JP2702731B2 - エッチング加工性ならびに耐応力腐食割れ性にすぐれたFe−Ni合金 - Google Patents
エッチング加工性ならびに耐応力腐食割れ性にすぐれたFe−Ni合金Info
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- JP2702731B2 JP2702731B2 JP7730788A JP7730788A JP2702731B2 JP 2702731 B2 JP2702731 B2 JP 2702731B2 JP 7730788 A JP7730788 A JP 7730788A JP 7730788 A JP7730788 A JP 7730788A JP 2702731 B2 JP2702731 B2 JP 2702731B2
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- corrosion cracking
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エッチング加工性ならびに耐応力腐食割れ
性にすぐれた電子部品用Fe−Ni合金に関するものであ
る。
性にすぐれた電子部品用Fe−Ni合金に関するものであ
る。
電子部品用Fe−Ni合金としては、38〜55%Ni、残部Fe
からなるものがICリードフレームとして使用されてお
り、最近では32〜38%Ni、残部Feからなるものがブラウ
ン管用シャドウマスク材として検討されている。
からなるものがICリードフレームとして使用されてお
り、最近では32〜38%Ni、残部Feからなるものがブラウ
ン管用シャドウマスク材として検討されている。
また、38〜44%Ni、4〜8%Crおよび残部Feからなる
いわゆる426合金が蛍光表示管等の封着材料として使用
されている。
いわゆる426合金が蛍光表示管等の封着材料として使用
されている。
シャドウマスク材は従来よりフォトエッチングにより
加工されてきたが、アンバー系のFe−Ni合金が使用され
るシャドウマスクは、高精細、超高精細用のファインピ
ッチ化が検討されており、従来に比べ数段、エッチング
加工性にすぐれていることが必須条件である。
加工されてきたが、アンバー系のFe−Ni合金が使用され
るシャドウマスクは、高精細、超高精細用のファインピ
ッチ化が検討されており、従来に比べ数段、エッチング
加工性にすぐれていることが必須条件である。
またIC用リードフレーム材はこれまで主として打抜法
により加工されてきたが、近年ではリードの多ピン複雑
化に伴い、フォトエッチング加工によるものが激増して
きている。この傾向は蛍光表示管用の426合金において
も同様であり、いずれの材料も優れたエッチング加工性
が要求されるようになってきている。
により加工されてきたが、近年ではリードの多ピン複雑
化に伴い、フォトエッチング加工によるものが激増して
きている。この傾向は蛍光表示管用の426合金において
も同様であり、いずれの材料も優れたエッチング加工性
が要求されるようになってきている。
さらにICリードフレーム材の場合には、ICパッケージ
の信頼性がより求められるようになっており、パッケー
ジの高集積化に伴い、とくに応力腐食割れの問題が大き
くクローズアップされてきている。
の信頼性がより求められるようになっており、パッケー
ジの高集積化に伴い、とくに応力腐食割れの問題が大き
くクローズアップされてきている。
従来のFe−Ni合金では、前述のエッチング加工性、な
らびに耐応力腐食割れ性において、十分満足できるもの
ではなく、シャドウマスクにおいてはエッチング断面の
粗さが大きく、ファインピッチ化に必要なエッチング精
度を得るのが難しかった。
らびに耐応力腐食割れ性において、十分満足できるもの
ではなく、シャドウマスクにおいてはエッチング断面の
粗さが大きく、ファインピッチ化に必要なエッチング精
度を得るのが難しかった。
また、ICリードフレームにおいては、リード曲げ部で
の応力腐食割れの発生等大きな問題を有していた。
の応力腐食割れの発生等大きな問題を有していた。
本発明は以上の点に鑑み、電子部品用Fe−Ni合金のエ
ッチング加工性ならびに耐応力腐食割れ性にすぐれたFe
−Ni合金を提供することを目的とする。
ッチング加工性ならびに耐応力腐食割れ性にすぐれたFe
−Ni合金を提供することを目的とする。
本発明は、重量%にて、Niを32〜55%含有するFe−Ni
合金であって、X線回折による結晶面の相対X線強度に
おいて、(220)面の強度が30〜55%の範囲にあり、か
つ(111)面の強度が15%以下であることを特徴とする
エッチング加工性ならびに耐応力腐食割れ性にすぐれた
Fe−Ni合金である。
合金であって、X線回折による結晶面の相対X線強度に
おいて、(220)面の強度が30〜55%の範囲にあり、か
つ(111)面の強度が15%以下であることを特徴とする
エッチング加工性ならびに耐応力腐食割れ性にすぐれた
Fe−Ni合金である。
前述のシャドウマスク、ICリードフレーム、封着用Fe
−NI合金は、X線回折により(311)、(220)、(20
0)、(111)面の相対X線強度が得られ、結晶方位の集
合度合がわかる。この結晶方位は加工条件により変化す
るものである。
−NI合金は、X線回折により(311)、(220)、(20
0)、(111)面の相対X線強度が得られ、結晶方位の集
合度合がわかる。この結晶方位は加工条件により変化す
るものである。
第1図に焼鈍時間を5分間とし、焼鈍温度を変化させ
た場合の各回折面の相対X線強度を示すが、焼鈍温度の
上昇とともに(111)面の相対X線強度が顕著に上昇す
る。
た場合の各回折面の相対X線強度を示すが、焼鈍温度の
上昇とともに(111)面の相対X線強度が顕著に上昇す
る。
第2図に圧延加工度を変化させた場合の各回折面の相
対X線強度を示すが、この場合には加工度の増大ととも
に(220)面の強度が上昇することがわかった。
対X線強度を示すが、この場合には加工度の増大ととも
に(220)面の強度が上昇することがわかった。
本発明は、こうした相対X線強度とエッチング加工性
および耐応力腐食割れ性との関係について詳細な検討を
行ない、相対X線強度を特定の範囲に制御することによ
りエッチング加工性および耐応力腐食割れ性に優れたFe
−Ni合金が得られることを見出したものである。
および耐応力腐食割れ性との関係について詳細な検討を
行ない、相対X線強度を特定の範囲に制御することによ
りエッチング加工性および耐応力腐食割れ性に優れたFe
−Ni合金が得られることを見出したものである。
次に、本発明における相対X線強度の限定理由につい
て述べる。
て述べる。
(111)面の相対X線強度が15%を越える場合は、耐
応力腐食割れ性は良好であるが、エッチング断面の表面
粗さが大となり、エッチング加工性が劣る。これより
(111)面の相対X線強度を15%以下に規定した。
応力腐食割れ性は良好であるが、エッチング断面の表面
粗さが大となり、エッチング加工性が劣る。これより
(111)面の相対X線強度を15%以下に規定した。
また、(220)面の相対X線強度については、30%未
満であると耐応力腐食割れ性は良好であるが、エッチン
グ断面の粗さが大となりエッチング加工性が劣り、55%
を越えると耐応力腐食割れ性が顕著に低下するため30〜
55%に規定した。
満であると耐応力腐食割れ性は良好であるが、エッチン
グ断面の粗さが大となりエッチング加工性が劣り、55%
を越えると耐応力腐食割れ性が顕著に低下するため30〜
55%に規定した。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
電子部品用Fe−Ni合金といてICリードフレームに使用
される42%Ni−FE合金、アンバー系シャドウマスクに使
用される36%Ni−Fe合金、蛍光表示管用封着材に使用さ
れる42%Ni−6%Cr−Fe合金を選び、これ等の合金の焼
鈍条件ならびに圧延加工条件を変化させ、第1表に示す
ような相対X線強度を有する材料を製作した。
される42%Ni−FE合金、アンバー系シャドウマスクに使
用される36%Ni−Fe合金、蛍光表示管用封着材に使用さ
れる42%Ni−6%Cr−Fe合金を選び、これ等の合金の焼
鈍条件ならびに圧延加工条件を変化させ、第1表に示す
ような相対X線強度を有する材料を製作した。
次に、エッチング加工性を評価するために第3図に示
すフレーム形状に試験片1をフォトエッチングにより加
工し、エッチング断面2の粗さを測定した。この粗さ
は、光学顕微鏡の焦点の移動距離により最大深さで表わ
したものである。また、耐応力腐食割れ性については、
35mml×10mmw×0.15mmtの試験片1を塩素系フラックス
(山栄化学株式会社製FN101B)に70sec浸漬した後、60s
ecの流水洗浄を行ない、これを熱風乾燥したものを第4
図に示す治具3によって拘束し、500時間後の割れの発
生の有無により評価した。これらの結果を第1表に付記
した。
すフレーム形状に試験片1をフォトエッチングにより加
工し、エッチング断面2の粗さを測定した。この粗さ
は、光学顕微鏡の焦点の移動距離により最大深さで表わ
したものである。また、耐応力腐食割れ性については、
35mml×10mmw×0.15mmtの試験片1を塩素系フラックス
(山栄化学株式会社製FN101B)に70sec浸漬した後、60s
ecの流水洗浄を行ない、これを熱風乾燥したものを第4
図に示す治具3によって拘束し、500時間後の割れの発
生の有無により評価した。これらの結果を第1表に付記
した。
第1表に示すように、42%Ni−Fe合金、36%Ni−Fe合
金および42%Ni−6%Cr−Fe合金のいずれも(111)面
の相対X線強度が15%以下で(220)面の相対X線強度
が30〜50%の範囲においては、エッチング加工性、耐応
力腐食割れ性のいずれも良好な結果となった。
金および42%Ni−6%Cr−Fe合金のいずれも(111)面
の相対X線強度が15%以下で(220)面の相対X線強度
が30〜50%の範囲においては、エッチング加工性、耐応
力腐食割れ性のいずれも良好な結果となった。
〔発明の効果〕 本発明によれば、エッチング加工性ならびに耐応力腐
食割れ性に優れたFe−Ni合金が得られ、シャドウマス
ク、ICリードフレームおよび蛍光表示管等への高精度の
エッチング加工が可能となり、さらには製品の耐久性も
向上し、品質の大幅な向上となる。
食割れ性に優れたFe−Ni合金が得られ、シャドウマス
ク、ICリードフレームおよび蛍光表示管等への高精度の
エッチング加工が可能となり、さらには製品の耐久性も
向上し、品質の大幅な向上となる。
【図面の簡単な説明】 第1図は焼鈍温度を変化させた場合の回折面と相対X線
強度の関係を示した図、第2図は圧延加工後を変化させ
た場合の回折面と相対X線強度の関係を示した図、第3
図はエッチング加工性の試験の説明図、第4図は耐応力
腐食割れ性評価試験の説明図である。 1:試験片、2:エッチング断面、3:治具
強度の関係を示した図、第2図は圧延加工後を変化させ
た場合の回折面と相対X線強度の関係を示した図、第3
図はエッチング加工性の試験の説明図、第4図は耐応力
腐食割れ性評価試験の説明図である。 1:試験片、2:エッチング断面、3:治具
Claims (1)
- 【請求項1】重量%にて、Niを32〜55%含有するFe−Ni
合金であって、X線回折による結晶面の相対X線強度に
おいて、(220)面の強度が15%以下であることを特徴
とするエッチング加工性ならびに耐応力腐食割れ性にす
ぐれたFe−Ni合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7730788A JP2702731B2 (ja) | 1988-03-30 | 1988-03-30 | エッチング加工性ならびに耐応力腐食割れ性にすぐれたFe−Ni合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7730788A JP2702731B2 (ja) | 1988-03-30 | 1988-03-30 | エッチング加工性ならびに耐応力腐食割れ性にすぐれたFe−Ni合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01247558A JPH01247558A (ja) | 1989-10-03 |
JP2702731B2 true JP2702731B2 (ja) | 1998-01-26 |
Family
ID=13630259
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7730788A Expired - Lifetime JP2702731B2 (ja) | 1988-03-30 | 1988-03-30 | エッチング加工性ならびに耐応力腐食割れ性にすぐれたFe−Ni合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2702731B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2567159B2 (ja) * | 1991-05-17 | 1996-12-25 | 日本冶金工業株式会社 | 黒化処理性に優れたFe−Ni系シャドウマスク材 |
JP2001152292A (ja) * | 1999-11-25 | 2001-06-05 | Nippon Mining & Metals Co Ltd | 磁気特性に優れたセミテンションマスク用Fe−Ni系合金並びにそれを用いたセミテンションマスク及びカラーブラウン管 |
CN1205347C (zh) | 2000-11-21 | 2005-06-08 | 日本冶金工业株式会社 | 具有良好蚀刻加工性的荫罩用Fe-Ni合金材料 |
WO2020105910A1 (ko) | 2018-11-19 | 2020-05-28 | 엘지이노텍 주식회사 | 합금 금속판 및 이를 포함하는 증착용 마스크 |
-
1988
- 1988-03-30 JP JP7730788A patent/JP2702731B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01247558A (ja) | 1989-10-03 |
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