JP3023112B2 - エッチング加工性に優れたリードフレーム用Fe―Ni系合金 - Google Patents
エッチング加工性に優れたリードフレーム用Fe―Ni系合金Info
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- JP3023112B2 JP3023112B2 JP1106513A JP10651389A JP3023112B2 JP 3023112 B2 JP3023112 B2 JP 3023112B2 JP 1106513 A JP1106513 A JP 1106513A JP 10651389 A JP10651389 A JP 10651389A JP 3023112 B2 JP3023112 B2 JP 3023112B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エッチング加工性に優れた集積回路素子の
リードフレーム用Fe−Ni系合金に関するものである。
リードフレーム用Fe−Ni系合金に関するものである。
集積回路用素子のリードフレーム用材料としては、Fe
−42%Ni、Fe−50%Niをはじめとして、Fe−29Ni−17Co
合金(コバール)等のFe−Ni系合金が使用されている。
−42%Ni、Fe−50%Niをはじめとして、Fe−29Ni−17Co
合金(コバール)等のFe−Ni系合金が使用されている。
近年、集積回路素子の高集積化に伴ってリードは非常
に多ピン(リード)となり、複雑化して来ており、従来
64ピンクラスが主体であったエッチング加工も160〜240
ピン、さらには240ピン以上のクラスの超多ピンのもの
まで手がけられるようになってきている。
に多ピン(リード)となり、複雑化して来ており、従来
64ピンクラスが主体であったエッチング加工も160〜240
ピン、さらには240ピン以上のクラスの超多ピンのもの
まで手がけられるようになってきている。
これに伴ってリードフレームの特にインナーリードの
間隔は非常に狭くならざるを得ず、従来のリード間隔で
は何ら問題にならなかったエッチング加工も、こうした
多ピンのリードフレームではエッチング性に問題を生ず
るようになってきている。
間隔は非常に狭くならざるを得ず、従来のリード間隔で
は何ら問題にならなかったエッチング加工も、こうした
多ピンのリードフレームではエッチング性に問題を生ず
るようになってきている。
このため、従来に比べ数段エッチング加工性に優れた
リードフレーム材料が必要になっている。
リードフレーム材料が必要になっている。
従来のFe−Ni系合金では、前述の240ピンクラスの多
ピンリードフレームにおいて、エッチング加工性が十分
満足できるものではなく、インナーリード同志のくっつ
き等を生じたり、リードフレームの寸法形状規格を満足
できない等の問題があった。
ピンリードフレームにおいて、エッチング加工性が十分
満足できるものではなく、インナーリード同志のくっつ
き等を生じたり、リードフレームの寸法形状規格を満足
できない等の問題があった。
本発明は以上の点に鑑み、超多ピンリードフレームの
エッチング加工が十分可能なエッチング加工性の優れた
リードフレーム用Fe−Ni系合金を提供することを目的と
するものである。
エッチング加工が十分可能なエッチング加工性の優れた
リードフレーム用Fe−Ni系合金を提供することを目的と
するものである。
本発明者は、エッチング加工性を向上させる要因とし
て、炭素含有量、材料の結晶粒度、非金属介在物の量、
および圧延と焼鈍条件に着目して実験を行なった。その
結果、エッチング加工性を改善する顕著な効果が発揮で
きるのは、特定の結晶粒度以上に細粒にすること、およ
びC含有量を特定の値以下に低く抑える複合効果の場合
であることをつきとめたものである。さらに非金属介在
物を低減する効果も複合すると、よりエッチング断面の
面粗度が滑らかになるという効果もあることもわかっ
た。
て、炭素含有量、材料の結晶粒度、非金属介在物の量、
および圧延と焼鈍条件に着目して実験を行なった。その
結果、エッチング加工性を改善する顕著な効果が発揮で
きるのは、特定の結晶粒度以上に細粒にすること、およ
びC含有量を特定の値以下に低く抑える複合効果の場合
であることをつきとめたものである。さらに非金属介在
物を低減する効果も複合すると、よりエッチング断面の
面粗度が滑らかになるという効果もあることもわかっ
た。
C含有量や非金属介在物の量を単に低減するだけでは
不十分であり、本発明の合金は結晶粒度をJISの結晶粒
度番号でNo.8以上にし、C含有量を0.007重量%以下に
した時にも最もエッチング加工性向上の効果が発揮でき
るものである。
不十分であり、本発明の合金は結晶粒度をJISの結晶粒
度番号でNo.8以上にし、C含有量を0.007重量%以下に
した時にも最もエッチング加工性向上の効果が発揮でき
るものである。
すなわち本発明は、C含有量が0.007重量%以下で、
かつ結晶粒度がNo.8.0以上であることを特徴とするエッ
チング加工性に優れたリードフレーム用Fe−Ni系合金で
あって、前記Fe−Ni系合金は、Ni30〜60重量%、Si0.25
重量%以下、Mn0.50重量%以下、残部Feおよび不純物か
らなり、不純物のうちP0.005重量%以下、S0.005重量%
以下、その他の不純物の元素の全含有量が0.10重量%以
下であるか、またはNi25〜40重量%、Co5〜20重量%、S
i0.25重量%以下、Mn0.50重量%以下、残部Feおよび不
純物からなり、不純物のうちP0.005重量%以下、S0.005
重量%以下、その他の不純物元素の全含有量が0.10重量
%以下である。
かつ結晶粒度がNo.8.0以上であることを特徴とするエッ
チング加工性に優れたリードフレーム用Fe−Ni系合金で
あって、前記Fe−Ni系合金は、Ni30〜60重量%、Si0.25
重量%以下、Mn0.50重量%以下、残部Feおよび不純物か
らなり、不純物のうちP0.005重量%以下、S0.005重量%
以下、その他の不純物の元素の全含有量が0.10重量%以
下であるか、またはNi25〜40重量%、Co5〜20重量%、S
i0.25重量%以下、Mn0.50重量%以下、残部Feおよび不
純物からなり、不純物のうちP0.005重量%以下、S0.005
重量%以下、その他の不純物元素の全含有量が0.10重量
%以下である。
第1図にFe−42%Ni合金におけるC含有量とエッチン
グ速度との関係を示すが、C含有量が0.007重量%以下
において急激にエッチング速度が向上し、エッチング加
工性が向上することが明らかである。C含有量のより望
ましい範囲は0.005重量%以下である。
グ速度との関係を示すが、C含有量が0.007重量%以下
において急激にエッチング速度が向上し、エッチング加
工性が向上することが明らかである。C含有量のより望
ましい範囲は0.005重量%以下である。
次に結晶粒度については、JISの結晶粒度番号がNo.8.
0以下においてはエッチング断面の表面粗さが大とな
り、エッチング加工時の寸法精度が超多ピンリードフレ
ームにおいては十分満足できなくなる。また、No.8.0以
上においてはエッチング速度が増大し、エッチング加工
性が向上する。以上の点より結晶粒度をNo.8.0以上に規
定した。より望ましくはNo.9.0以上である。
0以下においてはエッチング断面の表面粗さが大とな
り、エッチング加工時の寸法精度が超多ピンリードフレ
ームにおいては十分満足できなくなる。また、No.8.0以
上においてはエッチング速度が増大し、エッチング加工
性が向上する。以上の点より結晶粒度をNo.8.0以上に規
定した。より望ましくはNo.9.0以上である。
本発明は、こうした結晶粒度ならびにC含有量とエッ
チング加工性との関係について詳細な検討を行ない、結
晶粒度とC含有量を共に制御することにより、エッチン
グ加工性に極めて優れたFe−Ni系合金が得られることを
見出したものである。すなわち、C含有量が0.007重量
%以下とし、結晶粒度がNo.8.0以上としたFe−Ni系合金
は優れたエッチング加工性が得られることを見出したも
のである。またこの場合、不純物元素を次のように制御
することにより、さらにエッチング性が改善される。
チング加工性との関係について詳細な検討を行ない、結
晶粒度とC含有量を共に制御することにより、エッチン
グ加工性に極めて優れたFe−Ni系合金が得られることを
見出したものである。すなわち、C含有量が0.007重量
%以下とし、結晶粒度がNo.8.0以上としたFe−Ni系合金
は優れたエッチング加工性が得られることを見出したも
のである。またこの場合、不純物元素を次のように制御
することにより、さらにエッチング性が改善される。
Si:0.25重量%以下 Mn:0.50重量%以下 P:0.005重量%以下 S:0.005重量%以下 その他の不純物元素:0.10重量%以下 不純物元素については、Si、Mn、P、Sおよびその他
の不純物元素の全含有量が前記の値を越えると、特にエ
ッチング速度の均一な進行の妨げとなる。
の不純物元素の全含有量が前記の値を越えると、特にエ
ッチング速度の均一な進行の妨げとなる。
なお、より望ましい不純物の範囲は次の通りである。
Si:0.15重量%以下 Mn:0.30重量%以下 P:0.003重量%以下 S:0.003重量%以下 その他の不純物元素:0.08重量%以下 〔実施例〕 以下、本発明を実施例に基づき説明する。リードフレ
ーム用Fe−Ni系合金としてFe−42%Ni合金、Fe−50%Ni
合金およびFe−29Ni−17Co合金を選び、第1表に示すよ
うなC含有量ならびに結晶粒度の材料を作製した。結晶
粒度No.8.0以上の材料は、最終圧延の圧下率を60%以上
とし、連続焼鈍の焼なまし温度を850〜900℃の範囲で調
整することにより製造した。結晶粒度がNo.8.0未満の材
料は最終圧延の圧下率が45〜50%で、焼なまし温度が95
0℃のものである。
ーム用Fe−Ni系合金としてFe−42%Ni合金、Fe−50%Ni
合金およびFe−29Ni−17Co合金を選び、第1表に示すよ
うなC含有量ならびに結晶粒度の材料を作製した。結晶
粒度No.8.0以上の材料は、最終圧延の圧下率を60%以上
とし、連続焼鈍の焼なまし温度を850〜900℃の範囲で調
整することにより製造した。結晶粒度がNo.8.0未満の材
料は最終圧延の圧下率が45〜50%で、焼なまし温度が95
0℃のものである。
次にエッチング加工性を評価するために第2図に示す
ように試験片にφ0.8mmの円を塩化第二鉄溶液(FeCl3:3
0%、H2O:残)を用いて片面より10分間エッチング加工
し、第2図に示す基準によりエッチング深さ(h)を光
学顕微鏡の焦点の移動距離により測定し、エッチング速
度を求めた。この結果を第1表にまとめて示した。
ように試験片にφ0.8mmの円を塩化第二鉄溶液(FeCl3:3
0%、H2O:残)を用いて片面より10分間エッチング加工
し、第2図に示す基準によりエッチング深さ(h)を光
学顕微鏡の焦点の移動距離により測定し、エッチング速
度を求めた。この結果を第1表にまとめて示した。
また、第3図に示す形状に試験片をフォトエッチング
により加工し、エッチング断面の粗さを測定した。この
粗さは光学顕微鏡の焦点の移動距離により最大深さを表
わしたものである。これ等の結果を第1表に付記した。
により加工し、エッチング断面の粗さを測定した。この
粗さは光学顕微鏡の焦点の移動距離により最大深さを表
わしたものである。これ等の結果を第1表に付記した。
第1表に示すように、本発明の範囲にあるC含有量が
0.007重量%以下で且つ結晶粒度がNo.8.0以上の本発明
合金において、エッチング断面粗さおよびエッチング速
度が顕著に向上し、優れたエッチング加工性が得られて
いる。
0.007重量%以下で且つ結晶粒度がNo.8.0以上の本発明
合金において、エッチング断面粗さおよびエッチング速
度が顕著に向上し、優れたエッチング加工性が得られて
いる。
エッチング加工性は、エッチング面粗さ(μm)とエ
ッチング速度(mm/min)で評価し、良いものを○印、や
や不十分なものを△印、不十分なものを×印で第1表に
表わした。
ッチング速度(mm/min)で評価し、良いものを○印、や
や不十分なものを△印、不十分なものを×印で第1表に
表わした。
本発明によれば、エッチング加工性に優れたFe−Ni系
合金が得られ、集積回路素子の多ピンあるいは超多ピン
リードフレームの高精度エッチング加工が可能となり、
品質の向上、歩留り向上および加工効率の向上等が達成
できる。
合金が得られ、集積回路素子の多ピンあるいは超多ピン
リードフレームの高精度エッチング加工が可能となり、
品質の向上、歩留り向上および加工効率の向上等が達成
できる。
第1図は、Fe−42Ni合金におけるエッチング速度とC含
有量との関係を示した図、第2図および第3図は本実施
例で採用したエッチング加工性の試験の説明図である。 1:試験片、2:エッチング断面
有量との関係を示した図、第2図および第3図は本実施
例で採用したエッチング加工性の試験の説明図である。 1:試験片、2:エッチング断面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C22C 19/03 H01L 23/48
Claims (2)
- 【請求項1】C含有量が0.007重量%以下で、かつ結晶
粒度がNo.8.0以上であるリードフレーム用Fe−Ni系合金
であって、前記Fe−Ni系合金は、Ni30〜60重量%、Si0.
25重量%以下、Mn0.50重量%以下、残部Feおよび不純物
からなり、不純物のうちP0.005重量%以下、S0.005重量
%以下、その他の不純物元素の全含有量が0.10重量%以
下であることを特徴とするエッチング加工性に優れたリ
ードフレーム用Fe−Ni系合金。 - 【請求項2】C含有量が0.007重量%以下で、かつ結晶
粒度がNo.8.0以上であるリードフレーム用Fe−Ni系合金
であって、前記Fe−Ni系合金は、Ni25〜40重量%、Co5
〜20重量%、Si0.25重量%以下、Mn0.50重量%以下、残
部Feおよび不純物からなり、不純物のうちP0.005重量%
以下、S0.005重量%以下、その他の不純物元素の全含有
量が0.10重量%以下であることを特徴とするエッチング
加工性に優れたリードフレーム用Fe−Ni系合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1106513A JP3023112B2 (ja) | 1989-04-26 | 1989-04-26 | エッチング加工性に優れたリードフレーム用Fe―Ni系合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1106513A JP3023112B2 (ja) | 1989-04-26 | 1989-04-26 | エッチング加工性に優れたリードフレーム用Fe―Ni系合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02285054A JPH02285054A (ja) | 1990-11-22 |
JP3023112B2 true JP3023112B2 (ja) | 2000-03-21 |
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ID=14435500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1106513A Expired - Fee Related JP3023112B2 (ja) | 1989-04-26 | 1989-04-26 | エッチング加工性に優れたリードフレーム用Fe―Ni系合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3023112B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102261333B1 (ko) * | 2019-11-08 | 2021-06-08 | 엔피씨(주) | 보냉상자 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2723718B2 (ja) * | 1991-09-27 | 1998-03-09 | ヤマハ株式会社 | シャドウマスク用Fe−Ni−Co系合金 |
JP3463777B2 (ja) * | 1995-09-28 | 2003-11-05 | 日鉱金属株式会社 | 電気音響変換器用リードフレーム材及び電気音響変換器 |
-
1989
- 1989-04-26 JP JP1106513A patent/JP3023112B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102261333B1 (ko) * | 2019-11-08 | 2021-06-08 | 엔피씨(주) | 보냉상자 |
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JPH02285054A (ja) | 1990-11-22 |
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