JPH108640A - 桟瓦および桟瓦による瓦屋根 - Google Patents

桟瓦および桟瓦による瓦屋根

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JPH108640A
JPH108640A JP18116896A JP18116896A JPH108640A JP H108640 A JPH108640 A JP H108640A JP 18116896 A JP18116896 A JP 18116896A JP 18116896 A JP18116896 A JP 18116896A JP H108640 A JPH108640 A JP H108640A
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JP
Japan
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tile
cross
roof
head
piece
Prior art date
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JP18116896A
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English (en)
Inventor
Mikio Nakazono
幹男 中園
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KOUSERA MACH KENKYUSHO KK
Original Assignee
KOUSERA MACH KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 桟瓦を屋根に葺いた際に切り込み付近からと
りわけ強風時に雨水が浸入しないようにすることと併せ
て瓦屋根の単位面積当たりに必要な桟瓦数の減少を図
り、瓦屋根の重量の軽減化を図る。 【解決手段】 頭と衿によって形成される隅部に差込片
が桟瓦の裏面寄りに設けられ、他方、尻と桟によって形
成される隅部に前記の差込片に対応した被覆片が桟瓦の
表面寄りに設けられてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、桟瓦とその瓦屋
根に関する。さらに詳しくいえば、屋根の単位面積当た
りに必要な桟瓦数の低減と併せて雨水の浸入を防止でき
る桟瓦とその瓦屋根に関する。
【0002】屋根に使用される数多い種類の瓦の中でも
桟瓦は知られているようにもとりわけその使用数が多
い。したがって、瓦屋根の総重量は桟瓦によって大きく
影響を受けることはいうまでもない。
【0003】瓦屋根の機能を損なうことなく、瓦屋根の
総重量を軽減することは予てこの業界に要請されている
ものの、伝統的な桟瓦については未だ問題が少なくな
い。
【0004】この発明は桟瓦自体の軽量化を意図するこ
となく、桟瓦を屋根葺きするに際して屋根の単位面積当
たりに必要な桟瓦の枚数(葺き枚数)を低減することを
とりわけ意図するものである。
【0005】瓦屋根においては、衿側に隣接する別の桟
瓦の桟側がその衿側に重ねられ、尻側に隣接するさらに
別の桟瓦の頭側が尻側に重ねられることより、桟瓦には
頭から尻に向かう方向(以下単に頭尻方向と称する)と
桟から衿に向かう方向(以下単に桟衿方向と称する)に
それぞれ桟瓦の重ね部が形成されることは知られるとお
りである。
【0006】そこで、この発明は前記した2種類の重ね
部のうち、桟瓦の尻側が別の桟瓦の頭側によって重ねら
れる部分の長さを少なくすることにより、屋根の単位面
積当たりの桟瓦の使用数の低減化を図り、桟瓦の低減数
に相当する重量を瓦屋根の総重量から軽減するとともに
併せて雨水の浸入をより一層抑制することを意図するも
のである。
【0007】
【従来の技術】そこで、雨水の浸入を抑制しつつ、安定
性を図るために伝統的に行われている従来例を図11な
いし図13を参照して具体的に説明する。和形桟瓦W
(日本工業規格A5208では「和形桟がわら」と称さ
れているが、この明細書では以下単に「桟瓦」と称し、
断りのない限り単に符号を「W」と表示する)は、図1
1に示されるように山と谷が設けられ、断面が略波形状
に形成されている。
【0008】そして、桟瓦Wは一般的に、山側の端が
桟、谷側の端が衿または差込み、また屋根に葺いた際の
軒側に位置する端が頭、棟側が尻と称されているから、
以下これらの用語に基づいて従来例およびこの発明によ
る桟瓦を説明する。
【0009】桟瓦Wを屋根に葺く際に、隣接する瓦Wを
相互に連結するため、頭と衿によって形成される隅部と
尻と桟とによって形成される隅部にそれぞれ方形状の頭
側の切り込みXと尻側の切り込みYが形成されているこ
とは知られるとおりである。
【0010】頭側の切り込みXが設けられることによ
り、頭側の切り込みXの内側には、桟瓦Wの長さ方向に
縦辺Xvが、幅方向に幅辺Xhが形成されている。ま
た、尻側の切り込みYの内側には、桟瓦Wの長さ方向に
縦辺Yvが、幅方向に幅辺Yhが形成されている。
【0011】そして、これらの桟瓦Wが図12に示され
るように、少なくとも4枚が葺かれることにより、最小
1単位の瓦屋根が構成されることも知られるとおりであ
る。
【0012】そこで、これらの桟瓦Wによる屋根葺きに
ついて説明すると、第1の桟瓦Waの衿側に、第2の桟
瓦Wbの桟側が重ねられることにより、桟衿方向の幅が
前記した横片Xh、Yhに相当し、また頭尻方向の長さ
が桟瓦Wa、Wbの頭尻方向の長さから前記した縦片X
v、Yvを差し引いた長さに相当する重ね部Smが形成
される。
【0013】他方、第1の桟瓦Waの尻側に、第3の桟
瓦Wcの頭側が重ねられることにより、幅を桟瓦Wa、
Wcの桟衿方向の幅とし、頭尻方向の長さを縦片Xvと
Yvを加算した長さとし、これらの桟衿方向の幅と縦片
Xv、Yvを加算した長さより算出される面積による重
ね部Snが形成される。
【0014】この場合、第3の桟瓦Wcの頭側の切り込
みをXcとし、第2の桟瓦Wbの尻側の切り込みをYb
とすると、第3の桟瓦Wcの頭側の切り込みXcと第2
の桟瓦Wbの尻側の切り込みYbは互いに対称に形成さ
れているから、両桟瓦Wb、Wcは妄動しないように嵌
合される。
【0015】この点についてさらに詳しく説明すると、
第3の桟瓦Wcの頭側の切り込みXcの幅辺Xhと第2
の桟瓦Wbの尻側の切り込みYbの幅辺Yhが互いに当
接される。
【0016】したがって、第3の桟瓦Wcの頭は、第2
の桟瓦Wbの尻側の切り込みYbよりも第2の桟瓦Wb
の頭側に臨んでいる。そして、第3の桟瓦Wcの頭と第
2の桟瓦Wbの尻側の切り込みYbの幅辺Yhとの距離
は第3の桟瓦Wcの頭側の切り込みXcの縦辺Xvにほ
ぼ等しく設定される。
【0017】一方、第2の桟瓦Wbの尻は、第3の桟瓦
Wcの頭側の切込みXcよりも第3の桟瓦Wcの尻側に
臨んでいる。そして、第2の桟瓦Wbの尻と第3の桟瓦
Wcの頭側の切り込みXcの幅辺Xhとの距離は第2の
桟瓦Wbの尻側の切り込みYbの縦辺Yvにほぼ等しく
設定される。
【0018】さらに、第2の桟瓦Wbの尻側に、第4の
桟瓦Wdの頭側が重ねられることにより、第1の桟瓦W
aに第3の桟瓦Wcを重ねることによって形成された長
さ方向の重ね部Snと同様に別の重ね部Snが形成され
る。
【0019】そして、第3の桟瓦Wcの衿側に、第4の
桟瓦Wdの桟側が重ねられることにより、第1の桟瓦W
aの衿側に第2の桟瓦Wbの桟側を重ねることによって
形成された幅方向の重ね部Smと同様に別の幅方向の重
ね部Smが形成される。
【0020】このようにして構成された4枚の桟瓦W
a、Wb、Wc、Wdが、瓦屋根を構成する最小単位と
なり、この最小単位の瓦屋根が連続的に設けられること
により周知の瓦屋根が得られる。
【0021】したがって、第1の桟瓦Waの尻側上に第
3の桟瓦Wcの頭側が重ねられるとともに、第2の桟瓦
Wbの尻側の切り込みYbと第3の桟瓦Wcの頭側の切
り込みXcが噛み合うように略嵌合され、また、第2の
桟瓦Wbの衿側に第4の桟瓦Wdの桟側を重ねるように
しているから、桟瓦Wの妄動を抑制するようにし、切り
込み付近からの雨水の浸入抑制を図るようにしている点
で評価できるものの、桟瓦Wの全面積に対して全重ね部
の面積が占める割合が比較的大きくならざるを得ないほ
か、激しい風雨の際に切り込み付近からの雨水の浸入の
おそれがあり、これらの問題が存在するにもかかわら
ず、解決されていないのが実情である。
【0022】そこで、上記の問題点についてさらに言及
すると、第1の桟瓦Waと第2の桟瓦Wbの頭側を整然
と統一させ、同様に第3の桟瓦Wcと第4の桟瓦Wdの
頭側を揃えるためには、第3の桟瓦Wcの頭側の切り込
みXcと第2の桟瓦Wbの尻側の切り込みYbを嵌合さ
せ、第2の桟瓦Wbの尻側に第4の桟瓦Wdの頭側を重
ねるとともに第3桟瓦Wcの衿側に第4の桟瓦Wbの桟
側を重ねなければならない。
【0023】したがって、必然的に第1の桟瓦Waと第
3の桟瓦Wcとの長さ方向の重ね部Snの頭尻方向の長
さは、第3の桟瓦Wcの頭側の切込みXcの縦辺Xvと
第2の桟瓦Wbの尻側の切込みYbの縦辺Yvを加算し
た長さにほぼ等しくなる。
【0024】このことは、桟瓦Wの全面積に対して頭尻
方向の重ね部Snの占める面積が増大することになり、
単位面積当たりに必要な桟瓦の枚数(たとえば坪当たり
の葺き枚数)が増加するとともに、家屋に対する荷重が
大きくなり、瓦屋根の荷重に抗する家屋の構造が必要に
なるとうい問題を生じていた。
【0025】また、図13に示されるように、第3の桟
瓦Wcの頭側の切り込みXcの幅辺Xhと第2の桟瓦W
bの尻側の切り込みYbの幅辺Yhが当接されるが、こ
れらの幅辺Xh、Yhの間隙は断面において、第2の桟
瓦Wbと第3の桟瓦Wcの表面側から裏面側にかけて直
線的に形成される。
【0026】したがって、第4の桟瓦Wdの頭側の裏面
と第2の桟瓦Wbの尻側の表面との間からこれらの桟瓦
Wd、桟瓦Wbの尻側に向けて浸入する雨水は、第3の
桟瓦Wcの頭側の切り込みXcの幅辺Xhと第2の桟瓦
Wbの尻側の切り込みYbの幅辺Yhとの間隙を通過し
て第1の桟瓦Waの尻側に受け止められ、第1の桟瓦W
aの表面を通じて頭側に向けて誘導されるものの、強風
下の降雨の際には、前記した幅辺Xh、Yhの間から強
風とともに浸入した雨水は依然として勢いが残存してお
り、しかも幅辺Xh、Yhによる間隙が第1の桟瓦Wa
の表面に向けて直線的に形成されているに過ぎないた
め、その勢いが減じられることなく、第1の桟瓦Waの
尻側あるいは衿側を越えて野地材G側に浸入し、屋根を
損傷させることが少なくないなどの問題があった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
する課題は、瓦屋根の単位面積当たりに必要な桟瓦数が
増加することと併せて強風時に雨水が桟瓦の切り込み付
近から野地材に向けて浸入することにある。この発明の
目的は、切り込み付近に対するとりわけ強風時の雨水の
浸入の抑制を図りつつ、瓦屋根の単位面積当たりに必要
な桟瓦数の軽減を図り、よって瓦屋根の重量の軽減化に
寄与することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段および作用効果】この発明
の桟瓦は、頭と衿によって形成される隅部に略方形の差
込片が裏面寄りに設けられ、尻と桟によって形成される
隅部に前記の差込片に対応した被覆片が表面寄りに設け
られてなるものである。
【0029】したがって、少なくとも4枚の桟瓦が設け
られ、第1の桟瓦の衿側に第2の桟瓦の桟側が重ねら
れ、第1の桟瓦の尻側に第3の桟瓦の頭側が重ねられる
とともに、第2の桟瓦の被覆片の下方に第3の桟瓦の差
込片が差し込まれ、第2の桟瓦の尻側に第4の桟瓦の頭
側が重ねられ、第3の桟瓦の衿側に第4の桟瓦の桟側が
重ねられることにより、頭尻方向の重ね部の面積を従来
に比較して、差込片または被覆片の長さに等しい分の長
さと桟瓦の桟衿方向の幅と乗じた面積分だけ少なくでき
る。
【0030】よって、この重ね部分の面積を長さ方向に
おいて減少できるから、桟瓦の長さ方向に活用できる面
積の増加に寄与できるので、瓦屋根の単位面積に必要な
桟瓦数の減少化を図ることができるから、桟瓦の使用数
の軽減化を図ることができ、よって瓦屋根を軽量化でき
る。
【0031】また、被覆片の下方に差込片を差し込むこ
とにより、頭側における衿側と尻側における桟側との間
に雨水が浸入しても、その浸入経路は従来のものが単な
る直線的であったものと比較し、差込片と被覆片との間
に階段状に形成される(図5を参照)。
【0032】したがって、差込片と被覆片によって形成
される雨水の浸入経路は、断面形状において階段状に形
成されるので、浸入経路に浸入した雨水は第3の桟瓦の
頭側の表面から第1の桟瓦の表面に向けて浸入する間に
直角方向に2度に亘って方向を変えることになる。
【0033】その結果、浸入方向の向きが変わる度に雨
水の勢いが弱められるので、雨水が逆流して第1の桟瓦
の衿側や尻側を越えて桟瓦の下方に敷設された野地材側
に浸入して野地材などを損傷させるおそれがない(図4
を参照)。
【0034】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態に係る桟瓦
と桟瓦の組み合わせ構造を図面を参照して説明する。図
1は実施の形態に係る桟瓦の表面斜視図、図2はその裏
面斜視図、図3は4枚の桟瓦による瓦屋根の組み合わせ
構造を示す平面図、図4は図3における矢印P−P線の
縦断面図、図5は図3における矢印Q−Q線の縦断面
図、図6は他の実施の形態に係る桟瓦の裏面斜視図、図
7は他の実施の形態に係る桟瓦4枚による瓦屋根の組み
合わせ構造を示す平面図、図8は図7の矢印R−R線の
縦断面図、図9は表1における実施の形態の桟瓦の各寸
法を示す参考図、図10は表1における従来品の桟瓦の
各寸法を示す参考図、図11は従来例の桟瓦の表面斜視
図、図12は従来例の桟瓦4枚による瓦屋根の組み合わ
せ構造を示す平面図、図13は図12における矢印V−
V線の縦断面図である。
【0035】この実施の形態に係る桟瓦10の構成を図
1ないし図4を参照して説明すると、知られているよう
に山14と谷16が設けられている。この実施の形態の
桟瓦10は、JIS規格に示されるように谷16の深さ
が35mm以上に設けられている例である。
【0036】尻の表面に水返しのための突条18が衿か
ら山14にかけて設けられている。
【0037】そして、突条18の中央付近にこの桟瓦1
0を釘により野地材N側の桟木Gに固定するための釘孔
20が設けられている(図1および図4を参照)。
【0038】また、衿の表面に、尻から頭に向けて水返
しのために突条22が設けられている(図1を参照)。
【0039】他方、図2を参照して明らかなように、頭
の裏面に水返しのための突条24が衿から桟に向けて設
けられている。
【0040】さらに、桟の裏面の頭から尻に向けて突条
26が設けられ、尻の裏面に一対の尻剣28が設けられ
ている。以上に説明した構成は、従来例と比較して基本
的に相違するものではなく、また尻剣や釘孔の有無、そ
の数あるいは各突条の有無については限定されるもので
はない。
【0041】そこで、引続き、この発明の桟瓦10の実
質上の特徴について説明すると、頭と衿によって形成さ
れる隅部に薄肉状であって、かつ略方形の差込片32が
裏面寄りに設けられている(図1を参照)。
【0042】他方、尻と桟によって形成される隅部に薄
肉状であって前記した差込片32に略対応した被覆片3
6が表面寄りに設けられている(図2を参照)。これら
の差込片32と被覆片36の形態は略対応していること
を必要とする。
【0043】次に前記した桟瓦10を用いた瓦屋根の構
造について説明する。桟瓦10の組み合わせは、一般的
に多数の桟瓦10群によって構成されるものの、その基
本は以下に説明するように4枚の桟瓦10により、従来
例と基本的に同じ手段によって行われる。
【0044】そこで、少なくとも4枚の桟瓦10a、1
0b、10c、10dを用意し、図3ないし図5を参照
して明らかなように、第1の桟瓦10aの衿側上に第2
の桟瓦10bの桟側を重さねることにより、差込片32
または被覆片36の幅にほぼ等しい幅による幅方向の重
ね部44が形成される。
【0045】この幅方向の重ね部44の幅は、従来例の
桟瓦Wの重ね部の幅と同じとしてよい。そして、第1の
桟瓦10aの尻側に第3の桟瓦10cの頭側が重ねられ
るとともに、第2の桟瓦10bの被覆片36の下方に第
3の桟瓦10cの差込片32が差し込まれ、第2の桟瓦
10bの尻側に第4桟瓦10dの頭側が重ねられ、第3
の桟瓦10cの衿側に第4の桟瓦10dの桟側が重ねら
れ。
【0046】よって、第1の桟瓦10aと第3の桟瓦1
0cの頭尻方向の重なりにより長さ方向の重ね部42が
形成される。そして、この重ね部42の頭尻方向の長さ
は、差込片32あるいは被覆片36の頭尻方向の長さに
ほぼ相当している。
【0047】ところで、従来例の桟瓦Wにおいては、第
3の桟瓦Wcの頭が第2の桟瓦Wbの尻側の切り込みY
bより頭側に臨み、第3の桟瓦Wcの頭側の切り込みX
cと第2の桟瓦Wbの尻側の切り込みYbが嵌合され、
第1の桟瓦Waの尻側と第3の桟瓦Wcの頭側により長
さ方向の重ね部Snが形成され、この重ね部Snの頭尻
方向の長さは、切り込みXcの縦片Xvと切り込みYb
の縦片Yvを加算した長さに相当している。
【0048】これに対して、この発明の実施の形態にお
ける桟瓦10の差込片32および被覆片36の長さおよ
び幅をそれぞれ従来例の桟瓦Wの切込みX、Yの縦片X
v、Yvと同じ寸法にすれば、長さ方向の重ね部42の
頭尻方向の長さが従来例の桟瓦Wと比較して半減するこ
とは明らかであり、結局、長さ方向の重なり部42の面
積が2分の1に減少することになる。
【0049】また、第2の桟瓦10bの尻側と第4の桟
瓦Wdの頭側により、頭尻方向に別の長さ方向の重ね部
42が形成されるが、この重ね部42の頭尻方向の長さ
もまた前記した第1の桟瓦10aと第3の桟瓦10cに
よって構成される長さ方向の重ね部42の長さに等しく
形成される。
【0050】因みに、この発明の実施の形態による桟瓦
Wと従来品の桟瓦の形状寸法、そしてし単位面積(3.
3平方メートル)当たりの葺き数を対比すると「表1」
に示すとおりである。
【0051】
【表1】
【0052】「表1」を参照すると明らかなとおり、一
般的に広く採用される桟瓦としてたとえば、寸法区分に
より53A版と称される従来桟瓦の場合では、単位面積
当たり53枚を必要としたものが、この発明の実施の形
態の桟瓦の場合では、46枚で足り、13%以上その必
要枚数を減ずることができたことが示されている。さら
に、桟瓦の大きさが小さい形態になるにしたがって、一
層単位面積当たりの桟瓦の必要枚数を従来例と比較して
減少することも明らかになったことを示している。
【0053】また、前記したように4枚の桟瓦10a、
10b、10c、10dが組み合わせられることによ
り、第3の桟瓦10cの差込片32と第2の桟瓦10b
の尻部被覆片36の間に浸入経路49が階段状に形成さ
れる。
【0054】そして、この浸入経路49は、第2および
第3の桟瓦10b、10cの表面から第3の桟瓦10c
の差込片32の表面に向かう第1の垂直経路50、第1
の垂直経路50から引き続いて軒側に向かうとともに垂
直経路50に対してほぼ垂直方向に設けられた水平経路
52、水平経路52に引続きしかも直角方向であって第
1の桟瓦10aに向かう第2の垂直経路54から構成さ
れる(図4を参照)。
【0055】したがって、強風などに伴って第1の垂直
経路50に浸入した雨水は、水平経路52および第2の
垂直経路54へ誘導され、雨水が第1の桟瓦10a側に
達するまでにその勢いが著しく減じられので、雨水が逆
流して野地材N側へ浸入させないように配慮されてい
る。
【0056】次に別の実施の形態について説明する。こ
の実施の形態の桟瓦100の構成は、先に説明した桟瓦
10の構成と大きく変化するものではないので、相違点
について言及し、共通な構成については先の桟瓦10の
説明を援用する。
【0057】この桟瓦100の被覆片36の桟側に切り
込み部46が設けられている点を除き、他の構成は先に
説明した実施の形態の桟瓦10の構成と一致している。
図6に示されるように、尻と桟から形成される隅部34
に設けられた尻部被覆片36の桟側の一部が切除され、
比較的浅く、一定の幅Kによる長方形の切り込み部46
が設けられている(図6を参照)。
【0058】このとき、差込片32が被覆片36と対応
するために、差込片32の幅を被覆片36の幅と一致さ
せるように設定する必要がある。また、別の手段として
は、被覆片36の幅を衿側に向けて切り込み部46の幅
の相当分を延長させることにより、差込片32の幅を変
更することなく差込片32と被覆片36の対応関係を実
現できる。
【0059】この切り込み部46は、桟瓦100aを葺
く際に、桟瓦100aの幅方向の重なりを微調整するた
めのものであり、微調整することにより強風によって桟
瓦100がより吹き飛ばされないようにすることや地震
の揺れにより位置ずれの発生、さらに雨水の浸入を一層
防止できるように意図されているほか、第2の桟瓦10
0aと第3の桟瓦100cの境界部分をより隠蔽し、瓦
屋根葺きの際の美観の向上化を図ることも意図されてい
る。
【0060】この点についてさらに詳しく説明すると、
図7、図8に示されるように、4枚の桟瓦100a、1
00b、100c、100dの組み合わせは、先の実施
の形態と共通している。
【0061】被覆片36に一定の幅Kによる切り込み部
46が設けられているから、第1の桟瓦100aに第2
の桟瓦100bがを重ねられることにより形成される桟
衿方向の重さね部48が、先の実施の形態の桟瓦10の
場合と比較して切り込み部46の幅の分だけ幅方向に拡
張される。
【0062】そのため、第2の桟瓦100bの被覆片3
6の上方に位置する第4の桟瓦100dにより、第2の
桟瓦100bの被覆片36が確実に隠蔽されるので美観
の向上を図ることができる。
【0063】また、第2の桟瓦100bの谷側から衿側
に向けて頭部差込片32に浸入しようとする雨水を一層
阻止する効果も奏する。
【0064】なお、この発明に係る桟瓦10、100を
粘土により製造する場合、前記した課題の解決のほか
に、次の製造工程上の有利性をも有するのでこの点につ
いて言及する。
【0065】粘土瓦の製造は、乾燥後の瓦素地を焼成す
る際に、尻を底面としていわゆる焼成台車の棚上に起立
させて行われることが一般的に知られている。この場
合、桟瓦は谷と桟との構成から断面略円弧状に形成さ
れ、一般的に尻側には尻剣が設けられていることと相待
って起立させることが可能ではあった。
【0066】しかし、起立させることが可能であるとし
ても、尻と桟とによって形成される隅部には切り込みと
称される空所が形成されている。したがって、切り込み
を備えた桟瓦の尻側を底面として焼成台車の棚上に起立
させることは依然として不安定性が残存するものの、解
消されないまま焼成台車を利用して焼成されているのが
実情である。このため、焼成台車の走行中の揺動などに
より瓦素地が転倒することがあり、生産技術上の問題で
あった。
【0067】これに対してこの発明は、前記の問題点の
解決を行うことができるようにするため、前記したよう
に、桟瓦10、100の尻と桟によって形成される隅部
に被覆片36が設けられているから、従来の桟瓦に形成
されている切り込みによる空所が存在しない。
【0068】したがって、従来例では、その空所の存在
することにより、尻側を底面として起立させる場合、空
所が不安定要素を構成したが、被覆片36が設けられる
ことにより、空所が閉鎖されることになるため、起立面
となる尻側の面積が増加することはもちろん、不安定要
素となり易い隅部の安定性に被覆片36が寄与するの
で、従来発生した転倒のおそれを解消できる利点も有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る桟瓦の表面斜視図である。
【図2】図1の裏面斜視図である。
【図3】四枚の桟瓦による組み合わせ構造を示す平面図
である。
【図4】図3における矢印P−P線の縦断面図である。
【図5】図3における矢印Q−Q線の縦断面図である。
【図6】他の実施の形態に係る桟瓦の裏面斜視図であ
る。
【図7】他の実施の形態に係る桟瓦4枚による瓦屋根の
組み合わせ構造を示す平面図である。
【図8】図7における矢印R−R線の縦断面図である。
【図9】表1における実施の形態の桟瓦の各寸法を示す
参考図である。
【図10】表1における従来品の桟瓦の各寸法を示す参
考図である。
【図11】従来例の桟瓦の表面斜視図である。
【図12】従来例の桟瓦4枚による瓦屋根の組み合わせ
構造を示す平面図である。
【図13】図12における矢印V−V線の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
32 差込片 36 被覆片

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頭と衿によって形成される隅部に略方形
    の差込片が裏面寄りに設けられ、 尻と桟によって形成される隅部に前記の差込片に対応し
    た被覆片が表面寄りに設けられてなる桟瓦。
  2. 【請求項2】 頭と衿によって形成される隅部に略方形
    の差込片が裏面寄りに設けられ、尻と桟によって形成さ
    れる隅部に前記の差込片に対応した被覆片が表面寄りに
    設けられてなる桟瓦が少なくとも4枚設けられ、 第1の桟瓦の衿側に第2の桟瓦の桟側が重ねられ、第1
    の桟瓦の尻側に第3の桟瓦の頭側が重ねられるととも
    に、第2の桟瓦の被覆片の下方に第3の桟瓦の差込片が
    差し込まれ、第2の桟瓦の尻側に第4の桟瓦の頭側が重
    ねられ、第3の桟瓦の衿側に第4の桟瓦の桟側が重ねら
    れてなることを特徴とする桟瓦による瓦屋根。
JP18116896A 1996-06-22 1996-06-22 桟瓦および桟瓦による瓦屋根 Pending JPH108640A (ja)

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