JP3029814U - 家庭用焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 家庭での生ごみ等の焼却に好適かつ安全であ
る。 【解決手段】 有底の円筒状の炉本体２とドーム部３ｂ
を有する蓋体３とから構成されてなる家庭用焼却炉１で
あって、上記炉本体２の底部に配されたロストル５と、
このロストル５に設けられた操作部５ａと、この操作部
５ａの先端が突出される炉本体２の底部に開口した横孔
２ｂとからなり、上記蓋体３は上記炉本体２の上端開口
部に設けられた通気用金網４を介して被せられてなる家
庭用焼却炉。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案はごみの焼却炉にかかり、特に家庭で生ごみ等を焼却するのに好適な 家庭用焼却炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の家庭用焼却炉としては、種々のものが提案されていたがいずれ も取扱いが不便でかつ燃え残りが多くコストが高い等の欠点があった。特に従来 の家庭用焼却炉は、焼却炉本体が煙をせき止める構造になっていない、即ち炉本 体頂部に煙突を備えていたり、炉本体から蓋の中央に煙が抜ける構造になってい た。従って、煙がせき止められないため風が吹けば多量の煙が簡単に外部に抜け てしまうので排出される煙がかなり多いという問題があった。

【０００３】 更に、従来品においては、具体的には次のような欠点があった。即ち、これら 従来品は、材料として例えばステンレスのＳＵＳ３０４を使用していたので錆に は強いが熱には弱い（歪み易い）という欠点があった。また従来の家庭用焼却炉 は、煙突等があったりして構造が複雑であって、蓋体と炉本体のステンレスの厚 さが薄いので腐食の点から強度的にも問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記のような従来品の欠点を解消したものであって、上部のドー ム型蓋体で煙をせき止めることによる蓄熱効果と共に下からの炎で再燃焼を行う ことにより、排煙を少なくした二次燃焼システムを有し、燃え残りによる灰等も 微少とするものであって、極めて燃焼効率が良い、。さらに、この蓋体の存在に よって焼却中に雨が降ってきても、雨水が入りにくい家庭用焼却炉を提供するこ とを目的とする。

【０００５】 特に本考案の焼却炉はステンレスのＳＵＳ４３０を使用しているから、熱に対 して従来品のＳＵＳ３０４より歪みにくいので耐久性がある。更にこの考案によ ると、可能な限り強度をアップして耐熱性と耐久性に優れたステンレス製であっ て、家庭内で使うために適した安価な家庭用焼却炉を提供することを目的とする 。

【０００６】 更にまたこの考案は、飛び火を極力少なくする等、より安全であること、即ち 蓋体の下の飛火防止網で火の粉をシャットアウトするので、火災や火傷等の事故 を防止出来る、安全対策上極めて優れた家庭用焼却炉を提供することを目的とす る。

【０００７】 また、ごみ等の焼却物の量に合わせて大小の各種タイプのものを用意出来るの で家庭内で使うために適した小型で軽量かつシンプル、その上移動も簡単で安価 な家庭用焼却炉を提供することを目的とする。

【０００８】 更にまたこの考案は、充分な空気量が均一に行き届くよう空気口を複数箇所に 設置した空気効率がアップされるので、燃焼がよりスムーズで良く燃え、燃え残 りが少ない家庭用焼却炉を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この考案によれば、有底の円筒状の炉本体とドー ム部を有する蓋体とから構成されてなる家庭用焼却炉であって、上記炉本体の底 部に配されたロストルと、このロストルに設けられた操作部と、この操作部の先 端が突出される炉本体の底部に開口した横孔とからなり、上記蓋体は上記炉本体 の上端開口部に設けられた通気用金網を介して被せられてなる家庭用焼却炉が得 られる。

【００１０】 更にこの考案によれば、少なくとも前記炉本体及び蓋体は、ステンレス（ＳＵ Ｓ４３０）の材質からなる家庭用焼却炉が得られる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、添付の図面を参照して、この考案の一実施の態様による家庭用焼却炉を 詳細に説明する。

【００１２】 図１は、この考案に係る家庭用焼却炉の正面図を示し、図において焼却炉１は 有底の筒状炉本体２に取り外し可能に設けられたドーム状の蓋体３とから構成さ れてなり、材質はステンレス（ＳＵＳ４３０）の金属材を使用してなる。例えば 炉本体２の高さは６０ｍｍ程であり、蓋体を含めた全体の高さは７００ｍｍ程で 、炉本体の直径は３２０ｍｍである。

【００１３】 そして、円筒状の炉本体２の上端開口周縁部２ａには通気用金網４が所定の幅 で形成されている。また炉本体２の底部からやや離間した高さのところに、図４ から明らかなようなロストル（火格子）５が配されている。そしてこのロストル ５に設けられた操作部５ａの先端部は、炉本体２の底部の近傍に開口した横孔２ ｂから突出させられている。図示しないが、この横孔２ｂとほぼ同じ高さの炉本 体２の側壁部に例えばさらに二つの空気取り入れ用の小孔を設けると通気性がよ り改善される。

【００１４】 なお、炉本体２の上方外周部には持ち運び用の一対の把手部２ｃが炉本体２と 一体的に形成されており、又蓋体３の上部には蓋体３の取り外しの時に使用する やや大きめの把手３ａが一体的に設けられている。

【００１５】 この考案の特徴部分について図３を用いてより詳しく説明すると、円筒状の炉 本体２の上端開口部には上方に向けて漸次径が大きくされた筒状の金網４が圧入 ・固定されている。なお、この金網４の上端縁は、内側に折曲されて補強部が形 成されている。他方蓋体３のはドーム部３ｂに続いて平坦部３ｃが形成されてお り、この平坦部３ｃに続いて蓋体３の下端周縁部までが漸次径が大きくなるよう に斜め下方に折曲されて張出部３ｄを形成している。

【００１６】 以下、この考案にかかる家庭用焼却炉の動作について説明する。図５は、この 考案にかかる家庭用焼却炉に火を入れる状態を示す説明図である。即ち、まず蓋 体３の把手部３ａを片手で持って図示のように斜めに開き、生ごみ等を落とし込 む。すると家庭用焼却炉の底部分にはロストル５が設けられているので、このロ ストル５上に容易に載置される。この場合、蓋体３は上記した通りの形状なので その平坦部３ｃ及び張出部３ｄとの接続部をを支点として傾けて開けることが出 来るので、炉本体２から蓋体３を完全に取り外さなくとも、片手で簡単に開くこ とが出来る。

【００１７】 次に上記と同様の要領で、蓋体３の把手部３ａを片手で持って蓋体３を開き火 を入れると、ごみに火がついて燃焼を始める。この時、ごみはこのロストル５上 に載置されているので、空気が送られ易いので良く燃焼する。特にごみの燃焼が 始まると上部のドーム型の蓋体３で煙がせき止められ煙が下降して通気用金網４ に向かう際に、下からの炎で再燃焼されるので煙が少なくなる。

【００１８】 なお、ごみ焼却中に必要に応じて、炉本体２の横孔２ｂから突出したロストル ５の操作部５ａをつまんで横孔２ｂ内を左右に操作することによって、ロストル ５を動かして、その上の灰を落としたりして、通気性を良くして燃焼効率を上げ ることが可能である。

【００１９】 更にこの場合、飛び火は蓋体３の金網４で火の粉がシャットアウトされて焼却 炉の外部に飛散することがないので、特に住宅密集地における風の強い日等は安 全対策上からも極めて好ましい。

【００２０】 上記の通り、この考案の実施の態様を図面を引用して詳細に説明したが、こ の考案の精神から逸脱しない限り、その変形例も当然含まれるものである。従っ て実用新案登録請求の範囲は、図示されかつ記載された特定の実施の態様のみに 限定されるものではなく、むしろこの考案の範囲は上記実用新案登録請求の範囲 及びその均等物によって決められるものである。

【００２１】

【考案の効果】

この考案の構成は上記した通りであるので、更に生ごみまで燃やせる高温燃焼 で燃え残りが少なく、上部のドーム型蓋体で煙をせき止め、下からの炎で再度燃 やしている（二次燃焼方式）のでよく燃焼して排出される煙が少なくなると共に 残された灰も微少であるという効果がある。

【００２２】 さらにまた部品の殆どがステンレス（ＳＵＳ４３０）製であるから耐熱性及び 耐久性に優れているとともに何よりも複雑な手順がなく、特に蓋体は完全に炉本 体から外さずに片手で開けることが出来るので誰にでも取扱いが易しい家庭用焼 却炉を提供することが可能である。また炉本体に把手部が一対形成されており、 かつ全体が小型・軽量であるから移動も容易である。なお、ごみの焼却量に合わ せて大小各種のタイプが提供可能である。

【００２３】 更にその上、蓋体の下の飛火防止金網で火の粉をシャットアウトすることが出 来るので火災や火傷等の事故防止の観点からも安全性が非常に高いという効果が ある。

【００２４】 なお充分な空気量が均一に行き届くよう空気口を複数箇所に設置したので空気 効率がアップされるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施の態様による家庭用焼却炉の
正面図である。

【図２】図１の家庭用焼却炉のＸ−Ｘ線に沿った断面図
である。

【図３】図２のＺで示された部分の拡大断面図である。

【図４】図１の家庭用焼却炉のＹ−Ｙ線に沿った断面図
である。

【図５】図１の家庭用焼却炉の使用状態を示す説明図で
ある。

【符号の説明】

１ 家庭用焼却炉 ２ 炉本体 ２ａ 開口周縁部 ２ｂ 横孔 ２ｃ 把手部 ３ 蓋体 ３ａ 把手 ３ｂ ドーム部 ３ｃ 平坦部 ３ｄ 張出部 ４ 通気用金網 ５ ロストル ５ａ 操作部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ２３Ｇ 7/06 １０３ Ｆ２３Ｇ 7/06 １０３ Ｆ２３Ｈ 7/12 Ｆ２３Ｈ 7/12

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 有底の円筒状の炉本体とドーム部を有す
   る蓋体とから構成されてなる家庭用焼却炉であって、上
   記炉本体の底部に配されたロストルと、このロストルに
   設けられた操作部と、この操作部の先端が突出される炉
   本体の底部に開口した横孔とからなり、上記蓋体は上記
   炉本体の上端開口部に設けられた通気用金網を介して被
   せられてなることを特徴とする家庭用焼却炉。
2. 【請求項２】 少なくとも前記炉本体及び蓋体は、ステ
   ンレス（ＳＵＳ４３０）の材質からなることを特徴とす
   る請求項１記載の家庭用焼却炉。