JPH0723234B2 - 着色された燐酸カルシウム系ガラス - Google Patents

着色された燐酸カルシウム系ガラス

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JPH0723234B2
JPH0723234B2 JP60189791A JP18979185A JPH0723234B2 JP H0723234 B2 JPH0723234 B2 JP H0723234B2 JP 60189791 A JP60189791 A JP 60189791A JP 18979185 A JP18979185 A JP 18979185A JP H0723234 B2 JPH0723234 B2 JP H0723234B2
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重義 小林
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康子 大崎
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Asahi Glass Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は着色された燐酸カルシウム系ガラス、特に天然
歯と同様な色を有する人工歯として有用な燐酸カルシウ
ム系結晶化ガラスに係るものである。
(従来の技術) 義歯、歯根、歯冠、インレー、ブリツジ等の歯科材料、
人工骨等の生体用セラミツクス質材料として種々の材料
組成が提案され、一部は実用に供されている。
これらの材料のうち燐酸カルシウム系ガラスは、生体の
骨の組成と類似している為、生体の拒絶反応も少なく、
人工歯や骨の材料として注目されている。更に、この様
な人工材料、特に歯は天然のそれと同様な色や光光沢を
有することが望まれる。
この様なガラスとして例えばCaO28〜57重量%、P2O572
〜43重量%の組成又はこれに10重量%以下のAl2O3、Si
O2、B2O3を添加した結晶化ガラス或はNi、Fe、Ceを添加
した黄褐色を呈する燐酸カルシウム系結晶化ガラスが提
案されている。
(発明の解決しようとする問題点) しかしながら、前者の結晶化ガラスは白色半透明で天然
歯に近い光沢を有しているものの、天然歯との間では色
の差異が目立ち、外観上好ましくない欠点を有してい
る。
他方、後者のガラスにあつては添加剤がNiの場合、発色
効率が高い利点があるものの、はつきりした黄色を呈
し、天然歯の色とはかなりかけ離れたものである他、Ni
の溶出による生体への悪影響も懸念される。又添加剤が
Feの場合には、発色効率が低く、有効に発色させるには
0.5重量%以上の添加を要し、この様にすると結晶化ガ
ラスの半透明性が損なわれるのみならず、外観にムラが
生ずると共に、灰褐色で暗い色調となる。更に添加剤が
Ceの場合には、発色効率が低く、有効に発色させるには
5重量%以上を要し、高強度、易成形性等の燐酸カルシ
ウム系ガラス本来の特性を大きく損う等の欠点を夫々有
している。
(問題点を解決する為の手段) 本発明者は、これら従来法が有する諸欠点を排除し、天
然歯と同様な色と光沢を有し且生体に有害でない燐酸カ
ルシウム系ガラス組成を見出すことを目的として種々研
究、検討した結果、燐酸カルシウム系ガラスに特定量の
RuやRh、Pdを含有せしめることにより、前記目的を達成
し得ることを見出した。
かくして本発明は、Ru、Rh、Pdから選ばれた少なくとも
一種の元素を0.001〜1重量%含有する(ただし、Ruが
0.05重量%を超えて含有する場合を除く)ことを特徴と
する着色された燐酸カルシウム系ガラスを提供するにあ
る。
本発明において、含有されるRu、Rh、Pdは一種或は二種
以上を元素として0.001〜1重量%(ただし、Ruが0.05
重量%を超えて含有する場合を除く)採用することが必
要である。
含有量が0.001重量%に満たない場合には、着色効率が
低く、発色が不安定で且色ムラが生じ、逆に1重量%を
超える場合には色調が濃くなり、天然歯と色調の違いが
明白となるので何れも不適当である。そしてこれら含有
量の範囲のうち、0.01〜0.1重量%を採用する場合には
色ムラもなく安定して天然歯の色彩及び色調を現出し得
るので特に好ましい。
含有されるRu、Rh、Pdは適宜任意の一種或は二種以上を
金属単体、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、硫化物、
硝酸塩、硫酸塩及び有機酸塩等の形態でガラス溶融原料
中に添加することにより達成される。
次に燐酸カルシウム系ガラスとしては、カルシウムの燐
に対する原子比が0.1〜0.7、好ましくは0.2〜0.5を有す
る燐酸カルシウム質を70重量%以上、好ましくは85重量
%以上含有するものが望ましい。上記原子比が0.1に満
たない場合には、得られるガラスの耐水性が不十分とな
り、逆に0.7を超える場合にはガラス化が不均一になる
虞れがあるので何れも好ましくない。
又、燐酸カルシウム質が70重量%に満たない場合には、
ガラスの易成形性、高強度性を阻害される虞れがあるの
で好ましくない。
尚、燐酸カルシウム質以外の成分としては、Al2O3、B
2O3、Ga2O3、希土類酸化物を添加することにより、ガラ
スの耐水性を向上せしめたり、結晶成長抑制等の効果が
期待される。
かくしてこの様な燐酸カルシウム系ガラスは、これを生
体材料にする場合には、結晶化せしめることが望まれ
る。
結晶化手段としては、通常常とう手段が採用される。そ
の様な手段としては例えば、燐酸カルシウム系ガラスを
750℃に1時間保持する等の手段を採用し得る。
又、結晶化度としては30〜98%程度を採用するのが適当
である。結晶化度が前記範囲に満たない場合には結晶化
による靱性の向上が不十分となりもろい結晶化ガラスと
なり、逆に前記範囲を超える場合には結晶化中にクラツ
クが生成し易く得られた結晶化ガラスの強度が低下する
虞れがあるので何れも好ましくない。
(実施例) 実施例1 CaOとして24重量%に相当するCaCO3粉末とAl2O3として
2重量%に相当するAl(OH)3粉末及びRh0.02重量%に相
当するRh2O3粉末の混合物中に、P2O5として73.98重量%
に相当するH3PO4を含有する燐酸を滴下し、得られた反
応生成物を乾燥後、解砕した。
この粉末を400℃で5時間焼成後、白金るつぼ中1250℃
で2時間溶融し、黒鉛板上に流し出して徐冷した。
かくしてCa/Pの原子比が0.41、燐酸カルシウム質98重量
%の燐酸カルシウム系着色ガラスを得た。
このガラス2gを、白金るつぼ中1200℃で溶融後、ロスト
ワツクス法で予め全歯冠形状のワツクスを埋没し、これ
を焼却して500℃に保持してある燐酸塩系埋没材中に遠
心鋳造法により鋳造成形した。該成形体を埋没材と共に
700℃に2時間保持することにより結晶化して燐酸カル
シウム系結晶化ガラス製全歯冠を得た。これは天然歯様
の光沢と色彩及び色調を有し、良好な半透明性を有して
いた。
実施例2 CaOとして21重量%に相当するCa(H2PO4)2粉末とAl2O3
して4重量%に相当するAl(OH)3粉末及びPdとして0.04
重量%に相当するPdO粉末を混合した後、更にP2O5とし
て8.96重量%に相当するH3PO4を含有する燐酸を加え
た。
該混合物を白金るつぼ中で400℃で4時間熱処理後、更
に1350℃で1時間溶融し、鉄板上に流し出して徐冷し
た。
かくしてCa/Pの原子比が0.36で燐酸カルシウム質が96重
量%の燐酸カルシウム系着色ガラスを得た。
該ガラスを実施例1と同様にロストワツクス法を用いて
全歯冠形状に鋳造成形した後、結晶化して燐酸カルシウ
ム系結晶化ガラス製全歯冠を得た。
これは天然歯様の光沢と色彩及び色調を有し、良好な半
透明性を有していた。
実施例3 CaOとして12重量%に相当するCaCO3粉末と、13重量%の
Al2O3粉末の混合粉末100gに水70gを加えたスラリー中
に、P2O5として74.93重量%に相当するH3PO4を含有する
燐酸を滴下して得られた反応物を乾燥後、解砕して粉末
を得た。
この粉末を400℃で3時間加熱した後、白金るつぼ中で1
250℃で2時間溶融し、黒鉛板上に流し出して徐冷し
た。かくして得られた、Ca/Pの原子比が0.21であり、燐
酸カルシウム質を87重量%含有するガラスを粉砕後、Ru
として0.05重量%に相当するRu(OH)3粉末及びPdとして
0.02重量%のPdCl3粉末を混合して再度1350℃で30分間
溶融して得たガラスを粉砕し、平均粒径5.2μの着色さ
れた燐酸カルシウム系ガラス粉末を得た。
該ガラス粉末0.5gを3mlの水で練和してスラリー状にし
た後、実施例1で得た着色燐酸カルシウム系結晶化ガラ
スの歯冠の根元部に塗布した。この塗布体を電気炉中で
120℃、10分間保持して乾燥後700℃に5分間保持せしめ
た。
得られた全歯冠は天然歯と同様の光沢、色彩、色調を有
し、且色彩分布を有する天然歯と酷似したものであつ
た。
実施例4 実施例3と同様な方法で予め作成しておいたCaO15重量
%、Al2O3 6重量%、P2O5 78.93重量%、Ca/Pの原子比
が0.24であり、燐酸カルシウム質を94重量%含有するガ
ラスを粉砕後Ruとして0.05重量%に相当するRuO2粉末、
Rhとして0.01重量%に相当するRh2O3粉末、Pdとして0.0
1重量%に相当するPdO粉末を混合して再度1350℃で30分
間溶融して得たガラスを実施例3と同様に燐酸カルシウ
ム系結晶化ガラスの歯冠に塗布して熱処理を行なつた。
得られた全歯冠は天然歯と同様の光沢、色彩、色調を有
し、且色彩分布を有する天然歯と酷似したものであつ
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ru、Rh、Pdから選ばれた少なくとも一種の
    元素を0.001〜1重量%含有する(ただし、Ruが0.05重
    量%を超えて含有する場合を除く)ことを特徴とする着
    色された燐酸カルシウム系ガラス。
  2. 【請求項2】燐酸カルシウム系ガラスは、カルシウムの
    燐に対する原子比が0.1〜0.7の燐酸カルシウム質を少な
    くとも70重量%含有する特許請求の範囲(1)の燐酸カ
    ルシウム系ガラス。
  3. 【請求項3】燐酸カルシウム系ガラスは、結晶化ガラス
    である特許請求の範囲(1)または(2)の燐酸カルシ
    ウム系ガラス。
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