JP3023856B2 - カラー画像形成装置用中間転写体ドラム - Google Patents

カラー画像形成装置用中間転写体ドラム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光体ドラムに形成さ
れた潜像を順次、色の異なるカラートナーにより現像
し、該現像された各トナー像を一旦画像保持媒体に転写
し、画像保持媒体上に全トナー画像が形成された後、記
録紙に転写する方式のカラー記録装置における中間転写
体ドラムに関する。
【0002】この種の装置としては、カラープリンタ,
カラーファクシミリ,カラー複写機等が挙げられる。周
知のように、電子写真記録装置には画像形成プロセスと
記録紙搬送プロセスとがあり、画像形成プロセスには、
静電潜像形成プロセス、静電潜像現像プロセス、転写プ
ロセスおよび定着プロセスが含まれる。
【0003】静電潜像形成プロセスでは、感光体ドラム
または感光体ベルト上に画像を光学的に投影することに
よって、あるいは誘電体ドラム上に電荷を付与すること
によって、静電潜像が形成される。静電潜像現像プロセ
スでは、そのように形成された静電潜像に記録媒体とし
てトナーを静電的に付着することによって、静電潜像が
現像される。現像に用いたトナーは転写プロセスで記録
紙に転写され、次いで転写されたトナーは定着プロセス
で記録紙に定着される。
【0004】カラートナーを用いて多色表現するような
カラー記録装置において、本発明では、1つ又は複数の
感光体を有しこれにカラートナー画像を形成、次いでこ
れらカラートナー画像を順次中間転写体に転写し、全色
トナー画像が該中間転写体上に形成された後に記録紙上
へ一度に転写し画像形成を行うカラー記録装置に関す
る。
【0005】
【従来の技術】 この方式のカラー記録装置には、単一
感光体ドラムより中間転写体上へ順次トナーを転写する
方式のものと、複数の感光体ドラム上に各色トナーを現
像し、次々と中間転写体上へ転写する方式のものとがあ
る。これらの方式の中、一番目の構成概要を図1に、二
番目の構成概要を図2に示す。図1に示す装置は、単一
の感光体ドラム1と単一の中間転写体ドラム7を有し、
先ず帯電器2により感光体ドラム1上を均一に帯電す
る。次に、露光器3により感光体ドラム1上に静電潜像
を形成し、現像部にてこの潜像部に各色トナーを付着さ
せ現像する。現像ユニット4aはY(イエロー)、4b
はM(マゼンタ)、4cはC(シアン)であり、黒補正
のための現像ユニット4dとしてBK(ブラック)トナ
ーを有する現像器を用意し、感光体ドラム1が1回転す
る毎に1色づつ現像する。
【0006】現像されたトナー画像は転写前除電器5に
より感光体ドラム1の余分な電荷を除去された後、中間
転写体ドラム7との接触部にて一次転写される。転写さ
れなかった感光体ドラム1上のトナーはクリーニング部
6で除去され、再び元のプロセス位置を回る。必要なト
ナー画像が全て中間転写体ドラム7上に転写された後、
記録紙100上にローラ転写器8にて転写され、定着器
9に搬送され、定着される。
【0007】図2に示す装置は、4個の感光体ドラム1
0a,10b,10c,10dをそれぞれ中心とするプ
ロセスユニットP1,P2,P3,P4と、中間転写体
ドラム15とを備えている。プロセスユニットP1は、
感光体ドラム10aの周囲に帯電器11a,潜像形成装
置12a,現像器13a,クリーナ14aを設けて成
る。他のプロセスユニットP2〜4も同様な構成を有
し、11b,11c,11dは帯電器、12b,12
c,12dは潜像形成装置、13b,13c,13dは
現像器、14b,14c,14dはクリーナである。各
プロセスユニットの現像器13a〜13dにはそれぞれ
異なった色の現像剤が入っている。現像器13a,13
b,13cにはカラー記録に必要な3原色のY,M,C
がそれぞれ用いられ、現像器13dには黒補正のために
BKが用いられている。
【0008】この装置による記録は次の手順で行われ
る。記録に際しては、記録紙100を搬送路上に繰り出
すと同時に、各感光体ドラム10a〜10dに順次各色
の信号に相当する潜像を形成する。潜像形成は、各感光
体ドラム10a〜10dの表面を対応する帯電器11a
〜11dにより一様に帯電させ、それに潜像形成装置1
2a〜12dにより潜像形成することにより行われる。
これらの潜像は、現像器13a〜13dにより現像され
て、Y,M,C,BK色のトナー像となる。これら感光
体ドラム10a〜10b上のトナー画像を順次中間転写
体ドラム15上に転写し重ね合わせて、トナー画像を形
成する。トナー像は転写器18によりドラム17上の記
録紙100上に転写される。
【0009】図3はこれらのカラー記録装置に用いるこ
とのできる中間転写体ドラム7,15の構成として、本
特許出願の出願人が別の出願で提案しているものを比較
例として示す。この中間転写体ドラムはアルミなどの導
電性を有する管19に導電性のゴム20をライニングし
たものが用いられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図3に示した比較例と
しての中間転写体ドラムでは、導電性ゴム20の体積抵
抗率を106 程度と低くするために、ゴム中に導電性の
粉体を分散させている。これにより、導電性ゴム20の
ゴム硬度は高く、即ち硬くなる。また、中間転写体ドラ
ム上へのゴム20のライニングもドラム軸に対して真円
とはならずにある歪みを持つ。このように中間転写体ド
ラムのゴム20が硬くなり、ドラムが歪んでいると、感
光体ドラムとの接触において、その接触幅,圧力,摩擦
などが変化し、トナー画像に乱れが生ずる。特に、偏心
・振動などにより中間転写体ドラム回転方向に対して垂
直な横むら(ジッタ)等が発生する。
【0011】図1の様なカラー記録装置では、感光体ド
ラム1との接触には問題ないが、中間転写体ドラム7上
へのトナー画像の形成は中間転写体ドラム7が複数回回
転して形成されるため、記録紙100への転写に用いる
転写ローラ8は中間転写体ドラム7より離れている。し
かし、記録紙100への転写の際には、中間転写体ドラ
ム7に転写ローラ8は線圧約1kg/cm以上で圧接す
るために、この振動は感光体ドラム1ばかりでなく、他
のプロセスにも伝わりプロセスの調整を崩すといった問
題がある。
【0012】図2に示すカラー記録装置では、中間転写
体ドラム15、感光体ドラム10a〜10dなどの接触
部における各ドラムの偏心からくる振動が他のプロセス
に影響を及ぼし、出力印字に乱れを生じさせる。したが
って、本発明において解決しようとする課題は、中間転
写体ドラム、感光体ドラム、転写ローラ等の偏心,接触
における振動をプロセスの中心である中間転写体ドラム
上で吸収し、他のプロセスへの伝達を避け、画像形成,
画像出力,画像転写に影響を及ぼさないようにすること
で、良好な出力画像を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、単一または複数の感光体ドラム(1、
10、23)を有し、帯電ユニット(2),露光ユニッ
ト(3)と各色トナー画像を現像する複数の現像ユニッ
ト(4)からなる像形成部と、必要とする色数のトナー
粉像を保持する中間転写体(7、15、22)からな
り、該中間転写体上にトナー画像が全て形成された後に
記録紙(100)へのトナー画像の転写を行い、定着ユ
ニット(9)にて定着するカラー記録装置に使用される
前記中間転写体において、図4に示すように、金属製ド
ラム(19)に導電性スポンジ(21)がライニングし
てあり、該導電性スポンジ(21)の表面を導電性ゴム
(20)で覆ったことを特徴とするカラー記録装置の中
間転写ドラムが提供される。
【0014】
【作用】本発明では、中間転写ドラムを、金属製ドラム
(19)に導電性スポンジ(21)をライニングし、更
にその表面を導電性ゴム(20)(図4)で覆うように
構成したので、各感光体ドラムおよび中間転写ドラム、
転写ローラ等の圧接、振動、偏心を該中間転写ドラムの
スポンジで吸収でき、他のプロセス等へ振動が伝達され
ず、出力される印字にジッタ等のムラが無くなる。
【0015】
【実施例】図4は本発明の実施例1の中間転写体ドラム
の基本構成を示す。従来と同様に導電性を有する金属性
のドラム、例えばアルミニウムの素管19上に導電性の
スポンジ21を円周に沿って均一にライニングし、その
上に導電性ゴム20(または誘電体)をさらにライニン
グして中間転写体ドラム22を形成する。ただし、導電
性ゴム20は出来る限り薄くすることが望ましい。これ
は、導電性スポンジ21の穴を埋めカラートナーがこの
スポンジの発砲穴に入り込むことを無くし、さらに中間
転写体ドラム22の表面を平滑にしてクリーニング、転
写等が良好に行えるようにしたものである。次に具体的
な実施例について説明する。
【0016】図4において、実施例1の中間転写体ドラ
ム22の支持媒体(金属製ドラム)19をアルミニウム
の素管とした。これにクロロプレーンゴムを主体とした
体積抵抗率102〜3 Ω・cmの導電性スボンジ(タイ
ガースポリマー(株)製)21を厚さ5mmでライニン
グし、その表面に体積抵抗率106 Ω・cmの導電性ゴム
(三菱油化(株)製)20を厚さ500μmでライニン
グしたものとした。この中間転写体ドラム22を図1の
装置構成、即ち単一の感光体ドラム1を有する装置に設
置し印字実験を行った。
【0017】各色トナー画像が該中間転写体ドラム22
上に形成された後、記録紙100へ転写するために転写
ローラ8が線圧1.5kg/cm で中間転写体ドラム22に圧
接しても、感光体ドラム1及びそれを中心とする各プロ
セスには転写ローラ8の接触による振動は伝達されなか
った。これは中間転写体ドラム22に用いている導電性
スポンジ21に接触時の振動が吸収されているからであ
る。これにより、転写ローラ等の圧接による振動が他の
プロセスにまで伝達しないことから、長期使用において
も安定した印字が可能となった。
【0018】実施例1において用いた中間転写体ドラム
22(図4)を複数の感光体ドラムを有するカラー画像
形成装置に用いた。図5はその画像形成装置の構成を示
す。これは、4本の感光体ドラム23a,23b,23
c,23dをそれぞれ中心とするプロセスユニットP
1',P2',P3',P4'と、中間転写体ドラム22と、定
着ユニット30とを備えている。プロセスユニットP1'
は、感光体ドラム23aの周囲に帯電器24a,露光光
学系25a,現像器26a,クリーナ27aを設けて成
る。他のプロセスユニットも同様な構成を有し、24
b,24c,24dは帯電器、25b,25c,25d
は露光光学系、26b,26c,26dは現像器、27
b,27c,27dはクリーナである。各プロセスユニ
ットの現像器26a〜26dにはそれぞれ異なった色の
現像剤が入っている。現像器26a,26b,26cに
はカラー記録に必要な3原色のY,M,Cがそれぞれ用
いられ、現像器26dには黒補正のためにBKが用いら
れている。
【0019】このカラー画像形成装置による記録は次の
手順で行われる。記録に際しては、記録紙100を搬送
路上に繰り出すと同時に、各感光体ドラム23a〜23
dに順次各色の信号に相当する潜像を形成する。潜像形
成は、各感光体ドラム23a〜23dの表面を対応する
帯電器24a〜24dにより一様に帯電させ、この上に
露光光学系25a〜25dにより露光することにより行
われる。これらの潜像は、現像器26a〜26dにより
現像されて、Y,M,C,BK色のトナー像となる。こ
れら感光体ドラム23a〜23d上のトナー画像を順次
アルミ素管に電圧を印加した中間転写体ドラム22上に
転写し重ね合わせて、トナー画像を形成する。その後、
ローラ転写(またはコロナ転写でも良い)によりトナー
像は記録紙100上に転写され、定着ユニット30によ
り、記録紙100上に固着・定着される。
【0020】図3のように、導電性ゴムをライニングし
た比較例の中間転写体ドラムでは、各感光体ドラム、中
間転写体ドラムの偏心等により全プロセスに振動が伝わ
っていたが、本発明のようにスポンジ31をライニング
した中間転写体ドラム22の採用により、各ドラムの偏
心からくる振動は該中間転写体ドラム22において吸収
され、出力印字にもジッタ等の画像のムラが無くなり、
良好な印字をえることが出来た。
【0021】(実施例2)図6は実施例2の中間転写体
ドラム33を示す。アルミニウムの素管19上に体積抵
抗率の非常に低い導電性スポンジ31をライニングし、
さらにその表面を誘電体フィルムでコーティングしたも
のを用いた。該導電性スポンジ31は実施例1で用いた
ものと同様のものであり、表面をポリエチレンテレフタ
レート(PET)で約100μmコーティングして中間
転写体ドラム33とした。この中間転写体ドラムを図1
及び図5に示すカラー画像装置に組み入れ印字を行った
ところ、実施例1の中間転写体22と同様に良好な印字
が得られ、また、装置内の振動も中間転写体ドラム33
が吸収していることが判った。さらに、中間転写体ドラ
ム表面を誘電体フィルム32で覆うことにより、実施例
1の導電性ゴム20より表面平滑性が向上し、中間転写
体ドラムのクリーニング効率も良くなった。
【0022】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
による中間転写体ドラムにおいては、金属製ドラム19
とその周囲の導電性ゴム20との間に導電性のスポンジ
21をライニングしたものを用いることで、各感光体ド
ラムおよび中間転写体ドラム、転写ローラ等の圧接、振
動、偏心を該中間転写体ドラムのスポンジで吸収できる
ために、他のプロセスへ振動が伝達せず、出力される印
字にジッタ等のムラが無くなる。また、導電性スポンジ
上に誘電体をコートすることで、上記効果は勿論のこ
と、中間転写体ドラム上に残ったトナーのクリーニング
効率も上がった。
【図面の簡単な説明】
【図1】単一の感光体ドラムを用いた従来の電子写真記
録装置の概略図である。
【図2】複数の感光体ドラムを用いた従来の電子写真記
録装置の概略図である。
【図3】導電製ゴムをライニングした比較例の中間転写
体の斜視図である。
【図4】導電性スポンジをライニングした実施例1の中
間転写体の斜視図である。
【図5】実施例1の中間転写体を組み込んだ電子写真記
録装置の概略図である。
【図6】導電性スポンジの上に誘電体フィルムをライニ
ングした実施例2の中間転写体の斜視図である。
【符号の説明】
19…金属製ドラム 20…導電性ゴム 21…導電性スポンジ 22…中間転写体ドラム 31…導電性スポンジ 32…誘電体フィルム 33…中間転写体ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−197770(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/16 G03G 15/01

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一または複数の感光体ドラム(1、1
    0、23)を有し、帯電ユニット(2),露光ユニット
    (3)と各色トナー画像を現像する複数の現像ユニット
    (4)からなる像形成部と、必要とする色数のトナー粉
    像を保持する中間転写体(7、15、22)からなり、
    該中間転写体上にトナー画像が全て形成された後に記録
    紙(100)へのトナー画像の転写を行い、定着ユニッ
    ト(9)にて定着するカラー記録装置に使用される前記
    中間転写体において、金属製ドラム(19)に導電性ス
    ポンジ(21、31)がライニングしてあり、該導電性
    スポンジ(21)の表面を導電性ゴム(20)で覆った
    ことを特徴とするカラー画像形成装置用中間転写体ドラ
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の中間転写体ドラムにお
    いて、導電性スポンジ(21、31)の体積抵抗率は1
    6 Ω・cm以下、好ましくは103 Ω・cm程度であ
    ることを特徴とする中間転写体ドラム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の中間転写体ドラムにお
    いて、前記導電性ゴム(20)の体積抵抗率は約106
    〜1010Ω・cmとし、好ましくは約106Ω・cm程
    度であることを特徴とする中間転写体ドラム。
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