JP3028583B2 - 車両用空気調和制御装置 - Google Patents

車両用空気調和制御装置

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JP3028583B2
JP3028583B2 JP02280899A JP28089990A JP3028583B2 JP 3028583 B2 JP3028583 B2 JP 3028583B2 JP 02280899 A JP02280899 A JP 02280899A JP 28089990 A JP28089990 A JP 28089990A JP 3028583 B2 JP3028583 B2 JP 3028583B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は空気調和制御装置に係り、特に、車両に採用
するに適した空気調和制御装置に関する。
(従来技術) 従来、車両用空気調和制御装置においては、例えば、
特公平1−27888号公報に示されているように、車室内
の空調制御にあたり、日射量に応じて車室内への吹出空
気流量を変化させるようにしたものがある。
(発明が解決しようとする課題) しかし、このような構成においては、車室内への吹出
空気流が連続的に乗員に当たることになるため、時間が
経過すると、却って乗員に不快感を与えるという不具合
が生じる。これに対しては、特開昭61−122021号公報に
示されているように、車室内への吹出空気流量を時間的
に変化させるようにしたものもあるが、この場合におい
ても、吹出空気流量の時間的変化が一定のパターンでも
ってなされるのみのため、乗員の身体部位毎に対する日
射の影響度まで考慮した空調制御はなされておらず、そ
の結果、乗員の不快感の解消が不十分となっている。
そこで、本発明は、このようなことに対処すべく、車
両用空気調和制御装置において、日射の乗員の各身体部
位に対する影響度の差異をも考慮して車室内への吹出空
気流の吹出方向を変化させるようにしようとするもので
ある。
(課題を解決するための手段) 上記課題の解決にあたり、本発明の構成上の特徴は、
第1図にて示すごとく、 車両の車室内の所望の温度を設定する温度設定手段1
と、 車室内の現実の温度を内気温として検出する内気温検
出手段2と、 車室内への吹出空気流の吹出方向を揺動調整する調整
手段3と、 前記吹出空気流の温度及び流量の少なくとも一方を前
記設定温と前記検出内気温との差を減ずるように制御す
る制御手段4とを備えた空気調和制御装置において、 車両の適所に配設されて日射光源からの日射量を検出
する検出手段5と、 調整手段3の揺動周期を、揺動全範囲に亘り、前記検
出日射量の多い程短くし当該検出日射量の少ない程長く
するように決定する決定手段6とを設けて、 調整手段3は制御手段4の制御のもとに前記吹出空気
流の吹出方向を前記決定揺動周期の長さに応じて揺動調
整するようにしたことにある。
(作用効果) このように本発明を構成したことにより、検出手段5
が日射光源からの日射量を検出すると、決定手段6が調
整手段3の揺動周期を、揺動全範囲に亘り、前記検出日
射量の多い程短くし前記検出日射量の少ない程長くする
ように決定する。すると、調整手段3が、制御手段4の
制御のもとに、前記吹出空気流の吹出方向を前記決定揺
動周期の長さに応じて揺動調整する。
これにより、前記検出日射量が多い程前記吹出空気流
の吹出方向の揺動周期が短くなり、前記検出日射量が少
ない程前記吹出空気流の吹出方向の揺動周期が長くな
る。
従って、乗員に対し冷風の当たる時間が受熱量に応じ
て適正となり、その結果、乗員の各身体部位の日射感度
に合致した空調が、常に適切な吹出空気流の吹出方向の
揺動周期の長さに応じた変化でもって、乗員に快適感を
与えつつ実現され得る。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面により説明すると、第
2図は、本発明に係る車両用空気調和制御装置の一例を
示している。この空気調和制御装置は、当該車両に装備
したエヤダクト10を有しており、このエヤダクト10内に
は、その上流から下流にかけて、内外気切換ダンパ20、
ブロワ30、エバポレータ40、エヤミックスダンパ50、ヒ
ータコア60及び各吹出口切換ダンパ70〜90が配設されて
いる。内外気切換ダンパ20は、サーボモータ20aによる
駆動のもとに第1切換位置(第2図にて図示実線により
示す位置)に切換えられてエヤダクト10内にその外気導
入口11aから外気を流入させ、一方、第2切換位置(第
2図にて図示二点鎖線により示す位置)に切換えられて
エヤダクト10内にその内気導入口11bを介し当該車両の
車室内の内気を流入させる。
ブロワ30は、駆動回路30aにより駆動されるブロワモ
ータMの回転速度に応じ、外気導入口11aからの外気又
は内気導入口11bからの内気を空気流としてエバポレー
タ40に送風する。エバポレータ40は、空気調和制御装置
の冷凍サイクルの作動に応じ循環する冷媒によりブロワ
30からの空気流を冷却する。エヤミックスダンパ50は、
サーボモータ50aにより駆動されて、その開度に応じ、
エバポレータ40からの冷却空気流をヒータコア60に流入
させるとともに、残余の冷却空気流を各吹出口切換ダン
パ70〜90に向け直接流動させる。ヒータコア60は、当該
車両のエンジン冷却系統からの冷却水に応じ、その流入
冷却空気流を加熱して各吹出口切換ダンパ70〜90に向け
て流動させる。吹出口切換ダンパ70は、サーボモータ70
aにより駆動されて、空気調和制御装置のデフロストモ
ード時に開成されてエアダクト10の吹出口12から当該車
両のフロントウインドシールドW(第3図参照)に向け
空気流を吹出させる。吹出口切換ダンパ80は、サーボモ
ータ80aによる駆動のもとに、空気調和制御装置のヒー
トモード時に開成されてエアダクト10の吹出口13から車
室内下部に向け空気流を吹出させる。また、吹出口切換
ダンパ90は、サーボモータ90aによる駆動のもとに、空
気調和制御装置のベンティレーションモード時に開成さ
れてエアダクト10の吹出口14から当該車両の車室内に向
け空気流を吹出させる。
風向調整機構100は、吹出口14の左側開口端部14aに設
けられているもので、この風向調整機構100は、そのサ
ーボモータ100aによる駆動のもとに、左右方向に揺動し
て左側開口端部14aからの空気流の吹出方向を調整す
る。風向調整機構110は、吹出口14の両中央開口端部14
b,14cに設けられているもので、この風向調整機構110
は、サーボモータ110aによる駆動のもとに、左右方向に
揺動して両中央開口端部14b,14cからの空気流の吹出方
向を調整する。また、風向調整機構120は、吹出口14の
右側開口端部14dに設けられているもので、この風向調
整機構120は、サーボモータ120aによる駆動のもとに、
左右方向に揺動して右側開口端部14dからの空気流の吹
出方向を調整する。
操作スイッチSWは、空気調和制御装置を作動させると
き操作されて操作信号を生じる。温度設定器130は、車
室内の温度を所望の温度に設定するとき操作されて同所
望の温度を設定温信号として発生する。内気温センサ14
0は、車室内の現実の温度を検出し内気温検出信号とし
て発生する。外気温センサ150は、当該車両の外気の現
実の温度を検出し外気温検出信号として発生する。日射
センサ160は、第3図に示すごとく、フロントウィンド
シールドWの下縁左右中央部の車室内近傍にて、ダッシ
ュボードDの上面左右中央に配設されているもので、こ
の日射センサ160は、第4図及び第5図に示すごとく、
基台161と、断面直方体形状の各受光素子162〜164とに
よって構成されている。基台161は、その下面161aに
て、ダッシュボードDの上面左右中央に固定されてお
り、この基台161の水平状上面161bには受光素子162が貼
着されている。この受光素子162は、例えば、ホトトラ
ンジスタを内蔵してなるもので、この受光素子162は、
その水平状受光面162aを介し前記ホトトランジスタに
て、フロントウィンドシールドWを通り入射する日射光
を受光する。
また、残余の各受光素子163,164は、受光素子162と同
様の構成を有しており、これら各受光素子163,164は、
第4図及び第5図に示すごとく、基台161の左右の傾斜
面161c,161d上にそれぞれ貼着されている。但し、各受
光素子163,164は、当該車両の前方方向(第3図〜第5
図にて図示x軸方向に相当)に対し、左右方向(図示y
軸方向に相当)に対称的に位置している。かかる場合、
各受光素子163,164は、第4図に示すごとく、それぞ
れ、x軸に対し、所定方位角φsだけ、左右に向いてい
る。また、各受光素子163,164は、x軸方向に対し上方
(z軸方向に相当)へ所定傾斜角θsだけ傾斜してい
る。しかして、各受光素子163,164は、受光素子162と同
様に、日射光を受光する。
このように構成した日射センサ160においては、第3
図に示すごとく、点Sunの位置から日射センサ160の仰角
θ及び方位角φにてフロントウインドシールドWを通り
日射光が日射量STでもって日射センサ160に入射したと
き、日射センサ160の各受光素子162,163,164が各日射量
Ia,Ib,Icとしてそれぞれ受光するとともに各日射量Ia,I
b,Icを第1,第2及び第3の日射量検出信号として発生す
る。水温センサ170は当該車両のエンジン冷却系統の冷
却水温を検出し水温検出信号として発生する。また、出
口温センサ180は、エバポレータ40の出口における冷却
空気流の温度を検出し出口温検出信号として発生する。
A−D変換器190aは、温度設定器130からの設定温信
号、内気温センサ140からの内気温検出信号、外気温セ
ンサ150からの外気温検出信号及び日射センサ160からの
第1〜第3の日射量検出信号、水温センサ170からの水
温検出信号及び出口温センサ180からの出口温検出信号
を第1〜第8のディジタル信号にそれぞれディジタル変
換する。
マイクロコンピュータ190は、コンピュータプログラ
ムを、第6図〜第8図に示すフローチャートに従い、A
−D変換器190aとの協働により実行し、この実行中にお
いて、駆動回路30a及び各サーボモータ20a,50a,70a,80
a,90a,100a,110a,120aの駆動制御に必要な演算処理をす
る。但し、上述のコンピュータプログラムは、マイクロ
コンピュータ190のROMに予め記憶されている。また、マ
イクロコンピュータ190は、当該車両のイグニッション
スイッチIGの閉成に応答してバッテリBから給電されて
作動状態になり、操作スイッチSWからの操作信号に応答
してコンピュータプログラムの実行を開始する。
このように構成した本実施例において、当該車両のエ
ンジンをイグニッションスイッチIGの閉成に基き始動さ
せるものとする。また、操作スイッチSWから操作信号を
発生させれば、マイクロコンピュータ190が第6図のフ
ローチャートに従いステップ200にてコンピュータプロ
グラムの実行を開始し、かつ、ステップ210にて、その
各内部素子の初期化を行う。ついで、マイクロコンピュ
ータ190が、ステップ220にて、A−D変換器190aから第
1〜第8のディジタル信号を受け、ステップ230にて、
エアダクト10から車室内への空気流の基準必要吹出温度
Tbを次の関係式(1)に基き、前記第1〜第3のディジ
タル信号の各値(以下、設定温Tset、内気温Tr及び外気
温Tamという)に応じて演算する。
Tb=Kset・Tset−Kr・Tr−Kam・Tam+C ・・・(1) 但し、関係式(1)において、各符号Kset,Kr及びKam
は、それぞれ、正の係数を表わす。また、符号Cは定数
を表わす。なお、関係式(1)はマイクロコンピュータ
190のROMに予め記憶されている。
ついで、マイクロコンピュータ150が、ステップ240に
て、同ステップにて示す特性曲線Mb−Tbに基きステップ
230における基準必要吹出温度Tbに応じエアダクト10か
ら車室内への空気流の吹出モードMbを決定するととも
に、同ステップにて示す特性曲線Vb−Tbに基きステップ
230における基準必要吹出温度Tbに応じエアダクト10か
ら車室内への空気流の基準吹出空気流量Vbを決定する。
但し、特性曲線Mb−Tbは、吹出モードMbと基準必要吹出
温度Tbとの関係を表すデータとしてマイクロコンピュー
タ190のROMに予め記憶されているとともに、特性曲線Vb
−Tbは、基準吹出空気流量Vbと基準必要吹出温度Tbとの
関係を表わすデータとしてマイクロコンピュータ190のR
OMに予め記憶されている。
然る後、コンピュータプログラムが日射量補正ルーテ
ィン250(第6図及び第7図参照)に進むと、マイクロ
コンピュータ190が、ステップ251にて、次の関係式
(2)に基き、ステップ220における第4〜第6のディ
ジタル信号の各値(即ち、各日射量Ia,Ib,Ic)に応じて
仰角θを演算し、ステップ251aにて、次の関係式(2a)
に基き日射量Ia及び仰角θに応じ日射量STを演算し、か
つステップ251bにて、次の関係式(2b)に基き、日射量
ST、ステップ230における基準必要吹出温度Tb及びステ
ップ240における基準吹出空気流量Vbに応じて補正必要
吹出温度Taを演算する。
但し、関係式(2)は次のようにして求めたものであ
る。一般に、日射センサ160において、各日射量Ib,Ic
は、第3図〜第5図に示す各諸量ST,φ,θ,φs,θs
との関係において次の各関係式(2c)(2d)により表わ
される。
Ib=ST・{cosθssinθ+sinθscosθcos(φ −φs)} ・・・(2c) Ic=ST・{cosθssinθ+sinθscosθcos(φ +φs)} ・・・(2d) ここで、θs=φs=45゜としたとき、各関係式(2
c),(2d)はそれぞれ次の各関係式(2e)(2f)とし
て整理される。
また、日射量Iaは仰角θとの関係で次の関係式(2g)
として得られる。
Ia=ST・sinθ ・・・(2g) しかして、各関係式(2e),(2f),(2g)をθにつ
いて解けば、関係式(2)が得られる。また、関係式
(2g)から関係式(2a)が得られる。
また、関係式(2b)は、日射量STによる当該車両の熱
負荷の上昇分を考慮して、以下のような実験結果に基
き、基準必要吹出温度Tbを日射量STに応じて補正するも
のである。但し、関係式(2b)において、符号Ksは正の
係数を表わし、符号Cpは空気の比熱を表わし、また、γ
は空気の比重を表わす。
本願発明者等が、車両の乗員の温度に精度よく合致す
る空調制御の実現にあたり、日射環境下における車室内
への吹出空気流の温度或いは単位時間当りの流量に相当
する風速と日射量との関係を、乗員の頭部近傍を対象と
して、実験により確認したところ、第8図に示すような
結果が得られた。但し、この実験においては、外気温が
−10℃のときを基準とし、また車両に配置した日射セン
サの太陽に対する仰角及び方位角が30゜及び90゜のとき
を基準とした。
しかして、この実験の結果、乗員の温感に精度よく合
致した車室内の温度を実現するにあたっては、車室内へ
の吹出空気流の温度を一定にしても、同吹出空気流の風
速を日射量の増大に応じて第8図の曲線Pに従い増大さ
せればよいことが確認できた。しかし、車室内への吹出
空気流の風速を一定にした場合には、日射量の一定量以
下の範囲での増大時には、吹出空気流の温度を第8図の
曲線qに従い低下させればよいが、日射量の一定量を超
える増大時には、曲線qで示すごとく、吹出空気流の温
度を低下させることができず、車室内の温度を乗員の温
感に合致させて低下させることは困難であることが確認
できた。
また、以上のような事実を前提として、次のような現
象も確認できた。即ち、日射環境下において乗員の温感
に合致するように車室内の温度を調整すべく空調制御を
行うにあたり、日射量が一定量以下の範囲では、吹出空
気流の温度低下による補正を中心に制御すれば十分であ
り、同吹出空気流の流量まで増大制御することは、却っ
て乗員に冷風による不快感を与えることが確認できた。
また、日射量が一定量以下の範囲を超えて増大した場合
には、吹出空気流の流量の増大補正を中心に制御する必
要があることが確認できた。また、乗員の胴部について
も上述と同様の実験結果が判明している。従って、乗員
の各身体部位の温感に精度よく合致するように、ベンテ
ィレーションモードにおける吹出空気流の温度及び流速
を制御すれば、良好な日射補正が可能である旨、理解で
きる。なお、各関係式(2),(2a),(2b)はマイク
ロコンピュータ190のROMに予め記憶されている。
しかして、マイクロコンピュータ190のROMに予め記憶
した所定の下限吹出温度Tas(例えば、5℃)よりもス
テップ251bにおける補正必要吹出温度Taの方が低けれ
ば、マイクロコンピュータ190がステップ252にて「NO」
と判別し、次のステップ253において、エアダクト10か
らの車室内への目標必要吹出温度Taoを下限吹出温度Tas
に等しくセットするとともに、次の関係式(3)に基
き、ステップ220における設定温Tset、下限吹出温度Ta
s、及び日射量STに応じ、エアダクト10から車室内への
目標吹出空気流量Vaoを演算する。
この関係式(3)は、Tao=Tasにおける(Tas−Ta)
に相当する空気調和制御装置の能力不足分を空気流量で
補正し日射量STによる受熱量を解消するものである。
但し、この関係式(3)はマイクロコンピュータ190のR
OMに予め記憶されている。一方、Ta≧Tasが成立すると
きには、マイクロコンピュータ190がステップ252にて
「YES」と判別し、次のステップ254において、必要吹出
温度Taoをステップ251bにおける補正必要吹出温度Taに
等しくセットするとともに、目標吹出空気流量Vaoをス
テップ240における基準吹出空気流量Vbに等しくセット
する。このことは、吹出温度の低下のみで受熱量を解消
することを意味する。なお、下限吹出温Tasは、各吹出
口14a〜14cからの吹出空気流が冷風のとき、この冷風が
当該車両の受熱量、乗員の頭部及び胴部の各受熱量を解
消する際に、日射の当たらない足部への影響を防止する
ためのものである。従って、下限吹出温度Tasは、吹出
温度の必要以上の低下をきたさない値としてマイクロコ
ンピュータ190のROMに予め記憶されている。
このようにして日射量補正ルーティン250の演算処理
が終了すると、マイクロコンピュータ190が揺動周期演
算ルーティン260(第6図及び第9図参照)の実行に移
行する。この揺動周期演算ルーティン260においては、
マイクロコンピュータ190が、ステップ261にて、ステッ
プ240における吹出モードMbの決定結果に基き、ベンテ
ィレーションモード及びバイレベルモードの一方でなけ
れば「NO」と判別する。
一方、ステップ261における判別が「YES」のときは、
マイクロコンピュータ190が、ステップ262にて、次の関
係式(4)に基づき、ステップ220における各日射量Ib,
Ic、ステップ251における仰角θ及びステップ251aにお
ける日射量STに応じ方位角φ(第3図参照)を演算す
る。
但し、この関係式(4)は、上述の各関係式(2e),
(2f),(2g)をφについて解くことにより得られる。
なお、関係式(4)は、マイクロコンピュータ190のROM
に予め記憶されている。
然る後、マイクロコンピュータ190が、ステップ263に
て、日射量STをパラメータとした各風向調整機構100,1
10,120の揺動周期τ、仰角θ及び方位角φの間の関係を
表す各マップMapa(τ,θ,φ),Mapb(τ,θ,φ)
及びMapc(τ,θ,φ)(第10図〜第12図参照)に基
き、ステップ251における仰角θ、及びステップ251aに
おける日射量ST及びステップ262における方位角φに応
じ揺動周期τを各所定の揺動周期τf,τm,τsのいずれ
かに決定する。なお、方位角φは、各風向調整機構100,
110,120の揺動角に一致する。
但し、各マップMapa(τ,θ,φ),Mapb(τ,θ,
φ)及びMapc(τ,θ,φ)は以下のような根拠に基き
作成されている。本発明者等が、日射量ST=860(Kcal
/hm2)のもとで、当該車両の運転席に着座した運転者の
頭部及び胴部の各受熱量(以下、受熱量Qという)が仰
角θをパラメータとして方位角φの変化に応じどのよう
に変化するかについて実験により確認したところ、第13
図に示すような結果が得られた。これによれば、受熱量
Qは、θ=30゜の近傍及びφ=−60゜〜−90゜の範囲で
大きくなることが確認された。
そこで、受熱量Qが大きく乗員の温感に大きく影響を
及ぼす場合には、揺動周期τを短くし、一方、受熱量Q
が小さく乗員の温感に及ぼす影響が小さい場合には、揺
動周期τを長くするようにすれば、乗員に対し冷風の当
たる時間が受熱量Qに応じ適正となり、その結果、乗員
に対し受熱量Qに応じた適度の刺激を与えつつ快適感を
維持し得ることが分かる。このようなことから、揺動周
期τが、τs,τm,τfのいずれかをとるようにし、かつ
τs>τm>τfとなるように、受熱量Qに応じて定め
た。また、受熱量Qの絶対値が日射量STに応じて変化
するため、揺動周期τも日射量STに応じて変えること
が必要である。以上により、各マップMapa(τ,θ,
φ),Mapb(τ,θ,φ)及びMapc(τ,θ,φ)が、
第10図〜第11図に示すごとく、ST、θ,φに応じてτ
=τs,τm,τfの一つをとるように決定された。なお、
各マップはマイクロコンピュータ190のROMに予め記憶さ
れている。なお、ST>860(Kcal/hm2)は、日射強の範
囲に相当し、430<ST≦860(Kcal/hm2)は、日射中間
値の範囲に相当し、また、200≦ST≦430(Kcal/hm2
は日射強の範囲に相当する。また、上述の各マップにお
いて、ST<200(Kcal/hm2)のときは、すべてτ=τs
とする。
しかして、ステップ263における演算処理の結果、τ
=τf,τ=τm或いはτ=τsと決定されると、τ=τ
f,τ=τm,及びτ=τsによる制御パターンは、第14図
にて実線、破線及び一点鎖線により示すように与えられ
る。このようにして、揺動周期演算ルーティン260の実
行が終了すると、マイクロコンピュータ190が、コンピ
ュータプログラムを開度制御ルーティン270、空気流量
制御ルーティン280、風向制御ルーティン290、吹出モー
ド制御ルーティン300及び内外気モード制御ルーティン3
10に順次進める。
即ち、開度制御ルーティン270においては、マイクロ
コンピュータ190が、次の関係式(5)に基き、ステッ
プ253又は254における目標必要吹出温度Tao、ステップ2
20における第7及び第8のディジタル信号の各値(以
下、冷却水温Tw及び出口温Teという)に応じてエヤミッ
クスダンパ50の目標開度(以下、目標開度SWoという)
を演算し、かつサーボモータ50が、エヤミックスダンパ
50の開度を目標開度SWoに一致させるように同エヤミッ
クスダンパ50を駆動する。
但し、各関係式(5)はマイクロコンピュータ190のR
OMに予め記憶されている。
また、空気流量制御ルーティン280においては、マイ
クロコンピュータ190が、ステップ253又は254における
目標吹出空気流量Vaoに基き流量出力信号を発生し、こ
の流量出力信号に基づいてブロワモータMが駆動回路30
aとの協働のもとにブロワ30からの空気流量を目標吹出
空気流量Vaoに徐々に一致させるようにブロワ30を駆動
する。ついで、風向制御ルーティン290においては、マ
イクロコンピュータ190が、ステップ263にて決定した揺
動周期τを表す揺動出力信号を発生し各サーボモータ10
0a,110a,120aに付与する。このため、各風向調整機構10
0,110,120が、各サーボモータ100a,110a,120aにより駆
動され揺動周期τにて揺動する。かかる場合、揺動周期
τは、第10図〜第12図に示すごとく、θ,φ,STに応じ
てτs,τf,或いはτmとして与えられている。
また、吹出モード制御ルーティン300においては、ス
テップ261での判別が「YES」であるとすれば、マイクロ
コンピュータ190が、ベンティレーションモード或いは
バイレベルモードに必要な演算処理をする。このため、
吹出口切替ダンパ80,90が各サーボモータ80a,90aにより
それぞれ開成されるか、或いは吹出口切替ダンパ80のみ
が開成される。このとき、各開口端部14a〜14dから吹出
す空気流は、各風向調整機構100,110,120により揺動周
期τf,τm又はτsにて揺動されて吹出方向を変化させ
る。
以上説明したように、本実施例においては、日射セン
サ160を採用し、この日射センサ160の各受光素子162,16
3,164の受光量に基づいて決定した方位角φ、仰角θ及
び日射量ST並びに第10図〜第12図の各マップでもって
揺動周期τを決定し、車室内への吹出空気流の温度及び
流量をステップ253又は254における目標必要吹出温度Ta
o及び目標吹出空気流量Vaoにそれぞれ一致させるように
開度制御ルーティン270及び空気流量制御ルーティン280
における各演算処理をするとともに、風向制御ルーティ
ン290において上述のような揺動周期τに応じた揺動出
力信号の発生のための演算処理がなされ、ベンティレー
ションモード或いはバイレベルモードにおける各開口端
部14a〜14dからの空気流の吹出方向がτ=τm,τs又は
τfにて揺動制御される。その結果、運転者の各身体部
位の受熱量を解消しつつ運転者の各身体部位の温感に合
致した空調の実現が可能となる。
次に、前記実施例の変形例について第15図及び第16図
を参照して説明すると、この変形例においては、前記実
施例にて述べた風向調整機構110に代えて、第15図に示
すごとく、両風向調整機構110A,110Bが採用されるとと
もに、第9図の揺動周期演算ルーティン260に代えて、
揺動周期演算ルーティン260Aが、第16図に示すごとく、
採用されていることにその構成上の特徴がある。
風向調整機構110Aは、吹出口14の中央開口端部14bに
設けられているもので、この風向調整機構110Aは、その
サーボモータ111aによる駆動のもとに、左右方向に揺動
し中央開口端部14bからの空気流の吹出方向を調整す
る。また、風向調整機構110Bは、吹出口14の中央開口端
部14cに設けられているもので、この風向調整機構110B
は、そのサーボモータ111bによる駆動のもとに、左右方
向に揺動し中央開口端部14cからの空気流の吹出方向を
調整する。また、前記実施例に述べたコンピュータプロ
グラムは、揺動周期演算ルーティン260に代えて、揺動
周期演算ルーティン260Aを含むように変更されている。
その他の構成は前記実施例と同様である。
このように構成した本変形例において、前記実施例と
同様にステップ262(第9図及び第16図参照)における
演算処理が終了すると、マイクロコンピュータ190が、
ステップ264(第16図参照)にて、|φ|≧45゜の成立
の有無を判別する。しかして、ステップ262での演算結
果に基き、|φ|≧45゜が成立しない場合には、マイク
ロコンピュータ190が、ステップ264にて「NO」と判別す
る。このことは、運転者が当該車両の前方方向からの日
射でもって受熱することを意味する。しかして、マイク
ロコンピュータ190が、ステップ264aにて風向調整機構1
20の揺動周期τd及び風向調整機構110Bの揺動周期τc
を、各マップ(第10図〜第12図参照)に基き、日射量S
T、仰角θ及び方位角φに応じ前記実施例と同様にτs,
τm,τfのいずれかとして決定する。
一方、ステップ264での判別が「YES」になる場合に
は、日射が左右方向の一方からなされているとの判断の
もとに、マイクロコンピュータ190がコンピュータプロ
グラムをステップ265に進める。ここにおいて、φ≦−4
5゜が成立する場合には、マイクロコンピュータ190が、
ステップ265にて「YES」と判別する。このことは、運転
者の日射の入射が主として左側方向からなされることを
意味する。このため、マイクロコンピュータ190が、ス
テップ265aにて、τd=τsと決定するとともに、τc
を前記各マップに基き、上述と同様にτs,τm,τfのい
ずれかに決定する。一方、ステップ265における判別が
「NO」となる場合には、運転者の日射の入射が主として
右側方向からなされるとの判断のもとに、上述とは逆
に、マイクロコンピュータ190が、ステップ265bにて、
τc=τsと決定するとともに、τdを前記各マップに
基き、上述と同様にτs,τm,τfのいずれかに決定す
る。
このようにして各揺動周期が決定された後は、風向制
御ルーティン290においては、各風向調整機構120,110B
が各ステップ264a,265a,265bのいずれかでのτd及びτ
cに基きそれぞれ独立的に揺動する。これにより、運転
者に対する日射の入射方向をも加味した各揺動周期τd,
τcでもって吹出口14の各開口端部14d,14cからの吹出
空気流の吹出方向が独立的に調整されて運転者の温感に
より一層合致した空調を実現できる。
なお、前記変形例においては、運転者を中心とする制
御について説明したが、これに代えて、助手席の乗員を
中心とする制御も同様に実現できる。かかる場合には、
ステップ265での「YES」との判別時にステップ265bでの
演算処理をし、一方、ステップ265での「NO」との判別
時にはステップ265aでの演算処理をするようにすればよ
い。
また、本発明の実施にあたっては、第10図及び第12図
の各マップに代えて、次の関係式(6)を採用して、揺
動周期τをアナログ的に決定するようにしてもよい。
τ=τo+Cτ(430−ST) ・・・(6) 但し、τoは第11図のマップから定まる揺動周期を表
わす。また、Cτは補正定数を示す。これにより、ST
>430では、揺動周期τが短くなる。また、ST<430で
は、τが長くなる。
また、本発明の実施にあたっては、ステップ261の判
別直前に、揺動指令スイッチの操作の有無を判別するよ
うにして、同揺動指令スイッチの操作下での揺動周期演
算ルーティン260又は260Aの実行を行うようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は特許請求の範囲の記載に対する対応図、第2図
は本発明の一実施例を示すブロック図、第3図は、第2
図の日射センサの車両に対する配置図、第4図は同日射
センサの平面図、第5図は同右側面図、第6図、第7図
及び第9図は第2図のマイクロコンピュータの作用を示
すフローチャート、第8図は日射量と吐出空気流の風速
及び温度との関係を示すグラフ、第10図〜第12図は、揺
動周期τ、方位角φ及び仰角θの関係を日射量STに応じ
て示す各マップ、第13図は乗員の受熱量Qと方位各θと
の関係を示すグラフ、第14図は揺動周期τと方位角θと
の関係を示す制御パターン図、第15図は本発明の変形例
を示すブロック図並びに第16図は第15図のマイクロコン
ピュータの作用を示す要部フローチャートである。 符号の説明 30……ブロワ、40……エバポレータ、50……エヤミック
スダンパ、60……ヒータコア、130……温度設定器、10
0,110,120……風向調整機構、140……内気温センサ、16
0……日射センサ、190……マイクロコンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 101 B60H 1/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の車室内の所望の温度を設定する温度
    設定手段と、 車室内の現実の温度を内気温として検出する内気温検出
    手段と、 車室内への吹出空気流の吹出方向を揺動調整する調整手
    段と、 前記吹出空気流の温度及び流量の少なくとも一方を前記
    設定温と前記検出内気温との差を減ずるように制御する
    制御手段とを備えた空気調和制御装置において、 車両の適所に配設されて日射光源からの日射量を検出す
    る検出手段と、 前記調整手段の揺動周期を、揺動全範囲に亘り、前記検
    出日射量の多い程短くし当該検出日射量の少ない程長く
    するように決定する決定手段とを設けて、 前記調整手段は前記制御手段の制御のもとに前記吹出空
    気流の吹出方向を前記決定揺動周期の長さに応じて揺動
    調整するようにしたことを特徴とする車両用空気調和制
    御装置。
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