JP3039787B2 - リン酸カルシウム系ガラスおよび結晶化ガラス - Google Patents

リン酸カルシウム系ガラスおよび結晶化ガラス

Info

Publication number
JP3039787B2
JP3039787B2 JP12011690A JP12011690A JP3039787B2 JP 3039787 B2 JP3039787 B2 JP 3039787B2 JP 12011690 A JP12011690 A JP 12011690A JP 12011690 A JP12011690 A JP 12011690A JP 3039787 B2 JP3039787 B2 JP 3039787B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
calcium phosphate
crystallized
mol
natural teeth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP12011690A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0416525A (ja
Inventor
恒夫 真鍋
寛 臼井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP12011690A priority Critical patent/JP3039787B2/ja
Publication of JPH0416525A publication Critical patent/JPH0416525A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3039787B2 publication Critical patent/JP3039787B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dental Prosthetics (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、蛍光を発するリン酸カルシウム系ガラス、
および暗部において天然歯と同様な蛍光色を有する人工
歯として有用なリン酸カルシウム系結晶化ガラスに関す
るものである。
(従来の技術) 従来、リン酸カルシウム系結晶化ガラスからなる歯科
材料は知られている。歯科材料は、口中で長期間の使用
に耐えるだけの機械的強度と化学的耐久性をもつと同時
に、外観的に天然歯に酷似した色、光沢、透明性を有す
ることが望まれる。天然歯に近い色を発現させるため
に、着色剤としてNi、Fe、Ce、Ru、Rh、Pdなどを添加す
る試みが知られている。
(発明が解決しようとする課題) 上記の結晶化ガラスは、着色剤を適切に添加した場
合、明るい場所では、天然歯に酷似した色調を示す。し
かしながら、暗い場所では、天然歯が蛍光性を有するの
に対し結晶化ガラスはそれがないので、色調が異なって
見える。このため、特に審美性を要求される場合には、
この点が外観上好ましくないとされていた。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、これら従来法が有する欠点を排除し、
暗い場所においても天然歯と同様な外観を有する歯科材
料を得ることを目的として種々研究、検討した結果、リ
ン酸カルシウム系ガラスに特定の成分を含有せしめるこ
とにより、前記目的を達成し得ることを見出した。
かくして本発明は、Ni、Fe、Rh、Ru、Pdの金属単体も
しくは化合物から選ばれた一種以上を金属元素として合
計0.001〜1.0mol%、およびDy、Pr、Tb、Euの金属単体
もしくは化合物から選ばれた一種以上を金属元素として
合計0.001〜5mol%含有することを特徴とするリン酸カ
ルシウム系ガラスを提供するものである。
Dy、Pr、Tb、Euは、リン酸カルシウム系ガラス中に添
加してこれを結晶化したときに、天然歯と同等の蛍光を
発する元素である。このなかでも特にDyは、蛍光の色調
や強さが天然歯に近いので好ましい。
本発明において、含有されるDy、Pr、Tb、Euは一種あ
るいは二種以上を元素として0.001〜5mol%採用するこ
とが必要である。含有量が0.001mol%に満たない場合に
は、充分な蛍光色が発現せず、暗部において天然歯と比
較すると外観上、違和感がある。一方、5mol%を越える
場合には蛍光中心の濃度消光により、充分な蛍光色が発
現せず、やはり天然歯と比べて違和感がある。そして、
これら含有量の範囲のうち、0.05〜1mol%を採用する場
合には、天然歯と酷似した外観を発現することができる
ので特に好ましい。
ここでmol%とは、リン酸カルシウムガラスを構成す
る酸化物成分を、それぞれ単一金属の酸化物の形で表わ
して、そのモル数で計算する。例えば、リン酸成分はP2
O5を1モルとし、酸化カルシウム成分はCaOを1モルと
して計算する。そして、各成分のモル数を合計して、こ
れに対するDy、Pr、Tb、Euの金属元素のモル数を%で表
わす。
含有されるDy、Pr、Tb、Euは適宜任意の一種或は二種
以上を金属単体、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、硫
化物、硝酸塩、硫酸塩及び有機酸塩等の形態でガラス溶
融原料中に添加することにより達成される。
次にリン酸カルシウム系ガラスとしては、リンに対す
るカルシウムの原子比が0.1〜0.7であることが望まし
い。上記原子比が0.1に満たない場合には、得られるガ
ラスの耐水性が不十分となる恐れがあり、逆に0.7を越
える場合には結晶化した時、結晶粒子間に微小なクラッ
クが発生して機械的強度が低くしかも透明感の低い結晶
化ガラスとなる恐れがあるのでいずれも好ましくない。
リンに対するカルシウムの原子比が0.2〜0.5である場合
は、さらに好ましい。
また、本発明のリン酸カルシウム系ガラスは上記原子
比のリン酸カルシウム成分を70重量%以上含むことが好
ましい。リン酸カルシウム成分が70重量%に満たない場
合には、ガラスの易成形性、高強度性を阻害する恐れが
あるので好ましくない。リン酸カルシウム成分が85重量
%以上である場合は、さらに好ましい。
なお、本発明においては、Al2O3、B2O3、Ga2O3、希土
類(Dy、Pr、Tb、Euを除く)の酸化物などを添加するこ
とにより、一層化学的耐久性の向上、結晶化の均質化、
機械的強度の向上、透明感の向上等の効果が得られる。
これらの酸化物の添加量は、1〜15mol%程度が好まし
い。
本発明においては、Ni、Fe、Rh、Ru、Pdの金属単体も
しくは化合物から選ばれた一種以上を金属元素として合
計0.001〜1.0mol%添加する。このため結晶化ガラスを
天然歯に酷似した色調にすることができる。これらの化
合物としては、酸化物及び、ガラス溶融時に酸化物にな
り得る化合物、例えば水酸化物、硫化物、ハロゲン化
物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩及び有機酸塩等を使用する
ことができる。
本発明のリン酸カルシウム系ガラスは、例えば次のよ
うにして製造することが好ましい。まず、微粉砕された
諸原料を所定量秤量しさらに水を加えてスラリー化して
均一に混合する。これを乾燥した後、解砕して原料粉末
を得る。この原料粉末を200〜900℃で1〜10時間程度焼
成した後、白金坩堝に入れて900〜1500℃で5分〜10時
間加熱溶融して均質な融液とする。この融液を冷却し
て、均質にガラス化する。
この様にして得られたリン酸カルシウム系ガラスは、
歯科材料として用いる場合にはこれを結晶化する必要が
ある。結晶化により、歯科材料として充分な強度と化学
的耐久性を有し、かつ天然歯と同様な半透明性を有する
結晶化ガラスが得られる。
歯科材料として用いるためには、次のような方法で成
形し結晶化することが好ましい。例えばロストワックス
法を採用し、予めワックスを焼却除去し、500〜800℃に
保持された埋没材中の所望形状の型内に、ガラス融液を
鋳込んで成形する。この成形体を埋没材と共に、或は埋
没材から取り出して結晶化処理して結晶化ガラスを得
る。結晶化処理手段に限定はなく、例えば500〜900℃の
雰囲気中に5分〜100時間保持する手段が採用される。
(実施例) 実施例1〜7 ガラス生成時に表1の組成になるように、原料を計40
0g秤量しよく混合した。これを400℃で5時間焼成して
乾燥させた後、白金坩堝に入れ1300℃で2時間溶融し
た。その後ステンレス板上に融液を流し出して急冷しガ
ラスを得た。
次にこのガラスを再溶融し通常の歯科用金属鋳造法と
同様な方法で5mm×5mm×5mmの立方体に成形した。その
鋳型中で700℃で16時間熱処理を行い結晶化した。暗部
において、この結晶化ガラスに紫外線を照射し蛍光の有
無を調べ、その外観を表1に示した。蛍光の強度は、天
然歯と同程度であった。
(発明の効果) 本発明のガラスは、結晶化したとき天然歯に類似した
蛍光性を有するので、暗い場所においても天然歯に酷似
した外観を有する歯科材料を得ることができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni、Fe、Rh、Ru、Pdの金属単体もしくは化
    合物から選ばれた一種以上を金属元素として合計0.001
    〜1.0mol%、およびDy、Pr、Tb、Euの金属単体もしくは
    化合物から選ばれた一種以上を金属元素として合計0.00
    1〜5mol%含有することを特徴とするリン酸カルシウム
    系ガラス。
  2. 【請求項2】リン酸カルシウム系ガラスは、カルシウム
    のリンに対する原子比が0.1〜0.7のリン酸カルシウム質
    を少なくとも70重量%含有する請求項1に記載のリン酸
    カルシウム系ガラス。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のリン酸カルシウ
    ム系ガラスを結晶化して得られる結晶化ガラス。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の結晶化ガラスからなる歯
    科材料。
JP12011690A 1990-05-11 1990-05-11 リン酸カルシウム系ガラスおよび結晶化ガラス Expired - Lifetime JP3039787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12011690A JP3039787B2 (ja) 1990-05-11 1990-05-11 リン酸カルシウム系ガラスおよび結晶化ガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12011690A JP3039787B2 (ja) 1990-05-11 1990-05-11 リン酸カルシウム系ガラスおよび結晶化ガラス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0416525A JPH0416525A (ja) 1992-01-21
JP3039787B2 true JP3039787B2 (ja) 2000-05-08

Family

ID=14778350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12011690A Expired - Lifetime JP3039787B2 (ja) 1990-05-11 1990-05-11 リン酸カルシウム系ガラスおよび結晶化ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3039787B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI569940B (zh) * 2015-06-05 2017-02-11 優克材料科技股份有限公司 漸層漿料的製作方法及三維實體的成型方法
CN106308959B (zh) * 2016-08-26 2018-08-21 南宁越洋科技有限公司 生物活性玻璃陶瓷纤维和peek树脂复合材料人工牙及制备方法
CN112551894A (zh) * 2020-12-25 2021-03-26 山东国瓷功能材料股份有限公司 起始玻璃、具有核的硅酸锂玻璃及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0416525A (ja) 1992-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0473048B1 (en) Calcium phosphate type glass-ceramic
KR101628587B1 (ko) 1가 금속 산화물을 포함하는 리튬 실리케이트 유리 세라믹 및 리튬 실리케이트 유리
US4527979A (en) Powdered dental material and process for the preparation thereof
US4189325A (en) Glass-ceramic dental restorations
US11905207B2 (en) Fluorescent glass ceramics and glasses with europium content
JPH046657B2 (ja)
JP3039787B2 (ja) リン酸カルシウム系ガラスおよび結晶化ガラス
US5250585A (en) Dental material in powder form, process for its preparation and use
JP2862542B2 (ja) 歯冠修復物の製造方法及びそれに用いるキット
JPH0251854B2 (ja)
US4693748A (en) Composition for staining material
JP2847084B2 (ja) 低温焼き付け用ステイン材
JPH07144932A (ja) 酸化珪素と酸化カルシウムを基礎にしたガラス
JP3005038B2 (ja) リン酸カルシウム系結晶化ガラス
JP3005025B2 (ja) リン酸カルシウム系結晶化ガラス
JPH0723234B2 (ja) 着色された燐酸カルシウム系ガラス
JPH0424300B2 (ja)
JP2001316131A (ja) ガラスセラミックス及びその製造方法
JPH04325442A (ja) リン酸カルシウム系結晶化ガラス
JPS6177643A (ja) 着色ホウケイ酸塩系結晶化ガラス
JPH0429618B2 (ja)
JPH0381212A (ja) 黄変防止歯科用陶材の製法
JPS63260839A (ja) 歯科材料用結晶化ガラス
JPH03232739A (ja) リン酸カルシウム系結晶化ガラス
SU1742239A1 (ru) Стекло дл биосовместимого стеклокристаллического материала