JPH0673477B2 - D―3―ヒドロキシ酪酸またはアセト酢酸の高感度定量法および定量用組成物 - Google Patents

D―3―ヒドロキシ酪酸またはアセト酢酸の高感度定量法および定量用組成物

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、臨床生化学検査、食品検査等におけるD−3
−ヒドロキシ酪酸またはアセト酢酸の酵素サイクリング
反応を用いた新規な高感度定量法および定量用組成物に
関する。
〔従来の技術〕
D−3−ヒドロキシ酪酸、アセト酪酸は、臨床検査分野
においてケトン体の各成分として測定され、代謝不全の
指標として重要である。ケトン体には、上記2つの他に
アセトンも含まれるが、アセトンは気化しやすく不安定
であり、又、血中D−3−ヒドロキシ酪酸、アセト酪酸
に比し低値であるため、臨床上は、D−3−ヒドロキシ
酪酸、アセト酪酸を測定すれば十分とされている。
従来の測定法としては、例えばアセト酢酸をジアゾニウ
ム塩と化学的に反応させてヒドラゾ化合物またはアゾ化
合物として吸光度を測定するジアゾニウム法、およびア
セト酢酸、アセトンを測定するためにアセト酢酸、アセ
トンにニトロプルシッド試薬を化学反応せしめ呈色体と
なすニトロプルシッド法等の化学法、およびケトン体を
アセトンに変換してガスクロマトグラフイーで検出する
ガスクロマトグラフイー法、および酵素法等がある。
ジアゾニウム法は感度が高いが、除蛋白が必要であり、
D−3−ヒドロキシ酪酸を測定するには予めD−3−ヒ
ドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼにより、D−3−ヒドロ
キシ酪酸をアセト酢酸に変換せしめてから求めた値(D
−3−ヒドロキシ酪酸をアセト酢酸の合計)からアセト
酢酸の値を差し引いて求めることになる。しかしなが
ら、一般に化学的測定法は特異性が低いので、他の夾雑
物の影響を受けやすく例えばジアゾニウム法において
は、オギザロ酢酸の影響を受け易いものであった(Clin
ica Chimica Acta,134,327−336(1983))。また、
ニトロプルシッド法は、ジアゾニウム法と同様にD−3
−ヒドロキシ酪酸を検出することができず、感度も低い
(検出感度500〜1000μM)(日本臨床47巻、1989年増
刊号、p.484)。
更にまた、ガスクロマトグラフイー法は、操作が煩雑
で、臨床検査等多検体を取り扱う分野には適さない。
又、酵素法は、D−3−ヒドロキシ酪酸デヒロゲナーゼ
(EC 1.1.1.30)を用いるものであり、アセト酢酸を測
定する場合には該酵素の逆反応、すなわちアセト酢酸と
還元型NADよりD−3−ヒドロキシ酪酸とNADとなす反応
において消費される還元型NADの減少量を、又、D−3
−ヒドロキシ酪酸を測定する場合には該酵素反応の正反
応、すなわちD−3−ヒドロキシ酪酸とNADよりアセト
酪酸と還元型NADとなす反応において増加する還元型NAD
の増加量をそれぞれ経時的に測定するウイリアムソン
(Williamson)法〔Method of Enzymatic Analysis,
Academic Press,New York,1836−1843(1974)〕およ
びの変法がある。またその他の酵素法として、D−3−
ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼの存在下、D−3−ヒ
ドロキシ酪酸を測定するため、D−3−ヒドロキシ酪酸
とNADよりアセト酢酸と還元型NADとを生成せしめ、生じ
た還元型NADの増加量に比例してテトラゾリム塩をホル
マザン色素として試験紙上で検出するペーパーストリッ
プテスト(Diabetes Care,7,481(1984))もある。
これらの酵素法においては、ケトン体として重要なD−
3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酢酸を片一方しか測定
できないばかりか、高感度測定もできない。また、アセ
ト酢酸を酵素的に測定するその他の方法として、アセト
アセチル−CoAシンセターゼ(EC 6.2.1.16)および3
−ケトアシル−CoAチオラーゼ(EC 2.3.1.16)を用い
てアセト酢酸をアセチル−CoAに転換し、次いでアリル
アミンアセチラーゼ(EC 2.3.1.5)の作用によりアニ
リンをアセチル化し、それに伴う405nmの吸光度の減少
から求める測定法も報告されている(Acta Biochim.Bi
ophys.Acad.Sci.Hung.7,143(1972))が、工程が複雑
であり、また高感度測定でもないことから、普及するに
至っていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述の如くD−3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酢酸の
酵素を用いた測定について種々の方法が試みられている
が、これらはいずれも高感度測定とは言えないばかり
か、臨床検査値として重要なケトン体の総量についての
直接の測定ができないものであった。
ケトン体の正常値は、血清または血しょうでアセト酢酸
は41±1.4(平均±SE,μmol/l)、D−3−ヒドロキシ
酪酸は34±2.1、また総ケトン体として74±2.4と少量で
あり(日本臨床47巻,1989年増刊号,p.482)、高感度の
測定方法が望まれている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の問題点につき鋭意検討した結果、
D−3−ヒドロキシ酪酸またはアセト酢酸の定量におい
てNADのアナログである還元型チオNADと還元型NADの極
大吸収波長がそれぞれ400nm付近、340nm付近と異なって
いることを利用し、チオNAD類およびネオNADP類からな
る群より選ばれた1つとNAD類およびNADP類からなる群
より選ばれた1つの補酵素に作用するD−3−ヒドロキ
シ酪酸デヒドロゲナーゼを用いることにより、吸光度の
測定に際し、他物質の吸収波長の混雑が回避できる酵素
的サイクリング反応が実施でき、高感度な測定が可能で
あることを確認し、本発明を完成する至った。
本発明は、上記のような知見に基いて完成されたもので
あって、D−3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酪酸から
なる群より選ばれた1つまたはそれ以上のケトン体を含
有する被検液に、 チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェ
ート類(以下、チオNADP類という)およびチオニコチン
アミドアデニンジヌクレオチド類(以下、チオNAD類と
いう)からなる群より選ばれた1つと、ニコチンアミド
アデニンジヌクレオチドホスフェート類(以下、NADP類
という)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
類(以下、NAD類という)からなる群より選ばれた1つ
とを補酵素とし、少なくともD−3−ヒドロキシ酪酸を
基質としてアセト酪酸を生成する可逆反応をなすD−3
−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、 A1、 B1、 を含有する試薬を作用せしめて、次の反応式 (式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD
類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオ
NADP類またはチオNAD類のときは還元型NADP類または還
元型NAD類を、A1がNADP類またはNAD類のときは還元型チ
オNADP類または還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化
型生成物を示す)で表されるサイクリング反応を形成せ
しめ、該反応によつて変化するA2またはB1の量を決定す
ることを特徴とするD−3−ヒドロキシ酪酸およびアセ
ト酢酸からなる群より選ばれた1つまたはそれ以上のケ
トン体の高感度定量法を提供するものである。
また、本発明はD−3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酪
酸からなる群より選ばれた1つまたはそれ以上のケトン
体を含有する被検液に、 チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれた
1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれた1
つとを補酵素とし、少なくともD−3−ヒドロキシ酪酸
を基質としてアセト酪酸を生成する可逆反応をなすD−
3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、 A1、 B1または/およびB2、 D−3−ヒドロキシ酪酸に作用せず、B2からB1への反
応を形成する第二のデヒドロゲナーゼおよび該第二のデ
ヒドロゲナーゼの基質、を含有する試薬を作用せしめ
て、次の反応式 (式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD
類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオ
NADP類またはチオNAD類のときは還元型NADP類または還
元型NAD類を、A1がNADP類またはNAD類のときは還元型チ
オNADP類または還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化
型生成物を示し、B2からB1への反応はB2を補酵素とて第
二のデヒドロゲナーゼにてB1を生成する酵素反応を示
す)で表されるサイクリング反応を形成せしめ、該反応
によつて変化するA2の量を決定することを特徴とするD
−3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酢酸からなる群より
選ばれた1つまたはそれ以上のケトン体の高感度定量法
を提供するものである。
更に本発明はD−3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酪酸
からなる群より選ばれた1つまたはそれ以上のケトン体
を含有する被験液に、 チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれた
1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれた1
つと補酵素とし、少なくともD−3−ヒドロキシ酪酸を
基質としてアセト酢酸を生成する可逆反応をなすD−3
−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、 A1または/およびA2、 B1、 D−3−ヒドロキシ酪酸に作用せず、A2からA1への反
応を形成する第三のデヒドロゲナーゼおよび該第三のデ
ヒドロゲナーゼの基質、を含有する試薬を作用せしめ
て、次の反応式 〔式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD
類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオ
NADP類またはチオNAD類のときは還元型NADP類または還
元型NAD類を、A1がNADP類またはNAD類のときは還元型チ
オNADP類または還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化
型生成物を示し、A2からA1への反応はA2を補酵素とて第
三のデヒドロゲナーゼにてA1を生成する酵素反応を示
す)で表されるサイクリング反応を形成せしめ、該反応
によって変化するB1の量を決定することを特徴とするD
−3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酢酸より選ばれた1
つまたはそれ以上のケトン体の高感度定量法を提供する
ものである。
更にまた本発明は、次の成分〜 チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれた
1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれた1
つとを補酵素とし、少なくともD−3−ヒドロキシ酪酸
を基質としてアセト酢酸を生成する可逆反応をなすD−
3−ヒドロキシ酪酸デヒロゲナーゼ、 A1、 B1、 (但し、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD
類を示し、B1はA1がチオNADP類またはチオNAD類のとき
は還元型NADP類または還元型NAD類を、A1がNADP類また
はNAD類のときは還元型チオNADP類または還元型チオNAD
類を示す)を含有することを特徴とするD−3−ヒドロ
キシ酪酸およびアセト酪酸からなる群より選ばれた1つ
またはそれ以上のケトン体の定量用組成物を提供するも
のである。
更に本発明は、次の成分〜 チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれた
1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれた1
つとを補酵素とし、少なくともD−3−ヒドロキシ酪酸
を基質としてアセト酢酸を生成する可逆反応をなすD−
3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、 A1、 B1または/およびB2、 D−3−ヒドロキシ酪酸に作用せず、B2からB1への反
応を形成する第二のデヒドロゲナーゼおよび該第二のデ
ヒドロゲナーゼの基質、(但し、A1はチオNADP類、チオ
NAD類、NADP類またはNAD類を示し、B1はA1がチオNADP類
またはチオNAD類のときは還元型NADP類または還元型NAD
類を、A1がNADP類またNAD類のときは還元型チオNADP類
または還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化型生成物
を示す)を含有することを特徴とするD−3−ヒドロキ
シ酪酸およびアセト酢酸からなる群より選ばれた1つま
たはそれ以上のケトン体の定量用組成物を提供するもの
である。
さらに本発明は、次の成分〜および チオNADP類およびチオNAD類のいずれか1つと、NADP
類およびNAD類からなる群より選ばれた1つとを補酵素
とし、少なくともD−3−ヒドロキシ酪酸を基質として
アセト酢酸を生成する可逆反応をなすD−3−ヒドロキ
シ酪酸デヒドロゲナーゼ、 A1または/およびA2、 B1、 D−3−ヒドロキシ酪酸に作用せず、A2からA1へ反応
を形成する第三のデヒドロゲナーゼおよび該第三のデヒ
ドロゲナーゼの基質、 (但し、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD
類を示し、B1はA1がチオNADP類またはチオNAD類のとき
は還元型NADP類または還元型NAD類を、A1がNADP類また
はNAD類のときは還元型チオNADP類または還元型チオNAD
類を示し、A2はA1の還元型生成物を示す)を含有するこ
とを特徴とするD−3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酢
酸からなる群より選ばれた1つまたはそれ以上のケトン
体の定量用組成物を提供するのである。
本発明において用いられる、D−3−ヒドロキシ酪酸デ
ヒドロゲナーゼとは、少なくともD−3−ヒドロキシ酪
酸+NAD(P)アセト酢酸+NAD(P)H+H+なる反応
を触媒するものであって、チオNADP類およびチオNAD類
からなる群より選ばれた1つと、NADP類およびNAD類か
らなる群より選ばれた1つを補酵素とするものなら特に
限定されない。
上記酵素の具体例としては、Paeudomon as sp.由来の
酵素(東洋紡社製)、ロドシュードモナス スフェロイ
デス(Rhodopseudomonas spheroides)由来の酵素、ロ
ドスピリルム ルブラム(Rhodospirillum rubrum)由
来の酵素、シュードモナス レモイゲネイ(Pseudomona
s lemoignei)由来の酵素、動物(ラット肝ミトコンド
リア)由来の酵素等があげられる(東洋紡社酵素カタロ
グ350・HBD;酵素ハンドブック第11〜12頁、朝倉書店198
2年;Biochem.J.,102,423−431(1967);J.Biol.Chem.23
7,603−607(1962);Methods in Enzymol.14,227−23
1(1969)。このうち、Pseudomonas sp.由来の酵素は
特に好ましく、NAD、NADP、チオNAD、チオNADPをいずれ
も補酵素とするものである。本酵素のNADPに体する特異
性はNADに比して4.74%(東洋紡社酵素カタログ、350・
HBD)であり、チオNADに対する特異性はNADに比して約1
0%程度、チオNADPに対する特異性はNADPに比して約10
%程度であった。他の起源の酵素については主にNAD類
とチオNAD類を補酵素とするものが多いが、適宜の系に
より使用可能である。
又、A1およびB2で示される補酵素はチオNADP類、チオNA
D類、NADP類、NAD類を示すが、チオNADP類またはチオNA
DP類としては、例えばチオニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチドホスフェート(チオNADP)、チオニコチンア
ミドヒポキサンチンジヌクレオチドホスフェート、およ
びチオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(チオNA
D)、チオニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチ
ドが挙げられ、又、NADP類またはNAD類としては、例え
ばニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート
(NADP)、アセチルピリジンアデニンジヌクレオチオド
ホスフェート(アセチルNADP)、アセチルピリジンヒポ
キサンチンジヌクレオチドホスフェート、ニコチンアミ
ドヒポキサンチンジヌクレオチドホスフェート(デアミ
ノNADP);及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
(NAD)、アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド
(アセチルNAD)、アセチルピリジンヒポキサンチンジ
ヌクレオチド、ニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレ
オチド(デアミノNAD)が挙げられる。
本発明のA1およびB1において例えばA1がチオNAD(P)
類である場合B1はNAD(P)H類であることが必要であ
り、B1がチオNAD(P)H類である場合A1はNAD(P)類
であることが必要であり、A1およびB1の関係において1
つのチオ型補酵素を使用するものである。
又、定量に用いるD−3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナ
ーゼがチオNAD類とNAD類を補酵素とする場合は、上述の
チオNAD類とNAD類より、また、用いるD−3−ヒドロキ
シ酪酸デヒドロゲナーゼがチオNAD(P)類およびNAD
(P)類を共に補酵素とする場合は、上述のチオNAD類
及びチオNADP類とNAD類及びNADP類より適宜選択して用
いればよい。
A1およびB1の量は、被検体中のD−3−ヒドロキシ酪酸
とアセト酢酸の合計量に比較して過剰量であること、か
つD−3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼのA1および
B1それぞれに対するKm値に比較して過剰量であることが
必要であり、特にD−3−ヒドロキシ酪酸とアセト酢酸
の合計量の20〜10,000倍モルが好ましい。
本発明のD−3−ヒドロキシ酪酸またはアセト酢酸定量
用組成物においては、A1およびB1の濃度は0.02〜100m
M、特に0.05〜20mMが好ましく、D−3−ヒドロキシ酪
酸デヒドロゲナーゼの量は5〜1000u/ml、特に20〜400u
/mlが好ましいが、その量は被検体の種類等により適宜
決定することができ、これ以上の量を用いることもでき
る。
また、本発明定量法は、D−3−ヒドロキシ酪酸デヒド
ロゲナーゼが(チオ)NAD類及び(チオ)NADP類を共に
補酵素とする場合において、2つの補酵素にチオNAD類
とNAD類もしくはNADP類との組み合わせ、又はチオNADP
類とNAD類もしくはNADP類との組み合わせを選んだとき
には、更に被検体に成分のD−3−ヒドロキシ酪酸に
作用せず、B2→B1の反応を形成する第二のデヒドロゲナ
ーゼ及び該第二のデヒドロゲナーゼの基質を作用せしめ
ることにより、後記反応式(II)のごとく、B1とB2の間
にB1の再生のための反応系を付与せしめることにより当
該サイクリング反応を形成せしめ得る。この場合、第二
のデヒドロゲナーゼに関しては、この測定系において実
質的にA1に作用し得ない条件を設定することが好まし
く、例えばA1を本質的に補酵素として利用しない酵素を
選択する組み合わせ、A1とB2の量的関係により第二のデ
ヒロゲナーゼが実質的にA1に作用しない条件を選択する
組み合わせ等が例示される。定量の際には反応により生
成したA2の量を測定する。
(式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD
類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオ
NADP類またはNADP類のときは還元型チオNADP類または還
元型NAD類を、A1がチオNAD類またはNAD類のときは還元
型チオNADP類または還元型NADP類を示し、B2はB1の酸化
型生成物を示し、B2→B1はB2を補酵素としてB1を生成す
る酵素反応を示す) すなわち、第二のデヒドロゲナーゼはB1の再生のために
補助的に添加するものであり、これによってB1の使用量
を少なくすることが可能となり、特にB1が高価な場合は
有効である。又、B1の代わりにB2あるいはB1とB2の混合
物を用いて反応を行ってもよい。この場合、B1または/
及びB2の使用量は特に限定されるものではないが、一般
的にはA1の1/10モル以下が好ましい。
上記の成分を用いるD−3−ヒドロキシ酪酸およびア
セト酢酸からなる群より選ばれた一つまたはそれ以上の
ケトン体の定量用組成物において、A1の濃度は0.02〜10
0mM、特に0.05〜20mMが好ましく、B2または/及びB1
濃度は0.05〜5000μM、特に5〜500μMが好ましく、
D−3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼの濃度は5〜
1000μ/ml、特に20〜400u/mlが好ましく、第二のデヒド
ロゲナーゼはB2に対するKm値(mM単位)の20倍量(u/ml
単位)以上になるように調製すればよく、例えば1〜10
0u/mlが好ましく、また第二のデヒドロゲナーゼの基質
は過剰量、例えば0.05〜20mMが好ましい。これらの量は
被検体の種類等により適宜決定することができ、これ以
上の量を用いることもできる。
第二のデヒドロゲナーゼ及びその基質としては、例えば
B2がNAD類またはチオNAD類のときは、アルコールデヒド
ロゲナーゼ(EC 1.1.1.1)とエタノール、グリセロー
ルデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.6)(E.Coli由来)と
グリセロール、グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナ
ーゼ(EC 1.1.1.8)(ウサギ筋肉由来)とL−グリセ
ロール−3−リン酸、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(EC
1.1.1.37)(ブタ心筋、ウシ心筋由来)とL−リンゴ
酸、グリセロアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(EC
1.1.1.12)(ウサギ骨格筋、肝、酵母、E. Coli由来)
とD−グリセロアルデヒドリン酸とリン酸、B2がNADP類
またはチオNADP類のときは、グルコース−6−リン酸デ
ヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.49)(酵母由来)とグルコ
ース−6−リン酸、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(EC
1.1.1.42)(酵母、ブタ心筋由来)とイソクエン酸、グ
リオシキシル酸デヒドロゲナーゼ(EC1.2.1.17)(Pseu
domonas oxalaticus由来)とCoAとグリオキシル酸、ホ
スホグルコン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.44)(ラ
ット肝、ビール酵母、EColi由来)と6−ホスホ−D−
グルコン酸、グリセロアルデヒドリンさデヒドロゲナー
ゼ(EC 1.2.1.13)(植物葉緑体由来)とD−グリセロ
アルデヒド−3−リン酸とリン酸、ベンズアルデヒドデ
ヒドロゲナーゼ(EC 1.2.1.7)(Pseudomonas fluore
scens由来)とベンズアルデヒド等が挙げられる。
更にまた、本発明定量法はD−3−ヒドロキシ酪酸デヒ
ドロゲナーゼが(チオ)NAD類及び(チオ)NADP類を共
に補酵素とする場合において、2つの補酵素にチオNAD
類とNAD類もしくはNADP類との組み合わせ、又はチオNAD
P類とNAD類もしくはNADP類との組み合わせを選んだとき
には、更に被検体に成分のD−3−ヒドロキシ酪酸に
作用せず、A2→A1の反応を形成する第三のデヒドロゲナ
ーゼ及び該第三のデヒドロゲナーゼの基質を作用せしめ
ることにより、後記反応式〔III〕のごとく、A1とA2
間にA1の再生の為の反応系を付与せしめることにより当
該サイクリング反応を形成し得る。この場合、第三のデ
ヒドロゲナーゼに関しては、この測定系において実質的
にB1に作用し得ない条件を設定することが好ましく、例
えばB1を本質的に補酵素として利用しない酵素を選択す
る組み合わせ、B1とA2の量的関係により第三のデヒドロ
ゲナーゼが実質的にB1に作用しない条件を選択する組み
合わせ等が例示される。定量の際にはB1の消費量を測定
する。
(式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD
類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオ
NADP類またはNADP類のときは還元型チオNAD類または還
元型NAD類を、A1がチオNAD類またはNAD類のときは還元
型チオNADP類または還元型NADP類を示し、B2はB1の酸化
型生成物を示し、A2→A1はA2を補酵素としてA1を生成す
る酵素反応を示す) すなわち、第三のデヒドロゲナーゼはA1の再生の為に補
助的に添加するものであり、これによってA1の使用量を
少なくすることが可能となり、特にA1が高価な場合には
有効である。又、A1の代わりにA2あるいはA1とA2の混合
物を用いて反応を行ってもよい。この場合、A1または/
及びA2の使用量は特に限定されるものではないが、一般
的にはB1の1/10モル以下が好ましい。
この成分を用いるD−3−ヒドロキシ酪酸およびアケ
ト酢酸からなる群より選ばれた一つまたはそれ以上のケ
トン体の定量用組成物において、B1の濃度は0.02〜100m
M、特に0.05〜200mMが好ましく、A2または及び/A1の濃
度は0.05〜5000μM、特に5〜500μMが好ましく、D
−3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼの濃度は5〜10
00u/ml、特に20〜400u/mlが好ましく、第三のデヒドロ
ゲナーゼはA2に対するKm値(mM単位)の20倍量(u/ml単
位)以上になるように調製すればよく、例えば1〜100u
/mlが好ましく、また第三のデヒドロゲナーゼの基質は
過剰量、例えば0.05〜20mMが好ましい。これらの量は被
検体の種類等により適宜決定することができ、これ以上
の量を用いることもできる。
第3三のデヒドロゲナーゼ及びその基質としては、例え
ばA1がNAD類またはチオNAD類のときは、アルコールデヒ
ドロゲナーゼ(EC 1.1.1.1)とアセトアルデヒド、グ
リセロールデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.6)(E.Coli
由来)とジヒドロキシアセトン、グリセロール−3−リ
ン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.8)(ウサギ筋肉由
来)とジヒドロキシアセトンリン酸、リンゴ酸デヒドロ
ゲーゼ(EC 1.1.1.37)(ブタ心筋由来、ウシ心筋由
来)とオキザロ酢酸、グリセロアルデヒドリン酸デヒド
ロゲナーゼ(EC 1.1.1.12)(ウサギ骨格筋、肝、酵
母、E. Coli由来)と1,3−ジホスホ−D−グリセリン
酸、A1がNADP類またはチオNADP類のときはグルコース−
6−リン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.49)(酵母由
来)とグルコノラクトン−6−リン酸、グリセロアルデ
ヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.2.1.13)(植物葉
緑体由来)と1,3−ジホスホ−D−グリセリン酸等が挙
げられる。
反応液組成については、使用するD−3−ヒドロキシ酪
酸デヒドロゲナーゼの各種補酵素間の相対活性等を考慮
して2種の補酵素を適宜選択し、その後正反応/逆反応
の至適pH条件を酵素サイクリング反応が効率よく進行す
るように設定すればよい。これらの使用する酵素は単独
でも、あるいは適宜2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
かくして、調製された本発明のD−3−ヒドロキシ酪酸
またはアセト酢酸定量用組成物によって被検体のD−3
−ヒドロキシ酪酸またはアセト酢酸を測定するには、前
記の成分〜、〜、あるいは〜及びを含有
する組成物に被検液、例えば血清、血漿、尿等の0.001
〜1mlを加え、約37℃の温度にて反応させ、反応開始一
定時間後の2点間の数分ないし数十分間、例えば3分後
と4分後の1分間、または3分後と8分後の5分間にお
ける生成されたA2の量または消費されたB1の量を、それ
ぞれ吸収波長に基く吸光度の変化によって測定すればよ
い。例えばA2がチオNADH、B1がNADHの場合、A2の生成を
400nmの吸光度の増加により測定するか、あるいはB1
消費を340nmの吸光度の減少により測定し、既知濃度の
D−3−ヒドロキシ酪酸またはアセト酢酸を用いて測定
したときの値と比較すれば、被検液中のD−3−ヒドロ
キシ酪酸またはアセト酢酸量をリアルタイムで求めるこ
とができる。
特に被検体が血清あるいは血漿の場合にはD−3−ヒド
ロキシ酪酸とアセト酢酸の合計値、すなわち、ひとつの
操作で総ケトン体が測定できるわけで、このような方法
は従来知られていない。これは総ケトン体の個々の成
分、D−3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酢酸がD−3
−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼの基質であるという
ことと、これら2成分を直接酵素サイクリング反応に導
いているという本発明の特徴による。更に、総ケトン体
だけでなく個々の成分の値を測定したい場合には、被検
体をあらかじめどちらかの成分のみに作用する酵素によ
って前処理したのち、酵素サイクリング反応に導けばよ
い。例えば、アセト酢酸デカルボキシラーゼ(EC 4.1.
1.4)により前処理を行えばアセト酪酸はアセトンと炭
酸ガスに転換されるので、引続き本発明による酵素サイ
クリング反応を実施することによりD−3−ヒドロキシ
酪酸のみを定量することもできる。また、総ケトン体の
量から前記D−3−ヒドロキシ酪酸の量を差し引くこと
により、アセト酢酸のみの定量値を算出することもでき
る。
また、本発明の定量法は、被検液中のD−3−ヒドロキ
シ酪酸またはアセト酪酸そのものを酵素サイクリング反
応に導くものであり、被検液中の共存物質の影響を受け
にくいため、被検液のブランク測定を省略することがで
き、レイトアッセイによる簡便な測定を成し得る。
尚、本発明においてはA2またはB1の測定に当たり、吸光
度測定の代わりに他の公知の測定法を使用して定量を行
うこともできる。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明は還元型の吸収波長の異なる補酵
素を用いるため測定誤差が生じず、また、酵素サイクリ
ング反応を組み合わせることによって感度を増大させる
ことができるため、少量の検体で迅速かつ正確に被検体
中のD−3−ヒドロキシ酪酸またはアセト酢酸を定量す
ることができる。
〔実施例〕
次いで、本発明の実施例を挙げて具体的に述べるが、本
発明はこれによって何ら限定されるものではない。
実施例 1 <反応液> 100mM Tris−HCl(pH8.5) 0.1mM 還元型NAD(オリエンタル酵母社製) 4mM チオNAD(シグマ社製) 45u/ml D−3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(東
洋紡社製、シュウドモナス エスピー由来) <操作> 上記試薬1mlをキュベットにとり、予め37℃にて加温し
た。0、10、20、30、40、50μMのD−3−ヒドロキシ
酪酸溶液をそれぞれ20μl添加し、37℃にて反応を開始
させた。反応開始後2分目と5分目の400nmにおける吸
光度を読み取りその差を求めた。その結果は第1図に示
した。第1図から明らかなように、D−3−ヒドロキシ
酪酸量に対する吸光度変化量は良好な直線を示した。
実施例 2 実施例1と同様の反応液を用い、D−3−ヒドロキシ酪
酸溶液をアセト酢酸溶液に代えて、実施例1と同様の操
作を行った。その結果は第2図に示した。第2図から明
らかなように、実施例1と同様、良好な直線性を得た。
実施例 3 <反応液> 100mM Tris−HCl(pH8.5) 0.1mM 還元型NAD(オリエンタル酵母社製) 5mM チオNAD(シグマ社製) 60u/ml D−3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(東
洋紡社製、シュードモナス エスピー由来) 0.2% トリトン X−100(シグマ社製) <操作> 上記反応液1mlをキュベットにとり、あらかじめ37℃に
て加熱した。次いで正常人血清4種類につき、各々反応
液中に200μlを添加し、37℃にて反応を開始させた。
反応開始後の2分目と5分目の400nmにおける吸光度を
読み取りその差を求めた。別に、標準液として50μMD−
3−ヒドロキシ酪酸溶液を、また試薬ブランクとしてサ
ンプルの代わりに蒸留水を加えたものそれぞれについて
同様の測定を行った。血清中のD−3−ヒドロキシ酪酸
とアセト酢酸の合計量を標準液の値より換算して下記第
1表に示す結果を得た。
実施例 4 <反応液I> 10mM リン酸緩衝液(pH6.0) 0.2% トリトン X−100(シグマ社製) 10u/ml アセト酢酸デカルボキシラーゼ(バチルス ポ
リミクサ(Bacillus polymyxa)和光純薬社製) <反応液II> 200mM Tris−HCl(pH9.0) 0.2mM 還元型NAD(オリエンタル酵母社製) 10mM チオNAD(シグマ社製) 120u/ml D−3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ
(東洋紡社製、シュドモナス エスピー由来) <操作> 上記反応液Iを0.45mlキュベットにとり、あらかじめ37
℃にて加温した。次いで実施例3に用いた正常人血清4
種類をそれぞれについて、血清20μlを添加し、37℃5
分間反応させ、内在性のアセト酢酸を消去する。その
後、0.2Nの塩酸を0.05mlを加えてアセト酪酸デカルボキ
シラーゼを失活させたのち、反応液IIを0.5ml加え、酵
素サイクリング反応を37℃にて実施した。反応液II添加
後の2分目と5分目の400nmにおける吸光度を読み取り
その差を求めた。別に、標準液として50μMD−3−ヒド
ロキシ酪酸溶液を、また試薬ブランクとしてサンプルの
代わりに蒸留水を加えたものそれぞれについて同様の測
定を行い、それぞれの血清につきD−3−ヒドロキシ酪
酸濃度を算出した。実施例3の結果と併せてアセト酢酸
濃度についても計算し、下記第2表に示す結果を得た。
実施例 5 <反応液> 40mM Na2CO3−NaHCO3緩衝液(pH10.0) 20mM NADP(オリエンタル酵母社製) 50μM チオNAD(シグマ社製) 0.4M エタノール 30u/mlアルコールデヒドロゲナーゼ(オリエンタル酵母
社製) 350u/mlD−3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(東洋
紡社製、シュードモナス エスピー由来) <操作> 上記1mlをキュベットにとり、0、20、40、60、80、100
μMのアセト酢酸溶液をそれぞれ50μl添加し、37℃に
て反応を開始させた。反応開始後3分目と8分目の340n
mにおける吸光度を読み取りその差を求めた。濃度0の
値を試薬ブランクとし、20〜100μMのそれぞれのアセ
ト酢酸の値からこの値を引き、その結果を第3図に示し
た。
実施例 6 <反応液> 50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0) 0.25mM 還元型NADP(オリエンタル酵母社製) 50μM チオNAD(シグマ社製) 5mM ジヒドロキシアセトリン酸 10u/ml グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ
(ベーリンガー社製;ウサギ筋肉由来) 350u/ml D−3−ヒドロキシ酪酸デヒロゲナーゼ(東
洋紡社製、シュードモナス エスピー由来) <操作> 上記試薬1mlをキュベットにとり、0、50、100、150、2
00、250μMのD−3−ヒドロキシ酪酸溶液をそれぞれ5
0μl添加し、37℃にて反応を開始させた。反応開始後
3分目と8分目の340nmにおける吸光度を読み取りその
差を求めた。実施例5と同様試薬ブランクとの差を求
め、その結果を第4図に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図はD−3−ヒドロキシ酪酸量に対する吸光度変化
量を示す曲線、第2図はアセト酢酸溶液量に対する吸光
度変化量を示す曲線、第3図はアセト酢酸に対する340n
mにおける吸光度差を示す曲線、第4図はD−3−ヒド
ロキシ酪酸に対する340nmにおける吸光度差を示す曲線
である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】D−3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酪酸
    からなる群より選ばれた1つまたはそれ以上のケトン体
    を含有する被検液に、 チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフエ
    ート類(以下、チオNADP類という)およびチオニコチン
    アミドアデニンジヌクレオチド類(以下、チオNAD類と
    いう)からなる群より選ばれた1つと、ニコチンアミド
    アデニンジヌクレオチドホスフエート類(以下、NADP類
    という)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
    類(以下、NAD類という)からなる群より選ばれた1つ
    とを補酵素とし、少なくともD−3−ヒドロキシ酪酸を
    基質としてアセト酢酸を生成する可逆反応をなすD−3
    −ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、 A1、 B1、 を含有する試薬を作用せしめて、次の反応式 (式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD
    類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオ
    NADP類またはチオNAD類のときは還元型NADP類または還
    元型NAD類を、A1がNADP類またはNAD類のときは還元型チ
    オNADP類または還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化
    型生成物を示す)で表されるサイクリング反応を形成せ
    しめ、該反応によつて変化するA2またはB1の量を決定す
    ることを特徴とするD−3−ヒドロキシ酪酸およびアセ
    ト酢酸からなる群より選ばれた1つまたはそれ以上のケ
    トン体の高感度定量法。
  2. 【請求項2】D−3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酢酸
    からなる群より選ばれた1つまたはそれ以上のケトン体
    を含有する被検液に、 チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれた
    1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれた1
    つとを補酵素とし、少なくともD−3−ヒドロキシ酪酸
    を基質としてアセト酪酸を生成する可逆反応をなすD−
    3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、 A1、 B1または/およびB2、 D−3−ヒドロキシ酪酸に作用せず、B2からB1への反
    応を形成する第二のデヒドロゲナーゼおよび該第二のデ
    ヒドロゲナーゼの基質、を含有する試薬を作用せしめ
    て、次の反応式 (式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD
    類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオ
    NADP類またはチオNAD類のときは還元型NADP類または還
    元型NAD類を、A1がNADP類またはNAD類のときは還元型チ
    オNADP類または還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化
    型生成物を示し、B2からB1への反応はB2を補酵素とて第
    二のデヒドロゲナーゼにてB1を生成する酵素反応を示
    す)で表されるサイクリング反応を形成せしめ、該反応
    によつて変化するA2の量を決定することを特徴とするD
    −3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酢酸からなる群より
    選ばれた1つまたはそれ以上のケトン体の高感度定量
    法。
  3. 【請求項3】D−3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酢酸
    からなる群より選ばれた1つまたはそれ以上のケトン体
    を含有する被検液に、 チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれた
    1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれた1
    つとを補酵素とし、少なくともD−3−ヒドロキシ酪酸
    を基質としてアセト酪酸を生成する可逆反応をなすD−
    3−ヒドロキシ酢酸デヒドロゲナーゼ、 A1または/およびA2、 B1、 D−3−ヒドロキシ酪酸に作用せず、A2からA1への反
    応を形成する第三のデヒドロゲナーゼおよび該第三のデ
    ヒドロゲナーゼの基質、を含有する試薬を作用せしめ
    て、次の反応式 (式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD
    類を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオ
    NADP類またはチオNAD類のときは還元型NADP類または還
    元型NAD類を、A1がNADP類またはNAD類のときは還元型チ
    オNADP類または還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化
    型生成物を示し、A2からA1への反応はA2を補酵素として
    第三のデヒドロゲナーゼにてA1を生成する酵素反応を示
    す)で表されるサイクリング反応を形成せしめ、該反応
    によつて変化するB1の量を決定することを特徴とするD
    −3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酢酸より選ばれた1
    つまたはそれ以上のケトン体の高感度定量法。
  4. 【請求項4】チオNADP類が、チオニコチンアミドアデニ
    ンジヌクレオチドホスフェート類(チオNADP)またはチ
    オニオチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチドホスホ
    フェートである請求項(1)から(3)のいずれかの請
    求項に記載の高感度定量法。
  5. 【請求項5】チオNADP類が、チオニコチンアミドアデニ
    ンジヌクレオチド(チオNAD)またはチオニコチンアミ
    ドヒポキサンチンジヌクレオチドである請求項(1)か
    ら(3)のいずれかの請求項に記載の高感度定量法。
  6. 【請求項6】NADP類がニコチンアミドアデニンジヌクレ
    オチドホスフェート(NADP)、アセチルピリジンアデニ
    ンジヌクレオチドホスフェート(アセチルNADP)、アセ
    チルピリジンヒポキサンチンジヌクレオチドホスフェー
    トおよびニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチド
    ホスフェート(デアミノNADP)からなる群より選ばれた
    補酵素である請求項(1)から(3)のいずれかの請求
    項に記載の高感度定量法。
  7. 【請求項7】NADP類がニコチンアミドアデニンジヌクレ
    オチド(NAD)、アセチルピリジンアデニンジヌクレオ
    チド(アセチルNAD)、アセチルピリジンヒポキサンチ
    ンジヌクレオチドおよびニコチンアミドヒポキサンチン
    ジヌクレオチド(デアミノNAD)からなる群より選ばれ
    た補酵素である請求項(1)から(3)のいずれかの請
    求項に記載の高感度定量法。
  8. 【請求項8】次の成分〜 チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれた
    1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれた1
    つとを補酵素とし、少なくともD−3−ヒドロキシ酪酸
    を基質としてアセト酢酸を生成する可逆反応をなすD−
    3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、 A1、 B1、 (但し、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類またはNAD
    類を示し、B1はA1がチオNADP類またはチオNAD類のとき
    は還元型NADP類または還元型NAD類を、A1がNADP類また
    はNAD類のときは還元型チオNADP類または還元型チオNAD
    類を示す)を含有することを特徴とするD−3−ヒドロ
    キシ酪酸およびアセト酢酸からなる群より選ばれた1つ
    またはそれ以上のケトン体の定量用組成物。
  9. 【請求項9】次の成分〜 チオNADP類およびチオNAD類からなる群より選ばれた
    1つと、NADP類およびNAD類からなる群より選ばれた1
    つとを補酵素とし、少なくともD−3−ヒドロキシ酪酸
    を基質としてアセト酢酸を生成する可逆反応をなすD−
    3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、 A1、 B1または/およびB2、 D−3−ヒドロキシ酪酸に作用せず、B2からB1への反
    応を形成する第二のデヒドロゲナーゼおよび該第二のデ
    ヒドロゲナーゼの基質、(但し、A1はチオNADP類、チオ
    NAD類、NADP類またはNAD類を示し、B1はA1がチオNADP類
    またはチオNAD類のときは還元型NADP類または還元型NAD
    類を、A1がNADP類またはNAD類のときは還元型チオNADP
    類または還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化型生成
    物を示す)を含有することを特徴とするD−3−ヒドロ
    キシ酪酸およびアセト酢酸からなる群より選ばれた1つ
    またはそれ以上のケトン体の定量用組成物。
  10. 【請求項10】次の成分〜および チオNADP類およびチオNAD類のいずれか1つと、NADP
    類およびNAD類からなる群より選ばれた1つとを補酵素
    とし、少なくともD−3−ヒドロキシ酢酸を基質として
    アセト酪酸を生成する可逆反応をなすD−3−ヒドロキ
    シ酪酸デヒドロゲナーゼ、 A1または/およびA2、 B1、 D−3−ヒドロキシ酪酸に作用せず、A2からA1への反
    応を形成する第三のデヒドロゲナーゼおよび該第三のデ
    ヒドロゲナーゼの基質、(但し、A1はチオNADP類、チオ
    NAD類、NADP類またはNAD類を示し、B1はA1がチオNADP類
    またはチオNAD類のときは還元型NADP類または還元型NAD
    類を、A1がNADP類またはNAD類のときは還元型チオNADP
    類または還元型チオNAD類を示し、A2はA1の還元型生成
    物を示す)を含有することを特徴とするD−3−ヒドロ
    キシ酪酸およびアセト酢酸からなる群より選ばれた1つ
    またはそれ以上のケトン体の定量用組成物。
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