JP3034979B2 - グリセロール、ジヒドロキシアセトンまたはd−グリセロアルデヒドの高感度定量法および高感度定量用組成物 - Google Patents

グリセロール、ジヒドロキシアセトンまたはd−グリセロアルデヒドの高感度定量法および高感度定量用組成物

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JP3034979B2 JP3110343A JP11034391A JP3034979B2 JP 3034979 B2 JP3034979 B2 JP 3034979B2 JP 3110343 A JP3110343 A JP 3110343A JP 11034391 A JP11034391 A JP 11034391A JP 3034979 B2 JP3034979 B2 JP 3034979B2
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    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/26Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving oxidoreductase
    • C12Q1/32Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving oxidoreductase involving dehydrogenase

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臨床検査、食品検査等
の分野において重要なグリセロール、ジヒドロキシアセ
トンまたはD−グリセロアルデヒド、あるいはこれらを
反応生成物とする物質の高感度定量法および定量用組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、グリセロールやグリセロールの
グリセロールデヒドロゲナーゼによる代謝産物であるジ
ヒドロキシアセトンやD-グリセロアルデヒドを測定す
ることは臨床検査や食品化学の上、極めて重要である。
【0003】従来、生体成分や食品成分に含まれるグリ
セロールの酵素学的測定法は、主に次の(1)グリセロー
ルキナーゼを用いる方法、(2)グリセロールデヒドロゲ
ナーゼを用いる方法、(3)グリセロールオキシダーゼを
用いる方法に大別される。
【0004】(1)の方法は、グリセロールキナーゼ
より、次の反応式で示される グリセロール + ATP → L−グリセロール−3−リン酸 + ADP なる反応を進行せしめ、グリセロールと化学量論的に同
量のL−グリセロール−3−リン酸またはADPを測定
するものである。この方法は測定法によって、更に以下
の(a)、(b)、(c)の3種類の方法に分けられ
る。
【0005】(a)上記反応により生成したADPを測定する
もので、ADPをピルビン酸キナーゼ、乳酸デヒドロゲナ
ーゼを用いた反応に付し、NADHの減少を340nmにおいて
分光学的に測定するものである。ホスホエノールピルビ
ン酸 + ADP → ピルビン酸 + ATPピルビン酸
+ NADH → 乳酸 + NAD
【0006】(b)上記反応により生成したL-グリセロー
ル-3-リン酸を測定するもので、L-グリセロール-3-
リン酸をL-グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ
を用いた反応に付し、NADHの増加を340nmにおいて分光
学的に測定するものである。尚、本方法においては、フ
ェナジンメトサルフェート(PMS)またはジアホラーゼ
とニトロブルーテトラゾリウムを共存させた比色法を用
いる方法も提唱されている。L-グリセロール-3-リン
酸 + NAD →ジヒドロキシアセトンリン酸 + NAD
H
【0007】(c)上記反応により生成したL-グリセロー
ル-3-リン酸を測定するもので、まずL-グリセロール-
3-リン酸をL-グリセロール-3-リン酸オキシダーゼを
用いた反応に付して過酸化水素を生じせめ、その後、色
原体の共存下にペルオキシダーゼを用いて色素を生じせ
しめて分光学的に測定するものである(特公平1-31880
号公報)。L-グリセロール-3-リン酸 + O2 →ジ
ヒドロキシアセトンリン酸 + H2O2H2O2 + 色原体
→ 色素 + H2O
【0008】(2)の方法は、グリセロールデヒドロゲナ
ーゼにより、次の反応式で示されるグリセロール +
NAD → ジヒドロキシアセトン + NADHなる反応を
進行せしめ、グリセロールと化学量論的に同量のNADHを
測定するものである(特開平1-117800号公報)。
【0009】(3)の方法は、グリセロールオキシダーゼ
により、次の反応式で示されるグリセロール + O2
→ グリセロアルデヒド + H2O2なる反応を進行せ
しめ、グリセロールと化学量論的に同量の過酸化水素を
(1)(c)と同様の方法で測定するものである(特開昭53-1
30488号公報)。
【0010】これらの、グリセロールの酵素学的測定法
は、臨床検査分野では、脂質代謝異常の診断に有用であ
る血清中トリグリセリドの測定の際に広く用いられてい
る。すなわち、トリグリセリドをリパーゼを用いてグリ
セロールと脂肪酸に加水分解し、生じたグリセロールを
上記いずれかの方法で測定するものである。また、グリ
セロールの定量は、その他にも様々な生体成分や食品成
分の分析にも利用され、例えば、食品分析用試薬として
(1)(a)の原理に基づく試薬がキットとして市販されてお
り、ワインやビール中などのグリセロールの測定に利用
されている。
【0011】また、ジヒドロキシアセトンの測定はグリ
コーゲン病の診断に有用であり、この場合ジヒドロキシ
アセトンを経口投与し、血清中の濃度が増加する場合に
はグリコーゲン病の疑いがある。この定量に際しては、
ATPの存在下グリセロールキナーゼ(EC 2.7.1.30)とグリ
セロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.8)を共
存させて、NADHの減少を測定することが行なわれている
(生化学辞典,P584,東京化学同人(1989))。
【0012】さらに、D-グリセロアルデヒドはD-フル
クトース代謝の中間体であり、この定量に際しては、ア
ルコールデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.1 & EC 1.1.1.2)
またはアルデヒドデヒドロゲナーゼ(EC 1.2.1.3 & EC
1.2.1.4)を用いたり、あるいはトリオキナーゼ(EC 2.7.
1.28)でグリセロアルデヒド-3-リン酸に導いたのち、
トリオースリン酸イソメラーゼ(EC 5.3.1.1.)、グリセ
ロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.8)を共存
させて測定することが行なわれている(生化学辞典,P3
62-363,東京化学同人(1989))。
【0013】一般的に、酵素を用いて分析する場合、上
記の各方法のように測定をしようとする対象物質を分光
学的に検出可能な過酸化水素や還元型NAD(P)等に変換す
る場合が多い。しかしながら、過酸化水素はペルオキシ
ダーゼと共役させて呈色反応に導かれるが、この反応は
アスコルビン酸やビリルビン等の還元物質やSH基含有物
質等により妨害を受けるという欠点がある。また、還元
型NAD(P)の検出は前述のように340nmの吸収で測定する
場合は還元型NAD(P)の蓄積によって反応の平衡が還元型
NAD(P)生成と逆方向にかたよるため、pH管理を厳密に行
わなくてはならないという問題を有している。更に、ジ
アホラーゼ、ニトロブルーテトラゾリウムを用いた呈色
反応を利用した測定法も、還元型NAD(P)蓄積による生成
物阻害は防ぐことはできるものの、ホルマザン色素は難
溶性であるため試験管やチューブへの色素の付着が起こ
りやすく、自動分析装置への応用は困難である。
【0014】また現在、この検出可能な物質を測定する
方法としては分光分析機を用いる方法が最も普及してい
るが、これも感度上に限界が有り、測定対象物の含量が
少ない場合は適さないという欠点があった。
【0015】そこで、測定対象物の含量が少ない場合
や、測定対象物を含む被検体が少量である場合などは、
分光分析よりも感度の優れた蛍光分析や発光分析等が用
いられている。しかしながら、これらの方法も臨床検査
等の汎用検査においては、機器の普及という点からはあ
まり適したものではなかった。
【0016】また、微量の物質を測定するその他の方法
としては、当該物質が等量の補酵素などに変換できる場
合は、2種類の酵素を用いて補酵素を増幅する、いわゆ
る酵素サイクリング法が行われている。例えば、NADサ
イクリング法、CoAサイクリング法、ATPサイクリング法
等が用いられているが、これらの方法はいずれも臨床検
査等のルーチン分析においては、操作が煩雑すぎるため
に用いられていないのが現状である。
【0017】従って、分光分析機器にも適応が可能なグ
リセロール、ジヒドロキシアセトンまたはD-グリセロ
アルデヒドの高感度測定法の開発が望まれている。
【0018】高感度測定法がもたらす利点としては、測
定対象物の含量が少ない場合はもとより、測定に必要な
検体量を減らすことができるため、例えば血清のように
種々の成分を含むものを被検体に用いる場合には、共存
物質によるその測定系に及ぼす影響を小さくすることが
できる。また、ある限られた被検体量で検査できる項目
数を増やすことも可能であり、更には検体が人血液であ
る場合などは、採血量を減らすことができるため、被採
血者への心理的な負担を軽減することもできる。このよ
うに、検出感度を高くすることは、臨床検査においては
血液という貴重な検体を用いることや微量成分を測定す
る必要性から考えて、必然の要求である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】前述のごとく、グリセ
ロール、ジヒドロキシアセトンまたはD−グリセロアル
デヒドの測定法は種々報告されているが、いずれも未だ
に満足のいくものではなく、正確で高感度な測定法が望
まれていた。
【0020】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、グ
リセロールを基質としてジヒドロキシアセトンまたはD
-グリセロアルデヒドを生成する酵素反応を実施するに
当り、酵素としてグリセロールデヒドロゲナーゼを使用
する反応系において、補酵素として、一方にチオニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチド類(以下チオNAD類と
いう)およびチオニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
ドホスフェート類(以下チオNADP類という)からなる群
より選ばれた1つを使用し、他方に、ニコチンアミドア
デニンジヌクレオチド類(以下NAD類という)およびニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート類
(以下NADP類という)からなる群より選ばれた1つを使
用するという、特定の2種類の補酵素を使用するサイク
リング反応を見出した。且つこの反応において、チオNA
D類およびチオNADP類の還元型の吸収波長は400nm付近で
あり、NAD類およびNADP類の還元型の吸収波長は340nm付
近であって異なる吸収波長域であることから、どちらか
一方の補酵素の変化量のみを、いずれか一方の吸収波長
における吸光度を測定することによって定量することに
より、吸光度の測定に際して他物質の吸収波長の混雑が
回避できる酵素サイクリング反応が実施でき、高感度な
グリセロール、ジヒドロキシアセトンまたはD-グリセ
ロアルデヒドの定量が可能であることを確認し、本発明
を完成するに至った。
【0021】すなわち、本発明はグリセロール、ジヒド
ロキシアセトンおよびD-グリセロアルデヒドからなる
群より選ばれた1種の被検成分を含有する被検体に、
(1) チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれ
る1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれる
1つとを補酵素とし、少なくともグリセロールを基質と
してジヒドロキシアセトンまたはD-グリセロアルデヒ
ドを生成する可逆反応をなすグリセロールデヒドロゲナ
ーゼ、(2) A1(3) B1を含有する試薬を作用せしめて、
次の反応式
【0022】
【化2】
【0023】(式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NA
DP類またはNAD類を示し、A2はA1の還元型生成物を示
し、B1はA1がチオNADP類またはチオNAD類のときは還
元型NADP類または還元型NAD類を、A1がNADP類またはNA
D類のときは還元型チオNADP類または還元型チオNAD類を
示し、B2はB1の酸化型生成物を示す)で表されるサイ
クリング反応を形成せしめ、該反応によって変化するA
2またはB1の量を測定することを特徴とするグリセロー
ル、ジヒドロキシアセトンおよびD-グリセロアルデヒ
ドからなる群より選ばれた1種の被検成分の高感度定量
法、並びに上記(1)、(2)および(3)を含有することを特
徴とするグリセロール、ジヒドロキシアセトンおよびD
-グリセロアルデヒドからなる群より選ばれた1種の被
検成分の高感度定量用組成物を提供するものである。
【0024】本発明において用いられる、グリセロール
デヒドロゲナーゼは、少なくともグリセロールを基質と
してジヒドロキシアセトンまたはD-グリセロアルデヒ
ドを生成する可逆反応を触媒するものであって、チオNA
DP類およびチオNAD類からなる群より選ばれた1つと、N
ADP類およびNAD類からなる群より選ばれた1つとを補酵
素とするものならいずれをも用いることができる。
【0025】本酵素は、動物組織、植物、バクテリア等
に広く存在する。酵素ハンドブック〔朝倉書店(198
3年)〕によれば、グリセロールデヒドロゲナーゼに
は、酵素番号の異なる3種類の酵素が存在する。そのう
ちEC1.1.1.6のものは、(チオ)NAD類に特
異的な酵素であり、グリセロールを基質としてジヒドロ
キシアセトンを生産物とする反応をつかさどり、その具
体例としては、大腸菌(E.Coli)、アエロバクタ
ー アエロゲネス(Aerobacter aerog
enes)、アセトバクター サボキシダンス(Ace
tobactersuboxydans)由来のもの
や、市販されているものとしてバチルスメガテリウム
(Bacillus megaterium)(東洋醸
造社製)、エンテロバクター アエロゲネス(Ente
robacter aerogenes)(ベーリンガ
ーマンハイム社製)、セルロモナス エスピー(Cel
lulomonas sp.)(東洋紡社製)由来のも
の等が挙げられる。また、バチルス ステアロサーモフ
ィラス(Bacillus stearothermo
philus)由来の耐熱性酵素も知られている(特公
平1−17674号公報)。
【0026】これらのうち、バチルス メガテリウム
(Bacillus megaterium) (東洋
醸造社製)由来の酵素の補酵素に対する相対活性は、N
AD類を用いたときを100%とすると、チオNAD類
で7.6%であり、(チオ)NADP類には作用しなか
った。また、セルロモナス エスピー(Cellulo
monas sp.)(東洋紡社製)由来の酵素の補酵
素に対する相対活性はNAD類を用いたときを100%
とすると、チオNAD類で6.4%であり、(チオ)N
ADP類には作用しなかった
【0027】また、BC1.1.1.72のものは、
(チオ)NADP類に特異的な酵素であり、グリセロー
ルを基質としてD−グリセロアルデヒドを生産物とする
反応をつかさどり、ウサギ骨格筋に見出されている。こ
の酵素はpH7では逆反応が支配的であり、NADもN
ADPの10%の活性を示す(Biochim.Bio
phys.Acta 258,40−55,197
2)。また、ニュウロスポラクラッサ(Neurosp
ora crassa)由来の酵素についての報告もな
されているが(Journal of General
Microbiology,107,289−29
6,1978)、この酵素は(チオ)NAD類は補酵素
としない。
【0028】更に、EC 1.1.1.156のものは、(チオ)NADP
類に特異的な酵素であり、グリセロールを基質としてジ
ヒドロキシアセトンを生産物とする反応をつかさどり、
緑藻ドゥナリエラ パルバ(Dunaliella parva)の細胞
に見出されている。
【0029】本発明においては、基質であるグリセロー
ルに対して反応性を有するものであれば、上述の酵素以
外の他の起源の酵素も使用することができ、その補酵素
に対する特異性は適宜、補酵素と基質とを用いて確認す
ることができるものである。
【0030】また、本発明において、A1およびB2の補
酵素はチオNADP類、チオNAD類、NADP類、NAD類を示す
が、このうちチオNADP類またはチオNAD類としては、例
えばチオニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフ
ェート(チオNADP)、チオニコチンアミドヒポキサンチ
ンジヌクレオチドホスフェート、チオニコチンアミドア
デニンジヌクレオチド(チオNAD)、チオニコチンアミ
ドヒポキサンチンジヌクレオチドが挙げられる。また、
NADP類またはNAD類としては、例えばニコチンアミドア
デニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)、アセチル
ピリジンアデニンジヌクレオチドホスフェート(アセチ
ルNADP)、アセチルピリジンヒポキサンチンジヌクレオ
チドホスフェート、ニコチンアミドヒポキサンチンジヌ
クレオチドホスフェート(デアミノNADP)、ニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、アセチルピリジ
ンアデニンジヌクレオチド(アセチルNAD)、アセチル
ピリジンヒポキサンチンジヌクレオチド、ニコチンアミ
ドヒポキサンチンジヌクレオチド(デアミノNAD)が挙
げられる。なおこれら補酵素の還元型は、各々チオNADP
H類、チオNADH類、NADPH類、NADH類として表示する。
【0031】本発明においてはA1およびB1において例
えばA1がチオNAD(P)類である場合、B1はNAD(P)H類で
あることが必要であり、A1がNAD(P)類である場合、B1
はチオNAD(P)H類であることが必要である。
【0032】また定量に用いるグリセロールデヒドロゲ
ナーゼが(チオ)NAD類のみを補酵素とする場合は、
上述のチオNAD類とNAD類より、また、用いるグリ
セロールデヒドロゲナーゼが(チオ)NADP類のみを
補酵素とする場合は、上述のチオNADP類およびNA
DP類より、更に用いるグリセロールデヒドロゲナーゼ
が(チオ)NAD類および(チオ)NADP類を共に補
酵素にする場合は上述のチオNAD類およびチオNAD
P類と上述のNAD類およびNADP類より適宜選択
し、それらの酸化型、還元型を適宜用いればよい。
【0033】本発明の高感度定量法を用いて測定を行う
場合には、酵素サイクリング反応が最も効率よく進行す
るように、使用するグリセロールデヒドロゲナーゼの各
補酵素間の相対活性を考慮して2種の補酵素の選択とそ
の使用する比率の設定を行い、更に反応pHを正反応/逆
反応の至適pH範囲にて設定するのが好ましい。
【0034】また、本発明の定量法によれば被検体中の
グリセロールの定量のみならず、グリセロールにグリセ
ロールデヒドロゲナーゼを反応させた場合の反応生成物
であるジヒドロキシアセトンまたはD-グリセロアルデ
ヒドの定量も可能である。
【0035】また、本発明の高感度定量法を用いれば、
グリセロール、ジヒドロキシアセトンまたはD-グリセ
ロアルデヒドを遊離、生成する酵素系における基質やそ
の酵素活性を測定することもできる。更に、本発明の高
感度定量法を用いれば、上記のようなグリセロール、ジ
ヒドロキシアセトンまたはD-グリセロアルデヒドを遊
離、生成する酵素系と連結し得る単一の、もしくは複数
の工程からなる酵素系における基質やその酵素活性をも
測定することができる。これらの酵素系は、特に限定さ
れるものではないが、例えば以下に示す種々の反応系が
挙げられる。
【0036】(1)ホスファチジルグリセロールとホス
フォリパーゼD(EC3.1.4.4)の酵素反応系。この系にお
いて、遊離、生成するグリセロールを定量することによ
り、ホスファチジルグリセロールの定量またはホスフォ
リパーゼDの活性測定をすることができる。ホスファチ
ジルグリセロール +H2O→ グリセロール + ホス
ファチジン酸
【0037】(2)モノ、ジまたはトリグリセライドと
リパーゼ(EC 3.1.1.3)の酵素反応系。この
系において、遊離、生成するグリセロールを定量するこ
とにより、モノ、ジまたはトリグリセライドの定量ある
いはリパーゼの活性測定をすることができる。 グリセライド + nHO → n脂肪酸 + グリセロール
【0038】(3)D-フルクトース-1-リン酸とフル
クトースジリン酸アルドラーゼ(EC4.1.2.13)の酵素反応
系。この系において、遊離、生成するD-グリセロアル
デヒドを定量することにより、D-フルクトース-1-リ
ン酸の定量またはフルクトースジリン酸アルドラーゼの
活性測定をすることができる。D-フルクトース-1-リ
ン酸→ ジヒドロキシアセトンリン酸 + D-グリセ
ロアルデヒド
【0039】(4)(3)のD-フルクトース-1-リン
酸がD-フルクトース、ATPとヘキソキナーゼ(EC 2.7.1.
3)の酵素反応系由来である場合。この場合、最終的に生
成するD-グリセロアルデヒドを定量することにより、
D-フルクトースの定量またはヘキソキナーゼの活性測
定をすることができる。D-フルクトース + ATP →
D-フルクトース-1-リン酸 + ADP
【0040】本発明における、A1およびB1の量は被検
体中のグリセロール、ジヒドロキシアセトンおよびD-
グリセロアルデヒドからなる群より選ばれた1種の被検
成分に比較して過剰量であること、かつグリセロールデ
ヒドロゲナーゼのA1およびB1それぞれに対するKm値
に比較して過剰量であることが必要であり、特に被検成
分の20〜10000倍モルが好ましい。
【0041】本発明の定量用組成物においては、A1
よびB1の濃度は0.02〜100mM、特に0.05〜20mMが好まし
く、グリセロールデヒドロゲナーゼの量は10〜1000u/m
l、特に25〜400u/mlが好ましいが、その量は被検体の種
類等により適宜決定することができ、これ以上の量を用
いることもできる。
【0042】また、本発明定量法はグリセロールデヒド
ロゲナーゼが単独でまたは2種以上の組み合わせによっ
て(チオ)NAD類および(チオ)NADP類を共に補酵素とする
場合において、2つの補酵素にチオNAD類とNAD類もしく
はNADP類との組合せ、またはチオNADP類とNAD類もしく
はNADP類との組合せを選んだときには、更に被検体に
(4)成分のグリセロールに作用せず、B2→B1の反応を
形成する第二のデヒドロゲナーゼおよび該第二のデヒド
ロゲナーゼの基質を作用せしめることにより、後記反応
式(化3)のごとく、B1とB2の間にB1の再生のため
の反応系を付与することにより当該サイクリング反応を
形成せしめ得る。
【0043】この場合、第二のデヒドロゲナーゼは、こ
の測定系において実質的にA1に作用しないものである
か、あるいは実質的にA1に作用し得ない条件を設定す
ることが好ましく、例えばA1を本質的に補酵素として
利用しない第二のデヒドロゲナーゼを選択する組合せ、
1とB2の量的関係により第二のデヒドロゲナーゼが実
質的にA1に作用しない条件を選択する組合せ等が例示
される。定量の際には反応により生成したA2の量を測
定する。
【0044】
【化3】
【0045】(式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NA
DP類またはNAD類を示し、A2はA1の還元型生成物を示
し、B1はA1がチオNADP類またはチオNAD類のときは還
元型NADP類または還元型NAD類を、A1がNADP類またはNA
D類のときは還元型チオNADP類または還元型チオNAD類を
示し、B2はB1の酸化型生成物を示し、B2→B1はB2
を補酵素としてB1を生成する酵素反応を示す)
【0046】上記の成分(4)を用いる定量用組成物にお
いて、A1の濃度は0.02〜100mM、特に0.05〜20mMが好ま
しく、B2または/およびB1の濃度は0.05〜5000μM、
特に5〜500μMが好ましく、グリセロールデヒドロゲナ
ーゼの濃度は5〜1000u/ml、特に25〜500u/mlが好まし
く、第二のデヒドロゲナーゼはB2に対するKm値(mM単
位)の20倍量(u/ml単位)以上になるように調製すれば
よく、例えば1〜100u/mlが好ましく、また第二のデヒ
ドロゲナーゼの基質は過剰量、例えば0.05〜20mMが好ま
しい。これらの量は被検体の種類等により適宜決定する
ことができ、これ以上の量を用いることもできる。
【0047】第二のデヒドロゲナーゼはB1の再生のた
めに補助的に添加するものであり、これによってB1
使用量を少なくすることが可能となり、特にB1が高価
な場合は有効である。また、B1の代わりにB2あるいは
1とB2の混合物を用いて反応を行ってもよい。この場
合、B1または/およびB2の使用量は特に限定されるも
のではないが、一般的にはA1の1/10モル以下が好ま
しい。
【0048】第二のデヒドロゲナーゼおよびその基質と
しては、例えば、BがNAD類またはチオNAD類の
ときは、アルコールデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.
1.1)とエタノール、 グリセロール−3−リン酸デ
ヒドロゲナーゼ(EC1.1.1.8)(ウサギ筋肉由
来)とL−グリセロールー3−リン酸、グリセロアルデ
ヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.1
2)(ウサギ骨格筋、肝、酵母、E.Coli由来)と
D−グリセロアルデヒドリン酸とリン酸、BがNAD
P類またはチオNADP類のときは、グルコース−6−
リン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.49)
(酵母由来)とグルコース−6−リン酸、イソクエン酸
デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.42)(酵母、
ブタ心筋由来)とイソクエン酸、 グリオキシル酸デヒ
ドロゲナーゼ(EC 1.2.1.17)(Pseud
omonas oxalaticus由来))とCoA
とグリオキシル酸、ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ
(EC 1.1.1.44)(ラット肝、ビール酵母、
E.Coli由来)と6−ホスホ−D−グルコン酸、グ
リセロアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.
2.1.13)(植物葉緑体由来)とD−グリセロアル
デヒド−3−リン酸とリン酸、ベンズアルデヒドデヒド
ロゲナーゼ(EC 1.2.1.7)(Pseudom
onas fluorescens由来)とベンズアル
デヒド等が挙げられる。
【0049】更にまた、本発明定量法はグリセロールデ
ヒドロゲナーゼが単独であるいは2種以上の組み合わせ
よって(チオ)NAD類および(チオ)NADP類を
共に補酵素とする場合において、2つの補酵素にチオN
AD類とNAD類もしくはNADP類との組合せ、また
はチオNADP類とNAD類もしくはNADP類との組
合せを選んだときには、更に被検体に(5)成分のグリ
セロールに作用せず、A→Aの反応を形成する第三
のデヒドロゲナーゼおよび該第三のデヒドロゲナーゼの
基質を作用せしめる事により、後記反応式(化4)のご
とく、AとAの間にAの再生の為の反応系を付与
することにより当該サイクリング反応を形成し得る。
【0050】この場合、第三のデヒドロゲナーゼは、こ
の測定系において実質的にB1に作用し得ないものであ
るか、あるいは実質的にB1に作用し得ない条件を設定
することが好ましく、例えばB1を本質的に補酵素とし
て利用しない酵素を選択する組合せ、B1とA2の量的関
係により第三のデヒドロゲナーゼが実質的にB1に作用
しない条件を選択する組合せ等が例示される。定量の際
にはB1の消費量を測定する。
【0051】
【化4】
【0052】(式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NA
DP類またはNAD類を示し、A2はA1の還元型生成物を示
し、B1はA1がチオNADP類またはチオNAD類のときは還
元型NADP類または還元型NAD類を、A1がNADP類またはNA
D類のときは還元型チオNADP類または還元型チオNAD類を
示し、B2はB1の酸化型生成物を示し、A2→A1はA2
を補酵素としてA1を生成する酵素反応を示す)
【0053】この成分(5)を用いる定量用組成物におい
て、B1の濃度は0.02〜100mM、特に0.05〜20mMが好まし
く、A2または/およびA1の濃度は0.05〜5000μM、特
に5〜500μMが好ましく、グリセロールデヒドロゲナー
ゼの濃度は10〜1000u/ml、特に25〜500u/mlが好まし
く、第三のデヒドロゲナーゼはA2に対するKm値(mM単
位)の20倍量(u/ml単位)以上になるように調製すれば
よく、例えば1〜100u/mlが好ましく、また第三のデヒ
ドロゲナーゼの基質は過剰量、例えば0.05〜20mMが好ま
しい。これらの量は被検体の種類等により適宜決定する
ことができ、これ以上の量をもちいることもできる。
【0054】第三のデヒドロゲナーゼはA1の再生の為
に補助的に添加するものであり、これによってA1の使
用量を少なくすることが可能となり、特にA1が高価な
場合には有効である。また、A1の代わりにA2あるいは
1とA2の混合物を用いて反応を行ってもよい。この場
合、A1または/およびA2の使用量は特に限定されるも
のではないが、一般的にはB1の1/10モル以下が好ま
しい。
【0055】第三のデヒドロゲナーゼおよびその基質と
しては、例えば、A1がNAD類またはチオNAD類のとき
は、アルコールデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.1)とアセト
アルデヒド、グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ
(EC.1.1.1.8)(ウサギ筋肉由来)とジヒドロキシアセト
ンリン酸、グリセロアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ
(EC 1.1.1.12)(ウサギ骨格筋、肝、酵母、E.Coli由
来)と1,3-ジホスホ-D-グリセリン酸、A1がNADP類ま
たはチオNADP類のときは、グルコース-6-リン酸デヒド
ロゲナーゼ(EC 1.1.1.49)(酵母由来)とグルコノラク
トン-6-リン酸、グリセロアルデヒドリン酸デヒドロゲ
ナーゼ(EC 1.2.1.13)(植物葉緑体由来)と1,3-ジホス
ホ-D-グリセリン酸等が挙げられる。
【0056】かくして、調製された本発明の定量用組成
物によって被検体中のグリセロール、ジヒドロキシアセ
トンまたはD-グリセロアルデヒドを測定するには、上
記成分(1)〜(3)、(1)〜(4)、あるいは(1)〜(3)および
(5)を含有する組成物に被検体0.001〜0.5mlを加え、約3
7℃の温度にて反応させ、反応開始一定時間後の2点間
の数分ないし数十分間、例えば2分後と5分後の3分
間、または2分後と7分後の5分間における生成された
2の量または消費されたB1の量を、それぞれの吸収波
長に基づく吸光度の変化によって測定すればよい。例え
ば、A2がチオNADH、B1がNADHの場合、A2の生成を400
nm付近の吸光度の増加により測定するか、あるいはB1
の消費を340nm付近の吸光度の減少により測定し、既知
濃度のグリセロール、ジヒドロキシアセトンまたはD-
グリセロアルデヒドを用いて測定したときの値と比較す
れば、被検液中のそれぞれの量をリアルタイムで求める
ことができる。
【0057】また、本発明定量法は、被検液中のグリセ
ロール、ジヒドロキシアセトンまたはD-グリセロアル
デヒドそのものを酵素サイクリング反応に導くものであ
り、被検液中の共存物質の影響を受けにくいため、被検
液のブランク測定を省略することができ、レイトアッセ
イによる簡便な測定を成し得る。
【0058】尚、本発明においてはA2またはB1の測定
に当たり、吸光度測定の代わりに他の公知の測定法を使
用して定量を行うこともできる。
【0059】
【発明の効果】上述のごとく、本発明は還元型の吸収波
長の異なる補酵素を用いるため測定誤差が生じず、ま
た、酵素サイクリング反応を組み合わせることによって
感度を増大させることができるため、少量の検体で迅速
かつ正確に被検体中のグリセロール、ジヒドロキシアセ
トンまたはD-グリセロアルデヒドを定量することがで
きる。
【0060】
【実施例】次いで本発明の実施例を挙げて具体的に述べ
るが、本発明はこれによって何等限定されるものではな
い。
【0061】実施例1 グリセロールの定量<試薬>40
mM グリシンNaOH緩衝液(pH10.0)2 mM チオNAD
(シグマ社製)0.2 mM 還元型NAD(オリエンタル酵
母工業(株)製)2 mM EDTA100 mM 塩化アンモニ
ウム168 u/ml グリセロールデヒドロゲナーゼ(東洋
紡社製:セルロモナス エスピー(Cellulomomonas s
p.)由来)<操作>上記試薬1mlをキュベットにとり、
0、20、40、60、80、100μMのグリセロール溶液をそれ
ぞれ20μl添加し、37℃にて反応を開始させた。反応開
始後2分目と5分目の400nmにおける吸光度を読み取り
その差を求めた。濃度0の値を試薬ブランクとし、20〜
100μMのそれぞれのグリセロールの値からこの値を引
き、その結果を図1に示した。図1から明らかなよう
に、グリセロール量に対する吸光度変化量は良好な直線
性を示した。
【0062】実施例2 グリセロールの定量〈試薬〉50
mM トリス塩酸緩衝液(pH8.5)2 mM チオNAD(シ
グマ社製)0.1 mM 還元型NAD(オリエンタル酵母工
業(株)製)200 mM 塩化カリウム168 u/ml グリセ
ロールデヒドロゲナーゼ(東洋醸造社製:バチルス メ
ガテリウム(Bacillus megaterium)由来)<操作>上
記試薬1mlをキュベットにとり、0、2、4、6、8、
10μMのグリセロール溶液をそれぞれ50μl添加し、37℃
にて反応を開始させた。反応開始後2分目と5分目の40
0nmにおける吸光度を読み取りその差を求めた。実施例
1と同様試薬ブランクとの差を求め、その結果を図2に
示した。図2から明らかなように、グリセロール量に対
する吸光度変化量は良好な直線性を示した。
【0063】実施例3 L−α−ホスファチジル−DL
−グリセロールの定量 〈試薬〉 50 mM トリス塩酸緩衝液(pH8.9) 1 mM 塩化カルシウム 2 mM チオNAD(シグマ社製) 0.1 mM 還元型NAD(オリエンタル酵母工業
(株)製) 200 mM 塩化カリウム 2u/ml ホスホリパーゼD(東洋醸造社製:ストレ
プトマイセス クロモフスカス(Streptomyc
es chromofuscus)由来) 120u/ml グリセロールデヒドロゲナーゼ(東洋
醸造社製:バチルスメガテリウム(Bacillus
megaterium)由来) <操作> 10mg/mlのL−α−ホスファチジル−DL−グリ
セロール溶液(クロロホルム:メタノール=98:2
(シグマ社))をエバポレーターにて蒸発乾固し、25
00倍容の0.5%トリトンX−100(シグマ社)溶
液を用いて溶解させた(4.0μg/ml)。このもの
を水で希釈し、0、8、16、24、32、40μg/
mlのL−α−ホスファチジル−DL−グリセロール溶
液を調製した。上記試薬1mlをキュベットにとり、
0、8、16、24、32、40μg/mlのL−α−
ホスファチジル−DL−グリセロール溶液をそれぞれ5
0μl添加し、37℃にて反応を開始させた。反応開始
後2分目と7分目の400nmにおける吸光度を読み取
りその差を求めた。実施例1と同様試薬ブランクとの差
を求め、その結果を図3に示した。図3から明らかなよ
うに、L−α−ホスファチジル−DL−グリセロール量
に対する吸光度変化量は良好な直線性を示した。
【0064】実施例4 ジヒドロキシアセトンの定量<
試薬>40 mM グリシンNaOH緩衝液(pH10.0)2 mM チ
オNAD(シグマ社製)0.2 mM 還元型NAD(オリエン
タル酵母工業(株)製)2 mM EDTA100 mM 塩化ア
ンモニウム168 u/ml グリセロールデヒドロゲナーゼ
(東洋紡社製:セルロモナス エスピー(Cellulomomon
as sp.)由来)<操作>上記試薬1mlをキュベットにと
り、0、20、40、60、80、100μMのジヒドロキシアセト
ン溶液をそれぞれ20μl添加し、37℃にて反応を開始さ
せた。反応開始後2分目と5分目の400nmにおける吸光
度を読み取りその差を求めた。実施例1と同様試薬ブラ
ンクとの差を求め、その結果を図4に示した。図4から
明らかなように、ジヒドロキシアセトン量に対する吸光
度変化量は良好な直線性を示した。
【0065】実施例5 グリセロールの定量〈試薬〉50
mM リン酸緩衝液(pH7.5)5 mM チオNADP(シグ
マ社製)0.1 mM 還元型NADP(オリエンタル酵母工
業(株)製)54 u/ml グリセロールデヒドロゲナーゼ
(ウサギ骨格筋由来)<操作>ウサギ骨格筋より、Bioc
him. Biophys. Acta, 258, 40-55(1972)に準じてNADPに
特異的なグリセロールデヒドロゲナーゼを精製し、使用
に供した。上記試薬1mlをキュベットにとり、0、20、
40、60、80、100μMのグリセロール溶液をそれぞれ40μ
l添加し、37℃にて反応を開始させた。反応開始後2分
目と7分目の400nmにおける吸光度を読み取りその差を
求めた。実施例1と同様試薬ブランクとの差を求め、そ
の結果を図5に示した。図5から明らかなように、グリ
セロール量に対する吸光度変化量は良好な直線性を示し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における、グリセロール量に対する40
0nmにおけるレイトアッセイの結果を示す図面である。
【図2】実施例2における、グリセロール量に対する40
0nmにおけるレイトアッセイの結果を示す図面である。
【図3】実施例3における、L-α-ホスファチジル-DL-
グリセロール量に対する400nmにおけるレイトアッセイ
の結果を示す図面である。
【図4】実施例4における、ジヒドロキシアセトン量に
対する400nmにおけるレイトアッセイの結果を示す図面
である。
【図5】実施例5における、グリセロール量に対する40
0nmにおけるレイトアッセイの結果を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/00 - 1/52 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリセロール、ジヒドロキシアセトンお
    よびD-グリセロアルデヒドからなる群より選ばれた1
    種の被検成分を含有する被検体に、(1) チオニコチンア
    ミドアデニンジヌクレオチドホスフェート類(以下チオ
    NADP類という)およびチオニコチンアミドアデニンジヌ
    クレオチド類(以下チオNAD類という)からなる群より
    選ばれる1つと、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
    ドホスフェート類(以下NADP類という)およびニコチン
    アミドアデニンジヌクレオチド類(以下NAD類という)
    からなる群より選ばれる1つとを補酵素とし、少なくと
    もグリセロールを基質としてジヒドロキシアセトンまた
    はD-グリセロアルデヒドを生成する可逆反応をなすグ
    リセロールデヒドロゲナーゼ、(2) A1(3) B1を含有す
    る試薬を作用せしめて、次の反応式 【化1】 (式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNA
    D類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1
    がチオNADP類またはチオNAD類のときは還元型NADP類ま
    たは還元型NAD類を、A1がNADP類またはNAD類のときは
    還元型チオNADP類または還元型チオNAD類を示し、B2
    1の酸化型生成物を示す)で表されるサイクリング反
    応を形成せしめ、該反応によって変化するA2またはB1
    の量を測定することを特徴とするグリセロール、ジヒド
    ロキシアセトンおよびD-グリセロアルデヒドからなる
    群より選ばれた1種の被検成分の高感度定量法。
  2. 【請求項2】 NADP類が、ニコチンアミドアデニンジヌ
    クレオチドホスフェート(NADP)、アセチルピリジンア
    デニンジヌクレオチドホスフェート(アセチルNADP)、
    アセチルピリジンヒポキサンチンジヌクレオチドホスフ
    ェートおよびニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオ
    チドホスフェート(デアミノNADP)からなる群より選ば
    れたものである請求項1記載の高感度定量法。
  3. 【請求項3】 NAD類が、ニコチンアミドアデニンジヌ
    クレオチド(NAD)、アセチルピリジンアデニンジヌク
    レオチド(アセチルNAD)、アセチルピリジンヒポキサ
    ンチンジヌクレオチドおよびニコチンアミドヒポキサン
    チンジヌクレオチド(デアミノNAD)からなる群より選
    ばれたものである請求項1記載の高感度定量法。
  4. 【請求項4】 チオNADP類が、チオニコチンアミドアデ
    ニンジヌクレオチドホスフェート(チオNADP)およびチ
    オニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチドホスフ
    ェートからなる群より選ばれたものである請求項1記載
    の高感度定量法。
  5. 【請求項5】 チオNAD類が、チオニコチンアミドアデ
    ニンジヌクレオチド(チオNAD)およびチオニコチンア
    ミドヒポキサンチンジヌクレオチドからなる群より選ば
    れたものである請求項1記載の高感度定量法。
  6. 【請求項6】 次の成分(1)〜(3)(1) NADP類およびチオ
    NAD類からなる群より選ばれる1つと、NADP類およびNAD
    類からなる群より選ばれる1つとを補酵素とし、少なく
    ともグリセロールを基質としてジヒドロキシアセトンま
    たはD-グリセロアルデヒドを生成する可逆反応をなす
    グリセロールデヒドロゲナーゼ、(2) A1(3) B1(A1
    はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD類を示し、
    1はA1がチオNADP類またはチオNAD類のときは還元型N
    ADP類または還元型NAD類を、A1がNADP類またはNAD類の
    ときは還元型チオNADP類または還元型チオNAD類を示
    す)を含有することを特徴とするグリセロール、ジヒド
    ロキシアセトンおよびD-グリセロアルデヒドからなる
    群より選ばれた1種の被検成分の高感度定量用組成物。
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