JP3599987B2 - トナー画像転写方法・画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はトナー画像転写方法・画像形成方法および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光導電性や誘電性の像担持体に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像してトナー画像とし、上記トナー画像を直接、または中間転写体を介して記録材上に転写する方式の画像形成装置は、アナログやデジタルの複写装置や静電印刷装置、あるいは光プリンタ等として広く知られている。
このような画像形成装置においては、トナー画像は先ず像担持体に形成され、しかるのちに記録材上へ直接もしくは中間転写体を介して転写されるが、転写工程に起因して発生する「転写チリ」や「画像ぼけ」が問題となっている。
「転写チリ」は、トナー画像を構成する粉体のトナーの一部が転写の際に飛散する現象で、トナー画像の転写の際に、電気的に帯電しているトナー粒子相互の反発力で、トナー粒子が転写面上で広がる傾向に起因する。
「画像ぼけ」は、上記転写チリによりトナー画像の輪郭が乱れ、得られる記録画像に「ぼけ」が生じて画像のシャープさを損なう現象であり、この画像ぼけの発生は上記中間転写体への転写の際に特に生じ易い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、転写チリや画像ぼけを有効に軽減させうる全く新規なトナー画像転写方法の実現を課題とする。
この発明はまた、上記トナー画像転写方法を適用した全く新規な画像形成方法の実現を別の課題とする。
この発明はさらに、上記画像形成方法を実施するための全く新規な画像形成装置の実現を他の課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明のトナー画像転写方法は「トナー画像を担持するトナー画像担持体からトナー画像支持媒体上へトナー画像を転写する方法」であって、以下の点を特徴とする(請求項1)。
即ち、転写されるべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を転写に先立ってトナー画像支持媒体に形成し、上記転写用静電潜像に位置合わせしてトナー画像をトナー画像支持媒体上に転写する。
「トナー画像担持体」は転写されるべきトナーを担持する媒体であり、「トナー画像支持媒体」はトナー画像を転写されるべき媒体である。従って、例えば光導電性の感光体上に形成されたトナー画像を「転写紙等の記録材」上に転写する場合であれば、感光体がトナー画像担持体で、記録材がトナー画像支持媒体となる。また上記感光体から「中間転写体」にトナー画像を転写する場合であれば、感光体がトナー画像担持体で、中間転写体がトナー画像支持媒体となる。さらに、中間転写体から記録材にトナー画像を転写する場合であれば、中間転写体がトナー画像担持体で、記録材がトナー画像支持媒体になる。
【0005】
これらの場合に関して言えば、この発明のトナー画像転写方法は、トナー画像を「感光体から中間転写体や記録材に転写する」場合、「中間転写体から記録材に転写する」場合の何れの場合にも適用が可能である。
なお「トナーは粉体」である。
【0006】
トナー画像支持媒体に形成される転写用静電潜像は、上記の如く「転写されるべきトナー画像に鏡像的に対応」する。
即ち、図1に示すように、トナー画像担持体1に形成されているトナー画像3は、トナー画像支持媒体2に形成された転写用静電潜像の画像部4(現像を行ったと仮定すれば、トナー画像として顕像化されるべき部分)と、これらを向かいあわせに重ねた場合に「合同的に重なりあう」ように対応する。即ち、トナー画像3と画像部4とは互いに鏡像の関係にある。
転写されるべきトナー画像と転写用静電潜像との鏡像的な対応関係は、理想的には、両者を向かいあわせに重ねあわせた時、両者が「ピッタリ」重なり合うこと、即ち、トナー画像と「転写用静電潜像の鏡像」が幾何学的に合同な関係にあることであるが、実際には、このような厳密な対応関係を実現することは困難であるし、転写用静電潜像とトナー画像の位置合わせにも、機械的な誤差は生じ得るから、「転写されるべきトナー画像と転写用静電潜像との鏡像的な対応関係」は「トナー画像と転写用静電潜像の鏡像とが、実質的に合同な関係にある」ことを持って足りるものである。
【0007】
転写用静電潜像の「極性」は、トナー画像を構成する粉体のトナー粒子の帯電極性と、「逆極性」でもよく(請求項2)、トナー粒子の帯電極性と「同極性」でもよい(請求項3)。請求項3記載の発明のように、トナーの帯電極性と転写用静電潜像とを同極性にする場合には、転写用静電潜像におけるトナー画像に鏡像的に対応する部位(図1で符号4で示す部位)における潜像電位の絶対値が、他の部位の電位絶対値よりも小さくなるようにする。従って、請求項3記載の発明の場合「潜像電位の絶対値が大きい部分」は、トナー画像のネガ像と鏡像的に対応することになる。
【0008】
転写用静電潜像をトナー画像支持媒体に形成する方法には、種々の方法が可能である。例えば、トナー画像支持媒体として中間転写体を用いる場合であれば、「中間転写体自体を光導電性の感光媒体とし」その均一帯電と位置選択的な除電とにより転写用静電潜像を形成することができる。即ち、中間転写体表面を均一帯電した後、光走査等の光書き込みにより位置選択的な除電を行って中間転写体表面に2次元的な電位分布を形成して転写用静電潜像とすることができる。
転写用静電潜像を形成する別の方法としては、従来から「TESI法」等として知られる潜像転写方法を利用する方法が使用可能である。即ち、転写用静電潜像を先ず「潜像形成体」に形成し、次いでトナー画像支持媒体上に潜像転写法により転写することにより、トナー画像支持媒体上に転写用静電潜像を形成するのである(請求項4)。この方法は、トナー画像支持媒体が「中間転写体である場合」にも「記録材である場合」にも適用可能である。
トナー画像をトナー画像支持媒体上に転写する際、トナー画像と転写用静電潜像とを高精度に位置合わせする必要があるが、高精度の位置合わせはカラー画像形成における各色トナー画像の位置合わせに関連してすでに確立されており、この発明の実施におけるトナー画像支持媒体上の転写用静電潜像とトナー画像担持体上のトナー画像の位置合わせは十分に高い精度で実現できる。
【0009】
請求項5,6記載の画像形成方法は「潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像を現像して潜像担持体にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を記録材上に転写して記録画像を得る画像形成方法」であり、それぞれ以下の如き特徴を有する。
即ち、潜像担持体をトナー画像担持体とし、記録材をトナー画像支持媒体として上記請求項1〜4の任意の1に記載のトナー画像転写方法によりトナー画像の転写を行う(請求項5)。請求項6記載の画像形成方法は、潜像担持体をトナー画像担持体とし、記録材をトナー画像支持媒体とし「潜像担持体を潜像形成体として、請求項4記載のトナー画像転写方法によりトナー画像の転写を行う」ことを特徴とする。即ち、請求項6記載の発明においては、転写用静電潜像は先ず潜像担持体に形成され、この潜像担持体から記録材に転写されるのである。
「記録材」は、この明細書中において「最終的にトナー画像を記録画像として担持する媒体」であり、転写紙やOHP(オーバヘッドプロジェクタ)用シート等を総称する。
【0010】
請求項7,8記載の画像形成方法は「潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像を現像して上記潜像担持体にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を中間転写体を介して記録材上に転写して記録画像を得る画像形成方法」であり、それぞれ以下の如き特徴を有する。
即ち、潜像担持体をトナー画像担持体とし、中間転写体をトナー画像支持媒体として、請求項1〜4の任意の1に記載のトナー画像転写方法によりトナー画像の転写を行う(請求項7)。請求項8記載の画像形成方法は、潜像担持体をトナー画像担持体とし、中間転写体をトナー画像支持媒体とし、潜像担持体を潜像形成体として、請求項4記載のトナー画像転写方法によりトナー画像の転写を行うことを特徴とする。
【0011】
上に説明した請求項1〜4記載のトナー画像転写方法は、互いに異なる色のトナーによる2以上のトナー画像を同一の記録材上に転写して重ね合わせ、記録画像としてカラー画像を得る画像形成方法において、各色のトナー画像の転写を行う場合にも適用できる(請求項9)。
この請求項9記載の画像形成方法において、異なる色のトナーにより現像されるべき静電潜像を同一の潜像担持体に形成し、上記静電潜像を現像して得られる各色トナー画像を潜像担持体から中間転写体を介して記録材上に転写するようにし、潜像担持体をトナー画像担持体とし、中間転写体をトナー画像支持媒体として、請求項1〜4の任意の1に記載のトナー画像転写方法により各色トナー画像の転写を行うことができる(請求項10)。
この場合、色の異なる2以上のトナー画像を「中間転写体上で重ね合わせ、しかるのち一括して記録材上に転写する」ことができる(請求項11)。
勿論、請求項6〜8記載の画像形成方法は、色の異なる複数のトナー画像の個々の転写に付いて利用できる。
【0012】
請求項12記載の画像形成装置は「潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像を現像して潜像担持体にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を記録材上に転写して記録画像を得る画像形成装置」であって、潜像担持体と、潜像形成手段と、現像手段と、転写手段とを有する。
「潜像担持体」は、トナー画像担持体としての機能を有する。
「静電潜像形成手段」は、潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成するための手段である。
「現像手段」は、潜像担持体に形成された静電潜像を現像して潜像担持体上に粉体のトナー画像を形成する手段である。
「転写手段」は、転写されるべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を、転写に先立ってトナー画像支持媒体としての記録材に形成し、転写用静電潜像に位置合わせしてトナー画像を記録材に転写する手段である。
この請求項12記載の画像形成装置における転写手段における「転写されるべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を、転写に先立ってトナー画像支持媒体に形成する転写用静電潜像形成手段」は、トナー画像担持体としての潜像担持体と、静電潜像形成手段と、潜像担持体上に形成された転写用静電潜像を記録材上に潜像転写する潜像転写手段とを有することができる(請求項13)。
【0013】
請求項14記載の画像形成装置は「潜像担持体に、記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像を現像して潜像担持体にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を中間転写体を介して記録材上に転写して記録画像を得る画像形成装置」であって、潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、中間転写体と、第1および第2転写手段を有する。
「潜像担持体」は、トナー画像担持体としての機能を有する。
「静電潜像形成手段」は、潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成するための手段である。
「現像手段」は、潜像担持体に形成された静電潜像を現像して、潜像担持体上にトナー画像を形成する手段である。
「中間転写体」は、トナー画像支持媒体としての機能を有する。
「第1転写手段」は、転写されるべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を転写に先立って中間転写体に形成し、転写用静電潜像に位置合わせしてトナー画像を中間転写体に転写する手段である。
「第2転写手段」は、中間転写体から記録材上にトナー画像を転写させる手段である。
この請求項14記載の画像形成装置において「第1転写手段」は、トナー画像担持体としての潜像担持体と、静電潜像形成手段と、潜像担持体上に形成された転写用静電潜像を中間転写体上に潜像転写する潜像転写手段とを有することができる(請求項15)。
【0014】
請求項16記載の画像形成装置は「互いに異なる色のトナーによる2以上のトナー画像を同一の記録材上に転写して重ね合わせ、記録画像としてカラー画像を得る画像形成装置」であって、1以上の潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段とを有する。
「1以上の潜像担持体」は、トナー画像担持体としての機能を有し、異なる色のトナーによる2以上のトナー画像を形成される。
「静電潜像形成手段」は、1以上の潜像担持体に各色トナーにより現像されるべき静電潜像を形成する手段であり、例えば1以上の光走査装置で構成される。
「現像手段」は、1以上の潜像担持体に形成された静電潜像を対応する色のトナーにより現像する手段であり、互いに異なる色のトナーを用いる2以上の乾式現像装置で構成される。
「転写手段」は、1以上の潜像担持体上に形成されたトナー画像を、同一の記録材上へ転写する手段であり、転写するべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を記録材に形成する「転写用静電潜像形成手段」を有する。
【0015】
請求項17記載の画像形成装置は「互いに異なる色のトナーによる2以上のトナー画像を同一の記録材上に転写して重ね合わせ、記録画像としてカラー画像を得る画像形成装置」であって、1以上の潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、1以上の中間転写体と、第1および第2転写手段を有する。
1以上の潜像担持体と静電潜像形成手段と現像手段とは、請求項16記載の画像形成装置におけるものと同様のものである。
「1以上の中間転写体」は、潜像担持体上のトナー画像を記録材へ受け渡すものでトナー画像支持媒体である。
「第1転写手段」は、1以上の潜像担持体上に形成されたトナー画像を、1以上の中間転写体上へ転写する手段であり、転写するべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を上記中間転写体に形成する転写用静電潜像形成手段を有する。
「第2転写手段」は、1以上の中間転写体に転写されたトナー画像を記録材上に転写する手段である。
なお、上記請求項14,15,17記載の画像形成装置において、第2転写手段による転写を、請求項1〜4の任意の1に記載されたトナー画像転写方法により行うようにすることもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図2は請求項12記載の画像形成装置の実施の1形態を略示している。
トナー画像担持体としての潜像担持体10は「光導電性の感光体」でドラム状に形成され、矢印方向へ回転可能である。
画像形成時には潜像担持体10は矢印方向へ回転し、図示されない除電手段により除電され、図示されないクリーニング手段によりクリーニングされたのち帯電手段12(帯電ローラを用いる接触帯電式のものが例示されているが、これに限らず、コロトロンやスコロトロン等のコロナ放電式のものを用いても良い)により均一に帯電され、露光用光14により露光されて「記録画像に対応する静電潜像」が形成される。露光は、形成すべき画像の光像を投影照射する「画像露光方式」でもよいが、説明の具体性のため「画像信号により変調された書込み光による光書込方式の露光」であるとし、画像部が光照射されて所謂「ネガ潜像(帯電電位の大きい部分のパターンが記録画像のネガ像に対応する)」が形成されるものとする。
潜像担持体10に形成された静電潜像は、現像装置16による「乾式の反転現像」で現像され、粉体のトナーTによるトナー画像として顕像化される。形成されたトナー画像は、矢印方向へ搬送される記録材S(転写紙もしくはOHPシート)上に、転写電圧を印加された転写ローラ18による周知のローラ転写方式で転写され、図示されない定着装置において記録材S上に定着される。トナー画像を記録画像として定着された記録材Sは装置外へ排出される。
即ち、図2に実施の形態を示す画像形成装置は、潜像担持体10に記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像を現像して潜像担持体10にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を記録材S上に転写して記録画像を得る画像形成装置であって、トナー画像担持体としての潜像担持体10と、潜像担持体10に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段(帯電手段12、光書込手段等)と、潜像担持体10に形成された静電潜像を現像して、潜像担持体上にトナー画像を形成する現像手段16とを有する。
【0017】
さて、図2において、符号20は「潜像形成体」を示す。潜像担持体20は、導電性ドラムの外周面にシリコンゴムや樹脂による誘電体薄層が形成され、導電性ドラムは接地されている。符号22は多針電極(極細の針状電極を互いに絶縁して配列し、その微細な端面がアレイ状に配列したもの)を示す。潜像形成体20を矢印方向へ回転させつつ、多針電極22に形成すべき潜像に応じた電気信号を印加し、潜像形成体20の周面を針電極でドット状に位置選択的に帯電させ、ドット状の帯電の集合として「転写用静電潜像」を形成する。
トナー画像を転写されるべき記録材Sは矢印方向へ搬送されつつ、潜像形成体20と潜像転写ローラ24とにより挾まれて移動する間に、潜像形成体20上の静電潜像を「TESI」法により転写される。即ち、潜像転写ローラ24に転写静電潜像と逆極性の電圧を印加して、潜像形成体20上の潜像電荷を電気的に記録材S上に静電転写するのである。潜像転写ローラ24は金属ローラの周面を絶縁層で被覆されているので、転写用静電潜像を転写しても記録材Sの裏面側は帯電しない。転写用静電潜像の転写が行われた後の潜像形成体20は導電性ローラによる除電部材26により周面を除電される。
転写用静電潜像を転写された「トナー画像支持媒体」としての記録材Sは転写部において転写ローラ18により潜像担持体10上のトナー画像を転写される。この実施の形態では、トナー画像の転写は周知の「ローラ転写方式」であるが、公知のコロナ放電を利用する転写方式でトナー画像転写を行っても良い。
潜像形成体20への転写用静電潜像の形成や形成タイミング等は制御手段28により制御される。制御手段28はマイクロコンピュータ等であり、転写用静電潜像の形成等を含め画像形成装置全体を制御する。
従って図2の実施の形態において、潜像形成体20と多針電極22、潜像転写ローラ24、転写ローラ18や、これらを制御する制御手段28は、転写されるべきトナー画像に対応する転写用静電潜像を転写に先立ってトナー画像支持媒体としての記録材Sに形成し、転写用静電潜像に位置合わせしてトナー画像を記録材Sに転写する「転写手段」を構成する。
【0018】
ここで、図2の実施の形態における「静電潜像」および「転写用静電潜像」の形成に就き、若干細かく説明すると、図2の実施の形態の画像形成装置は「デジタルの複写装置」であり、複写されるべき原稿は図示されない読み取り装置により読み取られ、読み取られた情報は制御手段28内の画像処理部で画像処理されて光書込装置に印加され、画像処理された画像情報を再現するように光書き込みが行われ、記録画像に対応する静電潜像(前記ネガ潜像)が潜像担持体10に形成される。
そして、多針電極22は上記潜像担持体10に形成される静電潜像に対してネガの関係にある像、即ち、トナー画像となるべき像と(実質的に)同一の静電潜像(この潜像は記録材Sに転写されるとトナー画像と鏡像的に対応するものになる)を形成する。この潜像は記録材Sに転写されて転写用静電潜像となる。
説明中の例では、転写用静電潜像の極性とトナー画像の極性とは「逆極性」である。従って、トナー画像は記録材S上の転写用静電潜像と「ぴったり重なるように」転写され、転写用静電潜像の電荷に強固に束縛されるので、転写チリや画像ぼけの問題が有効に改善されることになる。
【0019】
即ち、図2に実施の形態を示す画像形成装置は「転写されるべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を、転写に先立ってトナー画像支持媒体である記録材Sに形成し、転写用静電潜像に位置合わせしてトナー画像を記録材S上に転写する」という請求項1記載のトナー画像転写方法が実施される。その際、トナー画像支持媒体(記録体S)に形成される転写用静電潜像の極性はトナー画像を構成するトナーの帯電極性と逆極性である(請求項2)。また、転写用静電潜像は先ず潜像形成体20上に形成され、次いでトナー画像支持媒体(記録材S)上に潜像転写法により転写される(請求項4)。
潜像形成体20を介して記録材S上に形成する転写用静電潜像の極性は、これをトナー画像の帯電極性と同極性とすることも勿論可能である。その場合には、トナー画像に対応する部位における潜像電位の絶対値が、他の部位の電位絶対値よりも小さくなるようにする(請求項3)。
【0020】
また、図2に実施の形態を示す画像形成装置では請求項5,6記載の画像形成方法が実施されることは容易に理解されるであろう。
【0021】
さらに、図2における実施の形態における各部のレイアウトを変更し、潜像形成体20が潜像担持体10に接離できるようにし、潜像担持体上に転写用静電潜像の鏡像を形成し、これを潜像形成体20を介して記録材Sに転写するようにしてもよい。このようにすると、転写用静電潜像形成手段が、潜像担持体10と静電潜像形成手段(帯電手段12、光書込装置)と、潜像担持体10上に形成された転写用静電潜像を記録材上に潜像転写する潜像転写手段(潜像形成体20、転写ローラ等)で構成されることとになる(請求項13)。
【0022】
あるいは、「記録材Sの搬送路をループ状」にし、記録材Sが転写部(潜像担持体10と転写ローラ18のニップ部)に回帰するようにすれば、潜像担持体10に形成された転写用静電潜像を記録材Sに直接転写することもできる。このように、転写用静電潜像を潜像担持体に形成してから記録材に転写するようにすると、トナー画像と鏡像的に対応する転写用静電潜像を記録材に極めて精度良く形成できる。
【0023】
図2に示した実施の形態は、図示の形態を「画像形成ユニット」として、このようなユニットを複数個、記録材Sの搬送路に沿って設け、各画像形成ユニットの現像手段に異なる色のトナーを使用することによって、容易にカラー画像形成装置として実施することができる(請求項16)。
【0024】
図3は、請求項17記載の画像形成装置の実施の1形態を略示している。繁雑を避けるため、混同の虞れがないと思われるものについては、図2におけると同一の符号を用いた。
【0025】
この画像形成装置は「カラー画像形成装置」である。
画像形成プロセスを簡単に説明すると、光導電性の感光体である潜像担持体10は矢印方向へ回転され、スコロトロンである帯電手段12A(図2の実施の形態のように接触帯電式のものでもよい)により均一に帯電され、光書込装置14Aによる光書き込みでイエロー画像成分に対応する静電潜像が「ネガ潜像」として書き込まれる。書き込まれた静電潜像は、現像装置16Yによる反転現像によりイエロートナーで可視化され(イエロートナーは潜像担持体の電位絶対値の低い部分に付着する)、得られたイエロートナー画像はベルト状の中間転写体180上に転写される。可視像転写後の潜像担持体10の表面はプレクリーニングチャージャ30により残留トナーの帯電量を調整され、ブラシ32とブレード33によるクリーニング手段により残留トナーを除去され、除電機34により除電される。以上が基本的な「色画像形成工程」である。
【0026】
同様の色画像形成工程がくり返される。2度目の工程では「マゼンタ画像成分に対応する静電潜像」が書き込み形成され、現像装置16Mにより粉体のマゼンタトナーで反転現像され、得られるマゼンタトナー画像は中間転写体180上に転写される。3度目の工程では「シアン画像成分に対応する静電潜像」が形成され、これを現像装置16Cで可視化して得られるシアントナー画像も中間転写体180に転写される。4度目の工程では、黒白画像成分に対応する静電潜像が形成され、これを現像装置16BKにより黒トナーで反転現像して得られる黒トナー画像も中間転写体180に転写される。このようにして中間転写体180に上記4種のトナー画像が重畳して転写され、中間転写体上に「カラートナー画像」が形成される。このカラートナー画像は転写紙やOHPシートである記録材S上に転写ローラ24Aにより周知のローラ転写方式で転写され、図示されない定着装置で記録材S上に定着される(請求項11)。
【0027】
即ち、図3に実施の形態を示すカラー画像形成装置は「互いに異なる色のトナーによる2以上のトナー画像を同一の記録材上に転写して重ね合わせ、記録画像としてカラー画像を得る画像形成装置(請求項17)」であって、異なる色のトナーによる2以上のトナー画像を形成される1以上の潜像担持体10と、潜像担持体10に各色トナーにより現像されるべき静電潜像を形成する静電潜像形成手段12A,14A等と、潜像担持体10に形成された静電潜像を対応する色のトナーにより現像する現像手段(現像装置16Y,16M,16C,16BKで構成される)と、潜像担持体10上に形成されたトナー画像を中間転写体180上へ転写する第1転写手段と、中間転写体180に転写されたトナー画像を記録材S上に転写する第2転写手段24Aとを有する。
【0028】
図3の実施の形態においては、潜像担持体10から中間転写体180上へのトナー画像の転写は以下の如くに行われる。
中間転写体180は「誘電性フィルムの無端ベルト」で、その内側面(トナー画像と接触しない面)は金属膜が蒸着形成されて導電性と成っており、上記金属膜にバイアスローラ181,182により「転写のためのバイアス電圧」が印加されるようになっている。中間転写体180は「トナー画像支持媒体」である。中間転写体180の外周面に転写用静電潜像を形成するのは、以下の如く行われる。前述した4回の「色画像形成工程」のそれぞれが行われるのに先立ち、潜像担持体10に転写用静電潜像(の鏡像)が形成され、これが(TESI法)により中間転写体180に潜像転写される。勿論このとき現像は行われない。
【0029】
即ち、先ず、得るべきイエロートナー画像を得るときと同一の静電潜像が光書込装置14Aにより書き込まれ、次いで、中間転写体180に潜像転写される。次いで、イエロー画像成分に対応する静電潜像が書き込まれ、現像され、得られるイエロートナー画像が中間転写体180に転写される。このとき、中間転写体180には、イエロートナー画像のネガ像と鏡像的に対応する転写用静電潜像が形成されている。転写の際にはイエロートナー画像と転写用静電潜像が位置合わせされ、バイアスローラ181,182により転写バイアスを印加して転写が行われる。他の色のトナー画像の転写も同様に行われる。
即ち、図3の実施の形態において、第1転写手段は、転写するべきトナー画像に対応する転写用静電潜像を中間転写体180に形成する転写用静電潜像形成手段として、潜像担持体10と帯電手段12Aと光書込手段14Aとバイアスローラ181,182等を有する。
【0030】
図4は、潜像担持体10に形成された転写用静電潜像の、中間転写体180への潜像転写を説明するための図である。図4(a)に示すように、潜像担持体10の光導電層の表面に静電潜像(負極性とする)が形成されているとき、中間転写体180の誘電体層180Bの表面を潜像担持体10の表面と接触させ、中間転写体180の導電層(前述の金属膜)180Aに潜像転写電圧:Vsを(図3のバイアスローラ181,182で)印加すると、潜像担持体10上の潜像電荷の一部が中間転写体180の表面へ移り、潜像担持体10と中間転写体180とを分離すると、図4(b)に示すように転写用静電潜像が中間転写体180表面に転写形成される。
【0031】
図4(c)は、上記潜像転写の様子をポテンシャル像として模式的に示した図であり、潜像担持体上の「負極性のポテンシャル」が中間転写体の表面にポテンシャル分布として転写されることを示している。+900Vは「潜像転写電圧」である。図4(d)は、潜像転写の際の潜像担持体表面と中間転写体との電位差に応じて、中間転写体180に転写された電荷による表面電圧がどのように変化するかを示す1例であり、この図に就いては後に実施例との関連で説明する。
【0032】
図5はトナー画像の中間転写体180への転写の状態を模式的に示している。図5(a)に示すように、トナー画像TIと中間転写体180上の転写用静電潜像(負極性の電荷分布)と位置合わせ(負極性の転写用静電潜像の、図において電荷の描かれていない部分がトナー画像と対応するようにする)し、トナー画像TIを中間転写体180表面と接触させ、1次転写電圧:Vfを(図3のバイアスローラ181,182により)印加すると、トナー画像TIは、図5(b)に示すように中間転写体180の表面に転写される。
【0033】
図5(c)は、上記トナー画像の中間転写体180への転写を、ポテンシャル像として模式的に示している。潜像担持体10上のトナー画像を構成する負帯電のトナーTは当初、潜像担持体10に形成された負極性の静電潜像のポテンシャルの井戸に拘束されてる(図5(c)の上側の図)が、+700Vの転写電圧が(バイアスローラ181,182で)中間転写体180側に印加されると、中間転写体180の表面の「転写用静電潜像のポテンシャルの井戸」中に移され、井戸内に拘束される。
【0034】
この実施の形態においては、転写用静電潜像と転写されるトナー画像とは同極性(請求項3)であり、中間転写体180に転写されたトナー画像のトナーTは転写用静電潜像のポテンシャルの井戸に拘束されるので、転写チリを生じにくく、画像ぼけも発生しにくい。即ち、転写用静電潜像の負電荷とトナーTの負電荷が反発しあうため、トナー画像TIを構成するトナー粒子は、画像外へ移動しないのである。
【0035】
中間転写体180上に形成する転写用静電潜像は、イエロートナー画像の転写から黒トナー画像の転写に進むに連れ、形成されるポテンシャルの井戸が次第に深くなるようにし、中間転写体表面に各色のトナー画像がポテンシャルの井戸にしっかり拘束されるようにする。この時、トナー画像の転写回数(1〜4回)に応じて転写電圧を次第に増加させてもよい。
【0036】
上に説明したように、図3に実施の形態を示した画像形成装置では請求項1,3,4記載のトナー画像転写方法が実施され、請求項7〜10記載の画像形成方法が実施される。また、現像手段を現像装置16BKのみとし、単色画像の画像形成を行うように、図3の実施の形態を変形したものは、請求項14記載の発明の画像形成装置の実施の形態となる。
【0037】
変形例として、中間転写体180に転写用静電潜像を形成するのに、図2に示した実施の形態のように、潜像形成体20等を利用する方法でも良い。また、潜像担持体を複数にし、これら潜像担持体上のトナー画像を「共通の中間転写体」に転写するようにしても良い。
【0038】
なお、図3において、符号17は「トナー画像の像濃度を検出するための光センサ」を示す。この光センサ17により検出されたトナー画像濃度により、現像条件等の作像条件を制御することが可能である。また符号19は、中間転写体180の残留トナー(記録材Sへの転写後に残留するトナー)を除去するためのクリーニング装置のブレードを示している。勿論、図3に示す画像形成装置も、その画像形成プロセスは制御手段28により制御される。
【0039】
上記実施の各形態において、潜像担持体としてはドラム状の光導電性の感光体を例示したが、潜像担持体は光導電性のものに限らず「誘電性のもの(針電極列やPINチューブ等を用いて、位置選択的な帯電により静電潜像や転写用静電潜像を形成する)」でもよく、また形態的にはドラム状に限らず「有端ベルト状あるいは無端ベルト状」とすることもできる。中間転写体も上に例示したベルト状のものに限らず「ドラム状のもの」でもよいし有端ベルト状のものでもよい。
【0040】
【実施例】
図3に実施の形態を示す画像形成装置を以下の如く構成した。即ち、潜像担持体10はアルミの中空シリンダを基体とし、その外周面に下引き層/電荷発生層/電荷輸送層を積層し「機能分離型」の感光体とした。上記複合層により形成される感光層の厚み:30μm、比誘電率:3.0である。
帯電手段12Aによる帯電電圧は−600Vとし、画像情報に応じて「表面電位:−100V〜−500Vの静電潜像」を形成する。この静電潜像を現像する現像装置16Y〜16BKにおける反転現像の現像バイアス電圧は−500Vとした。なお、現像バイアス電圧には必要に応じて「交流を重畳させる」ことも可能である。中間転写体180は厚さ:70μmのPETフィルムを誘電体とし、その裏面(トナー画像に触れない側)に金属膜を電極膜として形成したものを無端ベルト状とし、上記電極膜にバイアスローラ181,182により電圧を印加できるようにした。誘電体の比誘電率は潜像担持体の感光体層と同じく3.0とした。潜像担持体10と中間転写体180とは、図示されない接離機構で接離可能とした。
中間転写体180への「転写用静電潜像の形成」は以下のように行った。潜像担持体10に、「トナー画像の非画像部」に相当する部分の表面電圧:−600V、「画像部」に相当する部位の表面電位:−100V,−300Vの2レベルの電位分布を形成した(図4(c)の上の図参照)。
【0041】
バイアスローラ181,182(制御手段28により出力を制御される)により、中間転写体180に+900Vを潜像転写電圧として印加し、上記電位分布を中間転写体180に転写する。すると潜像担持体10上の電位:−600V,−300V,−100Vに応じて、中間転写体180との間の「転写電位差:Vst」は+1500V,+1200V,+1000Vになる(図4(c)参照)。このとき中間転写体180の表面に転写された電荷による電位:Vpは、図4の(d)に示す如く転写電位差:Vstに応じて変化し、その結果、非画像部:略−350V、画像部:略−150V,0Vの電位を持った転写用静電潜像(トナー画像と合同的に対応する)が転写形成された(図4(c)参照)。
【0042】
次に、潜像担持体10上に上記と同様の条件で、非画像部:−600V,画像部:−300V,画像部:−100Vの3値の静電潜像を形成し、これを現像バイアス:−500Vで反転現像すると、−300Vの画像部は−100V相当量、−100Vの画像部は−250V相当量のトナーで現像される。
【0043】
このようにして得られたトナー画像と中間転写体10に前記の如く形成されている転写用静電潜像とを位置合わせし(図5(a)参照)、転写電圧:+700Vを印加して、トナー画像を中間転写体180へ転写した(図5(c)参照)。このとき、非画像部においては、潜像担持体上の電位が−600V、中間転写体上の電位が+350Vで「電位差が950V」であるため、図4(c)の潜像転写の特性から分かるように潜像転写は発生せず、トナー画像のみが転写される。
【0044】
転写用静電潜像の電位が+700V(転写バイアス+700Vの印加が無い状態で0V)の部分に転写されるトナーは前述の如く−250V分の負電荷を有するから、トナーはポテンシャルの井戸に深さ:100Vで押し込められ、転写用静電潜像の電位が+550V(転写バイアス+700Vの印加が無い状態で−150V)の部分に転写されるトナーは前述の如く−100V分の負電荷を有するから、ポテンシャルの井戸に深さ:100Vで押し込められる。このため、トナー画像を構成するトナー粒子は飛散しにくくなり「転写チリや画像ぼけ」が有効に軽減される。
【0045】
このようにして中間転写体180に転写する工程を、イエロートナー画像、マゼンタトナー画像、シアントナー画像、黒トナー画像に就いて繰返し、中間転写体上にカラー画像を得た。なお、転写用静電潜像の形成条件は、各トナー画像に応じ、転写が後になるほど「トナー画像に対する転写用静電潜像の非画像部の電位が高くなるように最適化」し、転写電圧もその絶対値が順次高くなるように最適化した。上記の如くして中間転写体180に得られたカラー画像は、記録材S上に転写ローラ24Aにより転写され、定着装置(図示されず)により熱定着される。転写ローラ24Aに印加する転写電圧は略+2000Vとした。
【0046】
図6における、横軸の「トナー層部と非画像部の電位差」は、中間転写体180に転写されたトナーと転写用静電潜像の非画像部との電位差であり、この電位差が+側に大きいほど、トナーは転写用静電潜像に強く拘束されることになる。
【0047】
縦軸に示す「散りトナー数」は、中間転写体上にトナー画像が転写された状態において、トナー画像としての「ライン画像」の「単位長さあたりのエッジ部からの転写チリによって散ったトナーの数を拡大観察で計数した結果」であり、散りトナー数が大きいほど転写チリが多く、画像ぼけも発生しやすい。
転写用静電潜像の形成条件や中間転写体の抵抗値等をパラメータとして、図6の横軸の「トナー層部と非画像部の電位差」を変化させ、散りトナー数の変化を調べたところ、図6に示すごとき結果を得た。即ち、上述した実施例の場合、散りトナー数が全く無いか極めて少ないのに対し、転写用静電潜像を中間転写体に形成しない場合(比較例2)には散りトナー数の顕著な増加が認められた。 また、中間転写体として「中抵抗転写体」を用いた場合(比較例1)は、散りトナー数が極めて大きくなった。中抵抗転写体を用いた中間転写体は、抵抗による電荷保持性が低いため、転写用静電潜像を中間転写体に形成しても、形成された潜像電荷が直ちに散逸してしまうため、トナー画像の転写を行うときには転写用静電潜像は実質的に無きに等しく、転写用静電潜像の効果が得られず、また転写されたトナーを拘束する効果も無いためであると考えられる。
【0048】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規なトナー像転写方法・画像形成方法及び画像形成装置を実現できる。
【0049】
この発明のトナー像転写方法によれば、トナー画像担持体からトナー画像支持媒体にトナー画像を転写する際に、トナー画像支持媒体に形成されている転写用静電潜像が転写されるトナー画像を、静電的な吸引力もしくは反発力により、トナー画像支持媒体に強固に拘束するので、従来の転写方法で問題であった転写チリや画像ぼけの問題を有効に軽減・改善できる。
【0050】
また、この発明の画像形成方法・画像形成装置は、静電潜像を現像してトナー画像を得、トナー画像を記録材上に直接もしくは中間転写体を介して転写して記録画像を得る画像形成方式のトナー画像転写工程に上記トナー画像転写方法を利用することにより、転写チリや画像ぼけを有効に軽減・改善した良質の記録画像を得ることを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写用静電潜像とトナー画像との関係を説明するための図である。
【図2】この発明の画像形成装置の実施の1形態を示す図である。
【図3】この発明の画像形成装置の実施の別形態を示す図である。
【図4】図3の実施の形態に関連して、潜像転写による転写用静電潜像の形成を説明するための図である。
【図5】図3の実施の形態に関連して、トナー画像の中間転写体(トナー画像支持媒体)への転写を説明するための図である。
【図6】実施例における発明の効果を説明するための図である。
【符号の説明】
10 潜像担持体
180 中間転写体
16Y,16M,16C,16BK 現像装置
181,182 バイアスローラ
24A 転写ローラ
Claims (17)
- トナー画像を担持するトナー画像担持体からトナー画像支持媒体上へトナー画像を転写する方法であって、
転写されるべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を、転写に先立ってトナー画像支持媒体に形成し、上記転写用静電潜像に位置合わせして上記トナー画像をトナー画像支持媒体上に転写することを特徴とするトナー画像転写方法。 - 請求項1記載のトナー画像転写方法において、
トナー画像支持媒体に形成される転写用静電潜像の極性が、トナー画像を構成するトナーの帯電極性と逆極性であることを特徴とするトナー画像転写方法。 - 請求項1記載のトナー画像転写方法において、
トナー画像支持媒体に形成される転写用静電潜像の極性が、トナー画像を構成するトナーの帯電極性と同極性であり、トナー画像に対応する部位における潜像電位の絶対値が、他の部位の電位絶対値よりも小さいことを特徴とするトナー画像転写方法。 - 請求項1または2または3記載のトナー画像転写方法において、
転写用静電潜像は先ず潜像形成体上に形成され、次いでトナー画像支持媒体上に潜像転写法により転写されることを特徴とするトナー画像転写方法。 - 潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像を現像して上記潜像担持体にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を記録材上に転写して記録画像を得る画像形成方法において、
潜像担持体をトナー画像担持体とし、記録材をトナー画像支持媒体として、請求項1〜4の任意の1に記載のトナー画像転写方法によりトナー画像の転写を行うことを特徴とする画像形成方法。 - 潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像を現像して上記潜像担持体にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を記録材上に転写して記録画像を得る画像形成方法において、
潜像担持体をトナー画像担持体とし、記録材をトナー画像支持媒体とし、上記潜像担持体を潜像形成体として請求項4記載のトナー画像転写方法によりトナー画像の転写を行うことを特徴とする画像形成方法。 - 潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像を現像して上記潜像担持体にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を中間転写体を介して記録材上に転写して記録画像を得る画像形成方法において、
潜像担持体をトナー画像担持体とし、中間転写体をトナー画像支持媒体として、請求項1〜4の任意の1に記載のトナー画像転写方法によりトナー画像の転写を行うことを特徴とする画像形成方法。 - 潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像を現像して上記潜像担持体にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を中間転写体を介して記録材上に転写して記録画像を得る画像形成方法において、
潜像担持体をトナー画像担持体とし、中間転写体をトナー画像支持媒体とし、上記潜像担持体を潜像形成体として、請求項4記載のトナー画像転写方法によりトナー画像の転写を行うことを特徴とする画像形成方法。 - 互いに異なる色のトナーによる2以上のトナー画像を同一の記録材上に転写して重ね合わせ、記録画像としてカラー画像を得る画像形成方法において、
各色のトナー画像の転写を請求項1〜4の任意の1に記載のトナー画像転写方法により行うことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項9記載の画像形成方法において、
異なる色のトナーにより現像されるべき静電潜像は同一の潜像担持体に形成され、上記静電潜像を現像して得られる各色トナー画像は、上記潜像担持体から中間転写体を介して記録材上に転写され、
潜像担持体をトナー画像担持体とし、中間転写体をトナー画像支持媒体として、請求項1〜4の任意の1に記載のトナー画像転写方法により上記各色トナー画像の転写を行うことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項10記載の画像形成方法において、
色の異なる2以上のトナー画像は中間転写体上で重ね合わせられ、しかるのち一括して記録材上に転写されることを特徴とする画像形成方法。 - 潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像を現像して上記潜像担持体にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を記録材上に転写して記録画像を得る画像形成装置において、
トナー画像担持体としての潜像担持体と、
この潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、
上記潜像担持体に形成された静電潜像を現像して、潜像担持体上にトナー画像を形成する現像手段と、
転写されるべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を、転写に先立ってトナー画像支持媒体としての記録材に形成し、上記転写用静電潜像に位置合わせして上記トナー画像を上記記録材に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項12記載の画像形成装置において、
転写されるべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を転写に先立ってトナー画像支持媒体に形成する転写用静電潜像形成手段が、
トナー画像担持体としての潜像担持体と、静電潜像形成手段と、上記潜像担持体上に形成された転写用静電潜像を記録材上に潜像転写する潜像転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像を現像して上記潜像担持体にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を中間転写体を介して記録材上に転写して記録画像を得る画像形成装置において、
トナー画像担持体としての潜像担持体と、
この潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、
上記潜像担持体に形成された静電潜像を現像して、潜像担持体上にトナー画像を形成する現像手段と、
トナー画像支持媒体としての中間転写体と、
転写されるべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を転写に先立って上記中間転写体に形成し、上記転写用静電潜像に位置合わせして上記トナー画像を中間転写体に転写する第1転写手段と、
上記中間転写体から記録材上にトナー画像を転写させる第2転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14記載の画像形成装置において、
第1転写手段が、
トナー画像担持体としての潜像担持体と、静電潜像形成手段と、上記潜像担持体上に形成された転写用静電潜像を中間転写体上に潜像転写する潜像転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 互いに異なる色のトナーによる2以上のトナー画像を同一の記録材上に転写して重ね合わせ、記録画像としてカラー画像を得る画像形成装置において、
異なる色のトナーによる2以上のトナー画像を形成される1以上の潜像担持体と、
上記1以上の潜像担持体に、各色トナーにより現像されるべき静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
上記1以上の潜像担持体に形成された静電潜像を対応する色のトナーにより現像する現像手段と、
上記1以上の潜像担持体上に形成されたトナー画像を同一の記録材上へ転写する転写手段とを有し、上記転写手段が、転写するべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を上記記録材に形成する転写用静電潜像形成手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 互いに異なる色のトナーによる2以上のトナー画像を同一の記録材上に転写して重ね合わせ、記録画像としてカラー画像を得る画像形成装置において、
異なる色のトナーによる2以上のトナー画像を形成される1以上の潜像担持体と、
上記1以上の潜像担持体に、各色トナーにより現像されるべき静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
上記1以上の潜像担持体に形成された静電潜像を対応する色のトナーにより現像する現像手段と、
上記1以上の潜像担持体上に形成されたトナー画像を転写される1以上の中間転写体と、
上記トナー画像を上記1以上の中間転写体上へ転写する第1転写手段と、
上記1以上の中間転写体に転写されたトナー画像を記録材上に転写する第2転写手段とを有し、
上記第1転写手段が、転写するべきトナー画像に鏡像的に対応する転写用静電潜像を上記中間転写体に形成する転写用静電潜像形成手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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