JPH0545423U - 焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 確実な焼却効果と、外方壁に触っても安全な
温度に保つことのできる焼却炉を提供しようとするもの
である。 【構成】 通気性を有する架台２の外周部に張設された
外壁３と、架台２の前方側に載置された第１炉４と、架
台２の後方側に載置された第２炉５から構成され、第１
炉４と第２炉５とは縦長の茶筒状に構成され、かつ、両
者は下方から第１煙誘導パイプ６、第２煙誘導パイプ
７、第３煙誘導パイプ８、第４煙誘導パイプ９で連結さ
れている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は、焼却炉に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のものにあっては、下記のようなものになっている。 １．従来の小型焼却炉にあっては、単純に炉の下段に火格子（ロストル）を配 して、この下部より空気を供給し、火格子上の焼却物を自然燃焼させ、発生ガス 、煙は上方円筒より大気中に排出される。 ２．焼却物の種類によっては燃え方が異なり、燃えやすいもののみ選別して焼 却していた。構造材料も鉄、耐火レンガが主流である。 ３．周囲への放熱放射があるため、炉の近くに寄れず、かつ、床面は耐熱性の 基礎を必要とする。煙筒も周囲への煙害を考えて高くしてある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたものにあっては、下記のような問題点を有していた。 １．火格子（ロストル）のすぐ上と、積込まれた上部では燃え方が異なり、例 え燃えやすいものでも多量の煙、臭い、ガスが発生し、公害となっている。まし てや、生ゴミ等の不燃物の焼却はできなかった。 ２．構造も鉄製だと熱と風雨、さらに、焼却成分によって酸化及び腐食が激し く、短期で使用不可となる。また、耐火レンガは現場での組立の不便さと小型と いえど重く、移動はひび割れ、くずれが生じ、扱いが不便である。 ３．炉の放熱のため、近寄ると危険であり、設置面は熱と重さに耐える丈夫な 基礎を要する。 ４．高い煙筒にして、煙等を高いところで広く拡散するが大気汚染防止にはな らず、高い建物が密集化する現今では使用不能である。

【０００４】 本願は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、そ の目的とするところは、上述の問題を解決できるものを提供しようとするもので ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のものは下記のようになるものである。 すなわち本願のものは、通気性を有する架台２の外周部に張設された外壁３と 、架台２の前方側に載置された第１炉４と、架台２の後方側に載置された第２炉 ５から構成され、第１炉４と第２炉５とは縦長の茶筒状に構成され、かつ、両者 は下方から第１煙誘導パイプ６、第２煙誘導パイプ７、第３煙誘導パイプ８、第 ４煙誘導パイプ９で連結されたものにおいて、第１炉４は上面開口部に開閉自在 に蓋４Ａ２が設けられた底を有する円筒体４Ａと、円筒体４Ａ内の最下端部に設 けられた灰皿４Ｂと、灰皿４Ｂの上面に張設されたロストル４Ｃと、ロストル４ Ｃの上面に当該ロストルを跨ぐように設けられた火炎拡散枠４Ｄが火炎拡散枠４ Ｄの上面中央に植設された縦円筒４Ｄ３と、この火炎拡散枠４Ｄの後端に連結さ れた第１バーナ４Ｅと、火炎拡散枠４Ｄの先端に連結された縦ダクト４Ｆの上端 に、当該縦ダクトより左方に連結された上方ダクト４Ｇから構成され、一方、第 ２炉５は、円筒体５Ａの上面開口部には縦煙筒を連結するための短筒状接続口５ Ａ２１を有する天井５Ａ２が張設された底を有する円筒体５Ａと、円筒体５Ａ外 から円筒体５Ａ内に引込まれた送風管５Ｂの上方部分５Ｂ１は、細く絞られてい ると共に、この上方部分５Ｂ１は短筒状接続口５Ａ２１内に挿入した状態に構成 され、この送風管の下端にはブロワ５Ｃが取付けられ、円筒体５Ａに第３煙誘導 パイプ８の連通箇所の下方位置をもって第２バーナ５Ｄが付けられ、円筒体５Ａ における前方側内壁には、第２バーナ５Ｄの取付け位置より下方位置をもって水 平に上方増熱板５Ｅが張設され、円筒体５Ａにおける後方側内壁に、上方増熱板 の取付け位置より下方位置をもって水平に下方増熱板５Ｆが張設されている焼却 炉である。 この場合、架台２を通気性を有するように構成すると共に、この架台２の外周 部に張設された外壁３も三重構造に構成し、架台からの通気はこの外壁３内と連 通するよう構成することができる。

【０００６】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。 １は本案の焼却炉である。 ２は通気性を有する架台である。 ３は架台２の外周部に張設された外壁である。 当然のことながら、この外壁は後述第１炉４と第２炉５の外周を覆うことにな る。 ４は架台２の前方側に載置された第１炉である。 ５は架台２の後方側に載置された第２炉である。

【０００７】 以下順に説明する。 架台２は、図４、図５を参照して、左右方向をもって配された前後の角材２Ａ と、この角材の上面に固着された平面略方形の下方枠２Ｂと、この下方枠２Ｂ内 に所定間隔で張設された支持杆２Ｂ１と、この支持杆２Ｂ１の上面に載置された 平面略方形の上方枠２Ｃと、この上方枠内に所定間隔で張設された支持杆２Ｃ１ から構成されている。 外壁３は、図４ないし図７を参照して、架台２における下方枠２Ｂから立上げ た外方壁３Ａと、架台２における上方枠２Ｃから立上げた中間壁３Ｂと、中間壁 ３Ｂの内方に張設した内方壁３Ｃからの三重構造に構成されている。 なお、外方壁３Ａにおける正面部、左側面部、背面部にはそれぞれ金網３Ａ１ が張設されている。

【０００８】 図８、図９を参照して、第１炉４と第２炉５とは縦長の茶筒状に構成されてい るが、両者は下方から第１煙誘導パイプ６、第２煙誘導パイプ７、第３煙誘導パ イプ８、第４煙誘導パイプ９で連結されている。 図８、図９を参照して、第１炉４の詳細を説明する。 ４Ａは底４Ａ１を有する円筒体で、上面開口部には開閉自在に逆漏斗状の蓋４ Ａ２が設けられている。 この蓋４Ａ２の頂部には第４煙誘導パイプ９が連結されている。 この場合、図３を参照して、蓋４Ａ２が開閉自在であるところから、第４煙誘 導パイプ９は当該第４煙誘導パイプ９の中央部で係脱自在に構成されている。

【０００９】 円筒体４Ａ内の最下端部には灰皿４Ｂが炉外に引出し可能に設けられている。 灰皿４Ｂの上面にはロストル４Ｃが張設されている。 ロストル４Ｃの下面部分には第１煙誘導パイプ６が連結されている。 ロストル４Ｃの上面には、当該ロストルを跨ぐように火炎拡散枠４Ｄが設けら れている。 この火炎拡散枠４Ｄは、正面上向き半円枠４Ｄ１の外周に、当該半円枠と直交 方向に適数本の丸棒４Ｄ２を張設して構成されている。 また、火炎拡散枠４Ｄの上面中央には円孔４Ｄ３１が群設された縦円筒４Ｄ３ が植設されている。 そして、この火炎拡散枠４Ｄの後端には炉外に設けた第１バーナ４Ｅが連結さ れている。 また、火炎拡散枠４Ｄの先端には、円孔４Ｆ１が群設された縦ダクト４Ｆが連 結されている。

【００１０】 そして、この縦ダクト４Ｆの上端には、当該縦ダクトより左方に連結された上 方ダクト４Ｇが連結されている。 この上方ダクト４Ｇにも円孔４Ｇ１が群設されている。 この上方ダクト４Ｇの先端部分には第３煙誘導パイプ８が連結されている。 ４Ｇ２はこの上方ダクト４Ｇと第３煙誘導パイプ８との連結部に張設された格 子である。 ４Ｈは円筒体４Ａと第２煙誘導パイプ７との連結箇所に設けられたバッフルで 表面には円孔が群設され、上面には桟が張設されている。 ４Ｉはガイド傾斜板である。

【００１１】 ついで、図９を参照して、第２炉５の詳細を説明する。 ５Ａは底５Ａ１を有する円筒体で、上面開口部には縦煙筒（図示略）を連結す るための短筒状接続口５Ａ２１を有する天井５Ａ２が張設されている。 また、円筒体５Ａの背面側下方には掃除口５Ａ３が形成されている。 ５Ｂは円筒体５Ａ外から円筒体５Ａ内に引込まれた送風管で、上方部分５Ｂ１ は細く絞られていると共に、この上方部分５Ｂ１は短筒状接続口５Ａ２１内に挿 入した状態に構成されている。 そして、この送風管の下端にはブロワ５Ｃが取付けられている。 ５Ｄは円筒体５Ａに第３煙誘導パイプ８の連通箇所の下方位置をもって取付け られた第２バーナである。 ５Ｅは円筒体５Ａにおける前方側内壁に、第２バーナ５Ｄの取付け位置より下 方位置をもって水平に張設された上方増熱板である。 ５Ｆは円筒体５Ａにおける後方側内壁に、上方増熱板の取付け位置より下方位 置をもって水平に張設された下方増熱板である。

【００１２】 一方、図３、図１０、図１１を参照して、上述の如く、架台２の前方側に第１ 炉４を、また、架台２の後方側に第２炉５を配設したから、これら第１炉と第２ 炉との間に三角状の空間ができる。 この場所を利用して機械室１０が形成されている。 この場合、この機械室１０には第１炉と第２炉の熱から断熱するため、断熱材 １０Ａが張設されている。 そして、この機械室１０に第１バーナ４Ｅ、ブロワ５Ｃ、第２バーナ５Ｄが収 納されている。 また、制御盤１１もこの機械室１０に収納されている。

【００１３】 作用について効果と共に説明する。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、上述の通り構成されているので次に記載する効果を奏する。 １．第１炉４内のロストル４Ｃ上に投入された焼却物は第１バーナ４Ｅの熱な いし熱空気によって加熱され、乾燥、熱分解、乾留ガスの発生ないし発火燃焼が 行われる。 この加熱は火炎拡散枠４Ｄと縦煙筒４Ｄ３により促される。 ２．不完全燃焼ガスや自燃できないガスや煙は、発生部位に近い縦ダクト４Ｆ 、上方ダクト４Ｇ及び各煙誘導パイプ６，７，８，９を通って第２炉５に誘引さ れ、第２バーナ５Ｄの熱と熱空気によって強制完全燃焼される。 ３．各煙誘導パイプ６，７，８，９からのガス、煙は概ね上方ほど高温であり 、下方増熱板５Ｆ、上方増熱板５Ｅによって滞留時間と温度が完全燃焼されやす いように調整される。なお、ゴミや未燃ガスの燃焼のための空気は、バーナの油 の燃焼用ブロワ（各バーナに付属）によって兼用して供給される。したがって、 バーナの空気吸入ダンパー操作で燃焼をコントロールできる。

【００１５】 ４．ブロワ５Ｃからの送風空気は送風管５Ｂの吐出部が絞られているため、高 速気流となり、送風管５Ｂに吐出するため、炉内は減圧され、炉内の燃焼ガスは 外部に漏れにくく、高速気流に誘引混合されて排気される。 ５．蓋４Ａ２は開閉自在であるから、万一、炉内の異常昇圧（局部的発火等に よって）時には浮き上り圧力ガスを放出でき、安全弁の役割も有することになる 。 ６．内方壁３Ｃ、中間壁３Ｂ、外方壁３Ａを三重にし、底部から上部へ空気が 流通するよう構成されているので、壁の間の暖まった空気は上昇し、かつ、底部 より自然に冷気を吸い寄せて上方に放出される。 このため、第１炉４、第２炉５から外方壁３Ａへの熱の伝わりが非常に少なく 、外方壁は触っても安全な温度に保たれる。 設置部も冷気流のため、特別の断熱は不要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】正面方向から見た斜視図である。

【図２】背面方向から見た斜視図である。

【図３】正面方向から見た１部を切り欠いた斜視図であ
る。

【図４】同上の略図的縦断面図である。

【図５】Ａ−Ａ線における１部を省略した断面図であ
る。

【図６】架台と外壁の関係を説明する１部を切り欠いた
斜視図である。

【図７】架台と外壁の関係を説明する１部を切り欠いた
斜視図である。

【図８】第１炉と第２炉の関係を説明する１部を切り欠
いた斜視図である。

【図９】第１炉と第２炉の関係を説明する縦断面図であ
る。

【図１０】機械室を中心に見た斜視図である。

【図１１】同上の１部を切り欠いた要部拡大斜視図であ
る。

【図１２】Ｘ矢視拡大縦断面図である。

【符号の説明】

１ 焼却炉 ２ 架台 ３ 外壁 ４ 第１炉 ５ 第２炉

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 架台（２）の外周部に張設された外壁
   （３）と、架台（２）の前方側に載置された第１炉
   （４）と、架台（２）の後方側に載置された第２炉
   （５）から構成され、第１炉（４）と第２炉（５）とは
   縦長の茶筒状に構成され、かつ、両者は下方から第１煙
   誘導パイプ（６）、第２煙誘導パイプ（７）、第３煙誘
   導パイプ（８）、第４煙誘導パイプ（９）で連結された
   ものにおいて、第１炉（４）は上面開口部に開閉自在に
   蓋（４Ａ２）が設けられた底を有する円筒体（４Ａ）
   と、円筒体（４Ａ）内の最下端部に設けられた灰皿（４
   Ｂ）と、灰皿（４Ｂ）の上面に張設されたロストル（４
   Ｃ）と、ロストル（４Ｃ）の上面に当該ロストルを跨ぐ
   ように設けられた火炎拡散枠（４Ｄ）が火炎拡散枠（４
   Ｄ）の上面中央に植設された縦円筒（４Ｄ３）と、この
   火炎拡散枠（４Ｄ）の後端に連結された第１バーナ（４
   Ｅ）と、火炎拡散枠（４Ｄ）の先端に連結された縦ダク
   ト（４Ｆ）の上端に、当該縦ダクトより左方に連結され
   た上方ダクト（４Ｇ）から構成され、一方、第２炉
   （５）は、円筒体（５Ａ）の上面開口部には縦煙筒を連
   結するための短筒状接続口（５Ａ２１）を有する天井
   （５Ａ２）が張設された底を有する円筒体５Ａと、円筒
   体（５Ａ）外から円筒体（５Ａ）内に引込まれた送風管
   （５Ｂ）の上方部分（５Ｂ１）は、細く絞られていると
   共に、この上方部分（５Ｂ１）は短筒状接続口（５Ａ２
   １）内に挿入した状態に構成され、この送風管の下端に
   はブロワ（５Ｃ）が取付けられ、円筒体（５Ａ）に第３
   煙誘導パイプ（８）の連通箇所の下方位置をもって第２
   バーナ（５Ｄ）が付けられ、円筒体（５Ａ）における前
   方側内壁には、第２バーナ（５Ｄ）の取付け位置より下
   方位置をもって水平に上方増熱板（５Ｅ）が張設され、
   円筒体（５Ａ）における後方側内壁に、上方増熱板の取
   付け位置より下方位置をもって水平に下方増熱板（５
   Ｆ）が張設されていることを特徴とする焼却炉。
2. 【請求項２】 架台（２）を通気性を有するように構成
   すると共に、この架台（２）の外周部に張設された外壁
   （３）も三重構造に構成し、架台からの通気はこの外壁
   （３）内と連通するよう構成された請求項１記載の焼却
   炉。