JP3950572B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機半導体(OPC)からなる感光体(以下、単に「OPC感光体」という。)を像担持体として使用して画像を形成し、該画像を被転写材に転写し、一方、像担持体上の残留画像はブレードクリーニング手段にて清掃し、像担持体を繰り返し使用して画像を形成する画像形成方法に用いる電子写真用トナーに関するものであり、特に、OPC感光体を使用した電子写真方式のカラー用の複写機又はプリンタ等を用いる画像形成方法に好適に使用できる電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、像担持体としてOPC感光体を使用した電子写真方式のカラー用の複写機又はプリンタ等の画像形成装置が、数多く製造されている。通常、これらの画像形成装置は、OPC感光体上に通常の電子写真プロセスにて潜像を形成し、該潜像を現像機にて現像してトナー画像を形成し、画像転写材に転写し、可視画像を得ている。一方、像担持体上の残留画像は、クリーニング手段にて清掃し、像担持体は繰り返し使用される。クリーニング手段としては、構成において簡単であり、且つ小型であり、又、コスト面からも大変有利であるという理由から、ゴム弾性材からなるクリーニングブレードを像担持体に圧接させる構成のブレードクリーニング手段が広く使用されている。
【0003】
一般に、OPC感光体は、導電性支持体上に電荷発生材料を分散した結着剤からなる電荷発生層、電荷輸送材料を分散した結着剤からなる電荷輸送層の順に積層した構成とされ、電荷発生材料としてはフタロシアニン系顔料、アントロン顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料等の顔料、ピリジウム染料等の染料、又はシアニン色素等の色素等が使用され、又、電荷輸送材料としてはピレン、イソプロピルカルバゾール等のカルバゾール類、ヒドラジン類、ピラゾリン類、オキサゾニル系化合物、チアゾール系化合物、トリアリールメタン系化合物、ポリアリールアルカン類等が使用され、又、結着剤としては、ポリアクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、或いはこれらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマー等が使用されている。
【0004】
本発明者らの研究実験の結果によると、OPC感光体の表面の大部分を占める結着剤の温度特性によって、像担持体の摩擦係数が温度上昇に伴って上昇することがわかった。このように像担持体の摩擦係数が上昇すると、クリーニング手段のクリーニングブレードと像担持体表面との間の摩擦が大となり、特に像担持体の温度が45℃を超えると、摩擦係数が急激に増大し、クリーニングブレードが振動し始めたり、クリーニングブレードのエッジ部が破損したり、更にブレードが像担持体の運動方向に対して対向して配置された場合には、ブレードのめくれを生じたりして、クリーニング作用が著しく低下することとなった。このような問題を解決すべく現像剤中に脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛)やフッ素系化合物の微粒子を潤滑剤として外添し、現像時に像担持体表面に潤滑剤の薄層を形成することにより、像担持体表面の摩擦係数を下げようとする試みがなされた。
【0005】
しかしながら、トナー粒子と磁性粒子(キャリア)との混合物からなる、所謂、二成分系現像剤中に前記したような潤滑剤を外添した場合には、長時間の使用により、潤滑剤がキャリア表面に付着(キャリア汚染)し、トナートリボの不安定化をもたらし、地カブリ、画像濃度の低下、トナー飛散による機内汚染等の問題が発生した。特に、フルカラー複写機のように像担持体を連続的に回動させ、帯電→露光→現像→転写の画像形成プロセスを同一の被転写材に対して複数回行いフルカラー画像を得る画像形成装置においては、地カブリも複数回転写されるために極端な地カブリとなった。これに対して潤滑剤塗布手段をクリーニング手段の前後に配備し、像担持体の表面の摩擦係数を低下させることも提案されているが、装置が大型化及び複雑化する点で好ましくない。
【0006】
一方、近年、電子写真用カラー複写機等の画像形成装置が広く普及するに従い、その用途も多種多様に広がり、その画像品質への要求も厳しくなってきている。一般の写真、カタログ、地図の如き画像の複写では、微細な部分に至るまで、細線が潰れたり、途切れたりすることなく、極めて微細且つ忠実に再現することが求められている。
【0007】
又、最近、デジタルな画像信号を使用している電子写真用カラー複写機の如き画像形成装置では、潜像は一定電位のドットが集まって形成されており、ベタ部、ハーフトーン部、及びハイライト部はドット密度を変化させることによって表現されている。ところが、ドットに忠実にトナー粒子がのらず、ドットからトナー粒子がはみ出した状態では、デジタル潜像の黒部と白部のドット密度の比に対応するトナー画像の階調性が得られないという問題点がある。更に、画質を向上させるために、ドットサイズを小さくして解像度を向上させる場合には、微少なドットから形成される潜像の再現性が更に困難になり、解像度及び特にハイライト部の階調性が悪く、シャープネスさに欠けた画像となる傾向がある。
【0008】
又、画像形成の初期においては、良好な画質であるが、コピー又はプリントアウトを続けているうちに、画質が劣悪化して行くことがある。この現象は、コピー又はプリントアウトを続けるうちに、現像されやすいトナー粒子のみが先に消費され、現像性の劣ったトナー粒子が現像機中に蓄積し、残留することによって起こると考えられる。
【0009】
これまでに、画質を良くするという目的のために、幾つかの現像剤が提案されている。例えば、特開昭51−3244号公報では、粒度分布を規制して、画質の向上を意図した非磁性トナーが提案されている。該トナーにおいては8〜12μmの粒径を有するトナーが主体であり、この粒径は比較的粗く、この粒径では本発明者の検討によると、潜像への均密なる「のり」は困難であり、且つ粒径5μm以下の粒子が30個数%以下であり、粒径20μm以上の粒子が5個数%以下であるという特性があり、粒径分布はブロードであるという点も画質の均一性を低下させる傾向がある。このような粗めのトナー粒子で、且つブロードな粒度分布を有するトナーを用いて鮮明なる画像を形成するためには、トナー粒子を厚く重ねることでトナー粒子間の間隙を埋めて見かけの画像濃度を上げる必要があり、所定の画像濃度を出すために必要なトナー消費量が増加するという問題点も有している。
【0010】
又、特開昭54−72054号公報では、前者よりもシャープな分布を有する非磁性トナーが提案されているが、中間の重さの粒子の粒径が8.5〜11.0μmと粗く、微小ドット潜像を忠実に再現する高解像性のカラートナーとしては、未だ改良すべき余地を残している。又、特開昭58−129437号公報では、平均粒径が6〜10μmであり、最多粒子が粒径5〜8μmである非磁性トナーが提案されているが、粒径5μm以下の粒子が15個数%以下と少なく、鮮鋭さの欠けた画像が形成される傾向がある。
【0011】
本発明者らの検討によれば、粒径5μm以下のトナー粒子が潜像の微小ドットを明確に再現し、且つ潜像全体への緻密なトナーの「のり」の主要なる機能をもつことが知見された。特に、OPC感光体上の静電荷潜像においては電気力線の集中のため、輪郭たるエッジ部は内部より電界強度が高く、この部分に集まるトナー粒子の質により画質の鮮鋭さが決まる。本発明者らの検討によれば、粒径5μm以下の粒子の量がハイライト階調性の問題点の解決に有効であることが判明した。
【0012】
しかしながら、粒径5μm以下のトナー粒子は、像担持体表面への付着力が特に強く、クリーニングしにくくなる。更に連続してプリントアウトを続けることによって、紙粉或いはオゾン付加物等の低電気抵抗物やトナーが、OPC感光体上に固着することがある。このような低電気抵抗物や固着したトナーを削り取る目的で、特開昭60−32060号公報或いは特開60−136752号公報において、窒素吸着によるBET比表面積が0.5〜30m2/gの無機微粉体を研磨剤として添加することが提案されている。
【0013】
この方法は、確かにトナー固着現象を回避するには有効であるが、後述の本発明における小粒径の高抵抗カラートナーに適用するには、帯電安定化の向上なくしては、クリーニングの安定性を達成するためには不充分であった。又、特開昭61−236558号公報ではCeO2を必須成分とし、希土類化合物を含む研磨剤を含有するトナーに関して提案がされている。これは、疎水化処理が施こされていないため、特に高湿環境下における帯電量の低下が顕著である。又、これは、単に研磨剤として使われているに過ぎず、環境安定性や高転写性付与という点において改善すべき点がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決したフルカラートナーを提供することである。更に本発明の目的は画像濃度が高く、細線再現性、ハイライト階調性及び環境安定性に優れたトナーを提供することである。又、本発明の目的は、長時間の使用でもクリーニング性能に変化を生じないトナーを提供することである。又、本発明の目的は、転写性に優れたトナーを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と、重量平均粒径が0.5〜2.5μmの疎水性希土類化合物粒子Aと、疎水性無機微粒子Bとを含有する電子写真用トナーであり、且つそれらの添加量の重量比がA:B=1:2〜1:10であって、該疎水性希土類化合物粒子Aが、純度52〜70重量%の疎水性酸化セリウム粒子であることを特徴とする電子写真用トナーを提供する。
【0016】
先ず、本発明に至った経緯について説明すると、本発明者らが鋭意検討した結果、トナーの表面性状及びOPC感光体の表面性状(表面粗さ)に拘らず、OPC感光体とクリーニングブレードとの圧着部に0.5〜2.5μmの微小空隙が存在するときに、良好な画像及び安定なクリーニング特性が得られることが判明した。
【0017】
かかるOPC感光体とクリーニングブレードとの圧着部に、上述の空隙を生ぜしめる手段としては、OPC感光体の表面粗さによってコントロールすることも可能であるが、OPC感光体の表面粗さが2.0μmより大きいと画質劣化、特にハイライト再現の低下、ガサツキ等の問題が生じ、一方、表面粗さが小さい場合には、粗さをコントロールするのが難しくなるのに加えて、表面の削れ具合によっては、その空隙が0.2μmより小さくなった場合に、クリーニングブレードの圧着が強くなり過ぎ、ブレードの裏返りによるクリーニング不良が発生し、OPC感光体の表面粗さのコントロール手段だけでは必ずしも充分なクリーニング特性は達成されない。
【0018】
そこで、本発明者らが更なる検討を重ねた結果、外添剤として、少なくとも重量平均粒径0.5〜2.5μmの疎水性希土類化合物粒子Aと、疎水性無機微粒子Bとを含有させたトナーを用いることにより、種々の環境下でクリーニング性、研磨性及び高転写性に極めて優れ、良好な画像を形成するトナーが得られることを見出だしたのである。ここで、クリーニング性が安定する理由としては、OPC感光体表面とクリーニングブレードとの過度の圧着を、上記の疎水性希土類化合物粒子Aがスペーサーとなって緩和し、適度な摩擦特性が得られるからである。
【0019】
更に、転写性が安定する理由としては、トナー粒子表面に付着させる疎水性無機微粒子Bを、粒子Aと同様に疎水化処理することにより、トナー粒子表面の帯電量分布を均一化することが可能となる。このことにより、あらゆる環境下で各トナー粒子の転写性能の均一化が達成できるのである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に好ましい実施の形態を挙げて本発明をより詳細に説明する。
先ず、本発明の構成要素について詳述する。本発明に用いる外添剤としての疎水性希土類化合物粒子A(以下、単に「粒子A」と呼ぶ)は、0.5〜2.5μmの重量平均粒径を有するものである。更に、粒子A中はその中に酸化セリウムを含有する酸化セリウム粒子であることが好ましく、更に酸化セリウム粒子の純度が40〜80重量%であることが好ましい。粒子Aの製造方法としては何ら制約はないが、例えば、原料としてはバストネサイトが望ましく、粒子Aの製造方法としては、原料を焼成、粉砕及び分級する方法が望ましい。
【0021】
上記したように、本発明において、粒子Aの重量平均粒径は0.5〜2.5μmの範囲である。粒子Aの粒径が0.5μmより小さいと、OPC感光体の表面粗さが粗い場合に、クリーニングブレードがOPC感光体表面に追従できず、クリーニングブレードからの粒子Aのすり抜けが多くなり、潜像形成時に帯電むら等が生じ、画像劣化を生じやすくなる。一方、粒子Aの粒径が2.5μmより大きいと、クリーニングブレードによって必要以上にクリーニングされ、ブレードエッジ部に溜りにくくなり、スペーサー機能が低下し、効率が悪くなると同時に、OPC感光体に傷をつけやすくなってしまう。
【0022】
又、本発明においては、上記粒子Aが酸化セリウム粒子であり、且つ該粒子の酸化セリウムの純度が40〜80重量%の範囲のものが好ましい。粒子Aとしての酸化セリウムの純度が80%を超えると、粒子Aが硬くなりすぎてしまいOPC感光体ドラムに傷がつき易くなる。一方、酸化セリウムの純度が40%未満の場合には充分な研磨力が得られない。
【0023】
本発明においては、又、流動性向上剤としてトナー中に疎水性無機微粒子B(以下、単に「微粒子B」と呼ぶ)を含有させる。即ち、本発明においては、前述の粒子Aを含有させることによって、初期のクリーニング特性は数段向上したものの、トナーの流動性の向上及びトナーの帯電の安定化なくしては、初期のクリーニング特性を維持し続けることは難しかった。しかるに、粒子Aと微粒子Bとを特定の割合で併用することにより、帯電の安定化及び流動性が向上し、クリーニング特性の向上に極めて有効であることを見出した。
【0024】
本発明に好適な微粒子Bは、表面を疎水化処理したアルミナ又は酸化チタンである。微粒子Bの表面処理方法としては何ら制約はないが、適当な溶媒中においてシランカップリング剤等を加水分解しながら表面処理を行う方法が好ましい。これは、一般に知られている流動向上剤としての疎水性シリカでは達成できなかったものである。その理由としては、シリカ微粒子は、それ自身強いネガ帯電性であるのに対して、トナーにアルミナ微粒子及びチタン微粒子はほぼ中性の帯電性であることに起因する。
【0025】
従来より、疎水性アルミナ微粒子や疎水性酸化チタン微粒子を添加することが提案されているが、アルミナ微粒子や酸化チタン微粒子は、本来、表面活性がシリカに比べて小さく、疎水化は必ずしも充分に行われていなかった。又、処理剤等を多量に使用したり、高粘度の処理剤を使用した場合には、微粒子の疎水化度は確かに上がるものの、粒子同士の合一等が生じ、トナーに対する流動性付与能が低下する等、帯電の安定化と流動性付与の両立は必ずしも達成されていなかった。
【0026】
しかるに本発明では、適当な溶媒中でアルミナ微粒子や酸化チタン微粒子を機械的に一次粒径となるよう分散しつつ、シランカップリング剤等を加水分解しながら分散粒子を表面処理するために、粒子を気相中で処理するより、粒子同士の合一が生じにくく、又、処理による粒子間の帯電反発作用が働き、酸化チタン微粒子はほぼ一次粒子の状態で表面処理されることがわかった。
【0027】
又、本発明において使用する粒子A及び微粒子Bは、シランカップリング剤等を溶媒中で加水分解しながら希土類化合物粒子、アルミナ微粒子や酸化チタン微粒子の表面を処理することに特徴があり、その際、該粒子を一次粒子に分散させるために、機械的な力を加えているので、フロロシラン類やシラザン類のように、ガスを発生するようなシランカップリング剤等を使用する必要もなく、更にこれまで気相中では粒子同士が合一して使用できなかった高粘性のシランカップリング剤等も使用できるようになり、該粒子に対する疎水化の効果は絶大である。
【0028】
本発明に使用できるカップリング剤としては、シランカップリング剤やチタンカップリング剤等、特に限定されない。特に好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、具体的には下記式で表されるものが挙げられる。
【化1】
Figure 0003950572
【0029】
具体的には、例えば、アルキルトリアルコキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0030】
本発明において特に好適なシランカップリング剤は下記一般式で表されるものである。
【化2】
Figure 0003950572
【0031】
ここで、上記一般式におけるnが4より小さいと、微粒子の処理は容易となるが微粒子の疎水化が充分に達成できない。又、nが12より大きいと、微粒子の疎水化は充分になるが、微粒子同士の合一が多くなり、流動性付与能が低下してしまう。又、mが3より大きいとシランカップリング剤の反応性が低下して、微粒子の疎水化が充分に行われなくなってしまう。従って、本発明において、nは4〜12、好ましくは4〜8であり、mは1〜3、好ましくは1〜2である。
【0032】
その処理量は、微粒子B100重量部に対して、1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%とし、疎水化度を40〜80%、好ましくは50〜80%にすればよい。即ち、疎水化度が40%より小さいと、高湿下での長期放置によるトナーの帯電量低下が大きく、装置側での帯電促進の機構が必要となり、装置の複雑化を招く。一方、疎水化度が80%を超えると微粒子B自身の帯電コントロールが難しくなり、結果として低湿下でトナーがチャージアップしてしまうことになる。
【0033】
又、微粒子Bの粒径は、トナーに対する流動性付与の点から1〜100nmがよい。粒径が100nmより大きいと流動性不良によるトナー帯電が不均一となり、結果としてトナー飛散やカブリが生じてしまう。又、1nmより小さいと、微粒子Bがトナー表面に埋め込まれやすくなり、トナー劣化が早く生じてしまい、耐久性が逆に低下してしまうことになる。この傾向は、本発明に用いられるシャープメルト性のカラートナーにおいてより顕著である。又、トナーを小粒径化した場合にも上記の微粒子Bは好適である。トナーを小粒径化すると、重量あたりのトナーの表面積が増大し、摺擦による過剰帯電を生じやすくなる。これに対して、帯電を抑制し、流動性を付与できる微粒子Bの効果は大きい。
【0034】
本発明においては、トナーに対する粒子Aと微粒子Bとの添加量の重量比が、A:B=1:2〜1:10であることが必要である。上記範囲外であると、粒子Aと微粒子Bとのトナー中における分布が不均一になったり、クリーニング特性や流動性が損なわれてしまい好ましくない。又、粒子Aと微粒子Bとのトナーへの添加量は、上記比率においてトナー100重量部当たり0.1〜7重量部の範囲が好適である。添加量が上記範囲未満では高い流動性、均一な転写性を得ることができない等の点で好ましくなく、一方、添加量が上記範囲を超えると均一な帯電が阻害されるだけでなく、トナー表面からこれらの粒子が離脱しやすくなる等の点で好ましくない。
【0035】
本発明のトナーには、荷電特性を安定化するために荷電制御剤を配合してもよい。その際はトナーの色調に影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が好ましい。その際の負荷電制御剤としては、例えば、アルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えば、ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体)の如き有機金属錯体が挙げられる。負荷電制御剤をトナーに配合する場合には、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で添加するのがよい。
【0036】
本発明のトナーを、キャリアと混合して二成分系現像剤を調製する場合には、その混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2〜10重量%、好ましくは3〜9重量%にすると、通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2重量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、10重量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短める。
【0037】
本発明のトナーに使用する結着物質としては、従来電子写真用トナーの結着樹脂として知られる各種の樹脂材料が用いられる。例えば、ポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・アクリル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体のようなエチレン系共重合体、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸系樹脂等である。又、いずれの樹脂もその製造方法等は特に制約されるものではない。
【0038】
これらの樹脂の中で、特にポリエステル系樹脂を用いた場合、本発明の効果は絶大である。即ち、ポリエステル系樹脂は定着性に優れ、カラー現像剤に適している。特に、次式で表されるビスフェノール誘導体若しくは置換体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)とを共縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有するのでより好ましい。
【0039】
【化3】
Figure 0003950572
【0040】
又、トナーに用いる着色剤としては、公知の染顔料、例えば、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、ピーコックブルー、パーマネントレッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハンザイエロー、パーマネントイエロー、ベンジジンイエロー等、広く使用することができる。その含有量としては、OHPフィルムの光透過性に対して敏感に反映するよう、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは12重量部以下であり、より好ましくは0.5〜9重量部である。
【0041】
本発明においては、トナーの粒度分布において、細線再現やハイライト再現性等を忠実に達成するために、粒径5μm以下のトナーを15〜40個数%の範囲で含有することが好ましい。粒径5μm以下のトナーが15個数%より少ないと、原稿忠実性が損なわれ、又、40個数%を超えると、カブリやトナー飛散が増加するとともに、本発明で用いるトナー外添剤(粒子A及び微粒子B)と組み合わせても、クリーニングブレードからトナーがすり抜けたりして、クリーニング特性が低下してしまう。本発明においては粒径5μm以下のトナーは20〜35個数%の範囲であることがより好ましい。
【0042】
又、本発明のトナーを二成分系現像剤として使用する場合に、キャリアとして使用される磁性粒子としては、例えば、表面酸化又は未酸化鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化物及びフェライト等が使用できる。又、その製造方法として特別な制約はない。本発明においては、上記磁性粒子の表面を樹脂等で被覆するが、その方法としては、樹脂等の被覆材を適当な溶剤中に溶解若しくは懸濁せしめ被覆材を磁性粒子に付着せしめる方法、単に両者を粉体で混合する方法等、従来公知の方法がいずれも適用できる。被覆層の安定のためには被覆処理時に被覆材が溶剤中に溶解する溶剤を使用することが好ましい。
【0043】
上記磁性粒子の表面への被覆物質としては、トナー材料により異なるが、例えば、アミノアクリレート樹脂、アクリル樹脂、或いはそれらの樹脂とスチレン系樹脂との共重合体等が好適である。負帯電する樹脂としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等が帯電系列において負側に位置し好適であるが、必ずしもこれに制約されない。本発明に好適なものは、アクリル樹脂或いはそれらの樹脂とスチレン系樹脂との共重合体等である。
【0044】
本発明に用いられる磁性粒子の材質として最適なのは、98%以上のCa−Zn−Fe[重量組成比(5〜20):(5〜20):(30〜80)]の組成からなるフェライト粒子であって、これは粒子の表面平滑化が容易でトナーに対する帯電付与能が安定し、且つ被覆を安定にできるものである。上記被覆物質の被覆量は、磁性粒子の帯電付与特性が前述の条件を満足するように適宜決定すればよいが、一般には総量で磁性粒子に対し、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは0.3〜20重量%である。これら磁性粒子の重量平均粒径は、好ましくは35〜65μm、より好ましくは40〜60μmであるい。更に、重量分布で粒径26μm以下の粒子が2〜6%、重量分布で粒径35〜43μmの粒子が5〜25%、粒径74μm以上の粒子が2%以下であるときに良好な画像を維持できる。
【0045】
更に、本発明のトナーを作製するには、結着樹脂、着色剤としての顔料又は染料、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等をボールミルの如き混合機により充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し、結着樹脂中に着色剤等を十分に分散又は溶解させて冷却固化後、粉砕及び厳密な分級を行えばよい。
【0046】
以下に本発明における各種の測定方法について述べる。
(1)微粒子BのBET比表面積の測定方法
BET比表面積は、湯浅アイオニクス(株)製、全自動ガス吸着測定装置:オートソーブを使用し、吸着ガスに窒素を用い、BET多点法により求める。尚、サンプルの前処理としては50℃で10時間の脱気を行う。
【0047】
(2)微粒子Bの平均粒径の測定方法
アルミナ微粒子を透過電子顕微鏡で観察し、視野中の100個の粒子径を測定して平均粒子径を求め、微粒子Bのトナー上の粒子径は走査電子顕微鏡で観察し、視野中の100個の粒子径を測定して平均粒子径を求める。
【0048】
(3)微粒子Bの疎水化度の測定方法
メタノール滴定試験は、疎水化された表面を有する無機微粉体の疎水化度を確認する実験的試験である。
微粒子Bの疎水化度を評価するためのメタノールを用いた疎水化度測定は、次のように行う。供試アルミナ微粒子0.2gを容量250mlの三角フラスコの水50ml中に添加する。メタノールをビュッレトから滴定する。この際、フラスコの溶液はマグネチックスターラーで常時撹拌する。アルミナ微粒子の沈降終了は、全量が液体中に懸濁することによって確認され、疎水化度は、沈降終了時点に達した際のメタノール及び水の液状混合物中のメタノールの百分率として表される。
【0049】
(4)トナー及び粒子Aの粒度分布の測定方法
測定装置としては、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解質液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定方法としては、前記電解質水溶液100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解質液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャを用いて、粒子の体積及び個数を各チャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出する。それから、粒子の体積分布から求めた重量基準のトナー及び粒子Aの重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネルごとの代表値とする)を求める。
【0050】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0051】
(5)凝集度測定方法
試料(外添剤を有するトナー等)の流動特性を測定する一手段として凝集度を用いるものであり、この凝集度の値が大きいほど試料の流動性は悪いと判断する。測定装置としては、デジタル振動計(デジバイブロ MODEL 1332)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いる。測定方法としては、振動台に200メッシュ、100メッシュ、60メッシュのフルイを目開の狭い順に、即ち60メッシュフルイが最上位にくるように200メッシュ、100メッシュ、60メッシュのフルイ順に重ねてセットする。このセットした60メッシュフルイ上に正確に秤量した試料5gを加え、振動台への入力電圧を21.7Vになるようにし、デジタル振動計の変位の値を0.130にし、その際の振動台の振幅が60〜90μmの範囲に入るように調整し(レオスタット目盛り約2.5)、約15秒間振動を加える。その後、各フルイ上に残った試料の重量を測定して下式に基づき凝集度を得る。
【0052】
尚、試料は23℃/60%RHの環境下で約2時間放置したものを用い、測定環境は23℃/60%RHである。
【数1】
Figure 0003950572
【0053】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<合成例1>
[微粒子B(I)の作製]
水系中で生成した親水性酸化チタン微粒子を混合撹拌しながら、nC49−Si−(OCH3)3を酸化チタン微粒子に対して30重量%となるように、且つ粒子が合一しないように添加混合して酸化チタン微粒子を疎水化処理した。これを乾燥及び解砕して、疎水化度70%、平均粒径0.05μm、BET比表面積 101m2/g、400nmにおける透過率が55%の微粒子B(I)を得た。
【0054】
<合成例2>
[微粒子B(II)の作成]
アルミニウムアンモニウムカーボネートハイドロオキサイト微粉体を濾過、乾燥、解砕し、該微粉体を850℃で36時間加熱処理した後、解砕して、アルミナ微粉体を生成した。トルエン中で、上記アルミナ微粉体を混合撹拌しながら、nC817−Si−(OCH33をアルミナ微粉体に対して25重量%となるように添加混合して、アルミナ微粒子を疎水化処理した。これを乾燥及び解砕して、疎水化度65%、平均粒径0.03μm、BET比表面積163m2/g、400nmにおける透過率が52%の微粒子B(II)を得た。
【0055】
<合成例3>
[微粒子A(I)の作成]
平均粒径1.7μm、純度53%の酸化セリウムをトルエン中で、混合撹拌しながら、i−C49−Si−(OCH33酸化セリウム粒子に対して7重量%となるように添加混合して、酸化セリウムを疎水化処理した。これを乾燥及び解砕して、平均粒径1.9μm、純度52%、疎水化度58%の粒子A(I)を得た。
【0056】
<合成例4>
[微粒子A(II)の作成]
平均粒径0.95μm、純度72%の酸化セリウムを使用する以外は、合成例3と同様にして、平均粒径1.0μm、純度70%、疎水化度65%の粒子A(II)を得た。
【0057】
<合成例5>
[微粒子A(III)の作成]
平均粒径2.7μm、純度53%の酸化セリウムを使用する以外は、合成例3と同様にして、平均粒径3.0μm、純度50%、疎水化度70%の粒子A(III)を得た。
【0058】
<合成例6>
[微粒子A(IV)の作成]
平均粒径0.25μm、純度52%の酸化セリウムを使用する以外は、合成例3と同様にして、平均粒径0.3μm、純度50%、疎水化度55%の粒子A(IV)を得た。
【0059】
<合成例7>
[微粒子A(V)の作成]
平均粒径1.8μm、純度96%の酸化セリウムを使用する以外は、合成例3と同様にして、平均粒径1.9μm、純度95%、疎水化度69%の粒子A(V)を得た。
【0060】
Figure 0003950572
上記成分をヘンシェルミキサーにより充分予備混合を行い、2軸式押出機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更に、得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級して粒径2〜10μmの粒子を選択しトナーを得た。該トナーに微粒子Bとして合成例1で得た微粒子B(I)1.0重量%と、合成例3で得た粒子A(I)0.4重量%とを用い、これらを外添して本実施例のシアントナーを得た。このシアントナーの重量平均粒径は8.4μmであり、且つ粒径5μm以下のトナーが30個数%であった。
【0061】
上記で得たシアントナーに、キャリアとして、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体で表面被覆したCu−Zn−Fe系フェライト粒子を加え、トナー濃度5重量%で二成分系現像剤を調製した。該現像剤とドラム面粗さ0.3μmのOPC感光体ドラムを使用して、市販のカラー複写機(CLC500、キヤノン製)にて画出しを行った。現像条件は、20℃/10RH%、23℃/65RH%、30℃/80RH%ともに、現像コントラスト320Vにして、画像面積比率19%の原稿を用いて、各々2万枚行った。その結果、クリーニング不良は全く発生せず、画像濃度も1.4〜1.6と非常に安定しており、ガサツキもない、非常に鮮明な画像が得られた。又、OPC感光体上を観察したところ、付着物は確認されなかった。
【0062】
<実施例2>
微粒子Bとして、微粒子B(I)の代わりに微粒子B(II)を使用する以外は、実施例1と同様にして二成分系現像剤を作製した。この得られた二成分系現像剤を用いて実施例1と同様にして画出しを行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0063】
<実施例3>
粒子A(II)を0.25重量%添加する以外は、実施例1と同様にして二成分系現像剤を作製した。この得られた二成分系現像剤を用いて実施例1と同様にして画出しを行ったところ、濃度の安定したガサツキのない非常に鮮明な画像が得られた。又、OPC感光体上を観察したところ、OPC感光体上に付着物或いは傷は確認されず、フィルミングも発生しなかった。
【0064】
<比較例1>
実施例1において、粒子A(III)を使用する以外は、実施例1と同様にして二成分系現像剤を作製した。この得られた二成分系現像剤を用いて実施例1と同様にして画出しを行ったところ、クリーニングブレードエッジ部に傷が生じ、クリーニング不良が発生した。
【0065】
<比較例2>
実施例1において、粒子A(IV)を使用する以外は、実施例1と同様にして二成分系現像剤を作製した。この得られた二成分系現像剤を用いて実施例1と同様にして画出しを行ったところ、23℃/65RH%下で、ハーフトーン部に画像ムラが認められた。そこで、OPC感光体上を観察したところ、クリーニングブレードをすり抜けてしまった酸化セリウム粒子が確認された。
【0066】
参考
実施例1において、粒子A(V)を使用する以外は、実施例1と同様にして二成分系現像剤を作製した。この得られた二成分系現像剤を用いて実施例1と同様にして画出しを行ったところ、酸化セリウム粒子が若干硬いために、OPC感光体上に数ケ所で傷が発生したものの、画像上には現れない程度であり、実質上問題とならないレベルであった。
【0067】
参考
実施例1において、粒子A(I)を35重量%及び酸化ランタノイドを40重量%含有する粒子Aを使用する以外は、実施例1と同様にして二成分系現像剤を作製した。この得られた二成分系現像剤を用いて実施例1と同様にして画出しを行ったところ、粒子Aの酸化セリウムの純度が低いために粒子Aが若干柔らかくなり、充分な研磨力が得られず、数ケ所でOPC感光体上の付着物を除去できない部分が見られたが、画像上には現れない程度であり、実質上問題とならないレベルであった。
【0068】
<比較例3>
実施例1において、粒子A(I)を使用しない以外は、実施例1と同様にして二成分系現像剤を作製した。この得られた二成分系現像剤を用いて実施例1と同様にして画出しを行ったところ、OPC感光体上の付着物を除去できずに、OPC感光体上に固着し、20℃/10RH%下でトナー消費量の多いベタ青部に10,000枚位から白く抜ける画像欠陥(フィルミング)が認められた。そこで、OPC感光体上を観察したところトナー付着物が認められた。
【0069】
<比較例4>
実施例1において、粒子A(I)を1.2重量%使用する以外は、実施例1と同様にして二成分系現像剤を作製した。この得られた二成分系現像剤を用いて実施例1と同様にして画出しを行ったところ、20℃/10RH%下で、3,000枚位からトナー飛散が発生した。
【0070】
<比較例5>
実施例1において、微粒子Bである酸化チタン微粒子B(I)を使用しない以外は、実施例1と同様にして二成分系現像剤を作製した。この得られた二成分系現像剤を用いて実施例1と同様にして画出しを行ったところ、画像濃度が23℃/65RH%下で1.21と低く、ガサツキの多い画像しか得られなかった。
【0071】
【表1】
Figure 0003950572
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、粒子Aと微粒子Bとを所定量及び特定の比率でトナーに添加することによって、クリーニング不良やフィルミング等の発生しない、クリーニング特性に優れ、且つ環境特性に優れた高転写性を有した電子写真用トナーが提供される。

Claims (5)

  1. 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と、重量平均粒径が0.5〜2.5μmの疎水性希土類化合物粒子Aと、疎水性無機微粒子Bとを含有する電子写真用トナーであり、且つそれらの添加量の重量比がA:B=1:2〜1:10であって、該疎水性希土類化合物粒子Aが、純度52〜70重量%の疎水性酸化セリウム粒子であることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 疎水性希土類化合物粒子Aの疎水化度が、40〜90%である請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 疎水性無機微粒子Bが、疎水性アルミナ微粒子及び/又は疎水性酸化チタン微粒子である請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
  4. 疎水性無機微粒子Bの平均粒径が1〜100nmであり、且つBET比表面積が100〜350m2/gである請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
  5. 電子写真用トナーの重量平均粒径が、3〜9μmである請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
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