JP2509758Y2 - 頭側の隅角をカットした二条ライン付き隅棟瓦 - Google Patents

頭側の隅角をカットした二条ライン付き隅棟瓦

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JP2509758Y2
JP2509758Y2 JP996692U JP996692U JP2509758Y2 JP 2509758 Y2 JP2509758 Y2 JP 2509758Y2 JP 996692 U JP996692 U JP 996692U JP 996692 U JP996692 U JP 996692U JP 2509758 Y2 JP2509758 Y2 JP 2509758Y2
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邦和 鈴木
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、平板瓦を使用して葺か
れた寄棟家屋、方形家屋の隅棟に、施工(葺工)される
二条ライン付き隅棟瓦に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、隅棟瓦としては、例えば、図6に
示す構成のものが採用されている。即ち、流れ溝Aを備
えた差込み側Bと、当該差込み側Bと平面視して略90
゜三角州方向に位置する棧側Cと、この棧側Cと前記差
込み側Bとの頭側縁を結び、かつその隅角D´を備えた
前記差込み側Bと前記棧側Cと対峙形状となる角形頭側
Dと、前記差込み側Bと前記棧側Cとの収れん側に設け
た角形切込形状を呈する尻側Eと、で構成される隅棟瓦
本体Fであって、この隅棟瓦本体Fの表面に尻側Eの中
心より、角形頭側Dの隅角D´に到る一条ラインGを設
け、かつ前記尻側Eに角形水返し突条E´を設ける構造
となっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】前述の如く、従来の隅
棟瓦は、隅角を有することから、隅棟瓦全体が大きな寸
法となる。それがため、例えば、乾燥時の縮寸法の不均
一化の基になり、成形精度の低下を招来すること、また
葺上げ時における他の平板瓦とのバランスが悪く、もっ
て葺上げ屋根の美感が損なわれること、更に瓦面積が大
きくなることから、その取り扱いも苦慮すること、等の
課題が考えられる。
【0004】また従来の隅棟瓦は、隅棟瓦本体の表面
に、一条ラインが形成される構造となっていることか
ら、二面体による太陽光線を介しての陰陽模様であり、
変化に乏しく、例えば、平板瓦寄棟家屋の隅棟部分にお
ける陰陽模様が、十分とは云えない処である。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本考案は、瓦面
積の縮小化、又は尻側の切込角(角形切込形状)をなく
して、乾燥時の縮寸法の均一化を達成し、成形精度を高
めること、隅棟瓦本体の表面に二条ラインを形成し、多
様な陰陽模様を生成すること等を目的として、下記の構
成を採用する。
【0006】即ち、本考案の頭側の隅角をカットした二
条ライン付き隅棟瓦は、平面視して略々截頭山形状に設
けられる流れ溝を備えた差込み側及び尻側並びに棧側
と、この棧側と前記差込み側との頭側縁を結ぶ一対の傾
斜頭部及びこの一対の傾斜頭部の連設部位に設けられた
カット頭部でなる頭側と、で構成される頭側の隅角をカ
ットした平面視して略々方形状の隅棟瓦本体であって、
この隅棟瓦本体の表面に設けられたこの隅棟瓦本体の尻
側より同隅棟瓦本体の頭側のカット頭部に到る収れんし
た二条ラインと、 前記隅棟瓦本体の尻側及び差込み側・
棧側の尻側部に設けられた平面視して略山形状の水返し
突条と、 前記隅棟瓦本体の一対の傾斜頭部及びカット頭
部の裏面にそれぞれ設けられた一対の傾斜頭部突起条及
びカット頭部突起条と、 前記隅棟瓦本体の棧側の裏面に
設けられた雨水誘導突条と、 でなる構成である。
【0007】また本考案は、隅棟瓦本体の二条ライン
に、更に変化を持たせ、もって陰陽模様の多様化、又は
例えば、平板瓦寄棟家屋の全体の陰陽模様の多様化を図
るために、下記の構成を採用した。
【0008】即ち、本考案の頭側の隅角をカットした二
条ライン付き隅棟瓦は、平面視して略々截頭山形状に設
けられる流れ溝を備えた差込み側及び尻側並びに棧側
と、この棧側と前記差込み側との頭側縁を結ぶ一対の傾
斜頭部及びこの一対の傾斜頭部の連設部位に設けられた
カット頭部でなる頭側と、で構成される頭 側の隅角をカ
ットした平面視して略々方形状の隅棟瓦本体であって、
この隅棟瓦本体の表面に設けられたこの隅棟瓦本体の尻
側より同隅棟瓦本体の頭側のカット頭部に到る平行な二
条ラインと、 前記隅棟瓦本体の尻側及び差込み側・棧側
の尻側部に設けられた平面視して略山形状の水返し突条
と、 前記隅棟瓦本体の一対の傾斜頭部及びカット頭部の
裏面にそれぞれ設けられた一対の傾斜頭部突起条及びカ
ット頭部突起条と、 前記隅棟瓦本体の棧側の裏面に設け
られた雨水誘導突条と、 でなる
【0009】
【作用】次に、本考案の葺上げ状態(作用)を説明する
と、瓦棧に係止した引掛け、及び屋根地、広小舞等への
釘止めを介して、隅棟に葺かれた隅棟瓦の差込み側に
は、平板瓦の棧側が葺かれ、前記差込み側の流れ溝上
に、平板瓦の棧側をかぶせ葺きする。また前記隅棟瓦の
棧側には、平板瓦の差込み側が差し込まれる。その後、
前記葺上げられた隅棟瓦(前の隅棟瓦とする。)の上方
(棟方向)には、次の隅棟瓦がかぶせ葺きされるが、具
体的には、前の隅棟瓦の尻側の水返し突条、及び両平板
瓦の尻側の水返し突条の僅か下方に、次の隅棟瓦の裏面
に設けたカット頭部突起条、及び一対の傾斜頭部突起条
が、当接するように葺上げられ、前記前の隅棟瓦及び両
平板瓦の、それぞれの尻側に、次の隅棟瓦の頭側が、か
ぶせ葺きされ、その後、釘止めされる(図3参照)。以
後は、前述の次の隅棟瓦の施工と、ほぼ同じ葺上げ方法
により、隅棟が完成される。
【0010】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0011】先ず、図1〜図3は二条ライン形態の一例
を示しており、この例では、1は水返し突条片2を介し
て、差込み側3に形成された流れ溝で、この流れ溝1に
は平板瓦100の棧側100aが葺きかぶせられること
から、後述の隅棟瓦本体より一段低く設けられている。
【0012】4は隅棟瓦本体であって、この隅棟瓦本体
4は、平面視して略々截頭山形状に設けられる流れ溝1
を備えた差込み側3及び尻側6並びに棧側7と、この棧
側6と前記差込み側3との頭側縁を結ぶ一対の傾斜頭部
15、15a及び当該一対の傾斜頭部15、15aの連
設部位に設けられたカット頭部15bとでなる頭側5
と、で構成される。そして、当該隅棟瓦本体4の全体形
態において頭側5の特徴は、頭側5の隅角がカットさ
れ、傾斜頭部15、15aの長さ寸法が、それぞれ平板
瓦100のきき幅100bと、ほぼ同一となっており、
図3の如く、整合する構造となっていること、及びカッ
ト頭部15bにより平板瓦100の瓦面積より小さくな
っている。また当該隅棟瓦本体4の全体形態において尻
側6の特徴は、この尻側6に切欠けを設けないことにあ
る。16は尻側6と差込み側3及びと棧側の尻側部に亘
って設けられた山形状の水返し突条である。
【0013】8は隅棟瓦本体4の表面4aに、その尻側
6やや下方より、カット頭部15bと一対の傾斜頭部1
5、15aとの境目に亘って設けられた略三角形状の二
条ラインで、これにより、前記表面4aに三つの面体1
14、114a、114bが形成される(いわゆる、三
面体が形成される。)。尚、図中9は釘孔を示す。
【0014】また隅棟瓦本体4の裏面4bには、その棧
側7に雨水誘導突条10が設けられ、またその頭側5に
は、前記表面4aの一対の傾斜頭部15、15a及びカ
ット頭部15bに対応する一対の傾斜頭部突起条11、
11a及びカット頭部突起条11bが設けられている。
そして、図3の如く、前記一対の傾斜頭部突起条11、
11aは、下方の平板瓦100の尻側(図示せず)やや
下側の平板瓦本体100cに当接され、またカット頭部
突起条11bが、下方の隅棟瓦の尻側6やや下側の隅棟
瓦本体4(同じ符号を用いる。)に当接される(いわゆ
施工される。)。
【0015】図中12は前記裏面4bで、かつ前記流れ
溝1の裏面部位に設けられたる引掛けで、この引掛け1
2は、図示しない瓦棧に掛け止めされる。
【0016】また図中13は、前記裏面4bで、かつ前
記流れ溝1の裏面部位で、しかも前記引掛け12と対峙
位置に設けられた凹部で、この凹部13には平板瓦10
0の尻側に設けた水返し突条(図示せず)が挿設され
る。
【0017】尚、図4、図5は二条ライン形態の他の例
を示しており、この例では(この例において、前記の例
と同じ符号は同じ名称を使用する。)、略平行となる二
条ライン18が、差込み側3及び棧側7の上方より、前
記カット頭部15bと一対の傾斜頭部15、15aとの
境目に亘って設けられている。 そして、前記略平行と
なる二条ライン18を介して、前記表面4aに、変形を
なす三つの面体1114、1114a、1114bが形
成される(いわゆる、三面体が形成される。)。但し、
この例では、隅棟瓦本体4の肉厚等について、幾分改良
すべき点が考えられる。
【0018】尚、前述の各例のカット頭部15bの形状
は、図1〜図3の如く、収れんした二条ライン8を形成
する例では、原則として、カット頭部突起条11bの裏
面側には三角状の切欠部を形成するのが理想である。し
かし、この例に限定されない。一方、図4、図5の如
く、略平行となる二条ライン18を形成する例では、原
則として、カット頭部突起条11bの裏面側には切欠部
を形成しないのが理想である。しかし、この例に限定さ
れない。
【0019】
【考案の効果】本考案は、以上で説明した如く、隅棟瓦
本体は、その頭隅角をカットし、カット頭部し、かつ尻
側に切欠けを設けない(従来の如く、角形切込形状が形
成されない。)略々方形状を呈する構成であるので、
記の効果を有する。
【0020】(1)カット頭部が形成され、瓦面積が小
さくなることと、平板瓦とのバランス感覚が生成され
る。
【0021】(2)三面体がおりなす、太陽光線の模様
楽しめる。
【0022】(3)瓦面積の減少により、成形精度が向
上する。
【0023】(4)平板瓦葺上げ屋根が美しい。
【0024】(5)尻側よりの亀裂が少なくなる。
【0025】(6)平板瓦と隅棟瓦との葺き合わせバラ
ンスが向上する。
【0026】(7)雨水の流れが確保され、屋根地への
侵入がなくなった。
【0027】更に本考案は、隅棟瓦本体の表面に、各二
条ラインを形成する構成であり、下記の効果を有する。
【0028】(8)隅棟瓦葺き合わせ時に収れんした二
条ライン又は平行な二条ラインが形成され、かつ平板瓦
葺き屋根に美しいラインが形成される。
【0029】その他本考案では、隅棟瓦本体の裏面に雨
水誘導突条を設ける構成であり、下記の効果を有する。
【0030】(9)前記裏面全体に侵入する雨水を、こ
の棧側裏面で防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一例を示す平面視した斜視図である。
【図2】本考案の一例を示す裏面視した斜視図である。
【図3】本考案の一例の葺上げ状態を示す斜視図であ
る。
【図4】本考案の他の一例を示す平面視した斜視図であ
る。
【図5】本考案の他の一例を示す裏面視した斜視図であ
る。
【図6】従来の隅棟瓦の一例を示す平面視した斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 流れ溝 2 水返し突条片 3 差込み側 4 差込み側 4a 表面 4b 裏面 114 面体 114a 面体 114b 面体 1114 面体 1114a 面体 1114b 面体 5 頭側 15 傾斜頭部 15a 傾斜頭部 6 尻側 16 水返し突条 7 棧側 8 二条ライン 18 二条ライン 9 釘孔 10 雨水誘導突条 11 傾斜頭部突起条 11a 傾斜頭部突起条 11b カット頭部突起条 12 引掛け 13 凹部 100 平板瓦 100a 棧側 100b きき幅

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面視して略々截頭山形状に設けられる
    流れ溝を備えた差込み側及び尻側並びに棧側と、この棧
    側と前記差込み側との頭側縁を結ぶ一対の傾斜頭部及び
    この一対の傾斜頭部の連設部位に設けられたカット頭部
    でなる頭側と、で構成される頭側の隅角をカットした平
    面視して略々方形状の隅棟瓦本体であって、この隅棟瓦本体の表面に設けられたこの隅棟瓦本体の尻
    側より同隅棟瓦本体の頭側のカット頭部に到る収れんし
    た二条ラインと、 前記隅棟瓦本体の尻側及び差込み側・棧側の尻側部に設
    けられた平面視して略山形状の水返し突条と、 前記隅棟瓦本体の一対の傾斜頭部及びカット頭部の裏面
    にそれぞれ設けられた一対の傾斜頭部突起条及びカット
    頭部突起条と、 前記隅棟瓦本体の棧側の裏面に設けられた雨水誘導突条
    と、 でなる 頭側の隅角をカットした二条ライン付き隅棟瓦。
  2. 【請求項2】 平面視して略々截頭山形状に設けられる
    流れ溝を備えた差込み側及び尻側並びに棧側と、この棧
    側と前記差込み側との頭側縁を結ぶ一対の傾斜頭部及び
    この一対の傾斜頭部の連設部位に設けられたカット頭部
    でなる頭側と、で構成される頭側の隅角をカットした平
    面視して略々方形状の隅棟瓦本体であって、この隅棟瓦本体の表面に設けられたこの隅棟瓦本体の尻
    側より同隅棟瓦本体の頭側のカット頭部に到る平行な二
    条ラインと、 前記隅棟瓦本体の尻側及び差込み側・棧側の尻側部に設
    けられた平面視して略山形状の水返し突条と、 前記隅棟瓦本体の一対の傾斜頭部及びカット頭部の裏面
    にそれぞれ設けられた一対の傾斜頭部突起条及びカット
    頭部突起条と、 前記隅棟瓦本体の棧側の裏面に設けられた雨水誘導突条
    と、 でなる 頭側の隅角をカットした二条ライン付き隅棟瓦。
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