JP3034697B2 - 開閉器 - Google Patents

開閉器

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JP3034697B2
JP3034697B2 JP4197444A JP19744492A JP3034697B2 JP 3034697 B2 JP3034697 B2 JP 3034697B2 JP 4197444 A JP4197444 A JP 4197444A JP 19744492 A JP19744492 A JP 19744492A JP 3034697 B2 JP3034697 B2 JP 3034697B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、回路遮断器
や限流器または電磁接触器など、電流遮断時に容器内で
アークが発生する開閉器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図39は従来の開閉器として例えば回路
遮断器の開成時状態を示す側面図、図40は図39の回
路遮断器の接点開離直後の状態を示す側面図、図41は
図40の回路遮断器における可動接触子の最大開離状態
を示す側面図である。図に於て、1は回路遮断器の可動
接触子であり、この可動接触子1は基部の回動支点(回
動中心)14(図40,図41参照)を中心にして回動
するように支持されている。2は前記可動接触子1の一
端(自由端部下面)に固着された可動接点、3は前記可
動接触子1の回動により可動接点2と接離する固定接
点、4はその固定接点3を一端に有する固定接触子であ
り、この固定接触子4の形状構成については後述する。
5は前記固定接触子4の他端に接続された電源側の端子
部である。6は消弧板で、前記可動接点2と前記固定接
点3との開離時にそれらの接点間に発生するアークを引
き延ばして冷却すべく機能する。7は前記消弧板6を保
持する消弧側板である。8は前記可動接触子1を回動さ
せる機構部であり、この機構部8は、電流検出部(図示
せず)を内蔵し、該電流検出部が短絡電流を検知するこ
とによって作動するようになっている。9は前記機構部
8を手動で操作するためのハンドル、10は負荷側の端
子部、11はその端子部10を前記可動接触子1に接続
する導体である。12はこれらの回路遮断器構成部品を
収納する容器、13はその容器12の壁部に設けられた
排気孔である。
【0003】ここで、前記固定接触子4の形状構成につ
いて説明する。図39〜図41において、前記固定接触
子4は、電源側の端子部5が接続されて水平方向に延び
る導体部4aと、この導体部4aにおける前記端子部5
と反対側の端部に下方へ向け折曲形成された垂直な導体
部4bと、この導体部4bの下端から前記導体部4aと
は反対側の水平方向に延びる段差状下部の導体部4c
と、この導体部4cの先端から垂直方向に立ち上がる導
体部4dと、この導体部4dの上端から前記導体部4a
側に向って水平方向に延びる導体部4eとから成る形状
に一体形成され、前記導体部4e上に固定接点3が設け
られた構成となっている。
【0004】このような形状構成の固定接触子4におい
て、段差状下部の導体部4cと固定接点3側とを接続し
ている導体部4dは、固定接点3の位置より可動接触子
1の可動接点2が固着されていない他端部側で且つ端子
部5の反対側に位置し、固定接点3を有する導体部4e
は、端子部5を有する導体部4aと同一水平面上にあっ
て、可動接点2と固定接点3相互の接点閉時に該接点
接触面の位置より下方に位置している。かかる固定接触
子4は、その全体表面が絶縁されていない素肌露出状態
で使用されている。
【0005】次に動作について説明する。図39の状態
において、固定接触子4の端子部5を電源に接続すると
共に、負荷側の端子部10を負荷に接続する。この状態
において、ハンドル9を矢印B方向に操作すると、機構
部8が動作して可動接触子1が基部の回動支点14(図
40,図41参照)を中心として下降回動することによ
り、可動接点2が固定接点3と接触した接点閉成状態と
なって、電力が電源から負荷に供給される。この状態
で、通電の信頼性を確保するために可動接点2は固定接
点3に規定の接触圧力で押えつけられている。
【0006】ここで、回路遮断器より負荷側の回路で短
絡事故などが起こり、回路に大きな短絡電流が流れる
と、この大電流を前記機構部8内の電流検出部が検知し
て前記機構部8を作動させる。これによって、可動接触
子1が接点開離方向に回動することで可動接点2が固定
接点3から開離する。このような接点開離時には、図4
0および図41に示すように、可動接点2と固定接点3
との間にアークAが発生する。
【0007】しかし、通常、短絡電流などの大電流が流
れると、可動接点2と固定接点3の接触面における電磁
反発力が非常に強くなり、前記可動接点2にかかってい
る接触圧力に打ち勝つために、可動接触子1は機構部8
の動作を待たずに接点開離方向に回動する。従って、そ
の回動により、可動接点2と固定接点3の開離が起こ
り、それらの接点2,3間に発生したアークAは、消弧
板6で引き延ばされて冷却される。この結果、アーク抵
抗が上昇し、短絡電流が小さく絞られる限流が起こり、
電流零点で前記アークAは消弧されて電流遮断が完了す
る。
【0008】限流は、回路遮断器の保護機能を向上させ
るために非常に重要である。限流性能を高めるために
は、上述のようにアーク抵抗を増大させる必要がある。
【0009】アーク抵抗を増大させるためにアークを引
き延ばす方法としてよく使われるのは、例えば特開昭6
0−49533号公報や特開平2−68831号公報に
示されているような形状の固定接触子を利用する方法で
ある。これらの公報に示された固定接触子の形状は、図
39〜図41に示した固定接触子4の形状と基本的には
同じである。この固定接触子4による電流経路は、図3
9〜図41において、電源側の端子部5から導体部4
a,4b,4c,4d,4eを順に経て固定接点3に至
る。このような電流経路において、固定接触子4の固定
接点3側の電流経路4eに流れる電流がアークAに及ぼ
す電磁力は、アークAを消弧板6方向へ引き延ばす力と
なる。この結果、アーク抵抗はより高くなり限流性能の
優れた回路遮断器が得られる。
【0010】通常の交流遮断における限流性能を高める
には、上述のようにアーク抵抗を高めることが必要であ
るが、この場合、接点2,3が開離した直後の未だ電流
が最大値になる前に、アーク抵抗を高めなければならな
い。電流が大きくなった後にアーク抵抗を高めても、電
流の慣性効果のためになかなか電流は限流されない。か
えって、大電流で且つ抵抗が高いため、遮断器内で発生
するアークエネルギーが大きくなり、遮断器の損傷が激
しくなるだけである。従って、接点2,3が開離した直
後のアークを強い電磁力で大きく引き延ばし、急激にア
ーク抵抗を高めるような固定接触子形状が必要となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の固定接触子形状
を持つ開閉器は以上のように構成されているので、図4
0に示すように、接点2,3開離直後のアークAを電源
側の端子部5方向に引き延ばす電磁力を発生する固定接
触子4の電流経路は、電源側の端子部5を有する導体部
4aと同一面上で分離した固定接点3側の導体部4eだ
けであり、他の電流経路(導体部)4a,4b,4c,
4dは、全てアークAを前記端子部5と反対側に引き延
ばす電磁力を発生する。導体部4a,4cの電流は固定
接点3側の導体部4eと逆方向に流れ、これによって、
アークAを端子部5の方向と逆方向に引き延ばす電磁力
を発生させる結果となっている。また、導体部4dの電
流は、前記アークAの電流と逆方向のために反発し合
い、導体部4dの電流は前記アークAの電流と同一方向
であって引き合うため、アークAを端子部5の方向と逆
方向に引き延ばす結果となる。このため、前記電流経路
4eが発生するアークAを端子部5の方向に引き延ばす
電磁力は減少してしまう。したがって、従来の開閉器に
使用されている固定接触子4の形状では、該固定接触子
4に流れる電流の電磁力がアークを引き延ばすために効
果的に作用しないという問題点があった。
【0012】請求項1の発明は上記のような問題点を解
消するためになされたもので、接点開離直後の固定接触
子の全ての電流経路が、アークを端子部側に引き延ばす
電磁力を発生するようにして、急激にアーク電圧を立ち
上げることができ、且つ、可動接触子の開極距離が増大
した際には、アークが冷却されて、高いアーク電圧を発
生、維持でき、優れた限流性能を持つ開閉器を得ること
を目的とする。
【0013】請求項2の発明は、固定接触子の成形加工
が容易でありながら、その固定接触子が可動接触子の開
閉動作を妨げる恐れのない開閉器を得ることを目的とす
る。
【0014】 請求項3の発明は、接点開離直後にアーク
電圧を、より一層急速に立ち上げること、電流遮断直前
のアーク長を効果的に長くすること、高いアーク電圧を
維持して短絡電流遮断時の通過エネルギーを小さく抑え
ること、などが可能な開閉器を得ることを目的とする。
【0015】 請求項4の発明は、電磁力による可動接触
子の開極速度の立ち上がりを上昇させることができる開
閉器を得ることを目的とする。
【0016】 請求項5の発明は、固定接触子の表面でア
ークを引き延ばす磁場成分を増大させることができ、ま
た、通電容量が大きな開閉器の固定接触子であっても、
その固定接触子の加工が容易な開閉器を得ることを目的
とする。
【0017】 請求項6の発明は、固定接触子の変形を防
止できる開閉器を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る開
閉器は、一端部に可動接点を有する可動接触子と、この
可動接触子の開閉動作で前記可動接点と接離可能な固定
接点を一端部に有する固定接触子と、この固定接触子の
他端部に接続する端子部とを備えた開閉器において、接
点閉成状態の前記可動接点が前記固定接点から開離する
方向を上方とした時、前記固定接触子を、前記端子部と
接続する第1導体部、前記固定接点を有する第2導体
部、及び第1導体部と第2導体部を上下方向に接続する
第3導体部で構成し、第3導体部を前記固定接点の位置
より可動接触子の可動接点が設けられていない他端部側
で且つ前記端子部の反対側に配置し、第1導体部を、前
記接点閉成時の該接点接触面より上方に配置すると共
に、前記接点開成時に前記可動接点の接触面より下方に
配置し、前記接点開成時に前記可動接点表面から見渡せ
る前記第1導体部の部位を絶縁物で被覆したものであ
る。
【0019】 請求項2の発明に係る開閉器は、固定接触
子が、ほぼU字形状をなした接続導体部位を有し、その
U字形状の一端部の内側に固定接点を固着し、且つ、前
記U字形状の他端部に端子部を接続したもので、前記固
定接点の固着面より上方に位置する接続導体の部位に
は、前記固定接触子に対する可動接触子の開閉動作を許
容するためのスリットを設けたものである。
【0020】 請求項3の発明に係る開閉器は、固定接触
子に接続する端子部を、前記第1導体部と面一、また
は、その第1導体部より上方、もしくは、前記第1導体
部より下方に位置するように形成し、前記第1導体部の
下方に位置する端子部は、接点閉成状態の時の接点接触
面より上方に位置させたものである。
【0021】 請求項4の発明に係る開閉器は、端子部と
固定接点を接続する接続導体のうち、固定接点にすぐ接
続される部分で、固定接点の位置より端子部と反対側
に、閉時の可動接触子とほぼ平行な部分を持つ固定接
触子の形状としたものである。
【0022】 請求項5の発明に係る開閉器は、端子部と
固定接触子とを接続する第1導体部に、鈍角で且つ固定
接点の反対側に凸の屈曲部が設けられ、前記第1導体部
の前記屈曲部より端子部側の部位を固定接点が固着され
た第2導体部とほぼ平行させてなる固定接触子の形状と
したものである。
【0023】 請求項6の発明に係る開閉器は、可動接触
子が開閉動作で描く軌跡を含む面に沿ったスリットを有
する第1導体部を備え、固定接点表面の中心点P0を含
み、かつ前記軌跡を含む面および前記第1導体部の電流
路に垂直な断面において、前記スリット左右の各々の第
1導体部断面の重心P1とP2を各々結ぶ線と、前記中
心点P0と前記重心P1および重心P2を各々結ぶ線
成す前記軌跡を含む面側の角度θ1とθ2が45°未満
になるように固定接触子を形成したものである。
【0024】
【作用】請求項1の発明における開閉器は、接点開離直
後にアークが固定接触子を構成する導体部を流れる全て
の電流により端子部方向に引き延ばされ、その後もアー
クが第1導体部を覆う絶縁物に押し付けられることによ
り、高いアーク電圧を発生させて維持することができ
る。
【0025】 請求項2の発明における開閉器は、固定接
触子が略U字形状をなしていることにより、その固定接
触子の成形加工が頗る容易である。また、前記固定接触
子において、固定接点の固着面より上方に位置する導体
部位に可動接触子の開閉動作を許容するスリットを設け
たことにより、前記固定接点に対する前記可動接触子の
開閉動作が前記固定接触子によって妨げられるようなこ
ともない。
【0026】 請求項3の発明における開閉器は、端子部
を第1導体部と面一もしくは上方に配置したので、端子
部を流れる電流により接点開離直後にアークを引き延ば
し、アーク電圧をより急速に立ち上げることができる。
また、端子部を第1導体部より上方に配置すると、遮断
直前のアーク長を効果的に長くすることができる。ま
た、端子部もしくは端子部の一部を、第1導体部より下
方に配置したので、高いアーク電圧を維持でき、短絡電
流遮断時の通過エネルギーを小さく抑えることができ
る。さらに、端子部を第1導体部より下方で且つ固定接
点接触面より上方に配置すると、端子部の電流によって
固定接点表面近傍のアークを引き延ばすことができる。
【0027】 請求項4の発明における開閉器は、第2導
体部の固定接点の位置より端子部と反対側の部位に、接
点閉成時の可動接触子と略平行な部分を持つ固定接触子
構成としたので、電磁力による可動接触子の開極速度の
立ち上がりが上昇する。
【0028】 請求項5の発明における開閉器は、第1導
体部に鋭角かつ固定接点の反対側に凸の屈曲部を設けた
場合、第1導体部と第3導体部を鈍角の屈曲部を介して
連続させた場合、第3導体部を端子部と反対側に凸の曲
線で構成した場合の何れの場合であっても、固定接点表
面でのアークを引き延ばす磁場成分を増大させることが
できる。また、上述のように、第3導体部を端子部と反
対側に凸の曲線で構成した場合、通電容量が大きな開閉
器の固定接触子であっても容易に加工することが可能と
なる。
【0029】 請求項6の発明における開閉器は、可動接
触子が開閉動作で描く軌跡を含む面に沿ったスリットを
有する第1導体部を備え、固定接点表面の中心点P0を
含み、かつ前記軌跡を含む面および前記第1導体部の電
流路に垂直な断面において、前記スリット左右の各々の
第1導体部断面の重心P1とP2を各々結ぶ線と、前記
中心点P0と前記重心P1および重心P2を各々結ぶ線
の成す前記軌跡を含む面側の角度θ1とθ2を45°未
満にしたことにより、固定接触子の各部位にかかる電磁
小さくでき、十分な機械的強度が得られない場合の
固定接触子の変形を防止できる。
【0030】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の一実施例を図について説明する。図1
は請求項1の発明の一実施例による開閉器として容器を
断面た回路遮断器の閉成状態を示す消弧部の側面図、
図2は図1の回路遮断器の開成状態を示す側面図であ
り、図39〜図41と同一または相当部分には同一符号
を付して重複説明を省略する。図において、4は一端部
に固定接点3が設けられた固定接触子であり、この固定
接触子4は、第1導体部4aと第2導体部4eと第3導
体部4dとから構成されている。
【0031】 更に詳しく述べると、図1の接点閉成状態
において、可動接触子1の可動接点2が固定接点3から
開離する方向を上方とした時、前記固定接触子4は、電
源側の端子部5が接続されて水平方向に延びる第1導体
部4aと、この第1導体部4aの下方に離間位置した第
2導体部4eと、この第2導体部4eと前記第1導体部
4aを前記端子部5の反対側で上下方向に接続している
第3導体部4dとから成る形状に一体形成され、前記第
2導体部4e上に固定接点3を固着して該固定接点3を
第1導体部4aの下方に位置させた構成となっている。
【0032】 そして、前記固定接触子4は、固定接点3
の位置より可動接触子1の可動接点2が固着されていな
い他端側で、且つ、前記端子部5の反対側(可動接触子
1の回動支点14側)に第3導体部4dが位置する向き
として容器12に取付けセットされている。この場合、
第1導体部4aは、固定接点3に可動接点2が接触した
接点閉成時に該接点接触面より上方に全て位置し、且
つ、接点開成時に可動接点2の接触面より下方に位置す
る配置としてある。
【0033】 図1および図2に示した消弧板6は、前記
可動接触子1の回動を妨げないようにするための切欠部
(図示せず)が設けられた構成となっている。なお、図
1および図2においては、図39に示した従来の回路遮
断器における機構部8とハンドル9および負荷側の端子
部10を省略しており、これらは、当然、容器12内に
収納配置されている。
【0034】 図3(a),(b)は請求項2の発明の実
施例による固定接触子を示す斜視図である。図3(a)
に示す固定接触子4は、第1導体部4aと第2導体部4
eと第3導体部4dとによって略U字形状に一体形成さ
れ、そのU字状の一端である前記第1導体部4aの電源
接続側の端部に電源側の端子部5が接続されている。ま
た、これと反対側の端部となるU字形状の内側、即ち、
前記第2導体部4eの上面部に固定接点3が固着されて
いる。さらに、前記固定接触子4において、前記固定接
点3の固着面より上方に位置する接続導体部(第1導体
部4aと第3導体部4d)には、第2導体部4e上の固
定接点3に対する可動接触子1の開閉動作を妨げないよ
うにするためのスリット40が設けられている。
【0035】 図3(b)において、15は絶縁物であ
り、この絶縁物15は、前記固定接触子4の方面と前記
スリット40の内面を、第1導体部4aの端子部5接続
部近傍から第3導体部4dに亘って被覆している。
【0036】 次に動作について説明する。短絡電流など
の大電流が流れると、機構部の動作を待たずに可動接触
子1が回動して可動接点2と固定接点3が開離し、これ
らの接点2,3間にアークAが発生することは従来と同
様である。図4は、前記接点2,3の開離直後において
可動接点2の接触面が未だ第1導体部4aの下方にある
状態を示している。ここで、矢印は電流を示し、消弧板
6は簡単のために省略した。
【0037】 端子部5から第1導体部4aまでで構成さ
れる電流経路は、全てアークAより上方にある。この結
果、その電流経路が発生するアークAに作用する電磁力
は、アークAを端子部5側に引き延ばす力となる。そし
て、第3導体部4dに流れる電流はアークAの電流と逆
方向になるので、第3導体部4dを流れる電流による電
磁力もアークを端子部5側に引き延ばす力となる。従っ
て、この固定接触子4に流れる電流が発生する電磁力
は、全てアークAを端子部5側に引き延ばす力となる。
この結果、接点開離直後のアークAは強力に引き延ばさ
れ、アーク抵抗が急激に高くなる。
【0038】 図5(a)は実施例1の固定接触子を流れ
る電流が発生する磁場強度分布説明するために示した
可動接触子と固定接触子の側面図、図5(b)は図5
(a)のA−A線断面図である。図において、41はス
リット40を挟む左右両側の第1導体部4aの各断面の
重心である。図5(c)は理論計算で求めた固定接触子
4を流れる電流がつくる図5(b)のZ軸上での磁場強
度分布であり、正方向の磁場がアークを端子部5側に引
き延ばす磁場成分である。図5(c)で示すように、第
1導体部4aは可動接触子1が回動する平面から左右に
ずれた所に位置する。
【0039】 このような導体配置では、第2導体部4e
および第3導体部4dを流れる電流の影響のために、第
1導体部4aより上部の空間(領域Z0)までアークA
を端子部5側に引き延ばす磁場成分が存在する。そのた
め、図6のように、可動接点面が第1導体部4aより上
方まで回動しても、第1導体部4aのスリット40の部
分では、アークAは端子部5側に力を受け、前記スリッ
ト40の奥(スリット40の端子部5側の端部内面)の
部分を覆う絶縁物15aに押しつけられて冷却される。
この結果、接点開離直後に急激に上昇したアーク抵抗が
更に増大し、高いアーク電圧が維持されるので、電流ピ
ークおよび通過エネルギーを小さく押さえることがで
き、優れた限流性能を有した回路遮断器が得られる。
【0040】 上記実施例1においては、可動接触子1の
回動を妨げないようにするためのスリット40を前記可
動接触子1の回動面に対して左右対称に設けた固定接触
子4の形状について説明したが、この固定接触子4は図
7に示すような形状構成としても同様の効果が得られ
る。
【0041】 実施例2. 図7(a)はこの発明の実施例2による固定接触子の斜
視図、図7(b)は図7(a)の固定接触子を絶縁した
状態を示す斜視図である。この実施例2による固定接触
子4は、図7(a)のように、端子部5側に向って左側
にのみ第1導体部4aを配した形状構成としている。こ
の固定接触子4の場合、図8(a)のように可動接触子
の開極初期のアークAの上部半分において、このアーク
Aの電流と前記左側だけの第1導体部4aの電流が同じ
方向となるので、アークAは前記左側だけの第1導体部
4aに引き付けられ、この第1導体部4aを覆う絶縁物
15に強く触れて冷却される。このため、前記開極初期
においては、アーク電圧がより素早く立ち上がる。
【0042】 一方、さらに接点2,3間が開離して可動
接点2が第1導体部4aより上方に位置すると、図8
(b)に示すように、アークAの下部半分において、ア
ーク電流と前記左側だけの第1導体部4aの電流が逆方
向となって反発し合うので、アークAは前記左側だけの
第1導体部4aを覆う絶縁物15から遠ざかり、この絶
縁物15から発生する蒸気量が減少し、電流増加に伴う
容器12内の圧力上昇を小さくでき、圧力による容器1
2の損傷を未然に防止できる。
【0043】 つまり、上記実施例2のように可動接触子
1の回動面に対する固定接触子4の第1導体部4aを左
右どちらか一方にすると、限流効果に優れ且つ圧力によ
る容器12の損傷が起こり難い形状構成の固定接触子4
を得ることができる。
【0044】 上記実施例1では端子部5を第1導体部4
aと面一にしたが、この実施例2のように左右どちらか
一方だけの第1導体部4aを有する図7の固定接触子4
とすることによって、端子部5を流れる電流成分も固定
接点3の表面近傍のアークを端子部5側に引き延ばす磁
場が発生し、接点開離初期のアークが効果的に引き延ば
される。
【0045】 実施例3. 図9は請求項3の発明の一実施例による要部の側面図で
ある。この実施例では、電源側の端子部5を第1導体部
4aより上方に配した構成としている。このように、端
子部5を第1導体部4aより上方にすると、端子部5の
近くまで引き延ばされたアークAの電流の一部が端子部
5の電流と引き合うので、アークAが大きく延びる遮断
直前において効果的にアークAを引き延ばせる。
【0046】 このように、遮断直前のアーク長が電磁力
により長くできるので、比較的高電圧の回路における比
較的小さな電流の遮断動作などの電磁力による遮断直前
のアーク引き延ばし作用が、遮断性能に重要な影響を与
える場合に有効である。
【0047】 実施例4. 図10は請求項3の発明の他の実施例による要部の側面
図である。この実施例による固定接触子4は、端子部5
を第1導体部4aより下方で、且つ、固定接点3の表面
より上方に位置させた形状構成としている。このように
固定接触子4の端子部5を第1導体部4aより下方にす
ると、固定接触子4のアークより端子部5側の一部にお
いて上方向の電流成分が生じ、この電流成分がアークA
と引き合うため、ある程度、接点2,3が開離して引き
延ばされたアークAを、この上方向電流の近くで補足す
ることが可能となる。そのため、遮断動作の途中でアー
クAが接点2,3間に引き戻されるのを防ぐことがで
き、高いアーク電圧を維持することが可能となる。
【0048】 また、上述のように、第1導体部4aより
下方に位置する端子部5を固定接点3の表面より上方に
配置したことにより、端子部5の電流が固定接点3の表
面のアークAを引き延ばす磁場成分が発生し、アーク電
圧の立ち上がりを速めることができる。
【0049】 実施例5. 図11はの発明の実施例5による要部の断面図であ
る。この実施例による固定接触子4は、端子部5が第1
導体部4aおよび固定接点3の表面より下方に位置した
形状構成となっており、端子部5が第1導体部4aより
下方に存在することによる作用効果は前記実施例4の場
合と同様である。また、この実施例5のように、端子部
5が更に固定接点3の表面より下方に存在することによ
って、前述のアークを補足する上方向の電流成分が増加
して補足効果が増大し、遮断動作後半において、より高
いアーク電圧を維持できる。そのため、電流遮断完了ま
での時間が短くなり、遮断動作により遮断器内部に発生
する総エネルギー量および通過エネルギーを減少させる
ことが可能となる。
【0050】 実施例6. 図12および図13はこの発明の実施例6による主要部
の側面図である。この実施例による固定接触子4は、固
定接点3と反対側に凸の屈曲部を持つ第1導体部4aが
一体形成された形状構成としている。この固定接触子4
の場合、前記上方向の電流成分による補足効果は減少す
るが、接点開離初期の比較的電流の小さい時に可動接点
2に近いアークAの一部を効率的に引っ張ることができ
るので、アーク電圧の初期立ち上がりを速くできる。ま
た、前記第1導体部4aの屈曲部は鈍角に形成されてお
り、これによって、前記固定接触子4の曲げ加工が容易
となる。さらに、端子部5の位置が外部回路との接続の
関係上規定されている場合、図10〜図13のように第
1導体部4aを端子部5より上方に配置、これによっ
て、必然的に第3導体部4dの長さが長くなり、第3導
体部4dの下向きの電流とアークAの上向きの電流が反
発する作用が増大され、アークAの引き延ばしが促進さ
れる。
【0051】 実施例7. 図14は請求項4の発明の実施例による要部の側面図で
ある。この実施例7では、上記実施例1において、固定
接触子4の固定接点3を固着した第2導体部4eのかわ
りに、第2導体部4eを可動接触子1の回動中心14の
方向に延ばして、第2導体部4eの部分に流れる電流が
閉成時の可動接触子1に流れる電流と略平行で逆方向に
なるよう構成している。このような構成にすると、第2
導体部4eの電流によるアークAを端子部5側に引き延
ばす電磁力が増大し、また閉成時の可動接触子1と第2
導体部4eとの間に電磁反発力が働くため、可動接触子
1の回動スピードが増大し、接点開離直後のアーク長が
早く大きくなる。このため、アーク抵抗の立ち上がり
が、より早くなり、より限流性能が向上する。
【0052】 実施例8. 図15は請求項5の発明の実施例による主要部の側面図
である。この実施例による固定接触子4は、第1導体部
4aの第3導体部4dに接続される部位が斜めに形成さ
れているので、固定接点3の表面でのアークA引き延
ばす磁場強度を増大させることが可能となる。
【0053】 以下、上述のことについて更に詳細に説明
する。理想的には、固定接触子4が作る固定接点3表面
の中心点でのアークを引き延ばす方向の磁場強度を最大
にするには、固定接点3表面の中心点を中心とし、且つ
アークAを引き延ばす方向の磁場が最大となる半径を持
ち、可動接触子1の回動面に垂直な円筒面上に固定接触
子4の導体部を配置する必要がある。但し、前記半径は
固定接触子4の導体部の形状により異なる。
【0054】 例えば、図3に示したように、可動接触子
1の回動面に対してスリット40を挟む左右対称の第1
導体部4aが配置されている場合、この左右の導体部間
の距離の半分の値が前記半径である。しかし、実際には
完全にこのような円筒面上に沿って導体部を配置するこ
とは困難であるかコストが非常に高くなる。そこで、前
記の理想円筒になるべく近く、且つ加工が簡単な導体部
形状が求められる。
【0055】 上記実施例1のように、固定接触子4は屈
曲部が少ないほど加工は簡単であるが、固定接触子4の
導体部が前記理想円筒の位置からずれる部分が多くな
る。そこで、図15のように、第1導体部4aに屈曲部
を増やすことにより、前記理想円筒からのずれを減ら
し、固定接点3表面でのアークを引き延ばす磁場強度を
増大させると共に、加工コストの上昇等を最小限に抑え
ることが可能となる。
【0056】 実施例9. 図16はこの発明の実施例9による主要部の側面図であ
る。この実施例による固定接触子4は、第1導体部4a
と第3導体部4dとを鈍角の屈曲部Δ1を介して連続さ
せると共に、第3導体部4dと第2導体部4eとを鋭角
の屈曲部Δ2を介して連続させ、前記鈍角および前記鋭
角が固定接点3と反対側に凸となるように第3導体部4
dを斜めに形成した形状構成としている。この実施例9
によれば、前記屈曲部の数を増やすことなく、実施例1
の場合よりも前記離同円筒からのずれを小さくできる。
【0057】 ところで、通電容量の大きな回路遮断器の
場合、固定接触子4の導体部断面が大きくなり、図15
および図16のような小さな半径の曲げ加工は困難とな
る。
【0058】 実施例10. 図17はこの発明の実施例10による主要部の側面図で
ある。この実施例による固定接触子4は、第3導体部4
dと固定接点3と反対側に凸となる曲線状に形成してい
る。これにより、固定接触子1の導体部断面が大きな場
合でも、理想的な導体部形状に近い導体部配置が可能と
なるので、アーク電圧の立ち上がりが速くなる。
【0059】 実施例11. 図18(a)はこの発明の実施例11による接点開離直
後の状態を示す主要部の側面図、図18(b)は図18
(a)の最大開離状態を示す主要部の側面図である。こ
の実施例による固定接触子4は、第1導体部4aに固定
接触子4側へ凸となる突出部4ax設け、この突出部
4axの頂点が固定接点3より端子部5側に位置するよ
うに構成している。この構成によれば、接点開離初期に
おいては、図18(a)に示すように前記突出部4ax
の斜め上方に流れる電流成分によってアークAが引き付
けられ、素早くアークAが引き延ばされるので、アーク
電圧の立ち上がりを速くすることが可能である。また、
図18(b)に示すように、接点2,3が更に開離しア
ーク長が長くなると、アークAは第1導体部4aの前記
突出部4axの頂点より端子部5側まで引き延ばされ
る。この時、前記突出部4axの斜め下方に流れる電流
成分とアーク電流が逆方向となって反発し合うので、ア
ークAが接点2,3間方向に戻るのを妨げ、高いアーク
電圧を維持できる。
【0060】 実施例12. 図19はこの発明の実施例12による主要部の側面図で
ある。この実施例による固定接触子4は、第2導体部4
eの固定接点3が固着された一端部を他端部より下方に
配置し、固定接点3の接触面が上下方向に垂直線より端
子部5側に向くように構成している。このような構成に
すると、固定接点3上でのアークAの吹き出し方向を端
子部5側に向けることができる。
【0061】 一般に、アークAの電流が大きくなると、
接点面からアークが吹き出す力が大きくなり、磁場によ
る引き延ばし効果が相対的に小さくなる。このため、遮
断動作初期の比較的小さな電流領域で磁場により引き延
ばされたアークも、電流の増加と共に接点間方向に引き
戻されアーク電圧が低下することがある。
【0062】 そこで、図19のようにアーク引き出し方
向を端子部5側に向けると、アークAが吹き出す力が大
きくなってもアークAは接点2,3間側に戻らず、アー
ク電圧を維持することが可能となる。
【0063】 実施例13. 図20はこの発明の実施例13による主要部の側面図で
ある。この実施例による固定接触子4は、第2導体部4
eの固定接点3が固着されている導体部位を、第2導体
部4eと第3導体部4dの接続部位より上方に位置させ
た形状構成としている。このような構成にすると、第3
導体部4dの電流経路が長くなり、この電流経路を流れ
る電流によるアークAを端子部5側に押し出す力が増大
する。また、固定接点3より第3導体部4d側の第2導
体部4eの導体部位がアークから遠ざかる。このため、
アーク電流の増加に伴いアーク径が大きくなっても、機
構部側に(一般に、機構部は可動接触子1の回動中心1
4側に配置される。)アークが広がり難く、機構部への
熱流および熱流に伴う溶融物の流れ込みを防げるので、
遮断動作後に開閉動作が不能となることを防げる。
【0064】 上記実施例13(図20)では容器を図示
していないが、固定接点3が固着されている導体部位を
上方にあげることにより、前記導体部位と容器間に空間
を設けることができる。この空間が存在しない場合、固
定接点3より端子部5に押し出されたアークAが発生
する圧力が近接する容器部に反射されるので、アークが
それ以上端子部5に押し出され難い。そこで、前記近
接する容器部を遠ざけることによって、前記アーク圧力
の反射を抑え、アークAが端子部5側に押し出され易い
気流を発生することが可能となる。
【0065】 実施例14. 図21はこの発明の実施例14による主要部の側面図で
ある。この実施例による固定接触子4は、第2導体部4
eと第3導体部4dとの接続部を鋭角とし、第2導体部
4eには屈曲部を設けないように構成したことにより、
上記実施例13の場合と同様の効果が得られる。
【0066】 実施例15. 図22はこの発明の実施例15による主要部の側面図で
ある。この実施例による固定接触子4は、第3導体部4
dの上方の部分が下方の部分より可動接触子1の回動中
心14側になるように第3導体部4dを斜めに形成して
いる。このような構成にすると、接点開離初期から接点
開離動作後半までの比較的長い間、可動接触子1の一部
が第1導体部4aと第2導体部4eおよび3導体部4
dで囲まれた空間内にあり、上記の比較的長い間、可動
接触子1が固定接触子4を流れる電流がつくる磁場によ
り接点開離方向に力を受ける。このため、接点開離初期
だけでなく、可動接点2が第1導体部4aの上部に出て
からも可動接触子1の開離速度は減少しないので、最大
開離距離に到達する時間を速めることが可能となる。
【0067】 一般に、電源電圧が比較的高い電圧の回路
(例えば550V)における比較的小さな短絡電流領域
の遮断動作では、可動接触子1に働く電磁反発力が小さ
く電流遮断直前においても接点間の開離距離が小さいの
で、接点間にて絶縁破壊を起こし遮断失敗を起こすこと
がある。そこで、前述した図22のように、接点最大開
離距離に到達する時間を速めるように構成することによ
って、前述のような遮断失敗を防ぐことが可能となる。
【0068】 図23は図22の第2導体部4eを上方か
ら見た図であり、この図のように、第2導体部4eは固
定接点3が固着されている方の導体幅を狭く形成し、そ
の第2導体部4eを流れる電流がなるべく該導体部の中
心線に沿って固定接点3側に集中するように構成してい
る。このように、電流を集中させることによって、第2
導体部4eの電流がつくる固定接点3近傍のアークAを
引き延ばす磁場成分増大する。また、可動接触子1の
導体を流れる電流との電磁反発力が増大し可動接触子1
の開離速度が上昇する。
【0069】 このような効果により、アーク電圧の立ち
上がりが速くなり限流性能が向上する。また、一般にア
ーク電流の増大と共にアーク径が広がっていくが、図2
3のように固定接点3が固着している部分の導体幅を狭
くすると、アーク径の広がりが抑制され、アーク電流密
度が上昇するので、アーク抵抗が大きくなって高いアー
ク電圧を維持することが可能となる。
【0070】 実施例16. 図24(a)はこの発明の実施例16による可動接触子
1と固定接触子4を上方から見た図、図24(b)は図
24(a)の側面図である。この実施例では、固定接触
子4に可動接触子1の開閉動作を妨げないようにするた
めのスリット40を設け、且つ、このスリット40の左
右の導体部4a,4aを略平行に配置している。
【0071】 実施例17. 図25はこの発明の実施例17による可動接触子1と固
定接触子4を上方から見た図である。この実施例では、
固定接触子4のスリット40を、可動接触子1の回動中
心14側の幅が端子部5側の幅より漸次小さくなるよう
に形成している。このような形状にスリット40を形成
することにより、遮断動作時の回動中心14側への熱流
の流れを防ぐことができる。
【0072】 一般に、可動接触子1の回動中心14側に
は可動接触子1を開閉動作させる機構部が存在してお
り、前記熱流により機構部に溶融物が付着し、遮断動作
後の再投入不能の原因となる。また、前記熱流により可
動接触子1の可動接点2より回動中心14側の導体部位
にアークが発弧してアーク電圧が急激に減少し、遮断不
能になる場合がある。
【0073】 そこで、図25のように、可動接触子1の
回動中心14側のスリット40の幅を端子部5側のスリ
ット幅より小さくすることにより、前記熱流を防ぎ信頼
性の高い遮断性能を実現することができる。
【0074】 実施例18. 図26はこの発明の実施例18による主要部の平面図で
ある。この実施例では、図25の場合と逆に固定接触子
4のスリット40の幅を、可動接触子1の回動中心14
側が端子部5側よりも大きくしている。前記スリット4
幅が狭い程、アークが絶縁物15に触れて冷却され
る効果が大きくなる。また、通過電流が大きくなってア
ーク断面が増大する場合、アーク断面をスリット40の
幅で制限することができ、アーク電圧を一層高くするこ
とが可能になる。
【0075】 ところで、実際には、可動接触子1が開閉
動作の途中で左右に横ずれを起こすので、このずれ幅を
考慮してスリット幅以下にすることは困難である。
【0076】 実施例19. そこで、図26のように、固定接触子4の左右のスリッ
ト幅を前記ずれ幅より大きくとり、さらに、固定接触子
4より端子部5側のスリット幅を狭くすることにより、
確実な開閉動作が得られ、且つ、端子部5方向に引き延
ばされたアークを絶縁物15にて冷却すると共に、アー
ク断面を制限して高い限流性能を実現することが可能と
なる。さらに、上述のように、スリット40の幅を奥ほ
ど狭くすると、このスリット40の内面に対する絶縁物
15の取付けが簡単になる。
【0077】 実施例20. 図27はこの発明の実施例20による可動接触子の側面
図である。この可動接触子1は、可動接点2より回動中
心14側の可動導体1aの部位1bを、可動接点2の固
着面より上方に後退させた形状構成としている。
【0078】 一般に、遮断動作時の電流増大に伴ってア
ークスポットの面積が増大し、アーク断面が大きくな
る。このとき、図27のように、前記可動導体1aの部
位1bを上方に後退させていない場合、可動接点2と可
動導体1aの可動接点2より端子部5側の部位1cだけ
では、広がるアークスポットを賄いきれず、可動接点2
より回動中心14側の可動導体1aの部位1bにまで広
がるので、前記可動導体1aが溶融して細くなり、機械
的強度が低下すると共に、遮断動作後の通電時の発熱の
原因となる。さらに、最悪の場合、可動接点2側の可動
導体の一部が脱落し、再投入が不能となる。また、一般
に可動導体1aは銅もしくは銅合金でつくられて可動接
点2より溶融し易いので、前記可動導体1aの部位1b
までアークが広がると、前記可動導体の部位1bから可
動接点2より大量の金属蒸気が発生する。このため、電
流遮断直前における前記可動導体1aの部位1b近傍の
絶縁回復が遅れ遮断不能が生じることがある。
【0079】 このような問題を解決するためには、絶縁
物にて前記可動導体1aの部位1bを覆う方法と、前記
可動導体1aの部位1bをアークから遠ざける方法とが
考えられる。
【0080】 実施例21. 図28(a)はこの発明の実施例21による主要部の平
面図、図28(b)は図28(a)の側面図である。と
ころで、図28(a)に示すように、絶縁物21を可動
接触子1に取り付けると、可動接触子1の幅が大きくな
るので、スリット40の幅を同図中に破線で示すように
広げる必要がある。これに伴って、スリット40の左右
の導体部の断面が小さくなり、充分な通電性能が得られ
なくなる。
【0081】 このような理由により、絶縁物にて前記可
動導体1aの部位1bを覆う方法を用いることが困難な
場合、図27に示すような可動導体1aの部位1bをア
ークから遠ざける可動接触子1の形状が有効となる。
【0082】 また、図28の固定接触子4を用いた場
合、電流の増大に伴って広がるアークスポットを、ほぼ
可動接点2および可動導体1aの可動接点2より端子部
5側の部位1cの面積に制限することができるので、ア
ーク電圧を上昇させることが可能となる。
【0083】 さらに、前記可動導体1aの部位1bを上
方に後退させると、図28(b)に示すように、アーク
発弧直後におけるスリット40の一方の端部42と可動
導体1aとの距離dを長くすることが可能となり、前記
スリット40の一方の端部42と可動導体1aとの間で
の絶縁破壊に伴うアーク電圧の低下を防ぐことが可能と
なる。
【0084】 実施例22. 図29(a)はこの発明の実施例22による可動接触子
の側面図、図29(b)図29(a)のB−B線断面
図である。この実施例による可動接触子1は、可動導体
1aの幅を可動接点2の幅より狭くした構成となってい
る。この実施例によれば、短絡電流の遮断動作時におい
て、可動接触子1は開離方向に大きな電磁力を受け加速
される。
【0085】 一般に高速に加速された可動接触子1は容
器の一部に設けられたストッパに衝突して停止する。こ
の時、可動接触子1は衝撃的な力を受けるので、機械的
強度が不足している場合、可動導体1aが変形すること
がある。
【0086】 可動接触子1の機械的強度を上げるには、
可動導体1aの断面を大きくすればよいが、可動導体1
aの幅を大きくすると、スリット40の幅が大きくなっ
て限流性能の低下につながる。
【0087】 そこで、図29のように、可動導体1aの
左右方向の幅を可動接点2の左右方向の幅より小さく
し、可動導体1aの上下方向の幅にて通電に必要な断面
積および十分な機械的強度を確保するような可動接触子
1の形状が好ましいと考えられる。
【0088】 通常、可動接点2は、ろう付け加工により
固着されているが、前述のような可動接触子1の形状に
すると、可動接点2が脱落するのを防止できる。また、
スリット40の幅が小さい程、スリット40の絶縁物の
蒸気によるアーク冷却作用およびアーク断面制限作用
が大きくなって限流性能が上昇することを先に述べた
が、前記アーク冷却作用を増大させるに伴い大量の蒸気
が発生するので、容器内の圧力が増大し、容器が破損す
ることがある。そのため、スリット40の左右の導体の
通電容量に余裕がある場合、スリット40の幅を比較的
広くして発生圧力を低減させることが考えられる。
【0089】 スリット40の幅を広くすると、限流性能
が低下するが、可動接点2の回りに絶縁物を配して可動
接触子1側でアーク断面を制限することにより、前記限
流性能の低下を補うことができる。このように、可動接
点2の回りに絶縁物を取り付ける場合、図29のような
可動接点2の幅より幅狭い可動導体1aを用いると、可
動接触子1の幅の増加を比較的小さく抑えて絶縁物を取
り付けることが可能になる。
【0090】 上述した図3の実施例では、可動接触子1
の略中央にスリット40を設け、第1導体部4aおよび
第3導体部4dを左右に配置している。このように、2
つの電流経路が略平行に存在する場合の前記電流経路を
流れる電流をつくる磁場の一般的な特性について、以下
に説明する。
【0091】 図30(a)は、可動接触子の回動面左右
の2つの電流経路につくる磁場特性を説明するための簡
略図である。同図(a)において、zx面が可動接触子
の軌跡を含む面に相当し、端子部はx軸の正方向に、可
動接触子の回動中心はx軸の負の方向に、可動接点はz
軸の正方向にそれぞれ位置し、固定接触子の左右導体4
3a,43bの電流路の中心線はxy平面上に2a距離
にて平行に配置されており、前記左右導体43a,43
bはzx平面に対して対象であり、それらの左右導体を
流れる電流I1,I2は−x方向に流れ、大きさは等し
いとすると、y軸の正方向の時成分がアークを端子部
側(x軸の正方向)に引き延ばすように作用する。この
時、原点0とy軸上の−aの点を結ぶ線と軸上の−a
の点とz軸上の任意の点P0を結ぶ線の成す角度をθと
すると、点P0における方向磁場Byの変化は、次式
で表わされる。 By=(μI/4πa)sin(2θ) 但し、θの範囲は−90゜<θ<90゜であり、μは透
磁率、電流I=I1+I2である。
【0092】 図30(b)は、上式より、角度θとy方
向磁場Byの関係をグラフにした図である。また、図3
0(c)は、z=a・tanθの関係から図30(b)
の横軸をz軸上の長さに変換した図である。図30
(c)から分かるように、zの値が0≦z≦aの領域よ
りa<zの領域におけるzの値の増加に伴うy方向磁場
Byの変化割合が平均して小さい。例えば、y方向磁場
Byがピーク値の80%になる値は、0≦z≦aの領域
ではa/2であり、a<zの領域では2aである。以上
のような、xy平面上の平行な導体とz軸上の点P0の
位置関係を、実際の実施例にあてはめてみると、図31
のようになる。
【0093】 実施例23. 図31(a)は請求項6の発明の実施例による固定接触
子の側面図、図31(b)は図31(a)のC−C線断
面図である。この実施例では、前記C−C線断面をyz
平面とし、P1,P2を左右の第1導体部4aの各断面
の重心とし、点P0を固定接点3表面の中心としてい
る。ここで、角度θが45゜以上(a≦P0(z))に
なるように固定接触子4を構成した場合、スリット40
の左右の導体部を流れる電流によるy方向磁場Byが最
大となる点Pmaxは、固定接点表面より上方のz軸上
に位置し、さらに、前記左右導体部の電流によるy方向
磁場Byは固定接点3表面においてもピーク値とあまり
変わらない大きさになる。
【0094】 つまり、前記角度θを45゜以上(a≦
(z))に構成することにより、固定接点表面上およ
びその上方近傍の空間のアーク引き延ばし力を増大させ
ることができ、アーク電圧の立ち上がりを改善できる。
【0095】 ところが、角度θを45゜以上(a≦P0
(z))にすると、第2導体部の電流路にも大きなy方
向磁場Byが働き、前記電流路を構成する導体部は下方
に電磁力を受ける。また、第1導体部は、前記第2導体
部の電流路に働く電磁力の反作用として斜め上方に電磁
力を受ける。そのため、外形寸法、材料コスト、加工技
術などの制限から固定接触子に十分な強度を持たすこと
ができない場合、前記電磁力により固定接触子が変形す
ることが考えられる。
【0096】 そこで、電流を遮断するのに最低必要なア
ークを引き延ばす磁場の効果が得られる場合、前記角度
θ1,θ2を45゜未満(0<0(z)<a)とする
ことにより、前記電流路にかかるy方向磁場を調整し、
前記変形を防ぐことが可能となる。
【0097】 図1の実施例では、第3導体部4dにもス
リット40を設けているので、第3導体部4dのスリッ
ト左右の導体部について、第1導体部4aのスリット左
右の導体部と同様の磁場に関する特性が得られる。
【0098】 図32はこの発明の別の実施例による固定
接触子の一部を上方から見た図であり、第3導体部4d
のスリット左右の導体断面の重心42を結ぶ線をy軸と
し、y軸を中心としてz軸を−90゜回転させたz1軸
が固定接点3表面の中心点P0を通るように、x1y1
z1座標を定める。このとき、図30(c)におけるy
方向磁場Byとzの関係が、第3導体部4dのスリット
左右の電流がつくるy方向磁場とz1においても成立す
る。
【0099】 図32において、前記角度θ1を45゜以
上(a1≦P0(z))とすると、固定接点3より第3
導体部4d側に前記スリット40の左右導体部の電流に
よるy方向磁場Byのピークが位置し、前記左右導体部
の電流によるy方向磁場Byは固定接点3表面において
もピーク値とあまり変わらない大きさになる。また、x
1y1z1座標のy1z1平面をx1方向に第3導体部
4dの長さ範囲内にて移動させても、同様の関係が得ら
れる。
【0100】 このような理由により、角度θ1を45゜
以上(a≦P0(z))に構成すると、固定接点3面上
およびその上方近傍の空間のアーク引き延ばし力を増大
させることができ、アーク電圧の立ち上がりを改善でき
る。さらに、固定接点3より可動接触子の回動中心側に
前記y方向磁場Byの強度のピークがあるので、アーク
が機構部側に広がり難く、機構部側への熱流を減少させ
ることができる。また、固定接点3より端子部5側にア
ークランナーを設けている場合(固定接点3より端子部
5側に第2導体部4eの導体が延びている場合、固定接
点より端子部側の第2導体部の部位をアークランナーと
みなす)、アークスポットは固定接点3から端子部5側
のアークランナーへと駆動されるが、アークスポットが
アークランナーに移っても、前記y方向磁場Byは余り
減少しないので、素早いアーク駆動が可能になると共
に、アークランナーの先端でアークが効果的に引き延ば
される。このように、アークをアークランナーに移して
アークを引き延ばすことにより、固定接点の消耗を低減
できる。
【0101】 ところが、前記アークランナーが存在する
場合の遮断性能に注目すると、角度θを45゜未満(0
<P0(z)<a1)にする方が好ましい場合が存在す
る。通常電流を遮断する直前のアークはアークランナー
先端に位置しており、その位置におけるアークを電磁力
により如何に引き延ばすかが遮断性能に重要な影響を与
える。
【0102】 特に、回路電圧が比較的高電圧であり、遮
断する電流値が比較的小さい場合、遮断直前においてア
ークを電磁力で引き延ばす必要がある。そこで、角度θ
1を45゜未満(0<P0(z)<a1)とし、アーク
ランナーの先端近傍における第3導体部4dのスリット
40左右の導体部の電流がつくるy方向磁場Byが最大
になるように配置することにより、前記遮断条件におい
ても遮断性能の向上が図れる。
【0103】 実施例24. 図33はこの発明の更に異なった別の実施例による固定
接触子を示す斜視図である。この実施例では、第1導体
部4aおよび第3導体部4dにスリット40を設け、且
つ第2導体部4eと第3導体羽4dの接続部位より上方
に配置している。このようにすると、図20,図21の
実施例のように、第3導体部4dを長くすることが可能
となり、アークを端子部5側に押し出す力が大きくな
る。
【0104】 図34(a)は図33の固定接触子の側面
図、図34(b)は図34(a)のC1−C1線断面
図、図34(c)は図34(a)のC2−C2線断面図
である。この実施例の固定接触子4では、角度θおよび
θ1が略45゜になるように、固定接点3表面の中心点
P0を配置することにより、固定接点3表面でのy方向
磁場成分をより増大させることが可能となる。
【0105】 実施例25. 図35(a)はこの発明の他の実施例による固定接触子
の斜視図、図35(b)は図35(a)の固定接触子を
絶縁した状態の斜視図である。前記図3の固定接触子4
では、第1導体部4aと第3導体部4dとに跨ってスリ
ット40を設けたが、この実施例25の固定接触子4
は、第3導体部4dにスリット40を殆ど設けない形状
としている。このように、第3導体部4dのスリット4
0をなくすと、可動接触子1の回動中心14側への熱流
を防ぐことができると共に、第3導体部4dの電流によ
るアーク引き延ばし作用を増大させることができる。
【0106】 実施例26. 図36はこの発明の別の実施例による固定接触子の斜視
図である。この実施例による固定接触子4は、第1導体
部4aと第3導体部4dおよび第2導体部4eの一部に
スリット40を設けた形状構成としている。このように
スリット40を設けることによって、固定接触子4の曲
げ加工が行い易くなる。
【0107】 実施例27. 図37はこの発明の更に別の実施例による固定接触子の
斜視図である。この実施例による固定接触子4は、第1
導体部4aの第3導体部4d側を斜めに形成した形状構
成としている。そして、前記第1導体部4aと第3導体
部4dおよび第2導体部4eの一部に図36の場合と同
様にスリット40を設けている。従って、この実施例2
7にあっても、上記実施例26の場合と同様の効果が得
られる。
【0108】 実施例28. 図38はこの発明の更に異なった実施例による固定接触
子の斜視図である。この実施例では、固定接触子のス
リット40の奥部を被覆する絶縁物15aの高さを高く
構成している。このように構成すると、端子部5側に引
き延ばされたアークが押し付けられる絶縁物の面積が多
くなり、アークを冷却する効果が増大し、アーク電圧が
上昇するので、限流性能が向上する。また、排気孔から
端子部5側に引き出すホットガスが端子部5に触れるの
を防止でき、可動接触子1と端子部5との間でのアーク
の発弧に伴うアーク電圧の低下を防止できる。
【0109】 なお、上記実施例では、回路遮断器の場合
について説明したが、他の開閉器であってもよく、上記
実施例と同様の効果が得られる。
【0110】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、接点開離直後には固定接触子の全ての電流経路がア
ークを端子部側に引き延ばす電磁力を発生し、急激にア
ーク電圧を立ち上げることができ、さらに、可動接触子
の開離距離が増大しても、スリットの絶縁物によるアー
ク冷却作用により高いアーク電圧を発生、維持できるよ
うに構成したので、優れた限流性能を持った開閉器が得
られる効果がある。
【0111】 請求項2の発明によれば、固定接触子がほ
ぼU字形状をなしていることにより、その固定接触子の
成形加工が頗る容易である。また、前記固定接触子にお
ける固定接点の固着面より上方に位置する導体部位に可
動接触子の開閉動作を許容するスリットを設けたことに
より、前記可動接触子の開閉動作が前記固定接触子によ
って妨げられる恐れがないという効果がある。
【0112】 請求項3の発明によれば、端子部を第1導
体部と面一もしくは上方に配置したので、端子部を流れ
る電流により接点開離直後にアークを引き延ばすことが
でき、限流性能がさらに向上する効果がある。また、端
子部を第1導体部より上方に配置すると、比較的高い電
圧の回路遮断性能が向上する効果がある。さらに、端子
部もしくは端子部の一部を、第1導体部より下方に配置
したので、高いアーク電圧を維持でき、短絡電流遮断時
の通過エネルギーを小さく抑える効果がある。また、端
子部を第1導体部より下方かつ固定接点接触面より上方
に配置したことによって、端子部の電流により固定接点
表面近傍のアークを引き延ばすことができ、限流性能が
向上する効果がある。
【0113】 請求項4の発明によれば、第2導体部の固
定接点の位置より端子部と反対側の部位に、閉成時の可
動接触子と略平行な部分を持つように構成したので、電
磁力による可動接触子の開極速度の立ち上がりが上昇
し、一層限流性能が向上する効果がある。
【0114】 請求項5の発明によれば、第1導体部に鈍
角かつ固定接点の反対側に凸の屈曲部を設けるか、第1
導体部と第3導体部を鈍角の屈曲部を介して連続させる
か、もしくは第3導体部を端子部と反対側に凸の曲線に
て構成することにより、固定接点表面でのアークを引き
延ばす磁場成分を増大させることができ、さらに、限流
性能が向上する効果がある。また、第3導体部を端子部
と反対側に凸の曲線にて構成したことにより、通電容量
が大きな開閉器における固定接触子においても容易に加
工することが可能となる効果がある。
【0115】 請求項6の発明によれば、可動接触子の開
閉動作を妨げないように、可動接触子が描く軌跡を含む
面に沿ったスリットを有する第1導体部を備え、固定接
点表面の中心点P0を含み、且つ、前記軌跡を含む面お
よび前記第1導体部の電流路に垂直な断面において、前
記スリット左右の各々の第1導体部断面の重心P1とP
2を結ぶ線と、前記中心点P0と前記重心P1および重
心P2を各々結ぶ線の成す前記軌跡を含む面側の角度θ
1とθ245゜未満にしたので、固定接触子の各部位
にかかる電磁力を小さくでき、十分な機械的強度が得ら
れない場合の固定接触子の変形を防ぐ効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例による回路遮断器の
閉成状態を示す消弧部の側面図である。
【図2】図1の回路遮断の開成状態を示す側面図であ
る。
【図3】図3(a)は図1の固定接触子を示す斜視図で
ある。 図3(b)は図3(a)の固定接触子を絶縁した状態を
示す斜視図である。
【図4】図1の回路遮断器の接点開離直後の状態を示す
動作説明図である。
【図5】図5(a)は図2の固定接触子を流れる電流が
発生する磁場強度分布の説明図である。 図5(b)は図5(a)のA−A線断面図である。 図5(c)は図5(b)のZ軸上において固定接触子を
流れる電流がつくる磁場強度分布を示すグラフ図であ
る。
【図6】図1の回路遮断器の可動接触子の最大開離状態
を示す動作説明図である。
【図7】図7(a)は請求項1の他の実施例による固定
接触子の斜視図である。 図7(b)は図7(a)の固定接触子を絶縁した状態の
斜視図である。
【図8】図8(a)は図7(b)の固定接触子を採用し
た回路遮断器の接点開離直後の状態を示す主要部の側面
図である。 図8(b)は図8(a)の接点最大開離状態を示す主要
部の側面図である。
【図9】請求項3の発明の一実施例による要部の側面図
である。
【図10】請求項3の発明の他の実施例による要部の側
面図である。
【図11】請求項3の発明の別の実施例による要部の側
面図である。
【図12】実施例6による主要部の側面図である。
【図13】実施例6による主要部の側面図である。
【図14】請求項4の発明の一実施例による主要部の側
面図である。
【図15】請求項5の発明の一実施例による主要部の側
面図である。
【図16】実施例9による主要部の側面図である。
【図17】実施例10による主要部の側面図である。
【図18】図18(a)は実施例11による接点開離直
後の状態を示す主要部の側面図である。 図18(b)は図18(a)の接点最大開離状態を示す
主要部の側面図である。
【図19】実施例12による主要部の側面図である。
【図20】実施例13による主要部の側面図である。
【図21】実施例14による主要部の側面図である。
【図22】実施例15による主要部の側面図である。
【図23】図22の第2導体部を上方から見た図であ
る。
【図24】図24(a)は実施例16による可動接触子
と固定接触子を上方から見た図である。 図24(b)は図24(a)の側面図である。
【図25】実施例17による可動接触子と固定接触子を
上方から見た図である。
【図26】実施例18による可動接触子と固定接触子を
上方から見た図である。
【図27】実施例20による可動接触子の側面図であ
る。
【図28】図28(a)は実施例21による主要部の平
面図である。 図28(b)は図28(a)の側面図である。
【図29】図29(a)は実施例22による可動接触子
の側面図である。 図29(b)は図29(a)のB−B線断面図である。
【図30】図30(a)は平行電流の対称面における一
般的な磁場特性の説明図である。 図30(b)は図30(c)における角度θとy方向磁
場Byとの関係を表わすグラフ図である。 図30(c)はz=a・tanθの関係から図30
(b)の横軸をz軸上の長さに変換したグラフ図であ
る。
【図31】図31(a)は請求項6の発明の一実施例に
よる固定接触子の側面図である。 図31(b)は図31(a)のC−C線断面図である。
【図32】の発明の別の実施例による固定接触子の一
部を上方から見た図である。
【図33】この発明の別の実施例による固定接触子の斜
視図である。
【図34】図34(a)は図33の固定接触子の側面図
である。 図34(b)は図34(a)のC1−C1線断面図であ
る。 図34(c)は図34(a)のC2−C2線断面図であ
る。
【図35】図35(a)はこの発明の更に別の実施例に
よる固定接触子の斜視図である。 図35(b)は図35(a)の固定接触子を絶縁した状
態を示す斜視図である。
【図36】この発明の更に他の実施例による固定接触子
の斜視図である。
【図37】図36の固定接触子の変形例を示す斜視図で
ある。
【図38】この発明の異なった実施例による固定接触子
の斜視図である。
【図39】従来の回路遮断器の開成状態を示す側面図で
ある。
【図40】図39の回路遮断器の接点開離直後の状態を
示す側面図である。
【図41】図40の回路遮断器における可動接触子の最
大開離状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 可動接触子 2 可動接点 3 固定接点 4 固定接触子 4a 第1導体部 4d 第3導体部 4e 第2導体部 5 端子部 15 絶縁物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仁科 健一 福山市緑町1番8号 三菱電機株式会社 福山製作所内 (72)発明者 山県 伸示 福山市緑町1番8号 三菱電機株式会社 福山製作所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 9/34 H01H 9/36 H01H 73/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部に可動接点を有する可動接触子
    と、この可動接触子の開閉動作で前記可動接点と接離可
    能な固定接点を一端部に有する固定接触子と、この固定
    接触子の他端部に接続する端子部とを備えた開閉器にお
    いて、接点閉成状態の前記可動接点が前記固定接点から
    開離する方向を上方とした時、前記固定接触子を、前記
    端子部と接続する第1導体部、前記固定接点を有する第
    2導体部、及び第1導体部と第2導体部を上下方向に接
    続する第3導体部で構成し、第3導体部を前記固定接点
    の位置より可動接触子の可動接点が設けられていない他
    端部側で且つ前記端子部の反対側に配置し、第1導体部
    を、前記接点閉成時の該接点接触面より上方に配置する
    と共に、前記接点開成時に前記可動接点の接触面より下
    方に配置し、前記接点開成時に前記可動接点表面から見
    渡せる前記第1導体部の部位を絶縁物で被覆したことを
    特徴とする開閉器。
  2. 【請求項2】 前記固定接触子は、ほぼU字形状をなし
    た接続導体部位を有し、そのU字形状の一端部の内側に
    固定接点が固着され、且つ、前記U字形状の他端部に端
    子部が接続されているもので、前記固定接点の固着面よ
    り上方に位置する接続導体の部位には、前記固定接触子
    に対する可動接触子の開閉動作を許容するためのスリッ
    トが設けられていることを特徴とする請求項1記載の開
    閉器。
  3. 【請求項3】 前記固定接触子に接続する端子部は、前
    記第1導体部と面一、または、その第1導体部より上
    方、もしくは、前記第1導体部より下方に位置するよう
    に形成され、前記第1導体部の下方に位置する端子部
    は、接点閉成状態の時の接点接触面より上方に位置して
    いることを特徴とする請求項1記載の開閉器。
  4. 【請求項4】 前記固定接触子は、端子部と固定接点を
    接続する接続導体のうち、固定接点にすぐ接続される部
    分で、固定接点の位置より端子部と反対側に、閉時の
    可動接触子とほぼ平行な部分を持っていることを特徴と
    する請求項1記載の開閉器。
  5. 【請求項5】 前記固定接触子は、端子部と固定接触子
    とを接続する第1導体部に、鈍角で且つ固定接点の反対
    側に凸の屈曲部が設けられ、前記第1導体部の前記屈曲
    部より端子部側の部位を固定接点が固着された第2導体
    部とほぼ平行させたことを特徴とする請求項1記載の開
    閉器。
  6. 【請求項6】 前記固定接触子は、前記可動接触子が開
    閉動作で描く軌跡を含む面に沿ったスリットを有する第
    1導体部を備え、固定接点表面の中心点P0を含み、か
    つ前記軌跡を含む面および前記第1導体部の電流路に垂
    直な断面において、前記スリット左右の各々の第1導体
    部断面の重心P1とP2を各々結ぶ線と、前記中心点P
    0と前記重心P1および重心P2を各々結ぶ線の成す前
    記軌跡を含む面側の角度θ1とθ2が45°未満になる
    ように配置したことを特徴とする請求項1記載の開閉
    器。
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