JP3039646B1 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法Info
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- JP3039646B1 JP3039646B1 JP11086998A JP8699899A JP3039646B1 JP 3039646 B1 JP3039646 B1 JP 3039646B1 JP 11086998 A JP11086998 A JP 11086998A JP 8699899 A JP8699899 A JP 8699899A JP 3039646 B1 JP3039646 B1 JP 3039646B1
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Abstract
【要約】
【課題】 低い不純物濃度を有する深い拡散領域と高い
不純物濃度を有する浅い拡散領域とを短時間且つ良好に
形成することが困難であった。 【解決手段】 アルミニウムとホウ素と有機溶剤との混
合物から成る液状不純物源2をN形半導体基板1の表面
に塗布し、これをアルミニウムの拡散温度よりも低い温
度で加熱して有機溶剤を蒸発させてアルミニウムとホウ
素を含む層を形成する。この層を酸素を含む雰囲気中で
熱処理する。しかる後、この熱処理温度よりも高い温度
で熱処理してアルミニウム及びホウ素をN形半導体基板
1内に拡散させて不純物濃度の異なる第1及び第2のP
形半導体領域7、8を形成する。
不純物濃度を有する浅い拡散領域とを短時間且つ良好に
形成することが困難であった。 【解決手段】 アルミニウムとホウ素と有機溶剤との混
合物から成る液状不純物源2をN形半導体基板1の表面
に塗布し、これをアルミニウムの拡散温度よりも低い温
度で加熱して有機溶剤を蒸発させてアルミニウムとホウ
素を含む層を形成する。この層を酸素を含む雰囲気中で
熱処理する。しかる後、この熱処理温度よりも高い温度
で熱処理してアルミニウム及びホウ素をN形半導体基板
1内に拡散させて不純物濃度の異なる第1及び第2のP
形半導体領域7、8を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相対的に高不純物
濃度の浅いP形拡散領域と相対的に低不純物濃度の深い
P形拡散領域を比較的短時間の簡単な工程によって良好
に形成することができる半導体装置の製造方法に関す
る。
濃度の浅いP形拡散領域と相対的に低不純物濃度の深い
P形拡散領域を比較的短時間の簡単な工程によって良好
に形成することができる半導体装置の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な方法でシリコン半導体基
板にP形半導体領域を形成する場合は、ホウ素(B)即
ちボロンを熱拡散する。しかし、ボロンを使用してシリ
コン半導体基板に例えば1015cm-3オーダのような比
較的低不純物濃度のP形半導体領域を数10μm以上の
深さに形成するような場合には、1200℃以上の高温
で例えば100時間程度の長時間の拡散処理が必要とな
る。拡散処理時間の短縮を図るためにボロンよりも拡散
係数の大きいアルミニウム(Al)をP形不純物として
使用することが考えられる。アルミニウムの拡散方法と
しては、シリコン半導体の表面にアルミニウムを蒸着し
てアルミニウム層を形成し、これを不純物源としてシリ
コン半導体にアルミニウム拡散層を形成する方法と、ア
ルミニウムをイオン注入する方法とがある。しかし、前
者の方法では製造プロセスが複雑となり、後者の方法で
は製造装置のコスト高になるという問題があった。
板にP形半導体領域を形成する場合は、ホウ素(B)即
ちボロンを熱拡散する。しかし、ボロンを使用してシリ
コン半導体基板に例えば1015cm-3オーダのような比
較的低不純物濃度のP形半導体領域を数10μm以上の
深さに形成するような場合には、1200℃以上の高温
で例えば100時間程度の長時間の拡散処理が必要とな
る。拡散処理時間の短縮を図るためにボロンよりも拡散
係数の大きいアルミニウム(Al)をP形不純物として
使用することが考えられる。アルミニウムの拡散方法と
しては、シリコン半導体の表面にアルミニウムを蒸着し
てアルミニウム層を形成し、これを不純物源としてシリ
コン半導体にアルミニウム拡散層を形成する方法と、ア
ルミニウムをイオン注入する方法とがある。しかし、前
者の方法では製造プロセスが複雑となり、後者の方法で
は製造装置のコスト高になるという問題があった。
【0003】この問題を解決するために本願出願人はア
ルミニウムとホウ素と有機溶剤との混合物から成る液状
不純物源を用いたP形半導体領域の形成方法を開発し、
これを特願平8−303739号で特許出願した。この
方法では、まず、シリコン半導体基板の表面に周知のス
ピンナ方法によってアルミニウムとホウ素と有機溶剤と
の混合物から成る液状不純物源を被覆し、次に、このシ
リコン半導体基板に120〜150℃で30秒〜1分の
熱処理を施してこの液状不純物源をベーキングして有機
溶剤を蒸発させて拡散源膜を形成する。続いて、このシ
リコン半導体基板に1260℃程度の熱処理を施して、
シリコン半導体基板にAl拡散層とホウ素拡散層を形成
する。その後、上記の熱処理によってシリコン半導体基
板の表面に形成されたAlを大量に含むシリコン酸化物
やシリコン窒化物などから成る被覆を弗酸でエッチング
除去してから、シリコン半導体基板の表面にオーミック
コンタクト電極等を形成する。
ルミニウムとホウ素と有機溶剤との混合物から成る液状
不純物源を用いたP形半導体領域の形成方法を開発し、
これを特願平8−303739号で特許出願した。この
方法では、まず、シリコン半導体基板の表面に周知のス
ピンナ方法によってアルミニウムとホウ素と有機溶剤と
の混合物から成る液状不純物源を被覆し、次に、このシ
リコン半導体基板に120〜150℃で30秒〜1分の
熱処理を施してこの液状不純物源をベーキングして有機
溶剤を蒸発させて拡散源膜を形成する。続いて、このシ
リコン半導体基板に1260℃程度の熱処理を施して、
シリコン半導体基板にAl拡散層とホウ素拡散層を形成
する。その後、上記の熱処理によってシリコン半導体基
板の表面に形成されたAlを大量に含むシリコン酸化物
やシリコン窒化物などから成る被覆を弗酸でエッチング
除去してから、シリコン半導体基板の表面にオーミック
コンタクト電極等を形成する。
【0004】このP形半導体領域の形成方法によれば、
シリコン半導体基板内にAlとホウ素を同時に拡散して
相対的に高い不純物濃度の浅いP形拡散領域と相対的に
低い不純物濃度の深いP形拡散領域を比較的短時間の簡
単な工程で形成できる。
シリコン半導体基板内にAlとホウ素を同時に拡散して
相対的に高い不純物濃度の浅いP形拡散領域と相対的に
低い不純物濃度の深いP形拡散領域を比較的短時間の簡
単な工程で形成できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
P形半導体領域の形成方法ではシリコン半導体基板の表
面にオーミックコンタクト電極を良好に形成できない等
の問題があった。即ち、従来のP形半導体領域の形成方
法では、P形半導体領域を形成するための熱処理によっ
て半導体基板の表面に被膜が形成されるが、この被膜は
弗酸等によっては容易にエッチング除去することができ
ない。このため、半導体基板の表面にオーミックコンタ
クト電極を良好に形成することが困難であり、また半導
体基板の表面に高い密度で結晶欠陥が生じるという問題
があった。更に、従来のP形半導体領域の成形方法で
は、半導体基板内におけるアルミニウムとホウ素の拡散
層のばらつき、即ち半導体基板内での拡散層の深さと不
純物濃度のばらつきが大きく、これについても改善が望
まれていた。
P形半導体領域の形成方法ではシリコン半導体基板の表
面にオーミックコンタクト電極を良好に形成できない等
の問題があった。即ち、従来のP形半導体領域の形成方
法では、P形半導体領域を形成するための熱処理によっ
て半導体基板の表面に被膜が形成されるが、この被膜は
弗酸等によっては容易にエッチング除去することができ
ない。このため、半導体基板の表面にオーミックコンタ
クト電極を良好に形成することが困難であり、また半導
体基板の表面に高い密度で結晶欠陥が生じるという問題
があった。更に、従来のP形半導体領域の成形方法で
は、半導体基板内におけるアルミニウムとホウ素の拡散
層のばらつき、即ち半導体基板内での拡散層の深さと不
純物濃度のばらつきが大きく、これについても改善が望
まれていた。
【0006】そこで、本発明の目的は、相対的に高い不
純物濃度を有している浅いP形半導体領域と相対的に低
い不純物濃度を有している深いP形半導体領域とを短時
間且つ容易に形成することができる半導体装置の製造方
法を提供することにある。
純物濃度を有している浅いP形半導体領域と相対的に低
い不純物濃度を有している深いP形半導体領域とを短時
間且つ容易に形成することができる半導体装置の製造方
法を提供することにある。
【0007】上記課題を解決し、上記目的を達成するた
めの本発明は、アルミニウムとホウ素と有機溶剤とを含
む液状不純物源を用意する工程と、少なくとも表面にN
形半導体領域を有するシリコン半導体基板の表面に前記
液状不純物源を塗布する工程と、アルミニウムの拡散温
度よりも低い温度で前記液状不純物源を加熱して前記有
機溶剤を蒸発させ、前記半導体基板の表面に前記アルミ
ニウムとホウ素を含む化合物の層を形成する工程と、前
記化合物の層を有する前記半導体基板に酸素を含む雰囲
気中で前記第1の熱処理を施して前記化合物の層を酸化
する工程と、前記半導体基板に第1の熱処理よりも高い
温度で第2の熱処理を施して、前記半導体基板内にアル
ミニウムとホウ素を拡散し、相対的に高い不純物濃度を
有する第1のP形半導体領域と前記第1のP形半導体領
域よりも低い不純物濃度を有し且つ前記第1のP形半導
体領域よりも深く形成された第2のP形半導体領域とを
得る工程とを有していることを特徴とする半導体装置の
製造方法に係わるものである。
めの本発明は、アルミニウムとホウ素と有機溶剤とを含
む液状不純物源を用意する工程と、少なくとも表面にN
形半導体領域を有するシリコン半導体基板の表面に前記
液状不純物源を塗布する工程と、アルミニウムの拡散温
度よりも低い温度で前記液状不純物源を加熱して前記有
機溶剤を蒸発させ、前記半導体基板の表面に前記アルミ
ニウムとホウ素を含む化合物の層を形成する工程と、前
記化合物の層を有する前記半導体基板に酸素を含む雰囲
気中で前記第1の熱処理を施して前記化合物の層を酸化
する工程と、前記半導体基板に第1の熱処理よりも高い
温度で第2の熱処理を施して、前記半導体基板内にアル
ミニウムとホウ素を拡散し、相対的に高い不純物濃度を
有する第1のP形半導体領域と前記第1のP形半導体領
域よりも低い不純物濃度を有し且つ前記第1のP形半導
体領域よりも深く形成された第2のP形半導体領域とを
得る工程とを有していることを特徴とする半導体装置の
製造方法に係わるものである。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウムとホウ素
と有機溶剤とを含む液状不純物源を塗布し、乾燥し、拡
散するという比較的簡単な製造工程で、相対的に高い不
純物濃度を有した浅いP形半導体領域と、低い不純物濃
度を有した深いP形半導体領域とを比較的短時間に形成
することができる。また、本発明の方法によれば、除去
が容易なアルミニウムを含むシリコン酸化膜が第1のP
形半導体領域上に生成される。従って、トランジスタ、
サイリスタ等の半導体装置のオーミック電極を第1のP
形半導体領域に形成する時に、シリコン酸化膜を良好に
除去して特性の良いオーミック電極を形成することがで
きる。
と有機溶剤とを含む液状不純物源を塗布し、乾燥し、拡
散するという比較的簡単な製造工程で、相対的に高い不
純物濃度を有した浅いP形半導体領域と、低い不純物濃
度を有した深いP形半導体領域とを比較的短時間に形成
することができる。また、本発明の方法によれば、除去
が容易なアルミニウムを含むシリコン酸化膜が第1のP
形半導体領域上に生成される。従って、トランジスタ、
サイリスタ等の半導体装置のオーミック電極を第1のP
形半導体領域に形成する時に、シリコン酸化膜を良好に
除去して特性の良いオーミック電極を形成することがで
きる。
【0009】
【実施形態及び実施例】次に、図1を参照して本発明の
実施形態及び実施例を説明する。
実施形態及び実施例を説明する。
【0010】図1(A)〜(E)は、本発明の1実施例
に係わる半導体装置の製造方法を工程順に説明するため
の図である。トランジスタ、サイリスタ等の半導体装置
を製造する時には、まず、図1(A)に示すN形半導体
基板1を用意すると共に、アルミニウムとホウ素と有機
溶剤との混合物から成る液状不純物源を用意する。この
液状不純物源は、例えば水酸基を持つポリマー(ポリビ
ニルアルコール)に酸化ホウ素を反応させたものを有機
溶剤に溶かした溶液、即ち周知のボロン拡散用溶剤に塩
化アルミニウム・六水和物(AlCl3 ・6H2 O)即
ちAlCl3 分子1個に対して結晶水として6個の水を
保有しているものを溶解した溶液から成る。
に係わる半導体装置の製造方法を工程順に説明するため
の図である。トランジスタ、サイリスタ等の半導体装置
を製造する時には、まず、図1(A)に示すN形半導体
基板1を用意すると共に、アルミニウムとホウ素と有機
溶剤との混合物から成る液状不純物源を用意する。この
液状不純物源は、例えば水酸基を持つポリマー(ポリビ
ニルアルコール)に酸化ホウ素を反応させたものを有機
溶剤に溶かした溶液、即ち周知のボロン拡散用溶剤に塩
化アルミニウム・六水和物(AlCl3 ・6H2 O)即
ちAlCl3 分子1個に対して結晶水として6個の水を
保有しているものを溶解した溶液から成る。
【0011】次に、この液状不純物源を周知のスピンナ
方法によって半導体基板1の一方の主面上に均一に塗布
して液状不純物源層2を図1(A)に概略的に示すよう
に形成する。
方法によって半導体基板1の一方の主面上に均一に塗布
して液状不純物源層2を図1(A)に概略的に示すよう
に形成する。
【0012】次に、図1(A)に示す不純物層2を伴な
った半導体基板1をホットプレート(ヒートプレート)
上に配置し、この不純物源層2を伴なった半導体基板1
に対してAlとホウ素の拡散温度よりも低い120〜1
50℃の温度で30秒〜1分の熱処理を施して、液状不
純物源に含まれる溶剤を蒸発させて、図1(B)に示す
ように半導体基板1の一方の主面上に主としてAlB2
から構成される拡散源膜(高分子錯体フィルム)3を形
成する。
った半導体基板1をホットプレート(ヒートプレート)
上に配置し、この不純物源層2を伴なった半導体基板1
に対してAlとホウ素の拡散温度よりも低い120〜1
50℃の温度で30秒〜1分の熱処理を施して、液状不
純物源に含まれる溶剤を蒸発させて、図1(B)に示す
ように半導体基板1の一方の主面上に主としてAlB2
から構成される拡散源膜(高分子錯体フィルム)3を形
成する。
【0013】次に、図1(B)に示す半導体基板1を石
英やSiCなどから成るホルダー(半導体基板拡散用ホ
ルダー)にチャージした後に、これを石英やSiCなど
から成るプロセスチューブ内に入れて本発明に基づく所
定の温度プロファイルの熱処理(第1の熱処理)を施
す。即ち、チューブ内に酸素を導入して酸素雰囲気中と
した上で800℃程度まで半導体基板1を徐々に加熱す
る。この熱処理の結果、半導体基板1の一方の主面上に
形成された主としてAlB2 から構成される拡散源膜3
中に含まれる有機物(例えば、ポリビニルアルコール)
は燃焼除去されると共に、拡散源膜3に酸化が施され
る。このとき、拡散源膜3はその厚さ方向の全体が酸化
されるのではなく、図1(C)に示すように表面側にシ
リコン酸化膜4が選択的に形成され、このシリコン酸化
膜4の下側に有機物が実質的に含まれないボロン酸化物
(B2 O)とアルミニウム酸化物(Al2 O3 )とから
成る化合物層5が形成され、更にその下側のシリコン半
導体基板1との界面にAlとシリコンとが合金化して成
る薄いAlSi膜6が介在していると考えられる。但
し、このような膜が相互に独立して分離された状態で積
層形成されているか否かについては、必ずしも明らかで
はない。
英やSiCなどから成るホルダー(半導体基板拡散用ホ
ルダー)にチャージした後に、これを石英やSiCなど
から成るプロセスチューブ内に入れて本発明に基づく所
定の温度プロファイルの熱処理(第1の熱処理)を施
す。即ち、チューブ内に酸素を導入して酸素雰囲気中と
した上で800℃程度まで半導体基板1を徐々に加熱す
る。この熱処理の結果、半導体基板1の一方の主面上に
形成された主としてAlB2 から構成される拡散源膜3
中に含まれる有機物(例えば、ポリビニルアルコール)
は燃焼除去されると共に、拡散源膜3に酸化が施され
る。このとき、拡散源膜3はその厚さ方向の全体が酸化
されるのではなく、図1(C)に示すように表面側にシ
リコン酸化膜4が選択的に形成され、このシリコン酸化
膜4の下側に有機物が実質的に含まれないボロン酸化物
(B2 O)とアルミニウム酸化物(Al2 O3 )とから
成る化合物層5が形成され、更にその下側のシリコン半
導体基板1との界面にAlとシリコンとが合金化して成
る薄いAlSi膜6が介在していると考えられる。但
し、このような膜が相互に独立して分離された状態で積
層形成されているか否かについては、必ずしも明らかで
はない。
【0014】次に、チューブ内に導入するガスを酸素か
ら窒素に切り替えてから、図1(C)の半導体基板1に
約1260℃の熱処理(第2の熱処理)を約10時間施
して、上記化合物層5とAlSi膜6とから成る拡散源
膜からシリコン半導体基板1内にAlとホウ素を拡散す
る。これにより、表面不純物濃度が約1×1016c
m -3、拡散深さが約40μmのP形半導体領域が形成さ
れる。このとき、拡散源膜のうち主としてAlSi膜6
がAlの拡散源になる。一方、ホウ素の拡散源について
は、ボロン酸化物(B2 O)とアルミニウム酸化物(A
l2 O3 )とから成る化合物層5のボロン酸化物(B2
O)が還元されてホウ素となりこれがホウ素の拡散源に
なっていると考えられる。また、ボロン酸化物(B2
O)とアルミニウム酸化物(Al2 O3 )とから成る化
合物層5のアルミニウム酸化物(Al2O3 )は、その
上方に形成されたシリコン酸化膜の網目構造の中に取り
込まれてこのシリコン酸化膜4はアルミニウムを若干含
むシリコン酸化膜4aになると考えられる。この結果、
図1(D)に示すように上記拡散源膜のボロン酸化物
(B 2 O)とアルミニウム酸化物(Al2 O3 )とから
成る化合物層5、及びAlSi膜6はこの第2の熱処理
によって実質的に消滅して、上記拡散源膜は実質的にA
lを含むシリコン酸化膜4aに変換されると考えられ
る。また、シリコン半導体基板1内にはホウ素が支配的
に拡散して形成されたホウ素拡散層から成る高不純物濃
度P形半導体領域7とAlが支配的に拡散して形成され
たAl拡散層から成る低不純物濃度P形半導体領域8と
が形成される。P形半導体領域8の下には図1(A)の
最初の半導体基板1の残部から成るN形半導体領域1a
が残存する。なお、第2の熱処理の熱処理温度と時間は
上記に限られず、形成すべきP形半導体領域の表面不純
物濃度と拡散深さ等に応じて、随時変更が可能である。
ら窒素に切り替えてから、図1(C)の半導体基板1に
約1260℃の熱処理(第2の熱処理)を約10時間施
して、上記化合物層5とAlSi膜6とから成る拡散源
膜からシリコン半導体基板1内にAlとホウ素を拡散す
る。これにより、表面不純物濃度が約1×1016c
m -3、拡散深さが約40μmのP形半導体領域が形成さ
れる。このとき、拡散源膜のうち主としてAlSi膜6
がAlの拡散源になる。一方、ホウ素の拡散源について
は、ボロン酸化物(B2 O)とアルミニウム酸化物(A
l2 O3 )とから成る化合物層5のボロン酸化物(B2
O)が還元されてホウ素となりこれがホウ素の拡散源に
なっていると考えられる。また、ボロン酸化物(B2
O)とアルミニウム酸化物(Al2 O3 )とから成る化
合物層5のアルミニウム酸化物(Al2O3 )は、その
上方に形成されたシリコン酸化膜の網目構造の中に取り
込まれてこのシリコン酸化膜4はアルミニウムを若干含
むシリコン酸化膜4aになると考えられる。この結果、
図1(D)に示すように上記拡散源膜のボロン酸化物
(B 2 O)とアルミニウム酸化物(Al2 O3 )とから
成る化合物層5、及びAlSi膜6はこの第2の熱処理
によって実質的に消滅して、上記拡散源膜は実質的にA
lを含むシリコン酸化膜4aに変換されると考えられ
る。また、シリコン半導体基板1内にはホウ素が支配的
に拡散して形成されたホウ素拡散層から成る高不純物濃
度P形半導体領域7とAlが支配的に拡散して形成され
たAl拡散層から成る低不純物濃度P形半導体領域8と
が形成される。P形半導体領域8の下には図1(A)の
最初の半導体基板1の残部から成るN形半導体領域1a
が残存する。なお、第2の熱処理の熱処理温度と時間は
上記に限られず、形成すべきP形半導体領域の表面不純
物濃度と拡散深さ等に応じて、随時変更が可能である。
【0015】次に、図1(D)の半導体基板1に弗酸で
エッチングを施して、図1(E)に示すように半導体基
板1の一方の主面に形成されたシリコン酸化膜(アルミ
ニウムを含むシリコン酸化膜)4aを除去して半導体基
板1の一方の主面、即ちP形半導体をホウ素拡散層7の
上面を露出させる。本実施例では、半導体基板1の一方
の主面に形成されたシリコン酸化膜4aが上記のように
アルミニウムを含有するので、弗酸によってこれを容易
に且つ完全に除去することができる。
エッチングを施して、図1(E)に示すように半導体基
板1の一方の主面に形成されたシリコン酸化膜(アルミ
ニウムを含むシリコン酸化膜)4aを除去して半導体基
板1の一方の主面、即ちP形半導体をホウ素拡散層7の
上面を露出させる。本実施例では、半導体基板1の一方
の主面に形成されたシリコン酸化膜4aが上記のように
アルミニウムを含有するので、弗酸によってこれを容易
に且つ完全に除去することができる。
【0016】上述から明らかなように本実施例は次の効
果を有する。 (1) アルミニウムとホウ素と有機溶剤との混合物か
ら成る不純物源を塗布して、これを乾燥し、拡散すると
いう比較的簡単な製造工程によって、相対的に高不純物
濃度の浅い第1のP形半導体領域7とこの領域よりも不
純物濃度が高く且つ深い第2のP形半導体領域8とを短
時間で形成することができる。 (2) 半導体基板1の一方の主面に形成されたシリコ
ン酸化膜4aを弗酸によって容易に且つ完全に除去する
ことができるため、このP形半導体領域7に対して点線
で示すオーミック電極(例えば、トランジスタのコレク
タ電極)9等を良好に形成することができる。また、半
導体基板1のAlとホウ素の拡散層のばらつき即ち第1
及び第2のP形半導体領域7、8の深さ及び不純物濃度
のばらつきを十分に許容できるレベルに低減することが
できる。シリコン酸化膜4aを弗酸によって容易に且つ
完全に除去することができる理由は、上述のように本実
施例の製造方法では、半導体基板の一方の主面に形成さ
れた拡散源膜2がアルミニウムを若干含有するシリコン
酸化膜4aに変成され、このシリコン酸化膜4aが弗酸
によって容易に且つ完全に除去することができるためと
考えられる。また、Alとホウ素の拡散層のばらつきが
十分許容できるベルに低減することができる理由は、本
実施例では1260℃の熱処理による拡散工程を行う前
に、これよりも低い温度の第1の熱処理を施すことによ
って、Alとシリコンの反応が促進されて、拡散源とに
なるAlSiとB2 O3 が良好に生成されること、及び
AlSiの生成に寄与しなかったAlが酸化によってA
l2 O3 となり高温の熱処理によってこれが表面のシリ
コン酸化膜の網目に取り込まれてAlを含むシリコン酸
化膜4aを形成し、このシリコン酸化膜4aがAlの外
方拡散を防止する膜として機能するためと考えられる。
外方拡散とは不純物が目的とする半導体基板1以外に蒸
発して拡散する現象であり、半導体基板1内に形成する
拡散層の不純物濃度や拡散深さにばらつきを生じさせる
原因となるものである。特に、半導体基板1をホルダー
にチヤージして熱処理する場合にはこの外方拡散が生じ
やすいが、本実施例ではAlを含むシリコン酸化膜4a
がAlの外方拡散を防止する膜として機能するのでこの
拡散が生じ難くなっている。また、Alを含むシリコン
酸化膜4aが半導体基板1の表面に「ふた」として存在
するため、窒素雰囲気中で熱処理した場合にシリコン半
導体基板1とAlを含むシリコン酸化膜4aとの間が還
元雰囲気となり、2B2 O3 +3Si→4B+3SiO
2 の反応が促進されてホウ素のシリコン半導体基板1へ
の拡散が容易になることもばらつきを防止できる理由の
ひとつと考えられる。
果を有する。 (1) アルミニウムとホウ素と有機溶剤との混合物か
ら成る不純物源を塗布して、これを乾燥し、拡散すると
いう比較的簡単な製造工程によって、相対的に高不純物
濃度の浅い第1のP形半導体領域7とこの領域よりも不
純物濃度が高く且つ深い第2のP形半導体領域8とを短
時間で形成することができる。 (2) 半導体基板1の一方の主面に形成されたシリコ
ン酸化膜4aを弗酸によって容易に且つ完全に除去する
ことができるため、このP形半導体領域7に対して点線
で示すオーミック電極(例えば、トランジスタのコレク
タ電極)9等を良好に形成することができる。また、半
導体基板1のAlとホウ素の拡散層のばらつき即ち第1
及び第2のP形半導体領域7、8の深さ及び不純物濃度
のばらつきを十分に許容できるレベルに低減することが
できる。シリコン酸化膜4aを弗酸によって容易に且つ
完全に除去することができる理由は、上述のように本実
施例の製造方法では、半導体基板の一方の主面に形成さ
れた拡散源膜2がアルミニウムを若干含有するシリコン
酸化膜4aに変成され、このシリコン酸化膜4aが弗酸
によって容易に且つ完全に除去することができるためと
考えられる。また、Alとホウ素の拡散層のばらつきが
十分許容できるベルに低減することができる理由は、本
実施例では1260℃の熱処理による拡散工程を行う前
に、これよりも低い温度の第1の熱処理を施すことによ
って、Alとシリコンの反応が促進されて、拡散源とに
なるAlSiとB2 O3 が良好に生成されること、及び
AlSiの生成に寄与しなかったAlが酸化によってA
l2 O3 となり高温の熱処理によってこれが表面のシリ
コン酸化膜の網目に取り込まれてAlを含むシリコン酸
化膜4aを形成し、このシリコン酸化膜4aがAlの外
方拡散を防止する膜として機能するためと考えられる。
外方拡散とは不純物が目的とする半導体基板1以外に蒸
発して拡散する現象であり、半導体基板1内に形成する
拡散層の不純物濃度や拡散深さにばらつきを生じさせる
原因となるものである。特に、半導体基板1をホルダー
にチヤージして熱処理する場合にはこの外方拡散が生じ
やすいが、本実施例ではAlを含むシリコン酸化膜4a
がAlの外方拡散を防止する膜として機能するのでこの
拡散が生じ難くなっている。また、Alを含むシリコン
酸化膜4aが半導体基板1の表面に「ふた」として存在
するため、窒素雰囲気中で熱処理した場合にシリコン半
導体基板1とAlを含むシリコン酸化膜4aとの間が還
元雰囲気となり、2B2 O3 +3Si→4B+3SiO
2 の反応が促進されてホウ素のシリコン半導体基板1へ
の拡散が容易になることもばらつきを防止できる理由の
ひとつと考えられる。
【0017】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) シリコン酸化膜4aの一部を選択的に除去し、
ここにオーミック電極9を形成することができる。 (2) 液状不純物源2を半導体基板1の特定領域のみ
に塗布することができる。 (3) オーミック電極9の代りに、ショットキバリア電
極、FETのゲート絶縁膜等をP形半導体領域7の表面
に形成することができる。 (4) 実施例では窒素雰囲気で第2の熱処理を行う例
を示したが、アルゴンやヘリウムガスの雰囲気で第2の
熱処理を行ってもよい。この場合、シリコン酸化膜4a
と半導体基体1との界面に窒化ホウ素の薄膜が形成され
ることを防止できる。
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) シリコン酸化膜4aの一部を選択的に除去し、
ここにオーミック電極9を形成することができる。 (2) 液状不純物源2を半導体基板1の特定領域のみ
に塗布することができる。 (3) オーミック電極9の代りに、ショットキバリア電
極、FETのゲート絶縁膜等をP形半導体領域7の表面
に形成することができる。 (4) 実施例では窒素雰囲気で第2の熱処理を行う例
を示したが、アルゴンやヘリウムガスの雰囲気で第2の
熱処理を行ってもよい。この場合、シリコン酸化膜4a
と半導体基体1との界面に窒化ホウ素の薄膜が形成され
ることを防止できる。
【図1】本発明の実施例に従う半導体装置の製造方法を
工程順に説明するための概略断面図である。
工程順に説明するための概略断面図である。
1 半導体基板 2 液状不純物源 3 拡散源膜 4a シリコン酸化膜 7、8 第1及び第2のP形半導体領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−135144(JP,A) 特開 平7−130676(JP,A) 特開 昭58−122724(JP,A) 特開 平3−104214(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/225 H01L 21/223
Claims (1)
- 【請求項1】 アルミニウムとホウ素と有機溶剤とを含
む液状不純物源を用意する工程と、 少なくとも表面にN形半導体領域を有するシリコン半導
体基板の表面に前記液状不純物源を塗布する工程と、 アルミニウムの拡散温度よりも低い温度で前記液状不純
物源を加熱して前記有機溶剤を蒸発させ、前記半導体基
板の表面に前記アルミニウムとホウ素を含む化合物の層
を形成する工程と、 前記化合物の層を有する前記半導体基板に酸素を含む雰
囲気中で第1の熱処理を施して前記化合物の層を酸化す
る工程と、 前記半導体基板に前記第1の熱処理よりも高い温度で第
2の熱処理を施して、前記半導体基板内にアルミニウム
とホウ素を拡散し、相対的に高い不純物濃度を有する第
1のP形半導体領域と前記第1のP形半導体領域よりも
低い不純物濃度を有し且つ前記第1のP形半導体領域よ
りも深く形成された第2のP形半導体領域とを得る工程
とを有していることを特徴とする半導体装置の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11086998A JP3039646B1 (ja) | 1999-03-29 | 1999-03-29 | 半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11086998A JP3039646B1 (ja) | 1999-03-29 | 1999-03-29 | 半導体装置の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3039646B1 true JP3039646B1 (ja) | 2000-05-08 |
JP2000286205A JP2000286205A (ja) | 2000-10-13 |
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Family Applications (1)
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JP11086998A Expired - Fee Related JP3039646B1 (ja) | 1999-03-29 | 1999-03-29 | 半導体装置の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3039646B1 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002299274A (ja) * | 2001-04-02 | 2002-10-11 | Sanken Electric Co Ltd | 半導体装置の製造方法 |
JP2013093563A (ja) * | 2011-10-04 | 2013-05-16 | Shin Etsu Chem Co Ltd | ホウ素拡散用塗布剤 |
WO2019150547A1 (ja) * | 2018-02-02 | 2019-08-08 | 新電元工業株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
-
1999
- 1999-03-29 JP JP11086998A patent/JP3039646B1/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000286205A (ja) | 2000-10-13 |
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