JP3030603B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

Info

Publication number
JP3030603B2
JP3030603B2 JP6337706A JP33770694A JP3030603B2 JP 3030603 B2 JP3030603 B2 JP 3030603B2 JP 6337706 A JP6337706 A JP 6337706A JP 33770694 A JP33770694 A JP 33770694A JP 3030603 B2 JP3030603 B2 JP 3030603B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
alumina
image
fine powder
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6337706A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08184988A (ja
Inventor
誠 神林
育 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP6337706A priority Critical patent/JP3030603B2/ja
Priority to US08/579,729 priority patent/US5607806A/en
Priority to DE69512882T priority patent/DE69512882T2/de
Priority to EP95309503A priority patent/EP0720065B1/en
Publication of JPH08184988A publication Critical patent/JPH08184988A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3030603B2 publication Critical patent/JP3030603B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真,静電記録,
静電印刷等における静電荷像を現像するための乾式の静
電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】静電手段によって光導電材料の表面に像
を形成し、トナーにより現像することは従来周知であ
る。
【0003】即ち、米国特許第2,297,691号明
細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−
24748号公報等、多数の方法が知られているが、一
般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体
上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像上にトナーと呼
ばれる極く微細に粉砕された検電材料を付着させること
によって静電潜像に相当するトナー像を形成する。
【0004】次いで必要に応じて紙の如き画像支持体表
面にトナーを転写した後、加熱,加圧或は溶剤蒸気など
により定着し複写物を得るものである。また、トナー画
像を転写する工程を有する場合には、通常残余のトナー
を除去するための工程が設けられる。
【0005】電気的潜像をトナーを用いて可視化する現
像方法は、例えば、米国特許第2,221,776号明
細書に記載されている粉末雲法、同第2,618,55
2号明細書に記載されているカスケード現像法、同第
2,874,063号明細書に記載されている磁気ブラ
シ法、及び同第3,909,258号明細書に記載され
ている導電性磁性トナーを用いる方法などが知られてい
る。
【0006】これらの現像法に適用されるトナーとして
は一般には熱可塑性樹脂に着色剤を混合分散後、微粉化
した着色剤含有樹脂粒子が用いられる。熱可塑性樹脂と
しては、ポリスチレン系樹脂が最も一般的であるが、ポ
リエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、
ウレタン系樹脂等も用いられる。着色剤としてはカーボ
ンブラックが最も広く使用され、また磁性トナーの場合
は、酸化鉄系の黒色の磁性粉が多く用いられる。いわゆ
る二成分系現像剤を用いる方式の場合には、トナーは通
常ガラスビーズ,鉄粉,フェライト粉などのキャリア粒
子と混合されて用いられる。
【0007】紙などの最終複写画像形成部材上のトナー
像は、熱,圧力等により支持体上に永久的に定着され
る。従来より、この定着工程は熱によるものが多く採用
されている。
【0008】また、トナー画像を転写する工程を有する
場合には、通常、感光体上の残余のトナーを除去するた
めの工程が設けられる。
【0009】近年、複写機等においてモノカラー複写か
らフルカラー複写への展開が急速に進みつつあり、2色
カラー複写機やフルカラー複写機の検討及び実用化も大
きくなされている。例えば「電子写真学会誌」Vol
22,No.1(1983)や「電子写真学会誌」Vo
l 25,No.1,P52(1986)のごとく色再
現性、階調再現性の報告もある。
【0010】しかしテレビ、写真、カラー印刷物のよう
に実物と直ちに対比されることはなく、また、実物より
も美しく加工されたカラー画像を見なれた人々にとって
は、現在実用化されているフルカラー電子写真画像は必
ずしも満足しうるものとはなっていない。
【0011】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの
3色のカラートナーを用いて全ての色の再現を行うもの
である。
【0012】その方法は、まず原稿からの光をトナーの
色と補色の関係にある色分解光透過フィルターを通して
光導電層上に静電潜像を形成させ、次いで現像、転写工
程を経てトナーを支持体に保持させる。この工程を順次
複数回行い、レジストレーションを合わせつつ、同一支
持体上にトナーを重ね合わせた後、一回の定着によって
最終のフルカラー画像を得る。
【0013】一般に現像剤がトナーとキャリアとからな
るいわゆる二成分系の現像方式の場合において現像剤
は、キャリアとの摩擦によってトナーを所要の帯電量及
び帯電極性に帯電せしめ、静電引力を利用して静電像を
現像するものであり、従って良好な可視画像を得るため
には、主としてキャリアとの関係によって定まるトナー
の摩擦帯電性が良好であることが必要である。
【0014】今日上記の様な問題に対してキャリアコア
剤、キャリアコート剤の探索やコート量の最適化、或は
トナーに加える電荷制御剤、流動性付与剤の検討、更に
は母体となるバインダーの改良などいずれも現像剤を構
成するあらゆる材料において優れた摩擦帯電性を達成す
べく多くの研究がなされている。
【0015】例えば帯電性微粒子の如き帯電補助剤をト
ナーに添加する技術として、特公昭52−32256号
公報、特開昭56−64352号公報には、トナーと逆
極性の樹脂微粉末を、また特開昭61−160760号
公報にはフッ素含有化合物をそれぞれ現像剤に添加し、
安定した摩擦帯電性を得るという技術が提案されており
今日でも多くの帯電補助剤の開発が行なわれている。
【0016】更に上記の如き帯電補助剤を添加する手法
としては色々工夫されている。例えばトナー粒子と帯電
補助剤との静電力或いは、ファンデルワールス力等によ
りトナー粒子表面に付着せしめる手法が一般的であり、
撹拌、混合機等が用いられる。しかしながら、該手法に
おいては均一に添加剤をトナー粒子表面に分散させるこ
とは容易ではなく、またトナー粒子に未付着で添加剤同
士が凝集物となって、いわゆる遊離状態となった添加剤
の存在を避けることは困難である。この傾向は、帯電補
助剤の比電気抵抗が大きいほど、粒径が細かいほど顕著
となってくる。この様な場合、トナーの性能に影響が出
てくる。例えば、摩擦帯電量が不安定となり画像濃度が
一定せず、またカブリの多い画像となる。
【0017】或いは連続コピー等を行うと帯電補助剤の
含有量が変化し、初期時の画像品質を保持することが出
来ない、などの問題点を有していた。
【0018】他の添加手法としては、トナーの製造時に
結着樹脂や着色剤と共に、あらかじめ帯電補助剤を添加
する手法がある。しかしながら、荷電制御剤の均一化が
容易でないこと、また実質的に帯電性に寄与するのは、
トナー粒子表面近傍のものであり、また粒子内部に存在
する帯電補助剤や荷電制御剤は帯電性に寄与しないた
め、帯電補助剤の添加量や表面への分散量等のコントロ
ールが容易ではない。また、この様な手法で得られたト
ナーにおいてもトナーの摩擦帯電量が不安定であり、前
述の如く現像剤特性を満足するものを容易に得ることは
出来ないなど、帯電補助剤を使用するだけでは十分満足
な品質のものが得られていないのが実情である。
【0019】トナー粒子に外添剤を付与して、トナーの
摩擦帯電性を安定化することが提案されている。例え
ば、疎水化処理したアルミナを使用することは、特開昭
61−275862号公報,特開昭61−275863
号公報等に提案されている。これらはアミノ変性シリコ
ーンオイルにより被覆されたアルミナであり、処理後の
アルミナ粒子の凝集が避けられず、トナーに高流動性を
付与することは困難である。
【0020】また、疎水化処理したアルミナを用いるこ
とは、特開昭62−8164号公報,特開昭62−12
9860号公報,特開昭62−129866号公報,特
開昭62−209538号公報,特開平4−34516
8号公報,特開平4−345169号公報に提案されて
いる。しかしながら、これらは、均一疎水化処理するた
めのアルミナ粒子の表面活性ならびに結晶構造等に関し
ては一切言及しておらず、またこれらは主に帯電の安定
化のために使われているにすぎず、シリカ等と併用する
ことによってトナーに高い流動性を付与しており、アル
ミナ自身による高流動性の付与という点において改善す
べき点である。
【0021】さらに、特開平2−251970号公報に
は、カップリング剤による表面処理が施された外部滑性
剤としてアルミナも記載されているが、通常のアルミナ
を処理しただけでは特に高温高湿下での帯電安定化に問
題が生じやすく、必ずしも帯電の安定化の点で満足のい
くものではなかった。
【0022】また、疎水化処理したアルミナ微粉体を用
いて、流動性の確保と帯電の安定化、特に低温低湿下で
の過帯電防止を目的として特開平4−280254号公
報,特開平4−280255号公報,特開平4−345
169号公報に、疎水化度40%以上のアルミナ微粉体
が提案されている。確かに帯電の安定化には効果がある
ものの、やはりシリカ等の高BET比表面積の微粉体と
比較して、流動性付与の点でさらなる改善が求められる
ところであり、均一処理が施されており、なおかつ凝集
粒子が少なく高BET比表面積を維持した疎水化アルミ
ナ微粉体が強く求められている。
【0023】さらに特開平3−191363号公報に、
疎水性γ晶アルミナ研磨物質を含有するトナーの記載が
あるが、これは従来から示されているアルミナの研磨効
果を非晶質シリコンの感光体を用いた時に均一かつ効果
的に発揮されるべく検討されたものであり、流動性の付
与と帯電安定化の2つの機能を同時に満足するアルミナ
微粉体とは性質を異にするものである。
【0024】更に近年、複写機の高精細,高画質化の要
求が市場では高まっており、当該技術分野では、トナー
の粒径を細かくして高画質カラー化を達成しようという
試みがなされているが、粒径が細かくなると単位重量当
りの表面積が増え、トナーの帯電量が大きくなる傾向に
あり、画像濃度薄や、耐久劣化が懸念されるところであ
る。加えて、トナーの帯電量が大きいために、トナー同
士の付着力が強く、流動性が低下し、トナー補給の安定
性や補給トナーへのトリボ付与に問題が生じてくる。
【0025】また、カラートナーの場合は、磁性体やカ
ーボンブラック等の導電性物質を含まないので、帯電を
リークする部分がなく一般に帯電量が大きくなる傾向に
ある。この傾向は、特に帯電性能の高いポリエステル系
バインダーを使用した時により顕著である。
【0026】特にカラートナーにおいては、下記に示す
ような特性が強く望まれている。 (1)定着したトナーは、光に対して乱反射して、色再
現を妨げることのないように、トナー粒子の形が判別出
来ないほどのほぼ完全溶融に近い状態となることが必要
である。 (2)そのトナー層の下にある異なった色調のトナー層
を妨げない透明性を有する着色トナーでなければならな
い。 (3)構成する各トナーはバランスのとれた色相及び分
光反射特性と十分な彩度を有しなければならない。
【0027】このような観点から多くの結着樹脂に関す
る検討がなされており、上記の特性を満足するトナーが
待望されている。今日当該技術分野においてはポリエス
テル系の樹脂がカラー用結着樹脂として多く用いられて
いるが、ポリエステル系樹脂からなるトナーは一般に温
度及び/又は湿度の影響を受け易く、低湿下での帯電量
過大、高湿下での帯電量不足といった問題が起こり、広
範な環境においても安定した帯電量を有するカラートナ
ーの開発が急務とされている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決した静電荷像現像用トナーを提供す
ることにある。
【0029】すなわち、本発明の目的は、カブリのない
鮮明な画像特性を有し、且つ耐久安定性に優れた静電荷
像現像用トナーを提供することにある。
【0030】本発明の更なる目的は、流動性に優れ、且
つ現像忠実性と転写性に優れた静電荷像現像用トナーを
提供することにある。
【0031】本発明の更なる目的は、温度及び/又は湿
度等の環境に左右されにくく、安定した摩擦帯電性を有
する静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0032】本発明の更なる目的は、クリーニング性が
良好であり、感光体へのフィルミング、または汚染の少
ない静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0033】本発明の更なる目的は、定着性に優れ、O
HP透明性にも優れた静電荷像現像用トナーを提供する
ことにある。
【0034】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、トナ
ー粒子及び有機処理アルミナ粉体を少なくとも有する静
電荷像現像用トナーにおいて、有機処理アルミナ粉体
は、X線回折分析において、2θが20乃至70deg
の範囲における最大X線強度レベルIa-maxと最低X線
強度レベルIa-minとの比(Ia-max/Ia-min)が6未
満であることを特徴とする静電荷像現像用トナーに関す
る。
【0035】本発明者らは、静電荷像現像用トナーの帯
電安定化と高流動性の確保を目的として鋭意検討した結
果、外添剤として、結晶性の低い有機処理アルミナ粉体
が有効であることを知見した。
【0036】本発明で使用する有機処理アルミナ粉体
は、X線回折データより算出される、範囲20≦2θ≦
70(deg)における最大X線強度レベルIa-max
最低X線強度レベルIa-minとの比(Ia-max
a-min)が6未満であり、明確な結晶形態をとらない
ことを大きな特徴とする(添付図面の図3及び図4参
照)。
【0037】一般にα−アルミナ粉体のごとき、結晶性
のアルミナ粉体の製造法では高温での焼結あるいは加水
分解あるいは熱分解工程が必須であるため、結晶成長過
程における粒子界面での合一ならびに粒子成長が発生
し、粒径の大きなアルミナ微粉体が生成してしまう。ま
た、α−アルミナ粉体は図5に示す如く、比Ia-max
a-minの値が約67と大きい。
【0038】さらに、無水塩化アルミニウムの高温(火
焔)加水分解法によって作られるアルミナ微粉体では結
晶成長が若干抑えられ、比較的一次粒子径の細かいアル
ミナ粉体を生成することが可能であるが、高温で処理さ
れているため比Ia-max/Ia-minの値が6以上の大きな
値を示し、この場合、アルミナ粒子とアルミナ粒子との
間の凝集力が高くなりしかも表面の活性が低いため、有
機処理剤(疎水化処理剤)との処理に不利である。
【0039】それに対して本発明で使用するアルミナ粉
体は、明確な結晶形態をとらないため、すなわち結晶成
長が抑えられているため、アルミナ粒子とアルミナ粒子
との間の合一が極めて少なく、またその凝集の程度も極
めて弱い。そのため、溶液中で機械的に一次粒径となる
よう分散する際、アルミナ粒子は低エネルギーの分散で
ほぐれ易く、しかも表面の活性が高いため、均一に有機
処理が進行する。
【0040】よって、トナー粒子に良好な流動性を付与
することが可能になり、オリジナル原稿の細線再現性,
ハイライト再現性に優れた高品位のトナー画像を提供し
得る。
【0041】加えて、通常のアルミナ粉体と比較して、
粉体表面の活性Al−OH基が多く、それゆえ表面活性
が高く、有機処理剤との反応に有利であり、均一に表面
処理を施こすことができる。しかもトナー粒子に分散さ
せた場合には、良好な分散性を示し、またトナー粒子の
表面に付着せしめた時には、結着樹脂と有機処理アルミ
ナ粉体の付着力が高く、耐久によってトナー粒子表面か
ら有機処理アルミナ粉体が脱離してキャリア粒子表面や
感光ドラムを汚染するといったこともなく、長期の耐久
においても初期の特性を長く維持することが可能であ
る。
【0042】また、本発明で使用する有機処理アルミナ
微粉体は、構造水を多く含んでおり、その量はαタイプ
のアルミナと比較してはるかに多い。それゆえ、一種の
リークポイントを有する粉体としても機能し、トナー粒
子の帯電量過大を抑制する。特に低温低湿下でその効果
を発揮し、さらにまた結着樹脂としてポリエステル系樹
脂を用いた時、その効果は顕著である。さらに、トナー
粒子を小粒径化した時、その効果は顕著である。
【0043】更に、本発明で使用する有機処理アルミナ
微粉体は、一次粒子が小さくて、しかも二次凝集体を非
常に少なくすることが可能であり、フルカラー画像を形
成するためのカラートナーの外添剤に使用した場合、ト
ナー粒子への外添が均一におこなえ、可視光における光
透過性に優れ、鮮明なOHP画像が得られる。これは、
従来のアルミナ微粉体では達成し得なかったことであ
る。
【0044】本発明で使用する有機処理アルミナ粉体に
ついてさらに詳細に説明する。
【0045】X線回折データより算出される最大X線強
度レベルIa-maxと最低X線強度レベルIa-minの比I
a-max/Ia-minの値が6未満であることに加えて、さら
に、30≦2θ≦40(deg)の測定範囲内における
最大X線強度レベルIb-maxと最低X線強度レベルI
b-minとの比Ib-max/Ib-minの値が2未満であること
がより好ましい。
【0046】すなわち、Imax/Imin<6を満足するア
ルミナであっても、より高温で加水分解あるいは熱分解
したものについては、一部結晶化が進み、X線回折デー
タにおける30≦2θ≦40(deg)の範囲内に新た
なピークが出現した場合、アルミナ粒子同士の凝集力が
強まる傾向にある。これは、一部のアルミナがα化し始
めたためと考えられ、このアルミナ粉体を粒径の小さい
トナー粒子と混合して適用する場合には、流動性が低下
しやすい。
【0047】ここで、30≦2θ≦40(deg)の測
定範囲を選んだ理由は、アルミナ粒子を高温で徐々に処
理していくと、この範囲内にいくつかのピークが出現
し、さらに結晶化が進につれて、ピークはよりシャープ
になり、加えて比Ib-max/Ib-minの値はしだいに大き
くなり、やがてα−アルミナと呼ばれている明確な結晶
構造を有するアルミナ特有の回折パターンを示す様に転
移していく。
【0048】よって、一次粒子径の小さい、しかも凝集
性が低いアルミナ粉体を入手とするためにはIb-max
b-minの値が2未満であるアルミナ粉体を有機処理ア
ルミナのベースとすることが好ましい。
【0049】特に、有機処理アルミナ粉体のベースとな
るアルミナ粉体は、アルミニウムアンモニウムカーボネ
ートハイドロオキサイドを300〜1200℃の温度範
囲内で熱分解して得られるアルミナ微粉体が好ましい。
【0050】一般式 NH4AlO(OH)HCO3又は
NH4AlCO3(OH)2で示されるアルミニウムアン
モニウムカーボネートハイドロオキサイドを、例えば酸
素雰囲気下で300〜1000℃の温度範囲内で焼成し
アルミナ微粉体を得るのが好ましい。すなわち、下記式 2NH4AlCO3(OH)2→Al23+2NH3+3H
2O+2CO2 で示される化学反応の後、得られるアルミナ微粉体が好
ましい。ここで焼成温度として300〜1200℃の範
囲内の温度が選択されるのは、本発明で目的とする活性
が高くしかも高BET比表面積のアルミナが高収率で得
られるからである。
【0051】焼成温度が1200℃よりも高い場合、生
成されるアルミナ微粉体中にαアルミナの割合が急激に
増す。当然粉体は構造成長し、一次粒径は大きくなり、
BET値で示される比表面積は低下する。加えて、粉体
同士の凝結の程度が強まり、処理工程での原体の分散に
多大なエネルギーが必要となるし、こういう状態の粉体
では、いくら処理工程を最適化しても凝集粒子の少ない
微粉体は生成されにくい。
【0052】一方、焼成温度が300℃よりも低い場
合、アルミニウムアンモニウムカーボネートハイドロオ
キサイドの完全な、もしくは充分な熱分解が行なわれ
ず、生成したアルミナ中にH2O,NH3,CO2等のガ
ス成分が残存してしまう場合がある。この場合、均一に
疎水化処理しようとしても、目的とするレベルまで疎水
化度は上げられず、また見かけの疎水化度は仮に上げら
れたとしても、どうしても安定した帯電性が得られず耐
久で種々の問題が発生してしまう。
【0053】アルミニウムアンモニウムカーボネートハ
イドロオキサイドの熱処理温度は、より好ましくは30
0〜1100℃、さらに好ましくは350〜1000
℃、もっとも好ましくは400〜500℃が良い。
【0054】比Ia-max/Ia-minの値が6未満のアルミ
ナ粉体は、シラン系有機化合物で処理されていることが
好ましく、特に、溶液中においてシラン系カップリング
剤を加水分解しながら表面処理をおこなって、疎水性に
することが良い。
【0055】有機処理アルミナ粉体は、メタノール疎水
化度30〜90%を有することは環境安定性の点で好ま
しい。
【0056】シリカ微粒子がそれ自身強いネガ帯電性で
あるのに対して、アルミナ粉体は、ほぼ中性の帯電性で
あり、疎水化処理の程度によっては、目的とする帯電の
レベルにコントロールできることに起因する。従来よ
り、トナー疎水性アルミナ粉体を添加することが提案さ
れているが、アルミナ粉体は、本来、表面の活性がシリ
カに比べてはるかに低く、疎水化は必ずしも充分に行な
われなかった。そこで処理剤等を多量に使用したり、高
粘度の処理剤等を使用した場合、疎水化度は確かに上げ
られるものの、粒子同士の合一等が生じ、BET比表面
積が低下し、流動性付与能が低下するなど、帯電の安定
化と流動性付与の両立は必ずしも達成されていない。
【0057】本発明に用いられる疎水化処理剤として
は、表面改質の目的、たとえば帯電特性のコントロー
ル、さらには高湿下での帯電の安定化および反応性に応
じて適宜選択すれば良い。例えばアルキルアルコキシシ
ラン,シロキサン,シラン,シリコーンオイル等のシラ
ン系有機化合物であり、反応処理温度にて、それ自体が
熱分解しないものが良い。
【0058】特に好ましいものとしては、カップリング
剤等の揮発性を有し、疎水性基及び反応性に富んだ結合
基の双方を有している下記一般式で示されるアルキルア
ルコキシシランを用いるのが良い。
【0059】RmSiYn [式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を
示し、Yはアルキル基,ビニル基,グリシドキシ基,メ
タクリル基の如き炭化水素基を示し、nは、1〜3の整
数を示す]
【0060】例えばビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イ
ソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシ
ラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシ
シラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げ
ることができる。
【0061】より好ましくは、式Ca2a+1−Si−
(OCb2b+13[式中、aは4〜12の整数を示し、
bは1〜3の整数を示す]で示されるアルキルアルコキ
シシラン化合物が良い。
【0062】ここで一般式における、aが4より小さい
と、処理は容易となるが良好な疎水性が得られにくい。
また、aが13より大きいと疎水性は十分になるが、微
粉体同士の合一が多くなり流動性付与能が低下してしま
う傾向を示す。
【0063】また、bは3より大きいと反応性が低下し
て良好な疎水化が得られにくい。
【0064】したがって本発明において、aは好ましく
は4〜12、より好ましくは4〜8であり、bは好まし
くは1〜3、より好ましくは1〜2が良い。
【0065】その処理量は、アルミナ微粉体100重量
部に対して1〜50重量部、好ましくは3〜45重量部
とし、疎水化度を30〜90%、好ましくは40〜80
%にすれば良い。
【0066】すなわち、疎水化度は30%より小さい
と、高湿下での長期放置による帯電量低下が大きく、ハ
ード側での帯電促進の機構が必要となり、装置の複雑化
は避けられない。また、疎水化度が90%を超えると、
アルミナ微粉体自身の帯電コントロールが難しくなり、
結果として低湿下でトナーがチャージアップしやすく好
ましくない。
【0067】さらに本発明における処理アルミナ微粉体
は、流動性付与の点から平均粒径は、好ましくは0.0
02〜0.1μm、より好ましくは0.005〜0.0
5μmが良い。
【0068】平均粒径が0.1μmより大きいと、流動
性が低下し、トナーの帯電が不均一となりやすく、結果
として、トナーの飛散,カブリ等が生じやすく、高画質
な画像を生成しにくくなる。また、平均粒径が0.00
2μmより小さいと、着色剤含有樹脂粒子表面に処理ア
ルミナ微粉体が埋め込まれやすくなり、トナー劣化が早
く生じやすく、耐久性が低下しやすい。この傾向はシャ
ープメルト性のカラートナーに適用した場合、より顕著
である。また、0.002μmより小さいと、どうして
もアルミナ粒子の活性が高く、粒子同士が凝集しやすく
なり、目的とする高流動性が得られにくくなる。なお、
本発明における処理アルミナ微粉体の粒径は、透過型電
子顕微鏡により測定した。
【0069】本発明において、アルミナ微粉体の処理方
法は、溶液中でアルミナ微粉体を機械的に一次粒径とな
るように分散しながら、カップリング剤を加水分解させ
て処理する方法が効果的であるが、特に何ら限定するも
のではない。
【0070】本発明に好適な処理アルミナ微粉体の含有
量は、トナー粒子100重量部に対して0.5〜5重量
部、好ましくは0.6〜3重量部、より好ましくは0.
7〜2.5重量部である。
【0071】0.5重量部より少ないと、トナーの流動
性が低下しやすく、また逆に5重量部より多い時にはト
ナーから離脱しやすい。離脱した処理アルミナ粉体が、
キャリア表面を汚染しやすくキャリア自身の帯電付与能
を低下させたりして好ましくなく、また遊離した有機処
理アルミナ粉体は現像時に感光体表面上に飛びやすく、
クリーニング不良の原因にもなりやすい。さらにカラー
トナーとして用いる場合、有機処理アルミナ粉体が多く
含有されていると、OHPの投影像にかげりが生じ、鮮
明なものが得られなくなってしまう。
【0072】さらに本発明においては、有機処理アルミ
ナ粉体のBET比表面積が130m2/g以上、好まし
くは150m2/g以上であることが好ましい。
【0073】BET比表面積が130m2/gより小さ
い場合、結晶成長が抑制された構造を示していたとして
も、アルミナ粒子が成長して大きくなっているか、もし
くはαアルミナまで結晶変化したアルミナが一部混在し
ているので、高流動性が得られにくい。また、処理前の
未処理の段階では非常に高いBET比表面積値を示して
いたにもかかわらず、疎水化処理の工程で大きくBET
比表面積値も低下させてしまい、結果的にBET比表面
積が130m2/gより小さくなってしまったものは、
アルミナ粒子が溶液中で均一に分散されずに凝集体にな
ったまま処理剤と反応してしまったケースや、もしくは
処理剤自体が自己縮合し、一部オイル状となってアルミ
ナ粒子またはアルミナ凝集体表面に付着してしまったケ
ース等がこれに相当し、目的とする均一表面処理アルミ
ナ微粉体が得られにくい。
【0074】次にトナーの粒度分布について説明する。
【0075】本発明者らは、現像剤の画像濃度,ハイラ
イト再現性,細線再現性等について鋭意検討した結果、
トナーの重量平均粒径が3〜7μmにある時、感光体上
の潜像に対して忠実に現像可能であることと、また、粒
径4μm以下のトナー粒子の量が特にハイライト再現性
向上に大きく寄与することを見い出した。
【0076】すなわち、トナーの重量平均粒径が7μm
より大きい時は基本的に高画質化に寄与し得るトナー粒
子が少ないことを意味し、確かに高い画像濃度が得られ
易く、トナーの流動性に優れる等のメリットもあるもの
の、ドラム上微細な潜像上には忠実にトナー粒子が付着
しづらく、ハイライト再現性に乏しく、さらに充分な解
像性も得られなくなってしまう。また、必要以上の現
像、すなわちトナーの乗りすぎが起こり、トナー消費量
の増大を招きやすい傾向にもある。
【0077】逆にトナーの重量平均粒径が3μmより小
さい時にはトナーの単位重量あたりの帯電量が極端に高
くなることを意味し、濃度薄、特に低温低湿下での画像
濃度薄が顕著となる。これでは、グラフィック画像など
の画像面積比率の高い用途には不向きである。
【0078】さらに、トナーの重量平均粒径が3μmよ
り小さい時には、キャリアとの接触帯電がスムーズに行
なわれにくく、充分に帯電し得ないトナー粒子が増大
し、非画像部への飛び散り、すなわちカブリが目立つ様
になる。これに対処すべくキャリアの比表面積を稼ぐべ
くキャリアの小径化が考えられるが、重量平均粒径が3
μm未満のトナーでは、トナー自己凝集も起こり易く、
キャリアとの均一混合が短時間では達成されず、トナー
の連続補給耐久においては、どうしてもカブリトナーが
生じてしまう傾向にある。
【0079】よって本発明においては、トナーの重量平
均粒径は3〜7μmが好ましい。
【0080】また本発明のトナーは、粒径4μm以下の
トナー粒子を全トナー粒子数の10〜70個数%、好ま
しくは15〜60個数%とするのが良い。粒径4μm以
下のトナー粒子が10個数%未満であると、高画質のた
めに必須な成分である微小のトナー粒子が少ないことを
意味し、特に、コピー又はプリントアウトを続けること
によってトナーが連続的に使われるに従い、有効なトナ
ー粒子成分が減少して、トナーの粒度分布のバランスが
悪化し、画質がしだいに低下する傾向を示す。
【0081】また、粒径4μm以下のトナー粒子が70
個数%を超えると、トナー粒子相互の凝集状態が生じ易
く、本来の粒径以上のトナー粒子塊としてふるまうこと
も多くなり、その結果、荒れた画像となったり、解像性
を低下させたり、又は潜像のエッジ部と内部との濃度差
が大きくなり、中抜け気味の画像となり易く、好ましく
ない。
【0082】また、粒径8μm以上のトナー粒子が2〜
20体積%であることが良く、好ましくは3.0〜1
8.0体積%が良い。粒径8μm以上のトナー粒子が2
0体積%より多いと画質が悪化するとともに、必要以上
の現像、すなわちトナーの乗り過ぎが起こり、トナー消
費量の増大を招きやすい。一方、粒径8μm以上のトナ
ー粒子が2体積%未満であると、トナーの流動性の低下
により、画像性が低下する恐れがある。
【0083】さらに、本発明の効果をより一層向上させ
るために、トナーの帯電性,流動性を向上させる目的
で、粒径5.04μm以下のトナー粒子が40個数%乃
至90個数%、好ましくは、40個数%乃至80個数
%、また粒径10.08μm以上のトナー粒子が、0〜
6体積%、より好ましくは0〜4体積%とするのが良
い。
【0084】特に、微粒径のトナーを使いこなすために
は、流動性の向上と帯電の安定化が大きなポイントであ
り、そのどちらかが欠けていても決して良好な画像は望
めない。
【0085】それゆえ、上記のごとき粒度分布を有する
トナーの特性を最大限に引き出し、高解像度,高階調を
達成するためには、前述のごとき流動性付与能の大きな
表面処理アルミナ微粉体を外添して用いることが重要で
あり、両者の組み合わせによって良好な画像が得られ
る。
【0086】また、トナーの微粒子化によってトナー粒
子1個当たりの有する電荷は小さくなり、トナー飛散し
やすくなる傾向を示すが、本発明のアルミナ微粉体は帯
電付与能も高く、流動性向上と帯電安定化の両立が図れ
る。
【0087】さらに、本発明においては、トナーの凝集
度が2〜25%(好ましくは2〜20%、より好ましく
は2〜15%)であることが良い。
【0088】凝集度が25%を超える場合は、トナーホ
ッパーから現像器へのトナーの搬送性の低下、トナーと
キャリアとの混合不良、さらにはトナーの帯電不良等の
問題が発生しやすい。したがって、トナーを細かくし、
トナーの着色力を適正化しても、高品位な画質が得られ
にくい。
【0089】トナーの凝集度を下げる目的で、BET比
表面積の大きいシリカ微粉体を添加するのが一般的であ
るが、シリカ微粉体を添加すると、トナーの環境特性が
低下しやすく、高湿下でのトナーの帯電量の低下、低湿
下でのトナーの帯電量の増加が生じやすい。さらにシリ
カ微粉体は、それ自身が大きな負帯電性を示すので、外
添剤として用いた時、トナー粒子間の静電的凝集力が高
まり、目的とする流動性の高いトナーは得られにくい。
【0090】着色剤含有樹脂粒子に使用する結着物質と
しては、従来電子写真用トナーの結着樹脂として知られ
る各種の樹脂が用いられる。
【0091】例えば、ポリスチレン、スチレン・ブタジ
エン共重合体、スチレン・アクリル共重合体等のスチレ
ン系共重合体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体のような
エチレン系共重合体、フェノール系樹脂、エポキシ系樹
脂、アクリルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、マレイン酸系樹脂等である。
【0092】これらの樹脂の中で、特に負帯電能の高い
ポリエステル系樹脂を用いた場合本発明の効果は絶大で
ある。すなわち、ポリエステル系樹脂は、定着性にすぐ
れ、カラートナーに適している反面、負帯電能が強く帯
電が過大になりやすいが、アルミナ微粉体を用いると弊
害は改善され、優れたトナーが得られる。
【0093】特に、次式
【0094】
【化1】
【0095】(式中Rはエチレンまたはプロピレン基で
あり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+
yの平均値は2〜10である。)で代表されるビスフェ
ノール誘導体もしくは置換体をジオール成分とし、2価
以上のカルボン酸またはその酸無水物またはその低級ア
ルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えばフマ
ル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフ
タル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など)とを共
縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有
するのでより好ましい。
【0096】本発明に使用される着色剤としては、非磁
性トナーとしては公知の染顔料、例えばフタロシアニン
ブルー、インダスレンブルー、ピーコックブルー、パー
マネントレッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハ
ンザイエロー、パーマネントイエロー、ベンジジンイエ
ロー等を使用することができる。その含有量としては、
OHP用フィルムの透過性に対し敏感に反映するため
に、結着樹脂100重量部に対して12重量部以下であ
り、好ましくは0.5〜9重量部である。
【0097】また、本発明のトナーは、負帯電性、正帯
電性を限定するものではないが、負帯電性トナーをつく
る場合は、特に負荷電特性を安定化させる目的で荷電制
御剤を添加することが好ましい。負荷電制御剤としては
例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えば、ジ
−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体,アルミ
ニウム錯体又は亜鉛錯体)の如き有機金属錯体が挙げら
れる。
【0098】正帯電性のトナーをつくる場合には、正帯
電性を示す荷電制御剤として、ニグロシンやトリフェニ
ルメタン系化合物、ローダミン系染料、ポリビニルピリ
ジンなどを用いてもかまわない。また、カラートナーを
つくる場合においては、トナーの色調に影響を与えない
無色又は淡色の正荷電制御剤を用いることが良い。
【0099】本発明のトナーには必要に応じてトナーの
特性を損ねない範囲で他の添加剤を混合しても良い。そ
のような添加剤としては、例えば有機樹脂粒子、金属酸
化物の如き帯電助剤、あるいはテフロン、ステアリン酸
亜鉛、ポリフッ化ビニリデンの如き滑剤、あるいは定着
助剤(例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロ
ピレン,エステルワックスなど)が挙げられる。
【0100】本発明に係るトナー粒子を作製するには熱
可塑性樹脂を必要に応じて着色剤としての顔料又は染
料、荷電制御剤、その他の添加剤等をボールミルの如き
混合機により充分混合してから加熱ロール、ニーダー、
エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及
び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめた中に顔料又は染
料を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び厳密な分
級をおこなって本発明に係るところのトナー粒子を得る
ことが出来る。
【0101】本発明のトナーを二成分系現像剤として用
いる場合、使用されるキャリアとしては、例えば表面酸
化または未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、
マンガン、クロム、希土類等の金属およびそれらの磁性
合金または磁性酸化物及び磁性フェライトなどが使用で
きる。
【0102】キャリアがキャリアコアを被覆材で被覆し
たキャリアの場合、キャリアコアの表面を樹脂等で被覆
する方法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もし
くは懸濁せしめて塗布しキャリアコアに付着せしめる方
法、単に粉体で混合する方法等、従来公知の方法がいず
れも適用できる。
【0103】キャリアコア表面への固着物質としてはト
ナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエ
チレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリ
フッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹
脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属錯体、ス
チレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニ
ルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、
塩基性染料及びそのレーキ、シリカ微粉末、アルミナ微
粉末などを単独或は複数で用いるのが適当であるが、必
ずしもこれに制約されない。
【0104】上記化合物の処理量は、適宜決定すれば良
いが、一般には総量でキャリアに対し0.1〜30重量
%(好ましくは0.5〜20重量%)が好ましい。
【0105】キャリアの平均粒径は10〜100μm、
好ましくは20〜70μmを有することが好ましい。
【0106】特に好ましい態様としては、磁性フェライ
トであり、その表面をシリコーン樹脂またはフッ素系樹
脂とスチレン系樹脂の如き樹脂の組み合せ、例えばポリ
フッ化ビニリデンとスチレン−メチルメタアクリレート
樹脂;ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メチル
メタアクリレート樹脂、フッ素系共重合体とスチレン系
共重合体;シリコーン系樹脂などを90:10〜20:
80、好ましくは70:30〜30:70の比率の混合
物としたもので、0.01〜5重量%、好ましくは0.
1〜1重量%コーティングし250メッシュパス、40
0メッシュオンのキャリア粒子が70重量%以上ある上
記平均粒径を有するコート磁性フェライトキャリアであ
るものが挙げられる。該フッ素系共重合体としてはフッ
化ビニリデンテトラフルオロエチレン共重合体(共重合
重量比10:90〜90:10)が例示され、スチレン
系共重合体としてはスチレン−アクリル酸2−エチルヘ
キシル(共重合重量比20:80〜80:20)、スチ
レン−アクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸メ
チル(共重合重量比20〜60:5〜30:10〜5
0)が挙げられる。
【0107】上記コート磁性フェライトキャリアは粒径
分布がシャープな場合、本発明のトナーに対し好ましい
摩擦帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる
効果がある。
【0108】本発明におけるトナーと混合して二成分現
像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー
濃度として、2重量%〜15重量%、好ましくは3重量
%〜13重量%、より好ましくは4重量%〜10重量%
にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2重
量%未満では画像濃度が低くくなりやすく、15重量%
を超える場合ではカブリや機内飛散が生じやすく、現像
剤の耐用寿命が短くなる傾向にある。
【0109】次に本発明のトナーを使用して非磁性一成
分トナー現像を行う場合の現像装置の一例を説明する。
必ずしもこれに限定されるものではない。図1に、潜像
保持体上に形成された静電像を現像する装置を示す。潜
像保持体1において、潜像形成は図示しない電子写真プ
ロセス手段または静電記録手段により成される。現像剤
担持体2は、アルミニウムあるいはステンレス等からな
る非磁性スリーブからなる。非磁性一成分カラートナー
はホッパー3に貯蔵されており、供給ローラー4により
現像剤担持体2上へ供給される。供給ローラー4は現像
後の現像剤担持体2上のトナーのはぎ取りも行ってい
る。現像剤担持体2上に供給されたトナーは現像剤塗布
ブレード5によって均一かつ薄層に塗布される。現像剤
塗布ブレード5と現像剤担持体2との当接圧力は、スリ
ーブ母線方向の線圧として、3〜250g/cm、好ま
しくは10〜120g/cmが有効である。当接圧力が
3g/cmより小さい場合、トナーの均一塗布が困難に
なり、トナーの帯電量分布がブロードになり、カブリや
飛散の原因となりやすい。当接圧力が250g/cmを
超えると、トナーに大きな圧力がかかるために、トナー
同士が凝集したり、あるいは粉砕されやすく好ましくな
い。当接圧力を3〜250g/cmに調整することで小
粒径トナーの凝集を良好にほぐすことが可能になり、ト
ナーの摩擦帯電量を瞬時に立ち上げることが可能にな
る。現像剤塗布ブレード5は、所望の極性にトナーを帯
電するに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いること
が好ましい。
【0110】本発明においては、シリコーンゴム、ウレ
タンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等が好適である。
導電性ゴムを使用すれば、トナーが過剰に摩擦帯電する
のを防ぐことができて好ましい。更に必要に応じて、ブ
レード5の表面コートを行ってもよい。特に、ネガトナ
ーとして使用する場合、ポリアミド樹脂の如き正帯電性
樹脂をコートするのが好適である。
【0111】ブレード5により現像剤担持体2上にトナ
ーを薄層コートするシステムにおいては、充分な画像濃
度を得るために、現像剤担持体2上のトナー層の厚さを
現像剤担持体2と潜像保持体1との対向空隙長よりも小
さくし、この空隙に交番電場を印加することが好まし
い。図1に示すバイアス電源6により現像剤担持体2と
潜像保持体1間に交番電場または交番電場に直流電場を
重畳した現像バイアスを印加することにより、現像剤担
持体2上から潜像保持体1上のトナーの移動を容易に
し、更に良質の画像を得ることができる。
【0112】本発明のトナーをフルカラー画像形成方法
を良好に実施し得るための画像形成装置を図2を参照し
ながら説明する。
【0113】図2に示されるカラー電子写真装置は、装
置本体1の右側(図1右側)から装置本体の略中央部に
わたって設けられている転写材搬送系1と、装置本体1
の略中央部に、上記転写材搬送系Iを構成している転写
ドラム315に近接して設けられている潜像形成部II
と、上記潜像形成部IIと近接して配設されている現像
手段(すなわち回転式現像装置)IIIとに大別され
る。
【0114】上記転写材搬送系Iは、以下の様な構成と
なっている。上記装置本体1の右壁(図2右側)に開口
部が形成されており、該開口部に着脱自在な転写材供給
用トレイ302及び303が一部機外に突出して配設さ
れている。該トレイ302及び303の略直上部には給
紙用ローラー304及び305が配設され、これら給紙
用ローラー304及び305と左方に配された矢印A方
向に回転自在な転写ドラム305とを連係するように、
給紙用ローラー306及び給紙ガイド307及び308
が設けられている。上記転写ドラム315の外周面近傍
には回転方向上流側から上流側に向かって当接用ローラ
ー309、グリッパ310、転写材分離用帯電器31
1、分離爪312が順次配設されている。
【0115】上記転写ドラム315の内周側には転写帯
電器313、転写材分離用帯電器314が配設されてい
る。転写ドラム315の転写材が巻き付く部分にはポリ
弗化ビニリデンの如き、ポリマーで形成されている転写
シート(図示せず)が貼り付けられており、転写材は該
転写シート上に静電的に密着貼り付けされている。上記
転写ドラム315の右側上部には上記分離爪312と近
接して搬送ベルト手段316が配設され、該搬送ベルト
手段316の転写材搬送方向終端(右側)には定着装置
318が配設されている。該定着装置318よりもさら
に搬送方向後流には装置本体301の外へと延在し、装
置本体301に対して着脱自在な排出用トレイ317が
配設されている。
【0116】次に、上記潜像形成部IIの構成を説明す
る。図2矢印方向に回転自在な潜像担持体である感光ド
ラム(例えば、OPC感光ドラム)319が、外周面を
上記転写ドラム315の外周面と当接して配設されてい
る。上記感光ドラム319の上方でその外周面近傍に
は、該感光ドラム319の回転方向上流側から下流側に
向かって除電用帯電器320、クリーニング手段321
及び一次帯電器323が順次配設され、さらに上記感光
ドラム319の外周面上に静電潜像を形成するためのレ
ーザービームスキャナのごとき像露光手段324、及び
ミラーのごとき像露光反射手段325が配設されてい
る。
【0117】上記回転式現像装置IIIの構成は以下の
ごとくである。上記感光ドラム319の外周面と対向す
る位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」という)3
26が配設され、該回転体326中には四種類の現像装
置が周方向の四位置に搭載され、上記感光ドラム319
の外周面上に形成された静電潜像を可視化(すなわち現
像)するようになっている。上記四種類の現像装置は、
それぞれイエロー現像装置327Y、マゼンタ現像装置
327M、シアン現像装置327C及びブラック現像装
置327BKを有する。
【0118】上記したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て説明する。上述した感光ドラム319が図2矢印方向
に回転すると、該感光ドラム319上の感光体は一次帯
電器323によって帯電される。図2の装置において
は、各部動作速度(以下、プロセススピードとする)は
100mm/sec以上(例えば、130〜250mm
/sec)である。一次帯電器323による感光ドラム
319に対する帯電が行われると、原稿328のイエロ
ー画像信号にて変調されたレーザー光Eにより画像露光
が行われ、感光ドラム319上に静電潜像が形成され、
回転体326の回転によりあらかじめ現像位置に定置さ
れたイエロー現像装置327Yによって上記静電潜像の
現像が行われ、イエロートナー画像が形成される。
【0119】給紙ガイド307、給紙ローラー306、
給紙ガイド308を経由して搬送されてきた転写材は、
所定のタイミングにてグリッパ310により保持され、
当接用ローラー309と該当接用ローラー309と対向
している電極とによって静電的に転写ドラム315に巻
き付けられる。転写ドラム315は、感光ドラム319
と同期して図2矢印方向に回転しており、イエロー現像
装置327Yにより形成されたイエロートナー画像は、
上記感光ドラム319の外周面と上記転写ドラム315
の外周面とが当接している部位にて転写帯電器313に
よって転写材上に転写される。転写ドラム315はその
まま回転を継続し、次の色(図2においてはマゼンタ)
の転写に備える。
【0120】感光ドラム319は、上記除電用帯電器3
20により除電され、クリーニングブレードによるクリ
ーニング手段321によってクリーニングされた後、再
び一次帯電器323によって帯電され、次のマゼンタ画
像信号により画像露光が行われ、静電潜像が形成され
る。上記回転式現像装置は、感光ドラム319上にマゼ
ンタ画像信号による像露光により静電潜像が形成される
間に回転して、マゼンタ現像装置327Mを上述した所
定の現像位置に配置せしめ、所定のマゼンタトナーによ
り現像を行う。引き続いて、上述したごときプロセスを
それぞれシアン色及びブラック色に対しても実施し、四
色のトナー像の転写が終了すると、転写材上に形成され
た四色顕画像は各帯電器322及び314により除電さ
れ、上記グリッパ310による転写材の把持が解除され
ると共に、該転写材は、分離爪312によって転写ドラ
ム315より分離され、搬送ベルト316で定着装置3
18に送られ、熱と圧力により定着され一連のフルカラ
ープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラープリ
ント画像が転写材の一方の面に形成される。
【0121】このとき、定着装置318での定着動作速
度は、本体のプロセススピード(例えば160mm/s
ec)より遅い(例えば90mm/sec)で行われ
る。これは、トナーが二層から四層積層された未定着画
像を溶融混色させる場合、十分な加熱量をトナーに与え
なければならないためで、現像速度より遅い速度で定着
を行うことによりトナーに対する加熱量を多くしてい
る。
【0122】以下に各特性値の測定法について述べる。
【0123】トナーの粒度分布の測定 測定装置としては、コールターカウンターTA−II或
いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)
を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約
1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON
−II(コールターサイエンティフィックジャパン社
製)が使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液
100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好
ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜
5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試
料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分
散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーと
して100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の体
積及び個数を各チャンネルごとに測定して、トナーの体
積分布と個数分布とを算出する。それから、トナー粒子
の体積分布から求めた重量基準のトナーの重量平均粒径
(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表
値とする)を求める。
【0124】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μ
m;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μ
m;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μ
m;10.08〜12.70μm;12.70〜16.
00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜
25.40μm;25.40〜32.00μm;32.
00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0125】凝集度測定 試料(外添剤を有するトナー等)の流動特性を測定する
一手段として凝集度を用いるものであり、この凝集度の
値が大きいほど試料の流動性は悪いと判断する。
【0126】測定装置としては、デジタル振動計(デジ
バイブロ MODEL 1332)を有するパウダーテ
スター(細川ミクロン社製)を用いる。
【0127】測定法としては、振動台に200メッシ
ュ,100メッシュ,60メッシュのフルイを目開の狭
い順に、すなわち60メッシュフルイが最上位にくるよ
うに200メッシュ,100メッシュ,60メッシュの
フルイ順に重ねてセットする。
【0128】このセットした60メッシュフルイ上に正
確に秤量した試料5gを加え、振動台への入力電圧を2
1.7Vになるようにし、デジタル振動計の変位の値を
0.130にし、その際の振動台の振幅が60〜90μ
mの範囲に入るように調整し(レオスタット目盛約2.
5)、約15秒間振動を加える。その後、各フルイ上に
残った試料の重量を測定して下式にもとずき凝集度を算
出する。
【0129】
【数1】
【0130】尚、試料は温度23℃,湿度60%RHの
環境下で約12時間放置したものを用い、測定環境は温
度23℃,湿度60%RHである。
【0131】アルミナ微粉体の平均粒径の測定方法 一次粒子径は、アルミナ微粉体を透過電子顕微鏡で観察
し、視野中の100個の粒子径を測定して平均粒子径を
求め、トナー粒子上の分散粒子径は走査電子顕微鏡で観
察し視野中の100個のアルミナ微粉体をXMAにより
定性し、その粒子径を測定して平均粒子径を求める。
【0132】疎水化度測定 メタノール滴定試験は、疎水化された表面を有するアル
ミナ微粉体の疎水化度を確認する実験的試験である。
【0133】処理されたアルミナ微粉体の疎水化度を評
価するために本明細書において規定される“メタノール
滴定試験”は次の如く行う。供試アルミナ粉体0.2g
を容器中の水50mlに添加する。メタノールをビュー
レットからアルミナ微粉体の全量が湿潤されるまで滴定
する。この際、容器内の溶液はマグネチックスターラー
で常時撹拌する。その終点はアルミナ微粉体の全量が液
体中に懸濁されることによって観察され、疎水化度は終
点に達した際のメタノールおよび水の液状混合物中のメ
タノールの百分率として表わされる。
【0134】BET比表面積の測定方法 アルミナ微粉体のBETの実測は次のようにして行う。
【0135】BET比表面積は、湯浅アイオニクス
(株)製、全自動ガス吸着量測定装置:オートソーブ1
を使用し、吸着ガスに窒素ガスを用い、BET多点法に
より求める。なお、サンプルの前処理としては、温度5
0℃で10時間の脱気を行う。
【0136】結晶構造解析の方法 本発明においてアルミナ微粉体の結晶構造解析は次のよ
うにして行う。
【0137】X線結晶構造解析は、Cuの特性X線のK
α線を線源として用いたX線回折スペクトルにより求め
る。測定機としては、例えば強力型全自動X線回折装置
MXP18(マックサイエンス社製)が利用できる。
【0138】アルミナが明確な結晶構造を有する場合、
すなわちαタイプのアルミナである場合は2θが20〜
70degの範囲にシャープなピークが観測される。α
−アルミナのX線回折パターンの一例を図5に示す。ま
た、非晶質アルミナのX線回折パターンの一例を図4に
示し、γ−アルミナのX線回折パターンの一例を図3に
示す。
【0139】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。
【0140】有機処理アルミナ微粉体の合成例1 2M重炭酸アンモニウム溶液に、0.2Mアンモニウム
明バン溶液を、液温を35℃に保ちながら滴下し、攪拌
しながら反応させ、こうして生成及び熟成させたNH4
AlCO3(OH)2結晶を、濾過,乾燥後、約650℃
で加熱処理し、アルミナ微粉体を生成した。この微粉体
のX線回折データには明確なピークが認められず、比I
a-max/Ia-minの値は3.16であった。
【0141】次に、トルエン中で上記アルミナ微粉体を
均一分散せしめた後、シラン系カップリング処理剤であ
るイソブチルトリメトキシシランをアルミナ微粉体10
0重量部に対して固型分で30重量部になる様に粒子が
合一しないように滴下混合し、加水分解反応せしめた。
その後、濾過,乾燥した後、180℃で2時間焼き付け
し、その後充分に解砕処理して、目的とする表面疎水化
処理アルミナ微粉体1を得た。この処理アルミナ微粉体
の一次粒子径は0.005μm,BET比表面積は27
0m2/g,メタノール疎水化度は63%であった。
【0142】有機処理アルミナ微粉体の比較合成例1 AlCl3を気相中にて比較的高温で処理して焼結さ
せ、比Ia-max/Ia-minの値が6.12のγタイプの親
水性アルミナ微粉体を得た後、これを合成例1と同様に
して表面疎水化処理して比較処理アルミナ微粉体1を得
た。
【0143】有機処理アルミナ微粉体の比較合成例2 合成例1で使用したNH4AlCO3(OH)2結晶を、
約1260℃で約60分間焼成し、αアルミナ微粉体を
生成した。このアルミナ微粉体はX線回折データに鋭い
明確なピークを示し、αタイプであることが確認され
た。
【0144】このαアルミナ微粉体を用いて合成例1と
同じように(但し、処理剤の量は10重量%に減らし
て)処理して、比較処理アルミナ微粉体2を入手した。
【0145】有機処理アルミナ微粉体の合成例2 合成例1で生成したNH4AlCO3(OH)2結晶を約
950℃で焼成し、アルミナ微粉体を生成した。このア
ルミナ微粉体のX線回折データには2θ=45と67
(deg)付近にブロードなピークが認められ、γ型の
結晶形態を有していた。
【0146】次にトルエン中で上記アルミナ微粉体を均
一分散せしめた後、アルミナ微粉体100重量部に対し
てノルマル−ブチルトリメトキシシランを固型分で25
重量部になる様に滴下混合し、合成例1と同様にして、
有機処理アルミナ微粉体2を生成した。
【0147】有機処理アルミナ微粉体の合成例3 合成例2においてノルマル−ブチルトリメトキシシラン
を固形分で40重量部に増量したことを除いて合成例2
と同様にして有機処理アルミナ微粉体3を得た。
【0148】有機処理アルミナ微粉体の合成例4 合成例1とほぼ同様にして生成されたNH4AlCO
3(OH)2の結晶を約1050℃で焼成し、その後充分
に解砕してアルミナ微粉体を生成した。
【0149】得られたアルミナ微粉体を合成例1と同様
にして(但し処理剤量は20重量部に減らして)有機処
理アルミナ微粉体4を得た。
【0150】有機処理アルミナ微粉体の比較合成例3 γ−アルミナ(BET比表面積130m2/g)を用い
たことを除いて合成例4と同様にして比較処理アルミナ
微粉体3を得た。
【0151】有機処理チタン微粉体の比較合成例4 高温で焼結させた一次粒子径約30nmのルチル型の親
水性酸化チタンを合成例3と同様にして処理して、比較
処理酸化チタン微粉体4を得た。
【0152】上記有機処理微粉体の物性値を表1にまと
めて示す。
【0153】実施例1 ・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を 100重量部 縮合して得られたポリエステル樹脂 ・フタロシアニン顔料 4重量部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩 4重量部
【0154】上記材料をヘンシェルミキサーにより十分
予備混合を行い、2軸式押出し機で溶融混練し、冷却後
ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次
いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。
更に得られた微粉砕物を分級して重量平均粒径約5.7
μmの着色剤含有樹脂粒子を得た。
【0155】この着色剤含有樹脂粒子100重量部と合
成例1の疎水化処理アルミナ微粉体1の1.2重量部と
をヘンシェルミキサーで混合し、シアントナーとした。
このシアントナーは、重量平均粒径が5.7μmであっ
た。着色剤含有樹脂粒子上の処理微粉体をSEMにて観
察してみると、均一にほぼ一次粒子の状態でトナー表面
に付着している様子を確認した。トナー凝集度は12%
であった。
【0156】平均粒径50μmのCu−Zn−Fe系磁
性フェライトキャリアに、スチレン50重量%およびメ
チルメタクリレート20重量%および2エチルヘキシル
アクリレート30重量%からなる共重合体を、0.5重
量%コーティングしたコートフェライトキャリア95重
量部と、シアントナー5重量部を混合し二成分系現像剤
とした。
【0157】この二成分系現像剤を用いて市販の普通紙
カラー複写機(カラーレーザーコピア550、キヤノン
製)にて現像コントラストを300Vに設定し、温度2
3℃/湿度65%RH下で画出しを行った。得られた画
像はマクベスRD918型でSPIフィルターを使用し
て反射濃度測定を行った(以後の画像濃度測定方法も同
様)。トナー画像濃度は1.62と高く、カブリもない
鮮明なものであった。以後、更に10,000枚のコピ
ーを行ったが、その間の濃度変動は0.08と小さく、
カブリ、鮮明さも初期と同様のものが得られた。低温低
湿下(温度20℃/湿度10%RH)においても現像コ
ントラストを300Vに設定し、画出しを行ったとこ
ろ、画像濃度は1.54と高く、低湿下での帯電量制御
にも効果があった。
【0158】OHP用フィルムにシアントナー像を転写
し、定着したものをオーバーヘッドプロジェクトで透光
したところ鮮明なシアン色の像がスクリーン上に投影さ
れた。
【0159】高温高湿下でも(温度30℃/湿度80%
RH)同様に現像コントラストを300Vに設定し、画
出しを行ったところ、画像濃度も1.68と非常に安定
で良好な画像が得られた。
【0160】更に23℃/60%RH、20℃/10%
RH、30℃/80%RHの各環境に1カ月間放置後の
初期画像においても、異常は認められなかった。
【0161】表2にトナーの粒度分布・凝集度を示し、
表3に画像特性を示す(以下同様)。
【0162】比較例1 未処理のアルミナ微粉体(Ia-max/Ia-min=3.1
6,Ib-max/Ib-min=1.7,BET比表面積360
2/g,一次平均粒子径=5nm,メタノール疎水化
度0%)を使用することを除いて、実施例1と同様にし
てトナー及び二成分系現像剤を調製し、高温高湿下(3
0℃/80%RH)でテストしたところ、実施例1と比
較して画像濃度が高くなり、全体的にカブリの多い画像
になった。
【0163】比較例2 表面疎水化処理した比較処理微粉体No.1を用いるこ
と以外は、実施例1と同様にしてトナー及び二成分系現
像剤を調製し、実施例1と同様にテストした。
【0164】高温高湿環境下で耐久評価したところ、初
期は帯電的にも安定していたが、耐久が進むにつれて帯
電量は低下し、トナー機内飛散が激しくなり耐久を中断
した。
【0165】比較例3 比較処理微粉体No.2を用いること以外実施例1と同
様にしてトナー及び二成分系現像剤を調製し、評価し
た。トナー凝集度は56%と高く、この傾向は比較処理
微粉体No.2の外添量を2.0重量部及び3.0重量
部と増量してもトナーの凝集度はさほど変わらなかっ
た。
【0166】また、トランスペアレンシーの透明性が低
く、鮮やかなOHP画像が得られなかった。常温常湿
(23℃/65%RH)下でもガサついたトナー画像が
生成した。
【0167】実施例2 実施例1において、フタロシアニン顔料をキナクリドン
系のマゼンタ顔料に代えたことを除いて、同様にして重
量平均粒径約6μmのトナー粒子を得た。
【0168】このトナー粒子100重量部と合成例2に
記載の有機処理アルミナ微粉体No.2を1.5重量部
用いることを除いて実施例1と同様にしてトナー及び二
成分系現像剤を調製し評価した。トナーの凝集度は16
%であり、すぐれた流動性を示した。
【0169】低温低湿環境下ではハーフトーン部の再現
性に優れた画像が得られた。長期の耐久評価を行なった
が、画像濃度も帯電量もともに安定していた。高温高湿
環境下でも特に問題は発生しなかった。
【0170】比較例4 比較処理アルミナ微粉体No.3を用いることを除いて
実施例2と同様にしてトナー及び二成分系現像剤を調製
し評価した。トナー凝集度は29%と高く、低温低湿環
境下では全体にガサついた画像が生成し、画像濃度も
1.37と低めであった。また多数枚耐久を進めるにつ
れてこの傾向はますます顕著となったので、耐久を中断
した。これはトナーの帯電量過大によるチャージアップ
と考えられる。
【0171】実施例3 処理微粉体7を用いること以外実施例2と同様にして評
価した。低温低湿環境下、並びに高温高湿環境下で耐久
を行なったが問題は発生しなかった。ただ、低温低湿環
境下で耐久を進めるにつれて、ハーフトーン部でのガサ
つきが目立ちはじめたが、充分実用レベルであった。
【0172】比較例5 処理微粉体8を用いること以外、実施例2と同様にし
て、評価した。トナー凝集度は32%と高く、耐久初期
から全体にガサついた画像が得られなかった。
【0173】処理微粉体の添加量を2.0重量部,2.
5重量部と増量するにつれてハイライト再現性は向上し
たものの、高温高湿下でのカブリ、トナー飛散が目立ち
はじめ、低温低湿環境下との両立は達成できなかった。
【0174】比較例6 処理微粉体9を用いること以外、実施例3と同様にして
評価した。耐久初期から全体にガサついた画像しか得ら
れなかった。
【0175】実施例4 実施例1に記載のトナー製造方法と同様にして、重量平
均粒径約8.5μmの着色剤含有樹脂粒子を得た。この
着色剤含有樹脂粒子100重量部と処理微粉体1の1.
0重量部とを混合してシアントナーとし、あとは実施例
1とほぼ同様にして二成分系現像剤を得た(但し、トナ
ー濃度は8%)。
【0176】この現像剤を用いて低温低湿環境下で耐久
評価した。濃度は1.63と高く、安定していたもの
の、ハイライト再現性が実施例1と比較して若干低下し
てしまった。但し、充分実用範囲内であった。
【0177】
【表1】
【0178】
【表2】
【0179】
【表3】
【0180】
【発明の効果】本発明のトナーは、結晶性の低い有機処
理アルミナ微粉体を含有することにより、流動性に優
れ、安定した帯電特性を有し、OHP透明性にも優れた
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電荷像現像用トナーを適用し得る非
磁性一成分系トナーを使用する現像装置の一具体例を示
す概略説明図である。
【図2】本発明の静電荷像現像用トナーを適用し得るフ
ルカラー複写機の一具体例を示す概略的説明図である。
【図3】アルミナのX線回折パターンを示す図である。
【図4】非晶質なアルミナのX線回折パターンを示す図
である。
【図5】α−アルミナのX線回折パターンを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 潜像保持体(感光ドラム) 2 現像剤担持体(現像スリーーブ) 3 ホッパー 4 供給ローラー 5 現像剤塗布ブレード 6 電源

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー粒子及び有機処理アルミナ粉体を
    少なくとも有する静電荷像現像用トナーにおいて、 有機処理アルミナ粉体は、X線回折分析において、2θ
    が20乃至70degの範囲における最大X線強度レベ
    ルIa-maxと最低X線強度レベルIa-minとの比(I
    a-max/Ia-min)が6未満であることを特徴とする静電
    荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 有機処理アルミナ粉体は一次粒径が0.
    002〜0.1μmである請求項1に記載の静電荷像現
    像用トナー。
  3. 【請求項3】 有機処理アルミナ粉体は、窒素ガスによ
    るBET比表面積が130m2/g以上であり、メタノ
    ール疎水化度が30〜90%である請求項1または2に
    記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 有機処理アルミナ粉体は、液状媒体中で
    疎水化処理されたアルミナ粉体である請求項1乃至3の
    いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 有機処理アルミナ粉体は、シラン系有機
    化合物で処理されている請求項1乃至4のいずれかに記
    載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 シラン系有機化合物がシラン系カップリ
    ング剤である請求項5に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 有機処理アルミナ粉体は、BET比表面
    積が150m2/g以上である請求項1乃至6に記載の
    静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 トナーは、重量平均粒径3〜7μmを有
    する請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用
    トナー。
  9. 【請求項9】 有機処理アルミナ粉体は、トナー粒子1
    00重量部当り0.5〜5重量部添加されている請求項
    1乃至8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 【請求項10】 有機処理アルミナ粉体は、2θが30
    乃至40degの範囲における最大X線強度レベルI
    b-maxと最低X線強度レベルIb-minとの比(Ib-max
    b-min)が2未満である請求項1乃至9のいずれかに
    記載の静電荷像現像用トナー。
JP6337706A 1994-12-28 1994-12-28 静電荷像現像用トナー Expired - Fee Related JP3030603B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6337706A JP3030603B2 (ja) 1994-12-28 1994-12-28 静電荷像現像用トナー
US08/579,729 US5607806A (en) 1994-12-28 1995-12-28 Toner with organically treated alumina for developing electrostatic image
DE69512882T DE69512882T2 (de) 1994-12-28 1995-12-28 Toner für die Entwicklung elektrostatischer Bilder
EP95309503A EP0720065B1 (en) 1994-12-28 1995-12-28 Toner for developing electrostatic images

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6337706A JP3030603B2 (ja) 1994-12-28 1994-12-28 静電荷像現像用トナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08184988A JPH08184988A (ja) 1996-07-16
JP3030603B2 true JP3030603B2 (ja) 2000-04-10

Family

ID=18311199

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6337706A Expired - Fee Related JP3030603B2 (ja) 1994-12-28 1994-12-28 静電荷像現像用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3030603B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1894158B (zh) * 2003-12-05 2010-05-05 株式会社Bio-Synectics 使用固体脂肪作为溶剂制备纳米级或无定形颗粒的方法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10268549A (ja) * 1997-03-25 1998-10-09 Canon Inc 電子写真用トナー
JP4543938B2 (ja) * 2005-01-21 2010-09-15 セイコーエプソン株式会社 非磁性一成分負帯電球形トナー及びカラー画像形成装置
JP4544418B2 (ja) * 2005-01-21 2010-09-15 セイコーエプソン株式会社 負帯電球形トナーの製造方法
JP2010249901A (ja) 2009-04-13 2010-11-04 Seiko Epson Corp トナー、画像形成方法および画像形成装置
US10338487B2 (en) 2017-05-15 2019-07-02 Canon Kabushiki Kaisha Toner
JP2019138987A (ja) * 2018-02-08 2019-08-22 コニカミノルタ株式会社 静電潜像現像用二成分現像剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1894158B (zh) * 2003-12-05 2010-05-05 株式会社Bio-Synectics 使用固体脂肪作为溶剂制备纳米级或无定形颗粒的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08184988A (ja) 1996-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0720065B1 (en) Toner for developing electrostatic images
EP0843224B1 (en) Toner for developing electrostatic image
JP3652161B2 (ja) トナー
JP2675950B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3030603B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2004191970A (ja) トナー
JPH086286A (ja) カラートナー及び現像剤
JP2987796B2 (ja) カラートナー
JP4311053B2 (ja) 静電潜像現像用乾式トナー、現像剤及び画像形成方法
JP3937882B2 (ja) トナー
JP3445043B2 (ja) 静電荷像現像用負帯電性カラートナー
JP2000131873A (ja) トナー
JP3748486B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2835990B2 (ja) トナー
JP3800044B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP3198367B2 (ja) トナー
JP3284486B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2967318B2 (ja) 現像剤及び現像方法
JP2992917B2 (ja) トナー
JP4040332B2 (ja) トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP4219504B2 (ja) 現像剤用トナー及び現像剤
JP3168346B2 (ja) トナー
JP4313887B2 (ja) 二成分系現像剤及びそれを用いた画像形成方法
JPH11194527A (ja) 電子写真用トナー
JP3950572B2 (ja) 電子写真用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000104

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080210

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees