JP3012919U - ガスボンベを用いた塵芥焼却装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 家庭でも使用できるような小型で安価な塵芥
焼却装置であって、回動可能に設けたロストルを炉体の
上中下３箇所に設けて、ゴミを適当に分類して焼却する
ことができるとともに、生ゴミは乾燥させてから焼却す
ることができ、且つ炎の上昇がよくて燃焼効率のよい焼
却装置を提供することを目的とするものである。 【構成】 空のガスボンベを利用して炉体とし、その内
部に回動可能なロストルを３箇所に設けるとともに、該
ロストルを外部より回動可能とし、さらに該ロストルに
ほぼ対応する炉体の側面に塵芥投入口およびその開閉扉
を設け、且つ最下部のロストルは、給油パイプを軸棒の
代用として設け、さらにその下面に受け皿を設けて外部
より給油可能とし、さらにまた炉体の上部には排気用の
煙突を設けた構成である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、廃品となったプロパンガス等のガスボンベを利用して構成した塵芥 焼却装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の塵芥焼却装置は、実公昭６２−４６９８９号公報に記載されているよう に、炉体を縦長状の角形筒状に設けて、その上部に煙突を形成し、炉体の周壁に 多数の空気取入口を設けるとともに、炉体の前面には２個の塵芥投入口を設け、 且つ炉体内には２個のロストルを設け、該２個のロストル上に塵芥を置いて燃焼 させるようにしたものであったが、角形の炉体の構造が複雑であり、またロスト ルが回動しないようになっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の塵芥焼却装置は、炉体を縦長状の角形筒状に設け、上記のように複雑な 構造になっていたので、炉体の製作が困難であり、製作コストが高くなって家庭 用には向かないとともに、ロストルが回動しないようになっていたので、上部の ロストルで生ゴミを乾燥させ、それを下部のロストル上に落して焼却するような ことは不可能であった。また１個の炉体でゴミを２種以上に分別して焼却するこ とも不可能であった。

【０００４】 本考案は、従来における上記の問題点を解決するために考案されたものであっ て、炉体の製作コストが安価となり、また上中下３箇所に設けたロストルを回動 可能に構成したものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

空ガスボンベを用いて炉体とし、その内部にはロストルを３箇所に設けるとと もに、該ロストルを外部より回動可能とし、さらに該ロストルにほぼ対応する炉 体の側壁には、それぞれ塵芥投入口およびその開閉扉を設け、ゴミ類を少なくと も３種類に分別してロストル上で焼却することができるようにするとともに、最 下段のロストルの軸棒は給油パイプとし、さらにその下面に受け皿を設け、且つ 炉体の上面には、排気用の煙突を突設して塵芥焼却装置を構成したものである。

【０００６】

【作用】

ロストルが３箇所に設けてあるので、ゴミの種類や大きさなどを３種類に分別 して焼却することができる。なお細かいゴミは最上段の網箱に入れると落下する ようなことがない。またロストルを回動させ、燃えにくいゴミは下のロストル上 へ落して焼却する。さらにまた炉体が長い円筒状となっているので火炎が上昇し 易く、上段の塵埃もよく燃焼させることができる。

【０００７】

【実施例】

本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。プロパンガス等の空ガスボンベ を炉体１とし、その上部には煙突２を突設し、該煙突２の上部には網部３と傘部 ４が設けられている。また炉体１の側壁には、上中下に３個の塵芥投入口５が開 口され、その開閉扉６がそれぞれ開閉自在に設けられており、最下部の開閉扉６ には適数個（図では３個）の空気通入孔７が開口されている。さらにまた炉体１ の下面には６個の脚部８が設けられているが、該脚部８は炉体１より外方へ膨出 するように形成されているので、安定性の良い形状となっている。

【０００８】 図３、図４に示すのは、ほぼ１８０°の回動が可能な上段と中段の２個のロス トル９であって、その下面に固着された軸棒１０の一端部にはハンドル１１が螺 着されている。また最下段のロストル９Ａは、軸棒１０の代わりに下記に述べる 給油パイプ１３が軸棒を兼用している。なお３個のロストル９，９Ａは、それぞ れ炉体１の３個の塵芥投入口５の近くにおいて炉内に設けられ、軸棒１０または 給油パイプ１３を支点としてハンドル１１により回動可能となっている。また最 上段のロストル９の下部には、網によって箱形に形成された網箱１２が設けられ ており、さらにまた最下段のロストル９Ａは、図５に示すように両端を閉じた給 油パイプ１３が軸棒の代用として用いられ、その炉体より突出した一端部の上部 には、油注入口１４が開口され、且つ該給油パイプ１３の中程の下面には、３個 の油流出口１５が開口されている。さらにまた該給油パイプ１３の下面には、燃 焼物挿入用と灰受けを兼用するための受け皿１６が上面を開口された形状で固着 されている。

【０００９】 本考案の塵芥焼却装置を使用する場合は、まず受け皿１６に燃焼物を入れ、３ 個のロストル９上および９Ａ上には塵埃を適当に分別して置く。なおこの場合、 小さいゴミは最上段にある網箱１２内に入れ、また生ゴミなどは最上段のロスト ル９上に置き、燃えるゴミは適当に分けて中段と下段のロストル９および９Ａ上 に置くようにしてもよい。

【００１０】 次に受け皿１６内の燃焼物などに点火すると、炎が上昇してロストル９および ９Ａ上のゴミ類を焼却する。この場合、炉体１が細長い円筒状となっているので 、煙突のような作用をして熱気が十分に上昇する。そのため燃えるゴミはよく燃 えるとともに、最上段の生ゴミも十分に乾燥してから燃えるが、生ゴミが乾燥し てからロストル９を回動して下の段に落とすと燃焼が早くなる。また受け皿１６ 内の燃焼物などが少なくなって燃焼が弱くなった場合は、給油パイプ１３の油注 入口１４から油を注入すると、パイプ下面の油流出口１５から油が受け皿１６内 に落下し、燃焼を強くすることができる。 なお本考案の炉体は、空ドラム缶を使用して構成することもできる。この場合 は、塵埃投入口５とロストル９および９Ａは２段に設けるのが好ましい。

【００１１】

【考案の効果】

本考案の塵芥焼却装置の炉体は、廃品となった空のガスボンベを使用するので コストが安価となり、且つ小型で使い易く家庭用に最適である。またゴミを適当 に分別し、３段に設けたロストルの上で焼却することができて便利であるととも に、炉体が細長い円筒状になっているので煙突の効果を発揮し、炎がよく上昇し て燃焼力が強くなり、短時間で焼却することができる利点がある。また上段のロ ストル上で生ゴミを乾燥させてから下段のロストル上へ落して焼却することがで き、生ゴミを取り除いて捨てる必要がなく、生ゴミも全て焼却することができる という環境衛生上きわめて大きな利点がある。また給油パイプが設けてあるので 燃料オイルを外部から追加し、燃焼力を強くすることができる特長がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のガスボンベを用いた塵芥焼却装置の一
部破断斜視図である。

【図２】本考案のガスボンベを用いた塵芥焼却装置の炉
体部分の断面図である。

【図３】本考案のガスボンベを用いた塵芥焼却装置のロ
ストルの平面図である。

【図４】本考案のガスボンベを用いた塵芥焼却装置のロ
ストルの側面図である。

【図５】本考案のガスボンベを用いた塵芥焼却装置の給
油パイプを軸棒の代用としたロストルの斜視図である。

【符号の説明】

１・・・炉体 ２・・・煙突 ３・・・網部 ４・・・傘部 ５・・・塵芥投入口 ６・・・開閉扉 ７・・・空気孔 ８・・・脚部 ９・・・ロストル ９Ａ・・ロストル １０・・・軸棒 １１・・・ハンドル １２・・・網箱 １３・・・給油パイプ １４・・・油注入口 １５・・・油流出口 １６・・・受け皿

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プロパンガス等の空ガスボンベを用いて
   炉体（１）とし、その内部にはロストル（９）を上中下
   ３箇所に設けるとともに、該ロストル（９）を外部より
   回動可能とし、該ロストル（９）にほぼ対応する炉体
   （１）の側壁には、塵芥投入口（５）を開口するととも
   に、その開閉扉（６）を設け、最上部のロストル（９）
   の下面には、上面が開口された網箱（１２）を設け、ま
   た最下段のロストル（９Ａ）の軸棒は設けなく、その代
   わりに給油パイプ（１３）を軸棒兼用として設け、さら
   にその下面には上面が開口された受け皿（１６）を固着
   して設け、さらにまた炉体（１）の上面には、排気用の
   煙突（２）を突設して構成したことを特徴とするガスボ
   ンベを用いた塵芥焼却装置。