JP3038693B2 - 抜蝕加工ポリエステル系繊維布帛及びその製造方法 - Google Patents

抜蝕加工ポリエステル系繊維布帛及びその製造方法

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JP3038693B2 JP7306356A JP30635695A JP3038693B2 JP 3038693 B2 JP3038693 B2 JP 3038693B2 JP 7306356 A JP7306356 A JP 7306356A JP 30635695 A JP30635695 A JP 30635695A JP 3038693 B2 JP3038693 B2 JP 3038693B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抜蝕加工ポリエス
テル系繊維布帛及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル系繊維の抜蝕加
工製品を得る方法として、ポリエステル繊維布帛をアミ
ン、無機酸で処理することにより、処理された布帛部分
のポリエステル繊維の表層部のみをアルカリ加水分解さ
せる方法が特公昭37−7393号公報で開示され、ま
た、アルカリ減量速度の異なる2種以上のポリエステル
繊維を含む布帛にアルカリ金属水酸化物等のアルカリ含
有抜蝕糊を印捺し、アルカリ減量速度の大なポリエステ
ル繊維を抜蝕する方法が特公昭61−27518号公報
で開示されている。さらに、アルカリ減量速度の異なる
2種以上のポリエステル繊維を含む布帛に塩化カルボン
酸を含有する抜蝕糊を印捺し熱処理することにより、ア
ルカリ減量速度の大なポリエステル繊維を抜蝕する方法
が特開平5−98587号公報で開示されている。
【0003】しかしながら、アルカリ減量速度の異なる
2種以上のポリエステル繊維として、変性ポリエステル
繊維と未変性ポリエステル繊維を用いる場合、抜蝕加工
後に残る未変性ポリエステル繊維のバラケによる抜蝕部
の白ボケを防ぐため、予め未変性ポリエステル繊維のみ
の撚糸を必要とし、さらに、未抜蝕部の変性ポリエステ
ル繊維のほつれを防ぐため、両繊維を混繊した後合撚し
ておく必要があり、加工コストの高いものとなる。
【0004】また、抜蝕加工剤として、アミンを用いる
方法は、熱処理の際に悪臭、発煙等が生じ環境上問題が
あり、アルカリを用いる方法は、本来残すべき未変性ポ
リエステル繊維までも脆化する危険性があり、布帛の強
力低下等に問題がある。さらに、無機酸、有機酸等を用
いる方法は、熱処理の際の悪臭、発煙等の発生、透かし
模様が単調、型際のシャープさに欠ける等の問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、変性ポリエ
ステル重合体と未変性または異変性ポリエステル重合体
の複合繊維からなる布帛を、変性ポリエステル重合体が
アルカリ処理時に優先的に脆化する促進剤を用いて印捺
することにより、変性ポリエステル重合体部分を積極的
に分解すると共に未変性または異変性のポリエステル重
合体部分の分解を抑えるものであり、本発明の目的は、
型際の極めてシャープな透かし模様を有し、強力低下が
低減され、或いはさらには鮮明な色相の透かし模様を有
する抜蝕加工ポリエステル系繊維布帛を提供することに
あり、また、悪臭、発煙等の発生を抑え安全に抜蝕加工
ポリエステル系繊維布帛を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルカリ金属
スルホン酸基を有する第三成分により変性されたエチレ
ンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする変性ポリ
エステル重合体(A)を繊維断面において少なくとも繊
維表面に露出する複合部分に配し、未変性ポリエステル
重合体(B)及びまたは(A)とは異なる第三成分によ
り変性された異変性ポリエステル重合体(C)を他の複
合部分に配したポリエステル系複合繊維で構成された抜
蝕加工布帛であって、抜蝕部は無着色または着色の未変
性または異変性ポリエステル重合体の繊維からなる透か
し模様が形成されている抜蝕加工ポリエステル系繊維布
帛、
【0007】及び、アルカリ金属スルホン酸基を有する
第三成分により変性されたエチレンテレフタレートを主
たる繰り返し単位とする変性ポリエステル重合体(A)
を繊維断面において少なくとも繊維表面に露出する複合
部分に配し、未変性ポリエステル重合体(B)及びまた
は(A)とは異なる第三成分により変性された異変性ポ
リエステル重合体(C)を他の複合部分に配したポリエ
ステル系複合繊維で構成された布帛に、多価アルコール
エチレンオキシド付加物またはさらに染料を含有する抜
蝕糊を印捺し、温度100〜250℃で熱処理した後、
アルカリ処理して印捺部の複合繊維の変性ポリエステル
重合体(A)を除去することからなる抜蝕加工ポリエス
テル系繊維布帛の製造方法、にある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の抜蝕加工ポリエステル系
繊維布帛は、変性ポリエステル重合体と未変性または異
変性のポリエステル重合体からなるポリエステル系複合
繊維で一部または全部が構成された抜蝕加工布帛であ
り、抜蝕加工布帛における抜蝕部は、複合繊維の変性ポ
リエステル重合体部分が除去され、無着色または着色の
未変性または異変性のポリエステル重合体の繊維からな
る透かし模様が形成され、非抜蝕部は、複合繊維のまま
の状態にある。
【0009】本発明において、変性ポリエステル重合体
(A)とは、アルカリ金属スルホン酸基を有する第三成
分により変性されたエチレンテレフタレートを主たる繰
り返し単位とする変性ポリエステル重合体である。
【0010】変性ポリエステル重合体(A)としては、
例えば5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のアルカリ
金属スルホン酸基含有イソフタル酸、アルキルスルホン
酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
等のアルカリ金属スルホン酸基を有する第三成分が、好
ましくは1〜15モル%共重合または1〜15重量%ブ
レンドされて変性された変性ポリエステル重合体が用い
られる。また、変性ポリエステル重合体(A)には、ア
ルカリ金属スルホン酸基を有する第三成分を含む限りに
おいて他の第三成分が共重合またはブレンドにより含ま
れていてもよい。本発明においては、変性ポリエステル
重合体(A)として、好ましくは5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸及びアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジ
カルボン酸が共重合されたポリエチレンテレフタレー
ト、より好ましくは5−ナトリウムスルホイソフタル酸
1.5〜4モル%及びアジピン酸3〜7モル%が共重合
されたポリエチレンテレフタレートが用いられる。
【0011】未変性ポリエステル重合体(B)として
は、第三成分が含まれないか或いは含有第三成分が0.
5モル%以下のエチレンテレフタレートを主たる繰り返
し単位とするポリエステル重合体が用いられ、好ましく
はポリエチレンテレフタレートが用いられる。
【0012】また、異変性ポリエステル重合体(C)と
して、変性ポリエステル重合体(A)とは異なる第三成
分を共重合またはブレンドして変性されたエチレンテレ
フタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル重
合体が用いられる。異変性ポリエステル重合体(C)と
しては、第三成分としてイソフタル酸、ヘキサヒドロテ
レフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸、アゼライン酸等のジカルボン酸、トリメ
リット酸等のトリカルボン酸、5−メチルスルホイソフ
タル酸、ポリアルキレングリコール、ジエチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールB等のジオール等を、一つまたは二つ以上を組
合せて1〜15モル%共重合または1〜15重量%ブレ
ンドして変性されたポリエステル重合体が挙げられる。
【0013】本発明におけるポリエステル系複合繊維
は、変性ポリエステル重合体(A)と、未変性ポリエス
テル重合体(B)及びまたは異変性ポリエステル重合体
(C)とが、組み合わされた複合構造をなしている。複
合構造としては、貼り合わせ型、芯鞘型、海島型等の任
意のものであってよいが、本発明においては、変性ポリ
エステル重合体(A)が繊維断面において少なくとも一
部が繊維表面に露出する複合部分に配され、未変性ポリ
エステル重合体(B)及びまたは異変性ポリエステル重
合体(C)が他の複合部分に配され、抜蝕加工後の繊維
強度保持の点から、変性ポリエステル重合体(A)を鞘
部に配し、未変性ポリエステル重合体(B)及びまたは
異変性ポリエステル重合体(C)を芯部に配した芯鞘型
複合繊維であることが好ましい。
【0014】変性ポリエステル重合体(A)と、未変性
ポリエステル重合体(B)及びまたは異変性ポリエステ
ル重合体(C)との繊維断面における面積比は、変性ポ
リエステル重合体(A)部分が多すぎると抜蝕加工後の
繊維強度保持の点から好ましくなく、変性ポリエステル
重合体(A)部分が少なすぎると抜蝕加工後の抜蝕効果
が不十分であり、変性ポリエステル重合体(A):未変
性ポリエステル重合体(B)及びまたは異変性ポリエス
テル重合体(C)が1:0.1〜2、好ましくは1:
0.25〜1とする。
【0015】本発明におけるポリエステル系複合繊維
は、変性ポリエステル重合体(A)を一方の複合成分と
して用い、未変性ポリエステル重合体(B)及びまたは
異変性ポリエステル重合体(C)を他方の複合成分とし
て用い、複合紡糸ノズルを用いて公知の任意の方法で溶
融複合紡糸し、延伸して得られる。
【0016】本発明において、ポリエステル系複合繊維
で構成された布帛としては、編物、織物等の任意の形態
が挙げられ、布帛には他の繊維が組み合わされて混合さ
れていてもよく、混合には、混紡、混繊、交撚、交編、
交織等の任意の手段が用いられる。また布帛におけるポ
リエステル系複合繊維と他の繊維との割合は、任意であ
ってよい。
【0017】本発明における抜蝕加工ポリエステル系繊
維布帛は、ポリエステル系複合繊維で構成された布帛に
対し以下の処理を順次施すことにより製造される。
【0018】主たる処理工程としては、ポリエステル系
複合繊維布帛に多価アルコールエチレンオキシド付加物
を含有する抜蝕糊を印捺する工程、温度100〜250
℃で熱処理する工程、アルカリ処理して印捺部の複合繊
維の変性ポリエステル重合体(A)を除去する工程から
なる。
【0019】本発明方法においては、ポリエステル系複
合繊維布帛に、多価アルコールエチレンオキシド付加物
を含有する抜蝕糊を印捺することが必要である。抜蝕糊
に含有させる多価アルコールエチレンオキシド付加物
は、多価アルコールにエチレンオキシドを2モル以上付
加した生成物であり、多価アルコールには、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ヒドロベンゾイン、
ベンゾピナコール、シクロペンタン−1,2−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の二価アルコ
ール、グリセリン等の三価アルコール等が用いられる。
【0020】多価アルコールへのエチレンオキシドの付
加方法には、特に限定はなく、通常知られている方法に
より付加物が生成される。本発明において、好ましく用
いられる多価アルコールエチレンオキシド付加物として
は、エチレングリコールのエチレンオキシド5〜30モ
ル付加物、グリセリンのエチレンオキシド3〜28モル
付加物が挙げられる。多価アルコールエチレンオキシド
付加物は、ポリエステル系複合繊維における変性ポリエ
ステル重合体の種類、布帛での割合等により異なるが、
抜蝕糊100g当たり1〜50g、好ましくは5〜20
g含有されるよう添加する。
【0021】抜蝕糊の糊剤としては、公知の糊剤が用い
られ、小麦澱粉、トラガントガム、ローカストビーンガ
ム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸ソーダ等の天然、加工、半合成、合
成の糊剤を単独でまたは2種以上混合して用いる。
【0022】また、本発明においては、抜蝕糊に染料を
含有させることもでき、抜蝕色糊として、多価アルコー
ルエチレンオキシド付加物及び染料を含有させた抜蝕色
糊を用いる場合には、抜蝕加工と同時に染色を行うこと
もできる。含有させる染料として分散染料を用いること
が、多価アルコールエチレンオキシド付加物によっては
変色されず鮮明な色相を得られることから、好ましいこ
とである。分散染料としては、後の工程でのアルカリ処
理に耐える分散染料であれば任意の分散染料が用いら
れ、モノアゾ系、ジスアゾ系、キノロンアゾ系、アント
ラキノン系、アミノキノン系、ニトロジフェニルアミン
系、イミノ系、キノン系、キノフタロン系等のいずれの
分散染料を用いてもよい。
【0023】布帛への抜蝕糊の印捺は、公知の任意の方
法によって行われ、模様等の部分印捺からほぼ全面の印
捺まで任意に印捺される。抜蝕糊を印捺し乾燥した後
は、布帛を温度100〜240℃、好ましくは125〜
200℃で熱処理する。熱処理は、好ましくは蒸熱或い
は乾熱により行い、加熱温度にもよるが、好ましくは蒸
熱の場合は60秒〜30分、乾熱の場合は30秒〜5分
行う。
【0024】本発明方法における印捺後の熱処理におい
て、印捺部の複合繊維における変性ポリエステル重合体
(A)は、その非晶部の構造が未変性ポリエステル重合
体(B)の非晶部に比べルーズであり、また異変性ポリ
エステル重合体(C)の非晶部に比べてもルーズなた
め、多価アルコールエチレンオキシド付加物が変性ポリ
エステル重合体(A)の非晶部構造に浸透し易く、浸透
した多価アルコールエチレンオキシド付加物は、高い温
度雰囲気下で膨潤し、後の工程でのアルカリ処理の際に
著しい分解促進効果を奏する。
【0025】本発明方法におけるアルカリ処理には、ポ
リエステル繊維に通常施されるアルカリ減量処理が適用
され、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ
金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム
等のアルカリ土類金属水酸化物等のアルカリを用い、必
要によりトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、
モノエタノールアミン等のアミンを併用し、アルカリ水
溶液として、布帛を浸漬処理する。処理条件は、布帛構
成の複合繊維の変性ポリエステル重合体(A)の比率、
繊度、減量率等に応じて適宜変更しうるが、アルカリ濃
度は、1〜500g/リットルの範囲で適宜選択され、
細繊度の繊維の布帛であれば好ましくは50g/リット
ル以下の濃度である。処理温度は、60〜120℃、好
ましくは90〜110℃である。
【0026】アルカリ処理においては、多価アルコール
エチレンオキシド付加物の付着、熱処理により、印捺部
の複合繊維における変性ポリエステル重合体(A)は、
予め脆化が極めて生じ易い状態にされていると共に、非
印捺部の複合繊維及び印捺部の複合繊維の未変性または
異変性ポリエステル重合体が、多価アルコールエチレン
オキシド付加物による影響を殆ど受けない状態にあるこ
とから、アルカリ処理によって、印捺部の複合繊維にお
ける多価アルコールエチレンオキシド付加物が付着した
変性ポリエステル重合体(A)のみが分解除去され、印
捺部には未変性または異変性ポリエステル重合体が繊維
として残り、透かし模様が形成された抜蝕加工布帛が得
られる。
【0027】また、抜蝕糊として分散染料を含有する抜
蝕色糊を印捺した場合には、アルカリ処理時にアルカリ
水溶液中にハイドロサルファイト、炭酸ナトリウム等を
添加することによって、変性ポリエステル重合体(A)
の分解除去と同時に、熱処理で染色された未変性または
異変性ポリエステル重合体が還元洗浄され、印捺部には
分散染料により鮮明に着色された未変性または異変性ポ
リエステル重合体繊維による透かし模様が形成される。
【0028】本発明による抜蝕加工されたポリエステル
系繊維布帛には、当然ながら抜蝕加工後に通常の染色ま
たは捺染加工を施すこともでき、抜蝕加工での柄、色相
とさらに加える捺染加工での色相、柄との組み合わせに
よって多様で高度の意匠効果を付与することも可能であ
る。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0030】(実施例1)鞘成分として、固有粘度0.
60、密度1.38g/cm3、融点244℃の5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸2モル%及びアジピン酸5
モル%をポリエチレンテレフタレートに共重合の変性ポ
リエステル重合体を用い、芯成分として、固有粘度0.
72、密度1.38g/cm3、融点256℃のポリエ
チレンテレフタレートを用い、芯:鞘=1:2とし、2
90℃にて芯鞘複合紡糸して未延伸糸を得た。この未延
伸糸を通常の二段延伸機で延伸して150d/24fの
延伸糸を得た。この延伸糸を原糸として120T/Mに
撚糸し、24Gの平編地を編成した。この編地に、下記
の抜蝕糊を柄状に印捺し、110℃で2分間乾燥後、温
度190℃の乾熱雰囲気下にて60秒間熱処理した。抜
蝕糊の付着率は、編物に対し平均120重量%であっ
た。
【0031】 抜蝕糊: グリセリンエチレンオキシド10モル付加物 10重量部 ファインガムG17 6重量部 (第一工業製薬社製グアーガム系糊剤) 水 84重量部
【0032】その後、熱処理された編地を水酸化ナトリ
ウム10g/リットル水溶液、浴比1:50のアルカリ
水溶液中で沸騰温度で45分アルカリ処理し、常法によ
り中和、乾燥した。得られた編地は、印捺部の複合繊維
鞘部の変性ポリエステル重合体が完全に分解除去され、
芯部のポリエチレンテレフタレートが損傷なく繊維とし
て残り、型際の極めてシャープな透かし模様に抜蝕加工
された編地(a)が得られた。また、熱処理の際の悪
臭、発煙等の発生もなかった。
【0033】この抜蝕加工編地(a)を、下記の分散染
料染液(1)を用い、室温から2℃/分の速度で昇温し
130℃で30分染色し、水洗後、下記還元液(2)を
用いて還元洗浄した。得られた編地は、非抜蝕柄部の複
合繊維及び抜蝕柄部のポリエチレンテレフタレート繊維
が青色に染色された抜蝕加工編地であった。
【0034】 分散染料染液(1): ダイアニックス ブルー ACE 1wt%(対繊維) (三菱化成ヘキスト社製分散染料) ディスパーTL(明成化学社製分散剤) 0.5g/リットル ディスパーVG(明成化学社製分散剤) 0.5g/リットル ウルトラMT−N2 0.5g/リットル (御幣島化学社製燐酸塩化合物) 浴比 1:30
【0035】 還元液(2): ハイドロサルファイト 1g/リットル 炭酸ナトリウム 1g/リットル モノゲン(第一工業製薬社製洗浄剤) 1g/リットル 浴比 1:30
【0036】また、前記の抜蝕加工編地(a)を、下記
の分散染料とカチオン染料の混合染液(3)を用い、室
温から2℃/分の速度で昇温し100℃で30分染色し
た後、さらに昇温し130℃で30分染色し、水洗後、
前記の還元液(2)を用いて還元洗浄した。得られた編
地は、非抜蝕柄部の複合繊維が紫色に染色され、抜蝕柄
部のポリエチレンテレフタレート繊維が青色に染色され
た抜蝕加工編地であった。
【0037】 分散染料/カチオン染料混合染液(3): ダイアニックス ブルー ACE 1wt%(対繊維) (三菱化成ヘキスト社製分散染料) カヤクリル レッド 2BL−ED 1wt%(対繊維) (日本化薬社製カチオン染料) ディスパーTL(明成化学社製分散剤) 0.5g/リットル ウルトラMT−N2 0.5g/リットル (御幣島化学社製燐酸塩化合物) 浴比 1:30
【0038】また、前記の抜蝕加工編地(a)を、下記
のカチオン染料染液(4)を用い、室温から2℃/分の
速度で昇温し100℃で30分染色し、水洗後、前記の
還元液(2)を用いて還元洗浄した。得られた編地は、
非抜蝕柄部の複合繊維のみが赤色に染色され、抜蝕柄部
のポリエチレンテレフタレート繊維が無着色の抜蝕加工
編地であった。
【0039】 カチオン染料染液(4): カヤクリル レッド 2BL−ED 1wt%(対繊維) (日本化薬社製カチオン染料) ウルトラMT−N2 0.5g/リットル (御幣島化学社製燐酸塩化合物) 浴比 1:30
【0040】(実施例2)鞘成分として、固有粘度0.
60、密度1.38g/cm3、融点244℃の5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸2モル%及びアジピン酸5
モル%をポリエチレンテレフタレートに共重合の変性ポ
リエステル重合体を用い、芯成分として、固有粘度0.
58、密度1.38g/cm3、融点252℃のイソフ
タル酸2モル%をポリエチレンテレフタレートに共重合
の異変性ポリエステル重合体を用い、芯:鞘=1:2と
し、290℃にて芯鞘複合紡糸して未延伸糸を得た。こ
の未延伸糸を通常の二段延伸機で延伸して150d/2
4fの延伸糸を得た。この延伸糸を原糸として120T
/Mに撚糸し、24Gの平編地を編成した。この編地
に、実施例1で用いた抜蝕糊を柄状に印捺し、110℃
で2分間乾燥後、温度190℃の乾熱雰囲気下にて60
秒間熱処理した。抜蝕糊の付着率は、編物に対し平均1
20重量%であった。
【0041】その後、熱処理された編地を水酸化ナトリ
ウム10g/リットル水溶液、浴比1:50のアルカリ
水溶液中で沸騰温度で45分アルカリ処理し、常法によ
り中和、乾燥した。得られた編地は、印捺部の複合繊維
鞘部の変性ポリエステル重合体が完全に分解除去され、
芯部の異変性ポリエステル重合体が繊維として残り、型
際の極めてシャープな透かし模様に抜蝕加工された編地
(b)が得られた。また、熱処理の際の悪臭、発煙等の
発生もなかった。
【0042】この抜蝕加工編地(b)を、実施例1で用
いた分散染料染液(1)を用い、室温から2℃/分の速
度で昇温し130℃で30分染色し、水洗後、実施例1
で用いた還元液(2)を用いて還元洗浄した。得られた
編地は、非抜蝕柄部の複合繊維及び抜蝕柄部の異変性ポ
リエステル重合体繊維とが青色に染色された抜蝕加工編
地であった。
【0043】また、前記の抜蝕加工編地(b)を、実施
例1で用いた分散染料とカチオン染料の混合染液(3)
を用い、室温から2℃/分の速度で昇温し100℃で3
0分染色した後、さらに昇温し130℃で30分染色
し、水洗後、前記の還元液(2)を用いて還元洗浄し
た。得られた編地は、非抜蝕柄部の複合繊維が紫色に染
色され、抜蝕柄部の異変性ポリエステル重合体繊維が青
色に染色された抜蝕加工編地であった。
【0044】また、前記の抜蝕加工編地(b)を、実施
例1で用いたカチオン染料染液(4)を用い、室温から
2℃/分の速度で昇温し100℃で30分染色し、水洗
後、前記の還元液(2)を用いて還元洗浄した。得られ
た編地は、非抜蝕柄部の複合繊維のみが赤色に染色さ
れ、抜蝕柄部の異変性ポリエステル重合体繊維が無着色
の抜蝕加工編地であった。
【0045】(実施例3)実施例1で用いたと同じ編地
に、下記の抜蝕色糊を柄状に印捺し、110℃で2分間
乾燥した後、温度190℃の乾熱雰囲気下で90秒間熱
処理した。抜蝕色糊の付着率は、編物に対し平均120
重量%であった。
【0046】 抜蝕色糊: グリセリンエチレンオキシド10モル付加物 10重量部 ファインガムG17 6重量部 ダイアニックス ブルー ACE 1重量部 (三菱化成ヘキスト社製分散染料) 水 83重量部
【0047】その後、熱処理された編地を下記のアルカ
リ水溶液中で沸騰温度で30分還元洗浄を兼ねたアルカ
リ処理し、常法により中和、乾燥した。得られた編地
は、印捺部の複合繊維鞘部の変性ポリエステル重合体が
完全に分解除去され、芯部のポリエチレンテレフタレー
トが青色に染色されて繊維として残り、型際の極めてシ
ャープな透かし模様に抜蝕加工された編地(c)が得ら
れた。また、熱処理の際の悪臭、発煙等の発生もなかっ
た。
【0048】 アルカリ水溶液: 水酸化ナトリウム 10g/リットル ハイドロサルファイト 5g/リットル 炭酸ナトリウム 10g/リットル 浴比 1:50
【0049】また、前記の抜蝕加工編地(c)を、実施
例1で用いたカチオン染料染液(4)を用い、室温から
2℃/分の速度で昇温し100℃で30分染色し、水洗
後、実施例1で用いた還元液(2)を用いて還元洗浄し
た。得られた編地は、非抜蝕柄部の複合繊維が赤色に染
色され、抜蝕柄部のポリエチレンテレフタレート繊維が
青色に染色された抜蝕加工編地であった。
【0050】(実施例4)実施例2で用いたと同じ編地
に、実施例3で用いた抜蝕色糊を柄状に印捺し、110
℃で2分間乾燥した後、温度190℃の乾熱雰囲気下で
90秒間熱処理した。抜蝕色糊の付着率は、編物に対し
平均120重量%であった。
【0051】その後、熱処理された編地を実施例3で用
いたアルカリ水溶液中で沸騰温度で30分還元洗浄を兼
ねたアルカリ処理し、常法により中和、乾燥した。得ら
れた編地は、印捺部の複合繊維鞘部の変性ポリエステル
重合体が完全に分解除去され、芯部の異変性ポリエステ
ル重合体が青色に染色されて繊維として残り、型際の極
めてシャープな透かし模様に抜蝕加工された編地(d)
が得られた。また、熱処理の際の悪臭、発煙等の発生も
なかった。
【0052】また、前記の抜蝕加工編地(d)を、実施
例1で用いたカチオン染料染液(4)を用い、室温から
2℃/分の速度で昇温し100℃で30分染色し、水洗
後、実施例1で用いた還元液(2)を用いて還元洗浄し
た。得られた編地は、非抜蝕柄部の複合繊維が赤色に染
色され、抜蝕柄部の異変性ポリエステル重合体繊維が青
色に染色された抜蝕加工編地であった。
【0053】(比較例1)実施例1において、抜蝕糊の
グリセリンエチレンオキシド10モル付加物に代えてト
リエタノールアミンを用いる以外は、実施例1と同様に
抜蝕加工した。この加工では、透かし模様に抜蝕加工さ
れた編地が得られたが、熱処理の際に著しい悪臭、発煙
等が発生した。
【0054】(比較例2)実施例に2において、抜蝕糊
のグリセリンエチレンオキシド10モル付加物に代えて
トリエタノールアミンを用いる以外は、実施例2と同様
に抜蝕加工した。この加工では、透かし模様に抜蝕加工
された編地が得られたが、熱処理の際に著しい悪臭、発
煙等が発生し、かつ型際が不鮮明であった。
【0055】
【発明の効果】本発明の抜蝕加工ポリエステル系繊維布
帛は、型際の極めてシャープな透かし模様を有し、強力
低下が低減され、或いはさらには鮮明な色相の透かし模
様を有するものであり、また、本発明によれば、抜蝕加
工ポリエステル系繊維布帛を悪臭、発煙等の発生を抑え
安全に得ることができ、また、柄、色相、着色柄との組
み合わせにより多様な意匠効果を有する抜蝕加工ポリエ
ステル系繊維布帛を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−212582(JP,A) 特開 昭62−199885(JP,A) 特開 平5−171578(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06Q 1/02 D06M 11/38

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属スルホン酸基を有する第三
    成分により変性されたエチレンテレフタレートを主たる
    繰り返し単位とする変性ポリエステル重合体(A)を繊
    維断面において少なくとも繊維表面に露出する複合部分
    に配し、未変性ポリエステル重合体(B)及びまたは
    (A)とは異なる第三成分により変性された異変性ポリ
    エステル重合体(C)を他の複合部分に配したポリエス
    テル系複合繊維で構成された抜蝕加工布帛であって、抜
    蝕部は未変性または異変性ポリエステル重合体の繊維か
    らなる透かし模様が形成されていることを特徴とする抜
    蝕加工ポリエステル系繊維布帛。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属スルホン酸基を有する第三
    成分により変性されたエチレンテレフタレートを主たる
    繰り返し単位とする変性ポリエステル重合体(A)を繊
    維断面において少なくとも繊維表面に露出する複合部分
    に配し、未変性ポリエステル重合体(B)及びまたは
    (A)とは異なる第三成分により変性された異変性ポリ
    エステル重合体(C)を他の複合部分に配したポリエス
    テル系複合繊維で構成された布帛に、多価アルコールエ
    チレンオキシド付加物を含有する抜蝕糊を印捺し、温度
    100〜250℃で熱処理した後、アルカリ処理して印
    捺部の複合繊維の変性ポリエステル重合体(A)を除去
    することを特徴とする抜蝕加工ポリエステル系繊維布帛
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 変性ポリエステル重合体(A)として、
    5−ナトリウムスルホイソフタル酸1.5〜3.5モル
    %及びアジピン酸2.0〜7.0モル%が共重合された
    エチレンテレフタレートを繰り返し単位とする変性ポリ
    エステル重合体を用いる請求項2記載の抜蝕加工ポリエ
    ステル系繊維布帛の製造方法。
  4. 【請求項4】 抜蝕糊として、多価アルコールエチレン
    オキシド付加物及び分散染料を含有する抜蝕色糊を用い
    る請求項2または請求項3記載の抜蝕加工ポリエステル
    系繊維布帛の製造方法。
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