JP3035228B2 - プランジャ型マスタシリンダ - Google Patents

プランジャ型マスタシリンダ

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JP3035228B2
JP3035228B2 JP23973896A JP23973896A JP3035228B2 JP 3035228 B2 JP3035228 B2 JP 3035228B2 JP 23973896 A JP23973896 A JP 23973896A JP 23973896 A JP23973896 A JP 23973896A JP 3035228 B2 JP3035228 B2 JP 3035228B2
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克己 前原
孝明 大西
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ボッシュ ブレーキ システム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプランジャ型マスタ
シリンダに関し、さらに詳しくは、マスタシリンダの環
状のシール部材のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術として実公平4−39
090号公報があり、この従来のプランジャ型マスタシ
リンダについて、以下、図面を参照して説明する。
【0003】図7は従来のプランジャ型マスタシリンダ
におけるプライマリピストン側を示す断面図である。シ
リンダハウジング1の開口部にはピストンガイド2が配
設されており、このピストンガイド2に対してプライマ
リピストン6が摺動自在に嵌合しシリンダハウジング1
の内部に液圧室5を区画している。ピストンガイド2お
よびピストン6にはそれぞれ孔3および液補給孔7が形
成されており、非作動時においては戻しばね10のばね
力により図示する非作動位置をとり、孔3および液補給
孔7を整列させて、図示しないリザーバに連通する通路
4を介してリザーバと液圧室5とを連通させている。ピ
ストンガイド2の液圧室5側端面には環状のシール部材
8が配設されており、ピストン6が液圧室5内に押動さ
れて液補給孔7がシール部材8を通過すると、液補給孔
7と孔3との連通が遮断され、ピストン6の更なる移動
により液圧室5内に液圧を発生させるようになってい
る。また、ピストンガイド2のシリンダハウジング1開
口側端面には環状の密封部材9が配設されており、シリ
ンダハウジング1外部への作動液の漏洩を防止してい
る。
【0004】シール部材8は、図8および図9に示すよ
うに、ピストン6の外周に弾接する内周リップ部8a
と、スリーブ13に弾接する外周リップ部8bと、これ
ら内外周のリップ部8a、8bを後端側で連絡するベー
ス部8cとを有し、さらに、このベース部8cの内周側
にピストン6に向かって突出する凸部8dが形成されて
いる。そして、このシール部材8は、内外周の両リップ
部8a、8b間に形成される環状の凹所8eを液圧室5
側に向け、ベース部8cをピストンガイド2に当接させ
てシリンダハウジング1に嵌着される。
【0005】シール部材8が図9に示すようにシリンダ
ハウジング1に配設された状態では、シール部材8の内
周面はその全面がピストン6に当接しているが、その圧
接力は、図中Aで示す圧接力線分図の矢印の長さで示さ
れるように、ベース部8c側の圧接力を内周リップ部8
aの圧接力よりも増大させている。これにより、ピスト
ン6対するシールポイントをより後方(図中右方)に
ずらし、これとピストン6の液補給孔7との間の距離、
すなわちピストン6の無効ストロークを小さくしようと
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】通常、シール部材8の
ようなカップ形状のシール部材(カップシールもしくは
リップシールとも呼ばれる。)は、シールポイントを内
周リップ部および外周リップ部においており、これによ
り、ブレーキ作動中、液圧室にて発生した液圧をこれら
両リップ部が背圧として受け自らの圧接力を高める、と
いうように構造に起因した高いシール効果を得ることが
できるという特性を有している。
【0007】しかしながら、従来のマスタシリンダのシ
ール部材8のベース部8cは、内周リップ部8aと外周
リップ部8bとの間を連絡しているため、剛性力が高
く、ベース部8cの圧接力が内周リップ部8aの圧接力
よりも大きくなり、ピストン6に対するシールポイント
がベース部8c側となるので、上述のようなカップシー
ルの本来有している特性が得られにくいという問題があ
る。要するに、従来のシール部材8はカップ形状を呈し
ているが、カップシール本来の特性を犠牲にしてピスト
ン6の無効ストロークを小さくしようとしたものであ
る。
【0008】また、従来のシール部材8はベース部8c
側の圧接力を今までよりも更に大きくしているので、ピ
ストン6に対する摺動抵抗を否応なく増大させてしまう
という問題がある。これではピストン6がスムーズに移
動できなくなってしまい、ピストン6の戻り遅れによる
迅速なブレーキ解除作用を行うことができなくなってし
まう。
【0009】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、カッ
プ形状のシール部材が本来有する特性を犠牲にすること
なく、またピストンに対する摺動抵抗を増大することな
くピストンの無効ストロークを小さくすることができる
プランジャ型マスタシリンダを提供することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の課題は、シリンダ
孔を形成したシリンダ本体と、このシリンダ孔にその軸
線方向に移動自在に嵌入され液圧室を区画するピストン
と、前記ピストンに形成された液補給孔を含み前記液圧
室をリザーバに連通させる液通路と、前記シリンダ孔内
に保持されて前記ピストンが前記液圧室側に移動するこ
とに応じて前記液補給孔を前記リザーバ側から遮断する
弾性変形可能な環状のシール部材とを備え、前記環状の
シール部材は、先端が前記液圧室に臨み前記シリンダ本
体側に弾接する外周リップ部と、先端が前記液圧室に臨
み前記ピストンの外周に弾接する内周リップ部と、これ
ら内外周の各リップ部を後端側で連絡するベース部とを
有し、前記ベース部の内周側に前記ピストン外周に向か
って突出し、前記ピストンの非作動状態で当該ピストン
に弾接する凸部を形成したプランジャ型マスタシリンダ
において、前記環状のシール部材は、前記凸部及び前記
内周リップ部が前記ピストン外周に弾接して生じる圧接
力と、前記外周リップ部が前記シリンダ本体側に弾接し
て生じる圧接力とにより位置決めされているとともに、
前記凸部で生じる前記ピストンに対する圧接力を前記内
周リップ部で生じる前記ピストンに対する圧接力より小
さく発生させていることを特徴とするプランジャ型マス
タシリンダ、によって解決される。
【0011】環状のシール部材のベース部内周側から突
出する凸部のピストンに対する圧接力をその内周リップ
部のピストンに対する圧接力よりも小さくすることによ
り、ベース部側でピストンストローク時の液補給孔を介
してのリザーバと液圧室との間の液連通を遮断し、ブレ
ーキ作動時、内周リップ部をピストンに対する主要な圧
接力としたシール部材が有する本来の特性を充分に発揮
させる。これにより、カップシール本来の特性が充分に
得られながら、ピストンの無効ストロークを小さくする
ことができる。また、シール部材のピストンに対する圧
接力は従来と比較しても何ら増大されたものではないの
で、ピストンに対する摺動抵抗も増大させることはな
く、よってピストンのスムーズな移動を確保することが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
プランジャ型マスタシリンダについて図面を参照して説
明する。
【0013】図1は本発明の実施の形態によるプランジ
ャ型マスタシリンダを示し、その全体は15で示され
る。シリンダ本体16の一端開口部にはシールリング2
8を装着した蓋部材17が螺着されており、シリンダ本
体16の内部には、ピストンガイド25、26に対して
摺動自在にプライマリピストン19およびセカンダリピ
ストン20が嵌入され、これら2つのピストン19、2
0の間にプライマリ液圧室30が、またセカンダリピス
トン20と蓋部材17との間にセカンダリ液圧室31が
区画される。
【0014】ピストンガイド25は、シールリング27
を装着してシリンダ孔40の開口部に螺着固定された筒
状部材18により支持されている。ピストンガイド25
には径方向通路51が、またシリンダ本体16には連通
孔57が形成されており、これらはシリンダ本体16の
ボス部41にシールリング43と共に嵌入されたリザー
バのニップル部45を介して、リザーバ内部と連通して
いる。また、このピストンガイド25のプライマリ液圧
室30側端面には、本発明に係る弾性変形可能な環状の
シール部材21が配設されており、その詳細については
後述する。また、ピストンガイド25のシリンダ孔40
開口側には環状の密封部材23が配設されている。
【0015】さらにプライマリピストン19には、プラ
イマリ液圧室30とリザーバとを連通させる液補給孔1
9aが形成されており、図示する非作動位置において
は、ピストンガイド25の径方向通路51、およびピス
トンガイド25の内周面とプライマリピストン19の外
周面との間を介して液補給孔19aと連通し、あるい
は、シリンダ孔40とピストンガイド25との間、およ
び環状シール部材21とピストンガイド25との間を介
して液補給孔19aと連通している。
【0016】他方のピストンガイド26は外周部にシー
ルリング29を装着してシリンダ孔40に嵌入され、蓋
部材17により支持されている。ピストンガイド26に
は径方向通路52とこれに直交する軸方向通路53が、
またシリンダ本体16には連通孔58が形成されてお
り、これらはシリンダ本体16のボス部42にシールリ
ング44と共に嵌入されたリザーバのニップル部46を
介して、リザーバ内部と連通している。このピストンガ
イド26のセカンダリ液圧室31側端面にもまた、本発
明に係る環状のシール部材22が配設されている。ピス
トンガイド26のプライマリ液圧室30側端面には、プ
ライマリ液圧室30とセカンダリ液圧室31との間の液
連通を遮断する環状の密封部材24が配設されている。
【0017】さらに、セカンダリピストン20にも同様
に、セカンダリ液圧室31とリザーバとを連通させる液
補給孔20aが形成されており、図示する非作動位置に
おいては、ピストンガイド26の径方向通路52、およ
びピストンガイド26の内周面とセカンダリピストン2
0の外周面との間を介して液補給孔20aと連通し、あ
るいは、径方向通路52、軸方向通路53、および環状
シール部材22とピストンガイド26との間を介して液
補給孔20aと連通している。
【0018】ニップル部45、46は共通のニップルホ
ルダ47により保持され、このニップルホルダ47はね
じ48、49によりシリンダ本体16に一体的に固定さ
れる。
【0019】プライマリピストン19とセカンダリピス
トン20との間には戻しばね32が張設されており、そ
の一端はプライマリピストン19に、他端はリテーナ3
6に支持されている。リテーナ36は、プライマリピス
トン19に螺着固定された連結部材としてのボルト部材
34に対して相対的に移動可能になっており、またボル
ト部材34の頭部34aと係合可能となっている。リテ
ーナ36の底部36Aは、戻しばね32のばね力により
セカンダリピストン20に当接している。
【0020】また、セカンダリピストン20と蓋部材1
7との間にも戻しばね33が張設されており、その一端
はセカンダリピストン20に、他端はリテーナ37に支
持されている。リテーナ37は、セカンダリピストン2
0に螺着固定された連結部材としてのボルト部材35に
対して相対的に移動可能になっており、またボルト部材
35の頭部35aと係合可能なっている。リテーナ37
の底部37Aは、戻しばね33のばね力により蓋部材1
7に当接している。
【0021】なお、セカンダリ側の戻しばね33はプラ
イマリ側の戻しばね32よりも若干、そのばね力が小さ
く設定されており、またプライマリピストン19の後端
部(図中右方)には図示しないブースタの駆動ロッドが
負荷をかけた状態で係合しているため、プライマリピス
トン19は、図示する静止状態(非作動状態)で位置決
めされている。また、セカンダリピストン20は、戻し
ばね32、33のばね力が釣り合うことにより行われ
る。なお、万一、プライマリピストン19の非作動時の
位置決めが、正しくできない場合には、セカンダリピス
トン20のフランジ部20bがシリンダ孔40内部の段
部100に当接することによりセカンダリピストン20
の位置決めが行われる。
【0022】次に、本発明に係る環状のシール部材2
1、22について説明するが、これらは全く同一の構造
を有しているので、代表的に一方のシール部材21につ
いてのみ説明するものとする。
【0023】図2を参照して、シール部材21はゴムで
成り、先端がプライマリ液圧室30に臨み、プライマリ
ピストン19の外周に弾接する内周リップ部21aと、
先端がプライマリ液圧室30に臨み、シリンダ本体16
に弾接する外周リップ部21bと、これら内外周の各リ
ップ部21a、21bを後端側で連絡するベース部21
cとを有しており、いわゆるカップシールと呼ばれるも
のである。図3に示すように、このベース部21cの内
周側にピストン19の外周に向かって突出し、ピストン
19の非作動状態で当該ピストン19に弾接する凸部2
1dが形成されている。シール部材21は、凸部21d
及び内周リップ部21aがピストン19外周に弾接して
生じる圧接力と、外周リップ部21bがシリンダ本体1
6に弾接して生じる圧接力とにより位置決めされてい
る。また、シール部材21のベース部21cの外周に
は、複数(本実施の形態では6箇所)の切欠き部21f
が等間隔に形成されている。
【0024】本実施の形態では、図3において符号gで
示すようにシール部材21の内周リップ部21aにおけ
るシールポイントとなる部分21asの内径を凸部21
dの内径より小さく形成し、また図2に示すようにベー
ス部21c外周とシリンダ本体16との間に空間55を
確保してシリンダ孔40内に嵌着するようにしている。
これにより、シール部材21がマスタシリンダ15に装
着されたとき、図6に示すようにベース部21c側の凸
部21dのピストン19に対する圧接力線分P(基準線
Oからの矢印の長さで表される。)が、その内周リップ
部21aのピストン19に対する圧接力Qよりも小さく
される。この凸部21dの圧接力Pは、所望の密封作用
を行うのに十分な大きさである。
【0025】なお、圧接力Qは、図9に示した従来のシ
ール部材8のピストン6に対する圧接力線分Aのうち、
内周リップ8a側の大きさとほぼ同等である。すなわ
ち、本実施の形態によるシール部材21は、ピストン1
9に対する圧接力を何ら増大させることなく、その内周
リップ部21a側の圧接力が主となるように構成されて
いる。
【0026】さらに本実施の形態では、シール部材21
の内周面がピストン19に当接したとき、内周リップ部
21aとベース部21c(凸部21d)との間に空間S
が形成されるようになっており、これら内周リップ部2
1a、凸部21dおよび外周リップ部21bの3点でシ
ール部材21が支持されるようにしている。
【0027】シール部材21は以上のように構成される
のであるが、そのベース部21cに対向するようにスペ
ーサ38がシリンダ孔40の段部50に配設されてい
る。このスペーサ38の本体38aは、環状シール部材
21の内外周の両リップ部21a、21b間に形成され
る凹所21eに進入している(図2参照)。他方のシー
ル部材22側に配設されるスペーサ39も同一の構造を
呈しており、これは蓋部材17の先端段部17aに配設
されている。
【0028】図4および図5に示すように、スペーサ3
8は環状のスペーサ本体38aと、これと一体的に形成
された複数(本実施の形態では4箇所)の拡径部38b
とを有し、これら拡径部38bを弾性変形(縮径)しシ
リンダ孔40の壁面に係合させ、シリンダ孔40の段部
50に配設されている。他方のスペーサ39もまた同一
の構成を有している。
【0029】本実施の形態によるプランジャ型マスタシ
リンダ15は以上のように構成されるのであるが、次に
この作用について説明する。
【0030】図示しないブレーキペダルを踏み込むと、
これまた図示しないブースタを介してプライマリピスト
ン19は図1に示す非作動位置から図中左方に移動す
る。これと共に液補給孔19aも移動するが、液補給孔
19aがシール部材21のベース部21c(凸部21
d)にまで達すると、プライマリ液圧室30とリザーバ
との間の液連通を遮断する。そしてプライマリピストン
19の更なる移動によりプライマリ液圧室30に液圧が
発生し、図示しないブレーキ装置に供給される。またプ
ライマリピストン19の移動に伴ってセカンダリピスト
ン20も移動し、その液補給孔20aがシール部材22
のベース部22c(22d)にまで達すると、セカンダ
リ液圧室31とリザーバとの間の液連通が遮断され、セ
カンダリピストン20の更なる移動によりセカンダリ液
圧室31に液圧が発生し、図示しないブレーキ装置に供
給される。これにより図示しない全車輪にブレーキがか
けられる。
【0031】このとき、プライマリ及びセカンダリの両
液圧室30、31内にて発生した液圧は本発明に係るシ
ール部材21、22の凹所21e、22eに作用し、そ
の内周リップ部21a、22aおよび外周リップ部21
b、22bの圧接力(シール力)を高めるように働く。
すなわち、カップ形状のシール部材が有する本来の特性
が機能する。
【0032】このように、本実施の形態によれば、シー
ル部材21、22はその内周リップ部21a、22aの
圧接力をピストン19、20に対する主要な圧接力とし
ながらも、そのベース部21c、22c側にもシール力
が得られる程度の圧接力を備えさせているので、ピスト
ン19、20の液補給孔19a、20aがこれらシール
部材21、22のベース部21c、22cの真下に到達
した時点で液圧室30、31をリザーバ側から遮断する
ことができる。すなわち、ピストン19、20の無効ス
トロークを小さくすることができる。
【0033】ブレーキ操作を止めるべくブレーキペダル
への踏み込みを解除すると、戻しばね32、33のばね
力によりプライマリピストン19およびセカンダリピス
トン20は図示する非作動位置に戻る。
【0034】このとき、本実施の形態では、シール部材
21、22における凸部21d、22dのピストン1
9、20に対する圧接力を上述のように内周リップ部2
1a、22aのピストン19、20に対する圧接力より
も小さくしているので、ピストン19、20はこれらシ
ール部材21、22に対してスムーズに摺動することが
でき、よって、図示する非作動位置にスムーズに戻るこ
とができる。
【0035】また、戻しばね32、33のばね力により
ピストン19、20が非作動位置に戻る際、プライマリ
およびセカンダリ液圧室30、31内は負圧気味となる
が、このときリザーバ側の作動液がシール部材21、2
2の外周リップ部21b、22bを径内方に撓ませて両
液圧室30、31内に補給され、ピストン19、20の
戻りを迅速に行わせるようにしている。そこで本実施の
形態では、上述のようにシール部材21、22のベース
部21c、22cの外周に等間隔に切欠き部21f、2
2fをそれぞれ6箇所ずつ形成しているので、液圧室3
0、31への液補給が容易となり、より一層ピストン1
9、20の戻りを迅速に行わせることができる。よっ
て、迅速なブレーキ解除作用を行うことができる。
【0036】さらに本実施の形態では、スペーサ38、
39の配設によりシール部材21、22の位置決めを行
うことができ、またシール部材21、22は内周リップ
部21a、22a、外周リップ部21b、22bおよび
凸部21d、22dのそれぞれ3点で支持されるので、
両ピストン19、20の移動または作動液の両液圧室3
0、31内への補給時によるシール部材21、22の傾
転を防止することができ、液圧室30、31とリザーバ
との間の常時安定した遮断作用を行わせることができ
る。なお、スペーサ38、39をシール部材21、22
の内周リップ部21a、22aの一部にのみ当接するよ
うに設けているので、上記液補給時の外周リップ部21
b、22bの撓み変形に支障をきたすことはない。
【0037】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発
明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0038】例えば以上の実施の形態では、セカンダリ
ピストン20側のシール部材22の位置決めを行うスペ
ーサ39をプライマリピストン19側のスペーサ38と
同様に別部材として配設したが、蓋部材17と一体的に
形成させてもよい。
【0039】また以上の実施の形態では、シール部材2
1、22のベース部21c、22cの外周に形成される
切欠き部21f、22fは、それぞれ等間隔に6箇所ず
つ形成するようにしたが、勿論これに限られず、その数
を増減してもよい。
【0040】また以上の実施の形態では、図2に明示す
るように、シール部材21の内周面がピストン19に当
接したとき、内周リップ部21aとベース部21c(凸
部21d)との間に空間Sが形成されるようにしたが、
これを省いてもよい。セカンダリ側のシール部材22
も、同様である。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のプランジャ
型マスタシリンダによれば、カップ形状のシール部材が
本来有している特性を充分に発揮させながら、ピストン
の無効ストロークを小さくすることができ、またピスト
ンの移動をスムーズに行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に形態によるプランジャ型マスタ
シリンダの全体を示す断面図である。
【図2】図1における要部の拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態における環状のシール部材
の自由状態を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるスペーサの拡大正
面図である。
【図5】図4における[5]−[5]線方向の断面図で
ある。
【図6】本発明の実施の形態における環状のシール部材
内周面のピストンに対する圧接力の分布を示す図であ
る。
【図7】従来例のプランジャ型マスタシリンダの要部を
示す断面図である。
【図8】従来例における環状のシール部材の自由状態を
示す拡大断面図である。
【図9】従来例における環状のシール部材内周面のピス
トンに対する圧接力の分布を示す図である。
【符号の説明】
15 プランジャ型マスタシリンダ 16 シリンダ本体 19 プライマリピストン 19a 液補給孔 20 セカンダリピストン 20a 液補給孔 21 シール部材 21a 内周リップ部 21b 外周リップ部 21c ベース部 21d 凸部 21e 凹所 21f 切欠き部 22 シール部材 30 プライマリ液圧室 31 セカンダリ液圧室 38 スペーサ 39 スペーサ 40 シリンダ孔 55 空間
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 11/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ孔を形成したシリンダ本体と、
    このシリンダ孔にその軸線方向に移動自在に嵌入され液
    圧室を区画するピストンと、前記ピストンに形成された
    液補給孔を含み前記液圧室をリザーバに連通させる液通
    路と、前記シリンダ孔内に保持されて前記ピストンが前
    記液圧室側に移動することに応じて前記液補給孔を前記
    リザーバ側から遮断する弾性変形可能な環状のシール部
    材とを備え、前記環状のシール部材は、先端が前記液圧
    室に臨み前記シリンダ本体側に弾接する外周リップ部
    と、先端が前記液圧室に臨み前記ピストンの外周に弾接
    する内周リップ部と、これら内外周の各リップ部を後端
    側で連絡するベース部とを有し、前記ベース部の内周側
    に前記ピストン外周に向かって突出し、前記ピストンの
    非作動状態で当該ピストンに弾接する凸部を形成したプ
    ランジャ型マスタシリンダにおいて、前記環状のシール部材は、前記凸部及び前記内周リップ
    部が前記ピストン外周に弾接して生じる圧接力と、前記
    外周リップ部が前記シリンダ本体側に弾接して生じる圧
    接力とにより位置決めされているとともに、前記凸部で
    生じる前記ピストンに対する圧接力を前記内周リップ部
    で生じる前記ピストンに対する圧接力より小さく発生さ
    せている ことを特徴とするプランジャ型マスタシリン
    ダ。
  2. 【請求項2】 前記環状のシール部材は、前記内周リッ
    プ部の前記ピストンに対してシールポイントとなる部分
    の内径を、前記凸部の内径より小さく形成されており、
    前記ベース部の外周のシリンダ本体側に空間を確保して
    前記シリンダ孔内に嵌着されることを特徴とする請求項
    1に記載のプランジャ型マスタシリンダ。
  3. 【請求項3】 前記シリンダ孔内には、前記内外周の両
    リップ部間に形成される凹所に進入し、前記ベース部と
    対向するスペーサが設けられていることを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載のプランジャ型マスタシリン
    ダ。
  4. 【請求項4】 前記ベース部の外周には、複数の切欠き
    部が等間隔に形成されていることを特徴とする請求項3
    に記載のプランジャ型マスタシリンダ。
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