JP2001090841A - 密封装置及びこれを有するマスタシリンダ - Google Patents

密封装置及びこれを有するマスタシリンダ

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JP2001090841A
JP2001090841A JP26822799A JP26822799A JP2001090841A JP 2001090841 A JP2001090841 A JP 2001090841A JP 26822799 A JP26822799 A JP 26822799A JP 26822799 A JP26822799 A JP 26822799A JP 2001090841 A JP2001090841 A JP 2001090841A
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sliding
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piston
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annular groove
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JP26822799A
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Katsumi Maehara
克己 前原
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Bosch Corp
Bosch Braking Systems Corp
Original Assignee
Bosch Braking Systems Co Ltd
Bosch Braking Systems Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動部材の偏摩耗が生じない密封装置及びこ
れを有するマスタシリンダを提供すること。 【解決手段】 プライマリピストン4に形成される環状
溝42の深さが液圧室側(高圧側)から液補給室側(大
気圧側)に向かうにつれて深くなるように底面42aを
テーパー状に形成し、ピストンの非摺動時には、弾性部
材28の摺動部材32に対して発生する最大押圧力の位
置Lを摺動部材32の軸方向における中心mより予め液
圧室側へずらしておき、ピストンを摺動した時に初めて
最大押圧力の位置L’が摺動部材32の軸方向において
略中心mになるようにすることで、摺動部材32のシリ
ンダ本体3の摺動面に押圧する押圧力が、摺動部材32
の摺動方向で略均等になり、摺動部材32の偏摩耗を抑
制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧機器に組み込
まれる密封装置、及び車両の液圧ブレーキシステムに用
いられるマスタシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の技術としては、実公昭62−3
0620号公報がある。この公報には、ピストン機構部
におけるシール構造に関するもので、シリンダ本体の内
周面に、ピストンに向けて開口を有する環状溝を形成
し、この環状溝内に摺動部材と弾性部材とを装着した密
封装置が記載されている。上記摺動部材は合成樹脂製で
あり環状溝内にピストンの外周面と密接して摺動し、上
記弾性部材は摺動部材と環状溝の底面との間に配置され
摺動部材をピストン側へ押圧している。この摺動部材と
弾性部材は、その軸方向の長さにおいて摺動部材の方が
長く形成されいる。環状溝は、その深さが大気圧側(低
圧側)から、ピストンの摺動により液圧が発生し得る圧
力室側(高圧側)に向かうにつれて深くなるように底面
が略テーパー状に形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように構成され
る上記公報に記載の密封装置では、ピストンを高圧側へ
摺動させた時に生じる圧力により、弾性部材が環状溝の
テーパー状の底面に沿って低圧側へ移動する。弾性部材
は低圧側へ移動するにつれてその変形量が増大し、この
増大した変形量による弾性力で、且つ環状溝内の最も低
圧側の位置で摺動部材を押圧する。従ってこの時、摺動
部材もピストンに対し低圧側が最も高くなるような押圧
力で押圧し、且つこの押圧力が高くなる位置は常に低圧
側であり続けるため、ピストンの摺動の繰り返しにより
摺動部材の摺動面における低圧側の摩耗が他の領域に比
べて早く、結果として摺動部材に偏摩耗が生じることに
なる。
【0004】摺動部材に偏摩耗が生じると、摺動部材の
ピストンに対する圧接面積及び押圧力は小さくなり、低
圧側から摺動部材とピストンの間を通って液が漏れ出す
おそれがある。
【0005】このような構成の密封装置を車両の液圧ブ
レーキシステムに用いられるマスタシリンダの構成要素
として用いた場合、摺動部材の偏摩耗によりシール力が
低下し、液圧の立ち上がりの遅れやピーク圧の低下等を
引き起こし、本来必要とする大きさのブレーキ力を迅速
に発生させることができなくなるおそれがある。
【0006】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、上記
環状溝に装着されている摺動部材が高圧側からの圧力を
受圧し低圧側に押圧される際、摺動部材の偏摩耗が生じ
ない密封装置及びこれを有するマスタシリンダを提供す
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】相対的に摺動する2部材
間に設けられ、一方の部材に他方の部材に向けて開口を
形成した環状溝に、前記他方の部材の摺動面に対向して
設けられる合成樹脂製の摺動部材と、前記摺動部材と前
記環状溝の底面との間に弾性変形して装着された弾性部
材とが配置され、前記弾性部材の弾性力により前記摺動
部材を前記他方の部材の摺動面に押圧するとともに、前
記2部材が相対的に摺動することにより生じる高圧側か
らの圧力を受圧することで前記摺動部材及び弾性部材が
低圧側に押圧され、前記高圧側と前記低圧側との間の連
通を遮断する密封装置において、前記底面には、前記環
状溝の深さが前記高圧側から前記低圧側に向かうにつれ
て深くなるテーパー面が形成されており、前記摺動部材
及び弾性部材の高圧側側周面に前記高圧側の圧力が作用
した時、前記摺動部材の前記他方の部材の摺動面に押圧
する押圧力が、前記摺動部材の摺動方向で略均等になる
ようにしたことを特徴とする密封装置、によって解決さ
れる。
【0008】また以上の課題は、内部にシリンダ孔を有
するシリンダ本体と、前記シリンダ孔に摺動自在に嵌入
し、前記シリンダ孔内に液圧室を区画するピストンと、
前記シリンダ孔又はピストンのいずれか一方に形成され
た環状溝に装着され、他方に形成され大気圧に連絡する
連絡孔を遮断する密封装置とを備え、前記密封装置は、
前記環状溝の底面に装着される弾性材料からなる弾性部
材と、前記弾性部材の外周に装着され、前記弾性部材の
弾性力により前記連絡孔が形成されている側に接触する
摺動部材からなるマスタシリンダにおいて、前記底面に
は、前記環状溝の深さが前記液圧室側から前記大気圧側
に向かうにつれて深くなるテーパー面が形成されてお
り、前記ピストンが摺動し、前記液圧室側の圧力が前記
摺動部材及び弾性部材に作用した時、前記摺動部材の前
記連絡孔が形成されている側に押圧する押圧力が、前記
摺動部材の摺動方向で略均等になるようにしたことを特
徴とするマスタシリンダ、によって解決される。
【0009】以上の密封装置及びマスタシリンダの構成
において、上記一方の部材をピストンとし、他方の部材
をシリンダ本体とすると、ピストンの非摺動時には、ピ
ストンに形成された上記環状溝底面のテーパー状の形状
により、上記弾性部材の上記摺動部材に対して発生する
最大押圧力の位置を摺動部材の軸方向における中心より
予めずらしておき、ピストンを摺動した時に初めて上記
最大押圧力の位置が摺動部材の軸方向において略中心に
なるようにすることで、摺動部材のシリンダ本体の摺動
面に押圧する押圧力が、摺動部材の摺動方向で略均等に
なるようにしている。これにより、摺動部材の摺動面の
偏摩耗を抑制することができ、このような密封装置をマ
スタシリンダに用いれば、液圧の立ち上がりの遅れやピ
ーク圧の低下を抑制し、迅速なる所定の大きさのブレー
キ力の発生を確保することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0011】図1は本発明の実施の形態によるマスタシ
リンダ及びこれに取り付けられたリザーバを示し、その
全体をマスタシリンダは1、リザーバは2で示す。リザ
ーバ2は、公知のように構成され、作動液を大気圧下で
貯蔵するリザーバ本体2aと、この上端部に液注入口と
して形成された開口を覆うキャップ2bとからなる。
【0012】マスタシリンダ1のシリンダ本体3にはボ
ス部18、19が形成されており、これら両ボス部にリ
ザーバ2のニップル部50、51がグロメットシール3
0、31を介して嵌合されている。シリンダ孔40には
プライマリピストン4及びセカンダリピストン5が摺動
自在に嵌入されている。これら2つのピストン4、5の
間にプライマリ液圧室10が区画され、セカンダリピス
トン5とシリンダ端部3aとの間にセカンダリ液圧室1
1が区画されている。また、プライマリピストン4の一
方のフランジ部4aに装着された密封装置Sと、他方の
フランジ部4bに装着されたシール部材27との間に液
補給室35が区画され、セカンダリピストン5の一方の
フランジ部5aに装着された密封装置Sと、他方のフラ
ンジ部5bに装着されたシール部材29との間に液補給
室36が区画されている。
【0013】プライマリピストン4のフランジ部4aに
は軸方向に複数の液通路12が形成され、またシリンダ
本体3には径方向に連絡孔14及び連通孔16が形成さ
れている。これら連絡孔14及び連通孔16は、ニップ
ル部液通路52を介してリザーバ2の内部と連通し、連
絡孔14はプライマリ液圧室10に、連通孔16は液補
給室35にそれぞれ連通しているので、図1に示す非作
動状態でプライマリ液圧室10及び液補給室35は大気
圧となっている。同様にセカンダリピストン5のフラン
ジ部5aには軸方向に複数の液通路13が形成され、シ
リンダ本体3には径方向に連絡孔15及び連通孔17が
形成されている。これら連絡孔15及び連通孔17はニ
ップル部液通路53を介してリザーバ2の内部と連通
し、連絡孔15はセカンダリ液圧室11に、連通孔17
は液補給室36にそれぞれ連通しているので、図1に示
す非作動状態でセカンダリ液圧室11及び液補給室36
は大気圧となっている。
【0014】プライマリピストン4とセカンダリピスト
ン5の間には戻しばね20が予負荷状態で設けられてお
り、その一端はプライマリピストン4に当接させたばね
受け22に、他端はセカンダリピストン5に当接させた
ばね受け24にそれぞれ支持されている。ばね受け24
は、プライマリピストン4に螺着固定された連結部材と
してのボルト部材25に対して相対的に移動可能となっ
ており、またボルト部材25の頭部25aと係合可能と
なっている。
【0015】同様に、セカンダリピストン5とシリンダ
端部3aの間には戻しばね21が予負荷状態で設けられ
ており、その一端はセカンダリピストン5に当接させた
ばね受け23に、他端はシリンダ端部3aにそれぞれ支
持されている。
【0016】次に本発明に係る密封装置Sについて図2
を参照して説明する。図2は、図1において円Aで囲ん
だ部分を拡大して示したものである。プライマリピスト
ン4の一方のフランジ部4aの全周にわたってシリンダ
本体3に向けて開口を形成した環状溝42が形成されて
いる。この環状溝42内に、非装着時(自由状態)に断
面が円形であり弾性材料からなる弾性部材としてのOリ
ング28、及びこのOリング28の外周に装着されシリ
ンダ孔40の内周面に圧接する摺動部材としての合成樹
脂製のシールリング32が装着されている。これらOリ
ング28及びシールリング32は図示するように軸方向
の長さにおいて環状溝42の長さより短い。
【0017】環状溝42の底面42aは図3A、Bに明
示するように、プライマリ液圧室10側から液補給室3
5側に向かうにつれて深くなるテーパー状に形成されて
いる。
【0018】ここで本実施の形態では後述するように、
ブレーキ非作動時において、シリンダ本体3に対し、O
リング28の弾性力によるシールリング32の押圧力が
その摺動面内においてプライマリ液圧室10側に偏倚
し、ブレーキ作動時にプライマリ液圧室10からの圧力
を受けて、シールリング32の押圧力が液補給室35側
に移動し、結果的にシリンダ本体3に対する押圧力がシ
ールリング32の摺動面内において摺動方向で略均等に
なるように、環状溝底面42aのテーパーの角度が設定
されている。
【0019】図2を参照して、プライマリピストン4の
フランジ部4aには液通路12と連通した軸方向環状溝
44がプライマリピストン4の軸心を中心として形成さ
れており、この軸方向環状溝44内に複数の孔60aが
形成された環状のプレート60が嵌着されており、更に
当該溝44内にカップシール26がそのリップの向きを
プライマリ液圧室10側に向けてプレート60を挟んで
装着されている。
【0020】なお、セカンダリピストン5のフランジ部
5a周辺の構成も、プライマリピストン4のフランジ部
4aと同様に構成されているので、その説明は省略す
る。
【0021】なお、本実施の形態では図1に示すよう
に、プライマリピストン4は金属製で、セカンダリピス
トン5は合成樹脂製である。プライマリ側のピストン4
だけが金属製である理由は、プライマリピストン4の凹
部4cには図示しないプッシュロッドが嵌合しており、
後述するようにブレーキ作動時には、プライマリピスト
ン4はプライマリ液圧室10から液圧力を受け、且つプ
ッシュロッドにより押されるためその押圧力に対する強
度が必要になるからである。
【0022】以上のように構成されるマスタシリンダ1
の作用について説明する。
【0023】図1に示される状態、すなわち非作動時の
状態においては、上述したように、プライマリ液圧室1
0及び液補給室35は大気圧であるので両室間に圧力差
はない。この時の密封装置Sの状態を図3Aに示す。シ
ールリング32の軸方向長さhの垂直二等分線をm(以
下、中心線と呼ぶ。)とすると、Oリング28のシール
リング32に対する押圧力aの最大値は矢印Lで表さ
れ、プライマリ液圧室10側から液補給室35側に向か
うにつれて深くなるテーパー状の環状溝底面42aによ
り、予め中心線mに対してプライマリ液圧室10側にず
れている。従って、シールリング32のシリンダ3に対
する押圧力bにおいて最大値を示す矢印Nも中心線mに
対してプライマリ液圧室10側にずれている。
【0024】そして図1を参照して、図示しないブレー
キペダルを踏み込むと、プッシュロッドの力により、プ
ライマリピストン4は図に示す非作動位置から戻しばね
20のばね力に抗して図中左方に移動する。そして密封
装置Sが連絡孔14を通過してプライマリ液圧室10と
リザーバ2との間の液連通を遮断する。プライマリピス
トン4の更なる左方への移動によりプライマリ液圧室1
0に液圧が発生し、図示しないブレーキ装置に供給され
る。またプライマリピストン4の移動と共にセカンダリ
ピストン5も戻しばね21のばね力に抗して図中左方に
移動し、セカンダリピストン5におけるフランジ部5a
の密封装置Sが連絡孔15を通過してセカンダリ液圧室
11とリザーバ2との間の液連通が遮断され、セカンダ
リピストン5の更なる左方への移動によりプライマリ液
圧室11に液圧が発生し、図示しないブレーキ装置に供
給される。これにより全車輪にブレーキがかけられる。
【0025】このブレーキ作動状態の時、図3Bに示す
ように、シールリング32及びOリング28は、図2に
示すプライマリ液圧室10からの圧力を受けて液補給室
35側へ押圧され、且つOリングは弾性変形してプライ
マリピストン4の摺動方向に縮められた分、シールリン
グ32に対して発生する押圧力は増加する。また、プラ
イマリ液圧室10側から液補給室35側に向かうにつれ
て深くなるテーパー状の環状溝底面42aにより、Oリ
ング28のシールリング32に対する押圧力a’の最大
値を示す矢印L’は図示するようにほぼ中心線m上に来
る。従ってこの時シールリング32のシリンダ3に対す
る押圧力b’において最大値を示す矢印N’も中心線上
mにあり、このシールリング32のシリンダ3に対する
押圧力b’はシールリング32の摺動方向で略均等にな
る。これによりシールリング32の摺動面全体でシリン
ダ本体3を押圧することになる。
【0026】また、セカンダリピストン5側の密封装置
Sについてもプライマリピストン4側の密封装置Sと同
様な作用により、シールリングのシリンダ3に対する押
圧力はシールリングの摺動方向で略均等になる。
【0027】そして図1を参照して、ブレーキペダルの
踏力を解除すると、プライマリピストン4は戻しばね2
0のばね力により図中右方に移動し、これと共にセカン
ダリピストン5が戻しばね21のばね力により右方に移
動する。この時、図2を参照して、公知のようにカップ
シール26の外周部26aが径内方向に撓み、液補給室
35の液が液通路12、プレート60の孔60a、及び
ばね受け22の孔22aを通してプライマリ液圧室10
に送られ、両ピストン4、5がスムーズに復帰位置に移
動する。
【0028】以上の作用により、シールリング32の摺
動時における摺動面の偏摩耗を抑制することができるの
で、シールリング32のシリンダ本体3に対する押圧力
の低下を防止することができ、プライマリ液圧室10側
からの液漏れを防止することができる。従って、液圧の
立ち上がりの遅れやピーク圧の低下を抑制し、迅速なる
所定の大きさのブレーキ力の発生を確保することができ
る。
【0029】また、セカンダリピストン5側の密封装置
Sについてもプライマリピストン4側の密封装置Sと同
様の効果を得ることができる。
【0030】また、ブレーキ作動時(図3B)におい
て、Oリング28の軸方向長さがシールリング32の軸
方向長さhに略等しくなるように、Oリング28は弾性
変形するが、この時Oリング28の弾性力がシールリン
グ32の軸方向全域に作用するので、Oリング28のシ
ールリング32に対する押圧力が均等になり、シールリ
ング32のシリンダ本体3に対する押圧力の均等化に寄
与している。
【0031】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発
明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0032】例えば以上の本発明の実施の形態では、O
リング28は非装着時に断面が円形であるものを用いた
が、これに代えて、断面が矩形である角リングを用いて
もよい。
【0033】また、以上の実施の形態では、プライマリ
ピストン4は金属製、セカンダリピストン5は合成樹脂
製としたが、図1に示すプライマリピストン4が所望の
強度を得られるのであれば、プライマリピストン4もセ
カンダリピストン5と同様に合成樹脂製としてもよい。
【0034】また、以上の実施の形態では、プライマリ
ピストン4及びセカンダリピストン5に環状溝42を形
成し、シールリング32及びOリング28を装着した
が、シリンダ本体3に液圧室側から液補給室側に向かう
につれて深くなるテーパー状の底面を有する環状溝を形
成して、弾性部材としてのOリング、及びこのOリング
の外周に装着されシリンダ孔の内周面に圧接する摺動部
材としてのシールリングを装着してもよい。
【0035】更に以上の実施の形態では、本発明に係る
密封装置を液圧ブレーキシステムに用いられるマスタシ
リンダに適用した例について説明したが、これに限ら
ず、クラッチシステムに用いられるマスタシリンダにお
いても本発明は適用可能である。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の密封装置に
よれば、摺動を繰り返し行っても摺動部材に偏摩耗が生
じるおそれはなく、高圧側から低圧側へ液が漏れ出すお
それはない。
【0037】また、本発明の密封装置を車両の液圧ブレ
ーキシステムに用いられるマスタシリンダの構成要素と
して用いた場合、液圧の立ち上がりの遅れやピーク圧の
低下等を抑制することができるので、本来必要とする大
きさのブレーキ力を迅速に発生させることができ、車両
制動上の安全性が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による密封装置を備えたマ
スタシリンダ全体の部分破断断面図である。
【図2】図1におけるプライマリピストンの一方のフラ
ンジ部の拡大断面図である。
【図3】図2におけるシールリング32及びOリング2
8の部分を更に拡大した断面図であり、両リングの作用
を模式的に説明するための図で、Aはブレーキの非作動
時、Bはブレーキの作動時を示す。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ 2 リザーバ 3 シリンダ本体 4 プライマリピストン 5 セカンダリピストン 10 プライマリ液圧室 11 セカンダリ液圧室 14 連絡孔 15 連絡孔 28 Oリング 29 Oリング 32 シールリング 33 シールリング 42 環状溝 42a 環状溝底面 S 密封装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に摺動する2部材間に設けられ、
    一方の部材に他方の部材に向けて開口を形成した環状溝
    に、前記他方の部材の摺動面に対向して設けられる合成
    樹脂製の摺動部材と、前記摺動部材と前記環状溝の底面
    との間に弾性変形して装着された弾性部材とが配置さ
    れ、前記弾性部材の弾性力により前記摺動部材を前記他
    方の部材の摺動面に押圧するとともに、前記2部材が相
    対的に摺動することにより生じる高圧側からの圧力を受
    圧することで前記摺動部材及び弾性部材が低圧側に押圧
    され、前記高圧側と前記低圧側との間の連通を遮断する
    密封装置において、前記底面には、前記環状溝の深さが
    前記高圧側から前記低圧側に向かうにつれて深くなるテ
    ーパー面が形成されており、前記摺動部材及び弾性部材
    の高圧側側周面に前記高圧側の圧力が作用した時、前記
    摺動部材の前記他方の部材の摺動面に押圧する押圧力
    が、前記摺動部材の摺動方向で略均等になるようにした
    ことを特徴とする密封装置。
  2. 【請求項2】 前記摺動部材の軸方向長さが前記環状溝
    の開口よりも小さいとともに、前記弾性部材は、前記高
    圧側の圧力を受圧することにより弾性変形を起こし、前
    記摺動部材の高圧側側周面と略面一となる請求項1に記
    載の密封装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性部材は、非装着時に断面が円形
    であるOリング、又は断面が矩形である角リングである
    請求項1又は請求項2に記載の密封装置。
  4. 【請求項4】 内部にシリンダ孔を有するシリンダ本体
    と、前記シリンダ孔に摺動自在に嵌入し、前記シリンダ
    孔内に液圧室を区画するピストンと、前記シリンダ孔又
    はピストンのいずれか一方に形成された環状溝に装着さ
    れ、他方に形成され大気圧に連絡する連絡孔を遮断する
    密封装置とを備え、前記密封装置は、前記環状溝の底面
    に装着される弾性材料からなる弾性部材と、前記弾性部
    材の外周に装着され、前記弾性部材の弾性力により前記
    連絡孔が形成されている側に接触する摺動部材からなる
    マスタシリンダにおいて、前記底面には、前記環状溝の
    深さが前記液圧室側から前記大気圧側に向かうにつれて
    深くなるテーパー面が形成されており、前記ピストンが
    摺動し、前記液圧室側の圧力が前記摺動部材及び弾性部
    材に作用した時、前記摺動部材の前記連絡孔が形成され
    ている側に押圧する押圧力が、前記摺動部材の摺動方向
    で略均等になるようにしたことを特徴とするマスタシリ
    ンダ。
  5. 【請求項5】 前記摺動部材の軸方向長さが前記環状溝
    の開口よりも小さいとともに、前記弾性部材は、前記液
    圧室の圧力を受圧することにより弾性変形を起こし、前
    記摺動部材の液圧室側側周面と略面一となる請求項4に
    記載のマスタシリンダ。
  6. 【請求項6】 前記弾性部材は、非装着時に断面が円形
    であるOリング、又は断面が矩形である角リングである
    請求項4又は請求項5に記載のマスタシリンダ。
  7. 【請求項7】 前記ピストンは合成樹脂製の樹脂ピスト
    ンであり、前記環状溝は前記樹脂ピストン側に、前記連
    絡孔は前記シリンダ本体側にそれぞれ形成され、前記大
    気圧側は作動液が蓄えられている作動液リザーバに連絡
    しており、前記液圧室は前記密封装置が前記連絡孔を通
    過することにより、前記液圧室との連絡を断ち、液圧を
    発生させる請求項4に記載のマスタシリンダ。
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