに対応するように形成されているから、両者の切り込みXc、 Ybが互いに嵌合されることにより、両桟瓦Wb、Wcが妄動しないようにする ことも知られるとおりである。
【0014】 この点についてさらに詳しく説明すると、第3の桟瓦Wcの頭側の切り込みX cの幅辺Xhと第2の桟瓦Wbの尻側の切り込みYbの幅片Yhが互いに当接さ れる。
【0015】 したがって、第3の桟瓦Wcの頭縁は、第2の桟瓦Wbの尻側の切り込みYb の位置よりも第1の桟瓦Waの頭側に臨んでいる。 そして、第3の桟瓦Wcの頭縁と第2の桟瓦Wbの尻側の切り込みYbの幅辺 Yhとの距離は第3の桟瓦Wcの頭側の切り込みXcの縦辺Xvにほぼ等しく設 定される。
【0016】 一方、第2の桟瓦Wbの尻縁は、第3の桟瓦Wcの頭側の切り込みXcの位置 よりも第4の桟瓦Wdの尻側に臨んでいる。 そして、第2の桟瓦Wbの尻縁と第3の桟瓦Wcの頭側の切り込みXcの幅辺 Xhとの距離は第2の桟瓦Wbの尻側の切り込みYbの縦辺Yvにほぼ等しく設 定される。
【0017】 このようにして屋根葺きされた4枚の桟瓦Wa、Wb、Wc、Wdが、瓦屋根 を構成する最小単位となり、この最小単位の屋根に瓦Wが連続的に設けられるこ とにより家屋などの瓦屋根が得られる。
【0018】 したがって、第1の桟瓦Waの尻側に第3の桟瓦Wcの頭側が重ねられるとと もに、第2の桟瓦Wbの尻側の切り込みYbと第3の桟瓦Wcの頭側の切り込み Xcが噛み合うように嵌合され、また、第2の桟瓦Wbの衿側に第4の桟瓦Wd の桟側を重ねることにより、桟瓦Wの妄動を抑制でき、切り込みYb、Xcに間 隙を生ずることが少ないので雨水の浸入を抑制できる点で所期の目的を達成でき た。
【0019】 しかし、これらの両重ね部Sm、Snの面積が小さいほど桟瓦W1枚当たりの 有効活用面積の増加を図ることができるにもかかわらず、2種類の重ね部Sm、 Snにより、重ねられる面積の占める割合が比較的大きくなることは止むを得な いものとされ、桟瓦W1枚当たりの有効活用面積に制約を受けているのが実情で ある。
【0020】 その上、頭側の切り込みXと尻側の切り込みYの嵌合部上には、第4の桟瓦W dが重ねられ、かつ第1の桟瓦Waの尻と衿の隅部が嵌合部の下方に存在してい るものの、切り込みX、Yを形成する幅辺Xh、Yhおよび縦辺Xv、Yvが互 いに当接されるに止まるから、これらの当接部によって生ずる間隙は一般的に小 さいとはいえ依然として残存することを回避できず、風雨が激しい場合には、と りわけ、その残存する間隙を通じて雨水が第1の桟瓦Waの尻と衿の隅部寄りを 越えて第3の桟瓦Wcの下方に敷設された野地材N側へ浸入するおそれが少なく なかった(図13を参照)。
【0021】 上記の問題点についてさらに言及すると、第1の桟瓦Waと第2の桟瓦Wbの 頭側を整然と統一させ、同様に第3の桟瓦Wcと第4の桟瓦Wdの頭側を揃える ことが要請されるが、この場合、第3の桟瓦Wcの頭側の切り込みXcと第2の 桟瓦Wbの尻側の切り込みYbを嵌合させ、第2の桟瓦Wbの尻側に第4の桟瓦 Wdの頭側を重ねるとともに第3の桟瓦Wcの衿側に第4の桟瓦Wbの桟側を重 ねなければならない。
【0022】 したがって、必然的に第1の桟瓦Waと第3の桟瓦Wcの尻と頭による重ね部 Snの長さ(頭側から尻側に向かう方向の長さ)は、前記したとおり第3の桟瓦 Wcの頭側の切り込みXcの縦辺Xvと第2の桟瓦Wbの尻側の切り込みYbの 縦辺Yvを加算した長さにほぼ等しくなる。
【0023】 このことは、桟瓦Wの全面積に対して頭と尻による重ね部Snの占める面積が 増大することになり、桟と衿による重ね部Smの面積と相待って単位面積当たり に必要な桟瓦Wの枚数(たとえば3.3平方メ−トル当たりの葺き枚数)が増加 する結果、家屋に対する荷重が大きくなり、瓦屋根の荷重に抗する家屋の構造が 必要になるという問題を生じていた。
【0024】 他の例として実公平7−14519号公報の第7図には、頭側の切り込みの裏 面寄りに肉薄の略三角形の段落部8が設けられ、他方、尻側の切り込みの表面寄 りに前記した段落部8に対応した薄肉の略三角部分5が形成された桟瓦が記載さ れ、隣接する桟瓦の前記した三角部分5の裏面に段落部8が差し込まれることに より、切り込みの嵌合部分における雨水の浸入の抑制を図るようにしている。
【0025】 しかし、この例では、切り込みの嵌合部分における雨水の浸入の抑制を図るこ とができるとしても、屋根葺きにおける桟瓦の有効活用面積の増加を図り、もっ て瓦屋根の重量軽減を図ることについては一切言及されていない。
【0026】 そこで、前記した問題点の解決のため、本願出願人は、先に平成8年特許願第 181168号の特許出願をしたので、その発明を開示すると、頭と衿によって 形成される隅部に略方形の差込片が裏面寄りに設けられ、尻と桟によって形成さ れる隅部に前記の差込片に対応した被覆片が表面寄りに設けられてなる桟瓦であ る。
【0027】 そして、その桟瓦が少なくとも4枚設けられ、第1の桟瓦の衿側に第2の桟瓦 の桟側が重ねられ、第1の桟瓦の尻側に第3の桟瓦の頭側が重ねられるとともに 、第2の桟瓦の被覆片の下方に第3の桟瓦の差込片が差し込まれ、第2の桟瓦の 尻側に第4の桟瓦の頭側が重ねられ、第3の桟瓦の衿側に第4の桟瓦の桟側が重 ねられてなることにより、頭と尻とによる重ね部における頭側から尻側に至る面 積を従来に比較して、差込片または被覆片の長さに等しい分の長さと桟瓦の幅に 乗じて算出される面積分だけ少なくでき、桟瓦の長さ方向における有効活用面積 の増加を図ることにより、瓦屋根の単位面積に必要な桟瓦数の減少化を図ること ができるようにしたから、よって瓦屋根の軽量化に寄与するなどの構成および作 用効果が記載されている。
【0028】 したがって、従来の伝統的な桟瓦Wや実公平7−14519号公報記載の考案 による桟瓦に比較して1枚当たりの桟瓦の有効活用面積の増加を可能にした点や 切り込みによる嵌合部からの雨水の浸入を抑制できる点で評価できる。
【0029】 しかし、頭側の切り込みにその全面積を埋めるようにした略方形の肉薄の差込 片が、また、尻側の切り込みにその全面積を埋めるようにした略方形の肉薄の被 覆片が設けられ、差込片と被覆片の外側端が切り込みの最大面積を占めて形成さ れている(略方形である)ため、これらが肉薄に形成されていることと相俟って 、この桟瓦の生産工程や流通過程において、差込片と被覆片の外側縁がとりわけ 損傷を受け易いという問題点があった。 成形から焼成に至る間の工程において搬送による物理的な損傷を受けるほか、 とりわけ、乾燥工程や焼成工程の熱的操作を要因として差込片と被覆片の外側端 が変形するおそれがあった。
【0030】 更に、差込片と桟瓦本体との境界を形成する内縁や被覆片と桟瓦本体との境界 を形成する内縁がそれぞれ直角に形成されているため、内縁の直角部分から乾燥 工程や焼成工程の熱的操作を要因とする亀裂が発生するおそれがあった。
【0031】 一方、屋根を葺いた際に、有効活用面積の確保のために頭と尻による重ね部の 面積が伝統的な桟瓦と比較して少くなっても強風時においては雨水が尻や衿を越 えて野地材に浸入することがないように、雨水の浸入を確実に防止するための手 段が望まれ、また桟瓦の差込片や被覆片の嵌合による幅方向の妄動抑制の手段に 加えて効果的な妄動抑制のための手段が望まれていた。
【0032】 他方、屋根葺き作業の際において、熟練者の技術を必要としないより効果的な 屋根葺き作業を行うために、桟瓦の位置決めの確実な基準となる手段が望まれて いた。
【0033】
【考案が解決しようとする課題】
この考案が解決しようとする課題は、従来の桟瓦にあっては、屋根葺きにおい て桟瓦の1枚当たりの有効活用面積に制約を受け、その活用面積が減少する結果 、瓦屋根の重量増加を回避できないほか、差込片や被覆片が生産工程において損 傷を受けることや変形が発生するおそれがある点である。
【0034】 さらに強風時における雨水の浸入を確実に防止する手段、幅方向の確実な妄動 抑制の手段や効率的な屋根葺き作業のための位置決めのための手段が望まれてい た点にある。
【0035】 この考案の目的は、桟瓦の屋根葺きにおける有効活用面積を図り、瓦屋根の重 量軽減に寄与することと併せて生産工程における差込片と被覆片の損傷や変形を 抑制することにある。
【0036】 さらにこの考案の他の目的は、差込片と桟瓦本体との境界である内縁や被覆片 と桟瓦本体との境界である内縁に生産工程時に発生し勝ちな亀裂を抑制すること にある。
【0037】 そして、強風時の雨水が尻や衿を越えて野地材側に浸入することを確実に抑制 することのほか、確実な妄動抑制と効率的な位置決めを実現することにある。
【0038】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
この考案の桟瓦は、桟瓦本体に頭、尻、桟および衿が備えられるとともに、頭 側の切り込みおよび尻側の切り込みを有する桟瓦において、頭側の切り込みに肉 薄の差込片が桟瓦本体の裏面寄りに設けられ、該差込片の外縁が頭側の切り込み 内において衿側寄りの頭縁を延長させた頭側外縁部と、頭側寄りの衿縁を延長さ せた衿側外縁部と、前記した頭側外縁部と衿側外縁部との間の突き合わせ縁部と からなり、他方、尻側の切り込みに肉薄の被覆片が桟瓦本体の表面寄りに設けら れ、該被覆片の外縁が尻側の切り込み内において尻側寄りの桟縁を延長させた桟 側外縁部と、桟側寄りの尻縁を延長させた尻側外縁部と、前記した桟側外縁部と 尻側外縁部との間の突き合わせ縁部とからなり、 桟瓦本体の表面に尻縁に平行な突条が設けられるとともに、該突条と尻縁との 間隔が尻側の切り込みの長さより小さく設定され、 桟瓦本体の表面に衿縁と平行な突条が設けられるとともに、該突条と衿縁との 間隔が頭側の切り込みの幅にほぼ等しく設定されてなることを特徴とするもので ある。
【0039】 ここで、差込片の外縁が頭側の切り込み内において、頭側外縁部と、衿側外縁 部と、頭側外縁部と衿側外縁部との間の突き合わせ縁部とからなるとは、先願( 平成8年特許願第181168号)の発明では、差込片の外縁が頭側外縁部と衿 側外縁部の延長線とこれらの延長線の交点により切り込みの全面積を占めて略方 形を呈していたものを、本願考案はこれらの両延長線の外側端を結ぶようにして 形成され、少なくとも前記した交点のない構成をいう。
【0040】 また、被覆片の外縁が尻側外縁部と、桟側外縁部と、尻側の切り込み内であっ て、尻側外縁部と桟側外縁部との間の突き合わせ縁部とからなるとは、先願(平 成8年特許願第181168号)の発明では、被覆片の外縁が頭側外縁部と衿側 外縁部との延長線のこれらの延長線の交点により切り込みの全面積を占めて略方 形を呈していたものを、本願考案はこれらの両延長線の外側端を結ぶようにして 形成され、少なくとも前記した交点のない構成をいう。
【0041】 ここで、差込片と桟瓦本体の境界を形成する内縁が被覆片の外縁にほぼ対応し 、被覆片と桟瓦本体の境界を形成する内縁が差込片の外縁にほぼ対応して設けら れてなるとは、桟瓦の屋根葺き時に桟瓦の尻側の切り込み内に設けられた被覆片 の下方へ別の桟瓦の差込片を差し込んだ際に、前記した差込片の内縁と被覆片の 外縁が互いに間隙を少なくして向き合うことにより、これらの桟瓦がこれらの差 込片と被覆片により互いに妄動することなく、先願の切り込みの内側には直角部 分が残存していたものをこの考案では、直角部分をなくした内縁を形成すること により、生産工程において桟瓦本体に向けて発生し勝ちな亀裂を抑制できるよう にしてなるものである。
【0042】 ここで、「尻側の切り込みの長さ」とは、桟瓦の頭から尻に至る方向の長さで あり、「頭側の切り込みの幅」とは、桟瓦の桟から衿に至る方向の幅を意味して いる。
【0043】 この考案の桟瓦は、上記のように構成されているから、4枚の桟瓦を最少単位 の瓦屋根の構成としたとき、第1の桟瓦の衿側に第2の桟瓦の桟側を重ね、第3 の桟瓦の頭側を第1の桟瓦の尻側に重ねるとともに、第2の桟瓦の被覆片の下方 に第3の桟瓦の差込片を差し込み、第2の桟瓦の尻側に第4の桟瓦の頭側を重ね 、第3の桟瓦の衿側に第4の桟瓦の桟側を重ねることにより、桟と衿によって形 成される重ね部の面積については従来例と変化しない。
【0044】 しかし、この考案では、頭側の差込片を尻側の被覆片の下方へ単に差し込むこ とにより重ねられ、従来のように両切り込みを噛み合うように嵌合させることが ないから、桟瓦の頭と尻によって形成された重ね部の面積を従来例に比較して半 減できる(図9を参照)。
【0045】 よって、桟瓦の長さ方向に活用できる面積の増加に寄与できる。 したがって、瓦屋根の単位面積に必要な桟瓦数の減少化を図ることができ、桟 瓦の使用数の軽減化を図ることができることのほか、桟瓦の生産工程において差 込片や被覆片の外縁に、成形から焼成に至る搬送中に発生し勝ちな物理的な損傷 や、乾燥工程や焼成工程の熱的操作を要因とする変形を抑制することができる。
【0046】 さらに、桟瓦本体の表面に尻縁に平行な突条が設けられるとともに、該突条と 尻縁との間隔が尻側の切り込みの長さより小さくなるように設定され、桟瓦本体 の表面に衿縁と平行な突条が設けられるとともに、該突条と衿縁との間隔が頭側 の切り込みの幅にほぼ等しく設定されてなるから、尻を越えて野地材側へ浸入す る雨水は、尻側の平行な突条により確実に抑制される。
【0047】 その上、前記した突条は尻側の切り込みの長さより小さく設定されているから 、桟瓦を葺いたときに上に位置する桟瓦の頭側によって隠れ、露呈しないから、 違和感を生ずることがない。
【0048】 一方、衿を越えて野地材側へ導入する雨水の浸入も衿側の平行な突条により確 実に抑制されるほか、加えて屋根を葺く際に桟瓦の衿側に配置される別の桟瓦の 桟縁を衿縁と平行な突条に沿わせて当接させることにより、桟瓦の幅方向の確実 な位置決めや幅方向の一層の妄動抑制を図ることができ、また屋根葺き作業の向 上化を図ることができる。
【0049】
【考案の実施の形態】
この考案の実施の形態に係る桟瓦と桟瓦による瓦屋根の組み合わせ構造を図面 を参照して説明する。 図1は実施の形態に係る桟瓦の表面斜視図、図2はその裏面斜視図、図3は4 枚の桟瓦による瓦屋根の組み合わせ構造を示す平面図、図4は図1の差込片付近 の要部拡大平面図、図5は図1の被覆片付近の要部拡大平面図、図6は図3にお ける矢印P−P線の縦断面図、図7は図3における矢印Q−Q線の縦断面図、図 8は図3における矢印R−R線の縦断面図、図9は表1における実施の形態に係 る桟瓦の各寸法を示す参考図、図10は従来例の各寸法を示す参考図、図11は 従来例の桟瓦の表面参考図、図12は従来例の桟瓦4枚による瓦屋根の組み合わ せ構造を示す平面図、図13は図12における矢印V−V線の縦断面図である。
【0050】 この考案の実施の形態に係る桟瓦10の構成を図1および図2を参照して説明 すると、少なくとも桟瓦本体30に頭、尻、桟および衿が備えられるとともに、 頭側に切り込みおよび尻側の切り込みを有し、知られているように山14と谷1 6が設けられている。 この実施例の桟瓦10は、JIS規格に示されるように谷16の深さが35m m以上に設けられている例である。
【0051】 桟瓦本体30の表面における尻縁に水返しのための突条18が衿から山14に かけて設けられており、この尻縁の突条18には外側を開放した凹部20が2個 設けられている。 この凹部20は、後述するが、桟瓦10を積み重ねたときに、桟瓦本体30の 裏面の尻縁付近に設けられた2個の尻剣27、27を嵌合できるように設けられ てなるものである(図2を参照)。
【0052】 また、桟瓦本体30の表面の尻縁寄りに尻縁に平行な別の突条19が設けられ ており、少なくとも該突条19と尻縁との間隔が尻側の切り込みの長さαより小 さく設定されている(図1、図3および図5を参照)。 したがって、この間隔の設定により桟瓦10の尻側に別の桟瓦10の頭側が重 ねられると突条19は重ねた桟瓦10の頭側に覆われて外観上現れない。 そして、尻縁の突条18および突条19により、尻側に向けて浸入する雨水は 確実に堰き止められ、これらの突条18、突条19を乗り越えて野地材N側に達 しない。 そして、この実施の形態では、突条19における谷16付近に比較的狭い溝2 1が設けられており、桟瓦10が屋根に葺かれたとき、尻縁と突条18と突条1 9の間の雨水が浸入しても屋根の勾配と溝21により、頭側に向けて流れ落ちる ように配置されている(図1を参照)。 さらに、谷16付近に位置する突条18と突条19の間に補助突条11が設け られており、溝19から雨水が尻側に向けて導入したとしても尻縁に雨水が到達 することがない(図8を参照)。
【0053】 一方、桟瓦本体30の表面の衿縁に尻から頭に向けて水返しのために突条22 が設けられている(図1を参照)。 また、桟瓦本体30の表面の衿縁寄りに衿縁と平行な別の突条23が設けられ ており、少なくとも該突条23と衿縁との間隔が頭側の切り込みの幅βにほぼ等 しく設定されている(図1、図3および図4を参照)。 この突条23は水返しの目的のほかに、この桟瓦10の衿側に重ねられる別の 桟瓦10の桟縁の位置決めと幅方向の妄動の抑制を図ることを意図している。
【0054】 他方、桟瓦本体30の頭の裏面に水返しのための突条24、25が衿から桟に 向けて2本設けられている。 そして、頭側の突条24は衿縁と桟縁の間に備えられているが、内側の突条2 5は谷16に対応する裏面の一部に設けられている(図2を参照)。 これらの突条24、25は、この桟瓦10の頭側を別の桟瓦10の尻側に重ね たとき、この2本の突条24、25の間に、先に説明した別の桟瓦10の尻寄り の表面に設けられた突条19が配置されるとともに突条18が突条24の尻側に 位置することにより、雨水の浸入防止のほか、長さ方向の妄動抑制を図るもので ある。
【0055】 さらに、桟の裏面の頭から尻に向けて突条26が設けられている。 また、尻側の裏面に一対の尻剣27、27が設けられている。
【0056】 そこで、引続き、この考案の桟瓦10の特徴について説明すると、略方形の頭 側の切り込みXに肉薄状であって、かつ差込片28が桟瓦本体30の裏面寄りに 設けられている(図1、図3および図4を参照)。 この差込片28の肉厚は一般的には桟瓦本体30の肉厚の2分の1程度が適当 であり、差込片28の底面は桟瓦本体30の裏面と同一面を形成している。
【0057】 そして、この差込片28の外縁32は、頭側の切り込みX内において衿縁寄り の頭縁を延長させた頭側外縁部32aと、頭縁寄りの衿縁を延長させた衿側外縁 部32bと、さらに前記した頭側外縁部32aと衿側外縁部32bとの間の突き 合わせ縁部32cとから構成されている(図1および図4を参照)。
【0058】 つまり、この差込片28の外縁32は、桟瓦10の頭側の切り込みXの範囲内 に存在し、切り込みXの範囲外に存在しないことを意味する。
【0059】 図示した外縁32は、頭側外縁部32a、衿側外縁部32bおよび突き合わせ 縁部32cによって形成され、頭側外縁部32aと衿側外縁部32bとの間の突 き合わせ縁部32cは直線を描いているが、もとより直線に制限する趣旨ではな く、後述する被覆片34の内縁38の形態にほぼ対応しており、切り込みXの範 囲内であれば円弧、波形あるいは不定形を描くことは自由である。
【0060】 他方、略方形の尻側の切り込みYに肉薄の被覆片40が桟瓦本体30の表面寄 りに設けられている(図2および図5を参照)。 この被覆片40の肉厚は差込片28と同様に一般的には桟瓦本体30の肉厚の 2分の1程度が適当であり、被覆片40の表面は桟瓦本体30の表面と同一面を 形成している。
【0061】 したがって、後述するように被覆片40の下方に差込片28が差込まれること により、両者の肉厚は、桟瓦本体30の肉厚とほぼ等しくなり、両者28、40 の裏面と表面は、それぞれ桟瓦本体30の表裏と同一面を形成するため、違和感 を生ずることがない。
【0062】 そして、被覆片40の外縁42は尻側の切り込みY内において桟縁寄りの尻縁 を延長させた尻側外縁部42aと、尻縁寄りの桟縁を延長させた桟側外縁部42 bと、前記した尻側外縁部42aと桟側外縁部42bとの間の突き合わせ縁部4 2cとから構成されている。
【0063】 つまり、この被覆片40の外縁42は、尻側の切り込みYの範囲内に存在し、 切り込みYの範囲外に存在しないことを意味する。
【0064】 図示した被覆片40の外縁42は、尻側外縁部42a、桟側外縁部42bおよ び突き合わせ縁部42cによって形成され、突き合わせ縁部42cが直線を描い ているが、もとより直線に制限する趣旨ではなく、切り込みYの範囲内であれば 円弧、波形あるいは不定形を描くことは自由である。
【0065】 差込片28と桟瓦本体30の境界を形成する内縁44は被覆片40の外縁42 にほぼ対応した形態に設けられている。 前記した内縁44は、被覆片40の外縁42を構成する尻側外縁部42a、桟 側外縁部42bおよび突き合わせ縁部42cにほぼ対応した横内縁部44a、縦 内縁部44b、被突き合わせ内縁部44cから構成されている(図4を参照)。
【0066】 そして、被覆片40と桟瓦本体30の境界を形成する内縁46は差込片28の 外縁32にほぼ対応して設けられている。
【0067】 したがって、被覆片40の内縁46は差込片28の外縁32を構成する頭側外 縁部32a、衿側外縁部32aおよび突き合わせ外縁部32cにほぼ対応した横 内縁部46a、縦内縁部46bおよび被突き合わせ内縁部46cから構成されて いる(図5を参照)。
【0068】 これらの内縁44、46の被突き合わせ内縁部44c、46cは、被覆片40 の下方に差込片28を差し込んだときに、被覆片40の被突き合わせ内縁部44 cに差込片28の突き合わせ外縁部32cが当接することや、また差込片28の 被突き合わせ内縁部46cに被覆片40の突き合わせ外縁部42cが当接するこ とあるいは、これらの突き合わせ外縁部32c、42cが差込片28、被覆片4 0に位置する条件を満たせば、その形状は問わない。
【0069】 差込片28の外縁32を構成する頭側外縁部32aおよび衿側外縁部32bを 得るため、頭側の切り込みX内において衿縁寄りの頭縁を、また頭縁寄りの衿縁 をそれぞれ延長させている理由は次のとおりである。
【0070】 差込片28の内縁44と被覆片40の外縁42が当接されるものの、依然とし て両縁44、42間に間隙が生ずることは否定できない。 したがって、雨水はこの間隙を通じて差込片28の表面に浸入することも否定 できない。
【0071】 この場合、差込片28は、被覆片40の下方に位置することにより、浸入する 雨水の受け皿の役割も果たすことになるから、本来的にはその面積は広いことが 所望されるものの、頭側の切り込みX全体を占めるような大きさにすれば(方形 状にする例)、先願について説明したとおり、桟瓦10の生産工程上において差 込片28が損傷を受けるなどのおそれがある。
【0072】 他方、頭側外縁部32aと衿側外縁部32bを省略した場合、差込片28の外 縁32が頭縁と衿縁を直接結んだものであって、つまり差込片28が略三角形を 呈することになるが、このようにすれば、衿縁寄りの頭縁と桟縁寄りの尻縁には 雨水の受け皿となる差込片28の一部が存在しないことになり、とくに衿縁に向 けて浸入してくる雨水に対する受皿となる部分がないため、野地材N側に達する おそれがある。
【0073】 次に桟瓦10の組み合わせについて説明すると、一般的に多数の桟瓦10群に よって構成されるものの、その基本は以下に説明するように4枚の桟瓦10によ り、従来例と基本的に同じ手段によって行われる。
【0074】 そこで、少なくとも4枚の桟瓦10a、10b、10c、10dを用意し、図 3、図6および図7を参照して明らかなように、第1の桟瓦10aの衿側上に第 2の桟瓦10bの桟側を重ねることにより、桟と衿とによる重ね部48が形成さ れる。
【0075】 この考案は、前記した桟と衿とによる重ね部48(弯曲された桟の裏面と衿の 表面による重合による組合わせ)の面積を減少させることは桟瓦10の形態から 困難性が高いため、桟瓦10の有効活用面積の増加を図ろうとするものではなく 、頭と尻とによる重ね部50の面積を減少させることにより、桟瓦10の有効活 用面積の増加を図ろうとするものであるから、この重ね部48の幅は、従来例の 桟瓦Wの重ね部Smの幅と同じである。
【0076】 なお、この考案は、桟と衿とによる重ね部48の活用面積を広くしようとする ものではなく、桟と衿とによる重ね部48の活用については従来例と比較して変 化しないことを念のため明らかにする。
【0077】 そして、第1の桟瓦10aの尻側に第3の桟瓦10cの頭側が重ねられるとと もに、第2の桟瓦10bの被覆片40の下方に第3の桟瓦10cの差込片28が 差し込まれ、第2の桟瓦10bの尻側に第4の桟瓦10dの頭側が重ねられ、第 3の桟瓦10cの衿側に第4の桟瓦10dの桟側を重ねる。
【0078】 よって、第1の桟瓦10aと第3の桟瓦10cの頭と尻による重なりにより、 重ね部50が形成される。 そして、この重ね部50の長さは、差込片28あるいは被覆片40の長さにほ ぼ相当している。
【0079】 ところで、従来例の桟瓦Wにおいては、第3の桟瓦Wcの頭が第2の桟瓦Wb の尻側の切り込みYbより頭側に臨み、第3の桟瓦Wcの頭側の切り込みXcと 第2の桟瓦Wbの尻側の切り込みYbが嵌合され、第1の桟瓦Waの尻側と第3 の桟瓦Wcの頭側により重ね部Snが形成され、この重ね部Snの長さは、切り 込みXcの縦辺Xvと切り込みYbの縦辺Yvを加算した長さに相当する。
【0080】 これに対して、この考案の実施の形態における桟瓦10の差込片28および被 覆片40の長さおよび幅をそれぞれ従来例の桟瓦Wの切込みX、Yの縦辺Xv、 Yvと同じ寸法にすれば、頭と尻とによる重ね部50の長さが従来例の桟瓦Wと 比較して半減することは明らかであり、結局、頭と尻とによる重ね部50の面積 が2分の1に減少することになる。
【0081】 また、第2の桟瓦10bの尻側と第4の桟瓦10dの頭側により、別の重ね部 50が形成されるが、この重ね部50の長さもまた前記した第1の桟瓦10aと 第3の桟瓦10cによって構成される重ね部50の長さに等しく形成される。
【0082】 因みに、この考案の実施の形態による桟瓦10と従来品の桟瓦Wの形状寸法、 そして単位面積(3.3平方メートル)当たりの葺き枚数を対比すると「表1」 に示すとおりである。
【0083】
【表1】
【0084】 「表1」を参照すると明らかなとおり、一般的に広く採用される桟瓦としてた とえば、寸法区分により53A版と称される従来の桟瓦の場合では、単位面積当 たり53枚を必要としたものが、この考案の実施の形態の桟瓦の場合では、46 枚で足り、13%以上その必要枚数を減ずることができたことが示されている。 さらに、桟瓦の大きさが小さい形態になるにしたがって、一層単位面積当たり の桟瓦の必要枚数を従来例と比較して減少することも明らかになったことを示し ている。
【0085】 また、前記したように4枚の桟瓦10a、10b、10c、10dが組み合わ せられることにより、第3の桟瓦10cの差込片28と第2の桟瓦10bの被覆 片40との間に浸入経路52が階段状に形成される(図6を参照)。
【0086】 そして、この浸入経路52は、第2および第3の桟瓦10b、10cの表面か ら第3の桟瓦10cの差込片28の表面に向かう第1の垂直経路54、第1の垂 直経路54から引き続いて軒側に向かうとともに垂直経路54に対してほぼ直角 方向に設けられた水平経路56、水平経路56に引続きしかも直角方向であって 第1の桟瓦10aに向かう第2の垂直経路58から構成される(図6を参照)。
【0087】 したがって、強風などに伴って第1の垂直経路54に浸入した雨水は、水平経 路56および第2の垂直経路58へ誘導され、雨水が第1の桟瓦10a側に達す るまでにその勢いが著しく減じられるので、雨水が逆流して野地材N側へ浸入さ せないように配慮されている。
【0088】 さらに、差込片28には衿側外縁部32bが設けられ、被覆片40には桟側外 縁部42aが設けられているので、差込片28を被覆片40の下方に差し込むこ とにより、切り込みX、Y内には雨水を受ける二層の受皿となる部分が形成され る。
【0089】 したがって、これらの切り込みX、Yに浸入した雨水は、被覆片40が桟側に 傾斜していることと屋根の有する勾配から、まず被覆片40によって、第1の桟 瓦10aの谷側に確実に誘導され、仮に被覆片40の外縁42側から被覆片40 の下方に雨水が浸入しても、被覆片40の下方には差込片28が存在し、かつ衿 側外縁部32bが設けられているので、第3の桟瓦10cの衿縁を越えて浸入す ることがなく、第1の桟瓦10aの谷側に確実に誘導されるので、野地材N側を 損傷させることがない。
【0090】 このことは、従来の桟瓦Wにおいて第2の桟瓦Wbの切り込みYbの縦辺Yv と第3の桟瓦Wcの頭側の衿縁との当接部分に達する雨水が縦辺Ybと衿縁の当 接部分に入り込み、第1の桟瓦Waの衿縁を通じて野地材Nに至り、野地材N側 を損傷させるという問題を解消したことにほかならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る桟瓦の表面斜視図である。
【図2】図1の裏面斜視図である。
【図3】4枚の桟瓦による瓦屋根の組み合わせ構造を示
す平面図である。
【図4】図1の被覆片付近の要部拡大平面図である。
【図5】図1の差込片付近の要部拡大平面図である。
【図6】図3における矢印P−P線の縦断面図である。
【図7】図3における矢印Q−Q線の縦断面図である。
【図8】図3における矢印R−R線の縦断面図である。
【図9】表1における実施の形態の桟瓦の各寸法を示す
参考図である。
【図10】表1における従来品の桟瓦の各寸法を示す参
考図である。
【図11】従来例の桟瓦の表面斜視図である。
【図12】従来の桟瓦4枚による瓦屋根の組み合わせ構
造を示す平面図である。
【図13】図11における矢印V−V線の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
18 突条 19 突条 22 突条 23 突条 28 差込片 30 桟瓦本体 32 差込片の外縁 32a 差込片の頭側外縁部 32b 差込片の衿側外縁部 32c 差込片の突き合わせ縁部 32d 差込片の頭縁部 40 被覆片 42 被覆片の外縁 42a 被覆片の尻側外縁部 42b 被覆片の桟側外縁部 42c 被覆片の突き合わせ縁部 42d 被覆片の桟縁部 44 差込片と桟瓦本体の境界を形成する内縁 46 被覆片と桟瓦本体の境界を形成する内縁

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 桟瓦本体に頭、尻、桟および衿が備えら
    れるとともに、頭側の切り込みおよび尻側の切り込みを
    有する桟瓦において、 頭側の切り込みに肉薄の差込片が桟瓦本体の裏面寄りに
    設けられ、 該差込片の外縁が頭側の切り込み内において衿側寄りの
    頭縁を延長させた頭側外縁部と、頭側寄りの衿縁を延長
    させた衿側外縁部と、前記した頭側外縁部と衿側外縁部
    との間の突き合わせ縁部とからなり、 他方、尻側の切り込みに肉薄の被覆片が桟瓦本体の表面
    寄りに設けられ、 該被覆片の外縁が尻側の切り込み内において尻側寄りの
    桟縁を延長させた桟側外縁部と、桟側寄りの尻縁を延長
    させた尻側外縁部と、前記した桟側外縁部と尻側外縁部
    との間の突き合わせ縁部とからなり、 桟瓦本体の表面に尻縁と平行な突条が設けられるととも
    に、該突条と尻縁との間隔が尻側の切り込みの長さより
    小さく設定され、 桟瓦本体の表面に衿縁と平行な突条が設けられるととも
    に、該突条と衿縁との間隔が頭側の切り込みの幅にほぼ
    等しく設定されてなることを特徴とする桟瓦。
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