JP3005038B2 - リン酸カルシウム系結晶化ガラス - Google Patents

リン酸カルシウム系結晶化ガラス

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JP3005038B2 JP2312805A JP31280590A JP3005038B2 JP 3005038 B2 JP3005038 B2 JP 3005038B2 JP 2312805 A JP2312805 A JP 2312805A JP 31280590 A JP31280590 A JP 31280590A JP 3005038 B2 JP3005038 B2 JP 3005038B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、リン酸カルシウム系結晶化ガラス、特に歯
科材料に好適に使用することができるリン酸カルシウム
系結晶化ガラスに関するものである。
[従来の技術] 従来、リン酸カルシウム系結晶化ガラスからなる歯科
材料は知られている。
歯科材料は、口中で長期間の使用に耐えるだけの機械
的強度と化学的耐久性をもつと同時に、外観的に天然歯
に酷似した半透明感を有する必要があり、Al2O3やSrOを
添加するなどの試みがなされている。(特願平2−2181
71等参照。) [発明の解決しようとする課題] しかしながら、一般的に結晶化ガラスは、他のセラミ
ックス材料と同様に脆性材料であり、金属材料などに比
較すると、やや取り扱いに注意を要する。このため、結
晶化ガラスとして、できるだけ靭性の高いものが望まれ
ている。
本発明は、歯科材料に応用した時に十分な審美性を与
える半透明感を有しかつ機械的強度と化学的耐久性にも
優れ、しかも靭性の高い結晶化ガラスを提供することを
目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、リンをP2O5換算で50〜80重量%、カルシウ
ムをCaO換算で5〜30重量%、ストロンチウムをSrO換算
で3〜30重量%含有し、フッ素をF原子に換算して0.01
〜5重量%含有するリン酸カルシウム系結晶化ガラスを
提供するものである。
本発明においてリンはP2O5に換算して50〜80重量%と
する必要がある。P2O5が50重量%未満の場合は、機械的
強度が十分でなく、逆にP2O5が80重量%を越える場合
は、化学的耐久性の低い結晶化ガラスとなるためいずれ
も不適当である。P2O5のさらに好ましい範囲は、64〜72
重量%である。
またカルシウムはCaOに換算して5〜30重量%とする
必要がある。CaOが5重量%未満の場合は化学的耐久性
の低い結晶化ガラスとなり、逆にCaOが30重量%を越え
る場合は、機械的強度が十分でなく、しかも透明性の低
い結晶化ガラスとなるのでいずれも不適当である。CaO
のさらに好ましい範囲は、13〜20重量%である。
ストロンチウムはSrOに換算して3〜30重量%にする
必要がある。SrOが3重量%未満の場合は機械的強度が
不十分であるので不適当である。またSrOが30重量%を
越える場合は、化学的耐久性が不十分となるので不適当
である。SrOのさらに好ましい範囲は、6〜13重量%で
ある。
フッ素はF原子に換算して0.01〜5重量%にする必要
がある。Fが0.01重量%未満の場合は、本発明の効果が
発現しないので不適当である。適量のF原子の添加は結
晶化ガラスの靭性を大幅に向上するが、F原子が5重量
%を越える場合は機械的強度が十分でなく、透明性が低
い結晶化ガラスとなるため不適当である。リン酸カルシ
ウム系結晶化ガラスにフッ素を加えた場合、フッ素原子
は酸素原子に置換するかたちになる。
本発明においては、(Ca+Sr)/Pの原子比が、0.39〜
0.43であることが好ましい。(Ca+Sr)/Pの原子比が0.
39未満の場合は化学的耐久性が不十分となるおそれがあ
る。また(Ca+Sr)/Pの原子比が0.43より大きい場合は
機械的強度が不十分であり、透明性の低い結晶化ガラス
となるおそれがある。
本発明の結晶化ガラスにおいて、アルミニウム、セリ
ウム、ランタンから選ばれる少なくとも一種を、それぞ
れAl2O3、Ce2O3、La2O3に換算して合計3〜15重量%含
有する場合は、化学的耐久性が向上するので、好まし
い。Al2O3、Ce2O3、La2O3の合計が3重量%未満の場合
は化学的耐久性の向上の効果が不十分であるおそれがあ
り、好ましくない。またAl2O3、Ce2O3、La2O3の合計が1
5重量%を越える場合は透明性の低い結晶化ガラスとな
るおそれがあるので好ましくない。
そしてこれらの範囲のうち、P2O5が65〜69重量%、Ca
Oが15〜20重量%、SrOが7〜11重量%、Fが0.1〜1.5重
量%、Al2O3、Ce2O3、La2O3の合計が5〜10重量%で、
(Ca+Sr)/Pの原子比が0.40〜0.42を採用する場合に
は、透明性、機械的強度、化学的耐久性及び、靭性が共
に最も効果的に向上し得るので特に好ましい。
本発明の結晶化ガラスの製造に際し、用いられる原料
としては次の物質が挙げられる。
リン原料としては、例えば正リン酸等のリン酸類、あ
るいはこれらリン酸類のアンモニウム塩等が用いられ
る。またリン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等の
リン酸類のカルシウム塩も他のカルシウム化合物、リン
化合物と混合して用いることができる。更にリン酸アル
ミニウム等のリン酸類のアルミニウム塩も他のアルミニ
ウム化合物、リン化合物と混合して用いることができ
る。
カルシウム及びストロンチウム原料としては、例えば
酸化物や炭酸塩が代表的であるが、その他水酸化物、シ
ュウ酸塩、酢酸塩、ハロゲン化物等の無機塩や有機塩を
適宜用い得る。
アルミニウム、セリウム、ランタン原料としては酸化
物を用いるのが好ましいが、他に水酸化物や硫酸塩等の
ように、加熱焼成することにより酸化物になり得る化合
物も使用できる。
フッ素の原料としては、上記の金属イオンの原料の一
部を、フッ化物に置換して用いるのが好ましい。フッ化
物として、どの金属のフッ化物を用いてもガラス溶融工
程を経たあとは、最終的には実質的に同じガラスとな
る。具体的には、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウ
ム、フッ素含有アパタイトなどが使用できる。
通常の溶融工程においては、このようにして加えたフ
ッ素成分は、一部分揮発する可能性がある。揮発するフ
ッ素の割合は溶融条件に左右されるが、結晶化ガラス中
に存在するフッ素の量が上記範囲であれば、本発明の効
果が発現する。
本発明の結晶化ガラスを製造するにあたっては、まず
上記に示したような原料から均質なガラスを製造する。
このようなガラスは、例えば諸原料を所定量秤量して混
合し、これを200〜900℃で1〜10時間程度焼成した後、
白金坩堝中で900〜1500℃にて5分〜10時間加熱溶融す
ることにより好ましく製造することができる。
かくして得られたガラスは冷却固化時あるいは固化
後、適宜成形した後熱処理を加えて結晶化させ結晶化ガ
ラスとする。結晶化処理は一旦室温付近まで冷却したガ
ラスを再度結晶化温度まで加熱しても良いし、ガラス融
液をガラス軟化点以下の結晶化温度まで冷却しそのまま
結晶化を行なわせても良い。
本発明の結晶化ガラスは、歯冠修復材料のような歯科
材料に特に好適に使用することができる。
本発明の結晶化ガラスの組成の融液は、通常の金属歯
冠と同様に精密に鋳造成形することが可能である。結晶
化ガラス歯冠は次のような方法で好ましく製造すること
ができる。
上記の結晶化ガラス組成の融液(一旦固化したガラス
を再溶融しても良い)を常法により作成したワックスパ
ターンを埋没した後ワックスパターンを焼成除去した鋳
型内に鋳造して成形する。このとき遠心鋳造機、真空加
圧鋳造機、加圧鋳造機等が好適に使用できる。
次に、この成形体を埋没材と共に、あるいは埋没材か
ら取り出して500〜900℃で5分〜100時間保持して結晶
化ガラス歯冠を得る。この時、埋設材と共に結晶化した
方が寸法変化や変形が少なくなるので好ましい。埋没材
から取り出して結晶化する場合は、透明なガラス状態の
時に、鋳造欠陥の有無の確認や、形状の修正を行った後
に結晶化し得る利点がある。また結晶化の時にアルミナ
粉末や、前記埋没材のような結晶化温度でガラスと反応
しない物質中に埋め込むことによって変形を抑えること
ができる。
更に本発明においては、Ni、Fe、Co、Rh、Ru、Pdの金
属単体もしくは化合物から選ばれた一種以上を金属元素
として合計0.001〜3.0重量%含有させることによって結
晶化ガラスを一層天然歯に酷似した色調にすることがで
きる。これらの原料としては、金属単体の他、酸化物及
びガラス溶融時に酸化物になり得る化合物、例えば水酸
化物、硫化物、ハロゲン化物、炭酸塩、及び有機酸塩等
を使用することができる。
更に本発明では、Li、Na、Kの酸化物のうち少なくと
も一種をLi2O、Na2O、K2Oに換算して0.01〜15重量%添
加することができる。これにより結晶化ガラスの機械的
強度が向上する。この酸化物の添加量が0.01重量%に満
たない場合は添加剤の効果が十分発現されないおそれが
あり、逆に15重量%を越える場合は結晶化ガラスの化学
的耐久性が低下するおそれがあるので好ましくない。
Li、Na、Kの原料としては、酸化物の他に例えば単
体、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物
や有機酸塩等を適宜使用することができる。
[実施例] 正リン酸、炭酸カルシウム、フッ化カルシウム、炭酸
ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸
化ニッケル、酸化ルテニウムを用いて、表1の組成にな
るように計400g秤量し、よく混合した。(ただし、表1
においては、正リン酸、炭酸カルシウム、炭酸ストロン
チウムを酸化物に換算して表わしている。)これを400
℃で5時間焼成して乾燥させた後、白金坩堝に入れ1300
℃で1時間溶融した。その後ステンレス板上に流し出し
てガラスを得た。組成1〜4が本発明組成で、組成5お
よび6は比較例である。
このガラスを再溶融し、通常の歯科用金属鋳造法と同
様な方法で2mmφ×25mmの円柱状に成形した。その後鋳
型中で700℃で16時間熱処理を行い結晶化した。
得られた結晶化ガラスについて、フッ素の含有量を化
学分析法にて測定した。機械的強度を、三点曲げ法によ
り測定し、5本の円柱状試料の平均から求めた。耐水性
は、結晶化ガラスを80℃の水に72時間浸漬した後の重量
減少を測定して評価した。
また、同様に直径16mm、厚さ2mmの円盤状の結晶化ガ
ラスを作成した。この表面を研磨したあとビッカース圧
子を1Kgの荷重で15秒間おしつけ、生じたクラックの長
さを測定して、破壊靭性を評価した(マイクロインデン
テーション法)。これらの結果を、結晶化ガラスの外観
とあわせて表2に示した。
[発明の効果] 本発明の結晶化ガラスは、高い機械的強度、化学的耐
久性、靭性、適度な投光性を有するものである。特に高
い靭性を有するために、研削加工をする際などにもチッ
ピング等の発生が起こりにくい。
本発明の結晶化ガラスは歯冠修復材料に特に好適に使
用できる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リンをP2O5換算で50〜80重量%、カルシウ
    ムをCaO換算で5〜30重量%、ストロンチウムをSrO換算
    で3〜30重量%含有し、フッ素をF原子に換算して0.01
    〜5重量%含有するリン酸カルシウム系結晶化ガラス。
  2. 【請求項2】アルミニウム、セリウム、ランタンから選
    ばれる少なくとも一種を、それぞれAl2O3、Ce2O3、La2O
    3に換算して合計3〜15重量%含有する請求項1記載の
    リン酸カルシウム系結晶化ガラス。
  3. 【請求項3】Ni、Fe、Co、Rh、Ru、Pdから選ばれる少な
    くとも一種を金属元素として合計0.001〜3.0重量%含有
    する請求項1または2記載のリン酸カルシウム系結晶化
    ガラス。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載のリン酸カルシ
    ウム系結晶化ガラスからなる歯科材料。
JP2312805A 1990-08-21 1990-11-20 リン酸カルシウム系結晶化ガラス Expired - Lifetime JP3005038B2 (ja)

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DE69123312T DE69123312T2 (de) 1990-08-21 1991-08-20 Kalziumphosphat Glaskeramik
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