JP3034987B2 - D−グリセロアルデヒド−3−リン酸、無機リン、または1,3−ジホスホグリセリン酸の高感度定量法および定量用組成物 - Google Patents

D−グリセロアルデヒド−3−リン酸、無機リン、または1,3−ジホスホグリセリン酸の高感度定量法および定量用組成物

Info

Publication number
JP3034987B2
JP3034987B2 JP3125902A JP12590291A JP3034987B2 JP 3034987 B2 JP3034987 B2 JP 3034987B2 JP 3125902 A JP3125902 A JP 3125902A JP 12590291 A JP12590291 A JP 12590291A JP 3034987 B2 JP3034987 B2 JP 3034987B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphate
glyceroaldehyde
diphosphoglycerate
nad
inorganic phosphorus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3125902A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04349898A (ja
Inventor
成 植田
守 高橋
英生 美崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP3125902A priority Critical patent/JP3034987B2/ja
Priority to PCT/JP1991/001789 priority patent/WO1992021776A1/ja
Publication of JPH04349898A publication Critical patent/JPH04349898A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3034987B2 publication Critical patent/JP3034987B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/26Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving oxidoreductase
    • C12Q1/32Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving oxidoreductase involving dehydrogenase

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臨床生化学検査、食品
検査等におけるD-グリセロアルデヒド-3-リン酸、無機
リン、1,3-ジホスホグリセリン酸またはこれらを反応生
成物とする物質の高感度定量法および定量用組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】血清中の無機リン濃度は、腸管からの吸
収、体内利用とリン酸化合物の異化、腎からの排せつな
どに関連し、各種の疾患で変動するものであり、その測
定は臨床検査において重要である。
【0003】その測定法としては、リンモリブデン酸を
還元し、モリブデンブルーとして比色定量する化学法が
知られている。近年、より温和な条件により測定可能で
しかも特異性の高い酵素法が種々報告されている。
【0004】例えば、(1)ホスホリラーゼにより、グリ
コーゲン+無機リン→グルコース-1-リン酸+グリコー
ゲンなる反応をさせ、生じたグルコース-1-リン酸をホ
スホグルコムターゼによりグルコース-6-リン酸に転換
後、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼとNADPを用
い生成するNADPHを測定するもの(臨床検査,22巻,11
号,1339頁,1978年)、(2)D-グリセロアルデヒド-3-リ
ン酸デヒドロゲナーゼによる、D-グリセロアルデヒド-3
-リン酸+無機リン+NAD→1,3-ジホスホグリセリン酸+
NADHなる反応系を利用するもの(Anal. Biochem., 49,
p88〜94, 1972年)、(3)(1)のホスホリラーゼの代わり
にシュークロースホスホリラーゼを用い、シュークロー
ス+無機リン→グルコース-1-リン酸+フルクトースな
る反応系によりグルコース-1-リン酸を生成せしめ、以
下(1)と同様に測定するもの(臨床化学会年会記録,第2
6集,161頁,1986年)、(4)プリンヌクレオシドホスホ
リラーゼを用い、イノシン+無機リン→リボース-1-リ
ン酸+ヒポキサンチンとし、生じたヒポキサンチンをさ
らにキサンチンオキシダーゼを用いて、ヒポキサンチン
+2H2O +2O2→尿酸+2H2O2なる酵素反応系により生成
する過酸化水素をペルオキシダーゼ反応により比色定量
するもの、(5)6-ホスホフルクトキナーゼ、ホスホグル
コイソメラーゼを用い、D-フルクトース-1,6-ジリン酸
+無機リン→ピロリン酸+フルクトース-6-リン酸→グ
ルコース-6-リン酸なる酵素反応により生じたグルコー
ス-6-リン酸をグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼを
用いて測定するもの(特開平1-179699号公報)などがあ
る。
【0005】これらの方法は、いずれも高感度な測定法
とはいえず、例えば(1)においては、高アミラーゼ検体
の場合、基質として用いるグリコーゲンがアミラーゼの
基質ともなるため、結果的に測定値が低くなる。また、
(4)においては還元物質の影響を受けやすい等の問題点
がある。
【0006】D-グリセロアルデヒド-3-リン酸の測定は
他の酵素反応の共役系として利用されており、例えばフ
ルクトース-1,6-ジリン酸アルドラーゼの活性測定時に
用いられる。この場合、D-グリセロアルデヒド-3-リン
酸デヒドロゲナーゼを用い、還元型NADの340nmにおける
吸光度増加として測定される。
【0007】また、1,3-ジホスホグリセリン酸の測定
は、赤血球中に多量に存在し、ヘモグロビンと酸素との
結合、遊離を調節する重要な因子である2,3-ジホスホグ
リセリン酸の測定時に共役系として用いられている。
【0008】すなわち、2,3-ジホスホグリセリン酸は、
2,3-ジホスホグリセリン酸ホスファターゼにより3-ホス
ホグリセリン酸に転換され、これはさらにホスホグリセ
ロキナーゼによりATPの存在下に1,3-ジホスホグリセリ
ン酸に転換される。1,3-ジホスホグリセリン酸は、D-グ
リセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼの逆反応
を利用し測定される(日本臨床,47巻,985頁,1989年)
【0009】一般に、酵素を用いて分析する場合、上記
の各方法のように測定をしようとする対象物質を分光学
的に検出可能な過酸化水素や還元型NAD(P)等に変換さ
れ、この場合、検出可能な物質量は化学量論的に測定対
象物と等しくなる。
【0010】現在、この検出可能な物質を測定する方法
としては分光分析機器を用いる方法が最も普及している
が、これも感度に限界が有り、測定対象物の含量が少な
い場合は適さないという欠点があった。
【0011】そこで、測定対象物の含量が少ない場合
や、測定対象物を含む被検体が少量である場合などは、
分光分析よりも感度の優れた蛍光分析や発光分析等が用
いられている。しかしながら、これらの方法も臨床検査
等の汎用検査においては、機器の普及という点からはあ
まり適したものではなかった。
【0012】また、微量の物質を測定するその他の方法
としては、当該物質が等量の補酵素などに変換できる場
合は、2種類の酵素を用いて補酵素を増幅する、いわゆ
る酵素サイクリング法が行われている。例えば、NADサ
イクリング法、CoAサイクリング法、ATPサイクリング法
等が用いられているが、これらの方法はいずれも臨床検
査等のルーチン分析においては、操作が煩雑すぎるため
に殆ど実用されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前記の測定の感度を向
上させることが可能なら、測定対象物の含量が少ない場
合はもとより、測定に必要な検体量を減らすことができ
るため、例えば血清のように種々の成分を含むものを被
検体に用いる場合には、共存物質によるその測定系に及
ぼす影響を小さくすることができる。また、ある限られ
た被検体量で検査できる項目数を増やすことも可能であ
り、さらには検体が人血液である場合などは、採血量を
減らすことができるため、被採血者への心理的な負担を
軽減することもできる。このように、検出感度を高くす
ることは、臨床検査においては血液という貴重な検体を
用いることや微量成分を測定する必要性から考えて、必
然の要求である。
【0014】前述のごとく、従来の定量法は、いまだ満
足のいくものとはいえず、簡便かつ高感度の定量法の開
発が望まれていた。特に無機リンの高感度測定は、酵素
免疫法における標識用酵素として汎用されているアルカ
リホスファターゼの活性測定への応用も考えられる。
【0015】したがって、本発明の第一の目的は、高感
度かつ精度良好で、簡便なD-グリセロアルデヒド-3-リ
ン酸、無機リン、1,3-ジホスホグリセリン酸の定量法を
提供することにある。
【0016】本発明の第二の目的は、前記高感度定量法
に好適に供される定量用組成物を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、D-グリセロアルデヒド
-3-リン酸、および無機リンを基質として1,3-ジホスホ
グリセリン酸を生成するD-グリセロアルデヒド-3-リン
酸デヒドロゲナーゼ反応を行うにあたり、補酵素として
一方にチオNAD類およびチオNADP類からなる群より選ば
れる1つと、他方にNAD類およびNADP類からなる群より
選ばれる1つとを使用する酵素サイクリング反応を見出
した。
【0018】さらに、前記反応においてチオNAD類およ
びチオNADP類の還元型の吸収波長が400nm付近、NAD類お
よびNADP類の還元型の吸収波長が340nm付近であること
から、どちらか一方の波長の吸光度を測定することによ
り、吸光度測定に際し他物質の吸収波長の混雑が回避で
きることを確認し本発明を完成するに至った。
【0019】すなわち、本発明のD-グリセロアルデヒド
-3-リン酸、無機リン、または1,3-ジホスホグリセリン
酸の定量法は、D-グリセロアルデヒド-3-リン酸、無機
リンおよび1,3-ジホスホグリセリン酸からなる群より選
ばれる少なくとも1種の被検成分を含有する被検体に、
次の成分(1)〜(4) (1) チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれ
る1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれる
1つとを補酵素とし、少なくともD-グリセロアルデヒド
-3-リン酸および無機リンを基質として1,3-ジホスホグ
リセリン酸を生成する可逆反応をなすD-グリセロアルデ
ヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ (2) A1 (3) B1 (4) 必要に応じ被検成分として存在する成分以外のサイ
クリング反応系を形成せしめる成分 を含有する試薬を作用せしめて、下記反応式〔1〕
【0020】
【化2】
【0021】(式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NAD
P類またはNAD類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、
B1はA1がチオNADP類またはチオNAD類のときは還元型NAD
P類または還元型NAD類を、またA1がNADP類またはNAD類
のときは還元型チオNADP類または還元型チオNAD類を示
し、B2はB1の酸化型生成物を示す)で表わされるサイク
リング反応を形成せしめ、該反応によって変化するA2
たはB1の量を測定することを特徴とする。
【0022】さらに本発明のD-グリセロアルデヒド-3-
リン酸、無機リンまたは1,3-ジホスホグリセリンの定量
用組成物は、前記(1)〜(4)を含有することを特徴とす
る。
【0023】本発明に使用されるD-グリセロアルデヒド
-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.2.1.12 および1.2.
1.13)とは、少なくともD-グリセロアルデヒド-3-リン
酸+無機リン+NAD(P)+=1,3-ジホスホグリセリン酸+N
AD(P)H+H+なる反応を触媒するものであって、チオNADP
類およびチオNAD類からなる群より選ばれた1つと、NAD
P類およびNAD類からなる群より選ばれた1つとを補酵素
とするものならいずれをも用いることができる。
【0024】前記酵素は動植物に広く存在し、例えばウ
サギ骨格筋、酵母、大腸菌、バチルス ステアロサーモ
フィラス(Bacillus stearothermophilus)、植物葉緑
体などに見出される。このうち(EC 1.2.1.12) の酵素
は、(チオ)NAD類に対する特異性が高く(酵素ハンド
ブック,77〜78頁,朝倉書店,1983年)、ウサギ筋肉由
来、酵母由来、バチルス ステアロサーモフィラス由来
の酵素は市販されている。
【0025】例えば、ベーリンガー社より市販のウサギ
筋肉由来酵素の補酵素に対する相対活性は、40mMトリス
塩酸(pH 8.0)ではNADを用いたときを100%とすると、
チオNAD で20%程度であり、デアミノNADに対し29%、
アセチルNADに対し17%で、NADPに対しては1.2%程度で
あった。
【0026】このように、本発明においては、基質であ
るD-グリセロアルデヒド-3-リン酸および無機リン共存
下に、これらに対して反応性を有するものであれば、上
述の酵素以外の他の起源の酵素も使用することができ、
その補酵素NAD(P)類、チオNAD(P)類に対する特異性は適
宜、これら補酵素と基質とを用いて確認することができ
るものである。また本発明における無機リンとは、無機
リン酸またはそのイオン体を意味し、例えばH3PO4、H2P
O4 -イオン、HPO4 2-イオン、PO4 3-イオンのいずれでもよ
く、さらにこれらのイオン体は適宜モノ、ジ、トリ−Na
塩、K塩、アンモニウム塩からのものであってもよい。
【0027】また、本発明において、A1およびB2の補酵
素はチオNADP類、チオNAD類、NADP類、NAD類を示すが、
このうちチオNADP類またはチオNAD類としては、例えば
チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェー
ト(チオNADP)、チオニコチンアミドヒポキサンチンジ
ヌクレオチドホスフェート;およびチオニコチンアミド
アデニンジヌクレオチド(チオNAD)、チオニコチンア
ミドヒポキサンチンジヌクレオチドが挙げられる。ま
た、NADP類またはNAD類としては、例えばニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)、アセ
チルピリジンアデニンジヌクレオチドホスフェート(ア
セチルNADP)、アセチルピリジンヒポキサンチンジヌク
レオチドホスフェート、ニコチンアミドヒポキサンチン
ジヌクレオチドホスフェート(デアミノNADP);および
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、アセ
チルピリジンアデニンジヌクレオチド(アセチルNA
D)、アセチルピリジンヒポキサンチンジヌクレオチ
ド、ニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチド(デ
アミノNAD)が挙げられる。なおこれら補酵素の還元型
は、各々チオNADPH類、チオNADH類、NADPH類、NADH類と
して表示する。
【0028】本発明においては、A1およびB1について例
えばA1がチオNAD(P)類である場合、B1はNAD(P)H類であ
ることが必要であり、A1およびB1の関係において1つの
チオ型補酵素を使用する。
【0029】また定量に用いるD-グリセロアルデヒド-3
-リン酸デヒドロゲナーゼが(チオ)NAD類のみを補酵素
とする場合は、上述のチオNAD類とNAD類より、また、用
いるD-グリセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ
が(チオ)NADP類のみを補酵素とする場合は、上述のチ
オNADP類およびNADP類より、さらに用いるD-グリセロア
ルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼが(チオ)NAD類お
よび(チオ)NADP類を共に補酵素にする場合は上述のチ
オNAD類およびチオNADP類と上述のNAD類およびNADP類よ
り適宜選択し、それらの酸化型、還元型を適宜用いれば
よい。
【0030】また、本発明の前記定量法を用いれば、D-
グリセロアルデヒド-3-リン酸、無機リン、または1,3-
ジホスホグリセリン酸を定量でき、またこれらを遊離、
生成する酵素系における基質やその酵素活性を測定する
こともできる。さらに本発明の定量法を用いれば、上記
の被検成分を遊離、生成する酵素系と連結し得る単一
の、もしくは複数の工程からなる酵素系における基質や
その酵素活性をも測定することができる。これらの酵素
系は、特に限定されるものではないが、例えば以下に示
す種々の反応系が挙げられる。
【0031】(1) フルクトース-1,6-ジリン酸とフルク
トース-1,6-ジリン酸アルドラーゼ(EC 4.1.2.7,EC 4.
1.2.13)との酵素反応系。この系において、遊離、生成
するD-グリセロアルデヒド-3-リン酸を定量することに
より、フルクトース-1,6-ジリン酸の定量またはフルク
トース-1,6-ジリン酸アルドラーゼの活性測定をするこ
とができる。フルクトース-1,6-ジリン酸→ジヒドロキ
シアセトンリン酸+D-グリセロアルデヒド-3-リン酸
【0032】(2) ジヒドロキシアセトンリン酸とトリオ
ースリン酸イソメラーゼ(EC 5.3.1.1)との酵素反応
系。この系において、遊離、生成するD-グリセロアルデ
ヒド-3-リン酸を定量することにより、ジヒドロキシア
セトンリン酸の定量またはトリオースリン酸イソメラー
ゼの活性測定をすることができる。ジヒドロキシアセト
ンリン酸→D-グリセロアルデヒド-3-リン酸
【0033】(3) D-リボース-5-リン酸、D-キシルロー
ス-5-リン酸とトランスケトラーゼ(EC 2.2.1.1)との
酵素反応系。この系において、遊離、生成するD-グリセ
ロアルデヒド-3-リン酸を定量することにより、D-リボ
ース-5-リン酸またはD-キシルロース-5-リン酸の定量あ
るいはトランスケトラーゼの活性測定をすることができ
る。D-リボース-5-リン酸+D-キシルロース-5-リン酸→
セドヘプチュロース-7-リン酸+D-グリセロアルデヒド-
3-リン酸
【0034】(4) D-フルクトース-6-リン酸、D-エリス
ロース-4-リン酸とトランスアルドラーゼ(EC 2.2.1.
2)との酵素反応系。この系において、遊離、生成するD
-グリセロアルデヒド-3-リン酸を定量することにより、
D-フルクトース-6-リン酸またはD-エリスロース-4-リン
酸の定量あるいはトランスアルドラーゼの活性測定をす
ることができる。D-フルクトース-6-リン酸+D-エリス
ロース-4-リン酸→セドヘプチュロース-7-リン酸+D-グ
リセロアルデヒド-3-リン酸
【0035】(5) AMPと5′-ヌクレオチダーゼ(EC 3.1.
3.5)との酵素反応系。この系において、遊離、生成す
る無機リンを定量することにより、AMPの定量または5′
-ヌクレオチダーゼの活性測定をすることができる。AMP
+H2O →アデノシン+無機リン
【0036】(6) ヌクレオシドジリン酸とヌクレオシド
ジホスファターゼ(EC 3.6.1.6)との酵素反応系。この
系において、遊離、生成する無機リンを定量することに
より、ヌクレオシドジリン酸の定量またはヌクレオシド
ジホスファターゼの活性測定をすることができる。ヌク
レオシドジリン酸+H2O →ヌクレオシドリン酸+無機リ
【0037】(7) p-ニトロフェニルリン酸、β-グリセ
ロリン酸、フェニルリン酸、フェノールフタレインリン
酸、β-ナフチルリン酸、p-メチルフェニルリン酸、m-
メトキシフェニルリン酸、ピリドキサルリン酸、チモー
ルフタレインリン酸、NADPなどのリン酸モノエステルと
アルカリホスファターゼ(EC 3.1.3.1)との酵素反応
系。この系において遊離、生成する無機リンを定量する
ことによりリン酸モノエステルの定量またはアルカリホ
スファターゼの活性測定をすることができる。リン酸モ
ノエステル+H2O →アルコール+無機リン
【0038】(8) 3-ホスホグリセリン酸、ATPとホスホ
グリセリン酸キナーゼ(EC 2.7.2.3)との酵素反応系。
この系において遊離、生成する1,3-ジホスホグリセリン
酸を定量することにより、3-ホスホグリセリン酸または
ATPの定量あるいはホスホグリセリン酸キナーゼの活性
測定をすることができる。3-ホスホグリセリン酸+ATP
→1,3-ジホスホグリセリン酸+ADP
【0039】(9) (8)の酵素反応系における3-ホスホグ
リセリン酸が2,3-ジホスホグリセリン酸、2-ホスホグリ
セリン酸とホスホグリセロムターゼ(EC 2.7.5.3)の酵
素反応系由来である場合。この系において最終的に遊
離、生成する1,3-ジホスホグリセリン酸を定量すること
により、2,3-ジホスホグリセリン酸または2-ホスホグリ
セリン酸の定量あるいはホスホグリセロムターゼの活性
測定をすることができる。 2,3-ジホスホグリセリン酸
+2-ホスホグリセリン酸→3-ホスホグリセリン酸+2,3-
ジホスホグリセリン酸
【0040】(10) 上記(8)の酵素反応系における3-ホス
ホグリセリン酸が、2,3-ジホスホグリセリン酸とビスホ
スホグリセリン酸ホスファターゼ(EC 3.1.3.13 )の酵
素反応系由来である場合。この系において最終的に遊
離、生成する1,3-ジホスホグリセリン酸を定量すること
により、2,3-ジホスホグリセリン酸の定量またはビスホ
スホグリセリン酸ホスファターゼの活性測定をすること
ができる。2,3-ジホスホグリセリン酸+H2O →3-ホスホ
グリセリン酸+無機リン
【0041】(11) 上記(8)の酵素反応系における3-ホス
ホグリセリン酸が2-ホスホグリセリン酸とホスホグリセ
リン酸ホスホムターゼ(EC 5.4.2.1)の酵素反応系由来
である場合。この系において最終的に遊離、生成する1,
3-ジホスホグリセリン酸を定量することにより、2-ホス
ホグリセリン酸の定量またはホスホグリセリン酸ホスホ
ムターゼの活性測定をすることができる。2-ホスホグリ
セリン酸→3-ホスホグリセリン酸
【0042】本発明の定量用組成物においては、A1およ
びB1の濃度は0.02〜100mM、特に0.05〜20mMが好まし
く、被検成分として存在する成分以外のサイクリング反
応系を形成せしめるためのD-グリセロアルデヒド-3-リ
ン酸、または無機リンの濃度は0.2〜50mM、特に0.5〜20
mMが好ましく、D-グリセロアルデヒド-3-リン酸デヒド
ロゲナーゼの量は1〜1000u/ml、特に2〜400u/ml が好
ましいが、その量は被検体の種類等により適宜決定する
ことができ、これ以上の量を用いることもできる。
【0043】A1、B1および被検成分以外の酵素サイクリ
ング反応系を形成せしめる成分の量は被検体中のD-グリ
セロアルデヒド-3-リン酸、無機リンおよび1,3-ジホス
ホグリセリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種
の被検成分の合計量に比較して過剰量であること、かつ
D-グリセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼの
A 1、B1および被検成分以外の酵素サイクリング反応系を
形成せしめる成分それぞれに対するKm値と比較して過剰
量であることが必要であり、特に被検成分の20〜10000
倍モルが好ましい。
【0044】例えば被検成分が無機リンである場合、酵
素サイクリング反応を形成させるためのA1、B1および被
検成分として存在する成分以外のサイクリング反応系を
形成せしめる成分であるD-グリセロアルデヒド-3-リン
酸の量は被検体中の無機リンに比較して過剰量であるこ
と、かつD-グリセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナ
ーゼのA1、B1およびD-グリセロアルデヒド-3-リン酸そ
れぞれに対するKm値と比較して過剰量であることが必要
であり、特に無機リン量の20〜10000倍モルが好まし
い。
【0045】また被検成分がD-グリセロアルデヒド-3-
リン酸である場合、酵素サイクリング反応を形成させる
ためのA1、B1および被検成分として存在する成分以外の
サイクリング反応系を形成せしめる成分である無機リン
の量は被検体中のD-グリセロアルデヒド-3-リン酸と比
較して過剰量であること、かつD-グリセロアルデヒド-3
-リン酸デヒドロゲナーゼのA1、B1および無機リンそれ
ぞれに対するKm値と比較して過剰量であることが必要で
あり、特にD-グリセロアルデヒド-3-リン酸量の20〜100
00倍モルが好ましい。
【0046】また、本発明の定量法はD-グリセロアルデ
ヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼが単独で、または2種
以上の組合せによって(チオ)NAD類および(チオ)NAD
P類を共に補酵素とする場合において、2つの補酵素に
チオNAD類とNAD類もしくはNADP類との組合せ、またはチ
オNADP類とNAD類もしくはNADP類との組合せを選んだと
きには、被検体に(5)成分としてD-グリセロアルデヒド-
3-リン酸および無機リンに作用せず、B2→B1の反応を形
成する第二のデヒドロゲナーゼおよび該第二のデヒドロ
ゲナーゼの基質を作用せしめることにより、後記反応式
〔2〕のごとく、B1とB2の間にB1の再生のための反応系
を付与せしめることによりサイクリング反応を形成せし
め得る。すなわち、D-グリセロアルデヒド-3-リン酸、
無機リン、および1,3-ジホスホグリセリン酸から選ばれ
る少なくとも1種の被検成分を含有する被検体に、次の
成分(1)〜(5) (1) チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれ
る1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれる
1つとを補酵素とし、少なくともD-グリセロアルデヒド
-3-リン酸と無機リンとを基質として1,3-ジホスホグリ
セリン酸を生成する可逆反応をなすD-グリセロアルデヒ
ド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ (2) A1 (3) B1または/およびB2 (4) 必要に応じ被検成分として存在する成分以外のサイ
クリング反応系を形成せしめる成分 (5) D-グリセロアルデヒド-3-リン酸および無機リンに
作用せず、B2→B1の反応を形成する第二のデヒドロゲナ
ーゼおよび該第二のデヒドロゲナーゼの基質を含有する
試薬を作用せしめ、下記反応式〔2〕
【0047】
【化3】
【0048】(式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NAD
P類またはNAD類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、
B1はA1がチオNADP類またはチオNAD類のときは還元型NAD
P類または還元型NAD類を、またA1がNADP類またはNAD類
のときは還元型チオNADP類または還元型チオNAD類を示
し、B2はB1の酸化型生成物を示し、B2→B1はB2 を補酵
素としてB1を生成する酵素反応を示す)で表わされるサ
イクリング反応を形成せしめ得る。
【0049】この場合、第二のデヒドロゲナーゼに関し
ては、この測定系において実質的にA1に作用し得ない条
件を設定することが好ましく、例えばA1を本質的に補酵
素として利用しない酵素を選択する組合せ、A1とB2の量
的関係により第二のデヒドロゲナーゼが実質的にA1に作
用しない条件を選択する組合せ等が例示される。定量の
際には反応により生成したA2の量を測定する。
【0050】上記の成分(5)を用いる定量用組成物にお
いて、A1の濃度は0.02〜100mM、特に0.05〜20mMが好ま
しく、B2または/およびB1の濃度は0.05〜5000μM、特
に5〜500μMが好ましく、D-グリセロアルデヒド-3-リ
ン酸または無機リンの濃度は0.2〜50mM、特に0.5〜20mM
が好ましく、D-グリセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロ
ゲナーゼの濃度は1〜1000u/ml、特に2〜400u/mlが好
ましく、第二のデヒドロゲナーゼはB2に対するKm値(mM
単位)の20倍量(u/ml単位)以上になるように調製すれ
ばよく、例えば1〜100u/mlが好ましく、また第二のデ
ヒドロゲナーゼの基質は過剰量、例えば0.05〜20mMが好
ましい。これらの量は被検体の種類等により適宜決定す
ることができ、これ以上の量を用いることもできる。
【0051】すなわち、第二のデヒドロゲナーゼはB1
再生のために補助的に添加するものであり、これによっ
てB1の使用量を少なくすることが可能となり、特にB1
高価な場合は有効である。また、B1の代わりにB2あるい
はB1とB2の混合物を用いて反応を行ってもよい。この場
合、B1または/およびB2の使用量は特に限定されるもの
ではないが、一般的にはA1の1/10モル以下、好ましくは
1/100以下である。
【0052】第二のデヒドロゲナーゼおよびその基質と
しては、例えば、B2がNAD類またはチオNAD類のときは、
アルコールデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.1)とエタノー
ル、グリセロールデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.6)(E.Co
li由来)とグリセロール、L-グリセロール-3-リン酸デ
ヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.8)(ウサギ筋肉由来)とL-グ
リセロール-3-リン酸、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(EC
1.1.1.37)(ブタ心筋、ウシ心筋由来)とリンゴ酸、B2
がNADP類またはチオNADP類のときは、グルコース-6-リ
ン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.49)(酵母由来)とグ
ルコース-6-リン酸、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(EC
1.1.1.42)(酵母、ブタ心筋由来)とイソクエン酸、グ
リオキシル酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.2.1.17)(Pseudom
onas oxalaticus由来)とCoAとグリオキシル酸、ホスホ
グルコン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.44)(ラット
肝、ビール酵母、E.Coli由来)と6-ホスホ-D-グルコン
酸等が挙げられる。
【0053】さらにまた、本発明の定量法は、D-グリセ
ロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼが単独である
いは2種以上の組合せによって(チオ)NAD類および
(チオ)NADP類を共に補酵素とする場合において、2つ
の補酵素にチオNAD類とNAD類もしくはNADP類との組合
せ、またはチオNADP類とNAD類もしくはNADP類との組合
せを選んだときには、被検体に(6)成分としてD-グリセ
ロアルデヒド-3-リン酸および無機リンに作用せず、A2
→A1の反応を形成する第三のデヒドロゲナーゼおよび該
第三のデヒドロゲナーゼの基質を作用せしめる事によ
り、後記反応式〔3〕のごとく、A1とA2の間にA1の再生
の為の反応系を付与せしめることにより当該サイクリン
グ反応を形成し得る。
【0054】すなわち、D-グリセロアルデヒド-3-リン
酸、無機リン、および1,3-ジホスホグリセリン酸から選
ばれる少なくとも1種の被検成分を含有する被検体に、
次の成分(1)〜(4) および(6) (1) チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれ
る1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれる
1つとを補酵素とし、少なくともD-グリセロアルデヒド
-3-リン酸と無機リンとを基質として1,3-ジホスホグリ
セリン酸を生成する可逆反応をなすD-グリセロアルデヒ
ド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ (2) A1または/およびA2 (3) B1 (4) 必要に応じ被検成分として存在する成分以外のサイ
クリング反応系を形成せしめる成分 (6) D-グリセロアルデヒド-3-リン酸および無機リンに
作用せず、A2→A1の反応を形成する第三のデヒドロゲナ
ーゼおよび該第三のデヒドロゲナーゼの基質を含有する
試薬を作用せしめて下記反応式〔3〕
【0055】
【化4】
【0056】(式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NAD
P類またはNAD類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、
B1はA1がチオNADP類またはNADP類のときは還元型チオNA
D類または還元型NAD類を、またA1がチオNAD類またはNAD
類のときは還元型チオNADP類または還元型NADP類を示
し、B2はB1の酸化型生成物を示し、A2→A1はA2を補酵素
としてA1を生成する酵素反応を示す)
【0057】この場合、第三のデヒドロゲナーゼに関し
ては、この測定系において実質的にB1に作用し得ない条
件を設定することが好ましく、例えばB1を本質的に補酵
素として利用しない酵素を選択する組合せ、B1とA2の量
的関係により第三のデヒドロゲナーゼが実質的にB1に作
用しない条件を選択する組合せ等が例示される。定量の
際にはB1の消費量を測定する。
【0058】前記成分(6)を用いるD-グリセロアルデヒ
ド-3-リン酸、無機リンおよび1,3-ジホスホグリセリン
酸から選ばれた1種の被検成分の定量用組成物におい
て、B1の濃度は0.02〜100mM 、特に0.05〜20mMが好まし
く、A2または/およびA1の濃度は0.05〜5000μM、特に
5〜500μMが好ましく、D-グリセロアルデヒド-3-リン
酸または無機リンの濃度は0.2〜50mM、特に0.5〜20mMが
好ましく、D-グリセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲ
ナーゼの濃度は1〜1000u/ml、特に2〜400u/mlが好ま
しく、第三のデヒドロゲナーゼはA2に対するKm値(mM単
位)の20倍量(u/ml単位)以上になるように調製すれば
よく、例えば1〜100u/mlが好ましく、また第3のデヒ
ドロゲナーゼの基質は過剰量、例えば0.05〜20mMが好ま
しい。これらの量は被検体の種類等により適宜決定する
ことができ、これ以上の量を用いることもできる。
【0059】すなわち、第三デヒドロゲナーゼはA1の再
生のために補助的に添加するものであり、これによって
A1の使用量を少なくすることが可能となり、特にA1が高
価な場合には有効である。また、A1の代わりにA2あるい
はA1とA2の混合物を用いて反応を行ってもよい。この場
合、A1または/およびA2の使用量は特に限定されるもの
ではないが、一般的にはB1の1/10モル以下、好ましくは
1/100以下である。
【0060】第三のデヒドロゲナーゼおよびその基質と
しては、例えば、A1がNAD類またはチオNAD類のときは、
アルコールデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.1)とアセトア
ルデヒド、グリセロールデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.6)
(E.Coli 由来) とジヒドロキシアセトン、L-グリセロー
ル-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.8)(ウサギ筋
肉由来)とジヒドロキシアセトンリン酸、リンゴ酸デヒ
ドロゲナーゼ(EC 1.1.1.37)(ブタ心筋、ウシ心筋由
来)とオキザロ酢酸、A1がNADP類またはチオNADP類のと
きは、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.
1.49)(酵母由来)とグルコノラクトン-6-リン酸等が挙
げられる。
【0061】反応液組成については、使用するD-グリセ
ロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼの各種補酵素
間の相対活性等を考慮して2種の補酵素を適宜選択し、
その後正反応/逆反応の至適pH条件を酵素サイクリング
反応が効率よく進行するよう設定すればよい。これら使
用する酵素は単独でも、あるいは適宜2種以上組合せて
用いてもよい。
【0062】斯くして、調製された本発明の定量用組成
物によって被検体中のD-グリセロアルデヒド-3-リン
酸、無機リン、1,3-ジホスホグリセリン酸を測定するに
は、上記成分(1)〜(4)、(1)〜(5)、あるいは(1)〜(4)お
よび(6)を含有する組成物に被検体0.001〜0.5mlを加
え、約37℃の温度にて反応させ、反応開始一定時間後の
2点間の数分ないし数十分間、例えば3分後と4分後の
1分間、または3分後と8分後の5分間における生成さ
れたA2の量または消費されたB1の量を、それぞれの吸収
波長に基づく吸光度の変化によって測定すればよい。例
えば、A2がチオNADH、B1がNADHの場合、A2の生成を400n
m付近の吸光度の増加により測定するか、あるいはB1
消費を340nm付近の吸光度の減少により測定し、既知濃
度のD-グリセロアルデヒド-3-リン酸、無機リンまたは
1,3-ジホスホグリセリン酸を用いて測定したときの値と
比較すれば、被検体中のそれぞれの量をリアルタイムで
求めることができる。
【0063】また、本発明定量法は、被検体中にD-グリ
セロアルデヒド-3-リン酸、無機リンまたは1,3-ジホス
ホグリセリン酸そのものを酵素サイクリング反応に導く
ものであり、被検体液中の共存物質の影響を受けにくい
ため、被検体液のブランク測定を省略することができ、
レイトアッセイによる簡便な測定を成し得る。
【0064】尚、本発明においてはA2またはB1の測定に
当たり、吸光度測定の代わりに他の公知の測定法を使用
して定量を行うこともできる。
【0065】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。
【0066】実施例1 D-グリセロアルデヒド-3-リン
酸の定量 <試薬> 40 mM MES-NaOH緩衝液(pH6.5) 1 mM チオNAD(シグマ社製) 0.1 mM 還元型NAD(オリエンタル酵母社製) 10 mM リン酸二カリウム 10 mM EDTA 16 u/ml D-グリセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲ
ナーゼ(ベーリンガー マンハイム社製:ウサギ筋肉由
来) <操作> 上記試薬1m1をキュベットにとり、0、4、8、12、1
6、20μMのD-グリセロアルデヒド-3-リン酸溶液をそれ
ぞれ10μl 添加し、37℃にて反応を開始させた。反応開
始後2分目と4分目の400nmにおける吸光度を読み取り
その差を求めた。その結果を図1に示した。図1から明
らかなように、D-グリセロアルデヒド-3-リン酸量に対
する吸光度変化量は良好な直線性を示した。
【0067】実施例2 D-グリセロアルデヒド-3-リン
酸の定量 <試薬> 40 mM PIPES-NaOH緩衝液(pH7.5) 2 mM チオNAD(シグマ社製) 0.4 mM 還元型デアミノNAD(シグマ社製) 10 mM リン酸二カリウム 10 mM EDTA 16 u/ml D-グリセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲ
ナーゼ(ベーリンガー マンハイム社製:ウサギ筋肉由
来) <操作> 上記試薬1m1をキュベットにとり、0、5、10、15、2
0、25μMのD-グリセロアルデヒド-3-リン酸溶液をそれ
ぞれ20μ1添加し、37℃にて反応を開始させた。反応開
始後の2分目と4分目の400nmにおける吸光度を読み取
りその差を求めた。その結果を図2に示した。図2から
明らかなように、D-グリセロアルデヒド-3-リン酸量に
対する吸光度変化量は良好な直線性を示した。
【0068】実施例3 無機リンの定量 <試薬> 50 mM MES-NaOH緩衝液(pH6.5) 1 mM D-グリセロアルデヒド-3-リン酸 2 mM チオNAD(シグマ社製) 0.2 mM 還元型NAD(オリエンタル酵母社製) 10 mM EDTA 8 u/ml D-グリセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲ
ナーゼ(ベーリンガー マンハイム社製:ウサギ筋肉由
来) <操作> 上記試薬1m1をキュベットにとり、0、10、20、30、4
0、50μMのリン酸二カリウム溶液をそれぞれ20μ1添加
し、37℃にて反応を開始させた。反応開始後の3分目と
5分目の400nmにおける吸光度を読み取りその差を求め
た。濃度0を用いた時を試薬ブランクとして、それぞれ
その結果から試薬ブランクの値を差引き、その結果を図
3に示した。図3から明らかなように、リン酸二カリウ
ム量に対する吸光度変化量は良好な直線性を示した。
【0069】実施例4 3-ホスホグリセリン酸の定量 <試薬(1)> 50 mM PIPES-NaOH緩衝液(pH7.5) 1 mM ATP 1 mM 塩化マグネシウム 2.5 u/ml 3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(ベーリン
ガー マンハイム社製:酵母由来) <試薬(2)> 50 mM PIPES-NaOH緩衝液(pH7.5) 2 mM チオNAD(シグマ社製) 0.2 mM 還元型NAD(オリエンタル酵母社製) 20 mM EDTA 160 u/ml D-グリセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロ
ゲナーゼ(ベーリンガー マンハイム社製:ウサギ筋肉
由来) <操作> 試薬(1)0.5m1をキュベットにとり、0、0.2 、0.4 、0.
6 、0.8 、1μMの3-ホスホグリセリン酸をそれぞれ10
μ1添加し、37℃にて3分間反応を実施し、1,3-ジホス
ホグリセリン酸に変換させた。その後試薬(2)を0.5ml添
加し、37℃にて酵素サイクリング反応を開始させた。試
薬(2)添加後の3分目と7分目の400nmにおける吸光度を
読み取りその差を求めた。その結果を図4に示した。図
4から明らかなように、3-ホスホグリセリン酸量に対す
る吸光度変化量は良好な直線性を示した。
【0070】実施例5 D-グリセロアルデヒド-3-リン
酸の定量 <試薬> 40 mM トリス塩酸緩衝液(pH7.1) 4 mM チオNADP(シグマ社製) 0.1 mM 還元型NADP(オリエンタル酵母社製) 10 mM リン酸二カリウム 10 mM EDTA 8.5u/ml D-グリセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲ
ナーゼ(エンドウ豆葉由来) <操作> エンドウ豆の葉より〔Meth, Enzymol.vol.1,p411-415
(1955) 〕に準じてNADPに特異的なD-グリセロアルデヒ
ド-3-リン酸デヒドロゲナーゼを精製し、使用に供し
た。上記試薬1m1をキュベットにとり、0、20、40、6
0、80、100μMのD-グリセロアルデヒド-3-リン酸溶液を
それぞれ10μ1添加し、37℃にて反応を開始させた。反
応開始後の2分目と4分目の400nmにおける吸光度を読
み取りその差を求めた。その結果を図5に示した。図5
から明らかなように、D-グリセロアルデヒド-3-リン酸
量に対する吸光度変化量は良好な直線性を示した。
【0071】
【発明の効果】前述のごとく、本発明は還元型の吸収波
長の異なる補酵素を用いるため測定誤差を生じさせず、
また、酵素サイクリング反応を組合せることによって感
度を増大させることができるため、少量の検体で簡便か
つ精度よく被検体中のD-グリセロアルデヒド-3-リン
酸、無機リンまたは1,3-ジホスホグリセリン酸を高感度
に定量することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるD-グリセロアルデヒド-3-リ
ン酸量に対する400nmにおけるレイトアッセイの結果を
示す図面である。
【図2】実施例2における、D-グリセロアルデヒド-3-
リン酸量に対する400nmにおけるレイトアッセイの結果
を示す図面である。
【図3】実施例3におけるリン酸二カリウム量に対する
400nmにおけるレイトアッセイの結果を示す図面であ
る。
【図4】実施例4における3-ホスホグリセリン酸量に対
する400nmにおけるレイトアッセイの結果を示す図面で
ある。
【図5】実施例5における、D-グリセロアルデヒド-3-
リン酸量に対する400nmにおけるレイトアッセイの結果
を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/25 - 1/66 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 D-グリセロアルデヒド-3-リン酸、無機
    リン、および1,3-ジホスホグリセリン酸から選ばれる少
    なくとも1種の被検成分を含有する被検体に、次の成分
    (1)〜(4) (1) チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフ
    ェート類(以下チオNADP類という)およびチオニコチン
    アミドアデニンジヌクレオチド類(以下チオNAD類とい
    う)からなる群より選ばれる1つと、ニコチンアミドア
    デニンジヌクレオチドホスフェート類(以下NADP類とい
    う)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチド類
    (以下NAD類という)からなる群より選ばれる1つとを
    補酵素とし、少なくともD-グリセロアルデヒド-3-リン
    酸と無機リンとを基質として1,3-ジホスホグリセリン酸
    を生成する可逆反応をなすD-グリセロアルデヒド-3-リ
    ン酸デヒドロゲナーゼ (2) A1 (3) B1 (4) 必要に応じ被検成分として存在する成分以外のサイ
    クリング反応系を形成せしめる成分 を含有する試薬を作用せしめ、下記反応式〔1〕 【化1】 (式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD
    類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオ
    NADP類またはチオNAD類のときは還元型NADP類または還
    元型NAD類を、またA1がNADP類またはNAD類のときは還元
    型チオNADP類または還元型チオNAD類を示し、B2はB1
    酸化型生成物を示す)で表わされるサイクリング反応を
    形成せしめ、該反応によって変化するA2またはB1の量を
    測定することを特徴とするD-グリセロアルデヒド-3-リ
    ン酸、無機リン、または1,3-ジホスホグリセリン酸の定
    量法。
  2. 【請求項2】 NADP類が、ニコチンアミドアデニンジヌ
    クレオチドホスフェート(NADP)、アセチルピリジンア
    デニンジヌクレオチドホスフェート(アセチルNADP)、
    アセチルピリジンヒポキサンチンジヌクレオチドホスフ
    ェートおよびニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオ
    チドホスフェート(デアミノNADP)からなる群より選ば
    れるものである請求項1記載のD-グリセロアルデヒド-3
    -リン酸、無機リン、または1,3-ジホスホグリセリン酸
    の定量法。
  3. 【請求項3】 NAD類が、ニコチンアミドアデニンジヌ
    クレオチド(NAD)、アセチルピリジンアデニンジヌク
    レオチド(アセチルNAD)、アセチルピリジンヒポキサ
    ンチンジヌクレオチドおよびニコチンアミドヒポキサン
    チンジヌクレオチド(デアミノNAD)からなる群より選
    ばれるものである請求項1記載のD-グリセロアルデヒド
    -3-リン酸、無機リン、または1,3-ジホスホグリセリン
    酸の定量法。
  4. 【請求項4】 チオNADP類が、チオニコチンアミドアデ
    ニンジヌクレオチドホスフェート(チオNADP)およびチ
    オニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチドホスフ
    ェートからなる群より選ばれるものである請求項1記載
    のD-グリセロアルデヒド-3-リン酸、無機リン、または
    1,3-ジホスホグリセリン酸の定量法。
  5. 【請求項5】 チオNAD類が、チオニコチンアミドアデ
    ニンジヌクレオチド(チオNAD)およびチオニコチンア
    ミドヒポキサンチンジヌクレオチドからなる群より選ば
    れるものである請求項1記載のD-グリセロアルデヒド-3
    -リン酸、無機リン、または1,3-ジホスホグリセリン酸
    の定量法。
  6. 【請求項6】 下記成分(1)〜(4) (1) チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれ
    る1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれる
    1つとを補酵素とし、少なくともD-グリセロアルデヒド
    -3-リン酸と無機リンとを基質として1,3-ジホスホグリ
    セリン酸を生成する可逆反応をなすD-グリセロアルデヒ
    ド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ (2) A1 (3) B1 (4) 必要に応じ被検成分として存在する成分以外のサイ
    クリング反応系を形成せしめる成分 を含有することを特徴とするD-グリセロアルデヒド-3-
    リン酸、無機リン、または1,3-ジホスホグリセリン酸の
    定量用組成物。
JP3125902A 1991-05-29 1991-05-29 D−グリセロアルデヒド−3−リン酸、無機リン、または1,3−ジホスホグリセリン酸の高感度定量法および定量用組成物 Expired - Lifetime JP3034987B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3125902A JP3034987B2 (ja) 1991-05-29 1991-05-29 D−グリセロアルデヒド−3−リン酸、無機リン、または1,3−ジホスホグリセリン酸の高感度定量法および定量用組成物
PCT/JP1991/001789 WO1992021776A1 (en) 1991-05-29 1991-12-27 Highly sensitive determination of d-glyceraldehyde-3-phosphate, inorganic phosphorus or 1,3-diphosphoglyceric acid and composition therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3125902A JP3034987B2 (ja) 1991-05-29 1991-05-29 D−グリセロアルデヒド−3−リン酸、無機リン、または1,3−ジホスホグリセリン酸の高感度定量法および定量用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04349898A JPH04349898A (ja) 1992-12-04
JP3034987B2 true JP3034987B2 (ja) 2000-04-17

Family

ID=14921739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3125902A Expired - Lifetime JP3034987B2 (ja) 1991-05-29 1991-05-29 D−グリセロアルデヒド−3−リン酸、無機リン、または1,3−ジホスホグリセリン酸の高感度定量法および定量用組成物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP3034987B2 (ja)
WO (1) WO1992021776A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3672036B2 (ja) * 2002-03-19 2005-07-13 松下電器産業株式会社 無機リン酸、ピロリン酸及び核酸の検出方法並びにdnaのsnp配列をタイピングする方法
JP5458487B2 (ja) * 2007-11-22 2014-04-02 日東紡績株式会社 リン酸の測定方法
JP5327578B2 (ja) * 2008-02-06 2013-10-30 日東紡績株式会社 ホスファターゼの測定方法
US20120040387A1 (en) 2009-01-19 2012-02-16 Asahi Kasei Pharma Corporation Method and reagent for measuring mevalonic acid, 3-hydroxymethylglutaryl coenzyme a, and coenzyme a
JP6487711B2 (ja) * 2015-02-20 2019-03-20 旭化成ファーマ株式会社 プリンヌクレオシドホスホリラーゼを用いた、オルトリン酸、アルカリホスファターゼ、及びピロリン酸等の新規な測定方法、並びに組成物

Also Published As

Publication number Publication date
WO1992021776A1 (en) 1992-12-10
JPH04349898A (ja) 1992-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6309852B1 (en) Method and reagent for quantitative determination of 1,5-anhydroglucitol
JP3034969B2 (ja) アンモニア、α−アミノ酸類またはα−ケト酸の高感度定量法および高感度定量用組成物
JP3036708B2 (ja) D−グルコース−6−リン酸の高感度定量法および定量用組成物
JP3034987B2 (ja) D−グリセロアルデヒド−3−リン酸、無機リン、または1,3−ジホスホグリセリン酸の高感度定量法および定量用組成物
WO1993012254A1 (en) Highly sensitive determination of d-3-hydroxybutyric acid or acetoacetic acid and composition therefor
JP3036709B2 (ja) L−グリセロール−3−リン酸またはジヒドロキシアセトンリン酸の高感度定量法および定量用組成物
JP3034986B2 (ja) D−ソルビトール又はd−フルクトースの高感度定量法および定量用組成物
JP3750955B2 (ja) クレアチンキナーゼまたはそのmbアイソザイムの定量用乾式分析素子
JP3034984B2 (ja) D−ガラクトースの高感度定量法および定量用組成物
JP3034979B2 (ja) グリセロール、ジヒドロキシアセトンまたはd−グリセロアルデヒドの高感度定量法および高感度定量用組成物
JP5633669B2 (ja) Adpの測定方法およびadp測定用キット
JP3034988B2 (ja) イソクエン酸またはα−ケトグルタル酸の高感度定量法および定量用組成物
JP3750956B2 (ja) クレアチンキナーゼmbアイソザイムの定量用乾式分析素子
JP4067147B2 (ja) クレアチンホスホキナーゼ活性の測定方法及び試薬
JPH06269299A (ja) 物質の測定法
KR100715924B1 (ko) 1,5-안하이드로글루시톨의 정량 분석법 및 시약
JPS5816699A (ja) 体液クレアチンホスホキナ−ゼの改良測定法
Sahlin et al. Determination of metabolites by observing the change in reaction rate during the early course of a first order reaction, as applied to fructose-1-phosphate
JPH0698035B2 (ja) 体液中のカルシウム測定方法
JP2001231596A (ja) 検体の溶血による影響を回避する測定方法およびその方法に使用される測定試薬
JPH04341198A (ja) アルコール類またはアルデヒド類の高感度定量法および高感度定量用組成物
JPH0573400B2 (ja)
JPH0545240B2 (ja)
JPH10136997A (ja) 生体物質の定量方法
JPH099994A (ja) 無機リンの定量方法および定量用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120218

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120218

Year of fee payment: 12